JP2024051133A - 卑金属めっき膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光沢度及び耐酸化性を有する卑金属めっき膜を製造する上で有用な卑金属めっき浴を提供する。【解決手段】卑金属イオンと親水性ナノダイヤモンド粒子を含み、親水性ナノダイヤモンド粒子の濃度が0.001~1g/Lである、卑金属めっき浴。【選択図】なし

Description

本発明は、卑金属めっき膜、卑金属めっき浴、前記卑金属めっき膜の製造方法、前記卑金属めっき膜を備えた電子部品、卑金属めっき膜の光沢剤及び卑金属めっき膜の酸化防止剤に関する。
本明細書において、「ナノダイヤモンド」を「ND」と記載することがある。
電気・電子機器に用いられる低電流(信号系)スイッチやコネクタなどの接続部品のうち低い接触荷重で繰り返し使用される接続部品は、高い接続信頼性が要求されるため、このような接続部品として導電性金属部材の表面を貴金属等の金属でめっきした接続部品が使用されている。そして、めっき膜は導電性に加えて適度な光沢を有することを要求される場合がある。
特許文献1には、炭素系微粒子と複合させた高品質の信頼性の高いめっき膜を得ることを目的として、カーボンナノチューブ等の炭素系微粒子を非水溶性溶媒に分散させた後、銅イオン等の卑金属イオンを含有した金属塩水溶液に非水溶性溶媒を添加して撹拌し、前記炭素系微粒子を卑金属塩水溶液中に分散させるめっき浴の作製方法が開示されている。この方法で作製されためっき浴を用いることにより、不純物の混入が抑制された電子部品が得られるとされている。しかし、この方法ではめっき膜に高い光沢を付与することはできない。また、卑金属は空気酸化を受け易い。
めっき膜に光沢を付与する方法としては、結晶核に吸着して結晶の成長を阻害することによって結晶を微細化する作用を有する光沢剤をめっき浴に添加することにより、析出した貴金属の表面を平滑化して光沢を出すことが行われている(例えば、特許文献2参照)。
非特許文献1は、ナノダイヤモンド粒子をめっき浴に加えてめっき膜にナノダイヤモンド粒子を取り込ませることを提案しているが、ナノダイヤモンド粒子はめっき液中に十分分散できていないので、めっき浴中のナノダイヤモンド粒子はμmオーダーまで凝集していることが記載されている。
特許文献3は、親水性ポリマー又はイオン性官能基が導入されたダイヤモンド微粒子を界面活性剤とともに金属めっき液に添加する構成が記載され、実施例1でアニオン性官能基導入ダイヤモンド微粒子1g/Lを含む分散液を2g/Lの割合で添加し、実施例2でPEG導入ダイヤモンド微粒子1g/Lを含む分散液を0.1g/Lの割合で添加する構成が記載されているが、これらの添加量ではめっき膜の光沢度、耐酸化性の向上は見込めない。
特許文献4は、親水性ポリマー又はイオン性官能基が導入された平均粒径10nm~300nmのダイヤモンド微粒子、平均粒径100nm~300nmのフッ素樹脂微粒子及び界面活性剤を金属めっき液に添加する構成が記載され、実施例1,2でグラフト化ダイヤモンド微粒子を2.0g/L含む無電解複合めっき液が記載されているが、このような高濃度のダイヤモンド微粒子を含むめっき液では、めっき膜の光沢度、耐酸化性の向上は見込めない。
WO2011/048984 特開2015-117424号公報 特開2011-149071号公報 特開2012-092416号公報
松原浩 「表面技術」Vol.65, No.2、(2014)、88-93頁
本発明の目的は、高い光沢度及び耐酸化性を有する卑金属めっき膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い光沢度及び耐酸化性を有する卑金属めっき膜を製造する上で有用な卑金属めっき浴を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い光沢度、表面硬度、導電率及び耐酸化性を有する卑金属めっき膜を備えた電子部品を提供することにある。
本発明の他の目的は、卑金属めっき膜に高い光沢を付与する新規の光沢剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、卑金属めっき膜に耐酸化性を付与する新規の酸化防止剤を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、卑金属イオンを含有し且つ親水性ナノダイヤモンド粒子が添加されためっき浴を用いて卑金属めっきを行うと、高い光沢度を有し、耐酸化性に優れた卑金属めっき膜が得られることを見出した。
本発明は、以下の卑金属めっき膜、卑金属めっき浴、前記卑金属めっき膜の製造方法、前記卑金属めっき膜を備えた電子部品、卑金属めっき膜の光沢剤及び卑金属めっき膜の酸化防止剤を提供するものである。
[1]
卑金属マトリックスと、前記卑金属マトリックス中に分散する親水性ナノダイヤモンド粒子を含む卑金属めっき膜。
[2]
前記親水性ナノダイヤモンド粒子を含まない以外は前記と同じ卑金属めっき膜と比較して入射角60°における光沢度が10以上高い、[1]に記載の卑金属めっき膜。
[3]
製造直後の前記卑金属めっき膜に対し、直射日光の当たらない室内、25℃、湿度50%で7日間保存後の卑金属酸化物の増加が、1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.3%未満、最も好ましくは0.1%未満である、[1]又は[2]に記載の卑金属めっき膜。
[4]
界面活性剤フリーである、[1]~[3]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜。
[5]
前記親水性ナノダイヤモンド粒子が、以下の(i)又は(ii)のナノダイヤモンド粒子である、[1]~[4]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜:
(i)親水性高分子でコーティングされたナノダイヤモンド粒子;
(ii)親水性高分子で修飾されたナノダイヤモンド粒子。
[6]
卑金属が鉄、ニッケル、亜鉛、銅、スズ、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、マグネシウム、コバルト、ビスマス、カドミウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン、マンガン、ベリリウム、クロム、ゲルマニウム、バナジウム、ガリウム、ハフニウム、インジウム、ニオブ、パーマロイ、レニウム及びタリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[5]の何れか1項に記載のめっき膜。
[7]
前記卑金属マトリックス中に分散する前記親水性ナノダイヤモンド粒子のSEM法による平均粒子径(D50)が4~95nmの範囲である、[1]~[6]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜。
[8]
親水性高分子が、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ビニルエーテル系重合体、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、水溶性フェノール樹脂、天然高分子多糖類からなる群から選ばれる、[5]に記載の卑金属めっき膜。
[9]
卑金属が銅であり、111面の結晶子サイズ(A)が100nm以下であり、220面の結晶子サイズ(B)が80nm以下であり、111面と220面の結晶子サイズ比(A/B)が1.3以上である、[1]~[8]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜。
[10]
卑金属が銅であり、X線回折パターンの111面と220面のピーク強度比(111面/220面)が3.0以下である、[1]~[8]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜。
[11]
卑金属がニッケルであり、111面の結晶子サイズ(A)が25nm以下であり、200面の結晶子サイズ(C)が23nm以下であり、111面と200面の結晶子サイズ比(A/C)が1.1以上である、[1]~[8]の何れか1項に記載の卑金属めっき膜。
[12]
卑金属イオンと親水性ナノダイヤモンド粒子を含み、親水性ナノダイヤモンド粒子の濃度が0.001~1g/Lである、卑金属めっき浴。
[13]
ヘーズが0~0.5である、[12]に記載の卑金属めっき浴。
[14]
卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D10)が10~60nmである、[12]又は[13]に記載の卑金属めっき浴。
[15]
卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D50)が10~70nmである、[12]又は[13]に記載の卑金属めっき浴。
[16]
卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D90)が10~90nmである、[12]又は[13]に記載の卑金属めっき浴。
[17]
卑金属イオンと親水性ナノダイヤモンド粒子を含み、ナノダイヤモンド粒子の濃度が0.001~1g/Lである卑金属めっき浴に被検体を浸漬し、電解めっきを行うことを特徴とする、[1]~[11]の何れか1項に記載のめっき膜を製造する方法。
[18]
卑金属めっき浴のヘーズが0~0.5である、[17]に記載のめっき膜を製造する方法。
[19]
[1]~[11]の何れか1項に記載のめっき膜を備えた電子部品。
[20]
親水性ナノダイヤモンド粒子を含む卑金属めっき膜の光沢剤。
[21]
親水性ナノダイヤモンド粒子を含む卑金属めっき膜の酸化防止剤。
本発明の卑金属めっき膜は、ナノダイヤモンド粒子が卑金属のマトリックス中に高分散した構成を有し、前記ナノダイヤモンド粒子によって卑金属の結晶の成長が阻害されて結晶粒が微細化するためか、表面が平滑化され、高い光沢度と優れた耐酸化性を有する。また、本発明の卑金属めっき膜は優れた耐熱性、表面硬度、導電率を有する。そのため、本発明の卑金属めっき膜は電子機器用接続部品や装飾品等に好適に用いられる。
その他、本発明の卑金属めっき膜は表面が平滑であるため摩擦係数が低下し、接触抵抗値が低下する。そのため、電気・電子機器に用いられる低電流(信号系)スイッチやコネクタなどの接続部品(若しくは、電気接点)のうち低い接触荷重で繰り返し使用される接続部品に好適に用いられる。
本発明のめっき浴は、高い光沢度と優れた耐酸化性を有する卑金属めっき膜を製造する上で有用である。
本発明の卑金属めっき膜の製造方法によれば、高い光沢度と優れた耐酸化性を有する卑金属めっき膜を簡易な操作で効率よく製造できる。
本発明の電子部品は、高い光沢度と優れた耐酸化性を備えた卑金属めっき膜を有する。
本発明の光沢剤は、高い光沢度を有する卑金属めっき膜の形成に有用である。
本発明の酸化防止剤は、優れた耐酸化性を有する卑金属めっき膜の形成に有用である。
本発明における親水性ND粒子の一例を示す拡大模式図である。 比較例1で真鍮板に形成されためっき膜のX線回折結果を示す。 実施例4で真鍮板に形成されためっき膜のX線回折結果を示す。 比較例2で真鍮板に形成されためっき膜の製造直後と5日後のX線回折結果を示す。 試験例7で測定された銅めっき膜のXRDパターンを示す。 試験例8のめっき膜のSEM写真を示す。(a)NDなし、(b)NDあり。 実施例1で得られた銅めっき膜中のC1s(XPS)。
[親水性ND粒子]
本発明で使用するND粒子は親水性ND粒子であり、この粒子は、
(i)親水性高分子でコーティングされたND粒子、及び
(ii)親水性高分子で修飾されたND粒子
を包含する。好ましい親水性ND粒子は、(ii)のND粒子である。
親水性官能基(OH、COOH、NH)が導入されたND粒子は公知(例えば特開2018-30741)であり、例えば、爆轟法によって生成したNDが好ましく使用できる。爆轟法には、空冷式爆轟法と水冷式爆轟法が含まれる。本発明においては、なかでも、空冷式爆轟法が水冷式爆轟法よりも一次粒子が小さいNDを得ることができるうえで好ましい。爆轟を大気雰囲気下又は窒素雰囲気下で行うことで、親水性官能基(OH、COOH、NH)が表面に複数形成された親水性ND粒子が得られる。親水性高分子のコーティング又は修飾は、親水性官能基を介して行われる。
親水性高分子としては、ポリグリセリン(PG)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ビニルエーテル系重合体、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、天然高分子多糖類などが挙げられる。ビニルエーテル系重合体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類などの単独重合体又は共重合体(例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体など)が挙げられる。セルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどが挙げられる。水溶性ポリエステルとしては、ポリジメチロールプロピオン酸エステルなどが挙げられる。天然高分子多糖類としては、アルギン酸又はその塩、ペクチン、デンプン、寒天、アラビアゴム、デキストリン、カラギーナンなどが挙げられる。好ましい親水性高分子は、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸であり、ポリグリセリンが特に好ましい。
ポリグリセリン鎖を含む表面修飾基によって修飾されたND粒子は、例えば、下記式(1)で表されるポリグリセリンがND粒子の表面官能基に結合した構成を有する。下記式中、nはポリグリセリン鎖を構成するグリセリン単位の数を示し、1以上の整数である。
HO-(C-H (1)
式(1)の括弧内のCは、下記式(2)及び/又は(3)で示される構造を有する。
-CH-CHOH-CHO- (2)
-CH(CHOH)CHO- (3)
前記ポリグリセリン鎖には直鎖状構造、分岐鎖状構造、及び環状構造のポリグリセリン鎖が含まれる。
前記親水性高分子の修飾もしくはコーティングによる導入量は、ND粒子部分1質量部当たり、例えば0.05~1.0質量部程度、好ましくは0.4~1.0質量部程度であり、より好ましくは0.5~0.9質量部、特に好ましくは0.6~0.8質量部である。親水性高分子の導入量が上記範囲内にあれば、ND粒子の凝集を防ぐことができる。親水性高分子部分とND粒子部分の質量比は示差熱天秤分析装置(TG-DTA)を用いて熱処理時の質量変化、又は元素分析による組成比を測定することにより求めることができる。
親水性高分子によるND粒子のコーティングは、親水性高分子溶液中でナノダイヤモンド粒子を接触させ、遠心分離を行うことにより、コーティングに関与しない親水性高分子を分離して、親水性高分子でコーティングされたナノダイヤモンド粒子を集めることができる。
親水性高分子によるND粒子の修飾は、表面に親水性官能基(OH、COOH、NHなど)が導入された前記ND粒子を原料として用い、前記親水性官能基に親水性高分子基をエステル結合、アミド結合、イミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合などのリンカー基を介して結合させることにより行うことができる。前記リンカー基の形成は、ジシクロヘキシルカルボジイイミド、水溶性カルボジイミド、カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤を使用してエステル又はアミド結合を形成する方法、イソシアナート基(N=C=O)を有する親水性高分子を用いてウレタン結合又はウレア結合を形成する方法、親水性高分子がCOOH基を有する場合には、前記COOH基を酸ハロゲン化物(特に酸塩化物)又は酸無水物に変換し、OH又はNH基を有するND粒子と反応させてエステル結合またはアミド結合を形成する方法などにより行うことができる。
親水性高分子によるコーティングあるいは親水性高分子での修飾に原料として用いられる親水性官能基(OH、COOH、NH)が導入されたND粒子は、一次粒子の平均粒子径が10nm以下、例えば1~10nmの微粒子が好ましい。
本発明の親水性ND粒子の一次粒子の平均粒子径が12nm以下、例えば1~12nm、好ましくは3~12nmの微粒子が好ましい。
親水性官能基を有するND粒子及び親水性高分子でコーティングもしくは修飾されたND粒子の一次粒子の平均粒子径は、X線回析装置(商品名「S mart Lab 」,リガク社製)を使用して小角X線散乱測定(SAXS法)を行い、粒子径分布解析ソフト(商品名「NANO-Solver」,リガク社製)を使用して、ナノダイヤモンド一次粒子が球形であり且つ粒子密度が3.51g/cmであるとの仮定のもとに、散乱角度1° ~3°の領域についてナノダイヤモンドの一次粒子径を見積もることで決定できる。
前記親水性ND粒子は、一次粒子の平均粒子径が10nm以下、例えば1~10nmの微粒子が好ましい。
ND粒子は表面を親水性にすることで凝集が防止され、光沢度と耐酸化性を同時に向上させることができる。一方、親水性官能基もしくは親水性高分子が導入されていない非特許文献1に記載されるようなND粒子は、卑金属めっき膜に導入した場合であっても、光沢度と耐酸化性の向上は生じない。本明細書の試験例2に記載されるように、爆ごう法で得られたNDの一次粒子の平均粒子径は10nm以下であるが、衝撃圧縮法で得られたNDの一次粒子の粒径は10nmを大きく越えるので、ND粒子は爆ごう法で製造されたものが好ましい。本発明において、卑金属めっき浴には界面活性剤は添加する必要がない。めっき浴に界面活性剤が含まれると卑金属めっき膜にわずかな量でも取り込まれる可能性があるので、界面活性剤は使用しないことが好ましい。また、卑金属めっき膜は界面活性剤フリーであることが好ましい。
[卑金属めっき膜]
本発明の卑金属めっき膜は、卑金属マトリックスと、前記卑金属マトリックス中に分散する親水性ND粒子を含む卑金属めっき膜である。本発明の好ましい実施形態において、親水性ND粒子は卑金属マトリックス中に均一に分散していてもよく、卑金属マトリックスの表面近くに密に分散していてもよい。
卑金属としては、鉄、ニッケル、亜鉛、銅、スズ、アルミニウム、タングステン、モリブデン、タンタル、マグネシウム、コバルト、ビスマス、カドミウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン、マンガン、ベリリウム、クロム、ゲルマニウム、バナジウム、ガリウム、ハフニウム、インジウム、ニオブ、レニウム及びタリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくは銅、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、パーマロイからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは銅、ニッケル、亜鉛、スズからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の好ましい1つの実施形態の卑金属めっき膜は、卑金属マトリックスと、前記卑金属マトリックス中に分散する親水性ND粒子を含む卑金属めっき膜であって、入射角60°における光沢度が770以上であることを特徴とする。なお、100%反射の場合、光沢度は1000である。
本発明の卑金属めっき膜の入射角60°における光沢度は、卑金属が銅の場合、770以上であり、好ましくは780以上、より好ましくは800以上、さらに好ましくは850以上である。
本発明の卑金属めっき膜の入射角60°における光沢度は、卑金属がニッケルの場合560以上、卑金属がスズの場合785以上、卑金属がパーマロイの場合575以上、卑金属が亜鉛の場合410以上である。
また、親水性ND粒子を含まない以外は本発明と同じ組成の卑金属めっき膜と比較して、本発明の卑金属めっき膜は、入射角60°における光沢度が、例えば10以上(例えば10~200)高く、好ましくは15以上高く、より好ましくは35以上高く、特に好ましくは55以上高く、最も好ましくは85以上高い。
本発明の卑金属めっき膜は、製造直後の卑金属めっき膜に対し、直射日光の当たらない室内、常温(25℃前後、湿度50%程度)で7日間保存後の卑金属酸化物の増加が、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満、最も好ましくは0.1%未満である。
本発明の卑金属めっき膜の表面粗さ(Ra)は、例えば0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.15μm以下、最も好ましくは0.1μm以下である。
本発明の卑金属めっき膜において、卑金属マトリックス中に分散する親水性ND粒子のSEM法による粒子径は、例えば4~95nmの範囲であり、好ましくは10~80nm、特に好ましくは20~60nm、最も好ましくは30~50nmである。
本発明の1つの好ましい実施形態において、卑金属が銅の場合、111面の結晶子サイズ(A)は100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下、特に好ましくは50nm以下、最も好ましくは45nm以下であり、220面の結晶子サイズ(B)は80nm以下、好ましくは60nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは40nm以下、特に好ましくは35nm以下、最も好ましくは30nm以下である。111面と220面の結晶子サイズ比(A/B)は、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.3~1.6である。
本発明の1つの好ましい実施形態において、卑金属がニッケルの場合、111面の結晶子サイズ(A)は25nm以下、好ましくは24nm以下、より好ましくは23nm以下、さらに好ましくは22nm以下であり、200面の結晶子サイズ(C)は23nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは18nm以下、さらに好ましくは16nm以下、特に好ましくは14nm以下である。111面と200面の結晶子サイズ比(A/C)は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.1~1.6である。
本発明の1つの好ましい実施形態において、卑金属が銅の場合、X線回折(XRD)パターンの111面と220面のピーク強度比(111面/220面)は、好ましくは3.0以下、より好ましくは1.4~3.0である。
本発明の銅めっき膜の焼鈍標準軟銅の導電率を100%IACSとしたときの導電率は、好ましくは80%IACS以上、より好ましくは85%IACS以上、さらに好ましくは90%IACS以上、特に好ましくは92%IACS以上、最も好ましくは94%IACS以上である。導電率は、4点端子法による表面抵抗率の値とマイクロメーターによるメッキ膜の厚みから体積抵抗率を求め、それをIACS%として導電性に換算することにより求められる。また、体積抵抗率は、めっき膜サンプルの複数点(例えば上下左右中の5点)の平均値として求めることができる。なお、IACS(international annealed copper standard)%は、電気抵抗の基準として、焼鈍標準軟銅(体積抵抗率: 1.7241×10-2 μΩm)の導電率を、100%IACSとして規定したものである。
また、本発明の卑金属めっき膜において、親水性ND粒子含有量は卑金属めっき膜の面積の、例えば0.5~25面積%、好ましくは2~20面積%、特に好ましくは5~15面積%である。なお、親水性ND粒子含有量(面積%)は、めっき相断面におけるSEM観察により測定可能である。本願明細書の比較例2及び図4において、非親水性NDを含む卑金属めっき膜には光沢度の上昇と酸化防止効果がいずれも見られなかったことから、これらの効果にはND粒子の「親水性」が重要であることが本発明者らにより明らかにされた。
本発明に使用する親水性ND粒子は、好ましくは複数もしくは多数の親水性官能基を有するか、より好ましくは少なくとも1つの親水性高分子でコーティングもしくは修飾されているので、凝集を防止することができ、高い光沢度、優れた耐酸化性を有するめっき膜を得ることができる。図1は本発明における表面修飾基を有するND粒子の一例を示す拡大模式図である。1は表面修飾基を有するND粒子、2はND粒子(部分)、3は表面修飾基を示す。
[卑金属めっき膜の製造方法]
本発明の卑金属めっき膜は、それ自体公知の電解めっき法(好ましくは、電解複合めっき法)又は無電解めっき法を利用することにより製造することができる。より詳細には、卑金属イオンと親水性ND粒子を含むめっき浴に、めっき膜形成対象部材(例えば、真鍮基板等の導電性基板)を浸漬して電解めっきもしくは無電解めっきを行なうことにより卑金属イオンを親水性ND粒子と共に前記部材表面に析出させ、卑金属の皮膜中に親水性ND粒子を取り込ませることができ、これを所望の厚みとなるまで継続することによって、卑金属マトリックス中に親水性ND粒子が分散する構成を有する卑金属めっき膜(若しくは、卑金属-親水性ND粒子複合材料から構成されるめっき膜)を製造することができる。
卑金属めっき膜の厚みは用途に応じて適宜設定することができ、例えば0.1~1000μm程度であり、スイッチやコネクタなどの接続部品として導電性金属部材の表面を被覆する用途の場合、卑金属めっき膜の厚みは、例えば0.1~50μm程度である。
(卑金属めっき浴)
本発明における卑金属めっき浴はめっき液と親水性ND粒子とを含む。前記卑金属めっき浴中における親水性ND粒子の含有量は、例えば0.001~1.0g/L(下限は、好ましくは0.003g/L、より好ましくは0.006g/L、さらに好ましくは0.01g/L、特に好ましくは0.03g/Lである。上限は、好ましくは0.8g/L、さらに好ましくは0.6g/L、特に好ましくは0.5g/Lである)の範囲であり、好ましくは0.01~0.5g/Lである。親水性ND粒子含有量が上記範囲内にあれば、卑金属めっき膜の高い光沢度と耐酸化性、良好な基板との密着性が得られる。
前記卑金属めっき浴は、親水性ND粒子を高分散(若しくは、コロイド分散)した状態で含有するため透明性に優れ、ヘーズは、好ましくは0~5程度であり、より好ましくは0~2程度、さらに好ましくは0~1程度、特に好ましくは0~0.5程度、最も好ましくは0~0.4である。ヘーズは、JIS K7136法に準拠して測定することができる。
前記卑金属めっき浴中の親水性ND粒子の粒径(D10)は、例えば95nm以下、好ましくは60nm以下、特に好ましくは50nm以下、最も好ましくは40nm以下である。親水性ND粒子の粒径(D10)の下限は、例えば10nmである。
前記卑金属めっき浴中の親水性ND粒子の粒径(D50)は、例えば95nm以下、好ましくは70nm以下、特に好ましくは60nm以下、最も好ましくは50nm以下である。親水性ND粒子の粒径(D50)の下限は、例えば20nmである。
前記卑金属めっき浴中の親水性ND粒子の粒径(D90)は、例えば95nm以下、好ましくは90nm以下、特に好ましくは80nm以下である。親水性ND粒子の粒径(D90)の下限は、例えば50nmである。尚、卑金属めっき浴中における親水性ND粒子の粒径は、動的光散乱法によって測定することができる。
前記卑金属めっき浴は、例えば、後述のめっき液に親水性ND粒子分散液を添加することにより調製することができる。無電解卑金属めっき浴は、水溶性卑金属塩、親水性ND粒子、リン供給源(無電解ニッケル-リン合金めっきの場合)、還元剤、錯化剤などを含有し得る。無電解卑金属めっき浴としては、無電解ニッケル-リン合金卑金属めっき浴が好ましい。
電解及び無電解卑金属めっき浴における水溶性卑金属塩の濃度は、卑金属めっき浴に供給される卑金属イオン濃度換算で、例えば0.01~0.5mol/Lであり、好ましくは0.05~0.2mol/Lである。
無電解卑金属めっき浴に含有される還元剤かつリン供給源としては、例えば、ホスフィン酸ナトリウムなどのホスフィン酸塩が挙げられる。ホスフィン酸塩を採用する場合、卑金属めっき浴におけるホスフィン酸塩の濃度は、例えば0.02~0.5mol/Lであり、好ましくは0.1~0.2mol/Lである。
電解及び無電解卑金属めっき浴に含有される錯化剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸、およびこれらの塩が挙げられる。クエン酸としては、クエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムが挙げられる。クエン酸および/またはその塩を採用する場合、電解及び無電解卑金属めっき浴におけるクエン酸および/またはその塩の濃度は、例えば0.02~1.0mol/Lであり、好ましくは0.1~0.5mol/Lである。
電解及び無電解卑金属めっき浴は、以上の成分に加えて他の成分を含有してもよい。そのような成分としては、例えば、pH緩衝剤や、卑金属めっき浴の自己分解抑制のための安定剤が、挙げられる。
卑金属めっき浴のpHは、例えば5~11である。
(めっき液)
本発明におけるめっき液はめっき膜の調製に必須の成分を含み、且つ上述の親水性ND粒子は含まないものである。前記めっき液は、卑金属イオンを少なくとも含む。
めっき液は、例えば、水溶性卑金属塩、電導度塩、錯化剤、皮膜の外観と物性を調整する添加剤等を配合することにより調製できる。前記水溶性卑金属塩は、卑金属めっき浴中においては卑金属イオンとして存在する。その他、卑金属の酸素酸イオンや、錯化剤と結合した卑金属錯イオンとして存在する場合もある。
卑金属めっき用のめっき液としては、卑金属の硫酸塩、硫酸、塩化物イオンなどからなる硫酸卑金属めっき液;卑金属シアン化物、シアン化ナトリウム、炭酸アルカリ、ロッシェル塩などからなるシアン化卑金属めっき液;卑金属ピロリン酸塩、ピロリン酸カリウム、アンモニア水、硝酸カリウムなどからなるピロリン酸卑金属めっき液などが挙げられる。
(親水性ND粒子分散液、及びその調製方法)
前記親水性ND粒子分散液は、親水性ND粒子が分散媒(好ましくは、水)中に分散されてなるものである。親水性ND粒子分散液中の親水性ND粒子濃度は、例えば1~100g/L程度である。
前記親水性ND粒子としては、分散性に優れる点において、ND粒子の親水性官能基が親水性高分子でコーティングもしくは修飾された親水性ND粒子が好ましく、特に好ましくはポリグリセリン鎖を含む水溶性高分子を有する親水性ND粒子である。
親水性ND粒子分散液中の親水性ND粒子の粒径(D50)は、例えば95nm以下、好ましくは70nm以下、特に好ましくは60nm以下、最も好ましくは50nm以下である。親水性ND粒子の粒径(D50)の下限は、例えば10nmである。尚、親水性ND粒子分散液中における親水性ND粒子の粒径は、動的光散乱法(DLS)によって測定することができる。
前記親水性ND粒子分散液は、卑金属めっき浴に添加することにより、得られる卑金属めっき膜に光沢を付与することができる。そのため、例えば、卑金属めっき膜の光沢剤として使用することができる。
(親水性ND粒子分散液の調製方法)
以下に、ポリグリセリン鎖で修飾された親水性ND粒子の分散液の製造方法の一例を説明する。ポリグリセリン以外の親水性ND粒子は、上記の一般的な製造法及び下記のポリグリセリン鎖で修飾された親水性ND粒子分散液の製造方法を参照して、当業者であれば容易に作製できる。
(生成工程)
まず、爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5~40mである。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60~60/40の範囲である。
生成工程では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってND粒子が生成する。生成したND粒子は、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体を成す。
生成工程では、次に、室温において24時間程度放置することにより放冷し、容器およびその内部を降温させる。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粒子粗生成物(上述のようにして生成したND粒子の凝着体および煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行うことによってND粒子粗生成物が得られる。
(酸処理工程)
酸処理工程は、原料であるND粒子粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させて金属酸化物を除去する工程である。爆轟法で得られるND粒子粗生成物には金属酸化物が含まれやすく、この金属酸化物は爆轟法に使用される容器等に由来するFe、Co、Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ND粒子粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる。この酸処理に用いる強酸としては鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。酸処理で使用する強酸の濃度は例えば1~50質量%である。酸処理温度は例えば70~150℃である。酸処理時間は例えば0.1~24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後は、例えばデカンテーションにより、沈殿液のpHが例えば2~3に至るまで、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行うことが好ましい。爆轟法で得られるND粒子粗生成物における金属酸化物の含有量が少ない場合には、以上のような酸処理は省略してもよい。
(酸化処理工程)
酸化処理工程は、酸化剤を用いてND粒子粗生成物からグラファイトを除去する工程である。爆轟法で得られるND粒子粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれるが、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ND粒子粗生成物からグラファイトを除去することができる。
この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、硝酸、及びこれらの混合物や、これらから選択される少なくとも1種の酸と他の酸(例えば硫酸等)との混酸、及びこれらの塩が挙げられる。本発明においては、なかでも、混酸(特に、硫酸と硝酸との混酸)を使用することが、環境に優しく、且つグラファイトを酸化・除去する作用に優れる点で好ましい。
前記混酸における硫酸と硝酸との混合割合(前者/後者;質量比)は、例えば60/40~95/5であることが、常圧付近の圧力(例えば、0.5~2atm)の下でも、例えば130℃以上(特に好ましくは150℃以上。尚、上限は、例えば200℃)の温度で、効率よくグラファイトを酸化して除去することができる点で好ましい。下限は、好ましくは65/35、特に好ましくは70/30である。また、上限は、好ましくは90/10、特に好ましくは85/15、最も好ましくは80/20である。
混酸における硝酸の割合が上記範囲を上回ると、高沸点を有する硫酸の含有量が少なくなるため、常圧付近の圧力下では、反応温度が例えば120℃以下となり、グラファイトの除去効率が低下する傾向がある。一方、混酸における硝酸の割合が上記範囲を下回ると、グラファイトの酸化に大きく貢献する硝酸の含有量が少なくなるため、グラファイトの除去効率が低下する傾向がある。
酸化剤(特に、前記混酸)の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば10~50質量部、好ましくは15~40質量部、特に好ましくは20~40質量部である。また、前記混酸中の硫酸の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば5~48質量部、好ましくは10~35質量部、特に好ましくは15~30質量部であり、前記混酸中の硝酸の使用量は、ND粒子粗生成物1質量部に対して例えば2~20質量部、好ましくは4~10質量部、特に好ましくは5~8質量部である。
また、酸化剤として前記混酸を使用する場合、混酸と共に触媒を使用しても良い。触媒を使用することにより、グラファイトの除去効率を一層向上することができる。前記触媒としては、例えば、炭酸銅(II)等が挙げられる。触媒の使用量は、ND粒子粗生成物100質量部に対して例えば0.01~10質量部程度である。
酸化処理温度は例えば100~200℃である。酸化処理時間は例えば1~24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。
(乾燥工程)
本方法では、次に、乾燥工程を設けることが好ましく、例えば、上記工程を経て得られた親水性官能基を有する親水性ND粒子含有溶液から噴霧乾燥装置やエバポレーター等を使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥温度は、例えば40~150℃である。このような乾燥工程を経ることにより、ND粉体が得られる。
(酸素酸化工程)
酸素酸化工程では、ガス雰囲気炉を使用してND粉体を酸素を含有する所定組成のガス雰囲気下にて加熱する。具体的には、ガス雰囲気炉内にND粉体が配され、当該炉に対して酸素含有ガスが供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて酸素酸化処理が実施される。
酸素酸化処理の温度条件は、例えば250~500℃である。ネガティブのゼータ電位を有する親水性ND粒子を得るためには、この酸素酸化処理の温度条件は、比較的に高温であることが好ましく、例えば400~450℃である。また、前記酸素含有ガスは、酸素に加えて不活性ガスを含有する混合ガスである。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、およびヘリウムが挙げられる。当該混合ガスの酸素濃度は、例えば1~35体積%である。
(水素化工程)
また、ポジティブのゼータ電位を有する親水性ND粒子を所望する場合には、上述の酸素酸化工程の後に水素化工程を行う。水素化工程では、酸素酸化工程を経たND粉体について、ガス雰囲気炉を使用して、水素を含有する所定組成のガス雰囲気下にて加熱する。具体的には、ND粉体が内部に配されているガス雰囲気炉に対して水素含有ガスが供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて水素化処理が実施される。この水素化処理の温度条件は、例えば400~800℃である。また、本実施形態で用いられる水素含有ガスは、水素に加えて不活性ガスを含有する混合ガスである。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、およびヘリウムが挙げられる。当該混合ガスの水素濃度は、例えば1~50体積%である。
(解砕工程)
以上のような一連の過程を経て精製された後であっても、親水性ND粒子は、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる場合が多い。そのため、解砕工程を行い凝着体から一次粒子を分離させることが好ましい。具体的には、まず、酸素酸化工程またはその後の水素化工程を経たND粉体を純水に懸濁し、親水性官能基(OH、COOH、NHなど)を有するND粒子を含有するスラリーを調製する。スラリーの調製にあたっては、比較的に大きな集成体を親水性ND粒子懸濁液から除去するために遠心分離処理を行ってもよいし、親水性官能基を有するND粒子懸濁液に超音波処理を施してもよい。そして、当該スラリーを湿式の解砕処理に付す。解砕処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、またはコロイドミルを使用して行うことができる。これらを組み合わせて解砕処理を実施してもよい。効率性の観点からはビーズミルを使用するのが好ましい。
このような解砕工程を経ることによって、親水性官能基を有するND一次粒子を含有するND粒子水分散液を得ることができる。解砕工程を経て得られる分散液については、粗大粒子を除去するために分級操作を行ってもよい。例えば分級装置を使用して、遠心分離を利用した分級操作によって分散液から粗大粒子を除去することができる。
(乾燥工程)
本方法では、次に、乾燥工程を設けることが好ましく、例えば、上記工程を経て得られた親水性官能基を有するND粒子水分散液から噴霧乾燥装置やエバポレーター等を使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥温度は、例えば40~150℃である。このような乾燥工程を経ることにより、粉体として親水性官能基を含むND粒子が得られる。
(修飾工程)
ポリグリセリン鎖で修飾された親水性ND粒子は、例えば、上記工程を経て得られた親水性官能基を有するND粒子に直接グリシドールを開環重合させることにより得ることができる。ND粒子はその表面に製造過程で生じるカルボキシル基や水酸基を有しており、これらの官能基とグリシドールを反応させることにより、NDの表面を親水性高分子によって修飾できる。
親水性官能基を有するND粒子とグリシドールとの反応(開環重合)は、例えば、不活性ガス雰囲気下で親水性官能基を有するND粒子にグリシドール及び触媒を添加し、50~100℃に加熱することによって行うことができる。前記触媒としては、酸性触媒や塩基性触媒を用いることができる。前記酸性触媒としては、例えば、トリフルオロホウ素エーテラート、酢酸、リン酸等が挙げられ、塩基性触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
開環重合に付すグリシドールの使用量は、親水性官能基を有するND粒子1質量部に対して、例えば20質量部以上であり、好ましくは20~150質量部である。グリシドールの使用量が上記範囲を下回ると十分な分散性が得られにくくなる傾向がある。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、遠心分離、抽出、水洗、中和等や、これらを組み合わせた手段により精製処理を施すことが好ましい。これにより、本発明における親水性ND粒子分散液(好ましくは、親水性ND粒子水分散液)が得られる。グリシドールはポリグリセリンで修飾したND粒子の製造に用いられるが、ポリグリセリン以外の親水性高分子で修飾したND粒子、或いは、親水性高分子で修飾されたND粒子は、上記の記載及び公知技術を参照することで当業者であれば容易に製造できる。
[電子部品]
本発明の電子部品は、上記卑金属めっき膜を備えることを特徴とする。本発明の電子部品は、上記卑金属めっき膜以外にも他のめっき膜を有していてもよく、例えば、下地めっき膜を1層又は2層以上有していてもよい。本発明の電子部品には例えば、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等の電子機器用接続部品(例えば、コネクタ等)が含まれる。
[光沢剤]
本発明の卑金属めっき膜の光沢剤は、上記親水性ND粒子を含むことを特徴とする。
前記光沢剤は、上記親水性ND粒子以外にも他の成分を含有していても良いが、光沢剤全量における上記親水性ND粒子の含有量の占める割合は、例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上、とりわけ好ましくは90質量%以上である。
[酸化防止剤]
本発明の卑金属めっき膜の酸化防止剤は、上記親水性ND粒子を含むことを特徴とする。
前記酸化防止剤は、上記親水性ND粒子以外にも他の成分を含有していても良いが、酸化防止剤全量における上記親水性ND粒子の含有量の占める割合は、例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上、とりわけ好ましくは90質量%以上である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、ND粒子濃度、粒径、及びゼータ電位は以下の方法で測定した。
〈ND粒子濃度〉
ND粒子水分散液のND粒子濃度は、秤量した分散液3~5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって水分を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した値とに基づき、算出した。
〈粒径〉
ND粒子水分散液や卑金属めっき浴中に含まれるND粒子の粒径(メディアン径、D10、D50、及びD90)は、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。
〈ゼータ電位〉
ND粒子水分散液に含まれるND粒子のゼータ電位は、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した。測定に付されたND粒子水分散液は、ND粒子濃度が0.2質量%となるように超純水で希釈された後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものであり、ゼータ電位測定温度は25℃である。
調製例1
以下の工程を経て、親水性ND粒子水分散液を作製した。
(生成工程)
まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器(鉄製、容積:15m)の内部に設置して容器を密閉した。爆薬としては、TNTとRDXとの混合物(TNT/RDX(質量比)=50/50)0.50kgを使用した。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温で24時間放置して、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粒子粗生成物(上記爆轟法で生成したND粒子の凝着体と煤を含む)を回収してND粒子粗生成物を得た。
(酸処理工程)
次に、上記工程で得たND粒子粗生成物に対して酸処理を行った。具体的には、当該ND粒子粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理(加熱温度:85~100℃)を行った。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
(酸化処理工程)
次に、混酸処理を行った。具体的には、酸処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ND凝着体を含む)に、6Lの98質量%硫酸水溶液と1Lの69質量%硝酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件及び還流下において48時間の加熱処理(加熱温度:140~160℃)を行った。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上澄み液は着色していたが、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
(乾燥工程)
次に、上述の水洗処理を経て得られた親水性官能基を有するND粒子含有液1000mLを、噴霧乾燥装置(商品名「スプレードライヤー B-290」、日本ビュッヒ(株)製)を使用して噴霧乾燥に付した。これにより、50gのND粉体を得た。
(酸素酸化工程)
次に、上述のようにして得られたND粉体4.5gをガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」、光洋サーモシステム(株)製)の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の酸素濃度は4体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度たる400℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い380℃までは10℃/分とし、その後の380℃から400℃までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を400℃に維持しつつ、炉内のND粉体について酸素酸化処理を行った。処理時間は3時間とした。
酸素酸化処理後、下記FT-IR分析により、ND粒子におけるカルボキシ基等の含酸素官能基の評価を行った。この分析で得られたスペクトルより、C=O伸縮振動に帰属する1780cm-1付近の吸収がメインピークとして検出された。このことから、前記ND粉体には、表面官能基として複数のカルボキシル基を有するND粒子(ND-COOH)が主に含まれることが確認できた。
<FT-IR分析条件>
FT-IR装置(商品名「Spectrum400型FT-IR」、(株)パーキンエルマージャパン製)を使用して、フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)を行った。本測定においては、試料を真空雰囲気下で150℃に加熱しつつ赤外吸収スペクトルを測定した。真空雰囲気下の加熱には、エス・ティ・ジャパン社製のModel-HC900型Heat ChamberとTC-100WA型Thermo Controllerとを併用した。
(解砕工程)
まず、酸素酸化工程を経たND粉体0.3gと純水29.7mLとを50mLのサンプル瓶内で混合し、スラリー約30mLを得た。次に、当該スラリーについて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを調整した後、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS-3」、アズワン(AS ONE)社製)を使用して2時間の超音波照射を行った。この後、ビーズミリング装置(商品名「並列四筒式サンドグラインダー LSG-4U-2L型」、アイメックス(株)製)を使用してビーズミリングを行った。具体的には、100mLのミル容器であるベッセル(アイメックス(株)製)に超音波照射後のスラリー30mLと直径30μmのジルコニアビーズとを封入し、装置を駆動させてビーズミリングを実行した。このビーズミリングにおいて、ジルコニアビーズの投入量は、ミル容器の容積に対して約33%であり、ミル容器の回転速度は2570rpmであり、ミリング時間は2時間である。
次に、解砕工程を経たスラリーについて、遠心分離装置を使用して遠心分離処理を行った(分級操作)。この遠心分離処理における遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分間とした。
次に、当該遠心分離処理を経たND粒子含有溶液の上清25mLを回収し、ND粒子水分散液(ND-COOH)を得た。ND粒子水分散液中のND粒子濃度は11.8g/Lであった。また、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」、アズワン(株)製)を使用して測定したところ、pHは9.33であった。粒径D50は3.97nm、粒径D90は7.20nm、ゼータ電位は-42mVであった。
(修飾工程)
上記で得られたND粒子水分散液を、エバポレーターを使用して乾燥させ、黒色の乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体(100mg)を、ガラス製反応器に入れた12mLのグリシドール中に添加し、超音波洗浄器(商品名「BRANSON2510」、マーシャルサイエンティフィック社製)にて、室温で2時間、超音波処理して溶解させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しつつ、140℃で20時間反応させた。反応混合液を冷却後、120mLのメタノールを加え、超音波処理した後、50400Gで2時間遠心分離し、沈殿物を得た。この沈殿物に対して、120mLのメタノールを加え、同様に洗浄-遠心分離工程を5回繰り返し、最後に沈殿物に対して透析膜(Spectra/Prodialysis membrane, MWCO: 12-14 kDa)を用いて純水透析を行い、残留メタノールを水に置換して凍結乾燥し、ポリグリセリンで修飾された親水性ND粒子(PG-ND粒子)の灰色粉体を得た。
TG-DTA熱分析により、ND粒子と表面修飾基の比率を測定した結果、ND粒子:表面修飾基=1:0.7であった。
PG-ND灰色粉体と水を加え、ND粒子の質量を基準として、10g/Lになるように濃度調整してPG-ND粒子水分散液を得た。
〔実施例1〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液を、銅めっき液(商品名「電解めっき液」、清川めっき工業(株)製)に添加してめっき浴(1)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:1g/L、CuSO・5HO濃度5質量%)を得た。
めっき浴(1)中のPG-ND粒子の粒径を測定したところ、粒径(D10)は30nm、粒径(D50)は44nm、粒径(D90)は76nmであった。
めっき浴(1)は透明であり、濁りは全くなかった。
めっき膜形成対象部材としての真鍮板(縦20mm×横20mm×厚さ1mm)[清川めっき工業(株)製]について、脱脂洗浄を行った。
この真鍮板を、めっき浴(1)を用いて、pH0.1、液温28℃、電流密度2A/dmの条件下で、撹拌しながら20分間めっきして、真鍮板上に銅-ND粒子複合材料からなるめっき膜(銅めっき膜)を形成させた(陰極:真鍮板、陽極:銅板)。得られた銅めっき膜を有する真鍮板は、ND粒子が均一に高分散しており、表面が平滑であった。
〔実施例2〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(2)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.5g/L)を得、得られためっき浴(2)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔実施例3〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(3)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.2g/L)を得、得られためっき浴(3)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔実施例4〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(4)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.1g/L)を得、得られためっき浴(4)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔実施例5〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(5)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.05g/L)を得、得られためっき浴(5)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔実施例6〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(6)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.01g/L)を得、得られためっき浴(6)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔実施例7〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(7)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.001g/L)を得、得られためっき浴(7)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。
〔比較例1〕
めっき浴(1)に代えて、銅めっき液(商品名「電解めっき液」、清川めっき工業(株)製)めっき浴(6)(ND粒子分散液を含まない)を使用した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有する真鍮板を得た。真鍮板に形成されためっき膜は、表面に凸凹があり平滑性に欠いていた。
〈光沢度測定〉
実施例1~7及び比較例1で得られためっき膜の光沢度については、光沢計「高光沢グロスチェッカIG-410」(堀場製作所社製)を用い、下記の条件で光沢度m0(鏡面反射率100%)を測定した。
光源:LED(波長:890nm)
入射角:60°(100%反射の場合、光沢度は1000(単位なし))
結果を下記表1にまとめて示す。
下記表1より、ND粒子の添加により銅などの銅めっき膜表面の光沢度が上昇することがわかった。
また、実施例4と比較例1で真鍮板に形成されためっき膜の製造直後と7日後のX線回折結果を図2(比較例1)、図3(実施例4)に示す。比較例1の銅めっき膜は1週間後に酸化銅(CuO)のピークが見られ、赤茶色に着色していたが、実施例4の銅めっき膜は1週間後にも酸化銅(CuO)のピークは観察されず、肉眼による観察でも製造直後と7日後に差異は見られなかった。
これらの結果から、親水性ND粒子が卑金属めっき膜の酸化を抑制できることが明らかになった。
比較例2
非親水性のPG未修飾NDを銅めっき浴(清川メッキ製)中に200ppm添加した。ND(ダイセル製、PG修飾前のもの)の添加濃度は、PGありの場合と合わせた。攪拌しながら、PG修飾NDを用いた実施例1と同条件でめっきを実施した。光沢度および、酸化防止効果を確認するためのサンプルは同一のものを使用した。得られためっき膜(比較例2、実施例3,4)の製造直後の光沢度を測定した結果を表2に示す。PG未修飾NDでの銅めっきの結果、光沢度はNDなしの場合の光沢度と同程度であり、PG修飾NDを添加した場合の光沢度とは明確に差が見られた。さらに、めっき直後と5日後において、比較例2の銅めっき膜のXRD測定を実施した。結果を図4に示す。めっき膜作製の5日後に酸化銅が確認され、PG-ND粒子で確認されたような酸化防止の効果は認められなかった。
〔試験例1〕
実施例1において、PG-ND粒子の銅めっき浴中の濃度を0ppm、200ppm(0.02%)、400ppm(0.04%)、600ppm(0.06%)、1000ppm(0.1%)とした以外は実施例1と同様にして銅めっき浴を作製し、ヘーズを測定した。結果を表3に示す。
〔試験例2〕
調製例1において、爆ごう法で得られたPG未修飾のND粒子について、X線回析装置(商品名「Smart Lab」,リガク社製)を使用して結晶構造解析を行った。その結果、ダイヤモンドの回析ピーク位置、即ち、ダイヤモンド結晶の(111)面からの回析ピーク位置に、強い回析ピークが認められ、PG未修飾のND粒子がダイヤモンドであることを確認した。
次に、調製例1で得られたPG未修飾のND粒子とPG-ND粒子、さらに、衝撃圧縮法で得られたND粒子(PG未修飾とPG修飾)について、X線回析装置(商品名「Smart Lab」,リガク社製)を使用して小角X線散乱測定(SAXS法)を行い、粒子径分布解析ソフト(商品名「NANO-Solver」,リガク社製)を使用して、散乱角度1° ~3°の領域についてナノダイヤモンドの一次粒子径を見積もった。この見積もりにおいては、ナノダイヤモンド一次粒子が球形であり且つ粒子密度が3.51g/cmであるとの仮定をおいた。衝撃圧縮法で得られたND粒子は商品名:SCMナノダイヤ、住石マテリアル社製を使用し、衝撃圧縮法で得られたPG修飾されたND粒子は、上記ND粒子を調製例1と同様にしてPG修飾を行ったものである。SAXS法による粒子径の測定結果を表4に示す。
〔試験例3〕
実施例1(PG-ND 200ppmを含む銅めっき液)、比較例1(NDを含まないめっき液)、比較例2(PG未修飾NDを含むめっき液)で得られためっき膜について、微小角入射X線回折法により、めっき直後、めっき5日後、めっき7日後の酸化銅の111面の回折ピークを下記のように測定した。
(1)微小角入射X線回折法
銅めっき表の表面の構造を分析するために、微小角入射X 線回折(GIXD)法を用いた。
本法は物質の平坦な表面すれすれにX線を入射すると全反射を起こすことを利用し、全反射を起こす角度の前後で、微妙に角度を変化させながら、反射と屈折、そして回折を測定する方法である。今回、SmartLab(リガク社製)を用い、入射角はおよそ0.7°、測定角は30°~100°として計測を行った。
(2)めっき膜の保管条件
実施例1、比較例1、2で得られた銅めっき膜を有する真鍮板は、直射日光の当たらない室内に5日間又は1週間保管(常温25℃程度、湿度50%程度)した。
(3)測定結果
結果を表5に示す。
7日後、NDなし(比較例1)は銅の111面のピーク強度に対する酸化銅の111面のピーク強度が2.5%であるのに対し、PG修飾ND(実施例3)では酸化銅のピークが0.1%であった。
〔実施例8及び比較例3〕
以下のスズ(Sn)めっき液を用い、実施例1と同様にして真鍮板のSnめっきを行い(Snめっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.2g/L(実施例8)又は0g/L(比較例3))、Snめっき膜を有する真鍮板を得た。得られたSnめっき膜を有する真鍮板について光沢度と表面粗さ(Ra)を測定した結果を表6に示す。
・Snめっき
液組成:硫酸第一スズ 30g/L、硫酸130g/L
めっき温度:10℃
電流密度:2A/dm2
めっき時間:10分
〔実施例9及び比較例4〕
以下のニッケル(Ni)めっき液及びめっき条件を用い、実施例1と同様にして真鍮板のNiめっきを行い(Niめっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.2g/L(実施例9)又は0g/L(比較例4))、Niめっき膜を有する真鍮板を得た。得られたNiめっき膜を有する真鍮板について光沢度、表面粗さ(Ra)を測定した結果を表6に示す。
・ニッケルめっき
液組成:硫酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル40g/L、ホウ酸30g/L
めっき温度:50℃
電流密度:2A/dm2
めっき時間:25分
〔実施例10及び比較例5〕
以下の亜鉛(Zn)めっき液及びめっき条件を用い、実施例1と同様にして真鍮板のZnめっきを行い(Znめっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.2g/L(実施例10)又は0g/L(比較例5))、Znめっき膜を有する真鍮板を得た。得られたZnめっき膜を有する真鍮板について光沢度、表面粗さ(Ra)を測定した結果を表6に示す。
・亜鉛めっき
液組成:酸化亜鉛10g/L、水酸化ナトリウム100g/L
めっき温度:室温
電流密度:2A/dm2
めっき時間:18分
〔実施例11及び比較例6〕
以下のパーマロイ(NiとFeの合金)めっき液及びめっき条件を用い、実施例1及び比較例1と同様にして真鍮板のパーマロイめっきを行い(パーマロイめっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.2g/L(実施例11)又は0g/L(比較例6))、パーマロイめっき膜を有する真鍮板を得た。得られたパーマロイめっき膜を有する真鍮板について光沢度、表面粗さ(Ra)を測定した結果を表6に示す。
・パーマロイめっき
液組成:硫酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル40g/L、ホウ酸30g/L、硫酸第一鉄24g/L、マロン酸5g/L、
めっき温度:50℃
電流密度:2A/dm2
めっき時間:25分
〈表面粗さ(Ra)測定〉
実施例8~11及び比較例3~6で得られためっき膜の表面粗さ(Ra)については、高精度形状測定システムKS-1100(KEYENCE社製)を用いて測定した。
各種めっき液にPG-ND粒子を添加することで、めっき膜の光沢度、表面平滑性及び押し込み硬さ(表面硬度)を向上できることが明らかになった。表面粗さ(Ra)が低いことは光沢度の向上に関係すると考えられる。
〔試験例4〕
実施例3、9及び11、並びに、比較例1、4及び6で得られためっき膜について、微小押し込み硬さ試験機(商品名「ENT-2100」、(株)エリオニクス製)を用い、以下の条件で押し込み硬さ(表面硬度)を測定した。
圧子 :バーコビッチ圧子
荷重条件: (i)開始荷重_0mN→荷重_20mN、10s
(ii)開始荷重_20mN→荷重_20mN、10s
(iii)開始荷重_20mN→終了荷重_0mN、10s微小硬度計
結果を表7に示す。
〔実施例12〕
調製例1で得られたPG-ND粒子水分散液の添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてめっき浴(12)(めっき浴中のPG-ND粒子濃度:0.02g/L)を得、得られためっき浴(12)を使用し、真鍮板をステンレス板に変更した以外は実施例1と同様にして銅めっき膜を有するステンレス板を得た。
〔比較例7〕
比較例1のめっき浴(6)を使用し、真鍮板をステンレス板に変更した以外は比較例1と同様にして銅めっき膜を有するステンレス板を得た。
〔試験例5〕
実施例12(PG-ND 20ppmを含む銅めっき液を使用)、比較例7(NDを含まないめっき液)で得られたステンレス板の銅めっき膜を剥離し、ガラス板上にめっき膜を配置してめっき膜の厚みをマイクロメーターで測定し、導電率を以下の条件で測定した。
導電率計測装置:ロレスタGX、三菱化学アナリテック製
サンプルサイズ:1cm
測定箇所 :上下左右中(5点)
計測方法 :めっき膜をステンレス板から剥離し、別途準備したガラス板上で計測。
具体的には、マイクロメーターで測定しためっき膜の厚みをロレスタGXに入力し、体積抵抗率を測定した(4点端子法)。体積抵抗率は焼鈍標準軟銅(体積抵抗率: 1.7241×10-2μΩm)の導電率を100%IACSとして導電性に換算した。結果を表8に示す。
本発明の親水性ナノダイヤモンド(PG-ND)を添加しためっき浴から作製した銅めっきの導電性は、添加しなかった銅めっきと比較して向上したことが明らかになった。
親水性ナノダイヤモンド(PG-ND)を添加した本発明の卑金属めっき膜は、結晶子サイズの増大を防いで硬度を維持し、かつ、導電性を向上させるという予想外の効果を奏する。
〔試験例6〕
実施例3(PG-ND 200ppmを含む銅めっき液)、比較例1(NDを含まない銅めっき液)で得られた銅めっき膜について、111面と220面の結晶子サイズを測定した。結晶子サイズの測定は、CuKα線をX線源とするX線回折法(XRD)により、回折ピークの半値幅と回折角からシェラーの式を用いて算出した。測定装置はリガク製[SmartLab]、光学系は集中法を使用した。結果を表9に示す。また、銅めっき膜のXRDパターンを図5に示し、111面と220面のピーク強度比を表10に示す。
実施例3で得られたPG-NDを含む銅めっき膜は、111面と220面の結晶子サイズがいずれも小さく、押し込み硬さ(表面硬度)に優れていることが明らかになった。
〔試験例7〕
実施例9(PG-ND 200ppmを含むニッケルめっき液)、比較例4(NDを含まないニッケルめっき液)で得られためっき膜について、めっき3カ月後のニッケルめっきの111面と200面の結晶子サイズを測定した。結晶子サイズの測定は、CuKα線をX線源とするX線回折法(XRD)により、回折ピークの半値幅と回折角からシェラーの式を用いて算出した。測定装置はリガク製[SmartLab]、光学系は集中法を使用した。結果を表11に示す。
実施例9で得られたPG-NDを含むニッケルめっき膜は、111面と200面の結晶子サイズがいずれも小さく、押し込み硬さ(表面硬度)に優れていることが明らかになった。
〔試験例8〕
実施例9(PG-ND 200ppmを含むニッケルめっき液)、比較例4(NDを含まないニッケルめっき液)で得られためっき膜について、収束イオンビーム加工装置で断面を作製し、反射電子像で観察を実施した。
装置名:FIB-SEM装置(FEI社製Versa3D DualBeam)。図6(a)は比較例1のND粒子を含まないめっき膜であり、表面粗さ(Ra)が大きいことがわかる。図6(b)は実施例1のND粒子を含むめっき膜であり、矢印で示される小さい黒点がND粒子である。
〔試験例9〕
実施例1(PG-ND 200ppmを含む銅めっき液)で得られためっき膜について、装置は、アルバックファイ社(PHI5800 ESCA system)を使用してX線光電分光法(XPS)によるCuめっき膜中の炭素量(C1s)を計測した。結果を図7に示す。Cu膜中において炭素分が検出された。
1 表面修飾基を有するND粒子
2 ND粒子(部分)
3 表面修飾基

Claims (7)

  1. 卑金属イオンと親水性ナノダイヤモンド粒子を含み、親水性ナノダイヤモンド粒子の濃度が0.001~1g/Lである、卑金属めっき浴。
  2. ヘーズが0~0.5である、請求項1に記載の卑金属めっき浴。
  3. 卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D10)が10~60nmである、請求項1又は2に記載の卑金属めっき浴。
  4. 卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D50)が10~70nmである、請求項1又は2に記載の卑金属めっき浴。
  5. 卑金属めっき浴中の親水性ナノダイヤモンド粒子の粒径(D90)が10~90nmである、請求項1又は2に記載の卑金属めっき浴。
  6. 親水性ナノダイヤモンド粒子を含む卑金属めっき膜の光沢剤。
  7. 親水性ナノダイヤモンド粒子を含む卑金属めっき膜の酸化防止剤。
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