JP3064430U - エアゾ―ル容器のスプレ―装置 - Google Patents

エアゾ―ル容器のスプレ―装置

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JP3064430U
JP3064430U JP1999003809U JP380999U JP3064430U JP 3064430 U JP3064430 U JP 3064430U JP 1999003809 U JP1999003809 U JP 1999003809U JP 380999 U JP380999 U JP 380999U JP 3064430 U JP3064430 U JP 3064430U
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sphere
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aerosol container
nozzle
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英昭 釣井
哲也 堺谷
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株式会社ソフト九九コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを備えた球体が球面座に保持されて回
転可能になっているスプレー装置において、内容物噴出
路の圧力上昇によって球体が球面座から脱落しないよう
にする。内容物の噴霧範囲を、ノズルを用いた狭い範囲
とそれよりも広い範囲に所望に応じて選択することがで
きるようになる。 【解決手段】 キャップに設けた押え部材6の重なり部
で球体5を保持する。球体5に設けた突起53を押え部
材6に係合させておく。球体5に、ノズル3に連通する
第1貫通路51と、それに直交する第2貫通路52を形
成する。第2貫通路52の先端に吐出口54を具備させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、潤滑油,殺虫剤,整髪剤等のエアゾール容器の内容物を噴射するの に使用するスプレー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実登3038255号に記載されたスプレー装置があり、このものを図 10及び図11に示してある。図10(A)(B)のように、このスプレー装置 では、内容物を収容したエアゾール容器1に装着されているキャップ2に細管状 のノズル3が取り付けられている。図11のように、ノズル3とキャップ2との 取付部では、ノズル3の根元に設けられてそのノズル3に連通する貫通路51を 備えた合成樹脂製の球体5が、キャップ2側の内容物噴出路23の径大な出口2 3aに設けられた合成樹脂製の球面座21に摺動回転自在に保持されて球関節4 が形成された構造になっている。キャップ2には操作ボタン22が設けられてお り、図10(A)のようにノズル3を前向きに突出させて操作ボタン22を手の 指を使って手動で押圧操作を行うと、エアゾール容器1側の導通管11が押し下 げられ、導通管11の管路が開くようになっている。そのため、操作ボタン22 を押すと、エアゾール容器1の内容物が、導通管11、内容物噴出路23、球体 5の貫通路51をこの順に通ってノズル3から噴出する。また、操作ボタン22 から手の指を離すと、その操作ボタン22が元位置に復帰すると共に、導通管1 1も元位置に復帰して上記導通管11の管路が閉じ、ノズル3からの内容物の噴 出が止まる。
【0003】 このスプレー装置において、ノズル3は球関節4を介してキャップ2に取り付 けられているので、その球関節4の球体5を球面座21に対して摺動回転させる ことによって、球体5が取り付けられているノズル3の向きを図10(A)の矢 印Xのように上下方向や、あるいは左右方向といった広い範囲で変化させること が可能になる。そのため、このスプレー装置には、エアゾール容器1を内容物の 噴射に支障を来さない立てたままの姿勢にして、内容物を狭い隙間などに噴射す ることができるという長所がある。図10(B)はノズル3を下向きにしてキャ ップ2やエアゾール容器1に沿わせて格納した状態を示している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来のスプレー装置において、その組立工程でキャップ2側の球面座 21にノズル3側の球体5を嵌合させて球関節4を組み付けるときには、図11 に示した合成樹脂製の球面座21の開口縁部24の弾力性を利用し、その開口縁 部24を乗り越えて球体5を球面座21に押込み嵌合させるという手順が採られ る。このため、球関節4を正面から見たときの球体5と球面座21との重なり幅 A1が、その球面座21の開口縁部24を乗り越えて球体5を球面座21に押込 み嵌合させることのできる寸法に定められている。
【0005】 ところが、エアゾール容器1には、内容物を押し出すための加圧用ガスが充填 されているので、そのエアゾール容器1の内圧は、気温が上昇したときなどには それに伴う加圧用ガスの昇温によってその温度に見合う圧力にまで高まる。特に 、夏場の車内のように気温の高い場所に放置されたエアゾール容器1では、たと えば初期内圧が4kg/cm2 程度であれば、その2倍の8kg/cm2 程度に まで上がることがあり得る。一方、図10で説明した操作ボタン22が押されて 導通管11の管路が開かれると、エアゾール容器1内の内容物が加圧用ガスの圧 力で内容物噴出路23を通って押し出されるので、その圧力で球体5が押圧され る。そのため、上記のようにエアゾール容器1の内圧が高くなっているときには 、その内圧の大きさによっては球体5が異常に強く押圧されるという事態が起こ り、場合によっては、球体5が球面座21の開口縁部24を乗り越えて球面座2 1から押し出されて脱落してしまう。
【0006】 そこで、図12に示した構造の比較例としてのスプレー装置を試作し、エアゾ ール容器の内圧が上昇しているときに内容物を噴射させる操作が行われたとして も、ノズル3側の球体5がキャップ2側の球面座21から脱落しないようにする ことを試みた。
【0007】 図12のスプレー装置では、球面座21の開口縁部24の外側上部にプラスチ ックヒンジ61を介して開閉動可能に一体に押え部材6が連設されている。この 押え部材6には、正面視形状が左右対称な円弧形状の重なり部62が設けられて おり、その重なり部62の周方向の両端部のそれぞれに爪片63が連設されてい る。これに対し、キャップ2側には、孔部でなる係合部29が設けられている。 そして、重なり部62が球体5に重ね合わされ、かつ、爪片63がキャップ2側 の係合部29に差し込まれることによってその係合部29に係合されている。こ れにより、重なり部62が球体5に対する重なり位置に位置決めされて保持され ている。
【0008】 ここで、押え部材6の重なり部62と球体5との重なり箇所には、球面座21 の開口縁部24と球体5との重なり箇所よりも球体5の中心側に偏った箇所が含 まれている。そのため、球面座21の開口縁部24と球体5との重なり幅の寸法 をA2とし、押え部材6の重なり部62と球体5との重なり幅の寸法をBとする と、B>A2の関係が保たれ、しかも、重なり部62が球面座21の開口縁部2 4よりも球体5の中心側に偏った位置に迫り出している。
【0009】 このように2つの重なり幅A2,Bの関係がB>A2になっていると、押え部 材6の重なり部62が、球関節4の球体5を球面座21から脱落しないように押 え付ける作用を発揮する。そのため、エアゾール容器1の内圧が上昇していると きに内容物を噴射させる操作が行われ、内容物によって球体5が強く押圧されて も、球面座21からの球体5の脱落が押え部材6の重なり部62によって阻止さ れる。また、重なり部62の球体5との重なり幅Bが、球体5と球面座21の開 口縁部24との重なり幅A2に許容される最大寸法よりも大きい寸法になってい ることによっていっそう確実に発揮されるようになる。
【0010】 しかしながら、図12で説明したスプレー装置においても、次のような問題点 が知見された。
【0011】 すなわち、図12のようにノズル3を下向きに格納することにより、貫通路5 1をキャップ2側の内容物噴出路23に対する遮断位置にして内容物噴出路23 の出口23aを閉じると、内容物噴出路23に加圧用ガスが残っている場合には その加圧用ガスが球体5を押圧する。このときに加圧用ガスがノズル3から噴出 して内容物噴出路23の圧力が逃がされることはないので、球体5が8kg/c m2 以上の力で押圧されるようになり、場合によっては、球体5が押え部材6の 重なり部62を乗り越えて脱落してしまうという事態の起こり得ることが知見さ れた。
【0012】 この点を解決するには、押え部材6の重なり部62の球体5に対する重なり幅 をさらに大きくすればよいとも考えられるけれども、そのようにすると、球体5 の回転を通じてノズル3の向きを変えるときに大きな力が必要になり、ノズル3 が曲がったりする事態の起こるおそれがあるので、そのようにすることは必ずし も望ましいことではない。
【0013】 本考案は以上の状況の下でなされたものであり、押え部材の重なり部の球体に 対する重なり幅を大きくすることなく、球体の貫通路を遮断位置にして内容物噴 出路の出口を閉じたときでも、内容物噴出路に残っている加圧用ガスの圧力で押 された球体が上記重なり部を乗り越えて脱落してしまうという事態の起こるおそ れのないスプレー装置を提供することを目的とする。
【0014】 また、本考案は、ノズルを下向きに格納したときには、内容物噴出路に残って いる加圧用ガスが外部へ逃がされて球体に大きな圧力が加わらなくなるスプレー 装置を提供することを目的とする。
【0015】 さらに、本考案は、上記目的を達成するために講じた手段を利用することによ って、内容物の噴霧範囲を、ノズルを用いた狭い範囲とそれよりも広い範囲に所 望に応じて選択することのできるスプレー装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るエアゾール容器のスプレー装置は、細管状のノズルの根元に設け られてそのノズルに連通する第1貫通路を備えた球体が、エアゾール容器のキャ ップに具備されている内容物噴出路の出口に設けられた合成樹脂製の球面座に摺 動回転自在に保持されて球関節が形成され、この球関節での上記球体の回転を通 じて上記第1貫通路が上記内容物噴出路に対する連通位置と遮断位置との間で変 位可能になっているエアゾール容器のスプレー装置を対象としている。
【0017】 このスプレー装置は、図12で説明したスプレー装置と同様である。そのため 、第1貫通路を連通位置にしたときには、内容物を内容物噴出路及び第1貫通路 を経てノズルから噴出させることが可能であり、第1貫通路を遮断位置にしたと きには内容物噴出路と第1貫通路とが遮断される。
【0018】 本考案のスプレー装置においては、上記キャップに、上記球面座の開口縁部よ りも上記球体の中心側に偏った箇所でその球体に重なる重なり部を備えた押え部 材が設けられている。このため、内容物噴出路がある程度の高圧になっていると きにその圧力で球体が押圧されても、その球体が押え部材の重なり部によって球 面座から押し出されることが阻止される。
【0019】 本考案のスプレー装置においては、上記球体に左右一対の突起が設けられ、こ れらの突起が、上記球面座に設けられた左右一対の凹所に各別に嵌合されて上記 押え部材に係合されている。このようになっていると、上記押え部材の重なり部 に対して球体が係合しているだけでは球体の押出しを阻止できない程度の大きな 圧力が球体に加わっても、球体に設けられている左右一対の突起が押え部材に係 合しているので、球体が球面座から押し出されるといった事態は起こらない。
【0020】 本考案のスプレー装置においては、上記球関節を正面から見たときの上記球体 と上記球面座の開口縁部との重なり幅が、上記球面座の開口縁部を乗り越えて上 記球体を上記球面座に押込み嵌合させることのできる寸法に定められていること が望ましい。このものでは、球体を球面座に押し込むだけでその球面座に保持さ せることができるので、組立を簡単に行うことができるようになる。
【0021】 本考案に係るエアゾール容器のスプレー装置は、上記第1貫通路が上記遮断位 置に位置しているときに上記内容物噴出路に連通し、かつ、上記第1貫通路が上 記連通位置に位置しているときに上記内容物噴出路から遮断される第2貫通路が 上記球体に設けられているものであってもよい。このスプレー装置によると、第 1貫通路が遮断位置に位置しているときに、内容物噴出路に残っている加圧用ガ スの圧力が、その内容物噴出路に連通されている第2貫通路を通じて外部に逃が される。そのため、内容物噴出路の圧力で球体が押圧されて球面座から押し出さ れるという事態は起こり得ない。また、第2貫通路が内容物噴出路に連通してい るときには、内容物噴出路を通って出てきた内容物が第2貫通路から噴射される ようになる。
【0022】 このようなスプレー装置においても、上記キャップに、上記球面座の開口縁部 よりも上記球体の中心側に偏った箇所でその球体に重なる重なり部を備えた押え 部材が設けられていると共に、上記球体に左右一対の突起が設けられ、これらの 突起が、上記球面座に設けられた左右一対の凹所に各別に嵌合されて上記押え部 材に係合されていることが望ましく、そのようになっていると、押え部材の重な り部に対して球体が係合しているだけでは球体の押出しを阻止できない程度の大 きな圧力が球体に加わっても、球体に設けられている左右一対の突起が押え部材 に係合しているので、球体が球面座から押し出されるといった事態は起こらない 。
【0023】 本考案のスプレー装置は、エアゾール容器側に手動操作により管路が開閉され る導通管が設けられ、この導通管に上記内容物噴出路が連通されているものであ ってもよい。このスプレー装置は、図12で説明した従来のスプレー装置と同様 の手動操作によって導通管の管路を開閉することが可能である。
【0024】 また、このスプレー装置では、上記球体の回転を通じて上記ノズルが下向きに 格納されたときに上記第1貫通路が上記遮断位置に変位されるようになっている と共に、上記ノズルが格納されているときに上記内容物噴出路に連通し、かつ、 上記球体の回転を通じて上記ノズルが前向きに突出されたときに上記内容物噴出 路から遮断される第2貫通路が上記球体に設けられていることが望ましい。この 場合、上記第1貫通路と上記第2貫通路とが互いに直交する方向に延びており、 かつ、上記第1貫通路が上記球体の中心線上に形成され、上記第2貫通路が上記 球体の偏心箇所に形成されているものであってもよい。
【0025】 このスプレー装置によると、ノズルが下向きに格納されているときには、内容 物噴出路に残っている加圧用ガスの圧力が第2貫通路を通じて外部に逃がされる 。そのため、内容物噴出路の圧力で球体が押圧されて球面座から押し出されると いう事態は起こり得ない。また、第2貫通路が内容物噴出路に連通しているとき に、導通管の管路を手動操作により開くと、その導通管や内容物噴出路を通って 出てきた内容物が第2貫通路から噴射される。特に、第2貫通路が上記球体の偏 心箇所で開口する2つの吐出口を有していると内容物の噴射範囲が広くなる。し たがって、内容物の噴射範囲を広くしたいときには第2貫通路を内容物噴出路に 連通させ、その噴射範囲を狭くしたい場合には第1貫通路を内容物噴出路に連通 させてノズルから噴射させることが可能になる。
【0026】 左右一対の上記突起が、上記球体の回転方向をそれらの突起の軸線回りに規制 する回転軸を形成しているものであってもよい。このものでは、球体の回転方向 が突起の軸線回りに限定される。
【0027】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。
【0028】 図1はスプレー装置を備えたキャップ2の正面図、図2は図1のII−II線 断面図、図3は球体5が初期位置から回転された状態を例示した図1のII−I I線に相応する断面図、図4は図1のIV−IV線断面図、図5は図4の要部を 拡大した断面図、図6はキャップ2の正面図、図7は球体5やノズル3などを示 した概略斜視図、図8は押え部材6の概略斜視図、図9(A)(B)は本考案の スプレー装置と比較例としてのスプレー装置との作用を対比した説明図である。
【0029】 この実施形態を図11の従来のスプレー装置や図12の比較例としてのスプレ ー装置と対比すると、この実施形態では、球体5に第2貫通孔52が設けられて いる点、球体5に左右一対の突起53,53が設けられている点、球面座21に 左右一対の凹所28,28が設けられている点などにおいて異なっており、その 他の点は図11又は図12で説明したスプレー装置と同様である。したがって、 以下の説明では、図11又は図12のスプレー装置と異なる点を主に説明し、そ れと同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略することにする。
【0030】 図2及び図3のように、キャップ2は、その下端内周に設けられた係合凹部2 5をエアゾール容器1の頂部に周設されている係合突条12に係合させることに よってエアゾール容器1に取り付けられる。また、キャップ2の上部中央に一体 に操作ボタン22が設けられていて、この操作ボタン22がエアゾール容器1側 の導通管11に連結される縦管部26とこの縦管部26に連通し径外方向に延び る横管部27とを有し、それらの縦管部26や横管部27が内容物噴出路23を 形成している。そして、横管部27の弾性を介して操作ボタン22が上下に揺動 自在となっている。
【0031】 押え部材6はキャップ2と別体に形成されている。図8のように、押え部材6 は、後向きの支持片64を有し、その支持片64の左右の端面に突起65(片側 の突起は図に現れていない)が設けられている。これに対し、図2、図3、図6 によって類推できるように、キャップ2側にはそのキャップ2の頂部を前後方向 に横切る溝部81が具備され、その溝部81の前部に左右に振り分けて縦方向の 細溝状の凹部82,82が設けられている。そして、押え部材6側の左右の突起 65がキャップ2側の細溝状の凹部82,82に嵌め込まれてヒンジが形成され ている。また、押え部材6には、正面視形状が左右対称な円弧形状の重なり部6 2が設けられており、さらに、その重なり部62の周方向の両端部のそれぞれに 爪片63,63が連設されている。これに対し、キャップ2側には、孔部でなる 係合部29,29が設けられている。そして、重なり部62が球体5に重ね合わ され、爪片63,63が係合部29,29に係合されている。ここで説明した押 え部材6は、図12で説明した押え部材6に相応するものであり、重なり部62 の球体5に対する重なり幅も図12で説明したところと同じ幅になっている。
【0032】 なお、球関節4にあっては、球体5の回転を滑らかに行わせることと、内容物 の漏洩を防ぐことのために設けられたOリングなどの円環状シール材7が設けら れている。
【0033】 図2〜図5のように、球体5には、上記した第1貫通路51と共に、第2貫通 路52が形成されている。より具体的には、第1貫通路51が球体5の中心線上 に形成され、第2貫通路52がその第1貫通路51を挟む両側の偏心箇所に1つ ずつ形成されている。しかも、第1貫通路51と第2貫通路52とは互いに直交 する方向に延びている。図5に詳細に示したように、それぞれの第2貫通路52 の先端は径小に絞られた形状の吐出口54を形成している。
【0034】 図7に示したように、球体5に左右一対の突起53,53が同心に設けられて いるのに対し、図6に示したように球面座21には左右一対の凹所28,28が 設けられている。そして、突起53,53が凹所28,28に各別に嵌合されて いて、図5のように突起53,53が押え部材6に係合されている。左右一対の 上記突起53,53は球体5の回転方向をそれらの突起53,53の軸線回りに 規制する回転軸を形成している。このため、球体5の回転方向が突起53,53 の軸線回りに限定されている。
【0035】 このスプレー装置において、球体5の回転を通じてノズル3が図1及び図2の ように下向きに格納されたときには、第1貫通路51が内容物噴出路23に対し て遮断位置に変位される。また、第2貫通路52は、ノズル3が格納されている ときに内容物噴出路23に連通し、ノズル3が前向きに突出されたときに内容物 噴出路23から遮断されるようになっている。
【0036】 このため、図1及び図2のようにノズル3が下向きに格納されているときには 、内容物噴出路23に残っている加圧用ガスの圧力が第2貫通路52を通じて外 部に逃がされる。したがって、内容物噴出路23の圧力で球体5が押圧されて球 面座21から押し出されるという事態は起こり得ない。また、第2貫通路52が 内容物噴出路23に連通しているときに、操作ボタン22を押して導通管11の 管路を手動操作により開くと、その導通管11や内容物噴出路23を通って出て きた内容物が2つの第2貫通路52の吐出口54から広い範囲に噴射される。
【0037】 また、球体5に突設された左右一対の突起53,53が押え部材6に係合して いるので、押え部材6の重なり部62と球体5との重なり部分だけによっては球 体5の押出しを阻止できない程度の大きな圧力が球体5に加わっても、球体5が 球面座21から押し出されるといった事態は起こらない。この点は、図9(B) に示した比較例としてのスプレー装置の押え部材6の重なり部62と球体5との 重なり部分C2よりも、図9(A)に示した実施形態のスプレー装置の球体5の 突起53,53と押え部材6との重なり部分C1が大きくなることから明らかで ある。なお、押え部材6の重なり部62と球体5との重なり部分C2だけによっ ては球体5の押出しを阻止できない程度の大きな圧力が球体5に加わるのは、た とえば、ノズル3又は吐出口54から内容物を噴出させた後に球体5が回転され て、図3のように第1貫通路51や第2貫通路52のいずれもが内容物噴出路2 3に連通していない状態になったときなどである。
【0038】
【考案の効果】
本考案によれば、キャップに設けた押え部材と球体に設けた左右一対の突起と の作用により、押え部材の重なり部の球体に対する重なり幅を大きくすることな く、球体の第1貫通路や第2貫通路を遮断位置にして内容物噴出路の出口を閉じ たときでも、内容物噴出路に残っている高圧ガスの圧力で押された球体が上記重 なり部を乗り越えて脱落してしまうという事態が起こらない。また、第2貫通路 の作用により、ノズルを下向きに格納したときに内容物噴出路に残っている加圧 用ガスが外部へ逃がされて球体に大きな圧力が加わらなくなるようにすることが でき、その場合も、内容物噴出路に残っている高圧ガスの圧力で押された球体が 上記重なり部を乗り越えて脱落してしまうという事態が起こらない。さらに、本 考案によれば、細管状のノズルと第2貫通路に具備された2つの吐出口の作用に より、内容物の噴霧範囲を、ノズルを用いた狭い範囲とそれよりも広い範囲に所 望に応じて選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のスプレー装置を備えたキャップの正面
図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】球体が初期位置から回転された状態を例示した
図1のII−II線に相応する断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図4の要部を拡大した断面図である。
【図6】キャップの正面図である。
【図7】球体やノズルなどを示した概略斜視図である。
【図8】押え部材の概略斜視図である。
【図9】(A)は本考案のスプレー装置の作用説明図、
(B)は比較例のスプレー装置の作用説明図である。
【図10】(A)は従来のスプレー装置のノズルが突出
した状態を示す縦断面図、(B)は同スプレー装置のノ
ズルを格納した状態を示す縦断面図である。
【図11】従来のスプレー装置の球関節の構造を示す縦
断面図である。
【図12】比較例のスプレー装置の断面図である。
【符号の説明】
1 エアゾール容器 2 キャップ 3 ノズル 4 球関節 5 球体 6 押え部材 11 導通管 21 球面座 23 内容物噴出路 23a 出口 24 球面座の開口縁部 28 凹所 51 第1貫通路 52 第2貫通路 53 突起 54 吐出口 62 重なり部

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細管状のノズルの根元に設けられてその
    ノズルに連通する第1貫通路を備えた球体が、エアゾー
    ル容器のキャップに具備されている内容物噴出路の出口
    に設けられた合成樹脂製の球面座に摺動回転自在に保持
    されて球関節が形成され、この球関節での上記球体の回
    転を通じて上記第1貫通路が上記内容物噴出路に対する
    連通位置と遮断位置との間で変位可能になっているエア
    ゾール容器のスプレー装置において、 上記キャップに、上記球面座の開口縁部よりも上記球体
    の中心側に偏った箇所でその球体に重なる重なり部を備
    えた押え部材が設けられていると共に、上記球体に左右
    一対の突起が設けられ、これらの突起が、上記球面座に
    設けられた左右一対の凹所に各別に嵌合されて上記押え
    部材に係合されていることを特徴とするエアゾール容器
    のスプレー装置。
  2. 【請求項2】 上記球関節を正面から見たときの上記球
    体と上記球面座の開口縁部との重なり幅が、上記球面座
    の開口縁部を乗り越えて上記球体を上記球面座に押込み
    嵌合させることのできる寸法に定められている請求項1
    に記載したエアゾール容器のスプレー装置。
  3. 【請求項3】 細管状のノズルの根元に設けられてその
    ノズルに連通する第1貫通路を備えた球体が、エアゾー
    ル容器のキャップに具備されている内容物噴出路の出口
    に設けられた合成樹脂製の球面座に摺動回転自在に保持
    されて球関節が形成され、この球関節での上記球体の回
    転を通じて上記第1貫通路が上記内容物噴出路に対する
    連通位置と遮断位置との間で変位可能になっているエア
    ゾール容器のスプレー装置において、 上記第1貫通路が上記遮断位置に位置しているときに上
    記内容物噴出路に連通し、かつ、上記第1貫通路が上記
    連通位置に位置しているときに上記内容物噴出路から遮
    断される第2貫通路が上記球体に設けられていることを
    特徴とするエアゾール容器のスプレー装置。
  4. 【請求項4】 上記キャップに、上記球面座の開口縁部
    よりも上記球体の中心側に偏った箇所でその球体に重な
    る重なり部を備えた押え部材が設けられていると共に、
    上記球体に左右一対の突起が設けられ、これらの突起
    が、上記球面座に設けられた左右一対の凹所に各別に嵌
    合されて上記押え部材に係合されている請求項3に記載
    したエアゾール容器のスプレー装置。
  5. 【請求項5】 エアゾール容器側に手動操作により管路
    が開閉される導通管が設けられ、この導通管に上記内容
    物噴出路が連通されており、 上記第1貫通路は、上記球体の回転を通じて上記ノズル
    が下向きに格納されたときに上記遮断位置に変位される
    ようになっており、 上記第2貫通路は、上記ノズルが格納されているときに
    上記内容物噴出路に連通し、かつ、上記球体の回転を通
    じて上記ノズルが前向きに突出されたときに上記内容物
    噴出路から遮断されるようになっている請求項3又は請
    求項4に記載したエアゾール容器のスプレー装置。
  6. 【請求項6】 上記第1貫通路と上記第2貫通路とが互
    いに直交する方向に延びており、かつ、上記第1貫通路
    が上記球体の中心線上に形成され、上記第2貫通路が上
    記球体の偏心箇所に形成されている請求項3ないし請求
    項5のいずれかに記載したエアゾール容器のスプレー装
    置。
  7. 【請求項7】 上記第2貫通路が上記球体の偏心箇所で
    開口する2つの吐出口を有している請求項3ないし請求
    項6のいずれかに記載したエアゾール容器のスプレー装
    置。
  8. 【請求項8】 左右一対の上記突起が、上記球体の回転
    方向をそれらの突起の軸線回りに規制する回転軸を形成
    している請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請
    求項6、請求項7のいずれかに記載したエアゾール容器
    のスプレー装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004109220A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 光学的視察装置
JP2014234186A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社吉野工業所 エアゾール容器用ノズル及び吐出具
KR102624603B1 (ko) * 2023-01-05 2024-01-12 남방씨.엔.에이 주식회사 에어로졸 용기용 일체형 분무 캡 조립체

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