JP6623048B2 - 吐出器 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示される吐出器が知られている。
この吐出器は、内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されると共に前方に向けて開口する内容物の吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、ポンプを容器本体の口部に装着する装着キャップと、装着キャップの後部に立設された支持部と、支持部に回転軸回りに回転自在に配設され、吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備えている。
このように構成されているので、内容物を吐出する場合には、押下部材を回転軸回りに下方に向けて回転させることで、吐出ヘッドを下方移動させる。これにより、吐出孔を通じて内容物を外部に吐出することができる。
特開2008−30798号公報
ところで、この種の吐出器では一般的に、不使用時に内容物が外部に吐出されないようにするため、ストッパーを備えている。従来のストッパーは、支持部と押下部材との間に挟まることで、押下部材が回転軸回りに下方に向けて回転しないようにしている。しかしながら、この構成では、押下部材ではなく吐出ノズル単体に力が加わると、ある程度吐出ノズルが押下がってしまい、内容物が吐出されてしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、不使用時において内容物の吐出をより確実に防止することができる吐出器を提供することである。
本発明の吐出器の一つの態様は、内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、前記ポンプを前記容器本体の口部に装着する装着キャップと、前記装着キャップの後部に立設された支持部と、前記支持部に回転軸回りに回転自在に配設され、前記吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備え、前記押下部材を前記回転軸回りに下方に向けて回転させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出器であって、前記吐出ヘッドは、上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステムと、前記ステムの上端部に装着された装着筒部、および前記装着筒部から前方に向けて突出し、その前端部に前記吐出孔が形成されたノズル筒部を有するヘッド本体と、備え、前記ノズル筒部に対して前記ノズル筒部の下方から当接若しくは近接し、前記吐出ヘッドの下方移動を規制する規制位置と、前記ノズル筒部から離れ、前記吐出ヘッドの下方移動を許容する規制解除位置と、の間で移動可能なストッパーを有することを特徴とする。
本発明の吐出器の一つの態様によれば、ストッパーを規制位置に移動させると、ストッパーがノズル筒部に当接若しくは近接する。これにより、吐出ヘッド単体に力が加わっても、ノズル筒部にストッパーが当接し、吐出ヘッドが直接支えられるため、内容物が吐出されることがなくなる。一方、ストッパーを規制解除位置に移動させると、ストッパーがノズル筒部から離れる。これにより、吐出ヘッドの下方移動が許容され、通常通りの使用が可能となる。
また、ストッパーが規制位置にある場合においては、ノズル筒部に下方向きの外力が加えられてもストッパーによってノズル筒部が直接支えられる。そのため、ヘッド本体がストッパーに対して浮き上がることを防止でき、ストッパーが規制位置から規制解除位置側にずれることがない。また、ステムとヘッド本体との間のシール性が低下することも抑制できる。
前記ストッパーは、前記規制位置に位置するときに、前記ノズル筒部の後端部に対して前記ノズル筒部の下方から当接若しくは近接する構成としてもよい。
この構成によれば、ストッパーがノズル筒部の後端部を支持するため、ノズル筒部に加えられた下方向きの外力によって、ノズル筒部がストッパーに強く押し付けられることとなり、ストッパーが規制位置から規制解除位置側にずれることを確実に防ぐことができる。
前記装着筒部は有頂筒状に形成され、前記装着筒部の頂壁部に、上方に向けて突出し、前記押下部材に押下げられる被押下部が形成され、前記回転軸は、前記ステムより後方に配置されるとともに、上下方向および前後方向の双方向に直交する左右方向に延びる構成としてもよい。
この構成によれば、装着筒部の被押下部には押下部材によって前方斜め下向きの力が加えられる。ストッパーは、規制位置において、装着筒部から前方に向けて突出するノズル筒部を支持する。そのため、ストッパーは、被押下部の前方斜め下側に位置する。これにより、押下部材によって被押下部に加えられる前方斜め下向きの力をストッパーによってほぼ真っ直ぐに受け止めることができる。したがって、押下部材に不意な外力が加えられた場合であっても、ステムに対してヘッド本体が傾くことを抑制できる。また、ノズル筒部がストッパーから浮き上がりストッパーが規制解除位置側にずれることを抑制できる。
本発明に係る吐出器によれば、不使用時において内容物の吐出をより確実に防止することができる。
吐出器を示す軸方向断面図である。 図1に示す吐出器を前方から見た正面部分断面図である。 吐出器を示す図であって、図1に示す状態から押下部材を下方に回転させて吐出ヘッドを押し下げた状態を示す軸方向断面図である。 吐出器に設けられたストッパーを示す斜視図である。 図1に示す吐出器を左右方向から見た図である。図5(a)は、ストッパーが規制位置にある状態を示す図である。図5(b)は、ストッパーが規制解除位置にある状態を示す図である。図5(c)は、ストッパーが規制解除位置にあり、押下部材が押し下げられた状態を示す図である。
以下、本発明に係る吐出器の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、吐出器1は、図示しない内容物が収容された容器本体2の口部3に取り付けられる有頂円筒状の装着キャップ11と、容器本体2の口部3に上方付勢状態で下方移動自在に配設されると共に、前方に向けて開口する内容物の吐出孔13Aが形成された吐出ヘッド13を有するポンプ14と、装着キャップ11の後部に立設された支持部15と、支持部15に回転軸L回りに回転自在に配設され、吐出ヘッド13を押下げる押下部材16と、を備えている。
この吐出器1では、押下部材16を回転軸L回りに後述する下方に向けて回転させることにより、吐出ヘッド13が下方移動し、内容物が吐出孔13Aから吐出される。なお、吐出ヘッド13は、円筒状のステム12と、ステム12の上端部に装着され、上記吐出孔13Aが形成されたヘッド本体30と、を備えている。
装着キャップ11およびステム12は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を中心軸Oと称し、図1において中心軸Oに沿ってポンプ14からステム12に向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、中心軸Oから見た平面視で中心軸Oに直交する方向を径方向、中心軸O回りで周回する方向を周方向とする。
さらに、径方向のうち吐出ヘッド13の吐出孔13Aが向いた方向を前方、その逆方向を後方とし、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向とする。
装着キャップ11は、ポンプ14を容器本体2の口部3に装着するためのキャップである。装着キャップ11は、中央に開口部が形成された平面視円形状の天壁部21と、天壁部21の外周縁から下方に向けて延設された円筒状の周壁部22と、を有する。これら天壁部21および周壁部22は、中心軸Oと同軸に配設されている。
周壁部22の内周面には、容器本体2の口部3の外周面に形成された雄ネジに螺着する雌ネジが形成されている。なお、装着キャップ11は、容器本体2の口部3に対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により装着されていても構わない。
ポンプ14は、吐出ヘッド13と、吐出ヘッド13のステム12に連係された二重円筒状のピストン41と、ピストン41が上下摺動自在に収容された円筒状のシリンダ42と、ステム12から下方に向けて延設され、ピストン41の内側を上下方向に貫く有底円筒状のピストンガイド43と、シリンダ42内に配設された球状の弁体44と、ステム12を外側から囲む円筒状のガイド筒45と、を有する。
ステム12は、ガイド筒45の内側に上下移動自在に挿通されている。この際、ステム12の上端部は、ガイド筒45よりも上方に向けて突出している。ステム12の下部の内径および外径は、ステム12の上部の内径および外径よりも大きい。また、ステム12の上部と下部との間には、拡径部12Aが設けられており、段差が形成されている。
ステム12の下端部には、拡径部12Aの下方に連なる比較的薄肉の円筒状の弾性部25が形成されている。
弾性部25には、上下方向に延在すると共に下方に開口するスリット状の切欠部25Aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、弾性部25の下端開口縁は、径方向外側から内側に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜している。
ヘッド本体30は、ステム12の上端部に装着された有頂円筒状の装着筒部31と、装着筒部31から前方に向けて突設された筒状のノズル筒部32と、を有する。
装着筒部31は、ステム12内に嵌合されている。装着筒部31の頂壁部に、上方に向けて被押下部100が突設されている。被押下部100は、装着筒部31の頂壁部における左右方向の中央部に配設されている。被押下部100は、表裏面が左右方向を向く板状に形成され、上端部は、左右方向から視て上方に突の曲線状に形成されている。被押下部100は、押下部材16に押下げられる部分である。
ノズル筒部32内には、前後方向に延在する芯棒体35と、芯棒体35の前端部に被着された有頂円筒状のチップ36と、が配設されている。
芯棒体35の外周面には、ノズル筒部32の内周面との間で内容物の流動を可能とする複数の流路溝部35Aが前後方向に亘って形成されている。
チップ36は、芯棒体35と同軸上に配設されており、内側に芯棒体35が嵌合された円筒状のチップ筒部37と、チップ筒部37の前端部に設けられた端壁部38と、を有する。
チップ筒部37は、ノズル筒部32内に嵌合されている。端壁部38は、芯棒体35の前端面に当接している。端壁部38のうち芯棒体35の前端面に当接する後面には、芯棒体35の流路溝部35Aに連通するスピン流路38Aが形成されている。端壁部38の中央部分には、スピン流路38Aに連通する吐出孔13Aが形成されている。
チップ36により、内容物を霧状に吐出することができる。また、チップ36およびノズル先端形状等を変更することで、泡状および直線状等の吐出が可能となる。例えば、本実施形態のノズル先端にメッシュ等の発泡部材を設けることで、泡状吐出が可能となる。
ノズル筒部32は、被係止部120を有する。被係止部120は、ノズル筒部32の後端部から、下方に向けて突出する。被係止部120は、上下方向において、ガイド筒45の上端開口縁45eの一部と隙間をあけて対向している。
被係止部120には、後述するストッパー130の規制位置から規制解除位置への移動を抑止するための係合突起122が形成されている。係合突起122は、被係止部120の前端部から下方に突出する。係合突起122の前部には、前方に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面122aが形成されている。
ピストン41は、円筒状の摺動部51と、摺動部51よりも径方向内側に配設された円筒状の閉塞部52と、摺動部51の上端および閉塞部52の上下方向中間部を連結する平面視円環状の環状連結部53と、を有する。これら摺動部51、閉塞部52および環状連結部53は、中心軸Oと同軸に配設されている。
摺動部51の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲している。これにより、摺動部51の下端は、シリンダ42の内周面に摺接している。
閉塞部52の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向内側に向けて反るように湾曲している。これにより、ピストンガイド43の後述する底壁43A近傍に形成された当接部43Eに当接している。閉塞部52の上端部は、下方から上方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲しており、ステム12の下端部の内周面に摺接している。
環状連結部53の上面は、径方向外側から内側に向かうにしたがって漸次下方に向かうように傾斜し、弾性部25の下端開口縁を受ける受け面53Aとされている。
シリンダ42は、フランジ状の支持板部61と、支持板部61から上方に向けて延設された円筒状の立上筒部62と、支持板部61の開口縁部から下方に向けて延設された円筒状の上筒部63と、上筒部63の下端から下方に向けて延設された円筒状の中筒部64と、中筒部64の下端から下方に向けてさらに延設された円筒状の下筒部65と、を有する。これら支持板部61、立上筒部62、中筒部64および下筒部65は、中心軸Oと同軸に配設されている。
支持板部61は、シリンダ42の周壁部から径方向の外側に向けて突出し、口部3の上端開口縁上に配置されている。ガイド筒45には、径方向の外側に向けて突出し、支持板部61上に配置されるフランジ状の挟着板部45cが形成されている。装着キャップ11には、径方向の内側に向けて突出し、挟着板部45cを支持板部61との間で挟み込むフランジ状の押え板部11Aが形成されている。挟着板部45cの外径は、支持板部61の外径より小さい。また、押え板部11Aは、径方向の外側から内側に向かうに従い、漸次下方に向けて延びている。支持板部61と口部3の上端開口縁との間には、環状の第1パッキン66が介在されている。
立上筒部62は、天壁部21の開口部を通って上方に向けて立設されている。立上筒部62には、径方向の外側に突設され、ガイド筒45に形成された係合孔45dに係合する係合突起62Aが設けられている。係合孔45dおよび係合突起62Aは、周方向において複数設けられている。
上筒部63の上端部には、上筒部63の内外を連通させる空気孔63Aが形成されている。この空気孔63Aは、環状連結部53の外周面によってシリンダ42の内側から閉塞可能とされている。
中筒部64は、上筒部63の下端開口縁から下方に向けて延びる直筒部67と、直筒部67の下端から下方に向けて延在し、内径および外径が上方から下方に向かうにしたがって縮径するテーパ筒部68と、を有する。
直筒部67の内周面には、上下方向に延在し、径方向内側に向けて突出する複数の縦リブ部67Aが周方向に間隔をあけて配設されている。
テーパ筒部68の内側には、弁体44がテーパ筒部68のテーパ面に離着自在に配設されている。
なお、弁体44は、球状に形成された合成樹脂製のいわゆるボール弁とされている。弁体44は、廃棄時における分別の手間を抑制する観点で合成樹脂製とすることが好ましい。また、弁体44は、金属製等であってもよい。さらに、ボール弁に替わる種々の弁体を用いた逆止弁でもよい。
テーパ筒部68の内周面には、径方向外側から内側に向かうにしたがって上方に向けて傾斜する規制突部68Aが突設されている。規制突部68Aの上端の内径は、弁体44よりも小さくなっている。これにより、規制突部68Aは、弁体44の上方への抜けを規制している。なお、規制突部68Aには、周方向の延在を中断する間隙が形成されている。
下筒部65内には、パイプ213が嵌合されている。パイプ213は、パイプ213の下端開口部は、容器本体2内の底部に向けて開口している。
ピストンガイド43のうち、ピストン41の閉塞部52よりも下方に位置する底壁43Aは、この底壁43Aよりも上方に位置する周筒部に対して径方向外側に向けて突出する円板状に形成されている。
ピストンガイド43における上記周筒部の下端部には、外径が底壁43Aの上面から上方に向かうにしたがって漸次縮径する当接部43Eが形成されている。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる連通孔43Bが形成されている。連通孔43Bは、例えば中心軸Oを径方向で挟む両側に形成されている。連通孔43Bは、当接部43Eおよび閉塞部52の下端よりも上方に位置しており、シリンダ42の上筒部63の内側との連通が遮断されている。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる貫通孔43Cが形成されている。貫通孔43Cは、連通孔43Bと同様に、例えば中心軸Oを径方向で挟む両側に形成されている。貫通孔43Cは、ステム12の拡径部12Aにおける内周面に向けて開口している。貫通孔43Cは、連通孔43Bよりも上方に位置している。
ピストンガイド43のうち貫通孔43Cよりも上側に位置する部分は、ステム12内に嵌合している。これにより、ピストンガイド43は、ステム12と共に一体に上下移動する。
ガイド筒45は、中心軸Oと同軸に配置されている。ガイド筒45は、上部を構成するガイド筒部45aと、下部を構成する嵌合筒部45bと、を有する。
ガイド筒部45a内には、ステム12が下方移動自在に挿通されている。ガイド筒部45aは、円筒状に形成され、嵌合筒部45bは、ガイド筒部45aよりも径方向外側に配設された円筒状に形成されている。ガイド筒部45aおよび嵌合筒部45bは、中心軸Oと同軸に配設されている。
嵌合筒部45bは、立上筒部62に外嵌されている。嵌合筒部45b内には、ガイド筒部45aの下端から下方に環状に突出する突出部45b1が形成されている。突出部45b1の内周面は、ガイド筒部45aの内周面と一致し、突出部45b1の外周面は、ガイド筒部45aの外周面よりも大きい。嵌合筒部45bとシリンダ42との間には、環状の第2パッキン76が介在している。
第2パッキン76は、ガイド筒45に形成された嵌合筒部45b内に嵌合されるとともに、下端開口縁がシリンダ42の上端開口縁である立上筒部62に当接する厚肉筒部76Aと、厚肉筒部76Aから径方向の内側に向けて突出し、ステム12とガイド筒45との間に形成された外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間との連通を遮断可能な薄肉弁体76Bと、を備える。薄肉弁体76Bは、厚肉筒部76Aの上下方向の中央に設けられている。
薄肉弁体76Bの上面における内周縁部には、図示しない凹凸状の間隙形成部が形成されている。そして、ステム12は、薄肉弁体76B内に上下摺動自在に嵌合されている。この構成によれば、ステム12が上昇端位置より下方に位置しているときに、薄肉弁体76Bが下方にめくれるように弾性変形することで、間隙形成部によりステム12との間に形成される間隙を通して、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間とが連通する。
厚肉筒部76Aの内周面における薄肉弁体76Bとの接続部分には、径方向の外側に向けて窪む環状溝76Cが全周に亘って形成されている。環状溝76Cは、薄肉弁体76Bにおける径方向の長さ、および厚肉筒部76Aの開口端部における径方向の長さの双方を確保するために形成されている。
押下部材16を支持する支持部15は、ガイド筒45における嵌合筒部45bから後方に向けて突設されており、左右方向に間隔をあけて配設された一対の側壁部77と、側壁部77の後端縁同士を左右方向に接続する後壁部78と、を有する。
側壁部77は、前側から後側に向かうに従い漸次、上側に向けて延びている。側壁部77の上端には、上方に向けて左右方向から見た正面視で半円状に突出した突出片80がそれぞれ形成されている。これら突出片80の外側面には、円柱状の軸体77Aが左右方向に沿って外向きに突設されている。軸体77Aは、ステム12より後方に配置されている。
なお、軸体77Aの中心を通り、且つ左右方向に延びる仮想の軸線が押下部材16の回転軸Lとなる。これにより、回転軸Lは、ステム12より後方に配置されるとともに、上下方向および前後方向の双方と直交する左右方向に延びている。また、後壁部78の内面には、突出片80の内側に位置するように上方に向かって突出し、一対の側壁部77の内面同士および突出片80同士を左右方向に連結する補強壁78aが形成されている。
側壁部77の外周縁のうち、前方を向く前端縁の下端部には、下方に向けて窪む支持凹部81が形成されている。この支持凹部81を利用して、後述する延在体95が装着されている。
このように、支持部15はガイド筒45における嵌合筒部45bの後部から上方且つ後方に向けて突設されているので、装着キャップ11の後部に立設された状態で配置されている。なお、図示の例では、支持部15をガイド筒45における嵌合筒部45bの後部から立設させたが、この場合に限定されるものではなく、例えば装着キャップ11の後部から上方且つ後方に向けて突設させても構わない。
押下部材(トリガー)16は、軸体77Aを介して支持部15に取り付けられている。これにより、押下部材16は、支持部15に対し回転軸L回りに回転可能(揺動可能)に連結されている。
押下部材16は、吐出ヘッド13を上方から覆う天板部90と、天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する前板部91と、天板部90の左右両側の側端縁から下方に向けて延在し、左右方向に向かい合う一対の側板部92と、を有する。
そして、天板部90と一対の側板部92とで囲まれる内部空間に吐出ヘッド13が配置されている。よって、一対の側板部92は、吐出ヘッド13を左右方向から挟むように配置されている。
天板部90は、上方に向けて膨らむように滑らかに湾曲した形状とされ、その後端部は支持部15における後壁部78の上端開口縁に上方から接触している。これにより、押下部材16は、回転軸Lを中心としたこれ以上の上方への回転が規制された状態で位置決めされている。
天板部90の前側部分には、該天板部90を貫通する第1貫通孔93が形成されている。この第1貫通孔93は、天板部90における左右方向の中央部分に形成されていると共に、前方に開口するように形成されている。
これにより、天板部90の前側部分は、左右方向に二股に分かれた形状とされている。
前板部91は、二股に分かれた天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在している。この際、前板部91の上側部分には、前板部91を貫通すると共に上下方向に延在する第2貫通孔94が形成されている。この第2貫通孔94は、前板部91の中央部分に形成されていると共に上方に開口しており、第1貫通孔93に対して一体に繋がっている。
そして、第2貫通孔94内にヘッド本体30のノズル筒部32が挿通されている。これにより、ノズル筒部32は、第2貫通孔94を通して前板部91から突出している。なお、前板部91の下側部分は、指先を掛けるための指掛部分とされている。
一対の側板部92は、吐出ヘッド13および支持部15を左右方向に挟んでいる。一対の側板部92の後部側の内面には、軸体77Aが挿通される軸孔部92Aが形成されている。これにより、押下部材16は、軸体77A回り、すなわち回転軸L回りに回転可能に支持されている。
上述した押下部材16は、付勢部材である延在体95からの弾性力(ばね力)によって上方付勢されている。
延在体95は合成樹脂製とされ、図示の例では長尺で且つ湾曲した弾性変形可能な柱状に形成されている。延在体95は、押下部材16の天板部90の下方に配置されており、一端部95aが支持部15に連結され、且つ他端部95bが押下部材16の内側に配設されている。
延在体95は、一端部95aが他端部95bに対して後方且つ下方に位置するように、長手方向の中間部分95cが後方に向けて突となるように湾曲しており、押下部材16における天板部90の下方に配置されている。この際、延在体95は、天板部90における二股部分の下方に配置されるように、左右方向に間隔をあけて一対設けられている。
図示の例では、これら一対の延在体95の一端部95a同士は、左右方向に沿って延びる円柱状の連結体96によって互いに連結されている。これにより、一対の延在体95および連結体96は1つのユニットとされている。
そして、支持部15に形成された支持凹部81内に、上記連結体96が回転自在に支持されている。これにより、延在体95の一端部95aは連結体96を介して支持部15に連結されている。延在体95の他端部95bは、天板部90における二股部分の下面に対して下方から当接している。これにより、延在体95の他端部95bは、押下部材16の内側に配設されている。
なお、延在体95の一端部95aと支持部15との連結、および延在体95の他端部95bと押下部材16との連結は、上述の場合に限定されるものではなく、他の構成(方法)を採用しても良い。
例えば、延在体95の一端部95aと支持部15とが一体に形成されていても良いし、延在体95の他端部95bと押下部材16とが一体に形成されていても良い。また、延在体95の一端部95aを支持部15に接着しても良いし、支持部15に形成した孔に嵌合する等しても良い。さらに、延在体95の他端部95bを押下部材16に接着しても良いし、押下部材16に形成した孔に嵌合する等しても良い。
延在体95の他端部95bは、予め他端部95b側が下方に移動するように弾性変形した状態で、他端部95bが天板部90における二股部分の下面に対して下方から接触している。このため、通常時の場合であっても、延在体95は弾性力(ばね力)を利用して押下部材16を上方付勢している。
押下部材16には、図2に示すように、吐出ヘッド13に形成された被押下部100の上端部を収容する窪み101が形成されている。
窪み101は、押下部材16の天板部90における左右方向の中央部に配設されている。窪み101は、被押下部100の左右方向の厚みよりも僅かに大きい幅で形成されている。
窪み101は、図1に示すように、天板部90に対して前後方向に一定の深さで形成されている。窪み101は、被押下部100の上端部を前後方向に移動可能に収容する。窪み101は、天板部90の下面に対して上方に窪んだ上面が、被押下部100の上端部の上面に上方から面接触している。
これにより、押下部材16を回転軸L回りに下方に回転させた際、窪み101を利用して被押下部100を上方から押下させることが可能とされている。したがって、吐出ヘッド13を下方移動させることができる。
なお、押下部材16の下方への回転を解除した場合には、先に述べたように延在体95が押下部材16を上方付勢しているので、押下部材16は回転軸L回りに上方に逆回転して、元の位置に復帰する。
ところで、押下部材16には、該押下部材16の下方への回転を解除した際、吐出ヘッド13に形成された軸部100Aに係合し、吐出ヘッド13を上方に復元移動させる係合溝102が形成されている。軸部100Aは、図2に示すように円柱状に形成され、装着筒部31の上端部の左右の側面から一対の側板部92に向けてそれぞれ突設されている。
係合溝102は、押下部材16における一対の側板部92の内面に吐出ヘッド13に対して離間する方向に窪んでいる。係合溝102の下端外周面には、図2に示すように、下方に向かうに従って吐出ヘッド13から離間する方向に傾斜する傾斜面102Aが形成されている。一方、軸部100Aの上端には、上方に向かうに従って一対の側板部92から離間する方向に傾斜する傾斜面100A1を有する。これにより、係合溝102に対し下方から軸部100Aを組み付け易くなる。
係合溝102は、軸部100Aよりも僅かに大きく、押下部材16の上方への回転に伴って軸部100Aに対して下方から接触して、軸部100Aを上方に押上げる。これにより、吐出ヘッド13を上方移動させることが可能となる。
ストッパー130は、押下部材16の回転軸Lに平行な軸体131回りに回転可能に設けられた部材であり、吐出ヘッド13の下方移動を規制するものである。ストッパー130は、吐出ヘッド13の下方移動を規制する規制位置(図1に示す位置)と、規制位置に対して軸体131回りに前方に回転移動し、吐出ヘッド13の下方移動を許容する規制解除位置(図3に示す位置)と、に切り替え可能になっている。
ストッパー130は、図1に示す規制位置に位置するとき、被係止部120の下面に当接若しくは近接する。すなわち、ストッパー130は、規制位置に位置するとき、ノズル筒部32に対してノズル筒部32の下方から当接若しくは近接する。また、ストッパー130は、図3に示す規制解除位置に位置するとき、被係止部120の下面、すなわちノズル筒部32から離れ、吐出ヘッド13の下方移動を許容する。なお、以下に説明するストッパー130の各部の位置関係は、ストッパー130が規制位置に位置する場合の位置関係とする。
ストッパー130は、図4に示すように、左右方向に間隔を空けて配置される一対のストッパー側壁部132と、左右方向に延び、一対のストッパー側壁部132同士の間においてストッパー側壁部132同士を連結する軸体131と、一対のストッパー側壁部132の上端同士を連結する連結台部133と、連結台部133から上方に向けて突出する突当り部135と、ストッパー側壁部132から左右方向の外側に向けて突出する摘み部134と、を備えている。
一対のストッパー側壁部132は、それぞれ上下方向に延びている。ストッパー側壁部132の前面における下端部には、前方に向かうに従って下方に位置する傾斜面が形成されている。
軸体131は、左右方向に延在する丸棒状に形成されている。軸体131は、図1に示すように、支持部15における一対の側壁部77に形成された第2支持凹部82に中心軸回りに回転可能に嵌め込まれている。第2支持凹部82は、ステム12よりも前方であって、支持凹部81よりも前方に配置されている。ストッパー130は、ステム12よりも前方において、軸体131回りに回転可能に支持部15に取り付けられている。
連結台部133は、図4に示すように、左右方向に延びる角柱状体である。連結台部133は、一方のストッパー側壁部132から他方のストッパー側壁部132まで延びている。連結台部133の上面は、前方に位置する台部傾斜面133aと、台部傾斜面133aの後端に接続される台部平坦面133bと、を含む。
台部傾斜面133aは、前方に臨む傾斜面であり、連結台部133の前端から後方に向かうに従って上方に向けて延びている。台部平坦面133bは、台部傾斜面133aの後端から後方に向けて延びている。台部平坦面133bは、連結台部133の上面の後端に位置する。
突当り部135は、略直方体状である。突当り部135は、台部平坦面133bから上方に延びている。突当り部135は、連結台部133の左右方向の中央に位置する。突当り部135の左右方向の寸法は、連結台部133の左右方向の寸法よりも小さい。突当り部135の前後方向の寸法は、連結台部133の台部平坦面133bの前後方向の寸法と略同じである。突当り部135の上面の後端には、後方に向かうに従って下方に向けて延びる傾斜面が形成されている。
突当り部135の上端は、図1に示すように、ストッパー130が規制位置に位置するとき、被係止部120の下面と当接若しくは近接する。突当り部135の上端は、ストッパー130が規制位置に位置するとき、係合突起122に後側から係合している。
突当り部135および連結台部133は、ストッパー130が規制位置に位置するとき、上下方向において、被係止部120の下面とガイド筒45の上端開口縁45eとの間に挟み込まれる。
摘み部134は、図4に示すように、ストッパー側壁部132から左右方向の外側に向かうに従って前方に向けて延びる内側部分134aと、内側部分134aの前端から後方に向かうに従って上方に向けて延びる外側部分134bと、を備えている。内側部分134aおよび外側部分134bは、角柱状である。摘み部134は、全体として屈曲した棒状である。
内側部分134aは、ストッパー側壁部132の下端部に接続されている。内側部分134aの前端は、ストッパー側壁部132よりも前方に位置する。外側部分134bの後端は、ストッパー側壁部132よりも後方に位置する。外側部分134bは、図2に示すように、押下部材16よりも左右方向外側に位置する。
次に、上述のように構成された吐出器1の使用方法について説明する。
まず、ストッパー130を図1および図5(a)に示す上記した規制位置から前方に傾倒させて、図5(b)に示す規制解除位置に移動させる。詳しく説明すると、突当り部135が係合突起122を乗り越えて被係止部120よりも前方に位置するまで、ストッパー130を前方側に向けて軸体131回りに回転させる。これにより、ストッパー130による吐出ヘッド13の下方移動の規制が解除され、押下部材16の下方への揺動が許容される。
その後、図3および図5(c)に示すように、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて回転させる。この際、例えば押下部材16の前板部91の指掛部分に指先を掛けながら、延在体95の付勢力に抗して押下部材16を下方に向けて回転させる。押下部材16を下方に向けて回転させると、吐出ヘッド13が下方移動し、弁体44によってシリンダ42のテーパ筒部68内を閉塞した状態で、ステム12およびピストン41をシリンダ42に対して押し込んで、シリンダ42内が正圧になる。すると、シリンダ42内の内容液がステム12内を上昇してノズル筒部32内に導入され、吐出ヘッド13の吐出孔13Aから吐出される。
詳しくは、シリンダ42内が正圧になると、弾性部25の自由端部がピストン41の受け面53Aに沿って径方向内側に向けて反るように摺動しつつ、弾性部25の上下方向の長さが短くなるように収縮変形する。また、吐出ヘッド13およびピストンガイド43は、ピストン41に対して下方移動し始める。吐出ヘッド13およびピストンガイド43がピストン41に対して下方に移動すると、ピストン41の閉塞部52の下端が、ピストンガイド43の当接部43Eから離間する。これにより、閉塞部52の下端部とピストンガイド43の外周面との間には、間隙が形成される。そのため、連通孔43Bは、間隙を通してシリンダ42の上筒部63内に対して開放される。なお、連通孔43Bがシリンダ42の上筒部63内に対して開放されるまで、上筒部63の内圧はさらに上昇する。
これにより、上筒部63内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙および連通孔43Bを通ってピストンガイド43内に流入する。さらに、上筒部63内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、ステム12の下側部分および拡径部12Aの内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、並びに貫通孔43Cを通ってピストンガイド43内に流入する。
そして、ピストンガイド43内に流入した内容物は、ステム12の上側部分内を流動してノズル筒部32に至り、ノズル筒部32の吐出孔13Aから吐出される。この結果、容器本体2内に収容された内容物を、吐出孔13Aを通じて外部に吐出することができる。
その後、押下部材16の把持を解除すると、ステム12およびピストン41が、延在体95からの付勢力に基づいてシリンダ42に対して復元移動する。このとき、シリンダ42内が負圧になり、この負圧が、弁体44に作用してテーパ筒部68内を開放する。これにより、容器本体2内の内容液が、パイプ213を介してシリンダ42内に流入する。
吐出ヘッド13、ステム12およびピストン41をシリンダ42に対して一体的に押下させると、シリンダ42内のうちピストン41より下方に位置する下部空間が加圧され、この下部空間内の内容物がステム12内を上昇して吐出孔13Aから吐出される。この過程において、第2パッキン76の薄肉弁体76Bが外気導入路Rの下端開口を開放し、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間とが連通し、外気がシリンダ42内の上部空間内に導入される。
吐出ヘッド13、ステム12およびピストン41の押下げを解除して、これらを上方に復元変位させると、シリンダ42内の下部空間が負圧になり、容器本体2内の内容物がシリンダ42内の下部空間内に導入される。この過程において、上部空間内の空気が圧縮される。上部空間内の空気は、空気孔63Aを介してシリンダ42内の上部空間と容器本体2内とが連通することで、容器本体2内に導入される。
その後、ステム12およびピストン41が元に戻ると、ピストン41が空気孔63Aを閉塞し、外気導入路Rを通した容器本体2内と外部との連通が遮断される。
なお、吐出器1が倒立等しても、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間との連通を遮断する第2パッキン76が配設されているので、容器本体2内の内容部がシリンダ42内の上部空間に到達しても、この内容物が外気導入路Rを通して外部に漏出することを防ぐことができる。
次に、不使用時に吐出器1から内容物が外部に吐出されないようにするためには、図1に示すように、ストッパー130を規制位置に移動させておく。詳しくは、延在体95によって押下部材16を介して吐出ヘッド13が上方へ付勢され、押下部材16が支持部15に当接して回転が規制され、ポンプ14が停止状態になる。この状態で、ストッパー130が規制位置に移動すると、突当り部135が被係止部120の下面に当接もしくは近接する。
本実施形態では、被係止部120の係合突起122に傾斜面122aが形成されており、また、ストッパー130の突当り部135の上面における後端に傾斜面が形成されているため、ストッパー130(突当り部135)が係合突起122を乗り越えて規制位置に移動し易い。
ストッパー130が規制位置にあるとき、突当り部135および連結台部133は、上下方向において、被係止部120の下面とガイド筒45の上端開口縁45eとの間に挟み込まれる。そのため、吐出ヘッド13に加わる押下げ力が、力の向きを変えることなくガイド筒45に作用する。ガイド筒45は、吐出ヘッド13のステム12を外側から囲む筒体であり、上下方向における剛性が高いため、吐出ヘッド13が受ける力を十分に支えることができる。
また、被係止部120には、ストッパー130に係合することにより、ストッパー130の規制位置から規制解除位置への移動を抑止するための係合突起122が形成されている。この構成によれば、被係止部120に形成された係合突起122が、ストッパー130の規制位置から規制解除位置への移動を抑止するため、ストッパー130が規制位置から移動し難くなり、吐出ヘッド13の下方移動を規制できる。これにより、僅かな力でストッパー130が規制位置から規制解除位置に移動してしまうことを抑止できるため、内容物が誤って吐出されることがなくなる。
このように、本実施形態の吐出器1によれば、ストッパー130を規制位置に移動させると、ストッパー130がノズル筒部32の被係止部120に当接若しくは近接する。これにより、吐出ヘッド13単体に力が加わっても、被係止部120にストッパー130が当接し、吐出ヘッド13が直接支えられるため、内容物が吐出されることがなくなる。一方、図3に示すように、ストッパー130を規制解除位置に移動させると、ストッパー130が吐出ヘッド13に突設された被係止部120から離れる。これにより、吐出ヘッド13の下方移動が許容され、通常通りの使用が可能となる。
以上のように、本実施形態では、内容物が収容された容器本体2の口部3に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されると共に、前方に向けて開口する吐出孔13Aが形成された吐出ヘッド13を有するポンプ14と、ポンプ14を容器本体2の口部3に装着する装着キャップ11と、装着キャップ11の後部に立設された支持部15と、支持部15に回転軸回りに回転自在に配設され、吐出ヘッド13を押下げる押下部材16と、を備え、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて回転させることにより、吐出ヘッド13を下方移動させ、内容物を吐出孔13Aから吐出させる吐出器1であって、吐出ヘッド13は、上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステム12と、ステム12の上端部に装着された装着筒部31、および装着筒部31から前方に向けて突出し、その前端部に吐出孔13Aが形成されたノズル筒部32を有するヘッド本体30と、備え、ノズル筒部32に対してノズル筒部32の下方から当接若しくは近接し、吐出ヘッド13の下方移動を規制する規制位置と、ノズル筒部32から離れ、吐出ヘッド13の下方移動を許容する規制解除位置と、の間で移動可能なストッパー130を有するという構成を採用することによって、不使用時において内容物の吐出をより確実に防止することができる。
また、例えば、ノズル筒部に対して下方向きに外力が加えられる場合、吐出ヘッドには、図1の向きに視て反時計回りの回転モーメントが加えられる。これにより、ヘッド本体にも回転する向きに力が加えられ、ヘッド本体がステムに対して傾く場合がある。そのため、ヘッド本体の装着筒部とステムとの間に隙間が生じ、装着筒部とステムとの間のシール性が低下する場合がある。その結果、容器本体2内の内容物が装着筒部とステムとの間から外部に漏れだす場合があった。
また、例えば、被係止部およびストッパーがステムよりも後方に設けられている場合、ノズル筒部に下方向きに外力が加えられると、吐出ヘッドに加えられる回転モーメントによって、ステムよりも後方に位置する被係止部には上方向きの力が加えられる。そのため、ストッパーから被係止部が浮き上がり、ストッパーが係合突起を乗り越えて規制解除位置側にずれる虞があった。
これらの問題に対して、本実施形態によれば、規制位置にある場合、ストッパー130は、ノズル筒部32に当接若しくは近接する。そのため、ノズル筒部32に外力が加えられた場合、ノズル筒部32がストッパー130に押し付けられ、ノズル筒部32に加えられた外力をストッパー130で直接受けることができる。これにより、ノズル筒部32に外力が加えられた場合に、ヘッド本体30に伝わる回転モーメントを低減でき、ステム12に対してヘッド本体30が傾くことを抑制できる。したがって、ステム12と装着筒部31との間のシール性が低下することを抑制でき、内容物が外部に漏れだすことを抑制できる。
また、ノズル筒部32はステム12よりも前方に位置するため、ノズル筒部32に対して下方に向きに外力が加えられた場合、被係止部120にはストッパー130に押し付けられる向きに力が加えられる。これにより、ノズル筒部32に外力が加えられた場合に、ストッパー130からノズル筒部32が浮き上がることがなく、ストッパー130が規制解除位置側にずれることを抑制できる。
吐出ヘッド13に外力が加えられる場合、吐出ヘッド13のうちでも、特にノズル筒部32に外力が加えられやすい。そのため、上述した本実施形態による作用効果を効果的に奏功させることができる。
また、本実施形態によれば、ストッパー130は、規制位置に位置するときに、ノズル筒部32の後端部である被係止部120に対してノズル筒部32の下方から当接若しくは近接する。そのため、ノズル筒部32に下方向きの外力が加えられた場合に、ノズル筒部32に加えられた下方向きの外力によって、ノズル筒部32がストッパー130に強く押し付けられることとなり、ストッパー130が規制位置から規制解除位置側にずれることを確実に防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、回転軸Lが、ステム12より後方に配置されるとともに、左右方向に延びているので、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて回転させ、吐出ヘッド13を下方移動させる際に、押下部材16から被押下部100に対して前方斜め下に向けた押下力が加えられる。ここで、被押下部100は、装着筒部31の頂壁部に形成され、ストッパー130は、規制位置において、装着筒部31から前方に向けて突出するノズル筒部32に下方から当接若しくは近接する。そのため、規制位置においてストッパー130は、被押下部100に対して下方でかつ前方に位置する。これにより、押下部材16から被押下部100に加えられる前方斜め下向きの押下力を、ストッパー130にほぼ真っ直ぐに伝達させて、ストッパー130で受け止めることができる。したがって、押下部材16に不意に外力が加えられた場合であっても、吐出ヘッド13が傾いてストッパー130が規制解除位置側にずれることを抑制できる。また、吐出ヘッド13に前方斜め下向きの押下力が加えられてヘッド本体30が傾くことを抑制できる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ストッパー130が規制位置に位置するとき、被係止部120に当接すると説明したが、ストッパー130は被係止部120に当接せずとも近接していればよく、この場合であっても吐出ヘッド13の下方移動を規制することができる。
また、例えば、上記実施形態では、規制位置においてストッパー130は、ノズル筒部32の後端部(被係止部120)と当接若しくは近接すると説明したが、これに限られない。ストッパー130は、規制位置においてノズル筒部32に対してノズル筒部32の下方から当接若しくは近接するならば、ノズル筒部32におけるいずれの箇所と当接若しくは近接してもよい。この場合、被係止部120は設けられていなくてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、ストッパー130が軸体131回りに回転可能に設けられる構成について説明したが、ストッパー130が回転ではなく、例えば上下、左右、前後のいずれかの方向に移動することで、規制位置と規制解除位置との間で移動可能な構成を採用してもよい。
また、吐出器1は、下筒部65の下端部に装着される正倒立両用アダプタを備えていてもよい。正倒立両用アダプタは、吐出器1の正立時および倒立時の双方において、吐出器1におけるシリンダ42内が負圧となった際に、シリンダ42内に内容液を供給する。この場合、パイプ213は正倒立両用アダプタに取り付けられる。
1 吐出器
2 容器本体
3 口部
11 装着キャップ
12 ステム
13 吐出ヘッド
13A 吐出孔
14 ポンプ
15 支持部
16 押下部材
30 ヘッド本体
31 装着筒部
32 ノズル筒部
100 被押下部
130 ストッパー
L 回転軸

Claims (3)

  1. 内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、
    前記ポンプを前記容器本体の口部に装着する装着キャップと、
    前記装着キャップの後部に立設された支持部と、
    前記支持部に回転軸回りに回転自在に配設され、前記吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備え、
    前記押下部材を前記回転軸回りに下方に向けて回転させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出器であって、
    前記吐出ヘッドは、上方付勢状態で下方移動自在に配設されたステムと、前記ステムの上端部に装着された装着筒部、および前記装着筒部から前方に向けて突出し、その前端部に前記吐出孔が形成されたノズル筒部を有するヘッド本体と、備え、
    前記ノズル筒部に対して前記ノズル筒部の下方から当接若しくは近接し、前記吐出ヘッドの下方移動を規制する規制位置と、前記ノズル筒部から離れ、前記吐出ヘッドの下方移動を許容する規制解除位置と、の間で相互に移動可能なストッパーを有することを特徴とする吐出器。
  2. 前記ストッパーは、前記規制位置に位置するときに、前記ノズル筒部の後端部に対して前記ノズル筒部の下方から当接若しくは近接することを特徴とする請求項1に記載の吐出器。
  3. 前記装着筒部は有頂筒状に形成され、
    前記装着筒部の頂壁部に、上方に向けて突出し、前記押下部材に押下げられる被押下部が形成され、
    前記回転軸は、前記ステムより後方に配置されるとともに、上下方向および前後方向の双方向に直交する左右方向に延びることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出器。
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