JP2501322Y2 - 階段用仕上げ足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は建物の階段室の仕上げ工事や塗布工事等メン
テナンスに用いられる足場に係り、更に詳しくは一対の
吊り側枠間に繋ぎ材と布板とを載架し、この繋ぎ材を介
して斜め足場を形成する階段用仕上げ足場に関する。

〈従来の技術〉 建物内の階段室は階段勾配を有している為、１つの踊
り場と他の踊り場に夫々足場基台を組み、更にこの足場
基台間に斜め足場を架設する。通常これ等の足場基台は
脚立や複数のパイプ材にて組立てられるとともに脚立及
びパイプ間に布板を載架したものから成る。

〈考案が解決しようとする課題〉 この様に現場にて足場基台を組立て構成する為、作業
性も悪く、且つ又足場基台の強度にバラツキが生じ、作
業者に対する安全性に欠ける場合がある。又布板と斜め
足場との間に段差を生じる為、布板と斜め足場間を往来
する作業者がつまずいて思わぬ災害を招くこともある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記の課題に鑑み案出されたもので、階段室
内における踊り場から一対の吊り側枠を吊り、両吊り側
枠間に繋ぎ材と布板とを載架し、この繋ぎ材を介して斜
め足場を形成するものにおいて、縦柱とこの縦柱の下端
に略直交して固設した腕木と、この腕木の先端を繋ぎ材
の載台部と成し更にこの載台部から縦柱寄りに後退させ
た位置に垂直支柱を立設し、この垂直支柱の上端と縦柱
との間に水平支柱とブレースを固設し、縦柱と垂直支柱
との間て且つ腕木より所定の高さに固設された布板載架
用の検架材とによって吊り側枠を構成し、 上記構成を成す一対の吊り側枠を配置し、その載台部
間に繋ぎ材を載架、この繋ぎ材を介して斜め足場を形成
するとともに、この斜め足場の先端上部と、上記横架材
に載架された布板の天端とを略同高に成したことを特徴
とするものである。

〈作用〉 本考案の階段用仕上げ足場によれば、布板が両吊り側
枠の位置決めを成すとともに、繋ぎ材と同様に足場の補
剛効果を上げる。しかも吊り側枠自体の形状は、縦柱と
腕木とが状を成し、これに対して水平支柱と垂直支柱
とが状を成しており、よって垂直支柱及び水平支柱は
手摺の機能を有して作業者の落下等を防止する。

更に載台部は腕木12の先端に突出している為布板上か
ら両吊り側枠間に繋ぎ材を固設する作業が容易となる。

又布板の天端と繋ぎ材を介して設けられた斜め足場の
先端上部とが略同高となる為斜め足場から布板へ若しく
は布板から斜め足場への往来が極めてスムースとなる。

〈実施例〉 次に図面に基づき本考案の階段用仕上げ足場を詳細に
説明する。

第１図は当該仕上げ足場を構成する吊り側枠１の正面
図である。

この吊り側枠１は、縦柱11の下端11aから略直交状態
に腕木12を固設して略状を成す。そしてこの腕木12に
おいては、その先端12aに、後述する繋ぎ材を載架する
為の載台部13を形成する。更に腕木12上において上記載
台部13から縦柱11寄りに後退した位置には垂直支柱14を
立設する。そしてこの垂直支柱14の上端14aと縦柱11間
に水平支柱15を掛け渡した状態で固設する。更に載合部
13上で且つ垂直支柱14と腕木12の交点にクランプC₁を固
設する。

よって水平支柱15と垂直支柱14は略状を成す。又腕
木12の上部で且つ縦柱11と垂直支柱14との間には横架材
16が固設される。この横架材16と腕木12とが成す高さＨ
は、後述する布板の天端と斜め足場の先端上部とが略同
高となる様設定される。

斯かる構成の吊り側枠１は、縦枠11,腕木12,垂直支柱
14,水平支柱15をパイプ材やＬ型等軽量形鋼によって構
成し、且つ溶接等の手段にて固設したものである。

尚縦柱11の上端には吊り部11bが設けられる。この吊
り部11bは吊り金具11cと11dが夫々直交した状態に設け
られて、図示しない踊り場下面の吊り具に対しての取付
方向性自由度を向上させる。

又縦柱11の水平支柱15上方には、ブレースピン11eが
植設されている。又縦支柱11の下方にはブレースピン11
fが植設され、両ピン11e,11fを介してブレースＤを設け
ることができる。

斯かる吊り側枠1,1を用いて仕上げ足場を構成するに
は、第２図に示す如く、踊り場下面に設けた吊り具（図
示せず）に吊り部11bを掛着した状態で一対の吊り側枠
1,1を吊設する。この両横架材16,16間に布板３を載架す
る。この布板３は両吊り側枠1,1の幅方向の位置（間
隔）を規制することになり、且つ又仕上げ足場全体の剛
性を高める。更に両ブレースピン11e,11eに対してブレ
ースＢを取付ける。又ブレースピン11eと同11fにブレー
スＤを取付けて全体の剛性を高めることも可能である。
このブレースＢと同Ｄは上記布板３と同様に補剛的な役
割を果すとともに、水平支柱15,15と同様に、仕上げ足
場の手摺を構成する。又載台部13,13は垂直支柱14,14か
ら突出している為、階段踊り場上の作業者は垂直支柱14
の下部に固設されているクランプC₁，C₁を介して繋ぎ材
２を容易に載架させ得る。この繋ぎ材２も上記布板3,ブ
レースB,同Ｄとともに仕上げ足場全体の剛性を高めるこ
とになる。

斯かる状態に構成された仕上げ足場において、第３図
に示す如く繋ぎ材２上に斜め足場４を形成する。この斜
め足場４は第２図に示す如く足場パイプ41,41…の先端4
1aを上記繋ぎ材２上に載置固設し、図示しない後端を他
の繋ぎ材に固設する。斯かる足場パイプ41,41…に、所
定の間隔で支持パイプ42,42…を掛け渡して取付け、図
示しないクランプにて足場パイプ41,41…に固着する。
そしてこの支持パイプ42,42…上から足場板43を載置す
る。

足場パイプ41と足場板43の成す厚さ（高さ）ｈは、上
記腕木12と横架材16の成す高さＨとの関係において斜め
足場の先端上部43aが上記天端3aと略同高となる様に構
成される。又垂直支柱14,14には足場板43と略平行に手
摺パイプ44,44…がクランプC₂，C₂を介して固着され
る。これにより建物の階段室内において、踊り場下面に
階段用仕上げ足場が吊設され、この暗段用仕上げ足場間
に斜め足場を形成することて階段勾配に沿った仕上げ用
の足場体が形成される。

〈考案の効果〉 本考案の階段用仕上げ足場によれば、踊り場下面に一
対の吊り側枠を吊設し、これに対して布板を載架するこ
とで両吊り側枠の位置決めが可能となり、又繋ぎ材，ブ
レースによって上記布板とともに仕上げ足場自体の剛性
を高めることができる。しかも吊り側枠自体は垂直支
柱，水平支柱によって側方の手摺として機能し、且つ両
吊り側枠間に設けられたブレースも手摺機能を有する
為、布板上における作業者の安全性が十分となる。更に
当該仕上げ足場に対して設けられた斜め足場の先端上部
と布板の天端とは略同高となる為、布板から斜め足場
に、若しくは斜め足場から布板に向けての通路に段差が
なくなり往来の障害にならないので移動を伴う仕上げ作
業の容易性且つ又安全性が高められる。

更に又吊り側枠は一体的に構成されている為転用効果
も大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本願仕上げ足場を構成する吊り側枠の正面
図、 第２図は、一対の吊り側枠によって構成される仕上げ足
場を示斜視図、 第３図は、仕上げ足場に設けられた斜め足場を説明する
一部省略正面図である。 １……吊り側枠,11……縦柱,12……腕木,13……載台部,
14……垂直支柱,15……水平支柱,16……横架材,2……繋
ぎ材,3……布板,4……斜め足場,41……足場パイプ,42…
…支持パイプ,43……足場板,43a……先端上部,3a……天
端，C₁……クランプ,B,D……ブレース。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の吊り側枠間に繋ぎ材と布板とを載架
   し、該繋ぎ材を介して斜め足場を形成する階段用仕上げ
   足場において、 前記吊り側枠を、 縦柱と、 前記縦柱の下端に略直交して固設した腕木と、 前記腕木の先端を前記繋ぎ材の載台部とし、該載台部か
   ら縦柱寄りに後退した位置に立設した垂直支柱と、 前記垂直支柱の上端と前記縦柱との間に固設した水平支
   柱と、 前記縦柱と垂直支柱との間で且つ前記腕木より所定の高
   さに固設された布板載架用の横架材とにより構成し、 前記両吊り側枠の載台部間に載架した繋ぎ材を介して形
   成した斜め足場の先端上部と、前記布板の天端とを略同
   高に成したことを特徴とする階段用仕上げ足場。