JP2024065729A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル部の回転を抑制できるトリガー式液体噴出器を提供する。【解決手段】トリガー式液体噴出器1は、液体が収容された容器体Aに装着される噴出器本体2と、噴出器本体2に装着され、液体を前方に噴出する噴出孔4が形成されたノズル部3と、を備える。噴出器本体2は、容器体Aに収容された液体を吸い上げる縦供給筒部10と、前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部21を有し、トリガー部21の後方への移動によって、液体を縦供給筒部10内から噴出孔4側に流通させるトリガー機構20と、ノズル部3を覆う囲繞部40と、を有する。噴出器本体2は、前後方向に延びる規制リブ45を有する。ノズル部3は、規制リブ45が挿入される切欠65を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、トリガー式液体噴出器に関するものである。
トリガー部の操作によって容器体内から液体を吸い上げ、噴出孔を通じて液体を噴出するトリガー式液体噴出器が知られている。この種のトリガー式液体噴出器として、例えば下記特許文献1に示されるように、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部と、を備えたトリガー式液体噴出器が知られている。
噴出器本体は、容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、縦供給筒部から前方に向けて延びた射出筒部と、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有するトリガー機構とを備えている。トリガー機構は、トリガー部の後方への移動によって、液体を縦供給筒部内から射出筒部内に導入させると共に、射出筒部内から噴出孔に向けて射出させる。ノズル部は、射出筒部の前端部に装着されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のトリガー式液体噴出器では、噴出器本体の取付筒がノズル部内に挿入されることでノズル部が噴出器本体に装着されている。このため、ノズル部を噴出器本体に係止する強度が不足し、例えばノズル部に力が加わることでノズル部が噴出器本体に対して回転する可能性がある。特に近年では環境負荷の低減を目的として樹脂の使用量の削減が求められており、各部材の薄肉化が進められた結果、部材同士を係止する強度の低下が生じやすくなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ノズル部の回転を抑制できるトリガー式液体噴出器を提供することである。
本発明の第1の態様に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体に装着され、液体を前方に噴出する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、前記噴出器本体は、前記容器体に収容された液体を吸い上げる縦供給筒部と、前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、前記ノズル部を覆う囲繞部と、を有し、前記噴出器本体は、前後方向に延びる規制リブを有し、前記ノズル部は、前記規制リブが挿入される係止部を有する。
第1の態様によれば、規制リブおよび係止部が相互に係合することで、ノズル部が噴出器本体に対して前後方向に延びる軸線回りに回転するように変位することを規制できる。しかも、ノズル部が囲繞部によって覆われているので、ノズル部が噴出器本体に対して回転しようとした場合に、係合部が拡大するようにノズル部が変形することを、囲繞部がノズル部に接触することによって抑制できる。以上により、ノズル部の回転を抑制できる。
本発明の第2の態様に係るトリガー式液体噴出器は、上記第1の態様に係るトリガー式液体噴出器において、前記トリガー機構は、前記トリガー部に連動して前後方向に移動するピストンと、前記ピストンが挿入され、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダと、を有し、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に突出し、内部に前記シリンダが嵌合するシリンダ装着筒と、前記シリンダ装着筒の上方に配置され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、を有し、前記ノズル部は、前記射出筒部に外嵌され、前記規制リブは、前記シリンダ装着筒と前記射出筒部との間に設けられていてもよい。
第2の態様によれば、規制リブが射出筒部とシリンダ装着筒との間に設けられるので、規制リブが噴出器本体から外側に突出して噴出器本体が大型化することを抑制できる。したがって、トリガー式液体噴出器が大型化することを抑制しつつ、上述した作用効果を奏することができる。
本発明の第3の態様に係るトリガー式液体噴出器は、上記第1の態様または第2の態様に係るトリガー式液体噴出器において、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に突出し、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、前記射出筒部内に移動可能に配設されると共に、前記射出筒部内の圧力上昇に起因して、前記射出筒部内を通じた前記縦供給筒部内と前記噴出孔との連通を遮断した遮断位置から後方に移動することで前記連通を許容する許容位置に切り換わる蓄圧部材と、前記トリガー部を前方付勢する弾性アームと、前記蓄圧部材に対して後方から接触し、前記射出筒部内の圧力上昇に起因して弾性変形することで、前記蓄圧部材の後方への移動を許容すると共に、前記射出筒部内の圧力低下に伴って、弾性復元変形によって前記蓄圧部材を前方に付勢する弾性体とを有し、前記弾性体および前記弾性アームは、一体に形成されていてもよい。
第3の態様によれば、弾性体と弾性アームとが一体に形成されているため、トリガー部を前方に付勢する付勢部材等を別途設ける必要がない。したがって、部品点数の削減化を図ることができるうえ、低コスト化にも繋げることができる。
本発明の第4の態様に係るトリガー式液体噴出器は、上記第1の態様から第3の態様のいずれかの態様に係るトリガー式液体噴出器において、前記トリガー部は、左右方向に突出する回転軸部を有する係合部を備え、前記トリガー部の前記回転軸部を支持する支持部と、前記係合部および前記支持部を左右方向の外側から覆う壁部と、を備えていてもよい。
第4の態様によれば、トリガー部に左右方向の力が加わった際に、壁部が係合部または支持部に接触することで、支持部および係合部の左右方向の相対変位を規制して、支持部からトリガー部の回転軸部が抜けることを抑制できる。したがって、トリガー部の外れを規制することができる。
本発明によれば、ノズル部の回転を抑制できるトリガー式液体噴出器を提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る吐出器を説明する。
図1に示すように、実施形態に係る吐出器は、トリガー式液体噴出器1である。トリガー式液体噴出器1は、内容物を収容する容器体Aに装着される噴出器本体2と、噴出器本体2に装着され、内容物を噴出する噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部3と、噴出器本体2およびノズル部3を覆うカバー部材5と、を備えている。容器体Aに収容される内容物としては、例えば、住居用や食器用の洗剤、空間や衣類などに用いる消臭・芳香剤、除菌用アルコールなどの液体が挙げられる。なお、トリガー式液体噴出器1の各構成部品は、特に記載がなければ、合成樹脂を用いた成形品とされている。
噴出器本体2は、縦供給筒部10と、シリンダ装着筒16と、トリガー機構20と、射出筒部30と、囲繞部40と、切替弁50と、を主に備えている。以下の説明では、縦供給筒部10の中心軸線O1に沿った容器体A側を下側、その反対側を上側といい、中心軸線O1に沿う方向を上下方向という。また、上下方向から見た平面視において、中心軸線O1に交差する一方向を前後方向といい、上下方向および前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
縦供給筒部10は、上下方向に延在し、容器体A内の内容物を吸い上げる。縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒11と、外筒11内に嵌合された内筒12と、を備えている。外筒11は、シリンダ装着筒16、射出筒部30および囲繞部40と一体に形成されており、単一の部材として設けられている。以下、外筒11、シリンダ装着筒16、射出筒部30および囲繞部40により形成された単一の部材をボディ6と称する。内筒12は、容器体Aの口部の上端開口縁上にパッキンを介して配置されるフランジ13を備えている。フランジ13は、容器体Aの口部に装着(螺着)された装着キャップ14によって上方から押え付けられている。内筒12には、上下方向に延びると共に容器体Aから内容物を吸い上げるパイプ15の上部が嵌合している。
図2および図3に示すように、シリンダ装着筒16は、縦供給筒部10の前方に設けられている。シリンダ装着筒16は、縦供給筒部10から前方に突出すると共に、前方に開口している。
図1に示すように、トリガー機構20は、トリガー部21と、ピストン22と、シリンダ23と、付勢部材24と、を備えている。トリガー機構20は、トリガー部21の後方への移動によって、内容物を縦供給筒部10内から噴出孔4側に向けて流通させることが可能とされている。
シリンダ23は、シリンダ装着筒16内に嵌合している。シリンダ23は、前方に開口する有底筒状に形成されている。シリンダ23は、その後壁部の一部において、縦供給筒部10の内部に連通している。
トリガー部21は、縦供給筒部10の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配置されている。トリガー部21は、射出筒部30の左右側方において、ノズル部3に前後方向に揺動可能に軸支されている。トリガー部21は、ノズル部3による軸支位置から下方に延び、ピストン22およびシリンダ23の前方に位置している。なおトリガー部21については、後に詳細に説明する。
ピストン22は、シリンダ23の内部に前後方向に移動可能に配置されている。ピストン22は、トリガー部21の移動に連動して前後方向に移動可能とされている。シリンダ23の内部は、ピストン22の前後方向の移動に伴って加圧および減圧される。ピストン22は、後方に開口すると共に前方が閉塞された有頂筒状に形成されている。
ピストン22は、トリガー部21と共に付勢部材24の付勢力によって前方に付勢されている。ピストン22は、トリガー部21の後方への移動に伴って後退してシリンダ23内に押し込まれる。ピストン22は、トリガー部21が最前方揺動位置にあるときに、これに対応して最前方位置に位置している。
付勢部材24は、射出筒部30の後端部を閉塞する閉塞部材36に一体に形成された一対の弾性アーム38である。一対の弾性アーム38は、射出筒部30の左右両側に設けられており、閉塞部材36から前方に延びている。弾性アーム38は、前方に向かうに従って下方に反るように弾性変形し、トリガー部21を前方に付勢している。このように付勢部材24が閉塞部材36に形成されることで、一対の弾性アーム38を射出筒部30の後端部から前方に向かって長く形成するとともに、その湾曲部分を大きく緩やかに設けることが可能になる。なお、付勢部材24は、ピストン22の頂壁とシリンダ23の底壁との間に配置されたスプリング部材等であっても構わない。
射出筒部30は、シリンダ装着筒16の上方に配置されている。射出筒部30は、縦供給筒部10内の内容物を噴出孔4に導く。射出筒部30は、縦供給筒部10の上端部に接続され、軸線O2を中心として前方に延びている。射出筒部30は、前方および後方が開放された筒状に形成されている。
図2に示すように、射出筒部30は、後筒部31と、先筒部32と、中筒部33と、を備える。後筒部31は、後方に開口した有頂筒状に形成されており、軸線O2を中心に前後方向に延びる周壁311、および周壁311の前端縁から軸線O2側に突出するとともに全周にわたって延びる頂壁312を有している。後筒部31の頂壁312には、軸線O2を中心とする貫通孔が形成されている。後筒部31の下側部分には、後筒部31の周壁311を上下方向に貫通し、後筒部31の内部と縦供給筒部10の内部とを連通させる連通孔313が形成されている。先筒部32は、後筒部31の頂壁312における貫通孔の内周縁から前方に突出している。先筒部32の前端部には、前方に開口し、内容物を前方に向けて供給する射出開口部34が形成されている。中筒部33は、先筒部32の後端部から後方に延びている。中筒部33は、後筒部31の内側に配置されている。これにより、中筒部33と後筒部31との間には、軸線O2を中心とした環状の蓄圧空間Sが形成されている。蓄圧空間Sは、縦供給筒部10の内部に連通孔313を通じて連通している。
図1に示すように、射出筒部30内には、蓄圧弁35(蓄圧部材)が配置されている。蓄圧弁35は、射出筒部30内に前後方向に移動可能に配置されている。蓄圧弁35は、蓄圧空間Sの圧力上昇に起因して、射出筒部30内を通じた縦供給筒部10内と射出開口部34との連通を遮断する最前方の遮断位置から後方に移動して、上記連通を許容する最後方の許容位置に切り換え可能とされている。
射出筒部30の後端部は、蓄圧弁35の後方から組み付けられた閉塞部材36によって閉塞されている。閉塞部材36は、上述した付勢部材24を構成する一対の弾性アーム38と、蓄圧弁35に対して後方から接触して、蓄圧弁35を位置決めする複数の弾性突部37(弾性体)と、を備えている。
複数の弾性突部37は、射出筒部30の後筒部31に挿入されている。複数の弾性突部37は、蓄圧弁35の後端開口縁のテーパ面に対して後方から接触している。複数の弾性突部37は、蓄圧空間Sの圧力が所定値を超えたときに後方に移動する蓄圧弁35のテーパ面によって、互いの先端部が近接するように弾性変形して蓄圧弁35の後方への移動を許容し、蓄圧空間Sを射出筒部30の射出開口部34に連通させる。また、複数の弾性突部37は、蓄圧空間Sの圧力低下に伴って、弾性復元変形によって蓄圧弁35を前方に付勢し、蓄圧空間Sと射出開口部34との連通を遮断する。なお、閉塞部材36と蓄圧弁35との間にコイルばね等の付勢体を別途設けてもよい。さらに、付勢体を弾性突部37に替えて設けてもよい。
図2および図3に示すように、囲繞部40は、射出筒部30の先筒部32を上方および左右両側から囲うように配置されている。囲繞部40は、先筒部32に対して間隔をあけて前後方向に延びている。囲繞部40の後端は、射出筒部30の後筒部31に接続している。囲繞部40は、先筒部32の上方に配置された上壁部41と、先筒部32の左右両側に配置された一対の側壁部42と、を備える。
上壁部41は、表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。上壁部41は、一定の幅で前後方向に延びており、平面視矩形状に形成されている。上壁部41は、先筒部32に対して上下方向に隙間をあけて配置されている。上壁部41の前端は、先筒部32の前端よりも後方の位置にあり、且つシリンダ装着筒16の前端と前後方向において略同じ位置にある。上壁部41の下面には、係合凹部43が形成されている。本実施形態では、係合凹部43は、上壁部41を上下方向に貫通している。係合凹部43は、先筒部32に最も近接する左右方向の位置にある。
側壁部42は、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。側壁部42は、上壁部41の左右方向の側縁の全体から下方に延びている。側壁部42の下端縁は、シリンダ装着筒16の外周面に接続している。側壁部42は、先筒部32と付勢部材24の弾性アーム38(図1参照)との間に位置し、先筒部32に対して左右方向に間隔をあけて配置されている。このように囲繞部40は、前後方向に直交する断面視で全体にわたって先筒部32に対して隙間をあけるように形成されている。囲繞部40と先筒部32との隙間は、前方に開放されている。
射出筒部30とシリンダ装着筒16との間には、前後方向に延びる規制リブ45が設けられている。規制リブ45は、囲繞部40の一対の側壁部42の間に配置されている。規制リブ45は、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。規制リブ45の上端縁は、先筒部32の下部に接続している。規制リブ45の下端縁は、シリンダ装着筒16の上部に接続している。規制リブ45の前端は、シリンダ装着筒16の前端よりも後方の位置にある。
図1に示すように、切替弁50は、縦供給筒部10の内側に設けられている。切替弁50は、内筒12内に嵌合されたパイプ15の上端位置と、パイプ15の上端位置よりも上方において外筒11とシリンダ23とが接続される接続位置との間に設けられた流路内に設けられている。流路内には、縦供給筒部10と噴出孔4とを連通させる連通孔17が形成されている。
切替弁50は、シリンダ23の内部の加圧および減圧に応じて、縦供給筒部10と噴出孔4との連通および遮断を切り替える。切替弁50は、弁座51と、ボール弁52と、天壁部53と、弾性突起群54と、を備えている。弁座51は、縦供給筒部10と噴出孔4とを連通させる連通孔17の開口周縁部に設けられている。弁座51は、内筒12の上端部の内壁面から径方向に向けて突出している。弁座51の上面は、下方に向かうに従って漸次縮径している。
ボール弁52は、弁座51に対して離反可能に着座する球体である。ボール弁52は、例えば樹脂製である。ただし、ボール弁52は、金属製であってもよい。天壁部53は、ボール弁52と連通孔17の開口方向に対向している。つまり、天壁部53は、連通孔17の開口方向において、ボール弁52を挟んで、弁座51と隙間をあけて対向している。天壁部53は、外筒11と一体的に形成されている。具体的に、天壁部53は、有頂筒状の外筒11の頂壁を形成している。天壁部53からは上方に延びる側壁が一体的に形成され、側壁を介して射出筒部30と外筒11とが一体的に形成されている。そして、射出筒部30の下側部分と側壁との間に、射出筒部30内の蓄圧空間Sとシリンダ23とを接続する流路が形成されている。
弾性突起群54は、天壁部53からボール弁52に向かって突出する複数の突起55を備えている。複数の突起55は、弁座51に着座した状態のボール弁52に対し、ボール弁52の天壁部53側の半分の領域(上半分の領域)に接触している。なお、複数の突起55は、弁座51に着座した状態のボール弁52に対して、上下方向に離間して配置されていても構わない。弾性突起群54は、天壁部53からボール弁52に向かって、中心軸線O1回りに螺旋状に延びている。弾性突起群54は、ボール弁52が弁座51から離反したときに、ボール弁52によって3つの突起55の間が押し広げられるように弾性変形する。この弾性突起群54の弾性変形により、弁座51とボール弁52との間に上下方向の隙間が生じ、縦供給筒部10と噴出孔4とが連通する。
ノズル部3は、射出筒部30に前方から外嵌している。ノズル部3は、射出筒部30の前端部に装着される筒状の中継部材60と、中継部材60に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着された有頂筒状のノズル本体70と、を備えている。ノズル本体70の前側頂壁には、前方に開口し、内容物を前方に向けて噴出する噴出孔4が形成されている。
中継部材60は、射出筒部30およびノズル本体70を接続している。中継部材60は、射出筒部30に対して前方から装着されている。中継部材60は、射出筒部30の射出開口部34よりも前方に位置すると共に、射出開口部34に対して対向配置された対向壁部61と、対向壁部61から後方に延びると共に射出筒部30の先筒部32に外嵌された第1中継筒部62と、対向壁部61から前方に延びる第2中継筒部63と、第2中継筒部63の内側に位置し、且つ対向壁部61から前方に延びるガイド軸64と、を備えている。
第1中継筒部62は、後方に開口する円筒状に形成されている。第1中継筒部62は、後端部がシリンダ装着筒16の前端よりも後方に位置するように、囲繞部40およびシリンダ装着筒16と先筒部32との間の隙間に挿入されている。第1中継筒部62の外周面には、囲繞部40の上壁部41および一対の側壁部42が接している。
図1および図4に示すように、第1中継筒部62の後端開口縁には、切欠65(係止部)が形成されている。切欠65は、第1中継筒部62の下部に形成されている。切欠65は、前方に延びるとともに左右方向に幅を持つ。切欠65は、規制リブ45の厚み以上の幅を持つ。切欠65には、規制リブ45が後方から挿入されている。これにより、中継部材60が先筒部32を中心に回転することを規制されている。第1中継筒部62のうち少なくとも前後方向における切欠65が形成された範囲に位置する部分は、囲繞部40の一対の側壁部42に接している。
図1に示すように、第1中継筒部62の上部には、係合突起66が形成されている。係合突起66は、上方に突出し、囲繞部40の係合凹部43に係合している。これにより、中継部材60が囲繞部40に対して前方移動することを規制されている。
第2中継筒部63およびガイド軸64は、射出筒部30の軸線O2に対して下方に偏心した軸線O3を中心に配置されている。対向壁部61のうち、ガイド軸64の上方に位置し、且つ第2中継筒部63の内側に位置する部分には、射出筒部30の射出開口部34に連通する射出連通孔67が形成されている。これにより、第2中継筒部63の内部は、射出連通孔67および射出開口部34を通じて射出筒部30の内部に連通している。ガイド軸64の外周面には、前後方向に延びる第1切換溝641が形成されている。第1切換溝641は、軸線O3回りに間隔をあけて複数形成されている。
図4および図5に示すように、さらに対向壁部61のうち第1中継筒部62を挟んで左右方向の両側に位置する部分には、後方延びる一対のレバー支持壁68(支持部)が形成されている。レバー支持壁68は、第2中継筒部63との間に隙間をあけて配置されている。レバー支持壁68には、トリガー部21を回動可能に支持するための軸穴69が形成されている。軸穴69は、レバー支持壁68のうち第1中継筒部62側を向く面に開口している。本実施形態では、軸穴69は、レバー支持壁68を左右方向に貫通している。
図1に示すように、ノズル本体70は、第2中継筒部63に装着されている。これにより、ノズル本体70は、中継部材60を介して噴出器本体2に装着されている。
ノズル本体70は、中継部材60の対向壁部61よりも前方に配設され、噴出孔4が形成されたノズル壁部71と、ノズル壁部71から後方に延びると共に、第2中継筒部63に対して前方から外嵌された外嵌筒部72と、ノズル壁部71のうち外嵌筒部72の内側に位置する部分から後方に突設されているとともに、ガイド軸64に対して回転可能に外嵌する内筒部73と、を備えている。内筒部73の内周面には、前後方向に沿って延びる第2切換溝731が形成されている。さらにノズル壁部71の後面のうち、内筒部73の内側に位置する部分には、第1切換溝641に連通可能なスピン室75が凹状に形成されている。
ノズル本体70は、中継部材60の対向壁部61よりも前方に配設され、噴出孔4が形成されたノズル壁部71と、ノズル壁部71から後方に延びると共に、第2中継筒部63に対して前方から外嵌された外嵌筒部72と、ノズル壁部71のうち外嵌筒部72の内側に位置する部分から後方に突設されているとともに、ガイド軸64に対して回転可能に外嵌する内筒部73と、を備えている。内筒部73の内周面には、前後方向に沿って延びる第2切換溝731が形成されている。さらにノズル壁部71の後面のうち、内筒部73の内側に位置する部分には、第1切換溝641に連通可能なスピン室75が凹状に形成されている。
なお、外嵌筒部72は、第2中継筒部63に対して前方に抜け止めがされた状態で軸線O3回りに回転可能に装着されている。これにより、ノズル本体70は、軸線O3回りに回転可能に中継部材60に組み合わされている。内筒部73の第2切換溝731は、軸線O3を中心としたノズル本体70の所定の回転位置で中継部材60の第1切換溝641と連通し、それ以外の回転位置で第1切換溝641と非連通状態となる。第1切換溝641と第2切換溝731とが連通することで、噴出孔4と第2中継筒部63内とがスピン室75、第1切換溝641および第2切換溝731を通じて連通する。したがって、ノズル本体70は、軸線O3回りの回転に伴って、噴出孔4からの内容物の噴出を許容する噴出許容状態と、噴出が規制される噴出規制状態との切り換えを行うことが可能とされている。
カバー部材5は、縦供給筒部10のうちの下端部を除く全体、囲繞部40、および射出筒部30の全体を、少なくとも左右方向の両側および上方から覆うように形成されている。また、カバー部材5は、囲繞部40よりも前方で、ノズル本体70のうちのノズル本体70を除く全体を、左右方向の両側および上方から覆うように形成されている。
ここで、トリガー部21について詳述する。
図1、図6および図7に示すように、トリガー部21は、トリガー本体80と、係合部81と、受部82と、規制壁83(壁部)と、を備える。
図1、図6および図7に示すように、トリガー部21は、トリガー本体80と、係合部81と、受部82と、規制壁83(壁部)と、を備える。
図1に示すように、トリガー本体80は、ピストン22の前方を上方から下方に向かうに従い前方に傾斜するように延びている。トリガー本体80は、噴出操作を行うにあたって把持操作される部分であり、例えば人差し指等が前方から引っ掛けられる。トリガー本体80における上下方向の中間部分には、ピストン22の前端部が連結されている。これにより、ピストン22は、トリガー部21の前後動に伴って前後移動する。
図6に示すように、係合部81は、トリガー本体80の上端部に左右方向に間隔をあけて一対設けられている。係合部81は、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。一対の係合部81は、中継部材60の第1中継筒部62を左右方向の外側から挟むように配置されている。各係合部81は、第1中継筒部62とレバー支持壁68との間に挿入されている。各係合部81には、左右方向の外側に突出した円柱状の回転軸部84が設けられている。回転軸部84は、レバー支持壁68の軸穴69に挿入されている。これにより、一対の係合部81は、一対のレバー支持壁68に左右方向に沿う軸線回りに回動可能にそれぞれ組み合わされている。すなわち、トリガー部21は、一対の回転軸部84を支点にして回動操作可能とされている。
受部82は、トリガー本体80の左右両側に一対設けられている。受部82は、トリガー本体80から左右方向の両側に突出している。受部82には、後方に開口する凹部85が形成されている(図1参照)。凹部85には、閉塞部材36の弾性アーム38が嵌め込まれる。これにより、トリガー部21は、弾性アーム38の弾性復元力によって前方に付勢される。
図6および図7に示すように、規制壁83は、各受部82を延長するように設けられている。規制壁83は、一対の係合部81を左右方向の外側から挟むように配置されている。規制壁83は、係合部81に左右方向に間隔をあけて、受部82の上端部から係合部81と略平行に延出している。規制壁83は、係合部81およびレバー支持壁68を左右方向の外側から覆っている(図5を併せて参照)。規制壁83は、左右方向の外側から見て、レバー支持壁68のうち軸穴69の周縁部の一部、および回転軸部84の一部に重なる。規制壁83は、回転軸部84に左右方向に間隔をあけて配置されている。規制壁83と回転軸部84との左右方向の間隔は、レバー支持壁68の厚みよりも小さい。
以上説明したように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1によれば、噴出器本体2が前後方向に延びる規制リブ45を有し、ノズル部3の中継部材60の第1中継筒部62に規制リブ45が挿入される切欠65が設けられている。この構成によれば、規制リブ45および切欠65が相互に係合することで、中継部材60が噴出器本体2に対して前後方向に延びる軸線O2回りに回転するように変位することを規制できる。しかも、中継部材60が囲繞部40によって覆われているので、中継部材60が噴出器本体2に対して回転しようとした場合に、切欠65が拡大するように中継部材60が変形することを囲繞部40が中継部材60に接触することによって抑制できる。特に本実施形態では切欠65が左右方向に幅を持ち、囲繞部40の一対の側壁部42が第1中継筒部62に左右方向の外側から接触している。このため、切欠65が拡大するように第1中継筒部62が変形することを、一対の側壁部42が第1中継筒部62に接触することによって効果的に抑制できる。以上により、ノズル部3の中継部材60の回転を抑制できる。そして、中継部材60を介して噴出器本体2に装着されたノズル本体70を回転させる際に、中継部材60が供回りすることを抑制できるので、ノズル本体70を回転させて噴出許容状態と噴出規制状態との切り換えを正確に行うことが可能となる。
ところで、トリガー部21を支持するノズル部3の中継部材60が回転可能であると、トリガー部21に左右方向の力が加わった際に、中継部材60の回転を伴ってトリガー部21が左右方向に大きく移動し得る。トリガー部21が左右方向に移動した結果、トリガー部21に形成された係合部81の一方がレバー支持壁68から外れる不具合や、ピストン22に力が加わり、ピストン22の摺動部(シール部)とシリンダ23との間の密閉状態が崩れて内容物の漏出する(液漏れ)などの不具合が生じる可能性がある。本実施形態によれば、中継部材60の回転を抑制できるので、トリガー部21に左右方向の力が加わった際にトリガー部21が左右方向に大きく変位することを抑制して、上記不具合が生じることを回避することができる。
さらに、規制リブ45は、シリンダ装着筒16と、シリンダ装着筒16の上方に配置され、ノズル部3の中継部材60が外嵌される射出筒部30との間に設けられている。この構成によれば、規制リブ45が射出筒部30とシリンダ装着筒16との間に設けられるので、規制リブが噴出器本体2から外側に突出して噴出器本体2が大型化することを抑制できる。したがって、トリガー式液体噴出器1が大型化することを抑制しつつ、上述した作用効果を奏することができる。
また、トリガー部21を前方付勢する弾性アーム38と蓄圧弁35を前方に向けて付勢する弾性突部37とが一体に形成されている。このため、トリガー部を前方に付勢する付勢部材等を別途設ける必要がない。したがって、部品点数の削減化を図ることができるうえ、低コスト化にも繋げることができる。
トリガー部21は、左右方向に突出する回転軸部84を有する係合部81を備える。トリガー式液体噴出器1は、トリガー部21の回転軸部84を支持するレバー支持壁68と、係合部81およびレバー支持壁68を左右方向の外側から覆う規制壁83と、を備える。この構成によれば、トリガー部21に左右方向の力が加わった際に、規制壁83が係合部81またはレバー支持壁68に接触することで、係合部81およびレバー支持壁68の左右方向の相対変位を規制して、レバー支持壁68からトリガー部21の回転軸部84が抜けることを抑制できる。したがって、トリガー部21の外れを規制することができる。そして、トリガー部21が適切に回動しなくなったり、トリガー部21の外れに伴ってピストン22に力が加わることで上記の内容物の漏出が生じたりするなどの不具合が起こることを抑制できる。
また、規制壁83は、トリガー部21と一体に設けられている。この構成によれば、トリガー部21を中継部材60に取り付ける際に規制壁83を所定の位置に配置できる。これにより、トリガー式液体噴出器1の組み立て性が低下することを抑制できる。また、規制壁を有する新たな部品を必要としないので、製造工程の複雑化、および部品コストの上昇を抑制できる。
本実施形態では、係合部81がレバー支持壁68の内側に配置され、規制壁83がレバー支持壁68の外側に配置されている。このため、例えばトリガー部21に左向きの力が加わった場合、右側の係合部81の回転軸部84が右側のレバー支持壁68の軸穴69から抜けるように変位し得るところ、右側の規制壁83がレバー支持壁68に当接することで、右側のレバー支持壁68に対する右側の係合部81の右向きの変位を規制できる。トリガー部21に右向きの力が加わった場合も同様である。したがって、トリガー部21の外れを規制することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、規制リブ45がシリンダ装着筒16と射出筒部30との間に設けられ、シリンダ装着筒16および射出筒部30に接続しているが、この構成に限定されない。例えば、規制リブは、射出筒部から下方以外の方向に突出していてもよい。また、規制リブは、シリンダ装着筒および射出筒部の一方のみに接続していてもよい。さらに、規制リブは、囲繞部に接続していてもよい。
例えば、上記実施形態では、規制リブ45がシリンダ装着筒16と射出筒部30との間に設けられ、シリンダ装着筒16および射出筒部30に接続しているが、この構成に限定されない。例えば、規制リブは、射出筒部から下方以外の方向に突出していてもよい。また、規制リブは、シリンダ装着筒および射出筒部の一方のみに接続していてもよい。さらに、規制リブは、囲繞部に接続していてもよい。
また、上記実施形態では、ノズル部3が、噴出孔4が形成されたノズル本体70と、射出筒部30およびノズル本体70を接続する中継部材60と、を備えているが、この構成に限定されない。ノズル部は、噴出孔を有する単一の部材であってもよい。
また、上記実施形態では、トリガー部21が中継部材60に支持されているが、トリガー部は噴出器本体またはカバー部材に支持されていてもよい。また、規制壁はカバー部材やノズル部など、トリガー部とは異なる部材と一体に設けられていてもよい。また、規制壁を有する新たな部材を設けてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…トリガー式液体噴出器 2…噴出器本体 3…ノズル部 4…噴出孔 10…縦供給筒部 16…シリンダ装着筒 20…トリガー機構 21…トリガー部 22…ピストン 23…シリンダ 30…射出筒部 35…蓄圧弁(蓄圧部材) 37…弾性突部(弾性体) 38…弾性アーム 40…囲繞部 45…規制リブ 65…切欠(係止部) 68…レバー支持壁(支持部) 81…係合部 83…規制壁(壁部) 84…回転軸部 A…容器体
Claims (4)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体に装着され、液体を前方に噴出する噴出孔が形成されたノズル部と、
前記噴出器本体は、
前記容器体に収容された液体を吸い上げる縦供給筒部と、
前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、
前記ノズル部を覆う囲繞部と、
を有し、
前記噴出器本体は、前後方向に延びる規制リブを有し、
前記ノズル部は、前記規制リブが挿入される係止部を有する、
トリガー式液体噴出器。 - 前記トリガー機構は、
前記トリガー部に連動して前後方向に移動するピストンと、
前記ピストンが挿入され、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダと、
を有し、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部から前方に突出し、内部に前記シリンダが嵌合するシリンダ装着筒と、
前記シリンダ装着筒の上方に配置され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
を有し、
前記ノズル部は、前記射出筒部に外嵌され、
前記規制リブは、前記シリンダ装着筒と前記射出筒部との間に設けられている、
請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部から前方に突出し、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記射出筒部内に移動可能に配設されると共に、前記射出筒部内の圧力上昇に起因して、前記射出筒部内を通じた前記縦供給筒部内と前記噴出孔との連通を遮断した遮断位置から後方に移動することで前記連通を許容する許容位置に切り換わる蓄圧部材と、
前記トリガー部を前方付勢する弾性アームと、
前記蓄圧部材に対して後方から接触し、前記射出筒部内の圧力上昇に起因して弾性変形することで、前記蓄圧部材の後方への移動を許容すると共に、前記射出筒部内の圧力低下に伴って、弾性復元変形によって前記蓄圧部材を前方に付勢する弾性体と、
を有し、
前記弾性体および前記弾性アームは、一体に形成されている、
請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記トリガー部は、左右方向に突出する回転軸部を有する係合部を備え、
前記トリガー部の前記回転軸部を支持する支持部と、
前記係合部および前記支持部を左右方向の外側から覆う壁部と、
を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022174737A JP2024065729A (ja) | 2022-10-31 | 2022-10-31 | トリガー式液体噴出器 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
JP2024065729A true JP2024065729A (ja) | 2024-05-15 |
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Family Applications (1)
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JP2022174737A Pending JP2024065729A (ja) | 2022-10-31 | 2022-10-31 | トリガー式液体噴出器 |
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JP (1) | JP2024065729A (ja) |
-
2022
- 2022-10-31 JP JP2022174737A patent/JP2024065729A/ja active Pending
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