JP6678074B2 - 吐出器 - Google Patents

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本発明は、吐出器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、容器本体の口部に装着される有頂筒状の装着キャップと、装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有するポンプと、ステムの上端部に装着されると共に吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備えた吐出器が知られている。
上記ポンプは、ステムに連係して上下動するピストンと、ピストンが上下摺動可能に嵌合されたシリンダと、シリンダの下端開口を開閉する下部弁体と、を主に備えている。
このように構成された吐出器では、押下ヘッドの押下によりステムを下方に移動させることで、シリンダに対してピストンを下降させることができる。これにより、シリンダ内の内容物をステム内に流入させた後、吐出孔を通じて外部に吐出することができる。
特開2012−232228号公報
しかしながら、上記従来の吐出器では、押下ヘッドの押下時に内容物が吐出されるので、例えば手の平に内容物を吐出する場合には、片手(押下ヘッドを押下している手とは反対の手)で内容物を受け取ることになり、両手で受け取ることが難しかった。
また、何らかの理由によって片手が塞がっている場合(子供を抱いている場合等)には、もう一方の片手で押下ヘッドを押下できたとしても、吐出された内容物をその手で受け取ることが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吐出された内容物を両手で受け取ることができるうえ、内容物の吐出操作、及び吐出された内容物の受け取りを片手だけで行うことができる吐出器を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る吐出器は、内容物が収容される容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、前記ステムを上下動可能に収容すると共に前記ステム内に連通し、前記ステムの下方移動に伴う前記ステムからの内容物を貯留する貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内に連通し、且つ内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズル筒と、前記ステムに連係して上下動すると共に、前記貯留シリンダ内に上下摺動可能に配設された吐出ピストンと、前記ステムに連係して上下動する押下ヘッドと、前記押下ヘッドを最下降位置に保持する保持部と、を備え、前記保持部は、前記押下ヘッドの上下動に連係する上側係止部と、前記ノズル筒を覆うとともに揺動軸回りに揺動自在に配設された操作部と、前記操作部に設けられるとともに前記上側係止部の下方に配置された下側係止部と、を備え、前記押下ヘッドが最下降位置に向けて下降するときに、前記上側係止部および前記下側係止部が互いに摺接しながら、前記操作部の揺動を伴って前記下側係止部が変位して、前記上側係止部および前記下側係止部が互いに係止することで、前記保持部が前記押下ヘッドの上昇移動を規制し、前記保持部は、前記操作部が操作されて揺動したときに、前記上側係止部および前記下側係止部の係止を解除して前記押下ヘッドの保持を解除する。
本発明によれば、押下ヘッドを押下し、貯留シリンダに対してステムを下方移動させることで、吐出ピストンを貯留シリンダ内で下方移動させることができると共に、ステムからの内容物を貯留シリンダ内に一旦貯留することができる。また、押下ヘッドが最下降位置まで下降したときに、保持部によって押下ヘッドを最下降位置に保持することができる。なおこのとき、上側係止部および下側係止部が互いに摺接しながら、操作部の揺動を伴って下側係止部が変位して、上側係止部および下側係止部が互いに係止する。
その後、操作部を操作して揺動させ、上側係止部および下側係止部の係止を解除して保持部による押下ヘッドの保持を解除すると、ステムは上方付勢力によって上方に復元移動する。そのため、吐出ピストンは、ステムの復元移動に伴って貯留シリンダ内を上方移動し、貯留シリンダ内に貯留された内容物を貯留シリンダ内から押し出すようにノズル筒内に供給する。これにより、吐出孔を通じて内容物を外部に吐出することができる。
このように、貯留シリンダ内に内容物を一旦貯留できるので、押下げ操作等によってステムを下方移動させたときに内容物が吐出されることを防止でき、その後、ステムを上方に復元移動させたときに内容物を吐出させることができる。
従って、吐出された内容物を、片手だけでなく両手で受け取ることができる。さらに、例えば片手が何等かの理由で塞がっている場合(例えば子供を抱いている場合や、荷物を持っている場合等)であっても、もう一方の片手だけで、内容物の吐出操作及び吐出された内容物の受け取りを行うことができる。従って、非常に使い易く、利便性を向上することができる。
しかも、内容物が貯留シリンダ内に一旦貯留され、押下ヘッドが最下降位置まで下降したときに、保持部によって押下ヘッドを最下降位置に保持することができる。よって、押下ヘッドの押下を解除して押下ヘッドから手を離したときに、押下ヘッドおよびステムが上昇して内容物が吐出されるのを防ぐことができる。従って、押下ヘッドから離した手をノズル筒に接近させた後に操作部を操作し、押下ヘッドおよびステムを上昇させて内容物を吐出させることができる。また、例えば吐出終了後、次回の吐出のために押下ヘッドを下降させて保持部によって押下ヘッドを最下降位置に保持することで、次回の吐出を円滑に実施することもできる。従って、利便性を更に向上することができる。
また、押下ヘッドが最下降位置に向けて下降するときに、上側係止部および下側係止部が互いに摺接しながら、操作部の揺動を伴って下側係止部が変位して、上側係止部および下側係止部が互いに係止することで、保持部が押下ヘッドの上昇移動を規制する。従って、押下ヘッドが最下降位置に向けて下降させる作業を実施することにより、保持部によって押下ヘッドを最下降位置に保持することができる。これにより、利便性を更に一層向上することができる。
さらに、操作部がノズル筒を覆うので、吐出器がかさばることを抑え、吐出器のコンパクト化を図ることができる。
前記ノズル筒および前記操作部は、前記貯留シリンダ側から前方に向けて延び、前記操作部の前端部は、前記揺動軸よりも前方に配置されてもよい。
この場合には、ノズル筒および操作部が、貯留シリンダ側から前方に向けて延び、かつ操作部の前端部が、揺動軸よりも前方に配置されている。従って、操作部の前端部を手で上下動させて操作部が揺動するように操作部を操作して、保持部による押下ヘッドの保持を解除した直後、その手をノズル筒に接近させておくことができる。これにより、利便性を更に向上することができる。
前記操作部の前端部は、前記吐出孔よりも下方に配置されてもよい。
この場合には、操作部の前端部が、吐出孔よりも下方に配置される。従って、操作部の前端部を手で操作して保持部による押下ヘッドの保持を解除した直後、その手を吐出孔の下方に位置させておくことができる。これにより、利便性を更に向上することができる。
前記下側係止部は、前記揺動軸よりも後方で、かつ上方に配置されてもよい。
この場合には、下側係止部が、揺動軸よりも後方で、かつ上方に配置されている。従って、操作部の前端部を上方に移動させることで、下側係止部を後方かつ下方に移動させることができる。よって、上側係止部および下側係止部が互いに係止している状態で、操作部の前端部を上方に移動させることで、下側係止部を上側係止部から容易に離脱させることができる。
内部が前記ステム内に連通した液用シリンダと、前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、を備えてもよい。
この場合には、貯留シリンダに対してステムを下方移動させると、ステムに連係して液用ピストンが液用シリンダ内を下方移動する。これにより、液用シリンダ内の内容物を、ステム内を通じて貯留シリンダ内に供給することができる。従って、一度の吐出操作で吐出される内容物の吐出量を、液用シリンダの内容積で規定し易く、例えば決まった量の内容物を吐出することが可能となる。
前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記液用シリンダの内容積のうち前記液用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされていてもよい。
この場合には、ステムを下方移動させた際、貯留シリンダの内容積を超える量の内容物が貯留シリンダ内に供給されることを防止することができる。従って、ステムの下方移動時に、貯留シリンダ内に内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ内からノズル筒内に内容物が流入し難い。そのため、ステムの下方移動時に、内容物が吐出孔から漏れることを効果的に防止し易い。
本発明に係る吐出器によれば、吐出された内容物を両手で受け取ることができるうえ、内容物の吐出操作、及び吐出された内容物の受け取りを片手だけで行うことができる。
本発明に係る吐出器の一実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から最下降位置まで下方移動させ、貯留シリンダ内に内容物を貯留した状態を示す縦断面図である。 図2に示す吐出器の正面図である。 図2に示す吐出器のA−A矢視断面図である。
以下、本発明に係る吐出器の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1から図4に示すように、本実施形態の吐出器1は、内容物が収容される容器本体Aの口部A1に装着される装着キャップ2と、容器本体Aの口部A1に上方付勢状態で下方移動可能に配設される筒状のステム3を有するポンプ(吐出機構)4と、ステム3に連係して上下動する押下ヘッド5と、を備えている。
なお、本実施形態では、吐出器1が装着される容器本体Aにおける横断面の中央を通る中心軸を軸線Oといい、軸線Oに沿った押下ヘッド5側を上方、その反対側を下方という。また、軸線O方向から見た平面視で軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
装着キャップ2は、環状の天壁部を有する有頂筒状に形成され、軸線Oと同軸に配置されると共に容器本体Aの口部A1に螺着されている。
なお、装着キャップ2の装着方法は、螺着に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により容器本体Aの口部A1に装着されても構わない。
天壁部は、後述する液用シリンダ14のフランジ部41上に配置され、液用シリンダ14の上方への抜けを防止している。
ポンプ4は、上記ステム3と、ステム3を上下動可能に収容すると共にステム3内に連通し、ステム3の下方移動に伴うステム3からの内容物を貯留する貯留シリンダ10と、貯留シリンダ10内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔11が形成されたノズル筒12と、貯留シリンダ10内に上下摺動可能に配設された吐出ピストン13と、ステム3を上下動可能に収容すると共にステム3内に連通した液用シリンダ14と、ステム3に連係して上下動すると共に液用シリンダ14内に上下摺動可能に配設された液用ピストン15と、を備えている。
貯留シリンダ10は、軸線Oと同軸に配設された筒状に形成され、装着キャップ2と一体に形成されている。
貯留シリンダ10は、装着キャップ2における天壁部の内周縁部から上方に向けて延びた貯留筒部20と、貯留筒部20よりも上方に配置され、且つ貯留筒部20よりも径が小さいガイド筒部21と、貯留筒部20の上端部とガイド筒部21の下端部とを接続する環状の頂壁部22と、頂壁部22に立設されてガイド筒部21を径方向の外側から囲繞する囲繞筒部27と、を備えている。
貯留筒部20と装着キャップ2の天壁部との接続部分には、貯留筒部20の内部と外部とを連通する第1空気孔23が形成されている。ガイド筒部21は、内径がステム3の内径よりも小さくなるように形成され、その内側には押下ヘッド5の後述する連係筒部71が上下動可能に挿通されている。
ガイド筒部21と頂壁部22との接続部分には、連係筒部71の外周面に摺接する環状のシール部24が下方に向けて突設されている。これにより、連係筒部71とシール部24との間は密にシールされている。
ノズル筒12は、貯留シリンダ10側から前方に向けて延びている。以下では、径方向のうち、ノズル筒12が貯留シリンダ10から延びる方向を前方、その逆方向を後方とし、軸線O方向および前後方向に直交する方向を左右方向とする。
ノズル筒12は、貯留シリンダ10のガイド筒部21に一体に形成された第1ノズル筒30と、第1ノズル筒30に連結された第2ノズル筒31と、第2ノズル筒31に連結された第3ノズル筒32と、を備え、貯留シリンダ10に連結されている。
第1ノズル筒30は、ガイド筒部21の外周面から径方向外側に向けて延びて囲繞筒部27を貫通するように形成され、その一部は頂壁部22に一体に形成されている。頂壁部22のうち第1ノズル筒30と一体に形成された部分には、頂壁部22を上下に貫通する貫通孔25が形成されている。これにより、貯留筒部20内と第1ノズル筒30内とは、貫通孔25を通じて連通している。
第1ノズル筒30は、装着キャップ2よりも径方向外側に突出しており、その先端部側は第1ノズル筒30の他の部分よりも外径が小さい小径筒部30aとされている。
第2ノズル筒31は、第1ノズル筒30の小径筒部30aに外嵌されると共に、中間部分が前方斜め下方に向けて折曲されている。第2ノズル筒31の先端部側は、第2ノズル筒31の他の部分よりも外径が小さい小径筒部31aとされている。
第3ノズル筒32は、第2ノズル筒31の小径筒部31aに外嵌されると共に、その先端には吐出孔11が形成されている。図示の例では、吐出孔11は縦断面視テーパー状に形成され、下方に向けて開口している。
第2ノズル筒31内及び第3ノズル筒32内には、軸線O方向に延びた円柱状の芯体33が配設されている。芯体33は、その外径が第2ノズル筒31及び第3ノズル筒32の内径よりも小さく形成されていると共に、吐出孔11との間に若干の隙間をあけて配設されている。これにより、内容物は、芯体33の外周面と、第2ノズル筒31及び第3ノズル筒32の内周面との間を流れ、吐出孔11から外部に吐出される。
なお、図示の例では、ノズル筒12は側面視L字状に形成されているが、この場合に限定されるものではなく、例えば貯留シリンダ10から径方向外側に向けて延びたストレート状に形成されていても構わない。また、芯体33の先端部に有頂筒状のノズルチップを装着し、内容物を例えば霧状に吐出させても構わない。
液用シリンダ14は、筒状に形成され、容器本体Aの口部A1の内側に軸線Oと同軸に配設されている。液用シリンダ14は、パッキン40を介して容器本体Aの口部A1の上方開口端上に配置された環状のフランジ部41と、フランジ部41の内周縁部から下方に向けて延びた直筒部42と、直筒部42の下端部からさらに下方に向けて延びた吸込み筒部43と、を備えている。
直筒部42には、フランジ部41よりも下方に位置する部分に、直筒部42を径方向に貫通する第2空気孔44が形成されている。これにより、容器本体A内と液用シリンダ14内とは、第2空気孔44を通じて連通している。
直筒部42と吸込み筒部43との接続部分には、径方向内側に向けて突設された環状の下弁座部45が形成されている。下弁座部45の内側は、液用シリンダ14内と容器本体A内とを連通させる連通孔46とされている。
吸込み筒部43の内側には、容器本体A内の内容物を吸い上げるチューブ体47が嵌合されている。チューブ体47は、例えば容器本体Aの底部付近まで延び、上端部が下弁座部45に対して下方から接触している。
直筒部42内には、連通孔46を開閉する下部弁体50が配設されている。下部弁体50は、液用シリンダ14内の加圧時に連通孔46を閉塞した状態に維持し、且つ液用シリンダ14内の減圧時に連通孔46を開放する逆止弁とされている。
下部弁体50は、連通孔46を開閉する弁本体51と、下弁座部45上に配設され、弁本体51を支持する支持筒部52と、弁本体51の上方に配置されると共に支持筒部52の上端部に連結された支持軸部53と、を備えている。
支持筒部52は、軸線Oと同軸に配置され、直筒部42の内側に嵌合されている。
弁本体51は、軸線Oと同軸に配置された平面視円板状に形成され、下弁座部45に対して上方に離反可能に着座して連通孔46を閉塞する下弁体54と、下弁体54と支持筒部52との間に周方向に間隔をあけて配設され、支持筒部52に対して下弁体54を軸線O方向に弾性変位可能に支持する複数の弾性支持片55と、を備えている。
弾性支持片55は、内端部が下弁体54の外周縁部に一体に接続され、且つ外端部が支持筒部52の内周面に一体に接続されている。なお、弁本体51は、弾性支持片55を例えば3つ具備する3点弁とされている。
支持軸部53は、例えば平面視十字状に形成されている。これにより、支持筒部52内の空間と、液用シリンダ14内において支持軸部53よりも上方に位置する空間と、は互いに連通している。支持軸部53には、ステム3を上方に付勢するコイルばね56が外挿されている。
ステム3は、貯留シリンダ10内及び液用シリンダ14内に軸線Oと同軸に配設されている。ステム3は、コイルばね56からのばね力(付勢力)を受けて上方付勢されていると共に、押下ヘッド5の押し下げ操作に伴って下方移動可能に配設されている。ステム3は、貯留筒部20の内径及び直筒部42の内径よりも外径が小さく、且つ後述する連係筒部71の外径よりも内径が大きい筒状に形成されている。ステム3の内部は、貯留シリンダ10内及び液用シリンダ14内に連通している。
吐出ピストン13は、ステム3に一体的に形成されている。吐出ピストン13は、貯留筒部20の内周面に対して上下摺動可能に接した吐出筒部57と、ステム3の上端部から径方向外側に向かって突設され、吐出筒部57に連結された環状の連結部58と、を備えている。
吐出筒部57は、上端部が連結部58との接続部分から上方に向かうに従い漸次拡径し、且つ下端部が連結部58との接続部分から下方に向かうに従い漸次拡径している。これにより、吐出ピストン13は、貯留筒部20の内周面に対して、その全周に亘って密に摺接している。
貯留シリンダ10の頂壁部22には、下方に向けて突出した規制片59が周方向に間隔をあけて複数形成されている。そして、吐出ピストン13の連結部58は、規制片59に対して下方から接触している。これにより、吐出ピストン13及びステム3は、それ以上の上方移動が規制され、図1に示すように最上昇位置が位置決めされる。
吐出ピストン13は、上述のようにステム3に一体的に形成されているので、ステム3に連係して上下動する。従って、ステム3と共に吐出ピストン13が下方移動すると、図2に示すように貯留シリンダ10内には吐出ピストン13の上方に位置するように貯留空間Sが画成される。これにより、貯留空間Sを利用して、ステム3からの内容物を貯留シリンダ10内に貯留することが可能となる。
なお、吐出ピストン13は、ステム3と共に上方に復元移動すると、貯留空間S内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すように、貫通孔25を通じてノズル筒12内に移送させる。
液用ピストン15は、図1に示すように、軸線Oと同軸に配設されると共に、液用シリンダ14の直筒部42内に上下摺動可能に配設されている。
液用ピストン15は、直筒部42の内周面に対して上下摺動可能に接した液筒部60と、ステム3の内側に嵌合され、その下端部が液筒部60に連結された連結筒部61と、を備えている。
連結筒部61は、ステム3よりも下方に延びており、その下端部における外周面が液筒部60における上下方向の中間部分に連結されている。
連結筒部61の上方開口端は、後述する連係筒部71の下方開口端よりも下方に位置し、且つ連係筒部71の下方開口端に対して隙間をあけて対向配置されている。なお、連結筒部61の下方開口端は上弁座部62として機能する。
液筒部60は、上端部が連結筒部61との接続部分から上方に向かうに従い漸次拡径し、且つ下端部が連結筒部61との接続部分から下方に向かうに従い漸次拡径している。これにより、吐出ピストン13は、直筒部42の内周面に対して、その全周に亘って密に摺接している。
液用ピストン15は、上述のように連結筒部61がステム3に嵌合されているので、ステム3に連係して上下動する。従って、ステム3と共に液用ピストン15が下方移動することで液用シリンダ14内を加圧することができると共に、液用シリンダ14内に吸い上げられている内容物を、ステム3内を通じて貯留シリンダ10側に移送させることができる。
なお、液筒部60は、図1に示すように、ステム3が最上昇位置に位置しているときに、直筒部42に形成された第2空気孔44を径方向内側から閉塞し、図2に示すようにステム3に伴って液用ピストン15が下方移動したときに、第2空気孔44を開放させる。これにより、ステム3が下降移動してから元の位置(最上昇位置)に復元移動するまでの間、容器本体A内は第2空気孔44及び第1空気孔23を通じて外部に連通する。
図1に示すように、液用ピストン15内には、上部弁体65が軸線Oと同軸に配置された状態で上下動可能に配設されている。
上部弁体65は、連結筒部61の上弁座部62に対して下方から着座する平面視円形状の上弁体66と、上弁体66から上方に向けて延び、連結筒部61内に下方から挿通された挿入筒部67と、を備えている。
挿入筒部67は、連結筒部61よりも上方に突出していると共に、連結筒部61の内径よりも外径が小さく形成されている。そのため、挿入筒部67と連結筒部61との間には、環状の第1流通路R1が形成されている。
上弁体66は、液筒部60の内側に上下摺動可能に配設されていると共に、上弁座部62に対して下方に離反可能に着座している。上弁体66の外周縁部の一部には、上弁体66を軸線O方向に貫通する流通孔68が形成されている。
上弁体66の中央部分には、下方に向けて突出した支持壁69が形成されている。なお、支持壁69は平面視十字状となるように形成されている。
上部弁体65と下部弁体50との間には、コイルばね56が圧縮状態で配設されている。コイルばね56は、下端部側が下部弁体50の支持軸部53に外挿され、且つ上端部側が支持壁69に外挿されており、上部弁体65と下部弁体50とを軸線O方向に互いに離間させるように付勢している。
これにより、上部弁体65はコイルばね56によって上方に付勢され、上弁体66は上弁座部62に対して押し付けられた状態で着座している。
そのため、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とは、上弁体66によって連通が遮断されている。一方、図2に示すように、コイルばね56のばね力(付勢力)に抗して上部弁体65が下方移動した場合には、上弁体66が上弁座部62から下方に離間するので、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とが流通孔68を通じて連通する。
このように、上部弁体65は、コイルばね56のばね力を利用して第1流通路R1内と液用シリンダ14内とを遮断し、且つ押下ヘッド5の押し下げ操作に伴う下方移動によって、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とを連通させる。
図1に示すように、押下ヘッド5は、表裏面が軸線O方向を向く板状のヘッド部70と、ヘッド部70から下方に向けて延びると共に、貯留シリンダ10のガイド筒部21内に上方から挿入された連係筒部71と、を備えている。
ヘッド部70は、貯留シリンダ10の上方に、貯留シリンダ10から一定の間隔(ストローク)をあけて配置されている。これにより、押下ヘッド5は一定のストローク分、押下げ操作可能とされている。
連係筒部71は、ガイド筒部21に上下動可能に支持されていると共に、ステム3内にも挿入されている。連係筒部71の下端部は上部弁体65の挿入筒部67に外嵌されている。これにより、連係筒部71及び上部弁体65は一体に連結され、上部弁体65は押下ヘッド5に伴って上下動可能とされている。
先に述べたように、ステム3の内径は連係筒部71の外径よりも大きいので、連係筒部71とステム3との間には環状の第2流通路R2が形成されている。そして、連係筒部71の下方開口端と、液用ピストン15における連結筒部61の上方開口端との間には隙間が形成されている。これにより、第1流通路R1と第2流通路R2とは、この隙間を通じて互いに連通している。
連係筒部71の下方開口端には、下方に向けて突出すると共に周方向に間隔をあけて配置された複数の突起片72が形成されている。そのため、押下ヘッド5の押し下げによって連係筒部71が下方移動しはじめると、図2に示すように突起片72が連結筒部61の上方開口端に上方から接触する。
なお、この場合であっても、第1流通路R1と第2流通路R2とは、周方向に隣り合う突起片72同士の間を通じて互いに連通している。
また、上部弁体65は連係筒部71と共に下方移動するので、突起片72が連結筒部61の上方開口端に接触した際、上弁体66が上弁座部62から下方に向けて離反する。これにより、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とが流通孔68を通じて連通する。そのため、液用シリンダ14内は、第1流通路R1内及び第2流通路R2内を通じて貯留シリンダ10内に連通する。
さらに、突起片72が連結筒部61の上方開口端に接触した後、押下ヘッド5の押し下げによって連係筒部71がさらに下方移動すると、突起片72によって液用ピストン15も押し下げられ、液用ピストン15及びステム3が、押下ヘッド5及び上部弁体65と一体となって下方移動する。
そのため、液用ピストン15が液用シリンダ14内を下方移動し、液用シリンダ14の内容積が減少して内圧が上昇する(加圧される)。従って、下部弁体50が連通孔46を閉塞するので、液用シリンダ14内の内容物を、第1流通路R1内及び第2流通路R2内を通じて貯留シリンダ10側に供給することが可能となる。
なお、貯留シリンダ10における貯留空間Sの内容積のうち、吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積は、液用シリンダ14の内容積のうち液用ピストン15の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積となるように設定されている。
具体的には、例えば貯留筒部20の外径や、貯留筒部20の長さ(軸線O方向に沿った長さ)を変更することで、貯留シリンダ10の内容積の調整を行うことが可能である。
そして本実施形態では、吐出器1は、保持部6と、付勢部材7と、を更に備えている。
保持部6は、押下ヘッド5を、図2に示すような最下降位置に保持する。図1から図4に示すように、保持部6は、押下ヘッド5の上下動に連係する上側係止部81と、ノズル筒12を覆うとともに揺動軸L回りに揺動自在に配設された操作部82と、操作部82に設けられるとともに上側係止部81の下方に配置された下側係止部83と、を備えている。
上側係止部81は、連係筒部71から径方向の外側に向けて突出している。上側係止部81は、周方向の全周にわたって設けられている。上側係止部81の下端部には、上ガイド面81aが設けられている。上ガイド面81aは、径方向の外側(後方)に向かうに従い漸次、上方に向けて傾斜している。
操作部82は、押下ヘッド5の上下動に非連係である。操作部82は、貯留シリンダ10、ノズル筒12および装着キャップ2のうちの少なくとも1つに連結されている。本実施形態では、操作部82は、貯留シリンダ10に連結されていて、貯留シリンダ10側から前方に向けて延びている。
操作部82は、貯留シリンダ10に軸部80を介して連結されている。軸部80は、押下ヘッド5の上下動に非連係である。軸部80は、貯留シリンダ10から左右方向に突出している。軸部80は、囲繞筒部27から左右方向の外側に突出している。軸部80は、貯留シリンダ10を挟んで左右方向に一対設けられている。左右一対の軸部80の両中心軸上には、前記揺動軸Lが位置している。
操作部82は、装着部84と、カバー部85と、を備えている。
装着部84は、軸部80に装着される。装着部84は、後端部が切り欠かれた有頂筒状に形成されている。装着部84は、平面視において後方に向けてC字状に開口する頂壁リング部86と、頂壁リング部86の外周縁から下方に向けて延びる周壁部87と、を備えている。周壁部87は、貯留シリンダ10の上端部(囲繞筒部27)を径方向の外側(前方および左右方向の外側)から覆っている。
周壁部87には、挿通孔88と、軸孔89と、ガイド溝90と、が形成されている。
挿通孔88には、ノズル筒12が挿通されている。挿通孔88は、周壁部87の前端部に形成されている。挿通孔88は、周壁部87を前後方向に貫通する。挿通孔88は、周壁部87の下端部から下方に向けて開口している。
軸孔89には、軸部80が揺動軸L回りに回転自在に嵌合されている。軸孔89は、周壁部87において左右方向に対向し合う各部分に一対形成されている。軸孔89は、互いに同軸に配置されている。
ガイド溝90は、軸部80が軸孔89に嵌合されることを案内する。ガイド溝90は、周壁部87の内周面に形成されている。ガイド溝90は、軸孔89から下方に向けて延びている。ガイド溝90は、周壁部87の下端部から下方に向けて開口している。
装着部84が軸部80に装着されるときには、ガイド溝90の下端開口部を通して軸部80をガイド溝90内に挿入し、軸部80をガイド溝90内で上方に向けてスライド移動させて軸孔89内に嵌合させる。またこのとき、挿通孔88の下端開口部を通してノズル筒12を挿通孔88内に挿入する。
カバー部85は、装着部84から前方に向けて延びている。カバー部85は、周壁部87における挿通孔88の開口周縁部から前方に向けて延びている。カバー部85内には、ノズル筒12が収容されている。カバー部85は、ノズル筒12を上方、前方および側方から覆っている。カバー部85は、ノズル筒12を下方に向けて露出されている。
カバー部85は、ノズル筒12を上方から覆う天壁部91と、ノズル筒12を前方から覆う前壁部92と、ノズル筒12を側方から覆う側壁部93と、を備えている。なお図示の例では、天壁部91の下面、前壁部92の後面、側壁部93の側面が、いずれもノズル筒12の外面に当接しているが、例えば、これらの一部(例えば天壁部91の下面)のみがノズル筒12に当接する構成を採用する等してもよい。
天壁部91は、装着部84から前方に向けて延びている。天壁部91の前端部は、ノズル筒12の折曲部分(屈曲部分)上に位置している。前壁部92は、天壁部91の前端部から前方斜め下方に向けて延びている。前壁部92の下端部は、第3ノズル筒32の下端部よりも下方に位置し、吐出孔11よりも下方に位置している。
側壁部93は、ノズル筒12を左右方向に挟み込んで一対配置されている。側壁部93は、後側に位置する第1側壁94と、前側に位置する第2側壁95と、を備えている。第1側壁94は、天壁部91から下方に向けて延びている。第1側壁94は、ノズル筒12において、前記屈曲部分よりも後側に位置する部分を側方から覆っている。第2側壁95は、前壁部92から後方に向けて延びている。第2側壁95は、ノズル筒12において、前記屈曲部分よりも下側に位置する部分を側方から覆っている。
前記操作部82の前端部は、前壁部92の下端部および第2側壁95の下端部によって形成されている。操作部82の前端部は、揺動軸Lよりも前方に配置され、吐出孔11よりも下方に配置されている。
操作部82は、人の手により押圧可能に形成されている。本実施形態では、操作部82の前端部は、操作部82の下方から押し上げ可能とされている。
下側係止部83は、押下ヘッド5の上下動に非連係である。下側係止部83は、揺動軸Lよりも後方で、かつ上方に配置されている。下側係止部83は、装着部84に連結されている。下側係止部83は、頂壁リング部86の後端部を左右方向に連結する。本体部97は、連係筒部71の後方に配置されている。
図2に示すように、押下ヘッド5が最下降位置に位置するときに、上側係止部81および下側係止部83が互いに係止することで、保持部6が押下ヘッド5の上昇移動を規制する。これにより、コイルばね56(ステム3)からの上方付勢力に抗して、押下ヘッド5が最下降位置に保持される。
付勢部材7は、操作部82を付勢する。操作部82の前端部が押し上げられて操作部82が揺動軸L回りに揺動したときに、操作部82が付勢部材7によって揺動軸L回りの反対側に向けて付勢される。付勢部材7は、ノズル筒12に設けられている。付勢部材7は、弾性片によって形成されている。付勢部材7は、第1ノズル筒30から上方に向けて延び、頂壁リング部86と連係筒部71との間に配置されている。
(吐出器の使用)
次に、上述した吐出器1を使用する場合について説明する。なお、液用シリンダ14内には容器本体A内から内容物が吸い上げられているものとする。
内容物を吐出する場合には、図2に示すように、ヘッド部70をコイルばね56のばね力に抗するように押下げ操作して、押下ヘッド5全体を下方移動させる。これにより、連係筒部71がガイド筒部21で支持されながら下方移動しはじめるので、突起片72が液用ピストン15の連結筒部61の上方開口端に対して上方から接触する。また、連係筒部71に伴って上部弁体65が下方移動しはじめるので、上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62から下方に離間する。
従って、液用シリンダ14内と第1流通路R1内とが流通孔68を通じて連通した状態となる。
そして、押下ヘッド5のさらなる押下げ操作によって、突起片72が液用ピストン15を押下げるので、押下ヘッド5及び上部弁体65と共に、液用ピストン15及びステム3を同時に下方移動させることができる。この際、上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62から下方に離間した状態を維持したまま、押下ヘッド5、上部弁体65、液用ピストン15及びステム3を下方移動させることができる。
すると、液用シリンダ14内を液用ピストン15が下方移動するので、液用シリンダ14の内容積が徐々に減少して内圧が上昇する(加圧される)。これにより、下部弁体50が連通孔46を閉塞する。また、液用ピストン15が液用シリンダ14内の内容物を押し出すので、内容物を、ステム3内を通じて(具体的には、流通孔68、第1流通路R1及び第2流通路R2を通じて)、貯留シリンダ10側に供給することができる。
これにより、ステム3からの内容物を、貯留空間Sを利用して貯留シリンダ10内に一旦貯留することができる。
なお、押下ヘッド5を例えばストローク分だけ押し下げてステム3を最下降位置まで下降するときに、上側係止部81および下側係止部83が互いに摺接しながら、操作部82の揺動を伴って下側係止部83が弾性変位して、上側係止部81および下側係止部83が互いに係止する。このとき本実施形態では、下側係止部83の上端縁が、上ガイド面81a上を摺動することで、付勢部材7が操作部82によって後方に押し込まれて弾性変形しながら操作部82が揺動軸L回りに揺動し、下側係止部83が後方斜め下方に向けて弾性変位する。そして上側係止部81が下側係止部83を軸線O方向に乗り越えると、付勢部材7が復元変形して操作部82が揺動軸L回りに付勢され、下側係止部83が前方斜め上方に向けて復元変位する。これにより、上側係止部81の上端部と下側係止部83の下端部とが軸線O方向に係止し、保持部6が押下ヘッド5を最下降位置に保持する。
ここで保持部6は、操作部82が操作されて揺動したときに、上側係止部81および下側係止部83の係止を解除して押下ヘッド5の保持を解除する。本実施形態では、操作部82の前端部が押し上げられると、操作部82に連動して下側係止部83が弾性変位することで、上側係止部81と下側係止部83との係止が解除され、押下ヘッド5の保持が解除される。つまり、操作部82の前端部が押し上げられると、操作部82への押圧力によって付勢部材7が弾性変形させられながら操作部82が揺動軸L回りに揺動する。これにより、上側係止部81と下側係止部83との係止が解除され、保持部6による押下ヘッド5の保持が解除される。
保持部6による押下ヘッド5の保持を解除すると、コイルばね56の上方付勢力(弾性復元力)によって、上部弁体65が押し上げられる。そのため、上部弁体65及び押下ヘッド5が上方に復元移動するので、液用シリンダ14及びステム3に対して相対的に上方移動する。
よって、上部弁体65の上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62に対して下方から着座すると共に、連係筒部71の突起片72が液用ピストン15の連結筒部61の上方開口端から上方に離間する。特に、上弁体66が上弁座部62に着座することで、液用シリンダ14内と第1流通路R1内との連通が遮断される。
また、上弁体66が上弁座部62に着座することで、上部弁体65及び押下ヘッド5と共に、液用ピストン15及びステム3が一体となって上方に向けて復元移動する。
そのため、ステム3の復元移動に伴って、吐出ピストン13が貯留シリンダ10内を上方移動するので、貯留シリンダ10内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すように、貫通孔25を通じてノズル筒12内に供給することができる。これにより、吐出孔11を通じて内容物を外部に吐出することができる。
また、液用ピストン15が液用シリンダ14内を上方移動することで、液用シリンダ14内は減圧されて負圧状態となるので、下部弁体50が連通孔46を開放する。これにより、チューブ体47を通じて、容器本体A内の内容物を液用シリンダ14内に吸い上げることができ、次回の吐出に備えることができる。
なお、ステム3及び液用ピストン15が下方移動してから、元の位置に復元移動するまでの間、第2空気孔44が開放されるので、容器本体A内は第2空気孔44及び第1空気孔23を通じて外部に連通する。そのため、容器本体A内の空気置換を行うことができ、容器本体A内から液用シリンダ14内に内容物を吸上げたとしても、容器本体A内が減圧されてしまうことを防止できる。従って、押下ヘッド5のスムーズな復元移動、及び内容物のスムーズな吐出を行うことができる。
上述したように、本実施形態の吐出器1によれば、貯留シリンダ10内に内容物を一旦貯留できるので、押下ヘッド5の押し下げ操作によってステム3を下方移動させたときに内容物が吐出されてしまうことを防止でき、その後、ステム3を上方に復元移動させたときに内容物を吐出させることができる。
従って、吐出された内容物を、片手だけでなく両手で受け取ることができる。さらに、例えば片手が何等かの理由で塞がっている場合(例えば子供を抱いている場合や、荷物を持っている場合等)であっても、もう一方の片手だけで、内容物の吐出操作(すなわち押下ヘッド5の押し下げ操作)及び吐出された内容物の受け取りを行うことができる。そのため、非常に使い易く、利便性を向上することができる。
しかも、内容物が貯留シリンダ10内に一旦貯留され、押下ヘッド5が最下降位置まで下降したときに、保持部6によって押下ヘッド5を最下降位置に保持することができる。よって、押下ヘッド5の押下を解除して押下ヘッド5から手を離したときに、押下ヘッド5およびステム3が上昇して内容物が吐出されるのを防ぐことができる。従って、押下ヘッド5から離した手をノズル筒12に接近させた後に操作部82を操作し、押下ヘッド5およびステム3を上昇させて内容物を吐出させることができる。また、例えば吐出終了後、次回の吐出のために押下ヘッド5を下降させて保持部6によって押下ヘッド5を最下降位置に保持することで、次回の吐出を円滑に実施することもできる。従って、利便性を更に向上することができる。
また、押下ヘッド5が最下降位置に向けて下降するときに、上側係止部81および下側係止部83が互いに摺接しながら、操作部82の揺動を伴って下側係止部83が変位して、上側係止部81および下側係止部83が互いに係止することで、保持部6が押下ヘッド5の上昇移動を規制する。従って、押下ヘッド5が最下降位置に向けて下降させる作業を実施することにより、保持部6によって押下ヘッド5を最下降位置に保持することができる。これにより、利便性を更に一層向上することができる。
さらに、操作部82がノズル筒12を覆うので、吐出器1がかさばることを抑え、吐出器1のコンパクト化を図ることができる。
またノズル筒12および操作部82が、貯留シリンダ10側から前方に向けて延び、かつ操作部82の前端部が、揺動軸Lよりも前方に配置されている。従って、操作部82の前端部を手で上下動させて操作部82が揺動するように操作部82を操作して、保持部6による押下ヘッド5の保持を解除した直後、その手をノズル筒12に接近させておくことができる。これにより、利便性を更に向上することができる。
また、操作部82の前端部が、吐出孔11よりも下方に配置される。従って、操作部82の前端部を手で操作して保持部6による押下ヘッド5の保持を解除した直後、その手を吐出孔11の下方に位置させておくことができる。これにより、利便性を更に向上することができる。
また、本実施形態では、液用シリンダ14及び液用ピストン15を具備しているので、液用シリンダ14内に吸上げた内容物を、貯留シリンダ10内に貯留することができる。
従って、一度の吐出操作で吐出される内容物の量を、液用シリンダ14の内容積で規定し易く、例えば決まった量の内容物を吐出させ易い。
しかも、貯留シリンダ10における貯留空間Sの内容積のうち吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積が、液用シリンダ14の内容積のうち液用ピストン15の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされているので、ステム3を下方移動させた際に、貯留シリンダ10の内容積を超える量の内容物が貯留シリンダ10内に供給されることを防止することができる。
従って、ステム3の下方移動時に、貯留シリンダ10内に内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ10内からノズル筒12内に内容物が流入し難い。そのため、ステム3の下方移動時に、内容物が吐出孔11から漏れることを効果的に防止し易い。
更に、ノズル筒12は固定部材である貯留シリンダ10に一体に連結され、可動部材である押下ヘッド5とは別体構成とされている。そのため、ノズル筒12を動かすことなく使用することができ、決まった位置に固定された吐出孔11から内容物を吐出することができる。従って、吐出された内容物を受け取り易く、使い易さを向上することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、吐出機構として液用シリンダ及び液用ピストンを具備するポンプ機構を採用したが、この場合に限定されるものではない。例えば、容器本体内に内容物が圧縮された状態で充填され、ステムを押し下げることで内容物がステムから噴出するエアゾール機構を採用しても構わない。この場合であっても、貯留シリンダ内にステムからの内容物を一旦貯留できるので、本実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
上記実施形態では、液用シリンダ14に下部弁体50が設けられ、ステム3と共に液用ピストン15が液用シリンダ14内を下方移動したときに、下部弁体50が液用シリンダ14と容器本体Aとの連通を遮断することで液用シリンダ14内が加圧され、これにより、液用シリンダ14内の内容物を貯留シリンダ10に供給している。しかしながら本発明はこれに限られない。例えば、ノズル筒12に開閉弁を設け、貯留シリンダ10内の減圧時に開閉弁が貯留シリンダ10と吐出孔11との連通を遮断し、貯留シリンダ10内の加圧時に下部弁体が貯留シリンダ10と吐出孔11とを連通させる構成を採用してもよい。この場合、ステム3と共に吐出ピストン13が貯留シリンダ10内を下方移動したときに、開閉弁が貯留シリンダ10と吐出孔11との連通を遮断し、貯留シリンダ10内が減圧される。これにより、液用シリンダ14内の内容物を貯留シリンダ10に供給することができる。
上記実施形態では、押下ヘッド5が最下降位置まで下降するときに、下側係止部83が弾性変位して、上側係止部81および下側係止部83が互いに係止する。しかしながら本発明はこれに限られない。例えば、上側係止部81および下側係止部83が互いに係止するときに、下側係止部83が、必ずしも弾性的に変位する必要がなく、弾性復元力を受けることなく変位してもよい。
上記実施形態では、吐出器1が内容物を液状のまま吐出するが、本発明はこれに限られない。例えば、内容物を泡状にして吐出する吐出器に本発明を適用することも可能である。例えば、吐出器が、ステム内に連通した液用シリンダと、ステムに連係して上下動すると共に、液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、ステムの下方移動に伴って液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、ステムに連係する空気用ピストンが内部に上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、を備え、ステムには、液用シリンダから供給される内容物と空気用シリンダから供給される空気とを混合する気液混合室と、気液混合室で混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にした状態で、貯留シリンダ内に供給させる発泡部材と、が設けられた構成に本発明を適用することもできる。
上記実施形態では、吐出孔11が、ノズル筒12の前端部に形成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、吐出孔11が、ノズル筒12の前後方向における中間部に形成されていてもよい。
操作部82の前端部が吐出孔11よりも下方に配置されていなくてもよい。
操作部82の前端部が、揺動軸Lや貯留シリンダ10よりも前方に配置されていなくてもよい。
下側係止部83が、揺動軸Lよりも後方に配置されていなくてもよい。また、下側係止部83が、揺動軸Lよりも上方に配置されていなくてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 吐出器
3 ステム
5 押下ヘッド
6 保持部
10 貯留シリンダ
11 吐出孔
12 ノズル筒
13 吐出ピストン
14 液用シリンダ
15 液用ピストン
81 上側係止部
82 操作部
83 下側係止部
A 容器本体
A1 口部

Claims (6)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、
    前記ステムを上下動可能に収容すると共に前記ステム内に連通し、前記ステムの下方移動に伴う前記ステムからの内容物を貯留する貯留シリンダと、
    前記貯留シリンダ内に連通し、且つ内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズル筒と、
    前記ステムに連係して上下動すると共に、前記貯留シリンダ内に上下摺動可能に配設された吐出ピストンと、
    前記ステムに連係して上下動する押下ヘッドと、
    前記押下ヘッドを最下降位置に保持する保持部と、を備え、
    前記保持部は、前記押下ヘッドの上下動に連係する上側係止部と、前記ノズル筒を覆うとともに揺動軸回りに揺動自在に配設された操作部と、前記操作部に設けられるとともに前記上側係止部の下方に配置された下側係止部と、を備え、
    前記押下ヘッドが最下降位置に向けて下降するときに、前記上側係止部および前記下側係止部が互いに摺接しながら、前記操作部の揺動を伴って前記下側係止部が変位して、前記上側係止部および前記下側係止部が互いに係止することで、前記保持部が前記押下ヘッドの上昇移動を規制し、
    前記保持部は、前記操作部が操作されて揺動したときに、前記上側係止部および前記下側係止部の係止を解除して前記押下ヘッドの保持を解除する吐出器。
  2. 請求項1に記載の吐出器において、
    前記ノズル筒および前記操作部は、前記貯留シリンダ側から前方に向けて延び、
    前記操作部の前端部は、前記揺動軸よりも前方に配置されている吐出器。
  3. 請求項2に記載の吐出器において、
    前記操作部の前端部は、前記吐出孔よりも下方に配置される吐出器。
  4. 請求項2または3に記載の吐出器において、
    前記下側係止部は、前記揺動軸よりも後方で、かつ上方に配置される吐出器。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出器において、
    内部が前記ステム内に連通した液用シリンダと、
    前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、を備える吐出器。
  6. 請求項5に記載の吐出器において、
    前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記液用シリンダの内容積のうち前記液用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされている吐出器。
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