本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器10は、図1に示すように、いわゆるポンプフォーマー容器である泡吐出容器50に取り付けて用いるポンプフォーマーであって、従来のポンプフォーマーと同様に、泡吐出容器50の容器本体51の口首部52に装着されて、内容液を空気と混合することにより泡状にして吐出する機能を備える。すなわち、泡吐出器10は、容器本体51の口首部52に装着されるキャップ部11に取り付けられた、内容液の吸引、加圧、排出を行う液ピストン14,15と、空気の吸引、加圧、排出を行う空気ピストン16とをそれぞれ同心状の直列配置にして組み入れたシリンダ部17を含むポンプ18を有している。そしてキャップ部11の上方に突出するポンプヘッド部12の押し込みによりポンプ18の各ピストン部材14,15,16を作動させ、内容液と空気をそれぞれシリンダ部17内で加圧、排出して、これらをポンプ出側に合流空間として設けた混合室13で混合し、泡状にして吐出口12aから外部に吐出させる。
なお、図1において泡吐出容器50は肉厚の厚みを省略して、模式的に描かれている。
また、本実施形態の泡吐出器10は、以下に詳述する構成を備えていることにより、ポンプヘッド部12を押圧操作した際に、ポンプヘッド部12が下方に押し込まれる往路のみならず(図3参照)、押し込まれたポンプヘッド部12が付勢手段29の作用によって上方に押し戻される復路においても(図5参照)、内容液を空気と混合させて泡状にして吐出させる機能を有している。
そして、本実施形態の泡吐出器10は、図2〜図5に示すように、泡吐出容器50の容器本体51の口首部52(図1参照)にキャップ部11を介して装着され、キャップ部11に対して往復動可能に設けられるポンプヘッド部12を有し、ポンプヘッド部12への押圧操作を行うことにより、混合室13に内容液を送る液流路40a,40b(図3、図5参照)と、混合室13に空気を送る空気流路41a,41b(図3、図5参照)とを開放し、混合室13に送られた内容液を混合室13から吐出口12aに至る発泡流路21において発泡させて吐出するポンプフォーマーであって、容器本体51内として好ましくは口首部52の内側に配置される大径のエアシリンダー24と、エアシリンダー24から下方に連設して設けられた、上部縮径部28a及び下部拡径部28bを備える、エアシリンダー24よりも小径の液シリンダー28とを含むシリンダー部17と、エアシリンダー24の内周面に沿って密着摺動する空気室密着外周部16aを備える空気ピストン16と、液シリンダー28の上部縮径部28aの内周面に沿って密着摺動する上部液室密着外周部14aを備える、内側が液流通路60となった第一液ピストン14と、液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に沿って密着摺動する下部液室密着外周部15aを備える第ニ液ピストン15とを含むピストン部20とを有している。
空気ピストン16は、図2に示すように、第一液ピストン14の液シリンダー28に配設される部分(下部ガイド円筒部36)の外周面に沿って摺動可能に装着される筒状装着部16bと、筒状装着部16bから外側に張り出して設けられた、周縁部に空気室密着外周部16aを備える空気室張出し部16cとからなり、この空気室張出し部16cによって、エアシリンダー24の中空内部は、下方空気室24aと上方空気室24bとに区画されている。第ニ液ピストン15は、図6(a)、(b)にも示すように、第一液ピストン14の外周面に沿って摺動可能に装着されると共に、内容液を流通させる切欠部15dを有する切欠筒状装着部15bと、切欠筒状装着部15bから外側に張り出して設けられた、周縁部に下部液室密着外周部15aを備える液室張出し部15cとからなり、切欠筒状装着部15bの下端部は、第一液ピストン14の下端部外周面から外側に突出して設けられた中間弁座部14bに開閉可能に密着する中間液開閉弁15eとなっている。
第一液ピストン14の下端開口には、液シリンダー28の下部拡径部28bの下端部に設けられた下部弁座部28cに開閉可能に密着する、下部液開閉弁19aを下端部に備える棒状弁体19の摺動ロッド部19bが、第一液ピストン14の内周面に沿って液密に密着した状態で摺動可能に挿入されている。エアシリンダー24の下方空気室24aと上方空気室24bには、これらの下方空気室24aや上方空気室24bに空気を導入する、下方空気室通気口25a や上方空気室通気口25bが各々形成されていると共に、これらの通気口25a,25bを内側から開閉可能に覆って、これらの空気室24a,24bの内部への空気の流入を許容し、これらの空気室24a,24bから外部への空気の流出を遮断する逆止弁26a,26bが各々設けられている。且つポンプヘッド部11が押圧された際に、ポンプヘッド部11を元の状態に戻すように上方に付勢する付勢手段29が設けられている。
また、本実施形態では、ポンプヘッド部11を元の状態に戻すように上方に付勢する付勢手段29は、第一液ピストン14の下端部に設けられた中間弁座部14bと、棒状弁体19の下端部に設けられた下部液開閉弁19aとの間に圧縮状態で介在して、棒状弁体19の外周部分を覆うように配置され、その下端部が下部液開閉弁19aに当接したコイル状のスプリング部材となっている。
本実施形態では、キャップ部11は、円筒状のガイドステム23を天井部11aから立設させて、容器本体51の口首部52に好ましくは螺合することによって装着される(図1参照)。ポンプヘッド部12は、キャップ部11のガイドステム23に相対変位可能に挿入される中空パイプ22を有しており、また上部先端部分には、泡状にした内容液を吐出する吐出口12aを備えている。ポンプヘッド部12には、上部に泡生成部材30が装着された接続筒体31を中空パイプ22との間に介在させて、第一液ピストン14が一体として接続されている。ポンプヘッド部12は、当該ポンプヘッド部12が、中空パイプ22をガイドステム23に挿入しつつ下方に押圧された際に(図3参照)、第一液ピストン14の下端部の中間弁座部14bと、棒状弁体19の下端部の下部液開閉弁19aとの間に配設された付勢手段としてのスプリング部材29の作用によって、上方に付勢されるようになっている。
また、ポンプヘッド部12の中空パイプ22の外側には、これと同心状に配置されたスカート状カバー27が、ガイドステム23の外周面との間に隙間を保持した状態で、当該外周面に沿って上下にスライド移動するように設けられている。スカート状カバー27が設けられていることにより、中空パイプ22とガイドステム23との間の隙間を介して外気がエアシリンダー24の内部に吸引される際に、外気の吸引に伴ってこれらの隙間から、外気と共にポンプヘッド部19やベースキャップ部14の周囲の水がエアシリンダー24の内部に流入するのを、相当程度防止することが可能になる。
本実施形態では、ポンプヘッド部12の中空パイプ22と第一液ピストン14との間に介在して、これらを軸方向に一体として接続させる接続筒体31は、中空パイプ22の下端部に上端部が接続される略円筒形状の部分である。接続筒体31の上端部には、嵌込み段差部31aが設けられている。この嵌込み段部31aを、中空パイプ22の下端部内側面を切り欠いて形成された嵌込み切欠部22aに嵌め込むことにより、中空パイプ22と接続筒体31とが強固に接続される。また、接続筒体31の上端部には、嵌込み段部31aから中空パイプ22の外側まで張り出すように突出して、環状ストッパーリブ31bが、周方向に連続して設けられている。環状ストッパーリブ31bは、キャップ部11のガイドステム23の先端開口面の周縁部から径方向内側に張り出して設けられた環状当接リブ23aに、下方から当接することで、第一液ピストン14及びポンプヘッド部12がこれ以上上方に抜け出ないようにして、ポンプヘッド部12の上死点を位置決めする。環状ストッパーリブ31bは、ポンプヘッド部12の上死点において、環状当接リブ23aの全周に亘って下方から密着した状態で当接することにより、シール機能を発揮して、例えば外部の水がキャップ部11の内側に浸入するのを防止する。
また、接続筒体31には、これの上部内周面から下方に延設して、当該接続筒体31と同心状に配置される内側筒状部32が、一体として設けられている。内側筒状部32は、接続筒体31の内周面から斜め下方に縮径しながら延設する基部縮径部32aと、基部縮径部32aの下端部から円筒形状に下方に延設する下部筒状部32bとからなる。内側筒状部32の基部縮径部32aよりも上方部分の、嵌込み段部31aとの間の接続筒体31の内側には、泡生成部材30が装着係止されると共に、下部筒状部32bの下方には、当該下部筒状部32bの下端面によって上方への移動を阻止された状態で、ボール弁33が配設される。これらによって、内側筒状部32の内側の空間は、泡生成部材30を通過させるのに先立って、内容液を空気と混合させる合流空間としての混合室13を形成する。
さらに、接続筒体31における内側筒状部32の基部縮径部32aよりも下方部分には、接続筒体31の内周面に外周面を密着させて、第一液ピストン14の後述する上部接続円筒部34の上端部分が、上端を内側筒状部32の基部縮径部32aに当接させるまで差し込んだ状態で、内側筒状部32の下部筒状部32bと接続筒体31との間の間隔部分に、挿入嵌着される。これによって、接続筒体31と第一液ピストン14の上部接続円筒部34とが強固に接続される。
さらにまた、接続筒体31の下端部分には、これの内側面を全周に亘って切り欠くことで、当接切欠段差溝31cが、第一液ピストン14の上部接続円筒部34の下端部外周面との間に形成されている。この当接切欠段差溝31cには、空気ピストン16に設けられた後述する開閉リング部16dが挿入されて、これの先端面が切欠段差面対して離間可能に当接することにより、エアシリンダー24の上方空気室24bから混合室13に至る第2空気流路41b(図5参照)を、開閉できるようになっている。
なお、当接切欠段差溝31cの切欠段差面を除いた部分の内側面や、接続筒体31における内側筒状部32の基部縮径部32aよりも下方の部分の内側面や、内側筒状部32の接続筒体31側の裏面には、空気を流通させる空気流通溝42が、上下方向に延設して切欠き形成されている。これらの空気流通溝42が設けられていることにより、空気ピストン16の開閉リング部16dが、当接切欠段差溝31cの切欠段差面から離間している状態で、エアシリンダー24の上方空気室24bから混合室13に至る第2空気流路41b(図5参照)が、空気流通溝42によって形成される。
本実施形態では、接続筒体31を介してポンプヘッド部19の中空パイプ22と一体として接続される第一液ピストン14は、軸方向に連設される、上部接続円筒部34と、中間部ガイド円筒部35と、下部ガイド円筒部36とからなる。上部接続円筒部34、中間部ガイド円筒部35、及び下部ガイド円筒部36の内側は、内容液が流通可能な液流通路60となっている。上部接続円筒部34は、接続筒体31の内径と同様の外径を有する円筒形状の部分であって、上述のように、上端部分を、内側筒状部32と接続筒体31との間の間隔部分に差し込むと共に、接続筒体31の内側面に外周面を密着させて、接続筒体31に挿入嵌着されることで、接続筒体31に一体として接続される。また、上部接続円筒部34の中間部分の内周面から内側に突出して、ボール弁33を開閉可能に密着載置させる上部弁座部34aが、中央の液流出口34bを囲んで環状に連続して設けられている。ボール弁33は、この上部弁座部34aと、接続筒体31に設けられた内側筒状部32の下部筒状部32bの下端面との間に配置されて、上部接続円筒部34の内側に、上下に僅かに移動可能な遊びを持った状態で装着される。
中間部ガイド円筒部35は、上部接続円筒部34の内径と同様の外径を有する円筒形状の部分であって、上部接続円筒部34の内周面に上端部分の外周面を密着させた状態で、当該上端部分を上部接続円筒部34の下端開口から挿入、嵌着することにより、軸方向に連設して上部接続円筒部34に一体として接続される。中間部ガイド円筒部35の下端部分には、段差当接部35aを介して拡径した下端拡径部35bが設けられている。段差当接部35aの外周部分には、当該段差当接部35aに一体として形成された、液シリンダー28の上部縮径部28aの内周面に沿って密着摺動する上部液室密着外周部14aが設けられている。
段差当接部35aと上部接続円筒部34の下端部との間の、中間部ガイド円筒部35の外周部分には、当該中間部ガイド円筒部35をガイドとして、当該中間部ガイド円筒部35の外周面に沿って上下に摺動可能な状態で、空気ピストン16の筒状装着部16bが装着される。また、下端拡径部35bの外径は、上部接続円筒部34の外径と同様となっており、下端拡径部35bの内径は、上部接続円筒部34の内径及び中間部ガイド円筒部35の外径と同様となっている。下端拡径部35bの内側には、これの内周面に下部ガイド円筒部36の上端部分の外周面を密着させた状態で、当該上端部分を下端拡径部35bに挿入嵌着することにより、下部ガイド円筒部36が、軸方向に連設して中間部ガイド円筒部35に一体として接続される。
下部ガイド円筒部36は、中間部ガイド円筒部35の外径と同様の外径を有すると共に、中間部ガイド円筒部35の内径と同様の内径を有する円筒形状の部分である。下部ガイド円筒部36の下端部分には、これの外周面から外側に突出して、中間弁座部14bが、周方向に環状に連続して設けられている。中間弁座部14bと、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bの下端部との間の、液シリンダー28の内部に配設される下部ガイド円筒部36の外周部分には、当該下部ガイド円筒部36をガイドとして、当該下部ガイド円筒部36の外周面に沿って上下に摺動可能な状態で、第ニ液ピストン15の切欠筒状装着部15bが装着される。
また、下部ガイド円筒部36の下端部における、中間弁座部14bの上方に隣接する部分には、流通下部開口36aが、周方向に間隔をおいて複数箇所に開口形成されていると共に、下部ガイド円筒部36の上端部における、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bの下方に隣接する部分には、流通上部開口36bが、周方向に間隔をおいて複数箇所に開口形成されている。下部ガイド円筒部36の下端開口(第一液ピストン14の下端開口)には、上述のように、下部液開閉弁19aを下端部に備える棒状弁体19の摺動ロッド部19bが、下部ガイド円筒部36の内周面に沿って液密に密着した状態で、摺動可能に挿入される。
第ニ液ピストン15は、図5(a)、(b)にも示すように、下部ガイド円筒部36をガイドとしてこれの外周面に沿って摺動可能に装着される切欠筒状装着部15bと、切欠筒状装着部15bの下端部分から外側に張り出して設けられた液室張出し部15cとからなる。切欠筒状装着部15bは、本実施形態では、下部ガイド円筒部36の外径と同様の内径を有する略円筒形状の部分である。切欠筒状装着部15bには、これの上端面から下端部分の液室張出し部15cに近接する位置まで、下方に向けて縦長帯状に切り込まれた切欠部15dが、好ましくは周方向に等角度間隔をおいて3箇所に形成されている。切欠筒状装着部15bは、各々の切欠部15dが、これらの下端部分においては、下部ガイド円筒部36に形成された、流通下部開口36aに重なるように配置されると共に、これらの上端部分においては、流通上部開口36bに重なるように配置された状態で、下部ガイド円筒部36に装着される。
液室張出し部15cは、切欠筒状装着部15bの下端部における、切欠部15dの下方に近接する部位の外周面から外側に一体として張り出して、円環状に連続して設けられた部分である。液室張出し部15cの先端の周縁部には、液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に沿って密着摺動する下部液室密着外周部15aが、一体として形成されている。下部液室密着外周部15aは、液室張出し部15cとの接続部を折曲り部として外側に折れ曲がった、上部密着片と下部密着片とを有する略くの字の断面形状を備えており、上部密着片と下部密着片とを弾性変形させつつ、これらの先端部を液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に密着させることで、2重構造の強固なシール機能を発揮するようになっている。切欠筒状装着部15bの下端部の液室張出し部15cよりも下方に突出する部分は、好ましくは液室張出し部15cと共に、第一液ピストン14の下端部外周面から外側に突出して設けられた中間弁座部14bに開閉可能に密着する、中間液開閉弁15eを形成している。
棒状弁体19は、棒状の摺動ロッド部19bの下端部分に拡径膨出した下部液開閉弁19aを備える、中実の略円柱ロッド形状の部分である。摺動ロッド部19bは、第一液ピストン14の下部ガイド円筒部36の内径と同様の外径を有しており、下部ガイド円筒部36の下端開口を介して、下部ガイド円筒部36の内周面に外周面を液密に密着させた状態で、これの上端側から下部ガイド円筒部36の中空内部に向けて摺動可能に挿入される。摺動ロッド部19bは、ポンプヘッド部12の上死点においても(図2参照)、これの上端が、下部ガイド円筒部36に形成された流通下部開口36aの上方に配置されるように、下部ガイド円筒部36の内部に挿入される。これによって、摺動ロッド部19bは、下部ガイド円筒部36に形成された流通下部開口36aの内側開口面を内側から覆うことで、下部液流通開口36aを常時内側から閉塞した状態のまま、下部ガイド円筒部36の内周面に沿って軸方向に摺動できるようになっている。
また、本実施形態では、棒状弁体19の下部液開閉弁19aには、これの外周部分から外側に環状に突出して、スプリング当接段部19cが設けられている。このスプリング当接段部19cに下端部を当接させると共に、第一液ピストン14の下端部に設けられた中間弁座部14bに上端部を当接させて、コイル状のスプリング部材29が、棒状弁体19の外周部分に装着されている。棒状弁体19の下部液開閉弁19aは、ポンプヘッド部19への押圧操作により第一液ピストン14が下方に押し込まれた際に、液シリンダー28の下部拡径部28bの下端部に設けられた下部弁座部28cに密着する。これによって、下部拡径部28bの下方の下端流入口28dを介した、容器本体51から液シリンダー28の内部への内容液の流入を、遮断することが可能になる。
エアシリンダー24の中空内部に配置される空気ピストン16は、上述のように、第一液ピストン14の外周面に沿って摺動可能に装着される筒状装着部16bと、筒状装着部16bから外側に張り出して設けられた、周縁部に空気室密着外周部16aを備える空気室張出し部16cとからなり、さらに、空気室張出し部16cの筒状装着部16bへの接続基端部分から上方に延設して、開閉リング部16dが設けられている。
筒状装着部16bは、第一液ピストン14の中間部ガイド円筒部35の外径と同様の内径を有する円筒形状の部分であって、中間部ガイド円筒部35の外周面に軽く密着した遊嵌状態で、当該中間部ガイド円筒部35の外周面に沿って上下に摺動できるようになっている。筒状装着部16bは、中間部ガイド円筒部35の、段差当接部35aと上部接続円筒部34の下端との間の部分の長さよりも、僅かに短い長さを有している。筒状装着部16bは、これの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aに密着当接させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面から離間させて、第2空気流路41bを開放した状態(図5参照)と、これの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aから離間させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面に密着当接させて、第1空気流路41aを開放させた状態(図3参照)とを、切り換えることが可能なように、中間部ガイド円筒部35の外周面に沿って摺動して、当該中間部ガイド円筒部35に対して上下に相対的にスライド移動できるようになっている。
また、筒状装着部16bの内側面には、空気を流通させる空気流通溝43が、上下方向に延設して切欠き形成されている。空気流通溝43が設けられていることにより、筒状装着部16bの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aから離間させた状態で、接続筒体31に形成された空気流通溝42と共に、エアシリンダー24の下方空気室24aから混合室13に至る、第1空気流路41a(図3参照)を形成できるようになっている。
空気室張出し部16cは、筒状装着部16bの上端部から斜め上方に連続して、径方向外側に張り出すように延設して設けられた円環帯板形状の部分である。空気室張出し部16cの先端の周縁部には、エアシリンダー24の内周面に沿って密着摺動する空気室密着外周部16aが、一体として形成されている。空気室張出し部16cによって、エアシリンダー24の中空内部は、下方空気室24aと上方空気室24bとに、気密に仕切られた状態で上下に区画される。これらの空気室24a、24bは、空気室張出し部16cの上下の移動に伴って、容積を減容又は増容させる。空気室密着外周部16aは、空気室張出し部16cとの接続部を折曲り部として外側に折れ曲がった、上部密着片と下部密着片とを有する略くの字の断面形状を備えており、上部密着片と下部密着片とを弾性変形させつつ、これらの先端部をエアシリンダー24の内周面に密着させることで、2重構造の強固なシール機能を発揮するようになっている。
本実施形態では、空気室張出し部16cは、筒状装着部16bの上端部から斜め上方に連続して、いわばバンザイをした状態で、径方向外側に張り出すように延設して設けられているので、例えば外部から水がエアシリンダー24の上方空気室24bや下方空気室24aに浸入した際に、侵入した水を、開閉リング部16dや中間部ガイド円筒部35が配置された中心側に移動させ易くして、内容液を吐出する際に空気の流れと共に混合室13に送り出すことで、泡状にして容器の外部に排出することが可能になる。
開閉リング部16dは、空気室張出し部16cの筒状装着部16bへの接続基端部分から上方に延設して設けられた、円筒形状の部分である。開閉リング部16dは、これの内周面が、筒状装着部16bの内周面から、好ましくは第一液ピストン14の上部接続円筒部34の肉厚と同程度離れた位置に配置されて、筒状装着部16bと同心状に設けられる。これによって、開閉リング部16dは、接続筒体31の下端部分において、第一液ピストン14の上部接続円筒部34の下端部外周面との間に形成された当接切欠段差溝31cに、先端面が切欠段差面に密着当接する深さまで、挿入できるようになっている。
空気ピストン16と、第一液ピストン14と、第ニ液ピストン15とからなるピストン部20と共に、泡吐出器10のポンプ18を構成するシリンダー部17は、上述のように、泡吐出容器50の容器本体51の口首部52の内側に配置される大径のエアシリンダー24と、エアシリンダー24から下方に連設して設けられた、上部縮径部28a及び下部拡径部28bを備える、エアシリンダー24よりも小径の液シリンダー28とを含んで形成されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、エアシリンダー24の外周面を外側から覆って、筒状被覆体37が、当該エアシリンダー24の外周面との間に隙間を保持した状態で取り付けられている。
本実施形態では、筒状被覆体37は、上端部分の内側面から内側に張り出して空気室蓋部38が一体として設けられた、エアシリンダー24の外径よりも若干大きな内径を有する略円筒形状の部分である。筒状被覆体37には、上端部から外側に折れ曲がって、環状接続片37aが設けられている。この環状接続片37aを、キャップ部11の天井部11aの下面側に設けられた接続凹嵌部11bに嵌め込んで、筒状被覆体37がキャップ部11に一体として強固に接続される。本実施形態では、キャップ部11に強固に接続された筒状被覆体37に支持させた状態で、エアシリンダー24や、これの下方に連設する液シリンダー28が、キャップ部11に取り付けられている。
また、本実施形態では、エアシリンダー24及び液シリンダー28は、エアシリンダー24と液シリンダー28の上部縮径部28aとを一体成形した第1成形品39aと、液シリンダー28の下部拡径部28bを成形した第2成形品39bとの2部品を一体として接続することによって形成されている。第1成形品39aは、エアシリンダー24の円筒形状の外周壁部24c(図2参照)と、外周壁部24cの下端部から内側に向けて斜め下方にすり鉢状に延設して形成された底壁部24dと、底壁部24dの下端部から下方に延設して円筒形状に形成された上部縮径部28aとを有する部品である。本実施形態では、第1成形品39aは、さらに、エアシリンダー24の外周壁部24cの、底壁部24dとの接続部分から外側に突出して、第1接続基台部24eが、周方向に連続して環状に設けられている。
本実施形態では、第1成形品39aによるエアシリンダー24の底壁部24dが、外周壁部24cの下端部から内側に向けて斜め下方にすり鉢状に延設して形成されているので、例えば外部から水がエアシリンダー24の下方空気室24aに浸入した際に、侵入した水を、筒状装着部16bや中間部ガイド円筒部35が配置された中心側に移動させ易くして、内容液を吐出する際に空気の流れと共に混合室13に送り出すことで、泡状にして容器の外部に排出することが可能になる。
第1接続基台部24eの上面には、筒状被覆体37の下端部を嵌め込んだ状態で接続させる、下部嵌込み凹部24fが形成されている。また、筒状被覆体37の上端部分に設けられた空気室蓋部38の下面には、第1成形品39aによるエアシリンダー24の外周壁部24cの上端部を嵌め込んだ状態で接続させる、上部嵌込み凹部38aが形成されている。エアシリンダー24の外周壁部24cの上端部を空気室蓋部38の上部嵌込み凹部38aに、筒状被覆体37の下端部を第1成形品39aの第1接続基台部24eの下部嵌込み凹部24fに各々嵌め込むことで、筒状被覆体37とエアシリンダー24の外周壁部24cとの間に間隔を保持した状態で、筒状被覆体37に支持させて、第1成形品39aが当該筒状被覆体37に一体として強固に接続される。
また、本実施形態では、筒状被覆体37とエアシリンダー24の外周壁部24cとの間隔部分の上方の空気室蓋部38には、補助通気口25cが、周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。エアシリンダー24の外周壁部24cの第1接続基台部24eと近接する下端部分には、下方空気室通気口25aが、周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。空気室蓋部38の接続筒体31の外周面と隣接する部分には、上方空気室通気口25bが、周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。各々の下方空気室通気口25aや上方空気室通気口25bを内側から開閉可能に覆って、下方空気室24aや上方空気室24bへの空気の流入を許容し、下方空気室24aや上方空気室24bから外部への空気の流出を遮断する逆止弁26a,26bが、各々設けられている。
さらに、本実施形態では、第1成形品39aにおけるエアシリンダー24の底壁部24dから下方に円筒形状に延設して、液シリンダー28の上部縮径部28aと間隔をおいて外側に配置された接続円筒部44が設けられている。接続円筒部44は、液シリンダー28の上部縮径部28aと同心状に配置されると共に、エアシリンダー24の底壁部24dの中間部分から下方に連続して、上部縮径部28aと略同様の長さで設けられている。接続円筒部44は、これの下端部が、液シリンダー28の第2成形品39bによる下部拡径部28bの上端部から外側に張り出して、周方向に連続して環状に設けられた第2接続基台部43aの、上面に形成された下部嵌込み凹部43bに嵌め込まれることによって、第1成形品39による液シリンダー28の上部縮径部28aの下端部に、第2成形品39bによる液シリンダー28の下部拡径部28bが一体として接続される。
第2成形品39bは、第1成形品39aの上部縮径部28aと共に液シリンダー28を構成する、下端部に縮径した下部弁座部28cを備える略円筒形状の下部拡径部28bを形成する部品である。第2成形品39bによる下部拡径部28bは、その主要部分である円筒形状部分が、上部縮径部28aの外径と同様の内径を備えており、且つ接続円筒部44の内径と同様の外径を備えている。これによって、下部拡径部28bの円筒形状部分の肉厚が、同心状に配置された第1成形品39aの上部縮径部28aと接続円筒部44との間の間隔幅と、同様の厚さとなっている。また、第2成形品39bによる下部拡径部28bの上端部には、上端面からやや下がった位置から外側に突出して、L字形断面形状を有する第2接続基台部43aが、周方向に連続して環状に設けられている。第2接続基台部43aは、上方に折れ曲がるL字形断面形状となるように張り出していることで、下部拡径部28bの上端部との間に、接続円筒部44の下端部を嵌め込む下部嵌込み凹部43bを形成している。
この下部嵌込み凹部43bに、第1成形品39aによる接続円筒部44の下端部を嵌め込むと共に、下部拡径部28bの上端部を、第1成形品39aによる上部縮径部28aの下端部と接続円筒部44の下端部との間の間隔部分を嵌め込んだ状態で、第1成形品39aに支持させて、当該第1成形品39aに、第2成形品39bによる液シリンダー28の下部拡径部28bが、上部縮径部28aよりも内径が大きくなった部分として一体として強固に接続される。
また、第2成形品39bによる液シリンダー28の下部拡径部28bの下端部には、主要部分である円筒形状部分よりも内径が小さくなった、下部弁座部28cが設けられている。この下部弁座部28cには、上述のように、棒状弁体19の下部液開閉弁19aが開閉可能に密着する。液シリンダー28の下部拡径部28bの下端部には、下部弁座部28cからさらに下方に延設して、下端面が下端流入口28dとして開口することで容器本体51から液シリンダー28の内部に内容液を導入する、導入筒部28eが設けられている。
そして、上述の構成を備える本実施形態の泡吐出器10によれば、図2に示すポンプヘッド部12を押圧する前の、ポンプヘッド部12が上死点に位置する状態から、ポンプヘッド部12を下方に押し込む操作を行うと、空気ピストン16の空気室密着外周部16aの、エアシリンダー24の内周面に対する密着力の方が、空気ピストン16の筒状装着部16bの、第一液ピストン14の外周面に対する密着力、及び第一液ピストン14の上部液室密着外周部14aの、液シリンダー28の上部縮径部28aの内周面に対する密着力よりも大きくなっていることから、まず、空気ピストン16の筒状装着部16bは、第一液ピストン14が下方に僅かに移動することで、当該第一液ピストン14の外周面に対して相対的に上方にスライド移動する(図3参照)。
これによって、空気ピストン16は、ポンプヘッド部12を押圧する前の、筒状装着部16bの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aに密着当接させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面から離間させた状態(図2参照)から、筒状装着部16bの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aから離間させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面に密着当接させた状態(図3参照)に切り替わる。またこれによって、下方空気室24aから、筒状装着部16bに形成された空気流通溝43及び接続筒体31に形成された空気流通溝42を介して混合室13に至る、第1空気流路41aが開放される。
また、第ニ液ピストン15の下部液室密着外周部15aの、液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に対する密着力の方が、第ニ液ピストン15の切欠筒状装着部15bの、下部ガイド円筒部36の外周面に対する密着力よりも大きくなっていることから、第ニ液ピストン15の切欠筒状装着部15bは、下部ガイド円筒部36が下方に僅かに移動することで、当該下部ガイド円筒部36の外周面に対して相対的に上方にスライド移動する(図3参照)。
これによって、第ニ液ピストン15は、ポンプヘッド部12を押圧する前の、切欠筒状装着部15bの下端部の中間液開閉弁15eを、第一液ピストン14の下部ガイド円筒部36の下端部の中間弁座部14bに密着当接させると共に、切欠筒状装着部15bの上端面を、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bから離間させた状態(図2参照)から、切欠筒状装着部15bの下端面を、下部ガイド円筒部36の中間弁座部14bから離間させると共に、切欠筒状装着部15bの上端面を、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bの下端面に密着当接させた状態(図3参照)に切り替わる。またこれによって、液シリンダー28の下部拡径部28bから、下部ガイド円筒部36の下端部に形成された流通下部開口36a及び切欠筒状装着部15bの切欠部15dを介して上部縮径部28aに至り、さらに下部ガイド円筒部36の上端部に形成された流通上部開口36bを介して第一液ピストン14の内部の流通路に至り、さらにボール弁33を押し上げながら液流出口34bから混合室13に至る、第1液流路40aが開放される。
このようにして第1液流路40a及び第1空気流路41aを開放させた状態から、ポンプヘッド部12をさらに下方に押し込めば、図3に示すように、第一液ピストン14の下降に伴って、棒状弁体19の下端部の下部液開閉弁19aが、液シリンダー28の下部拡径部28bの下端部に設けられた下部弁座部28cに密着することで、下部拡径部28bの下端部が閉塞されると共に、液シリンダー28の内部に貯留されていた内容液が押し出されて、第1液流路40aを介して混合室13に送り出される。また、空気ピストン16の下降に伴って、下方空気室24aに設けられた下方空気室通気口25aが、逆止弁26aによって閉塞されると共に、下方空気室24aの内部の空気が押し出されて、第1空気流路41aを介して混合室13に送り出される。
混合室13に送り出された内容液と空気とは、混合室13において混合され、泡生成部材30を通過することで泡状に発泡した後に、発泡流路21を介してポンプヘッド部12の先端の吐出口12aから吐出される。
また、空気ピストン16の下降に伴って、エアシリンダー24の上方空気室24bが負圧になるので、上方空気室24bに設けられた上方空気室通気口25bを開閉する逆止弁26bが開放されて、外部の空気が、例えばポンプヘッド部12のスカート状カバー27とキャップ部11のガイドステム23との間の隙間や、キャップ部11のガイドステム23と中空パイプ22や接続筒体31との間の隙間を介して、上方空気室通気口25bから上方空気室24bの内部に流入する。
このような、ポンプヘッド部12が下方に押し込まれる往路における、空気と混合させることで泡状にした内容液の吐出は、図4に示す、例えばポンプヘッド部12のスカート状カバー27の下端がキャップ部11の天井部11aに当接することで、ポンプヘッド部12をこれ以上押し下げることができなくなった下死点に至るまで、連続して行うことができる。
そして、本実施形態の泡吐出器10は、例えば図4に示すポンプヘッド部12が下死点に位置する状態から、ポンプヘッド部12への押圧を開放することで、押し込まれたポンプヘッド部12が、圧縮変形したスプリング部材29の付勢力の作用によって上方に押し戻される復路においても、内容液を空気と混合させて泡状にして吐出させる機能を備えている。
すなわち、本実施形態の泡吐出器10によれば、ポンプヘッド部12への押圧を開放すると、上述のように、空気ピストン16の空気室密着外周部16aの、エアシリンダー24の内周面に対する密着力の方が、空気ピストン16の筒状装着部16bの、第一液ピストン14の外周面に対する密着力、及び第一液ピストン14の上部液室密着外周部14aの、液シリンダー28の上部縮径部28aの内周面に対する密着力よりも大きくなっていることから、スプリング部材29の付勢力によって、まず、空気ピストン16の筒状装着部16bは、第一液ピストン14が上方に僅かに移動することで、当該第一液ピストン14の外周面に対して相対的に下方にスライド移動する(図5参照)。
これによって、空気ピストン16は、ポンプヘッド部12への押圧を開放する前の、筒状装着部16bの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aから離間させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面に密着当接させた状態(図4参照)から、筒状装着部16bの下端面を、中間部ガイド円筒部35の段差当接部35aに密着当接させると共に、開閉リング部16dの先端面を、接続筒体31の下端部分に形成された当接切欠段差溝31cの切欠段差面から離間させた状態(図5参照)に切り替わる。またこれによって、下方空気室24aから、筒状装着部16bに形成された空気流通溝43及び接続筒体31に形成された空気流通溝42を介して混合室13に至る、第1空気流路41aが閉塞されると共に、上方空気室24bから、接続筒体31に形成された空気流通溝42を介して混合室13に至る、第2空気流路41bが開放される。
また、上述のように、第ニ液ピストン15の下部液室密着外周部15aの、液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に対する密着力の方が、第ニ液ピストン15の切欠筒状装着部15bの、下部ガイド円筒部36の外周面に対する密着力よりも大きくなっていることから、第ニ液ピストン15の切欠筒状装着部15bは、下部ガイド円筒部36が上方に僅かに移動することで、当該下部ガイド円筒部36の外周面に対して相対的に下方にスライド移動する(図3参照)。
これによって、第ニ液ピストン15は、ポンプヘッド部12への押圧を開放する前の、切欠筒状装着部15bの下端面を、下部ガイド円筒部36の中間弁座部14bから離間させると共に、切欠筒状装着部15bの上端面を、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bの下端面に密着当接させた状態(図4参照)から、切欠筒状装着部15bの下端部の中間液開閉弁15eを、第一液ピストン14の下部ガイド円筒部36の下端部の中間弁座部14bに密着当接させると共に、切欠筒状装着部15bの上端面を、中間部ガイド円筒部35の下端拡径部35bから離間させた状態(図5参照)に切り替わる。また切欠筒状装着部15bの下端部の中間液開閉弁15eが、中間弁座部14bに密着することによって、液シリンダー28の下部拡径部28bから上部縮径部28aに至る第1液流路40aが閉塞されると共に、上部縮径部28aから、下部ガイド円筒部36の上端部に形成された流通上部開口36bを介して第一液ピストン14の内部の流通路に至り、さらにボール弁33を押し上げながら液流出口34bから混合室13に至る、第2液流路40bが保持されることになる。
このようにして第2液流路40b及び第2空気流路41bを開放させた状態から、スプリング部材29の付勢力によって、ポンプヘッド部12がさらに上方に押し戻されると、図5に示すように、切欠筒状装着部15bの下端部の中間液開閉弁15eを中間弁座部14bに密着させた状態のまま、切欠筒状装着部15bの下端部に設けられた第ニ液ピストン15の下部液室密着外周部15aが、液シリンダー28の下部拡径部28bの内周面に密着しながら上方に摺動する。
ここで、下部液室密着外周部15aが摺動する、液シリンダー28の下部拡径部28bの中空内部の断面積よりも、これの上方の上部縮径部28aの中空内部の断面積のほうが、小さくなっていることから、下部液室密着外周部15aが上方に移動するのに伴って、上部縮径部28aの内周面に密着する中間部ガイド円筒部35の下端部の上部液室密着外周部14aと、下部拡径部28bの内周面に密着する第ニ液ピストン15の下端部の下部液室密着外周部15aとの間の部分における、上部縮径部28a及び下部拡径部28bの中空内部の容積が減少する。上部液室密着外周部14aと下部液室密着外周部15aとの間の部分における、上部縮径部28a及び下部拡径部28bの中空内部の容積が減少することにより、これらの内部に貯留されていた内容液が押し出されて、第2液流路40bを介して混合室13に送り出される。
また、エアシリンダー24の内周面に空気室密着外周部16aを密着させた空気ピストン16の上昇に伴って、上方空気室24bに設けられた上方空気室通気口25bが、逆止弁26bによって閉塞されると共に、上方空気室24bの内部の空気が押し出されて、第2空気流路41bを介して混合室13に送り出される。
混合室13に送り出された内容液と空気とは、ポンプヘッド部12が下方に押し込まれる往路と同様に、混合室13において混合され、泡生成部材30を通過することで泡状に発泡した後に、発泡流路21を介してポンプヘッド部12の先端の吐出口12aから吐出される。
また、空気ピストン16の上昇に伴って、エアシリンダー24の下方空気室24aが負圧になるので、下方空気室24aに設けられた下方空気室通気口25aを開閉する逆止弁26aが開放されて、外部の空気が、例えばポンプヘッド部12のスカート状カバー27とキャップ部11のガイドステム23との間の隙間や、キャップ部11のガイドステム23と中空パイプ22や接続筒体31との間の隙間を通過し、さらに空気室蓋部38に形成された補助通気口25cを介して、筒状被覆体37とエアシリンダー24の外周壁部24cとの間隔部分に流入した後に、下方空気室通気口25aから下方空気室24aの内部に流入する。
さらに、第一液ピストン14の上昇に伴って、中間弁座部14b及び下部液室密着外周部15aよりも下方の部分の、液シリンダー28の下部拡径部28bの内部が負圧になるので、棒状弁体19の下部液開閉弁19aを液シリンダー28の下部弁座部28cから解放させて、下端面が下端流入口28dとして開口する導入筒部28eを介して、内容液が容器本体51から液シリンダー28の下部拡径部28bの内部に流入する。
このような、押し込まれたポンプヘッド部12がスプリング部材29の作用によって上方に押し戻される復路における、空気と混合させることで泡状にした内容液の吐出は、図2に示す、例えば接続筒体31の上端部に設けられた環状ストッパーリブ31bが、ガイドステム23の上端部に設けられた環状当接リブ23aに下方から当接する、ポンプヘッド部12の上死点に至るまで、連続して行われることになる。
したがって、本実施形態の泡吐出器10によれば、ポンプヘッド部12が押し込まれる往路のみならず、押し込まれたポンプヘッド部12がスプリング部材29の作用によって上方に押し戻される復路においても、内容液を空気と混合させて泡状にして吐出させることが可能になる。
またこれによって、例えば内容液の発泡倍率の設計の自由度を向上させたり、泡吐出器10や泡吐出容器50を小径化したり、外観デザインや使用する場面の幅を広げたりすることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、エアシリンダーの外周面を外側から覆って筒状被覆体を取り付けて、この筒状被覆体に支持させてエアシリンダーや液シリンダーを設ける必要は必ずしもなく、エアシリンダーをキャップ部の天井部に直接接続して、これらを設けることもできる。エアシリンダーの外周面を外側から覆って筒状被覆体が取り付けられていることにより、容器本体の内部の内容液が、通気口等を介してエアシリンダーの内部に流入するのを、さらに効果的に回避することが可能になる。また、液シリンダーの上部縮径部の外側に接続円筒部が設けられている必要は必ずしも無く、付勢手段は、液シリンダーの下部拡径部に設けられたスプリング部材以外のものであっても良い。