JP2502683B2 - 染料転写体及びその製造方法 - Google Patents

染料転写体及びその製造方法

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JP2502683B2 JP63144242A JP14424288A JP2502683B2 JP 2502683 B2 JP2502683 B2 JP 2502683B2 JP 63144242 A JP63144242 A JP 63144242A JP 14424288 A JP14424288 A JP 14424288A JP 2502683 B2 JP2502683 B2 JP 2502683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、染料転写体上の色素を受像体上の染着層へ
転写し画像を形成する染料転写型感熱記録において、染
料転写体の同一カ所を複数回使用する多数回記録のため
の染料転写体及びその製造方法に関する。
従来の技術 昇華性の高い色素を用いた染料転写型感熱記録は記録
ドット毎の濃度階調記録が可能なフルカラー記録方式で
あるが、転写体コストが高い欠点があり転写体の多数回
利用に対する試みが行われている。多数回記録の報告と
して、 (1)「昇華転写型感熱記録体のn倍モード記録特性」
(昭和60年第2回ノンインパクトプリンティング技術シ
ンポジウム論文集、P101〜104)及び(2)「多数回記
録用昇華型フィルムの検討」(画像電子学会昭和61年度
全国大会予稿集)がある。
(1)(2)は共に相対速度方式による多数回記録特性
に関する。
多数回記録には同一部分をN回繰り返し使用する単純
繰り返し方式と、受像体に対し染料転写体の供給速度を
1/nにし実質的にn回の多数回記録を行うn倍モード相
対速度方式の2つがある。相対速度方式は、染料転写体
・受像体間の滑性化のための工夫が必要だが、常に転写
体の未記録部分が供給されるため実質的な繰り返し数は
単純繰り返し方式に比べ大きくとることができる。
(1)では転写体・受像体間に球形スペーサ粒子を介
し、繰り返し数n=12で記録濃度約1.8を実現してい
る。(2)では転写体と受像体を密着走行させn=10で
記録濃度約1.0を実現している。
発明が解決しようとする課題 通常記録(1回記録)と同等のフルカラー画像記録を
実現するには、通常記録時の飽和記録濃度と同等の飽和
記録濃度(約1.5〜1.8)を確保することと、記録履歴の
影響がでないよう同一記録エネルギーに対し繰り返し回
数による記録濃度変化が小さいことが条件となる。
従来例(1)では、多数回記録に必要な色素量を充分
に確保すれば、記録特性的には前記条件を満足してい
る。しかし染料転写体・受像体間に相対速度走行を可能
にする滑性を与えると同時に、転写量を昇華過程により
律速させるためのスペースを設けるため、使用可能な色
素が昇華性の高い色素に限られる。従来例(2)では密
着拡散転写により昇華性の低い高耐候性色素を使用する
ことが可能であるが、多数回記録に必要な色素量を十分
確保しても、同一記録エネルギーに対する繰り返し回数
増加による記録濃度低下が大きく、またその結果多数回
記録時に得られる飽和記録濃度が実用レベルに達してい
ない。
これに対して、少なくとも昇華性の高い色素と結着剤
を含み、層表面側における前記色素の重量濃度が層基体
側より低いよう構成された色材層を基体上に有する染料
転写体を用いることにより、密着拡散転写において染料
転写体の同一カ所を多数回使用することが可能になる。
しかしながら、油溶性樹脂を含む色素低濃度層を有機溶
剤溶液塗布によって積層すると、予め塗布してある色素
高濃度層が溶解してしまい色材層表面の色素濃度を低く
抑えることが難しく、本来予期できる良好な多数回記録
特性が得られなかった。
本発明は、前記問題点を解決し、実用性の高い高耐候
性低昇華性の色素が使用可能で、同一記録エネルギーに
対する記録回数増に伴う記録濃度低下が小さく、より多
数回まで高い飽和記録濃度を保持することができ、より
低いランニングコストで通常の1回記録と同等のフルカ
ラー記録を可能とする多数回記録用染料転写体を提供す
ることを目的とする。
課題を解決するための手段 少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層中の色素濃
度が前記高濃度層より低く、少なくとも水溶性樹脂また
は水分散性樹脂を含む色素透過性低濃度層とを、基体上
に順次積層した構成とする。
作用 染料転写体、受像体間にスペースを設けない場合、色
素の転写は色材層・染着層間の色素の拡散現象に支配さ
れる。従って、多数回記録の色素消費過程における色材
層表面の色素濃度変化に着目すると、通常の形成法によ
る色材層では初期状態において色材層内部に色素の濃度
勾配が無いため、初回の記録時には表面付近の色素が消
費され、色材層表面の色素濃度は色材層内部の濃度の半
分近くに低下する。2回目以降は色材層内部の濃度勾配
により内部からも色素が供給されるため色材層表面の色
素濃度低下速度は非常に小さくなる。従って同一記録エ
ネルギーを加えたときの多数回記録時の記録濃度変化
は、初回から2回目にかけて大きく低下し、以降の記録
濃度低下は小さい。そこで、まず基体上に色素高濃度層
を設け、次に色素の重量濃度が低い層を水溶性樹脂また
は水分散性樹脂を含む水系塗液で塗布することにより、
先に塗布した色素高濃度層を溶解することなく色材層表
面側の色素重量濃度を低くし色材層内部に濃度勾配を持
たせることで、初回から色材層内部からの色素供給がな
されることになり、この結果、色材層表面の色素濃度の
急激な低下に伴う、初期の記録濃度の急激な低下を大き
く改善することができる。
実施例 本発明について具体的に説明する。
良好な多数回記録特性が得られる、少なくとも昇華性
の高い色素と結着剤を含み、層表面側における前記色素
の重量濃度が層基体側より低いよう構成された色材層を
基体上に有する染料転写体において、具体的に前記色素
濃度分布を実現するための色材層形成方法としては、 (1)相異なる色素重量濃度を有する複数の層を、濃
度の高い方から基体上に順次積層することにより色材層
を形成する方法と、 (2)基体上に少なくとも色素と結着剤とからなる色
材層を設けた後、色材層表面近傍の色素を除去すること
により色材層を形成する方法 とがある。
(2)については、所望の色素濃度分布を安定に且つ
厳密に得ることは難しいので、通常(1)の方法によっ
て形成されると考えられる。
(1)においては、数層を重ね色材層内部全体に濃度
勾配をつけることが好ましいが、製造の最も容易な2層
構成即ち、少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層中
の色素重量濃度が前記高濃度層より低い色素透過性低濃
度層とを、基体上に順次積層して色材層とした染料転写
体においても、多数回記録時の初期記録濃度変化を大き
く改善することが十分可能である。2層構成において、
初期の記録濃度変化を抑えるには、色素透過性低濃度層
の色素重量濃度を色素高濃度層の色素重量濃度の1/2以
下とすることがより好ましく効果が大きい。色素透過性
低濃度層の厚みは、色素透過性低濃度層の色素濃度の色
素高濃度層の色素濃度に対する比率により最も効果の高
い厚みに調整することが出来る。比率が高い場合は厚
く、低い場合には薄くすることで調整可能であり、色素
透過性低濃度層の色素濃度が零に近い場合は1μm以下
にすることが好ましい。また、2層構成においては、色
素透過性低濃度層に長期保存時の色素高濃度層の保護機
能を持たせることが出来るため、従来保存性の観点で問
題のあった色素高濃度層の色素含有率を50重量%以上に
することが可能であり、これにより多量の色素を効率よ
く染料転写体上に保持することができ、また高濃度で色
素を保持するため、より多数回の記録まで色材層内部の
色素濃度を高く保てるため、より多数回の記録まで記録
濃度変化の少ない高濃度記録が出来る。しかし、色素濃
度が異なる同じ様な溶剤組成の塗液を繰り返し塗布する
方法では、後から塗布する塗液によって先に設けた色素
高濃度層が溶解してしまい、その高濃度の色素のために
容易に後から塗布している色素透過性低濃度層の色素濃
度を高めてしまう。このため良好な多数回記録特性を得
ることができなかった。
そこで「少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層中
の色素濃度が前記高濃度層より低く、少なくとも水溶性
樹脂または水分散性樹脂を含む色素透過性低濃度層と
を、基体上に順次積層」することで染料転写体を形成す
ると、色素透過性低濃度層は色素高濃度層を溶解しない
水系塗液として塗布するので上記に述べたような問題点
は解決できる。
第1図に構成例を示す。転写体1は、転写基体2上に
色素高濃度層9、色素透過性低濃度層10を順次積層し色
材層3としたものである。また、受像体4は、受像基体
5上に染着層6を設けたものである。
また、染料転写体の熱記録ヘッドの対する走行速度が
受像体の熱記録ヘッドに対する走行速度より小さな状態
で、染料転写体裏面もしくは受像体裏面より選択的に加
熱して色材層中の色素を受像体染着層へ転写し受像体上
へ画像を形成する相対速度記録方式の多数回記録におい
ても、相対速度比nの増加による記録濃度低下を抑える
ことが可能である。
ここで相対速度記録方式の原理を第2図に示す。転写
体1と受像体4は色材層染着層が密着するようにプラテ
ン7によりサーマルヘッド8に押圧される。受像体4の
サーマルヘッド8に対する速度vに対し、転写体1はv/
n(n=1、2、・・)で走行する。転写体の走行方向
は、受像体の走行方向に対し同方向でも逆方向でも構わ
ない。しかしながら、転写体がサーマルヘッドによって
加熱されているので転写体色材層と受像体染着層の融着
が起こり易く、少なくとも色材層もしくは染着層の一方
に十分な滑性が必要である。
そこで、「少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層
中の色素濃度が前記高濃度層より低く、少なくとも水溶
性樹脂または水分散性樹脂と滑剤を含む色素透過性低濃
度層とを、基体上に順次積層して色材層とした」染料転
写体及び「少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層中
の色素濃度が前記高濃度層より低く、少なくとも水溶性
樹脂または水分散性樹脂を含む色素透過性低濃度層と、
少なくとも滑剤を含む滑剤層とを、基体上に順次積層し
て色材層とした」染料転写体について説明する。
前記2種の染料転写体は相対速度記録を可能にする滑
性を付与した染料転写体である。このような色材層表面
に滑性を有する染料転写体の具体的な表面状態を形成す
る方法としては、 (1)色素高濃度層を塗布して形成した後、水溶性樹脂
または水分散性樹脂と滑剤を含む水系塗液を塗布するこ
とで滑性を付与した色素透過性低濃度層を形成する方法
と、 (2)前記のような方法で、予め適当な色素濃度分布が
形成された層上に少なくとも滑剤を含む滑剤層を積層す
る方法、 とがある。
第3図に(2)の構成例を示す((1)については、
第1図と同様である)。転写体1は、転写基体2上に色
素高濃度層9、色素透過性低濃度層10、滑剤層11を順次
積層し色材層3としたものである。
本染料転写体を使用し、染料転写体の色材層と色素染
着性を有する受像体の染着層とを密着し多数回記録を行
うことにより、初期記録濃度低下の小さい多数回記録が
可能である。また本染料転写体の色材層で十分な滑性を
付与する滑剤を表面に含んでいるものは、染料転写体の
熱記録ヘッドに対する走行速度が前記受像体の熱記録ヘ
ッドに対する走行速度より小さな状態で、染料転写体裏
面もしくは受像体裏面より選択的に加熱して色材層中の
色素を染着層へ転写し受像体上へ画像を形成する相対速
度記録方式の多数回記録においても、初期記録濃度低下
の小さい多数回記録が可能である。
以下本発明に用いる具体的材料について説明を加え
る。
色素としては分散色素、塩基性染料及び塩基性染料の
ダイフォーマなどがある。
転写に必要な加熱源は、サーマルヘッド、通電方式、
レーザによるヒートモード加熱等特に限定されず、従っ
て染料転写体、受像体に使用する基体も用途により種々
のものが使用可能である。例えばサーマルヘッドに対す
る染料転写体の基体としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等
のエステル系高分子、ナイロン等のアミド系高分子、ア
セチルセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の
イミド系高分子等があり、基体の熱記録ヘッドに直接接
する面には必要に応じて耐熱層或は滑性層を設ける。ま
た通電記録、誘導加熱記録を行うためには、上記材料等
に導電性を付与したフィルムが使用される。
色素高濃度層を形成する結着樹脂は特に限定するもの
ではないが、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ナイ
ロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、(メタ)アク
リル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリフェニレンオキシド、セルロース誘導体、等を
挙げることができ、必要な特性に応じて選択、組み合わ
せて用いられる。
色素高濃度層は、少なくとも色素を含んでいれば良い
が、前記のような結着材の他、滑剤、色素分散剤など各
種添加剤を含んでいても良い。しかしシリコーン化合物
・ワックスなどを添加して色素高濃度層の表面自由エネ
ルギーを小さくしてしまうと、表面自由エネルギーが比
較的高い水系塗液は塗布が困難になるので注意が必要で
ある。
色素高濃度層を形成するためのインク調製にしようす
る溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族類、酢酸ブチルなどの
エステル類、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどの
窒素化合物類、ジクロルメタン、クロルベンゼン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが使用できる。
更に、インクを基材上に塗布する方法としては、リバー
スロールコーター、グラビアコーター、ロッドコータ
ー、エアドクタコーターなどを使用して実施することが
できる(原崎勇次著、槙書店1979年発行「コーティング
方式」)。塗液の塗布方法としては、色素透過性低濃度
層、滑剤層の場合についても同様である。
色素高濃度層の厚みは、色素高濃度層中の色素濃度、
目標とする記録回数または相対速度比そして必要な最高
記録濃度を得るために受像体上に必要な色素量に依存す
るが、最低限下記の式で与えられる乾燥塗工重量は確保
することが好ましい。
最低乾燥塗工重量(g/m2)=(目標記録回数)×(必
要色素量g/m2)/(色素重量濃度) 色素透過性低濃度層に用いる水溶性樹脂及び水分散性
樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)ア
クリル酸(金属塩も可)、ポリアクリルアミド、水性ウ
レタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂
などを挙げることができる(「水溶性高分子 水分散性
樹脂の最近加工・改質技術と用途開発 総合技術資料
集」経営開発センター出版1981年参照)。しかしなが
ら、例えば高鹸化度のポリビニルアルコールやアクリル
酸のホモポリマなどは色素の拡散速度が小さく、層厚み
が大きくなると十分な記録感度を得ることができず、ま
た厚み変動の記録感度・多数回記録特性への影響が大き
く実用的ではない。適当な色素の拡散速度を有する水溶
性樹脂または水分散性樹脂としては、鹸化度が30〜90%
であるポリビニルアルコール、水溶性(あるいは水分散
性)ポリエステル樹脂、水溶性(あるいは水分散性)ポ
リウレタン樹脂、水溶性(あるいは水分散性)アクリル
樹脂などを挙げることができる。さらに、色素高濃度層
と色素透過性低濃度層と滑剤層とを順次積層する場合、
滑剤層塗液によって色素透過性低濃度層が侵されてしま
うと色材層表面の色素濃度が適当な濃度よりも高くなっ
て、多数回記録特性が悪くなくなってしまう。このよう
な場合には、色素透過性低濃度層の樹脂が耐有機溶剤性
を有しなければならない。このような水溶性または水分
散性樹脂としては、鹸化度が70〜90%のポリビニルアル
コール、水溶性(または水分散性)ポリウレタン樹脂な
どを挙げることができる。また、色素透過性低濃度層が
滑剤を含む場合、使用できる滑剤は水系塗液に溶解また
は乳化できるものであれば、特に限定されるものではな
く、後記の滑剤層に使用される滑剤などが挙げられる。
色素透過性低濃度層を形成するためのインク調製に使
用する溶剤としては、水以外にアルコール類、ケトン
類、セロソルブ類などを添加しても良い。滑剤の乳化に
あたって、適当な乳化剤を添加することや、塗液の表面
張力を低下させるためにかしく界面活性剤を添加するこ
とは差し支えないのはいうまでもない。
色素透過性低濃度層の厚みは、用いる水溶性樹脂また
は水分散性樹脂の色素拡散速度や色素濃度あるいは目標
とする記録に必要なエネルギー、記録回数または相対速
度記録での相対速度比nなどに応じて調製することがで
きるが、記録回数またはnが数10程度では厚みは0.1〜
1μm程度が適当である。
滑剤層は少なくとも滑剤を含まなければならない。
滑剤層や色素透過性低濃度層に含まれる滑剤として
は、例えば流動パラフィン等石油系潤滑油、シリコーン
油、フッ素シリコーン油等合成潤滑油、各種変性シリコ
ーン油(エポキシ変性、アミノ変性、アルキル変性、ポ
リエーテル変性等)、ポリオキシアルキレングリコール
等の有機化合物とシリコーンの共重合体等のシリコーン
系潤滑性物質、フルオロアルキル化合物等各種フッ素系
界面活性剤、三弗化塩化エチレン低重合物等のフッ素系
潤滑性物質、パラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高級アルコ
ール、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、高級脂
肪酸塩等がある。このうち液状滑剤は、記録のための加
熱が行われない状態でも液状滑剤に色素が溶解した状態
で受像体に転移してしまうことがあるので好ましいとは
いえない。好ましくは、融点が60℃以上のワックス(更
に各種溶剤への溶解度の点において好ましくは、パラフ
ィンワックス、マイクロワックス)、脂肪酸アミド、脂
肪酸、反応性シリコーンオイルの反応物(無触媒で反応
するという点において好ましくは、エポキシ変性シリコ
ーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの反応物)な
どがある。これらは必要に応じて選択かつ組み合わせて
使用することが出来る。
また、滑剤層は必要に応じて結着樹脂を含んでいても
良く、色素高濃度層に用いることができる各種結着樹脂
の他、水溶性樹脂、水分散性樹脂などを使用することが
できる。しかしながら、染料転写体の記録特性を低下さ
せないように、色素の拡散速度が低くないものを用いる
ことが好ましい。
受像体は,通常受像基体と染着層から構成される。
受像基体としては、通常透明なものとしてはポリエス
テル等の各種フィルム、白色のものとしてはポリエステ
ル、ポリプロピレン等を主とした合成紙あるいはコート
紙、普通紙等が目的の応じて用いられる。
染着層に用いる染着性物質としてはポリエステル、ポ
リアミド、アクリル樹脂、アセテート樹脂、各種セルロ
ース誘導体、デンプン、ポリビニルアルコール等があ
り、更に硬化樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ア
セテート等の熱、光、電子線等による硬化物があり、必
要に応じて選択、組み合わせて用いられる。
以下具体的実施例により本発明の効果を説明する。
染料転写体の基体としては芳香族ポリアミドフィルム
(6μm厚)に耐熱滑性層を設けたものを共通に用い
た。受像体の基体としてはPET製白色合成紙を使用し、
この上に紫外線硬化樹脂(昭和高分子(株)SP5003)10
g、増感剤(日本チバガイギー(株)イルガキュア184)
0.1g、アミド変性シリコーンオイル(信越化学(株)KF
3935)0.05gをトルエン10gに溶解した塗液をワイヤーバ
ーにて塗布した後、熱風乾燥し、さらに1kW高圧水銀灯
で1分間紫外線を照射して硬化させ、染着層を形成して
受像体とした。使用した染料は下記の構造式のものであ
る。
記録手段としてはサーマルヘッドを使用し、記録条件
としては 記録周期 16.7ms/l 記録パルス幅 MAX4.0ms 解像度 6 l/mm 記録エネルギー 6 J/cm2(可変) 転写体走行速度 1.0mm/s※ 受像体走行速度 10.0mm/s を基本とした(※相対速度記録の場合のみ、単純繰り返
し記録では10.0 mm/sである)。
〈実施例1〉 基体上に上記の構造式の染料2gと結着樹脂としてブチ
ラール樹脂(積水化学(株)エスレックBX-1)2gをトル
エン21g、MEK9gの混合溶媒に溶かしたインクをワイヤー
バーで乾燥塗工重量が3g/m2になるように塗布し乾燥
し、色素高濃度層を設けた。そして水溶性飽和ポリエス
テル樹脂(日本合成化学(株)ポリエスターWR901)1
g、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)ゴーセ
ノールKH-17)0.1gを水20gに溶解した塗液をワイヤーバ
ーで乾燥塗工重量が0.2g/m2になるように塗布し乾燥し
て色素透過性低濃度層を設けた。さらにブチラール樹脂
(積水化学(株)エスレックBMS)1g、融点69℃のパラ
フィンワックス(日本精蝋(株)品番155)0.05g、オレ
イン酸アミド0.05gをトルエン15gに溶解した塗液をワイ
ヤーバーで乾燥塗工重量が0.2g/m2になるように塗布し
乾燥して滑剤層を設け、色材層とし、染料転写体を得
た。
〈実施例2〉 実施例1と同様にして色素高濃度層を設けた後、45%
鹸化ポリビニルアルコール1gを水7.5g、エタノール7.5g
の混合溶媒に溶解した塗液を乾燥塗工重量が0.2g/m2
なるようにして塗布し乾燥して染料転写体とした。
〈実施例3〉 実施例1と同様にして色素高濃度層と設けた後、水分
散ウレタンアイオノマー樹脂溶液(大日本インキ(株)
ハイドランAP40 固形分22重量%)5g、ポリビニルアル
コール(日本合成化学(株)ゴーセノールKH-17)0.02g
を水12.5gに希釈・溶解した塗液を乾燥塗工重量が0.2g
になるように塗布し乾燥して色素透過性低濃度層とし
た。さらにブチラール樹脂(同BMS)1g、アミノ変性シ
リコーンオイル(信越化学(株)KF393)0.05g、エポキ
シ変性シリコーンオイル(信越化学(株)X-22-393)0.
05gをトルエン15gに溶解した塗液を同様にして塗布し乾
燥して染料転写体とした。
〈実施例4〉 実施例1と同様にして色素高濃度層を設けた後、45%
鹸化ポリビニルアルコール1g、融点69℃のパラフィンワ
ックス(同)0.05g、オレイン酸アミド0.05g、界面活性
剤(花王(株)レオドール430)0.002gを水7.5g、エタ
ノール7.5gの混合溶媒に溶解・乳化した塗液を乾燥塗工
重量が0.2g/m2になるようにして塗布し乾燥して染料転
写体とした。
〈比較例1〉 実施例1と同様にして色素高濃度層を設けて染料転写
体とした。
〈比較例2〉 実施例1と同様にして色素高濃度層を設けた後、ブチ
ラール樹脂(同 BX-1)1g、融点69℃のパラフィンワッ
クス(同)0.05g、オレイン酸アミド0.05gをトルエン21
g、MEK9gに溶解した塗液を乾燥塗工重量が0.8gになるよ
う塗布し乾燥して色素透過性低濃度層を設けて染料転写
体とした。但しこの場合、色素透過性低濃度層を塗布し
た後のワイヤーバーには大量の染料が溶解した塗液が付
着していた。
〈比較例3〉 実施例1と同様にして色素高濃度層を設けた後、ポリ
ビニルアルコール((株)クラレ ポバール117)1gを2
0gの水に溶解した塗液を乾燥塗工重量が0.1g/m2になる
ように塗布し乾燥して色素透過性低濃度層とした。さら
にブチラール樹脂(同 BMS)1g、アミノ変性シリコー
ンオイル(信越化学(株)KF393)0.05g、エポキシ変性
シリコーンオイル(信越化学(株)X-22-393)0.05gを
トルエン15gに溶解した塗液を同様にして塗布し乾燥し
て染料転写体とした 以上のような染料転写体を前記条件で記録に供し、相
対速度記録の可否を調べた。結果は第1表及び第4図の
ようになった。
第4図においては、単純繰り返し方式多数回記録にお
ける同一記録エネルギーでの記録濃度変化=N回目の記
録濃度/1回目の記録濃度(%)を測定した。
発明の効果 本発明によれば、多数回記録における、繰り返し回数
の増加に伴う色材層表面の色素濃度の急激な低下が抑え
られ、記録濃度の低下が大きく改善される。また、滑剤
を含むことによって滑性を付与した染料転写体は、相対
速度記録も可能になる。
その結果、実用性の高い高耐候性低昇華性の色素が使
用可能で、同一記録エネルギーに対する記録回数増に伴
う記録濃度低下が小さく、より多数回まで高い飽和記録
濃度を保持することができ、より低いランニングコスト
で通常の1回記録と同等のフルカラー記録を可能とする
多数回記録用染料転写体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、および第3図は本発明の実施例における染料転
写体の断面図、第2図は相対速度記録方式多数回記録の
原理図、第4図は本発明の具体的実施例における多数回
記録濃度特性を示す図である。 1……転写体、3……色材層、4……受像体、6……染
着層、9……色素高濃度層、10……色素透過性低濃度
層、11……滑剤層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 章博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田口 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−83889(JP,A) 特開 昭62−181185(JP,A) 特開 昭62−288082(JP,A) 特開 昭63−47193(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも色素を含む色素高濃度層と、層
    中の色素濃度が前記高濃度層より低く、少なくとも水溶
    性樹脂または水分散性樹脂を含む色素透過性低濃度層と
    を、基体上に順次積層して色材層とした染料転写体。
  2. 【請求項2】色素透過性低濃度層が更に滑剤を含む特許
    請求の範囲第1項記載の染料転写体。
  3. 【請求項3】色素透過性低濃度層上に更に、少なくとも
    滑剤を含む滑剤層を積層して色材層とした特許請求の範
    囲第1項記載の染料転写体。
  4. 【請求項4】色素低濃度層の水溶性樹脂または水分散性
    樹脂が、部分鹸化ポリビニルアルコール、水溶性飽和ポ
    リエステル樹脂、または水分散性ポリウレタン樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項記載の染料転写体。
  5. 【請求項5】少なくとも色素を含む有機溶剤系塗液と、
    固形分中の色素濃度が前記有機溶剤系塗液の固形分中の
    色素濃度よりも低く少なくとも水溶性樹脂または水分散
    性樹脂を含む水系塗液とを、基体上に順次積層して少な
    くとも色素高濃度層と色素透過性低濃度層からなる色材
    層を構成することを特徴とする染料転写体の製造方法。
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