JP2501671B2 - 高放出性鎮痒貼付剤 - Google Patents

高放出性鎮痒貼付剤

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JP2501671B2
JP2501671B2 JP3035569A JP3556991A JP2501671B2 JP 2501671 B2 JP2501671 B2 JP 2501671B2 JP 3035569 A JP3035569 A JP 3035569A JP 3556991 A JP3556991 A JP 3556991A JP 2501671 B2 JP2501671 B2 JP 2501671B2
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義弘 沢井
均 高柳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定のステロイド剤を主
成分とし、虫さされ等のある外皮疾患部に貼付すること
により、かゆみ等の治療を行う鎖痒貼付剤に関し、特
に、配合薬物の放出性を改良した高放出性鎮痒貼付剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステロイド剤を配合した軟膏剤、クリー
ム剤には、例えば、特公昭58−50964号公報、特
公昭58−42168号公報等数多くの公知例があり、
またステロイド剤を配合した鎮痒剤も数多く市販されて
いる。しかし、これらの軟膏剤、クリーム剤は、持続性
が無く、塗擦後のベトツキによる衣類の汚れ及び不快感
がある。特に小児の場合、薬剤を塗布した部位に触れ、
薬剤が付着した手で目などをこすり、目の痛み等を訴え
る危険性もあり、問題点が多い。
【0003】一方、貼付剤として、ステロイド剤を含有
させたテープ剤は、種々開発されている(例えば特開昭
55−141408号)。また、鎮痒貼付剤として特開
昭60−188314号、特開昭60−188315号
があり、これらは鎮痒薬をテープ剤の剤型にすることに
より、軟膏剤、クリーム剤に於る衣類の汚れ等の問題を
解決し、かきくずしによる二次感染を防止する効果を持
ち、持続性についても改善がみられたと考えられる。し
かしながら、これらの貼付剤は製剤からの有効成分の放
出性については全くといって良い程検討されていない。
【0004】貼付剤にステロイド剤を配合する場合、そ
の配合量は副作用の観点から、他有効成分に比較して少
なくせざるを得ず、その効果を十分に発揮するために
は、製剤からの有効成分の放出性がより重要な課題とな
るが、前記の発明ではこの点が未解決である。
【0005】更に、特公昭53−33984号にはポリ
アクリル酸アルキルエステル共重合体に水溶性高分子で
あるヒドロキシエチルセルロースを添加した粘着性組成
物が呼吸許容性を有するとの記載がある。しかしこれは
ヒドロキシエチルセルロースが他の水溶性高分子(例え
ばポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシルメチルセル
ロース等)に比べて特異的にポリアクリル酸アルキルエ
ステル共重合体との収縮挙動が異なるため、界面に空孔
を生ずる現象を利用するものであり、通気性を有する点
では良いが、その粘着性組成物に薬物を配合することに
は言及されておらず、したがって薬物の放出性について
も全く検討がなされていない。
【0006】なお本件出願人所有の特許第132805
7号には、かぶれ等の副作用を軽減させる含水タイプの
粘着剤が開示されており、有効成分の放出もかなり良好
であるが構成成分が多く、また調製法も煩雑で工業的に
は不利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み、本
発明者等は特許第1328057号記載の貼付剤をもと
にして鋭意研究をした結果、本発明を完成したものでそ
の課題とするところは、ステロイド剤を主成分とする鎮
痒貼付剤として副作用がなく、主成分及び有効成分の放
出性を良好ならしめることにより、高い鎮痒効果が得ら
れるようにすることである。
【0008】なお前記特開昭60−188315号には
鎮痒薬に配合可能な薬物としてコルチゾン、ヒドロコル
チゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾ
ン等が列記されているが、単に配合可能と云うのみで、
使用量、効果等についての具体的説明は全くないので、
その発明から示唆を受けることはない。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では次のような構成の発明を提供するもので
ある。すなわち本発明は、1.(1)デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレ
ドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンか
らなる群より選ばれた1種のステロイド剤及びその溶解
剤からなる主成分と、 (2)抗ヒスタミン剤、消炎・鎮痛剤、局所麻酔剤、殺
菌消毒剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の有効
成分と、 (3)次の常温で感圧接着性を有し、かつ吸水性を有す
る(a)もしくは(b)の粘着性基剤: (a)アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種をエマ
ルジョン化した基剤、 (b)アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種をエマ
ルジョン化したものに水溶性高分子を混合した基剤、と
からなることを特徴とする高放出性鎮痒貼付剤、 2.ステロイド剤がデキサメタゾン或いは酢酸デキサメ
タゾンであり、抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン或
いはその塩である1記載の高放出性鎮痒貼付剤、 3.(1)デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾンからな
る群より選ばれた1種のステロイド剤及びその溶解剤か
らなる主成分と、 (2)抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン或いはその
塩である有効成分と、 (3)アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種のもの
に水溶性高分子を混合した基剤であって、常温で感圧接
着性を有し、かつ吸水性を有する粘着性基剤、とからな
ることを特徴とする高放出性鎮痒貼付剤、および 4.ステロイド剤の配合割合が0.01〜1.0重量%
である上記1、2又は3記載の高放出性鎮痒貼付剤、に
関するものである。
【0010】従来、吸水性の粘着性基剤にステロイド剤
を配合した鎮痒薬は知られていないが、本発明の場合ス
テロイド剤を配合することによって鎮痒効果が高められ
たものと考えられる。そして、上記組成を有する貼付剤
を虫刺咬部位等の患部に貼付することにより、止痒効果
を持続させ、掻破を防ぎ、掻破による皮疹の悪化、また
細菌・真菌等の二次感染を防ぐことができる。
【0011】本発明でいう吸水性を有する粘着性基剤と
は、通常の粘着性基剤に水溶性高分子を混合したもの、
或は通常の粘着性基剤をエマルジョン化したもの、又は
それに更に水溶性高分子を混合したものであって、水分
を吸収する能力を有するものをいう。
【0012】通常、常温で感圧接着性を有するテープ
剤、プラスター剤等は、そのものが水分がないか、また
ほとんど含まないものであり、かつ、水分を吸収する能
力はほとんどない。従って、実際皮膚に貼付した場合
は、基剤表面の薬物しか放出せず、ほとんどが基剤中に
とり込まれたままの状態から変化しない。これに対し本
発明に係る貼付剤は、粘着性基剤が水分を吸収すること
により軟化し、薬物の基剤中における流動性が活性化
し、かつ薬物と水分の交互交換が容易に行なわれ、基剤
からの薬物の追い出し効果を高めることにより、高放出
性を示すものである。
【0013】本発明に用いられる主成分であるステロイ
ド剤は、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、プレド
ニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンであ
り、その配合量は0.01〜1.0重量%である。0.
01重量%未満の場合薬効が期待できず、1.0重量%
を越えると副作用等の問題が起る。
【0014】溶解剤としては、クロタミトン、ベンジル
アルコール、1、3−ブタンジオール、モノカプリル酸
プロピレングリコール、モノカプリル酸グリセリン、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエ
チル等が挙げられ、その配合量は0.1〜50重量%、
好ましくは1〜10重量%で、前記ステロイド剤の量と
種類に応じる。
【0015】有効成分である抗ヒスタミン剤としては、
ジフェンヒドラミン及びその塩類、クロルフェニラミン
及びその塩類、イソチペンジル及びその塩類、イプロヘ
プチン及びその塩類、ジフェニルピラリン及びその塩
類、クレマスチン及びその塩類、ホモクロルシクリジン
及びその塩類、アンタゾリン等が挙げられ、その配合量
は0.1〜5重量%が好ましい。
【0016】消炎・鎮痛剤としては、サリチル酸及びそ
の誘導体、グリチルレチン酸、グリチリチン酸及びその
塩類、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロ
フェン、ピロキシカム、イブプロフェン、メフェナム
酸、フルフェナム酸、塩化リゾチーム、アズレン、メン
トール、カンフル、ハッカ油、セイヨウトチノミエキス
等が挙げられ、その配合量は0.1〜5重量%が好まし
い。
【0017】局所麻酔剤としては、ジブカイン及びその
塩類、プロカイン及びその塩類、リドカイン及びその塩
類、プロトカイン及びその塩類、メピバカイン及びその
塩類、アミノ安息香酸エチル等が挙げられ、その配合量
は0.1〜2重量%が好ましい。
【0018】殺菌消毒剤としては、イソプロピルメチル
フェノール、アクリノール、アルキルポリアミノエチル
グリシン、イソプロパノール、レゾルシン、塩酸クロル
ヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化デカリ
ニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルニコウ
ム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられ、その配合量は
0.1〜2重量%が好ましい。
【0019】粘着性基剤としては、アクリル系粘着剤で
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体
で、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基等があり、また、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、スチレン等との共重合体が挙げられる。
合成ゴムでは、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、イ
ソプレンゴム(IR)、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロックポリマー(SIS)、エチレンプロピレンゴ
ム(EPM)・シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げ
られる。勿論、天然ゴム系粘着剤も使用可能である。
【0020】またこれらをエマルジョン化したものも使
用される。前記アクリル系、合成ゴム系及び天然ゴム系
粘着剤は少なくとも1種以上で用いられ、その配合量は
30〜95重量%が好ましい。
【0021】水溶性高分子としては、デンプン、カルボ
キシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、デキスト
リン、アクリル酸デンプン、メチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カ
ルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガ
ム、カラギーナン等が挙げられ、その配合量は1〜10
重量%が好ましい。
【0022】更に粘着性基剤には例えば、ポリブテン、
エステルガム、ロジン、水添ロジン、テルペン系樹脂、
石油系樹脂等の粘着付与剤、ソルビタンモノオレエー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウ
レート、グリセリンモノステアレート、ポリソルベート
80等の界面活性剤、流動パラフィン、グリセリン、イ
ソプロピルミリステートの如き高級脂肪酸エステル類、
シリコン、植物油等の軟化剤、ジブチルヒドロキシトル
エン、ブチルヒドロキシアニソール、グアヤコールエス
テル類、ノルジヒドログアイアレチン酸、酢酸トコフェ
ノール等の抗酸化剤を所望により添加することもでき
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の鎮痒貼付剤は、以上の如く構成
され、かつ作用するものであって吸水性を有する粘着性
基剤中に、主薬であるステロイド剤及び他の薬物を配合
することにより、極めて優れた薬物の放出を示すに至
り、それによって、より高い鎮痒効果を発揮する。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0025】実施例(1) 酢酸デキサメタゾン0.025重量%、ジフェンヒドラ
ミン1重量%、イソプロピルメチルフェノール1重量%
及び酢酸トコフェロール0.5重量%をアジピン酸ジイ
ソプロピル1.075重量%に溶解し、アクリル酸n−
ブチル・メタアクリル酸共重合体エマルジョン(プライ
マルN−580NF;日本アクリル化学製)(固形分と
して)96.4重量%に加えて混合し、これをライナー
上に展延乾燥後、プラスチックフィルムに展着すること
により、本発明に係る高放出性鎮痒貼付剤を調製した。
【0026】実施例(2) 酢酸プレドニゾロン0.05重量%、マレイン酸クロル
フェニラミン0.5重量%及び塩化デカリニウム0.3
重量%をクロタミトン5重量%に溶解し、これにポリビ
ニルアルコール2重量%を適量の水に溶解したもの及び
アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共
重合体樹脂エマルジョン(ニカゾールTS−60;日本
カーバイド製)(固形分として)92.15重量%を加
えて均一に混合し、これをライナー上に展延乾燥後、プ
ラスチックフィルムに展着して本発明に係る貼付剤を調
製した。
【0027】実施例(3) テルペン系樹脂(YSレジンPx;安原油脂製)38重
量%、ポリブテン12重量%、流動パラフィン5重量%
を加温溶解し、これにデキサメタゾン0.2重量%、リ
ドカイン1重量%、サルチル酸グリコール2重量%をク
ロタミトン4.8重量%に溶解したものを加えて混合
し、次に、天然ゴムラテックス(固形分として)20重
量%、SBRラテックス(固形分として)17重量%を
加えて均一に混合し、これをライナー上に展延乾燥後、
プラスチックフィルムに展着して本発明に係る貼付剤を
調製した。
【0028】実施例(4) YSレジンPx40.5重量%、ポリブテン12重量
%、流動パラフィン5重量%を加温溶解し、これにヒド
ロコルチゾン0.5重量%、グリチルリチン酸ジカリウ
ム0.5重量%をアジピン酸ジイソプロピル2重量%に
溶解したものを加え、更にポリアクリル酸ナトリウム
2.5重量%を適量の水に溶解したものを加えて混合
し、次に、天然ゴムラテックス(固形分として)20重
量%、SBRラテックス(固形分として)17重量%加
えて均一に混合し、これをライナー上に展延乾燥後、プ
ラスチックフィルムに展着して本発明に係る貼付剤を調
製した。
【0029】実施例(5) 石油系樹脂(クイントンB−170:日本ゼオン製)4
4重量%、ポリブテン10重量%、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロックコポリマー(カリフレックスTR
−1107:シェル化学製)33重量%を適量のトルエ
ンに加えて加温溶解し、これにポリソルベート80
1.5重量%、ポリビニルピロリドン5重量%を適量の
水に溶解したものを加える。次に、酢酸デキサメタゾン
0.025重量%、ジフェンヒドラミン 1重量%をア
ジピン酸ジイソプロピル 1.075重量%に溶解した
ものを加えて均一に混合し、これをライナー上に展延乾
燥し、トルエンを留去し、プラスチックフィルムに展着
して本発明に係る貼付剤を調製した。
【0030】以下に、吸水性を有しないほかは本発明と
同成分をもつ比較例を示す。
【0031】比較例(1) アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(オイドラ
ギットE;ローム・ハーマ製)81.4重量%、ポリプ
テン10重量%及び流動パラフィン5重量%を適量の酢
酸エチルに溶解し、これに酢酸デキサメタゾン0.02
5重量%、ジフェンヒドラミン1重量%、イソプロピル
メチルフェノール1重量%及び酢酸トコフェロール0.
5重量%をアジピン酸ジイソプロピル1.075重量%
に溶解したものを加えて均一に混合し、これをライナー
上に延展し、酢酸エチルを留去してプラスチックフィル
ムに展着し、貼付剤を調製した。
【0032】比較例(2) YSレジンPx41重量%、ポリブテン12重量%、流
動パラフィン5重量%、天然ゴム21重量%、SBR1
8重量%に適量のトルエンを加えて加温溶解し、これに
ヒドロコルチゾン0.5重量%、グリチルリチン酸ジカ
リウム0.5重量%をアジピン酸ジイソプロピル2重量
%に溶解したものを加えて均一に混合し、これをライナ
ー上に延展し、トルエンを留去してプラスチックフィル
ムに展着して貼付剤を調製した。
【0033】比較例(3) クイントンB−170 48重量%、ポリブテン11重
量%、カリフレックスTR−1107 34.5重量%
を適量のトルエンに加えて加温溶解し、これにプレドニ
ゾロン0.5重量%、サリチル酸メチル1重量%をベン
ジンアルコール5重量%に溶解したものを加えて均一に
混合し、これをライナー上に延展し、トルエンを留去し
てプラスチックフィルムに展着し、貼付剤を調製した。
【0034】以下に、本発明貼付剤及び比較例(吸水性
を有しない粘着性基剤使用)につき、薬物放出試験、抗
炎症効果の比較として血管透過性亢進抑制試験を示す。
また、止痒効果について本発明貼付剤と公知軟膏剤を比
較した。
【0035】試験例(1)(薬物放出試験) 実施例(1)、(4)、(5)及び比較例(1)、
(2)、(3)を用い、日局溶出試験法第2法(パドル
法)を準用し、37℃の生理食塩水中に放出した各ステ
ロイド量をHPLC法により測定し、所定時間ごとの放
出量を算出した。
【0036】図1にその結果を示す。試験例(1)より
明らかな如く、本願発明に係る貼付剤は比較例に比べ際
立った放出性を示し、本願発明の有用性を証明してい
る。
【0037】試験例(2)(抗炎症効果試験) 実施例(4)、比較例(2)を用い、Wistar系ラ
ット1群10匹とし、背部被毛を電気バリカン及び電気
剃刀で前日剪毛処理した。試料(5×5cm)を背部に
4時間貼付した後、背柱対称となるように背部に0.1
%塩酸ヒスタミン生理食塩液と生理食塩液の各0.05
mlを皮内注射し、直ちにポンタミンスカイブルー生理
食塩液1ml/kgを尾静脈より注入した。30分後、
放血致死させ、背部皮膚を剥離し、青染された色素漏出
部の面積を測定した。表1にその結果を示す。
【0038】
【表1】 試験例(2)によれば、本願発明に係る貼付剤は比較例
に比べて、明らかに高い血管透過性抑制作用が認めら
れ、本発明の有用性が裏付けられる。
【0039】試験例(3)(止痒効果試験) 実施例(1)及び市販の公知軟膏剤(酢酸デキサメタゾ
ン0.025重量%含有)を用い、健康な男女47名を
被験者とした。
【0040】吸虫管に吸血期にあるヒトスジシマカ雌成
虫1匹をいれ、これを被験者の前腕屈側に当て、充分に
吸血させる。1回の試験で両前腕屈側、同時に一人当た
り3ケ所、計3匹に吸血させ、刺咬病変をつくった。吸
血5分以内に各々の部位に実施例(1)の貼付剤を貼付
し、公知軟膏剤は実施例(1)の貼付剤の配合薬含有量
に相当する量を塗布した。3ケ所目は無処置とした。
【0041】判定方法は、吸血時より30分、2時間、
4時間後における各部位の痒みの程度を被験者の自覚症
状に基づき、次の4段階にて評価した。 3(+++):非常にかゆい…痒みがはげしいため仕事
や勉強が手につかない。 2(++) :かなりかゆい…痒みは強く仕事や勉強に
集中できない。 1(+) :少しかゆい …痒みはあるが仕事や勉強
には支障がない。 0(−) :かゆくない。
【0042】図2にその結果を示す。以上のように各試
験例によれば、本発明に係る高放出性鎮痒貼付剤は市販
の公知軟膏剤に比較して、有意な止痒効果を発揮し、非
常に有用性の高い製剤であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬物放出試験の結果を示すグラフである。
【図2】止痒効果試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 357 A61K 9/70 357

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾ
    ン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヒドロコル
    チゾンからなる群より選ばれた1種のステロイド剤及び
    その溶解剤からなる主成分と、(2) 抗ヒスタミン剤、消炎・鎮痛剤、局所麻酔剤、殺
    菌消毒剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の有効
    成分と、(3) 次の常温で感圧接着性を有し、かつ吸水性を有す
    る(a)もしくは(b)の粘着性基剤:(a) アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
    系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種をエマ
    ルジョン化した基剤、(b) アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
    系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種をエマ
    ルジョン化したものに水溶性高分子を混合した基剤、 とからなることを特徴とする高放出性鎮痒貼付剤。
  2. 【請求項2】ステロイド剤がデキサメタゾン或いは酢酸
    デキサメタゾンであり、抗ヒスタミン剤がジフェンヒド
    ラミン或いはその塩である請求項1記載の高放出性鎮痒
    貼付剤。
  3. 【請求項3】(1)デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾ
    ンからなる群より選ばれた1種のステロイド剤及びその
    溶解剤からなる主成分と、(2) 抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン或いはその
    塩である有効成分と、(3) アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム
    系粘着剤からなる群より選ばれた少なくとも1種のもの
    に水溶性高分子を混合した基剤であって、常温で感圧接
    着性を有し、かつ吸水性を有する粘着性基剤、 とからなることを特徴とする高放出性鎮痒貼付剤。
  4. 【請求項4】ステロイド剤の配合割合が0.01〜1.
    0重量%である請求項1、2又は3記載の高放出性鎮痒
    貼付剤。
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