JP2500228B2 - シ―ト状材料切断用開ル―プ制御装置及び方法 - Google Patents

シ―ト状材料切断用開ル―プ制御装置及び方法

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JP2500228B2 JP6227117A JP22711794A JP2500228B2 JP 2500228 B2 JP2500228 B2 JP 2500228B2 JP 6227117 A JP6227117 A JP 6227117A JP 22711794 A JP22711794 A JP 22711794A JP 2500228 B2 JP2500228 B2 JP 2500228B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、一般的には、閉ループ制御によ
るシート状材料の切断装置に関するものであり、システ
ムの切断速度を制御するのに特に重要なシステムパラメ
ータをリアルタイムで監視する切断システム及び方法に
関する。本システムを採用することにより、既存の設備
を自動化し、システムの性能を向上、最適化することが
できる。
【0002】本出願の内容は、本出願と同一の譲受人に
よる特許出願08/040,160、「切断輪郭ビルダ
ー」(出願日、1993年3月30日)と関連性があ
る。
【0003】
【従来技術及びその問題点】衣服、室内装飾品その他の
物品に使用される柔軟なシート状材料を切断するために
自動制御による切断装置を使用することはよく知られて
いる。このような装置においては、従来、切断される物
品やパターン(切取パターン)を明確にするための信号
がマーカーから取り出される。マーカーは、切取パター
ンの輪郭状に密接に配置したアレイからなるものであっ
て、載置されたシート状材料の切断形状と位置的な関係
を有する。切断ブレードが進むべき進路を決める切取パ
ターンの切断輪郭(コンター、contour )は、切断ブレ
ードを案内する場合に自動切断装置が利用する大ざっぱ
なデータであり、このようなデータは本装置によって、
適当なハードウェアにおいて使用されるマシーンコマン
ドに翻訳される。例えば、前記切断輪郭をポイントデー
タに縮小するために、あるいは、切断ブレードとシート
状材料を相対的に移動させるマシーンコマンドを発生さ
せるために、コンピュータ又はデータプロセッサを介し
てポイントデータを加工する場合、マーカーをデジタル
化することもできる。切断装置の先の工程における使用
のため、マーカーデータを加工、記録することも可能で
あり、さらにこのデータを切断操作中に加工することも
できる。
【0004】予め定められたプログラム及びマーカーに
よって切断操作がほぼ一定に固定されている自動化切断
システムはよく知られている。このような装置では、所
望の切断ラインに沿って切断ブレードが操作されるが、
この操作は相対的な標準的な手順を示すものであり、一
般的な種々の切断状況に適していたとしても、必ずしも
すべての切断状況及び予測できない切断状況に適するわ
けではなく、最適な手順とはいえない。例えば、標準的
な切断操作は、ある種の柔軟なシート状材料や、厚い被
切断物、あるいは同じ被切断物であっても異なる状況に
は適していないこともあり、悪い結果をもたらすことも
ある。初期のシステムを改良することにより、マーカー
をデジタル化する際に、限定された状況下においてカッ
タの左右の首振り動作、送り速度の低減などの特殊な切
断ブレードの操作を要求できるようになったため、切断
プログラムの柔軟性が向上した。このようなシステムの
一つが米国特許3,803,960に開示されている。
【0005】本発明と同一の譲受人による米国特許3,
848,490において、自動切断装置用の閉ループ制
御システムが開示されている。このシステムにおいて
は、切断ブレードに直近のシート状材料における以前の
切断状況を検出するため、圧力センサ(図2参照)が利
用され、この圧力センサによって発生したフィードバッ
ク信号に応答してブレードの自動制御メカニズムの調整
がなされる。この調整によって、切断ブレードによる前
回の切断操作の場合より送り速度を低減すること、又は
切断ブレードに首振り操作を命令することも可能であ
る。
【0006】また本発明と同一の譲受人による米国特許
4,133,235においては、改良された自動切断装
置用の開ループ制御システムが開示されている。このシ
ステムでは、切断ブレードの直近のシート状材料の切断
時の圧力を検出するため圧力センサが利用され、この圧
力センサによるフィードバック信号に応答して調整がな
される。この調整には、切断ブレードによる以前の切断
操作の場合より送り速度を低減すること、又は切断領域
における所望の切断路からはずれるように切断ブレード
をスライドして回転させる首振り指令を出すことが含ま
れる。
【0007】上記のように、自動切断装置用の閉ループ
システムに関する種々の改良がなされたが、切断装置へ
のシート状材料の送り速度の設定は手動でなされてお
り、切断作業者は、切断装置のコントロールパネルの送
り速度設定ダイアルを操作して切断操作の開始時におけ
る送り速度を設定しなければならない。切断システム、
シート状材料の生地の性質、厚さ、その他システムの性
能に影響を与える可変パラメータに関する知識に基い
て、送り速度はほとんど作業者の主観により設定され
る。さらに、送り速度は、切断工程において切断状況を
考慮して調整をすることも必要である。例えば、階段状
に重ねたシート状材料(step lays)における厚さの変
化、又は切断装置の切断面にシート状材料を吸引保持す
る真空装置を有する自動切断装置においては、切断工程
が進むにつれて真空レベルが低下するため、この真空レ
ベルの変化を考慮して送り速度の設定値を変えることも
必要である。一般的には、切断工程における送り速度の
調整をするには二つの方法がある。作業者は切断システ
ムを綿密に監視し、送り速度調整ダイアルを使用して適
宜送り速度を変化させる方法がその一つである。二番目
の方法は、作業者が予想しうる最悪の状態が発生したと
しても対処できるように送り速度を設定する方法であ
る。例えば、作業者は、階段状に重ねたシート状材料に
おける最も厚い材料を切断するための最も少ない送り速
度の時に、完全に材料を切断できるように送り速度を設
定することができる。また、作業者は、バイトの端部に
おいて期待される真空レベルが低下してしまうことを考
慮して送り速度を設定することもできる。このような方
法において、最も不利となるのは、システム全体の出力
がほぼ平均的な出力よりも低くなることである。さら
に、作業者は限定された整数として与えられる送り速
度、例えば1乃至15を選択することができるに過ぎな
い。例えば、作業者は送り速度9が大きすぎると判断し
た場合には、送り速度8を設定することができる。しか
し、実際には最適な送り速度は8.5又は8.7である
かもしれない。そのために、潜在的な最も好ましい出力
が得られないことになる。
【0008】
【本発明の目的】本発明は、シート状材料の切断操作に
関する情報を、切断ブレードとシート状材料間の相互作
用から連続的に取り出し、またこれらが重要なシステム
パラメータの監視を通じて得られ、これによって送り速
度を自動化し、作業者の介入を排除することができる閉
ループ制御装置及び方法を得ることを目的とする。すな
わち、本発明は、載置ベッド上に広げられた被切断物の
切断工程が開始されたときに被切断物の相対的な最適な
送り速度を自動的に設定するための閉ループ制御方法及
び装置を提供し、作業者の介入なしで状況の変化を考慮
して、切断工程において自動的に送り速度を調整するこ
とが本発明の包括的な目的である。
【0009】さらに本発明の目的は、重要なシステムパ
ラメータを監視して、摩耗、破れ等、切断工程において
起こりうる不具合を低減又は排除しながら、システムを
過負荷の状態にすることなく切断システムが動作するこ
とができる最も高いレベルに送り速度を設定することで
ある。
【0010】さらに本発明の目的は、切断システムの運
転に指令を与えるシステムに使用できる情報を連続的に
最新のものにすることにより切断システムの性能を監視
し、高めることにある。
【0011】
【発明の概要】本発明の方法及び装置では、切断工程に
おいて種々の切断に関する可変システムパラメータに応
答して自動的に最適な相対送り速度が求められる。ま
た、これとの組合せで、制御可能な切断システムが設け
られ、少なくとも一つのプリセット切断形状ファイルを
特定し又は決定するためプログラマブルコントローラ手
段が含まれる。このプリセット切断形状ファイルは、特
定の切断システムコントローラパラメータデータを決定
し、切断システムの運転に指令を与え、これを制御す
る。プロセッサによって、少なくとも一つの切断輪郭
(切断輪郭)が特定又は決定され、この切断輪郭は切断
手段の進路を決定する。モータ手段はこの切断手段を
X、Y、C座標空間において切断面を横切るように移動
させる。コマンド電流によって、切断形状ファイルで決
定された速度で上記モータ手段が駆動される。切断輪郭
の各部分に沿って切断力が決定され、被切断物のかたさ
が決定される。上述のプロセッサは切断力に応答して、
実際の切断力が予想値を下回っている場合には送り速度
を増加し、逆に、実際の切断力が予想値を上回っている
場合には送り速度を減少する。また、実際の切断力が、
予想値を所定の値以上上回っている場合には、すべての
切断輪郭を再作成する。
【0012】
【発明の概要】すなわち、本発明装置は、制御可能な切
断システムと、該制御可能な切断システムが、切断工程
において変化する種々のシステムパラメータに応答して
所定厚さの柔軟なシート状材料の最適相対送り速度を自
動的に求めることを可能にする応用知識を内蔵したエキ
スパートシステムの組合せにおいて、切断手段を前記切
断システムの切断面を横切って、X、Y及びC座標空間
において移動させるモータ手段を有する移動手段と、最
初の切断操作の前に、切断システムのコントローラパラ
メータデータに応答して、開ループ制御モードにおいて
切断システムに運転命令を与える特定の切断システム制
御パラメータデータを決定する少なくとも一つのプリセ
ット切断形状ファイルを決定し、特定するプログラマブ
ルコントローラ手段と、前記プログラマブルコントロー
ラ手段及び切断システムに連結され、前記切断システム
によって移動される切断手段の少なくとも一つの切断路
を決定する少なくとも一つのプロセッサ手段とで構成さ
れ、前記プリセット切断形状ファイルは、所定の厚さを
有する特定の柔軟なシート状材料を切断する際の最大送
り速度と最小送り速度、及び、前記切断手段を、前記切
断面を横切って、X、Y座標軸方向に、前記プリセット
切断形状ファイルで決定される前記最大送り速度及び大
小送り速度の範囲において移動するための前記モータ手
段を駆動するためのX方向コマンド電流値及びY方向コ
マンド電流値を決定し、前記X方向コマンド電流及びY
方向コマンド電流は、前記モータ手段を、前記少なくと
も一つの切断路に沿った各点において前記X軸及びY軸
方向への予想される所定の速度で運転するためのモータ
電流を決定し、前記プロセッサ手段は前記X方向コマン
ド電流値及びY方向コマンド電流値から前記少なくとも
一つの切断路にそった各点において予想される切断力を
算出し、プロセッサ手段は前記X方向コマンド電流値及
びY方向コマンド電流値によって前記モータ手段を駆動
し、前記プリセット切断形状ファイルにおいて決定され
る所定の送り速度で前記切断手段を移動し、前記少なく
とも一つの切断路に沿った前記切断手段の位置を確認す
るための手段を備え、プロセッサ手段は前記モータ手段
に供給される前記X方向コマンド電流値及びY方向コマ
ンド電流値から、前記少なくとも一つの切断路の前記所
定の位置における、前記切断手段の実際の切断力を示す
一つの力のベクトルを決定し、これによって切断物のか
たさを決定し、プロセッサ手段は、前記切断路の前記所
定の位置において、前記実際切断力と予想切断力とを比
較して異なる大きさレベルを有する力を発生させ、前記
プロセッサ手段は前記力の異なる大きさレベルに応答し
て、実際切断力が予想切断力よりも小さい場合には、送
り速度を増加し、実際切断力が予想切断力よりも大きい
場合には、送り速度を減少し、実際切断力が予想切断力
よりも所定の値以上大きい場合に、前記制御可能な切断
システムを停止させることを特徴としている。
【0013】シート状材料は、このシート状材料に適用
される真空圧力レベルを測定するための真空センサを有
する真空保持手段によって切断面に吸引保持し、前記シ
ステムはさらに、前記真空保持手段に結合され、この真
空保持手段に応答する前記プロセッサ手段を有し、この
真空保持手段は、切断工程において、前記シート状材料
を吸引保持する真空レベルの減少に応答して前記送り速
度を減少させることができる。
【0014】また、切断システムはさらに前記切断シス
テムを調整する手段を有し、前記切断手段をX座標及び
Y座標方向に移動させるため、前記モータ手段に供給さ
れる電流が、前記切断面に沿ったX座標及びY座標方向
のそれぞれにおける無負荷状態のものとして決定され、
この無負荷時のX座標及びY座標方向電流値が記憶さ
れ、その後の工程において回復し、前記切断手段の実際
切断力を表示する前記一つの力のベクトルを計算する場
合に使用することができる。
【0015】切断手段はさらに、予め定められた計画ど
おりに、自動的に研磨され、前記切断システムがさら
に、切断工程において研磨された前記切断手段に応答し
て、前記送り速度を増加させる前記プロセッサ手段を有
することが好ましい。
【0016】また本発明方法は、シート状材料の切断手
段を、切断システムの前記切断面を横切って、X、Y、
C座標空間において移動させるモータ手段を有する切断
システムの制御方法であって、エキスパートシステムを
使用し、前記制御可能な切断システムが、切断工程にお
いて変化する種々の切断に関するシステムパラメータに
応答して、切断工程において、種々の柔軟なシート状材
料を切断する際の最適送り速度を自動的に求めることを
可能にする方法であって、当該方法は、前記所定厚さの
柔軟シート状材料を切断する際に、前記切断手段が通過
する少なくともの一つの切断路を特定又は決定するステ
ップと、最初の切断操作の前に、開ループコントロール
モードにおいて、前記切断システムコントロールパラメ
ータデータに応じて、切断システムの運転に関する命令
を与える特定の切断システムコントロールパラメータデ
ータを決定する少なくとも一つのプリセット切断形状フ
ァイルを特定また決定するステップを備え、このプリセ
ット切断形状ファイルは、特定の予め定められた所定厚
さの柔軟シート状材料を切断する際の最小送り速度及び
最大送り速度を決定し、前記切断手段を、前記切断面を
横切って、X軸及びY軸方向に、前記プリセット切断形
状ファイルにおいて決定された最小送り速度及び最大送
り速度の範囲内のある送り速度で移動するための前記モ
ータ手段を駆動するX軸方向のコマンド電流値及びY軸
方向のコマンド電流値と、前記X軸方向のコマンド電流
値とY軸方向のコマンド電流値から、前記少なくとも一
つの切断路に沿った各点において、所望の予め定められ
た速度で、X軸及びY軸方向に前記モータ手段を運転す
るための少なくとも一つのモータ電流切断輪郭を決定す
るステップと、X軸方向のコマンド電流値及びY軸方向
のコマンド電流値から、前記少なくとも一つの切断路に
沿った各点において予想される切断力を計算するための
前記ステップと、X軸方向のコマンド電流値及びY軸方
向のコマンド電流値によって、前記切断手段を、前記プ
リセット切断形状ファイルで定義される所定の送り速度
の下で移動するために、前記モータ手段を駆動するステ
ップと、前記少なくとも一つの切断路に沿って、前記切
断手段の位置を確認するステップと、切断物のかたさを
決定するため、前記モータ手段に供給される前記X軸方
向のコマンド電流及びY軸方向のコマンド電流から、前
記少なくとも一つの切断路の前記所定の部分における前
記切断手段の実際の切断力を表示する一つの力ベクトル
を決定するステップと、切断力の大きさのレベル差を得
るため、前記少なくとも一つの切断路における前記所定
の部分における前記実際の切断力と予想される切断力を
比較するステップと、前記実際の切断力が予想値よりも
小さい場合に前記送り速度を増加し、前記実際の切断力
が予想値よりも大きい場合に前記送り速度を減少し、前
記実際の切断力が所定の大きさ以上予想値を上回る場合
に前記制御可能な切断システムを停止するステップとで
構成されることを特徴としている。
【0017】この切断方法においては、前記切断システ
ムが所定厚さのシート状材料を真空保持手段によって前
記切断面に対して吸引保持保持するものであって、前記
方法がさらに、所定厚さのシート状材料に与える真空レ
ベルを検出するステップと、切断工程において、前記シ
ート状材料を押し付ける真空レベルの減少に応答して、
送り速度を低減するステップを有することが好ましい。
【0018】さらに、前記切断システムを調整するステ
ップを設けて、前記切断手段をX軸及びY軸方向に移動
するための前記モータ手段に供給される電流を、前記切
断面に沿ったX軸、Y軸のそれぞれの無負荷時のものと
して決定し、前記無負荷時のX軸及びY軸方向の電流値
を記憶するステップを設け、これらの記憶電流値を、前
記切断手段の前記実際の切断力を表示する単一の力ベク
トルを算出するのに使用することが好ましい。
【0019】前記切断システムはさらに、予め定められ
た研磨スケジュールに従って自動的に研磨される前記切
断手段を有し、前記方法がさらに、切断工程において前
記切断手段が研磨されたのに応答して前記送り速度を増
加するステップを備えることができる。
【0020】
【発明の実施例】本発明に係る自動切断装置10は、図
1に示すように、織布、不織布、紙、ダンボール、皮、
合成物その他の材料で形成される単一または積層された
シート状材料からなる被切断物Lから切取パターンを切
り取る。図示の装置は、数値制御による切断装置であ
り、データプロセッサとして機能するコントローラ1
2、往復切断ブレード20、被切断物が広げられる支持
面を形成する真空ベッド24を有する切断テーブル22
と、切断装置を制御するため、切断工程で使用される情
報を入力するための制御台23とを有する。このコント
ローラ12は、デジタル化されたパターンデータを外部
から、又は内部メモリから読み込むことが可能なパーソ
ナルコンピュータであれば公知のいずれのものも使用で
きる。このデータは切取パターンの切断輪郭を決定し、
切断装置に内蔵されたプログラムによって、切断装置を
制御するコマンドが発せられる。切断装置において発生
した信号はまた、以下に詳述するように、この装置から
コントローラ12に送られる。磁気ディスケット16が
切断データの基本ソースとして描かれているが、プログ
ラムテープ等の他のディジタルデータ又はアナログデー
タの入力装置も同様に使用できる。
【0021】真空ベッド24は、真空圧によりシート状
材料を吸引保持するものであり、例えば、支持面を形成
する上部開放端を有する剛毛ベッド(ブリストルベッ
ド)からなるものである。この剛毛ベッドは、空気透過
性を有し、上下方向に密に植毛されている剛毛は刃物の
通過を許し刃物が通過した後は復帰する。被切断物をブ
レード又はテーブルが切断路Pに沿って横切る際、往復
切断ブレード20はこの剛毛を痛めずに移動することが
できる。本出願と同一の譲受人による米国特許3,49
5,492及び3,765,289に詳細に記載されて
いるように、この真空ベッドには、真空ポンプ25を有
する真空システムが備えられている。
【0022】図1には示されていないが、被切断物を通
って吸引される空気の量を低減するため、通気性のない
覆いを被切断物Lの上に被せることも可能である。被切
断物をより強固にし、また少なくともカッターが操作さ
れる領域において、被切断物をテーブル上にしっかりと
吸引保持するため、真空システムは真空ベッド24から
空気を吸引する。真空ベッドに与えられる真空レベルを
監視し、真空レベルの変化に関する情報をコントローラ
12に供給するため圧力センサ21が使用される。真空
圧は、被切断物Lの全体を吸引するノンゾーンシステム
(non-zoned system)では吸引マニホルドにおいて、被
切断物Lを部分的に分けて吸引するゾーンシステム(zo
ned system)では切断ゾーンにおいてそれぞれ測定され
る。
【0023】コントローラ12はまた、図1において参
照番号12Cで示される動作制御システムコンピュータ
を有する。そして、この動作制御システムコンピュータ
12Cはプロセッサを有し、切断輪郭を形成しまたは再
形成し、切断力を決定し、システムの動作に関係するフ
ィードバックパラメータを解析し、ディジタル信号プロ
セッサ(DSP)等の他のプロセーッサに指令を与え、
XYC軸モータ及びサーボ装置と連絡する。この動作制
御システムコンピュータ12Cの詳細及び本発明のシス
テムによる制御方法についての詳細は、図3及び図4の
説明との関連で後述する。
【0024】往復切断ブレード20は、Xキャリッジ2
6及びYキャリッジ28によってテーブルの支持面上に
懸架される。Xキャリッジ26は図面に示されたX軸方
向に一揃いのラック30及び32上を前後に移動する。
ラックは図示しないピニオンと係合し、このピニオンは
Xドライブモータ34によって動作制御システムコンピ
ュータ12Cからのコマンド信号に応答して回転する。
Yキャリッジ28はXキャリッジ上に載置され、Yドラ
イブモータ36及びこのモータに連結されたリードスク
リュー38によって、Y軸方向へ、Xキャリッジに対し
て相対的に動く。ドライブモータ34と同様、ドライブ
モータ36も動作制御システムコンピュータ12Cから
のコマンド信号によって制御される。Xキャリッジ26
及びYキャリッジ28は動作制御システムコンピュータ
12Cによって、磁気ディスケット16からのディジタ
ルデータに応答して調和して動き、切断ブレード20が
切断路Pにそって移動する。
【0025】切断ブレード20は、Yキャリッジ28の
突出端に取り付けられた回転台40から片持梁状に懸架
されている。この回転台及び切断ブレードは、シート状
材料に垂直に取り付けた切断ブレードの長手方向に延び
るC軸(図2)を中心として、図示しないC軸モータ4
4によって回転する。このC軸モータ44もまた、動作
制御システムコンピュータ12Cによって制御される。
C軸モータ44及び回転台は、切断路Pに沿ったそれぞ
れの切断点において、切断ブレードの方向を決定する機
能を有する。この回転台40は、鉛直方向に移動可能
で、切断ブレード20の鋭い刃をテーブル上のシート状
材料に接離させる。回転台を回転するための図示しない
エレベションモータもまたコントローラ12によって制
御される。切断ブレード20もまた、回転台40上のス
トロークモータ42によって往復するが、これは当業者
には公知である。
【0026】図3は、本発明の一実施例における基本的
な構成要素を示すブロック図である。図示のとおり、コ
ントローラ又はコンピュータ12は、2ウェイデータバ
ス54を介して動作制御システムコンピュータ52に連
絡し、システムの運転及び予想される性能に関連する情
報を送るとともに受け取る。他の情報に加えて、コント
ローラ12は、それぞれが可変システムパラメータのそ
れぞれの特定の情報及び特徴を含む多重プリセット切断
形状ファイルを提供する。この可変システムパラメータ
は、自動的に切断装置の性能を特定の織物の性質や厚さ
に適合させ、最適な状態にするために使用される。選択
された切断形状ファイルによって、送り速度の範囲が明
確に特定される。すなわち、与えられた切断環境におい
て最小切断速度及び最高切断速度が特定される。この切
断形状ファイルのデータは、異なる材料や厚さの切断物
を実際に切断した際の経験に基いて開発され、決定され
たものである。
【0027】動作制御システムコンピュータ52はま
た、キーボード23を使用して、コントローラ12から
の情報を受け取る。コントローラ12のキーボード23
は、切断操作を開始し、システム設定値を初期化し、切
断装置を運転するために必要な適切なシステム情報を入
力するために使用される。例えば、図示のように、手動
緊急停止コマンド56をキーボード23又は緊急スイッ
チを通じて入力することができ、停止コマンドが動作制
御システムコンピュータ52に与えられると、切断装置
が順番に停止する。コントローラ12によって、切断装
置の他の運転状態を制御することもできる。その実例と
して、図3に参照番号60で示される真空制御装置に結
合されたコントローラ12の動作制御システムコンピュ
ータ52を示す。この真空制御装置は、真空ポンプの始
動、真空システムに関する他の情報の入力、真空レベル
の上限、下限の検出、監視等の各種機能を有する。
【0028】動作制御システムコンピュータ52はま
た、切断工程において真空レベルに関するフィードバッ
ク信号を受け取り、この真空レベルはブロック62に示
される真空センサによって測定される。エキスパートシ
ステムを切断工程に適用するために使用される他の切断
に関するシステムパラメータには、ブロック64で示さ
れるナイフ(ブレード)速度センサによって動作制御シ
ステムコンピュータ52に連結されるナイフ(ブレー
ド)速度に関する情報が含まれる。同様に、切断工程に
おけるナイフ(ブレード)の切断力は、ブロック66で
示されるナイフ(ブレード)モータ電流計で測定される
ナイフ(ブレード)モータの電流によって示され、この
情報もまた、動作制御システムコンピュータ52に入力
される。さらに、ナイフ(ブレード)エッジの状態、前
回ナイフ(ブレード)を研いだときからの経過時間等の
情報は、ブロック76に示され、これらの情報は動作制
御システムコンピュータ52に供給される。当業者に公
知のブレード偏向使用手段(例えば図2を参照)等のブ
レードの性能に関する他の情報もまた検出され、本シス
テムにおいて使用するためフィードバックされる。
【0029】動作制御システムコンピュータ52はま
た、ライン70を介してY軸モータ68に駆動電流を提
供する。この駆動電流は、図に示す実施例において、Y
軸増幅器72に入力され、この増幅器は、Y軸モータ6
8に連結されたライン74に、コマンド駆動電流を発生
する。実際のモータ性能に関する情報は、軸エンコーダ
78によって表示される。このエンコーダはモータの一
部を形成し、コントローラの情報はライン82を介して
動作制御システムコンピュータ52にフィードバックさ
れ、動作制御システムコンピュータ52はこの情報を、
システムの切断性能を監視し、決定し、システム切断に
関するパラメータを改良し、調整し、最適な切断速度を
探し出す。同様に、X軸モータ84もまた入力ライン8
8によって増幅器86に入力されたコマンド電流信号に
よって駆動され、増幅器86はライン90に所望のX軸
モータ電流を発生させ、X軸モータ84を駆動する。実
際のモータ性能に関する情報は、軸エンコーダ92によ
って表示され、このエンコーダはモータの一部を構成
し、この情報はライン96を介して動作制御システムコ
ンピュータ52にフィードバックされる。動作制御シス
テムコンピュータ52はこの情報を使用して、システム
の切断性能を監視し、決定し、システムの切断に関する
パラメータを改良し、調整し、最適な切断速度を探し出
す。同様に、動作制御システムコンピュータ52はま
た、回転台を回転させるためのC軸モータにC軸モータ
電流を提供し、動作制御システムコンピュータ52はこ
の情報を、システムの切断性能を監視し、決定し、シス
テムの切断に関するパラメータを改良し、調整し、最適
な切断速度を探し出す。
【0030】図4は、本発明に係る切断方法の一実施例
におけるフローチャートを示す。図示のように、切断工
程を制御するのに必要な情報がコントローラ又は適当な
方法及び装置によって入力され、切断される材料の種類
に応じて指定されたプリセット切断形状ファイルを選択
する。このプリセット切断形状ファイルには、材料を切
断するための最適な力に関する情報が含まれ、また最大
送り速度及び最小送り速度が特定される。この最適切断
力は前述の情報に基いて設定されるとともに、切断抵抗
を測定することによって得られ、織物の材料や厚さによ
って変化する。切断システムが運転されている場合、広
げられた材料のかたさが監視され、その状態における値
予測値と比較される。もし、切断システムによって、材
料のかたさが最適レベルを超えると測定された場合に
は、その材料については切断速度が大きすぎると判断さ
れ、切断速度が下げられる。一方、切断システムによっ
て、材料のかたさが最適レベルよりも柔らかいと測定さ
れた場合には、切断材料がさらに早い切断速度に耐えう
ると判断され、切断速度が高められる。切断システムに
よって、この情報に基づき広げられた織物を切断するた
めの最適速度が求められる。切断形状ファイルデータが
特定の切断材料について開発されているため、システム
の運転を開始するため、作業者は、例えば、絹、デニ
ム、綿等の切断材料の種類をキーボード23を介して選
択すればよい。この適切なプリセット切断形状ファイル
は、ステップ100において選択する。一旦切断材料に
関する情報が入力されると、ステップ102に示すよう
に、送り速度がその切断状況における最低速度に設定さ
れる。そして、システムによって切断形状ファイルデー
タ及び最低送り速度が読み込まれ、ステップ104にお
いて切断輪郭ビルダーによって必要な切断輪郭が定めら
れる。この切断輪郭ビルダーについては、前述の特許出
願(出願番号08/040,160)に開示され、切断
輪郭ビルダーに関するさらに詳細な情報が得られる。
【0031】ステップ104において、上記のようにし
て切断輪郭ビルダーによって得られる切断輪郭に関する
データは、X軸モータの電流及びY軸モータの電流を特
定し、これらX軸モータ及びY軸モータは、ステップ1
06において、カッターが切断システムの切断面におい
て所望の動きをするように制御される。エキスパートシ
ステムのソフトウェアでは、最も小さい送り速度(その
運転環境における最小送り速度)で切断操作が開始され
る。そして、解析のためフィードバックされ、必要な調
整をするのに使用される種々の切断システムパラメータ
によって表示される切断状況に応じて、実際の送り速度
が徐々に最適送り速度に近づけられる。ステップ108
において、切断システムは、切断が切断輪郭の平坦な部
分において行われているか否かを判断し、切断が切断輪
郭の平坦部において行われている場合には、ステップ1
10において、送り速度を維持するために指令が与えら
れるX軸及びY軸方向の電流値に基いて織物の「かた
さ」(toughness, ベクトルで示される力)を計算し、
ステップ112においてこの情報が送り速度を計算する
のに使用される。この実施例では、切断輪郭の平坦部に
おける織物の「かたさ」を計算しているが、この織物の
「かたさ」は、カッター(ブレード)が加速又は減速す
る切断輪郭におけるどの部分のものであっても構わな
い。その切断状態における最適切断力又は予想切断力
は、ステップ101において、そのときのプリセット切
断形状ファイルから読み込まれ、ステップ112におい
て、送り速度を計算するのに使用される。送り速度を調
整する際に、計算された切断力Fcは予想切断力Feと
比較される。もし、計算切断力(実際切断力)が予想切
断力よりも小さい場合には、送り速度を増加すべきこと
が指示される。一方、計算切断力Fcが予想切断力Fe
よりも大きい場合には、送り速度を低下すべきことが指
示される。また、もし計算された切断力Fcが予想切断
力よりもかなり大きい場合には、切断輪郭の再製作が指
示される。
【0032】本発明にかかる方法においてはまた、送り
速度を決定するにあたって、ナイフ(ブレード)エッジ
に関する情報が利用される。この情報は公知であり、切
断される織物に適用されるナイフ(ブレード)の材料の
摩耗に関する特性が決定される。この特性の決定に際し
ては、所定の切断材料を所定の長さ切断する場合には、
ナイフ(ブレード)エッジを研いでからの時間が短いほ
ど容易に切断できるため、送り速度を増やすことがで
き、ナイフ(ブレード)エッジを研磨してからの経過時
間が長くなればナイフ(ブレード)エッジが鈍くなるこ
とを考慮して、送り速度を低下させる必要があるという
経験が適用される。このようなエッジの鈍化を補償する
方法としては、本出願と同一譲受人による米国特許4,
133,233に開示される方法がある。ナイフ(ブレ
ード)の研磨データは、ステップ114で読み込まれ、
ステップ112で以後の切断輪郭の送り速度を計算する
際に使用される。
【0033】本発明にかかる方法はまた、切断システム
の真空レベルに関する情報を利用し、この情報は、ステ
ップ116において読み込まれ、ステップ112におい
て切断輪郭への送り速度を計算するのに使用される。所
定の切断材料の所定の真空レベルにおける切断動作は、
すでに知られた情報であり、真空レベルがより高い場合
にはナイフ(ブレード)が所定の切断材料をより早い速
度で切断でき、真空レベルが低下した場合には、送り速
度を低下しなければないというように経験に基いて決定
される。ステップ116における真空レベルが増加した
場合には、ステップ112で計算される以後の切断輪郭
の送り速度は増加する。
【0034】さらに図4を参照しつつ説明する。切断シ
ステムは、切断システムにおける送り速度を決定する際
に、ナイフモータ(ブレードモータ)電流及び実際のナ
イフ(ブレード)速度の測定値を考慮する。ナイフモー
タ電流は、ステップ118において測定され、例えば、
ナイフ(ブレード)に往復動作を与えるストロークモー
タ42の電流が例示した目的のために公知の電流測定手
段によって測定される。命令として与えられるナイフモ
ータ電流Ikcは実際のナイフモータ電流値Ikと比較さ
れる。ステップ118で測定されたナイフモータ電流に
関する情報は、ステップ112で切断輪郭への送り速度
を計算するのに使用される。ナイフの速度、すなわち図
示した実施例におけるブレードの往復速度はステップ1
20において測定される。測定はタコメータその他の当
業者にとって公知の手段によってなされる。ナイフ速度
Kv はコマンドとして与えられるナイフ速度Kvcと比較
される。ステップ120で測定されるナイフ速度に関す
る情報は、ステップ112において送り速度を算出する
際に使用される。もし、命令として与えられるナイフ往
復速度を維持するにあたって困難性が増加し、この困難
性が同時にナイフモータ電流の増加及び実際のナイフ速
度の低下として表れる場合には、送り速度を低下させる
ことが指示される。
【0035】ステップ112において以後の切断操作に
おける送り速度、すなわち、調整送り速度が計算された
後、この調整送り速度はステップ112において実際の
送り速度と比較される。もし調整送り速度が実際の送り
速度よりも大きい場合は、エキスパートシステムは、ス
テップ124において調整送り速度及び実際送り速度が
特定の範囲にあるかどうかを判断し、そのように判断さ
れた場合には、ステップ104にもどり切断操作が継続
される。もし、ステップ124において調整送り速度が
実際送り速度をかなり上回っている場合は、本システム
はステップ126においてより大きい送り速度の切断輪
郭を再構築し、この情報がステップ106に入力され、
X軸、Y軸及びC軸モータのそれぞれを駆動するコマン
ド電流を調整する。ステップ128に示されているよう
に、調整送り速度が実際送り速度よりも少ない場合に
は、本システムが調整送り速度及び実際送り速度が特定
の範囲にあるかどうかを次々と判断し、そのように判断
した場合には、ステップ104において切断操作が継続
される。もし調整送り速度が実際送り速度よりも少ない
場合には、そのように指示され、ステップ130におい
てより少ない送り速度において本システムによる切断輪
郭が再構築される。再構築された切断輪郭からの情報が
ステップ106に入力され、X軸、Y軸及びC軸モータ
のそれぞれを駆動するコマンド電流を調整する。
【0036】他方、ステップ128で示されるように調
整送り速度が実際送り速度よりもかなり小さい場合に
は、この情報によって、ステップ132においてシステ
ムの切断操作が中止され、すべての切断輪郭がステップ
134において再構築される。この再構築された切断輪
郭情報はステップ106に戻され、システムが再び始動
され、X軸、Y軸及びC軸モータが、再構築された切断
輪郭のデータからの特定された電流値でそれぞれ駆動さ
れる。
【0037】切断システムはまた、ステップ136にお
いて軸の摩擦力を自ら調整し、決定する能力を有する。
この軸摩擦力の診断は、作業者の介入を必要とせずに、
「ドライラン」モードにおいてなされ、システムにおい
て、無負荷状態における摩擦力が決定される。システム
における送り速度に応じた軸の動きを維持するために
は、この摩擦力以上の力を必要とする。この情報は記憶
され、本システムが切断材料のかたさの測定値をカッタ
ー速度の設定値に変換するための比較基準線として以後
再び使用される。この診断は重要であり、本システムの
再調整及び機械的な摩耗及び破れの検出を定期的に行う
際にもこの診断が行われる。例えば、特定の送り速度に
おいて軸を動かすために必要な力は前回測定したとき
と、一回運転した後に測定した場合では異なることが検
出されるが、これは、システムの機械構造に何らかの変
化が生じたことを示し、この情報は、現場又は遠く離れ
た場所において診断をする場合に、モデムを介して問題
を確認するために使用され、もし問題があれば、その変
化を補償する際に使用される。このシステム調整診断は
ステップ138においてなされる。
【0038】ステップ138においてはまた、重要なシ
ステムパラメータの監視診断もなされ、予め選択された
重要なシステムパラメータが記録され、また解析に使用
される。このパラメータは本システムにおいても使用さ
れる。この監視診断は、記録される実際のデータ項目が
選択できる点において柔軟性がある。典型的な選択項目
としては、ナイフモータ電流、ナイフ速度、切断速度、
X軸、Y軸、C軸モータ電流、切断材料のかたさを表示
するためのベクトル表示された切断力、真空レベルその
他必要なシステムパラメータがある。これらの情報はサ
ンプリングされ、少なくとも何秒かは記憶され、リアル
タイムの監視及び解析に使用でき、システムの性能の解
析のためにその後再び使用するべく記憶しておくことも
可能である。この診断によって得られた情報は、最適な
切断速度を求めるのに使用されるため、切断工程におい
て所定の状態を調整し、利用し、システムの性能及び切
断物の品質を向上させるため決定をする際に、以後のそ
のときの情報及び本システムにおいて使用される情報に
加えられる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ベッド上に広げられた
被切断物の切断工程が開始されたときの最適な送り速度
を自動的に設定し、作業者の介入なしで状況の変化を考
慮して、切断工程において自動的に送り速度を調整する
ための装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動切断装置の実施例を示す斜視図で
ある。
【図2】切断装置を制御するための本発明に係る本シス
テムにおいて使用されるパラメータを監視するセンサを
有する切断ブレード回りの断面側面図である。
【図3】本発明の一実施例における閉ループ制御システ
ムのブロック図である。
【図4】本発明に係るシステムを使用した切断方法の一
実施例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10 切断システム 12 コントローラ 20 往復切断ブレード 24 真空ベッド 25 真空ポンプ 26 Xキャリッジ 28 Yキャリッジ 34 Xドライブモータ 36 Yドライブモータ 40 回転台 42 ストロークモータ 44 C軸モータ
フロントページの続き (72)発明者 ゼッネック ゼマン アメリカ合衆国 コネチカット州 06279 ウィリントン エルドレッジ ミルズ ロード 24 (72)発明者 ロイ マクドゥガル アメリカ合衆国 コネチカット州 06074 サウウス ウィンザー パイン ノブ ドライブ 12 (72)発明者 ジョセフ アール ビィビィリト アメリカ合衆国 コネチカット州 06074 サウスウィンザー ダイアン ドライブ 350

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状材料を切断する切断手段を有す
    る切断システム(10)を備え、該シート状材料の切断
    工程において変化する種々のパラメータに応答して該シ
    ート状材料の最適送り速度を求めるシート状材料切断用
    開ループ制御装置において、 上記切断手段を、上記切断システム(10)のシート状
    材料の切断面を横切って、X、Y及びC座標空間におい
    て移動させるモータ手段(34、36、44)を有する
    移動手段(26、28)と;最初の切断操作の前に、切
    断システムのパラメータデータに応答して、切断システ
    ムに運転命令を与える特定の制御パラメータデータを決
    定する少なくとも一つのプリセット切断形状ファイルを
    決定し、特定するプログラマブルコントローラ手段(1
    2)と;前記プログラマブルコントローラ手段(12)
    及び切断システム(10)に接続され、前記切断システ
    ムによって移動される切断手段(20)の少なくとも一
    つの切断路を決定する少なくとも一つのプロセッサ手段
    (52)と;前記プリセット切断形状ファイルは、所定
    の厚さを有するシート状材料を切断する際の最大送り速
    度と最小送り速度、及び、前記切断手段(20)を、前
    記切断面を横切って、X、Y座標軸方向に前記モータ手
    段(34、36)を駆動するためのX方向コマンド電流
    値及びY方向コマンド電流値を決定するものであること
    と;前記X方向コマンド電流及びY方向コマンド電流
    は、前記モータ手段(34、36)を、前記少なくとも
    一つの切断路に沿った各点において前記X軸及びY軸方
    向へ所定の速度で運転するためのモータ電流であること
    と;前記プロセッサ手段は、前記X方向コマンド電流値
    及びY方向コマンド電流値から前記一つの切断路に沿う
    各点における予想切断力を求める計算手段を備えている
    ことと;前記プロセッサ手段は、前記X方向コマンド電
    流値及びY方向コマンド電流値によって記モータ手段
    (34、36)を駆動して前記プリセット切断形状ファ
    イルにおいて決定されている所定の送り速度で前記切断
    手段(20)を移動させる手段と;前記少なくとも一つ
    の切断路に沿った前記切断手段の位置を確認するための
    位置検出手段(78、92)と;前記モータ手段に供給
    される前記X方向コマンド電流値及びY方向コマンド電
    流値から、前記少なくとも一つの切断路の前記所定の位
    置における、前記切断手段(20)の実際の切断力を示
    す一つの力のベクトルを決定し、これによって切断物の
    かたさを決定する手段(52)と;を備え、 前記プロセッサ手段(52)は、 前記切断路の前記所定の位置において、前記実際切断力
    と予想切断力とを比較し、実際切断力が予想切断力より
    も小さい場合には、送り速度を増加させ、実際切断力が
    予想切断力よりも大きい場合には、送り速度を減少さ
    せ、実際切断力が予想切断力よりも所定の値以上大きい
    場合には、前記切断システムを停止させることを特徴と
    するシート状材料切断用開ループ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記所定厚さのシー
    ト状材料が、このシート状材料に適用される真空圧力レ
    ベルを測定するための真空センサを有する真空保持手段
    (25)によって切断面に吸引保持され、前記プロセッ
    サ手段(52)は、前記真空保持手段(25)に応答し
    て、切断工程において、前記シート状材料を吸引保持す
    る真空レベルの減少に応答して前記送り速度を減少させ
    るシート状材料切断用開ループ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記切断手段(2
    0)をX座標及びY座標方向に移動させるために前記モ
    ータ手段(34、36)に供給される電流は、前記切断
    面に沿ったX座標及びY座標方向のそれぞれにおける無
    負荷状態のものとして決定され、この無負荷時のX座標
    及びY座標方向電流値が記憶され、前記切断手段の実際
    切断力を表示する前記一つの力のベクトルを計算すると
    きに使用されるシート状材料切断用開ループ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記切断手段(2
    0)が、予め定められた手順で自動的に研磨され、前記
    プロセッサ手段は、切断工程において研磨された前記切
    断手段に応答して前記記送り速度を増加させるシート状
    材料切断用開ループ制御装置。
  5. 【請求項5】 シート状材料の切断手段を、切断システ
    ムの前記切断面を横切って、X、Y、C座標空間におい
    て移動させるモータ手段(34、36、44)を有する
    切断システム(10)において、切断工程において変化
    する種々の切断に関するシステムパラメータに応答して
    種々のシート状材料(L)を切断する際の最適送り速度
    を自動的に求める方法であって、 前記シート状材料を切断する際に、前記切断手段が通過
    する少なくとも一つの切断路を特定又は決定するステッ
    プ(104)と;最初の切断操作の前に、切断システム
    のパラメータデータに応答して、切断システムに運転命
    令を与える特定の制御パラメータデータを決定する少な
    くとも一つのプリセット切断形状ファイルを決定するス
    テップ(100)と;このプリセット切断形状ファイル
    は、特定の予め定められたシート状材料を切断する際の
    最小送り速度及び最大送り速度を決定し、前記切断手段
    を、前記切断面を横切って、X軸及びY軸方向に最小送
    り速度及び最大送り速度の範囲内のある送り速度で移動
    するために前記モータ手段を駆動するX軸方向のコマン
    ド電流値及びY軸方向のコマンド電流値とを定めるもの
    であることと;前記X軸方向のコマンド電流値とY軸方
    向のコマンド電流値から、前記少なくとも一つの切断路
    に沿った各点において、所望の予め定められた速度で前
    記モータ手段を運転するための少なくとも一つのモータ
    電流を決定するステップ(104)と;X軸方向のコマ
    ンド電流値及びY軸方向のコマンド電流値から、前記少
    なくとも一つの切断路に沿った各点において予想される
    切断力を計算するためのステップ(110)と;X軸方
    向のコマンド電流値及びY軸方向のコマンド電流値によ
    って、前記切断手段を、前記プリセット切断形状ファイ
    ルで定義される所定の送り速度で移動させるために、前
    記モータ手段を駆動するステップ(106)と;前記少
    なくとも一つの切断路に沿う前記切断手段の位置を検出
    するステップ(108)と;切断物のかたさを決定する
    ため、前記モータ手段に供給される前記X軸方向のコマ
    ンド電流及びY軸方向のコマンド電流から、前記少なく
    とも一つの切断路の前記所定の部分における前記切断手
    段の実際の切断力を表示する一つの力ベクトルを決定す
    るステップ(110)と;切断力の大きさのレベル差を
    得るため、前記少なくとも一つの切断路における前記所
    定の部分における前記実際の切断力と予想される切断力
    を比較するステップ(122)と;前記実際の切断力が
    予想値よりも小さい場合に前記送り速度を増加させ、前
    記実際の切断力が予想値よりも大きい場合に前記送り速
    度を減少させ、前記実際の切断力が所定の大きさ以上予
    想値を上回る場合に前記制御可能な切断システムを停止
    するステップ(126、130、132)と;で構成さ
    れることを特徴とするシート状材料切断用開ループ制御
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、シート状材料を前記
    切断面に吸着保持する真空保持手段が備えられ、さら
    に、シート状材料に与える真空レベルを検出するステッ
    プ(116)と、切断工程において前記シート状材料を
    吸着保持する真空レベルの減少に応答して、送り速度を
    低減するステップ(130)とを有するシート状材料切
    断用開ループ制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、さらに、前記切断手
    段をX軸及びY軸方向に移動するために前記モータ手段
    に供給される電流を、前記切断面に沿ったX軸、Y軸の
    それぞれの無負荷時のものとして決定するステップ(1
    36)と、前記無負荷時のX軸及びY軸方向の電流値を
    記憶するステップ(138)とが備えられ、これらの記
    憶電流値が前記切断手段の実際の切断力を表示する単一
    の力ベクトルを算出するのに使用されるシート状材料切
    断用開ループ制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項5において、さらに、予め定めら
    れた研磨スケジュールに従って自動的に研磨される前記
    切断手段を有し、この研磨手段により切断工程において
    前記切断手段が研磨されたのに応答して前記送り速度を
    増加するステップ(126)を有するシート状材料切断
    用開ループ制御方法。
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