JP2777719B2 - 昇華型熱転写記録方法 - Google Patents

昇華型熱転写記録方法

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JP2777719B2 JP63163652A JP16365288A JP2777719B2 JP 2777719 B2 JP2777719 B2 JP 2777719B2 JP 63163652 A JP63163652 A JP 63163652A JP 16365288 A JP16365288 A JP 16365288A JP 2777719 B2 JP2777719 B2 JP 2777719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は昇華型熱転写記録方法に関し、より詳しく
は、フルカラーの多数回記録に適する昇華型熱転写記録
方法に関する。
[従来の技術] 近年、フルカラープリンターの需要が年々増加し、こ
のフルカラープリンターの記録方式として電子写真方
式、インクジェット方式、感熱転写方式等があるが、こ
の中で保守性が容易、騒音がない等により感熱転写方式
が多く用いられている。
この感熱転写は、固体化したカラーインクシートと受
像紙とからなっており、レーザーやサーマルヘッド等の
電気信号により制御された熱エネルギーでインクを受像
紙に熱溶融転写または昇華移行させて画像形成させる記
録方式である。
そして、この感熱転写記録方式には大別して前記熱溶
融転写型と昇華転写型とがあり、特に後者は原理的にサ
ーマルヘッド等からの熱エネルギーに対応して昇華染料
が単分子状で昇華するため容易に中間調が得られ、かつ
随意に階調をコントロールすることが可能である利点を
有し、フルカラープリンターに最も適した方式と考えら
れる。
但し、この昇華型転写記録方式は、記録用サプライと
してカラーインクシートを用い、画像信号により選択的
に加熱記録を行なうため、1枚のフルカラー画像を得る
ために、イエロー、マゼンタ、シアン、(ブラック)の
インクシートを各1枚づつ使用し、その後未使用部が存
在しても、破棄するためランニングコストが高いという
欠点を有している。
そこで、現在この欠点に着目し、インクシートを多数
回使用することにより、この欠点を改善しようとインク
シートと受像体を等速に移動させ、繰返し利用する等速
モード方とインクシートの走行速度を受像体のそれより
遅くして色材層の第1回使用部分と第2回使用部分の重
なりを少しづつずらせ使用するN倍モード法とが提案さ
れている。
しかし、昇華型熱転写記録方式において、昇華、蒸発
反応が基本的に零次反応であり、等速モードにおいては
マルチ使用に十分耐えられる染料量をインク層中に含ま
せているにもかかわらず、印字回数が増加するにつれ急
速に特に高画像濃度部の転写濃度が低下してくるため、
多数回の印字が実質的にできないものがあった。
本発明者らは、従来の昇華型転写媒体が多数回印字を
可能とすべく十分な染料を均一に分散させた厚い転移層
を有するにもかかわらず、何故1回目の印字に比し2回
目以降急速に転写濃度が減じるかにつき鋭意検討したと
ころ、次の事実を知見した。すなわち、 1) 転移層から受像層中へ昇華する染料は、転移層の
自由表面にごく近傍に存在するものだけであり、この近
傍層には染料が消費された量に見合うだけの本体中から
の染料の供給がない。
2) 昇華染料は、転移層中でフィックの法則に従って
拡散する。
以上から多数回転写できない理由は、インク層の自由
表面のごく近傍中の染料が各回減少するためであること
を見出した。
この知見に基づき染料転写寄与層(昇華転写する機能
を有する比較的薄い表面層で、インク層自由表面近傍の
記録時、直接受像層中へ染料が拡散転写し直接画像形成
に寄与する層)の下層部に各記録時染料転写寄与層の消
費した染料を補いやすいように染料放出能を 染料供給層>染料転写寄与層 となるような染料供給層(前記染料転写寄与層の昇華性
染料を拡散供給する機能を有する層)を形成した多数回
記録用の熱転写記録媒体を提案した(提案)。
さらに高濃度部でも良好な多数回記録特性を得るため
に染料供給層中に各回染料供給層中での染料濃度を一定
に保つべく、染料供給層中に非溶解粒子状染料を存在さ
せる熱転写記録媒体を提案した(提案)。
ところで、フルカラー画像を形成する際の昇華転写用
マゼンタ染料は単独で良好なものが存在せず、一般にレ
ッド染料とバイオレット染料の混色で形成されている。
従って、多数回記録時、このマゼンタ色のレッド染料と
バイオレット染料のバランスがくずれた場合、全体のフ
ルカラー画像に色ずれが生じる。また、レッド染料とバ
イオレット染料のバランスがくずれる場合、レッド染料
過剰とバイオレット染料過剰では副成分であるバイオレ
ット染料過剰の方が目視において色調ずれが顕著とな
る。
このような、レッド染料とバイオレット染料のバラン
スの観点からみると、上記提案およびともマゼンタ
用転写体のレッド染料とバイオレット染料の混合比は、
1回記録と同様の混合比であるために、多数回記録を行
なった場合、各回でレッド染料とバイオレット染料の混
合比アンバランスによる色調ずれが生じるという問題が
あった。
この主原因は画像形成に直接寄与する染料転写寄与層
中のレッド染料・バイオレット染料比率が各印字ごとに
異なるためと考えられる。すなわち、 染料供給層から染料転写寄与層への染料供給量は、
染料転写寄与層、染料供給層間の拡散係数、濃度勾配に
よって決まる(Fickの法則)。
での濃度勾配とは染料含有料勾配ではなく、各層
中に分子分散されている染料量勾配である。
よって、染料供給層中の非溶解粒子状染料量はで
述べた濃度勾配に寄与しない。
以上より、レッド染料、バイオレット染料の染料供
給層から染料転写寄与層へ各回一定の比率(良好なマゼ
ンタ色を示すレッド染料、バイオレット染料の比率)で
供給するには、供給時(記録時)の各温度において常に
染料供給層中でレッド染料とバイオレット染料が一定の
比率で溶解していなければならない。
しかし、のレッド染料、バイオレット染料の染料
供給層中での溶解度コントロールは非常に困難である。
よって、染料供給層から染料転写寄与層への供給時の
レッド染料、バイオレット染料の比率が異なり、結果的
に染料転写寄与層中の初期におけるレッド染料、バイオ
レット染料の比率が各回の印字によって変化し、転写時
も変化し、色ずれが生ずる。
この場合、特に副成分であるバイオレット染料の供
給、転写が過剰の場合、目視における色ずれが顕著とな
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、多数回転写記録によっても色調ずれのない
マゼンタ色が得られ、よって高画質のフルカラー記録を
可能にする昇華型熱転写記録方法を提供することを解決
すべき課題とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、基体上に該基体側から順に昇華性染
料および有機結着剤からなる染料供給層および染料転写
寄与層を積層させてなる昇華型熱転写体を用いて画像信
号に応じ画像を形成する昇華型熱転写記録方法におい
て、レッドの色相を有する昇華性染料からなる前記昇華
型熱転写体とバイオレットの色相を有する昇華性染料か
らなる前記昇華型熱転写体の2種の昇華型熱転写体を用
いてマゼンタ色を形成することを特徴とする昇華型熱転
写記録方法が提供されるものである。
本発明においては、レッド系の転写体とバイオレット
系の転写体を用いること以外は、従来の技術が適用でき
る。
すなわち、基体上に、該基体側から順にそれぞれ昇華
性染料を有機結着剤中に分散させてなる染料供給層およ
び染料転写寄与層を積層させ、前記染料供給層および染
料転写寄与層は、その各処方にて同一付着量を基体上に
それぞれ単独層として形成し、その各々を別々の受像層
と重ね合わせ、両者に同一の熱エネルギーを印加したと
き、それぞれの受像層への染料転写量が、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にあるようにした態様のものである。
本発明の一実施態様によれば、前記染料供給層は、染
料供給層中の少なくとも一種の有機結着剤と相溶性を有
し、かつ染料転写寄与層中の全ての有機結着剤と非相溶
性である可塑剤を包含している。
熱転写はサーマルヘッドによって行なってもよいが、
支持体および/またはインク層を通電によりジュール熱
を発生するように調整し、通電転写によって行なっても
よい。また、支持体として、レーザー光を吸収し、発熱
する材料を選択することによってレーザー転写法を利用
することも可能である。
本発明の知見によれば、インク層中における染料の拡
散はフィックの法則、すなわち、断面積qをdt時間に通
過した染料量dnは、拡散方向における染料の濃度勾配を
dc/dxとし、Dを熱印加された時のインク層中の各部位
の平均拡散係数としたとき、 dn=−D(dc/dx)qdt の関係が適用される。
そこで、染料供給層から染料転写寄与層に昇華性染料
が拡散供給されやすくするための手段としては、 I.染料濃度に関して、染料供給層>染料転写寄与層の関
係とさせること、および/または II.それぞれの層中における拡散係数に関して、染料供
給層>染料転写寄与層の関係とさせる 手段がある。さらに上記IIに関して拡散係数を操作する
具体的方法としては例えば、酒井豊子他繊維学会誌Vol.
30,No.12(1974);黒木宣彦著「染色理論化学」槙書店
発行p.503〜;第1回ノンインパクトプリンティング技
術シンポジューム論文集3−5等で紹介されている。こ
れらを参考にし、上記IIの手段を実現させる具体的方法
としては例えば、 (1) 拡散係数は、染料−有機結着剤間の水素結合等
による染料拡散に対するエネルギー的抑制効果により影
響されるので、染料転写寄与層の結着剤として、昇華性
染料と水素結合しやすい陽子供給性基または陽子受容性
基を多く有する有機高分子材料を用いる方法、 (2) 拡散係数は、染料を分散している有機結着剤の
ガラス転移または軟化温度依存性があり、本プロセスに
おける印字中の層の昇温特性よりガラス転移または軟化
温度が低い方が拡散係数が大となり、従って染料供給層
の有機結着剤として、染料転写寄与層のそれより低ガラ
ス転移温度または低軟化温度の物質を用いる方法、 (3) 染料供給層中の少なくとも一種の有機結着剤と
相溶性を有し、かつ染料転写寄与層中の全ての有機結着
剤と非相溶性である可塑剤を染料供給層中に含有させる
方法、 (4) 上記(1)、(2)および(3)の方法を適当
に組み合わせて行なう方法、 等が挙げられるが、上記拡散係数の関係が満足されれ
ば、これらの方法に限らないことは、いうまでもない。
本発明における染料供給層および染料転写寄与層の材
料処方設計をする上で、上記Iおよび/またはIIの手段
が有用であり、これらの効果により意図した改善が実現
しているか否かを確認する簡単な方法として、染料供給
層および染料転写寄与層の各処方にて同一付着量を基体
上に単独層として形成し、各々をそれぞれ別々の受像層
と重ね合わせ、一定の昇華温度を印加した時、昇華転写
量が染料供給層>染料転写寄与層の関係になるような各
層を選択する方法がある。
次に染料転写寄与層の厚さは、一般的には0.05〜5μ
m、好ましくは、0.1〜2μmである。また、染料供給
層の厚さは一般的には0.1〜20μm、好まくは0.5〜5μ
mである。
また、本発明の染料転写寄与層および染料供給層に使
用される昇華性染料、結着剤等は公知のものが使用でき
る。
昇華性染料としては60℃以上で昇華あるいは気化する
染料であり、主に分散染料、油溶性染料等熱転写捺染で
使用されるものであればよく、例えば、C.I.ディスパー
スレッドの1,416,11,15,17,55,59,60,73,83など、C.I.
ソルベントレッドの23,25,27など、実施例に挙げたMS R
ed G、Macrolex Red Violet R、Kayaset Violet 318、
C.I.ソルベントバイオレット36等々、が挙げられ、これ
らの染料の一種で使用可能であるが、数種混合しても使
用可能である。
染料転写寄与層および染料供給層に供給される結着剤
には熱可塑性または熱硬化性樹脂が用いられ、そのうち
比較的高ガラス転移点または高軟化性を有する樹脂とし
ては、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
アミド、ポリエチレン、ポカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、
天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルロー
ス樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は一種で使用でき
るが、数種を混合するか、さらに共重合体を使用しても
よい。
さらに染料転写寄与層と染料供給層との間においてガ
ラス転移または軟化温度に対し差を付ける場合、ガラス
転移温度0℃以下、または軟化温度60℃以下の樹脂また
は天然、合成ゴムが好ましく、具体的には、シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエン(市販品としてJSR RB81
0,820,830日本合成ゴム社製);酸または非酸性酸を含
むオレフィンコポリマーおよびターポリマー(市販品と
してデクソンXEA−7、デクソンケミカル社製);エチ
レン−酢酸ビニルコポリマー(市販品として400&400A,
405,430、アライド・ファイバーズ&プラスチックス;P
−3307(EV150),P−2807(EV250)、三井・デュポンポ
リケミカル社製);低分子量ポリオレフィン系ポリオー
ルおよびその誘導体(市販品としてポリテールH、HE三
菱化成工業社製);臭素化エポキシ樹脂(YDB−340,40
0,500,600東都化学社製);ノボラック型エポキシ樹脂
(YDCN−701,702,703東都化学社製);熱可塑性アクリ
ルソルーション(タイヤナールLR1075,1080,1081,1082,
1063,1079三菱レイヨン社製);熱可塑性アクリルエマ
ルジョン(LX−400,LX−450三菱レイヨン社製);ポリ
エチレンオキサイド(アルコックスE−30,45,アルコッ
クスR−150,400,1000明成化学工業社製);カプロラク
トンポリオール(プラクセルH−1,4,7ダイセル化学工
業社製);などが好ましく、特に、ポリエチレンオキサ
イド、ポリラクトンポリオールが実用上有用であり、ま
た、先に記した、熱可塑性または熱硬化性樹脂と上記1
種または数種と混合した形で用いるのが好ましい。
染料転写寄与層の染料濃度は通常5〜80%、好ましく
は10〜60%程度である。
また、染料供給層の染料濃度については、5〜80%の
染料濃度が好ましいが、染料転写寄与層と染料供給層と
の間に染料濃度勾配をつける場合、染料転写寄与層染料
濃度に対し、1.1〜5倍、好ましくは、1.5〜3倍が望ま
しい。
また、基体シートとしてはコンデンサーペーパー、ポ
リエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリアミドフィルム等のフィルムが使用され、基
体シートと染料供給層との間には必要に応じて従来慣用
の接着層などを設けても良く、また、基体シートの裏面
には必要に応じて従来慣用の耐熱性潤滑層を設けても良
い。
前記方法(3)でいう染料供給層に含有させる可塑剤
とは、樹脂の分子間に入り込み、樹脂の硬い網状構造の
原因であるファン・デル・ワールス結合を弱め、結果的
に樹脂の2次転移点を低下させる物質であり、また、相
溶性とは樹脂と可塑剤とが互いに親和性を持ち、ゲル化
速度が速く、成形後も可塑型が分離しないものと定義す
る。
また、具体的には、可塑剤と樹脂の相溶性を考慮しな
がら、可塑剤について言及した書物、文献、カタログ
等、例えば、山田桜著、「プラスチック配合剤」(大成
社発行、p.17−)や「9887の化学商品」(化学工業日報
社発行、p.745−)等に記載されているものから自由に
選択できる。
これらから例示すると、下表のような組み合わせが挙
げられる。
これらの組合せで可塑剤と相溶性樹脂は染料供給層に
使用し、また、非相溶性樹脂は染料転写寄与層に使用す
る。また、好ましい可塑剤としては耐熱性、揮発性に優
れた上表に記したものが好ましく、さらに可塑剤の樹脂
に対する配合比は10〜100%、好ましくは10〜50%であ
る。
今まで染料層を2層に分けた例について述べて来た
が、適切な染料転写量の差を生じさせ、機能分離ができ
れば染料層を2層以上の多層にするとができる。
以上の説明は感熱ヘッドを用いての記録方法により説
明したが、記録エネルギーを感熱ヘッド以外の方法によ
って付与する記録方法、例えば、熱印版、レーザー光、
あるいは基体等媒体中で発生するジュール熱による方法
に対しても用いることができる。このうち、媒体中で発
生するジュール熱を用いる、いわゆる通電感熱転写方が
最もよく知られ、例えばUSP4,103,066、特開昭57−1406
0、特開昭57−11080、あるいは特開昭59−9096等の多く
の文献に紹介されている。
この通電転写法に用いる場合には基体として比較的耐
熱性の良いポリエステル、ポリカーボネート、トリアセ
チルセルロース、ナイロン、ポリイミド、芳香族ポリア
ミド等の樹脂に、アルミニウム、銅、鉄、錫、亜鉛、ニ
ッケル、モリブデン、銀等の金属粉および/またはカー
ボンブラック等の導電性粉末を分散させて抵抗値を絶縁
体と良導体との中間に調整した基体、またこれらの基体
に前述のような導電性金属を蒸着またはスパッタリング
させた基体を用いれば良い。これらの基体の厚さはジュ
ール熱の伝導効率を考慮すると、2〜15μm程度である
ことが望ましい。
また、レーザー光転写法に用いる場合には、基体とし
てレーザー光を吸収し、発熱する材質を選べば良い。例
えば従来の熱転写用フィルムにカーボン等の光吸収熱変
換材を含有させるか、または吸収層を基体の表、裏面に
形成したものが使用される。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を説明する。なお、部は重
量基準である。
実施例1 <レッドインク層> (染料転写寄与層の処方) ポリビニルブチラール樹脂 10部 昇華性染料MS Red G 5部 溶剤 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部 (染料供給層の処方) ポリビニルブチラール樹脂 7部 ポリエチレンオキサイド 3部 昇華性染料MS Red G 10部 溶剤 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部 上記処方の組成物を24時間ボールミルで分散後、厚さ
8.5μmポリイミドフィルムに染料供給層3.00μm、染
料転写寄与層1.00μm厚に塗布形成し、レッドインクの
染料転写寄与層と染料供給層とを有する昇華型熱転写体
を得た。
<バイオレットインク層> 上記レッドインク層(染料転写寄与層)において昇華
性染料をMacrolex Red Violet R 2.5部とし、レッドイ
ンク層(染料供給層)において昇華性染料をMacrolex R
ed Violet R 5部として、他は全て同一にして、バイオ
レットインクの染料転写寄与層と染料供給層を有する昇
華型熱転写転写体を得た。
比較例1 (染料転写寄与層の処方) ポリビニルブチラール樹脂 10部 昇華性染料MS Red G 5部 Macrolex Red Violet R 2.5部 溶剤 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部 (染料供給層の処方) ポリビニルブチラール樹脂 7部 ポリエチレンオキサイド 3部 昇華性染料MS Red G 10部 Macrolex Red Violet R 5部 溶剤 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部 上記処方の組成物を24時間ボールミルで分散後、厚さ
8.5μmポリイミドフィルムに染料供給層3.00μm、染
料転写寄与層1.00μm厚に塗布形成し、基体上にレッド
インクとバイオレットインクの2種のインクを含む染料
転写寄与層と染料供給層を有する昇華型熱転写体を得
た。
実施例2 実施例1においてMS Red GをSolvent Red 52、Macrol
ex Red Violet RをSolvent Violet 36に変更した他は実
施例1と同一にして、2種の昇華型熱転写体を得た。
比較例2 比較例1においてMS Red GをSolvent Red 52、Macrol
ex Red Violet RをSolvent Violet 36に変更した他は比
較例2と同一にして、昇華型熱転写体を得た。
実施例3 実施例1において、MS Red GをKayaset Red B、Macro
lex Red Violet RをKayaset Violet 318に変更した他は
実施例3と同一にして、2種の昇華型熱転写体を得た。
比較例3 比較例1においてMS Red GをKayaset Red B、Macrole
x Red Violet RをKayaset Violet 318に変更した他は比
較例3と同一にして、昇華型熱転写体を得た。
次いで、下記の要領で通電転写を行なった。受像体3
としては、昇華型感熱転写記録用受像紙である日立ビデ
オプリンターVY−50用サプライVY−S100の受像紙を用い
た。
実施例1、2、3および比較例1、2、3の昇華転写
媒体に対し、第1図に示すように、上記受像体3上に、
サーマルヘッド6を用いて印字条件として印加電力2.5m
j/dotにて同一箇所による印字を5回行なった結果、実
施例1、2、3はいずれも濃度低下がなく、さらに色調
ずれのない結果を得た。
比較例1、2、3はいずれも濃度低下が生じ、さらに
色調ずれが目視レベルではっきり判別できるほどであっ
た。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、マゼンタ色を、それぞ
れの受像層への染料転写量が、染料供給層>染料転写寄
与層、の関係にある、レッド系多数回数記録用転写体と
バイオレット系多数回数記録用転写体にて別々に印字す
ることにより、印字濃度が実質的に低下せず、さらに色
調ずれも生じない良好な記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の記録方法の構成を示す説明図である。 1……基体、2……インク層、3……受像体、 4……染料供給層、5……染料転写寄与層、 6……サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平1−103496(JP,A) 特開 平1−225593(JP,A) 特開 平1−286892(JP,A) 特開 平2−2073(JP,A) 特開 平2−2077(JP,A) 特開 平2−2078(JP,A) 特開 昭62−255188(JP,A) 日本色彩学会編 「新編色彩科学ハン ドブック」 (昭55−7−31) 東京大 学出版会 P.147−157 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に該基体側から順に昇華性染料およ
    び有機結着剤からなる染料供給層および染料転写寄与層
    を積層させてなる昇華型熱転写体を用いて画像信号に応
    じ画像を形成する昇華型熱転写記録方法において、それ
    ぞれの受像層への染料転写量が、染料供給層>染料転写
    寄与層、の関係にあるレッドの色相を有する昇華性染料
    からなる前記昇華型熱転写体とバイオレットの色相を有
    する昇華性染料からなる前記昇華型熱転写体の2種の昇
    華型熱転写体を用いてマゼンタ色を形成することを特徴
    とする昇華型熱転写記録方法。
JP63163652A 1988-06-30 1988-06-30 昇華型熱転写記録方法 Expired - Fee Related JP2777719B2 (ja)

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