JP6554425B2 - 吐出器 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示される吐出器が知られている。
この吐出器は、内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されると共に前方に向けて開口する内容物の吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、ポンプを容器本体の口部に装着する装着キャップと、装着キャップの後部に立設された支持部と、支持部に回転軸回りに回転自在に配設され、吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備えている。
このように構成されているので、内容物を吐出する場合には、押下部材を回転軸回りに下方に向けて回転させることで、吐出ヘッドを下方移動させる。これにより、吐出孔を通じて内容物を外部に吐出することができる。
特開2008−30798号公報
ところで、この種の吐出器では一般的に、不使用時に内容物が外部に吐出されないようにするため、ストッパーを備えている。従来のストッパーは、支持部と押下部材との間に挟まることで、押下部材が回転軸回りに下方に向けて回転しないようにしている。しかしながら、この構成では、押下部材ではなく吐出ノズル単体に力が加わると、ある程度吐出ノズルが押下がってしまい、内容物が吐出されてしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、不使用時において内容物の吐出をより確実に防止することができる吐出器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の吐出器は、内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、前記ポンプを前記容器本体の口部に装着する装着キャップと、前記装着キャップに立設された支持部と、前記支持部に回転軸回りに回動自在に配設され、前記吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備え、前記押下部材を前記回転軸回りに下方に向けて回転させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出器であって、前記吐出ヘッドは、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前記装着キャップから上方に向けて突出するステムと、前記吐出孔が形成されたノズル筒部と、を備え、前記装着キャップには、上端縁に下方に向けて窪む挿通孔が形成された規制突起が備えられ、前記吐出ヘッドのうち前記装着キャップから上方に突出した部分に、前記ステムの中心軸線回りに回転自在に外嵌された外嵌筒部、および前記外嵌筒部から径方向の外側に向けて突出し前記挿通孔内に挿通可能な係止突部を有するストッパーを備え、前記ストッパーは、前記係止突部が前記規制突起の上端縁に上方から当接若しくは近接する規制位置と、前記係止突部が前記挿通孔に前記挿通孔の上方から対向する規制解除位置と、の間を前記中心軸線回りに回転自在に配設されていることを特徴とする。
本発明の吐出器によれば、ストッパーを規制位置に移動させると、係止突部が規制突起の上端縁に当接若しくは近接するので、ストッパーの下方移動が規制される。これにより、ストッパーが外嵌されている吐出ヘッドの下方移動も直接規制されるため、吐出ヘッド単体に力が加わっても内容物が吐出されることを抑制できる。一方、ストッパーを規制解除位置に移動させると、係止突部が挿通孔内に挿通可能となり、ストッパーおよび吐出ヘッドの下方移動が許容され、通常通りの使用が可能となる。また、ストッパーが吐出ヘッドに対してステムの中心軸線回りに回転自在に配設されているので、コンパクトかつ操作性に優れたストッパーとすることができる。
さらに、ストッパーが吐出ヘッドに外嵌されているため、ストッパーの吐出ヘッドに対する上下動が抑えられる。従って、ストッパーが吐出ヘッドに対して上方に移動することによる、ストッパーが規制位置にある場合でも吐出ヘッドが下方に移動可能となって吐出孔から内容物が吐出されてしまう現象を抑止することができる。
ここで、前記規制突起の上端縁には、前記ストッパーが前記規制位置側から前記規制解除位置に到達するときに、前記係止突部が乗り越える第1乗り越え突起と、前記ストッパーが前記規制解除位置に位置するときに、前記係止突部が前記中心軸線回りにおける前記第1乗り越え突起の前記係止突部を挟んだ反対側から支持される第1支持突起と、が備えられていてもよい。
この場合、ストッパーを規制位置側から規制解除位置に到達させると、係止突部が第1乗り越え突起を乗り越えるため、使用者にストッパーが規制解除位置に到達したことを認識させやすくすることができるとともに、係止突部が第1支持突起に支持されるため、ストッパーが規制解除位置を超えるのを抑制することができる。
また、前記規制突起の上端縁には、前記ストッパーが前記規制解除位置側から前記規制位置に到達するときに、前記係止突部が乗り越える第2乗り越え突起と、前記ストッパーが前記規制位置に位置するときに、前記係止突部が前記中心軸線回りにおける前記第2乗り越え突起の前記係止突部を挟んだ反対側から支持される第2支持突起と、が備えられていてもよい。
この場合、ストッパーを規制解除位置側から規制位置に到達させると、係止突部が第2乗り越え突起を乗り越えるため、使用者にストッパーが規制位置に到達したことを認識させやすくすることができるとともに、係止突部が第2支持突起に支持されるため、ストッパーが規制位置を超えるのを抑制することができる。
さらに、ストッパーが規制位置に位置するときに係止突部が第2乗り越え突起および第2支持突起に挟まれるため、不使用時にストッパーが不意に規制位置から規制解除位置に到達して内容物が吐出されてしまうのを抑止することができる。
また、前記ノズル筒部は、前記ステム側から前方に向けて突出し、その前端部に前記吐出孔が形成されていてもよい。
この場合、ノズル筒部が前方に向けて突出しているため、吐出ヘッドに外力が加わりやすくなっているものの、吐出ヘッドに下方に向けた外力が加わったとしても、ストッパーが規制位置に位置することで内容物が意図せずに吐出されることを抑制することができる。
本発明によれば、不使用時において内容物の吐出をより確実に防止することができる吐出器を提供することができる。
本実施形態の吐出器を示す軸方向断面図である。 図1に示す吐出器を前方から見た正面部分断面図である。 図1に示す吐出器を切断線X−Xにおいて切断し上方から見た断面図である。図3(a)は、ストッパーが規制解除位置に位置する状態を示す図である。図3(b)は、ストッパーが規制位置に位置する状態を示す図である。 吐出器を示す図であって、図1に示す状態から押下部材を下方に回転させて吐出ヘッドを押下げた状態を示す軸方向断面図である。
以下、本発明に係る吐出器の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、吐出器1は、図示しない内容物が収容された容器本体2の口部3に取り付けられる有頂円筒状の装着キャップ11と、容器本体2の口部3に配設されると共に、内容物の吐出孔13Aが形成された吐出ヘッド13を有するポンプ14と、装着キャップ11に立設された支持部15と、支持部15に回転軸L回りに回転自在に配設され、吐出ヘッド13を押下げる押下部材(トリガー)16と、を備えている。吐出ヘッド13は、装着キャップ11から容器本体2の反対側に向けて突出する円筒状のステム12を備える。
装着キャップ11およびステム12は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を中心軸Oと称し、図1において中心軸Oに沿って容器本体2側からステム12側に向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、中心軸Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向から見た平面視で中心軸Oに直交する方向を径方向、中心軸O回りで周回する方向を周方向とする。
さらに、径方向のうち吐出ヘッド13の吐出孔13Aが開口する方向を前方、その逆方向を後方とし、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向とする。
さらにこの吐出器1では、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて回転させることにより、吐出ヘッド13が下方移動し、内容物が吐出孔13Aから吐出される。なお、吐出ヘッド13は、装着キャップ11から上方に向けて突出する円筒状のステム12と、ステム12側から前方に向けて突出し、その前端部に上記吐出孔13Aが形成されたノズル筒部32と、を備えている。
装着キャップ11は、ポンプ14を容器本体2の口部3に装着するためのキャップである。装着キャップ11は、中央に開口部が形成された平面視円形状の天壁部21および天壁部21の外周縁から下方に向けて延設された円筒状の周壁部22を有する本体筒11bと、ステム12を径方向の外側から囲む円筒状のガイド筒45と、を有する。これら本体筒11b、およびガイド筒45は、中心軸Oと同軸に配設されている。なお、本体筒11bおよびガイド筒45は一体に形成されてもよい。
周壁部22の内周面には、容器本体2の口部3の外周面に形成された雄ネジに螺着する雌ネジが形成されている。なお、装着キャップ11は、容器本体2の口部3に対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により装着されていても構わない。
ポンプ14は、口部3に上方付勢状態で下方移動自在に配設された吐出ヘッド13と、吐出ヘッド13のステム12に連係された二重円筒状のピストン41と、ピストン41が上下摺動自在に収容された円筒状のシリンダ42と、ステム12から下方に向けて延設され、ピストン41の内側を上下方向に貫く有底円筒状のピストンガイド43と、シリンダ42内に配設された球状の弁体44と、を有する。
ステム12は、ガイド筒45の内側に上方付勢状態で上下移動自在に挿通されている。この際、ステム12の上部は、ガイド筒45よりも上方に向けて突出している。ステム12の下部の内径および外径は、ステム12の上部の内径および外径よりも大きい。また、ステム12の上部と下部との間には、拡径部12Aが設けられており、段差が形成されている。
ステム12の下端部には、比較的薄肉の円筒状の弾性部25が形成されている。
弾性部25には、上下方向に延在すると共に下方に開口するスリット状の切欠部25Aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、弾性部25の下端開口縁は、径方向外側から内側に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜している。
ヘッド本体30は、ステム12の上端部に装着された有頂円筒状の装着筒部31と、装着筒部31から前方に向けて突設された筒状のノズル筒部32と、を有する。
装着筒部31は、ステム12内に嵌合されている。装着筒部31の頂壁部に、上方に向けて被押下部100が突設されている。被押下部100は、装着筒部31の頂壁部における左右方向の中央部に配設されている。被押下部100は、表裏面が左右方向を向く板状に形成され、上端部は、左右方向から視て上方に突の曲線状に形成されている。被押下部100は、押下部材16に押下げられる部分である。
ノズル筒部32内には、前後方向に延在する芯棒体35と、芯棒体35の前端部に被着された有頂円筒状のチップ36と、が配設されている。
芯棒体35の外周面には、ノズル筒部32の内周面との間で内容物の流動を可能とする複数の流路溝部35Aが前後方向に亘って形成されている。
チップ36は、芯棒体35と同軸上に配設されており、内側に芯棒体35が嵌合された円筒状のチップ筒部37と、チップ筒部37の前端部に設けられた端壁部38と、を有する。
チップ筒部37は、ノズル筒部32内に嵌合されている。端壁部38は、芯棒体35の前端面に当接している。端壁部38のうち芯棒体35の前端面に当接する後面には、芯棒体35の流路溝部35Aに連通するスピン流路38Aが形成されている。端壁部38の中央部分には、スピン流路38Aに連通する吐出孔13Aが前方に向けて開口している。
チップ36により、内容物を霧状に吐出することができる。また、チップ36およびノズル先端形状等を変更することで、泡状および直線状等の吐出が可能となる。例えば、本実施形態のノズル先端にメッシュ等の発泡部材を設けることで、泡状吐出が可能となる。
ピストン41は、円筒状の摺動部51と、摺動部51よりも径方向内側に配設された円筒状の閉塞部52と、摺動部51の上端および閉塞部52の上下方向中間部を連結する平面視円環状の環状連結部53と、を有する。これら摺動部51、閉塞部52および環状連結部53は、中心軸Oと同軸に配設されている。
摺動部51の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲している。これにより、摺動部51の下端は、シリンダ42の内周面に摺接している。
閉塞部52の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向内側に向けて反るように湾曲している。これにより、ピストンガイド43の後述する底壁43A近傍に形成された当接部43Eに当接している。閉塞部52の上端部は、下方から上方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲しており、ステム12の下部の内周面に摺接している。
環状連結部53の上面は、径方向外側から内側に向かうにしたがって漸次下方に向かうように傾斜し、弾性部25の下端開口縁を受ける受け面53Aとされている。
シリンダ42は、フランジ状の支持板部61と、支持板部61から上方に向けて延設された円筒状の立上筒部62と、支持板部61の開口縁部から下方に向けて延設された円筒状の上筒部63と、上筒部63の下端から下方に向けて延設された円筒状の中筒部64と、中筒部64の下端から下方に向けてさらに延設された円筒状の下筒部65と、を有する。これら支持板部61、立上筒部62、中筒部64および下筒部65は、中心軸Oと同軸に配設されている。
支持板部61は、シリンダ42の周壁部から径方向の外側に向けて突出し、口部3の上端開口縁上に配置されている。ガイド筒45には、径方向の外側に向けて突出し、支持板部61上に配置されるフランジ状の挟着板部45cが形成されている。装着キャップ11には、径方向の内側に向けて突出し、挟着板部45cを支持板部61との間で挟み込むフランジ状の押え板部11Aが形成されている。挟着板部45cの外径は、支持板部61の外径より小さい。また、押え板部11Aは、径方向の外側から内側に向かうに従い、漸次下方に向けて延びている。支持板部61と口部3の上端開口縁との間には、環状の第1パッキン66が介在されている。
立上筒部62は、天壁部21の開口部を通って上方に向けて立設されている。立上筒部62には、径方向の外側に突設され、ガイド筒45に形成された係合孔45dに係合する係合突起62Aが設けられている。係合孔45dおよび係合突起62Aは、周方向において複数設けられている。
上筒部63の上端部には、上筒部63の内外を連通させる空気孔63Aが形成されている。
中筒部64は、上筒部63の下端開口縁から下方に向けて延びる直筒部67と、直筒部67の下端から下方に向けて延在し、内径および外径が上方から下方に向かうにしたがって縮径するテーパ筒部68と、を有する。
直筒部67の内周面には、上下方向に延在し、径方向内側に向けて突出する複数の縦リブ部67Aが周方向に間隔をあけて配設されている。
テーパ筒部68の内側には、弁体44がテーパ筒部68のテーパ面に離着自在に配設されている。
なお、弁体44は、球状に形成された合成樹脂製のいわゆるボール弁とされている。弁体44は、廃棄時における分別の手間を抑制する観点で合成樹脂製とすることが好ましい。また、弁体44は、金属製等であってもよい。さらに、ボール弁に替わる種々の弁体を用いた逆止弁でもよい。
テーパ筒部68の内周面には、径方向外側から内側に向かうにしたがって上方に向けて傾斜する規制突部68Aが突設されている。規制突部68Aの上端の内径は、弁体44よりも小さくなっている。これにより、規制突部68Aは、弁体44の上方への抜けを規制している。なお、規制突部68Aには、周方向の延在を中断する間隙が形成されている。
下筒部65内には、パイプ213が嵌合されている。パイプ213の下端開口部は、容器本体2内の底部に向けて開口している。
ピストンガイド43のうち、ピストン41の閉塞部52よりも下方に位置する底壁43Aは、この底壁43Aよりも上方に位置する周筒部に対して径方向外側に向けて突出する円板状に形成されている。
ピストンガイド43における上記周筒部の下端部には、外径が底壁43Aの上面から上方に向かうにしたがって漸次縮径する当接部43Eが形成されている。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる連通孔43Bが形成されている。連通孔43Bは、例えば中心軸Oを径方向で挟む両側に形成されている。連通孔43Bは、当接部43Eおよび閉塞部52の下端よりも上方に位置しており、シリンダ42の上筒部63の内側との連通が遮断されている。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる貫通孔43Cが形成されている。貫通孔43Cは、連通孔43Bと同様に、例えば中心軸Oを径方向で挟む両側に形成されている。貫通孔43Cは、ステム12の拡径部12Aにおける内周面に向けて開口している。貫通孔43Cは、連通孔43Bよりも上方に位置している。
ピストンガイド43のうち貫通孔43Cよりも上側に位置する部分は、ステム12内に嵌合している。これにより、ピストンガイド43は、ステム12と共に一体に上下移動する。
ガイド筒45は、中心軸Oと同軸に配置されている。ガイド筒45は、シリンダ42の立上筒部62に外嵌された有頂筒状の嵌合筒部45bと、嵌合筒部45bから上方に向けて突出する規制突起451と、を有する。嵌合筒部45bの頂壁部45eにおける中央部には、ステム12が下方移動自在に挿通された貫通孔が形成されている。頂壁部45eにおける貫通孔の開口周縁部には、下方に突出する環状の突出部45b1が形成されている。突出部45b1の内径は、ステム12の上部の外径より大きい。嵌合筒部45bの頂壁部45eとシリンダ42との間には、環状の第2パッキン76が介在している。
第2パッキン76は、ガイド筒45に形成された嵌合筒部45b内に嵌合されるとともに、下端開口縁がシリンダ42の上端開口縁である立上筒部62に当接する厚肉筒部76Aと、厚肉筒部76Aから径方向の内側に向けて突出し、ステム12とガイド筒45との間に形成された外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間との連通を遮断可能な薄肉弁体76Bと、を備える。薄肉弁体76Bは、厚肉筒部76Aの上下方向の中央に設けられている。
薄肉弁体76Bの上面における内周縁部には、図示しない凹凸状の間隙形成部が形成されている。そして、ステム12は、薄肉弁体76B内に上下摺動自在に嵌合されている。
この構成によれば、ステム12が上昇端位置より下方に位置しているときに、薄肉弁体76Bが下方にめくれるように弾性変形することで、間隙形成部によりステム12との間に形成される間隙を通して、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間とが連通する。
厚肉筒部76Aの内周面における薄肉弁体76Bとの接続部分には、径方向の外側に向けて窪む環状溝76Cが全周に亘って形成されている。環状溝76Cは、薄肉弁体76Bにおける径方向の長さ、および厚肉筒部76Aの開口端部における径方向の長さの双方を確保するために形成されている。
規制突起451は、嵌合筒部45bの頂壁部45eから上方に向けて突出している。規制突起451は、頂壁部45eにおける前記貫通孔の開口周縁部に配置されている。規制突起451の上端縁451aには、下方に向けて窪む挿通孔451b、451cが形成されている。規制突起451は、中心軸Oと同軸の円筒状に形成され、挿通孔451b、451cは、規制突起451における上下方向の全長にわたって形成され、規制突起451を周方向に分断している。挿通孔451b、451cは、規制突起451に2つ形成され、規制突起451における中心軸Oを径方向で挟む両側に1つずつ配置されている。2つの挿通孔451b、451cの周方向における幅は互いに同等である。図示の例では、一方の挿通孔451bは規制突起451の前端部に形成され、他方の挿通孔451cは規制突起451の後端部に形成されている。
規制突起451における一方の挿通孔451bの開口周縁部には、前方に向けて突出する案内壁451hが各別に形成されている。案内壁451hは、規制突起451における上下方向の全長にわたって配置されている。案内壁451hは規制突起451の円筒部における外周面から径方向の外側に向けて延在し、案内壁451hの径方向における外側の端面の位置は嵌合筒部45bの外周面の位置と同等である。案内壁451hの上端縁は規制突起451の上端縁451aと面一に形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、規制突起451の上端縁451aにおける、一方の挿通孔451bの開口周縁部には、上方に向けて突出する第1支持突起451dおよび第1乗り越え突起451eが形成されている。第1支持突起451dおよび第1乗り越え突起451eは、中心軸O回りに互いに対向している。第1支持突起451dと、第1乗り越え突起451eと、の周方向における間の距離は、挿通孔451bの周方向における幅と同等若しくはこれよりもわずかに大きい。
規制突起451の上端縁451aにおいて、上面視における他方の挿通孔451cが形成された位置から中心軸Oを中心として時計回りに90°回転した位置には、上方に向けて突出する第2乗り越え突起451fおよび第2支持突起451gが形成されている。第2乗り越え突起451fおよび第2支持突起451gは、中心軸O回りに互いに対向している。第2乗り越え突起451fと、第2支持突起451gと、の周方向における間の距離は、挿通孔451cの周方向における幅と同等若しくはこれよりもわずかに大きい。
規制突起451の上端縁451aに備えられたこれらの突起は、後述するストッパー130の吐出ヘッド13に対する中心軸O回りの回転を抑制するものである。
吐出ヘッド13のうち装着キャップ11から上方に突出した部分には、中心軸O回りに回転可能にストッパー130が設けられている。ストッパー130は、吐出ヘッド13の下方移動を許容する規制解除位置(図1および図3(a)に示す位置)と、規制解除位置に対して中心軸O回りに上面視における反時計回りに90°回転移動した、吐出ヘッド13の下方移動を規制する規制位置(図3(b)に示す位置)と、の間を中心軸O回りに回転自在に配設されている。
ストッパー130は、中心軸O回りに回転自在にステム12に外嵌された外嵌筒部131と、外嵌筒部131から径方向の外側に向けて突出する係止突部132a、132bと、係止突部132aからさらに径方向の外側に向けて突出する操作部133と、外嵌筒部131の上端部に形成されて径方向の内側に向けて突出する円環状の被挟持突起134と、外嵌筒部131の下端開口縁から下方に突出する被嵌合突起135と、を有する。
外嵌筒部131の内周面には不図示の凹凸部が形成されており、この凹凸部がステム12の上端部における外周面に形成された不図示の凹凸部に係合し、これによってストッパー130とステム12とは上下動不能となっている。なお、この構成に限られず、ストッパー130とステム12とを上下動不能とする他の構成を用いてもよい。
係止突部132a、132bは2つ備えられ、外嵌筒部131の上下方向における中央部から下端にわたって形成されている。一方の係止突部132aは、他方の係止突部132bの中心軸Oを挟んだ径方向における反対側に形成されている。一方の係止突部132aの径方向における長さは案内壁451hの径方向における長さよりもわずかに大きい。他方の係止突部132bの径方向における長さは規制突起451の上端開口縁の肉厚と同等若しくはこれよりわずかに小さい。
2つの係止突部132a、132bの周方向における幅は互いに同等であり、かつ挿通孔451b、451cの周方向における幅よりも若干小さい。
操作部133は、表裏面が周方向を向く平板状に形成されている。操作部133の周方向の厚さは、一方の係止突部132aの周方向の厚さと同等になっている。操作部133は、一方の係止突部132aから径方向の外側に突出し下方に向けて延在している。係止突部132aの下端縁から操作部133の下端縁までの上下方向の長さは規制突起451の上下方向の長さよりもわずかに小さい。操作部133の下端縁の上下方向における位置は、頂壁部45eの上端縁よりもわずかに上方に位置する。操作部133の上部における径方向の外端は、下方から上方に向かうに従い漸次径方向の内側に向けて延びる円弧形状に形成されている。操作部133は、ストッパー130を吐出ヘッド13に対して中心軸O回りに回動させる際に使用者に把持される。
被挟持突起134は、装着筒部31とノズル筒部32との接続部と、ステム12の上端開口縁と、によって上下に挟まれている。被嵌合突起135は、規制突起451の上端部内に挿入されている。
ストッパー130が図3(a)に示す規制解除位置にある場合には、2つの係止突部132a、132bがそれぞれ2つの挿通孔451b、451cに上方から対向し、一方の係止突部132aは第1乗り越え突起451eおよび第1支持突起451dに当接若しくは近接する。このとき、一方の係止突部132aが、中心軸O回りにおける第1乗り越え突起451eの係止突部132aを挟んだ反対側から第1支持突起451dに支持される。
ストッパー130が図3(b)に示す規制位置にある場合には、2つの係止突部132a、132bがそれぞれ規制突起451の上端縁451aに上方から当接若しくは近接し、一方の係止突部132aは第2乗り越え突起451fおよび第2支持突起451gに当接若しくは近接する。このとき、一方の係止突部132aが、中心軸O回りにおける第2乗り越え突起451fの係止突部132aを挟んだ反対側から第2支持突起451gに支持される。
組立時には、ステム12にストッパー130を上方からかぶせて、ストッパー130内にステム12を嵌合させた後に、ヘッド本体30の装着筒部31をステム12内にステム12の上方から嵌合させる。このため、ストッパー130は、ヘッド本体30とステム12とにより上下方向に挟まれており、ストッパー130のヘッド本体30およびステム12に対する上下動が確実に規制される。
装着キャップ11の後部に立設された支持部15は、ガイド筒45における嵌合筒部45bから後方に向けて突設されており、左右方向に間隔をあけて配設された一対の側壁部77と、側壁部77の後端縁同士を左右方向に接続する後壁部78と、を有する。支持部15は押下部材16を支持する。
側壁部77は、前側から後側に向かうに従い漸次、上側に向けて延びている。側壁部77の上端には、上方に向けて左右方向から見た正面視で半円状に突出した突出片80がそれぞれ形成されている。これら突出片80の外側面には、円柱状の軸体77Aが左右方向に沿って外向きに突設されている。軸体77Aは、ステム12より後方に配置されている。
なお、軸体77Aの中心を通り、かつ左右方向に延びる仮想の軸線が押下部材16の回転軸Lとなる。これにより、回転軸Lは、ステム12より後方に配置されるとともに、上下方向および前後方向の双方と直交する左右方向に延びている。また、後壁部78の内面には、突出片80の内側に位置するように上方に向かって突出し、一対の側壁部77の内面同士および突出片80同士を左右方向に連結する補強壁78aが形成されている。
側壁部77の外周縁のうち、前方を向く前端縁の下端部には、下方に向けて窪む支持凹部81が形成されている。この支持凹部81を利用して、後述する延在体95が装着されている。
このように、支持部15はガイド筒45における嵌合筒部45bの後部から上方かつ後方に向けて突設されているので、装着キャップ11の後部に立設された状態で配置されている。なお、図示の例では、支持部15をガイド筒45における嵌合筒部45bの後部から立設させたが、この場合に限定されるものではなく、例えば装着キャップ11の後部から上方かつ後方に向けて突設させても構わない。
押下部材(トリガー)16は、軸体77Aを介して支持部15に取り付けられている。
これにより、押下部材16は、支持部15に対し回転軸L回りに回転可能(揺動可能)に連結されている。
押下部材16は、吐出ヘッド13を上方から覆う天板部90と、天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する前板部91と、天板部90の左右両側の側端縁から下方に向けて延在し、左右方向に向かい合う一対の側板部92と、を有する。
そして、天板部90と一対の側板部92とで囲まれる内部空間に吐出ヘッド13が配置されている。よって、一対の側板部92は、吐出ヘッド13を左右方向から挟むように配置されている。
天板部90は、上方に向けて膨らむように滑らかに湾曲した形状とされ、その後端部は支持部15における後壁部78の上端開口縁に上方から接触している。これにより、押下部材16は、回転軸Lを中心としたこれ以上の上方への回転が規制された状態で位置決めされている。
天板部90の前側部分には、該天板部90を貫通する第1貫通孔93が形成されている。この第1貫通孔93は、天板部90における左右方向の中央部分に形成されていると共に、前方に開口するように形成されている。
これにより、天板部90の前側部分は、左右方向に二股に分かれた形状とされている。
前板部91は、二股に分かれた天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在している。この際、前板部91の上側部分には、前板部91を貫通すると共に上下方向に延在する第2貫通孔94が形成されている。この第2貫通孔94は、前板部91の中央部分に形成されていると共に上方に開口しており、第1貫通孔93に対して一体に繋がっている。
そして、第2貫通孔94内にヘッド本体30のノズル筒部32が挿通されている。これにより、ノズル筒部32は、第2貫通孔94を通して前板部91から突出している。なお、前板部91の下側部分は、指先を掛けるための指掛部分とされている。
一対の側板部92は、吐出ヘッド13および支持部15を左右方向に挟んでいる。一対の側板部92の後部側の内面には、軸体77Aが挿通される軸孔部92Aが形成されている。これにより、押下部材16は、軸体77A回り、すなわち回転軸L回りに回転可能に支持されている。
上述した押下部材16は、付勢部材である延在体95からの弾性力(ばね力)によって上方付勢されている。
延在体95は合成樹脂製とされ、図示の例では長尺でかつ湾曲した弾性変形可能な柱状に形成されている。延在体95は、押下部材16の天板部90の下方に配置されており、一端部95aが支持部15に連結され、かつ他端部95bが押下部材16の内側に配設されている。
延在体95は、一端部95aが他端部95bに対して後方かつ下方に位置するように、長手方向の中間部分95cが後方に向けて突となるように湾曲しており、押下部材16における天板部90の下方に配置されている。この際、延在体95は、天板部90における二股部分の下方に配置されるように、左右方向に間隔をあけて一対設けられている。
図示の例では、これら一対の延在体95の一端部95a同士は、左右方向に沿って延びる円柱状の連結体96によって互いに連結されている。これにより、一対の延在体95および連結体96は1つのユニットとされている。
そして、支持部15に形成された支持凹部81内に、上記連結体96が回転自在に支持されている。これにより、延在体95の一端部95aは連結体96を介して支持部15に連結されている。延在体95の他端部95bは、天板部90における二股部分の下面に対して下方から当接している。これにより、延在体95の他端部95bは、押下部材16の内側に配設されている。
なお、延在体95の一端部95aと支持部15との連結、および延在体95の他端部95bと押下部材16との連結は、上述の場合に限定されるものではなく、他の構成(方法)を採用しても良い。
例えば、延在体95の一端部95aと支持部15とが一体に形成されていても良いし、延在体95の他端部95bと押下部材16とが一体に形成されていても良い。また、延在体95の一端部95aを支持部15に接着しても良いし、支持部15に形成した孔に嵌合する等しても良い。さらに、延在体95の他端部95bを押下部材16に接着しても良いし、押下部材16に形成した孔に嵌合する等しても良い。
延在体95の他端部95bは、予め他端部95b側が下方に移動するように弾性変形した状態で、他端部95bが天板部90における二股部分の下面に対して下方から接触している。このため、通常時の場合であっても、延在体95は弾性力(ばね力)を利用して押下部材16を上方付勢している。
押下部材16には、図2に示すように、吐出ヘッド13に形成された被押下部100の上端部を収容する窪み101が形成されている。
窪み101は、押下部材16の天板部90における左右方向の中央部に配設されている。窪み101は、被押下部100の左右方向の厚みよりも僅かに大きい幅で形成されている。
窪み101は、図1に示すように、天板部90に対して前後方向に一定の深さで形成されている。窪み101は、被押下部100の上端部を前後方向に移動可能に収容する。窪み101は、天板部90の下面に対して上方に窪んだ上面が、被押下部100の上端部の上面に上方から面接触している。
これにより、押下部材16を回転軸L回りに下方に回転させた際、窪み101を利用して被押下部100を上方から押下させることが可能とされている。したがって、吐出ヘッド13を下方移動させることができる。
なお、押下部材16の下方への回転を解除した場合には、先に述べたように延在体95が押下部材16を上方付勢しているので、押下部材16は回転軸L回りに上方に逆回転して、元の位置に復帰する。
ところで、押下部材16には、該押下部材16の下方への回転を解除した際、吐出ヘッド13に形成された軸部100Aに係合し、吐出ヘッド13を上方に復元移動させる係合溝102が形成されている。軸部100Aは、図2に示すように円柱状に形成され、装着筒部31の上端部の左右の側面から一対の側板部92に向けてそれぞれ突設されている。
係合溝102は、押下部材16における一対の側板部92の内面に吐出ヘッド13に対して離間する方向に窪んでいる。係合溝102の下端外周面には、図2に示すように、下方に向かうに従って吐出ヘッド13から離間する方向に傾斜する傾斜面102Aが形成されている。一方、軸部100Aの上端には、上方に向かうに従って一対の側板部92から離間する方向に傾斜する傾斜面100A1を有する。これにより、係合溝102に対し下方から軸部100Aを組み付け易くなる。
係合溝102は、軸部100Aよりも僅かに大きく、押下部材16の上方への回転に伴って軸部100Aに対して下方から接触して、軸部100Aを上方に押上げる。これにより、吐出ヘッド13を上方移動させることが可能となる。
次に、上述のように構成された吐出器1の使用方法について説明する。ストッパー130は、使用時には図3(b)に示す規制位置から上面視において中心軸Oを中心に時計回りに90°回転されて図3(a)に示す規制解除位置に移動される。詳しく説明すると、操作部133が把持されて中心軸O回りに回転させられ、ストッパー130が規制位置側から規制解除位置に到達するとき、一方の係止突部132aが第1乗り越え突起451eを乗り越える。ストッパー130が規制位置に到達すると、2つの係止突部132a、132bがそれぞれ2つの挿通孔451b、451cに上方から各別に対向する。これにより、ストッパー130の2つの係止突部132a、132bが2つの挿通孔451b、451cにそれぞれ挿通可能となり、ストッパー130が容器本体2に対して下方移動可能となる。これにより吐出ヘッド13の下方移動の規制が解除され、押下部材16の下方への揺動が許容される。
その後、図4に示すように、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて回転させる。この際、例えば押下部材16の前板部91の指掛部分に指先を掛けながら、延在体95の付勢力に抗して押下部材16を下方に向けて回転させる。押下部材16を下方に向けて回転させると、吐出ヘッド13がストッパー130とともに下方移動し、弁体44によってシリンダ42のテーパ筒部68内を閉塞した状態で、ステム12およびピストン41をシリンダ42に対して押し込んで、シリンダ42内が正圧になる。すると、シリンダ42内の内容液がステム12内を上昇してノズル筒部32内に導入され、吐出ヘッド13の吐出孔13Aから吐出される。
詳しくは、シリンダ42内が正圧になると、弾性部25の自由端部がピストン41の受け面53Aに沿って径方向内側に向けて反るように摺動しつつ、弾性部25の上下方向の長さが短くなるように収縮変形する。また、吐出ヘッド13およびピストンガイド43は、ピストン41に対して下方移動し始める。吐出ヘッド13およびピストンガイド43がピストン41に対して下方に移動すると、ピストン41の閉塞部52の下端が、ピストンガイド43の当接部43Eから離間する。これにより、閉塞部52の下端部とピストンガイド43の外周面との間には、間隙が形成される。そのため、連通孔43Bは、間隙を通してシリンダ42の上筒部63内に対して開放される。なお、連通孔43Bがシリンダ42の上筒部63内に対して開放されるまで、上筒部63の内圧はさらに上昇する。
これにより、上筒部63内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙および連通孔43Bを通ってピストンガイド43内に流入する。さらに、上筒部63内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、ステム12の下側部分および拡径部12Aの内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、並びに貫通孔43Cを通ってピストンガイド43内に流入する。
そして、ピストンガイド43内に流入した内容物は、ステム12の上側部分内を流動してノズル筒部32に至り、ノズル筒部32の吐出孔13Aから吐出される。この結果、容器本体2内に収容された内容物を、吐出孔13Aを通じて外部に吐出することができる。
その後、押下部材16の把持を解除すると、ステム12およびピストン41が、延在体95からの付勢力に基づいてシリンダ42に対して復元移動する。このとき、シリンダ42内が負圧になり、この負圧が、弁体44に作用してテーパ筒部68内を開放する。これにより、容器本体2内の内容液が、パイプ213を介してシリンダ42内に流入する。
吐出ヘッド13、ステム12およびピストン41をシリンダ42に対して一体的に押下させると、シリンダ42内のうちピストン41より下方に位置する下部空間が加圧され、この下部空間内の内容物がステム12内を上昇して吐出孔13Aから吐出される。この過程において、第2パッキン76の薄肉弁体76Bが外気導入路Rの下端開口を開放し、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間とが連通し、外気がシリンダ42内の上部空間内に導入される。
吐出ヘッド13、ステム12およびピストン41の押下げを解除して、これらを上方に復元変位させると、シリンダ42内の下部空間が負圧になり、容器本体2内の内容物がシリンダ42内の下部空間内に導入される。この過程において、上部空間内の空気が圧縮される。上部空間内の空気は、空気孔63Aを介してシリンダ42内の上部空間と容器本体2内とが連通することで、容器本体2内に導入される。
その後、ステム12およびピストン41が元の位置に戻ると、ピストン41が空気孔63Aを閉塞し、外気導入路Rを通した容器本体2内と外部との連通が遮断される。
なお、吐出器1が倒立等しても、外気導入路Rとシリンダ42内の上部空間との連通を遮断する第2パッキン76が配設されているので、容器本体2内の内容部がシリンダ42内の上部空間に到達しても、この内容物が外気導入路Rを通して外部に漏出することを防ぐことができる。
次に、流通時および不使用時において、押下部材16が把持されていない場合には、延在体95によって押下部材16を介して吐出ヘッド13が上方へ付勢される。そして、押下部材16が支持部15に当接して回転軸L回りの回転が規制され、ポンプ14が停止状態になる。この状態で吐出器1から内容物が外部に吐出されないようにするためには、ストッパー130を図3(a)に示す規制解除位置から上面視において中心軸Oを中心に反時計回りに回転させて、図3(b)に示す規制位置に移動させる。ストッパー130が規制位置に到達するとき、係止突部132aが第2乗り越え突起451fを乗り越える。
ストッパー130が規制位置に到達すると、係止突部132a、132bがそれぞれ規制突起451の上端縁451aに当接若しくは近接する。これによりストッパー130の下方移動が規制され、ストッパー130と上下動不能に嵌合しているステム12の下方移動も規制される。従って、吐出ヘッド13の下方移動が規制されて内容物が吐出孔13Aから吐出されなくなる。
なお、ストッパー130が規制位置に位置している状態で、吐出ヘッド13に押下げ力が加わった場合には、押し下げ力はステム12およびストッパー130を介して規制突起451に作用する。本実施形態では規制突起451は円筒状に形成されており、上下方向における剛性が高いため、吐出ヘッド13が受ける力を十分に支えることができる。
以上説明したように、本実施形態の吐出器1によれば、ストッパー130を規制位置に移動させると、係止突部132a、132bが規制突起451の上端縁451aに当接若しくは近接するので、ストッパー130の下方移動が規制される。これにより、ストッパー130が外嵌されている吐出ヘッド13の下方移動も直接規制されるため、吐出ヘッド13単体に力が加わっても内容物が吐出されることを抑制できる。一方、ストッパー130を規制解除位置に移動させると、係止突部132a、132bが挿通孔451b、451c内に挿通可能となり、ストッパー130および吐出ヘッド13の下方移動が許容され、通常通りの使用が可能となる。また、ストッパー130が吐出ヘッド13に対してステム12の中心軸線O回りに回転自在に配設されているので、コンパクトかつ操作性に優れたストッパー130とすることができる。
また、例えばストッパーと吐出ヘッドが上下動可能な構成とすると、ストッパーが吐出ヘッドに対して上方に移動し、ストッパーが規制位置にある場合でも吐出ヘッドが下方に移動可能となって吐出孔から内容物が吐出されてしまう場合があった。
この問題に対して、本実施形態によれば、ストッパー130とステム12が嵌合しているため、ストッパー130と吐出ヘッドの互いの上下方向の位置が固定され、ストッパー130の吐出ヘッド13に対する上下動が抑えられている。従って、上記のようにストッパーが吐出ヘッドに対して上方に移動することによる、ストッパーが規制位置にある場合でも内容物が吐出されてしまう現象を抑止することができる。
さらに、ストッパー130の被挟持突起134が、装着筒部31とノズル筒部32の接続部およびステム12の上端開口縁に、上下に挟まれている。このため、ヘッド本体30とストッパー130との間、およびストッパー130とステム12との間の相対的な上下動が規制され、漏れ防止を確実にすることができる。
また、本実施形態によれば、ストッパー130を規制位置側から規制解除位置に到達させると、係止突部132aが規制突起451の上端縁451aに備えられた第1乗り越え突起451eを乗り越えるため、使用者にストッパー130が規制解除位置に到達したことを認識させやすく、係止突部132aが第1支持突起451dに支持されるため、ストッパー130が規制解除位置を超えるのを抑制することができる。
さらに、ストッパーが規制解除位置に位置するときには、係止突部132aが中心軸O回りにおいて第1支持突起451dおよび第1乗り越え突起451eに挟まれ、使用時に不意にストッパー130が規制解除位置から回転してしまうのを抑止することができる。
また、本実施形態によれば、ストッパー130を規制解除位置側から規制位置に到達すると、係止突部132aが規制突起451の上端縁451aに備えられた第2乗り越え突起451fを乗り越えるため、使用者にストッパー130が規制位置に到達したことを認識させやすく、係止突部132aが第2支持突起451gに支持されるため、ストッパー130が規制位置を超えるのを抑制することができる。
さらに、ストッパーが規制位置に位置するときに、係止突部132aが第2乗り越え突起451fおよび第2支持突起451gに挟まれるため、不使用時にストッパーが不意に規制位置から規制解除位置に到達して内容物が吐出されてしまうのを抑止することができる。
さらに、本実施形態では、ストッパー130が規制位置にある場合、ステム12に対して上下動不能なストッパー130が、規制突起451に当接若しくは近接するため、ノズル筒部32に下方に向けた外力が加えられた場合、ステム12を介してストッパー130が規制突起451に押し付けられ、ノズル筒部32に加えられた外力を規制突起451で直接受けることができる。これにより、ノズル筒部32に下方に向けた外力が加えられた場合に、ステム12に対してヘッド本体30が傾くことを抑制できる。したがって、ステム12と装着筒部31との間のシール性が低下することを抑制でき、内容物が外部に漏れだすことを抑制できる。
吐出ヘッド13に外力が加えられる場合、吐出ヘッド13のうちでも、特にノズル筒部32に外力が加えられやすい。そのため、上述した本実施形態による作用効果を効果的に奏功させることができる。
また、本実施形態によれば、ストッパー130に上方に向けた外力が加わっても、ストッパー130の上端部がノズル筒部32の下端部に当接するため、ストッパー130が上方に抜けることを防止することができる。
さらに、ストッパー130が規制位置に位置する場合には、ストッパー130に下方に向けた外力が加わっても、ストッパー130の2つの係止突部132a、132bが規制突起451の上端縁451aに当接するため、ストッパー130の下方移動が規制される。
以上のことから、ストッパー130に外力が加わった場合でも、ストッパー130が吐出ヘッド13に対して上下方向に移動するのを規制することができる。
また、ストッパー130が規制解除位置に位置する場合には、ストッパー130に下方に向けた外力を加えることにより、ストッパー130を介してステム12を押し下げて、吐出ヘッド13の全体を下方移動させることができる。
また、本実施形態によれば、ノズル筒部32はステム12側から前方に向けて突出しているために、吐出ヘッド13に外力が加わりやすくなっているものの、吐出ヘッド13に下方に向けた外力が加わったとしても、ストッパー130が規制位置に位置することで内容物が意図せずに吐出されることを抑制することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、上端縁451aに第1乗り越え突起451e、第1支持突起451d、第2乗り越え突起451f、第2支持突起451gが形成されていると説明したが、上端縁451aにこれらの突起が形成されていなくてもよい。あるいは、これらの突起のうちいずれか1つまたは複数の突起が形成されていてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、ストッパー130は平板状の操作部133を備えると説明したが、これに限られず、操作部の形状を変更してもよい。あるいは、操作部133を設けず、例えば外嵌筒部131の外周面にローレット形状を形成してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、ストッパー130が係止突部132a、132bを有すると説明したが、係止突部132bを有さないストッパー130を用いてもよい。このとき、規制突起451の上端縁451aには挿通孔451cが形成されていなくてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、支持部15は装着キャップ11の後部に立設されていると説明したが、これに限られず、支持部15を他の部位に配設してもよい。
また、吐出孔13Aはノズル筒部32の前端部に形成されていると説明したが、これに限られず、吐出孔13Aはノズル筒部32の他の部位に形成されていてもよい。さらに、ノズル筒部32はステム12側から前方に向けて突出すると説明したが、これに限られず、ノズル筒部32を他の部位に配設してもよい。
また、吐出器1は、下筒部65の下端部に装着される正倒立両用アダプタを備えていてもよい。正倒立両用アダプタは、吐出器1の正立時および倒立時の双方において、吐出器1におけるシリンダ42内が負圧となった際に、シリンダ42内に内容液を供給する。この場合、パイプ213は正倒立両用アダプタに取り付けられる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 吐出器
2 容器本体
3 口部
11 装着キャップ
12 ステム
13 吐出ヘッド
13A 吐出孔
14 ポンプ
15 支持部
16 押下部材
30 ヘッド本体
31 装着筒部
32 ノズル筒部
100 被押下部
130 ストッパー
131 外嵌筒部
132a、132b 係止突部
451 規制突起
451a 上端縁
451b、451c 挿通孔
451d 第1支持突起
451e 第1乗り越え突起
451f 第2乗り越え突起
451g 第2支持突起
L 回転軸
O 中心軸

Claims (4)

  1. 内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、
    前記ポンプを前記容器本体の口部に装着する装着キャップと、
    前記装着キャップに立設された支持部と、
    前記支持部に回転軸回りに回動自在に配設され、前記吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備え、
    前記押下部材を前記回転軸回りに下方に向けて回転させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出器であって、
    前記吐出ヘッドは、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前記装着キャップから上方に向けて突出するステムと、前記吐出孔が形成されたノズル筒部と、を備え、
    前記装着キャップには、上端縁に下方に向けて窪む挿通孔が形成された規制突起が備えられ、
    前記吐出ヘッドのうち前記装着キャップから上方に突出した部分に、前記ステムの中心軸線回りに回転自在に外嵌された外嵌筒部、および前記外嵌筒部から径方向の外側に向けて突出し前記挿通孔内に挿通可能な係止突部を有するストッパーを備え、
    前記ストッパーは、前記係止突部が前記規制突起の上端縁に上方から当接若しくは近接する規制位置と、前記係止突部が前記挿通孔に前記挿通孔の上方から対向する規制解除位置と、の間を前記中心軸線回りに回転自在に配設されていることを特徴とする吐出器。
  2. 前記規制突起の上端縁には、
    前記ストッパーが前記規制位置側から前記規制解除位置に到達するときに、前記係止突部が乗り越える第1乗り越え突起と、
    前記ストッパーが前記規制解除位置に位置するときに、前記係止突部が前記中心軸線回りにおける前記第1乗り越え突起の、前記係止突部を挟んだ反対側から支持される第1支持突起と、が備えられることを特徴とする請求項1に記載の吐出器。
  3. 前記規制突起の上端縁には、
    前記ストッパーが前記規制解除位置側から前記規制位置に到達するときに、前記係止突部が乗り越える第2乗り越え突起と、
    前記ストッパーが前記規制位置に位置するときに、前記係止突部が前記中心軸線回りにおける前記第2乗り越え突起の、前記係止突部を挟んだ反対側から支持される第2支持突起と、が備えられることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出器。
  4. 前記ノズル筒部は、前記ステム側から前方に向けて突出し、その前端部に前記吐出孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吐出器。
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