JP2018083960A - ナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法およびナノダイヤモンド含有メッキ液 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適したメッキ液の製造方法、および、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適したメッキ液を、提供する。【解決手段】本発明のナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法は、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子と当該粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒成分とを含有するナノダイヤモンド分散液を調製する工程(ND分散液調製工程S1)、および、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンを含有するメッキ液と当該ナノダイヤモンド分散液とを混合する工程(例えばND分散液添加工程S2)を含む。本発明のナノダイヤモンド含有メッキ液は、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンと、非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド粒子とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノダイヤモンド粒子を含有する複合メッキ膜を形成するためのメッキ液の製造方法、および、ナノダイヤモンド粒子を含有する複合メッキ膜を形成するためのメッキ液に関する。
部品や構造体の表面改質手段として複合メッキ膜が利用されることがある。複合メッキ膜は、例えば、金属マトリックス中に微粒子の分散するメッキ膜であり、表面改質対象である部品等の表面において微粒子を取り込みつつ金属材料が堆積するように膜体を成長させることによって形成され得る。複合メッキ膜には、その母材たる金属材料の物性と分散微粒子等の分散成分の物性とが複合化した特性の発現が期待される。このような複合メッキ膜に関する技術については、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
一方、近年、ナノダイヤモンドと呼称される微粒子状のダイヤモンド材料の開発が進められている。ナノダイヤモンドについては、用途によっては、粒径が10nm以下のいわゆる一桁ナノダイヤモンドが求められる場合がある。
特開2003−146637号公報 特開2012−135921号公報 特開2013−099920号公報
一次粒子の粒径が10nm以下であるナノダイヤモンドは、バルクダイヤモンドがそうであるように高い機械的強度を示し得る。微粒子たるナノ粒子は、一般に、表面原子(配位的に不飽和である)の割合が大きいので、隣接粒子の表面原子間で作用し得るファンデルワールス力の総和が大きくて凝集(aggregation)を生じやすい。これに加えて、ナノダイヤモンド粒子の場合、隣接結晶子の結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成する凝着(agglutination)という現象が生じ得る。ナノダイヤモンドは、このように結晶子ないし一次粒子の間に重畳的な相互作用が生じ得る特異な性質を有するところ、例えば溶液中において、ナノダイヤモンド一次粒子が分散した状態を創り出すことや、そのような状態を維持することには、技術的困難を伴う場合が多い。ナノダイヤモンドは、例えば爆轟法によって得られる生成物にて先ずは、一次粒子間の非常に強い相互作用に因って一次粒子どうしが集成している凝着体(二次粒子)の形態をとり、二次粒子から一次粒子への解砕や、所望の溶液中で一次粒子の分散状態を維持させることなどに、技術的困難を伴うのである。
本発明は、以上のような事情のもとで考え出されたものであり、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適したメッキ液の製造方法、および、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適したメッキ液を、提供する。
本発明の第1の側面によるとナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法が提供される。このナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法は、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子と、当該粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒成分とを含有するナノダイヤモンド分散液が調製される工程(第1の工程)、および、当該ナノダイヤモンド分散液と、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンを含有するメッキ液とが混合される工程(第2の工程)を含む。第1の工程では、好ましくは、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤモンド水系分散液と非プロトン性極性溶媒成分との混合によって、ナノダイヤモンド分散液が調製される。ナノダイヤモンド水系分散液とは、分散媒成分のうち質量比で最も多い成分として水が50質量%以上を占めるナノダイヤモンド分散液をいうものとする。第1の工程で調製されるこのようなナノダイヤモンド分散液が、第2の工程に供される。そして、第2の工程での混合を経て、ナノダイヤモンド含有メッキ液が得られる。
本製造方法における第1の工程で調製されるナノダイヤモンド分散液は、上述のように、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子と、当該粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒成分とを含有する。このような構成のナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンド一次粒子は、当該分散液とメッキ膜形成用金属イオン含有のメッキ液とが混合された場合にその分散状態を維持する傾向にあることを、本発明者は見出した。例えば、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。上記構成のナノダイヤモンド分散液中には、メッキ液中でもナノダイヤモンド粒子に随伴し得る態様で当該粒子との間に相互作用を生じている非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド一次粒子が存在するものと考えられる。上記構成のナノダイヤモンド分散液中には、例えば、メッキ液中でも溶媒和状態が維持され得る態様で非プロトン性極性溶媒成分によって溶媒和されているナノダイヤモンド一次粒子が、存在するものと考えられる。ナノダイヤモンド粒子表面を化学的に修飾するこのような非プロトン性極性溶媒成分が、電解質濃度の高い溶液たるメッキ液の中でのナノダイヤモンド粒子の分散安定化に寄与するものと考えられる。メッキ液中で凝集せずに分散しているナノダイヤモンド粒子は、電気メッキ法や無電解メッキ法などの湿式メッキ法において、メッキ液中のメッキ対象の表面において金属材料が堆積して金属膜が成長する過程で当該金属膜に取り込まれやすく、従って、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を構成しやすい。
以上のように、本発明の第1の側面に係る方法によって製造されるナノダイヤモンド含有メッキ液は、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適する。
本発明の第2の側面によるとナノダイヤモンド含有メッキ液が提供される。このナノダイヤモンド含有メッキ液は、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンと、非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド粒子とを含む。非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド粒子は、例えば、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子と当該粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒とを含有するナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンド粒子に由来する。
このような構成のナノダイヤモンド含有メッキ液は、本発明の第1の側面に係る上述の方法によって製造することができる。メッキ液中でもナノダイヤモンド粒子に随伴し得る態様で当該粒子との間に相互作用を生じている非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド一次粒子は、メッキ液中で分散状態を維持しやすい。そして、メッキ液中で凝集せずに分散しているナノダイヤモンド粒子は、電気メッキ法や無電解メッキ法などの湿式メッキ法において、メッキ液中のメッキ対象の表面において金属材料が堆積して金属膜が成長する過程で当該金属膜に取り込まれやすく、従って、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を構成しやすい。
以上のように、本発明の第2の側面に係るナノダイヤモンド含有メッキ液は、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適する。
本発明の第1および第2の側面において、ナノダイヤモンド含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は、好ましくは0.002〜2g/Lである。ナノダイヤモンド含有メッキ液を使用して形成されるナノダイヤモンド含有複合メッキ膜においてナノダイヤモンドの存在に起因する特性を充分に発現させるという観点からは、ナノダイヤモンド含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は0.002g/L以上であるのが好ましい。ナノダイヤモンド含有メッキ液におけるナノダイヤモンド粒子の分散安定化の観点からは、ナノダイヤモンド含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は2g/L以下であるのが好ましい。
本発明の第1および第2の側面において、ナノダイヤモンド粒子は、好ましくは、爆轟法によって生成するナノダイヤモンド粒子(爆轟法ナノダイヤモンド粒子)である。爆轟法によると、一次粒子の粒径が10nm以下のナノダイヤモンドを適切に生じさせることが可能である。
本発明の第1および第2の側面において、非プロトン性極性溶媒成分は、好ましくは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびN,N-ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む。このような構成は、メッキ液中でのナノダイヤモンド一次粒子の分散安定化を図るうえで好ましい。
本発明の第1および第2の側面において、金属イオンは、好ましくは、ニッケルイオンおよび/または金イオンを含む。本発明に係るナノダイヤモンド含有メッキ液中の金属イオンがニッケルイオンを含む場合、当該メッキ液を使用して、ニッケルを含む金属マトリックス中にナノダイヤモンド粒子の分散するナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成することが可能である。本発明に係るナノダイヤモンド含有メッキ液中の金属イオンが金イオンを含む場合、当該メッキ液を使用して、金を含む金属マトリックス中にナノダイヤモンド粒子の分散するナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成することが可能である。
本発明の一の実施形態に係るナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法の工程図である。
図1は、本発明の一の実施形態に係るナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法の工程図である。本製造方法は、ND分散液調製工程S1およびND分散液添加工程S2を含む。
本実施形態におけるND分散液調製工程S1は、次工程に供されるナノダイヤモンド分散液(ND分散液)を用意するための工程であり、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子(ND粒子)と当該粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒成分とを含有するND分散液が、調製される。本工程では、好ましくは、一次粒子として分散するND粒子を含有するナノダイヤモンド水系分散液(ND水系分散液)と非プロトン性極性溶媒成分との混合によって、調製が行われる。ND水系分散液とは、分散媒成分のうち質量比で最も多い成分として水が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上を占めるND分散液をいうものとする。
本工程で調製されるND分散液やその調製に用いられるND水系分散液におけるND粒子は、具体的には、粒径が10nm以下のナノダイヤモンド一次粒子であり、且つ、分散液中にて互いに離隔してコロイド粒子として分散している。このND粒子は、好ましくは、爆轟法によって生成するナノダイヤモンド粒子(爆轟法ナノダイヤモンド粒子)である。爆轟法によると、一次粒子の粒径が10nm以下のナノダイヤモンドを適切に生じさせることが可能である。当該ND粒子の粒径は、好ましくは9nm以下、より好ましくは8nm以下、より好ましくは7nm以下、より好ましくは6nm以下である。ND粒子の粒径が小さいほど、形成されるナノダイヤモンド含有メッキ膜において、ND粒子のナノ粒子としての個数密度効果を、より享受できる傾向にある。ナノダイヤモンド一次粒子の粒径については、小角X線散乱測定法や動的光散乱法によって測定することができる。
本工程で調製されるND分散液中のナノダイヤモンド濃度(ND粒子の濃度)は、例えば0.5〜70g/Lであり、好ましくは1〜60g/Lであり、より好ましくは2〜20g/Lであり、より好ましくは5〜15g/Lである。
非プロトン性極性溶媒成分としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、シクロヘキサノン、酢酸テトラヒドロフルフリル、および炭酸プロピレンが挙げられる。ND分散液中の非プロトン性極性溶媒成分は、好ましくは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびN,N-ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む。このような構成は、メッキ液中でのナノダイヤモンド一次粒子の分散安定化を図るうえで好ましい。
本工程で調製されるND分散液の非プロトン性極性溶媒成分の含有量は、上述のようにND粒子に対する質量比で2倍以上であるところ、ND粒子に対する質量比で好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上、より好ましくは40倍以上、より好ましくは60倍以上、より好ましくは80倍以上、より好ましくは100倍以上である。すなわち、本工程で調製されるND分散液において、非プロトン性極性溶媒成分の濃度は、ナノダイヤモンド濃度(例えば単位「g/L」で表される)の2倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上、より好ましくは40倍以上、より好ましくは60倍以上、より好ましくは80倍以上、より好ましくは100倍以上である。
以上のようなND分散液調製工程S1に供することのできる上記のND水系分散液は、例えば、下記の生成工程と、精製工程と、酸素酸化工程と、解砕工程とを少なくとも含む過程を経て作製することができる。
生成工程では、例えば爆轟法によって、ナノダイヤモンドを生じさせる。具体的には、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において所定の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は、例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲とされる。爆薬の使用量は、例えば0.05〜2.0kgである。使用爆薬とともに容器内に密閉される上記の気体は、大気組成を有してもよいし、不活性ガスであってもよい。一次粒子表面の官能基量の少ないナノダイヤモンドを生じさせるという観点からは、使用爆薬とともに容器内に密閉される上記気体は、不活性ガスであるのが好ましい。すなわち、一次粒子表面の官能基量の少ないナノダイヤモンドを生じさせるという観点からは、ナノダイヤモンドを生じさせるための爆轟法は不活性ガス雰囲気下で行われるのが好ましい。当該不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、およびヘリウムから選択される少なくとも一つを用いることができる。
生成工程では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面が音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってナノダイヤモンドが生成する。爆轟法によると、上述のように、一次粒子の粒径が10nm以下のナノダイヤモンドを適切に生じさせることが可能である。ナノダイヤモンドは、爆轟法により得られる生成物にて先ずは、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体をなす。
生成工程では、次に、室温での例えば24時間の放置により、容器およびその内部を降温させる。この放冷の後、ナノダイヤモンド粗生成物を回収する。例えば、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上述のようにして生成したナノダイヤモンドの凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業によって、ナノダイヤモンド粗生成物を回収することができる。以上のような爆轟法によって、ナノダイヤモンド粒子の粗生成物を得ることができる。また、以上のような生成工程を必要回数行うことによって、所望量のナノダイヤモンド粗生成物を取得することが可能である。
精製工程は、本実施形態では、原料たるナノダイヤモンド粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させる酸処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物には金属酸化物が含まれやすいところ、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器等に由来するFe,Co,Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる(酸処理)。この酸処理に用いられる強酸としては、鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸処理では、一種類の強酸を用いてもよいし、二種類以上の強酸を用いてもよい。酸処理で使用される強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物における金属酸化物の含有量が少ない場合には、以上のような酸処理を省略してもよい。
精製工程は、本実施形態では、酸化剤を用いてナノダイヤモンド粗生成物(精製終了前のナノダイヤモンド凝着体)からグラファイトやアモルファス炭素等の非ダイヤモンド炭素を除去するための溶液酸化処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物にはグラファイト(黒鉛)やアモルファス炭素等の非ダイヤモンド炭素が含まれているところ、この非ダイヤモンド炭素は、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちナノダイヤモンド結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、例えば水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物から非ダイヤモンド炭素を除去することができる(溶液酸化処理)。この溶液酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、及びこれらの塩、硝酸、並びに混酸(硫酸と硝酸の混合物)が挙げられる。溶液酸化処理では、一種類の酸化剤を用いてもよいし、二種類以上の酸化剤を用いてもよい。溶液酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50質量%である。溶液酸化処理における酸化剤の使用量は、溶液酸化処理に付されるナノダイヤモンド粗生成物100質量部に対して例えば300〜2000質量部である。溶液酸化処理温度は例えば50〜250℃である。溶液酸化処理時間は例えば1〜72時間である。溶液酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような溶液酸化処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。
以上のような酸処理および溶液酸化処理を経た後であっても、爆轟法ナノダイヤモンドは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる。この凝着体からの一次粒子の分離を促すために、本実施形態では、次に、ナノダイヤモンドに対して水溶媒中で所定のアルカリおよび過酸化水素を作用させてもよい。これにより、例えば、上述の酸処理によっても除去しきれなかった金属酸化物がナノダイヤモンドに残存する場合に当該金属酸化物を除去することができ、そして、ナノダイヤモンド凝着体からのナノダイヤモンド一次粒子の分離が促される(アルカリ過水処理)。この処理に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム等が挙げられる。本処理において、アルカリの濃度は例えば0.1〜10質量%であり、過酸化水素の濃度は例えば1〜15質量%であり、処理温度は例えば40〜100℃であり、処理時間は例えば0.5〜5時間である。また、本処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。本処理を経たナノダイヤモンド含有溶液から例えばデカンテーションによって上澄みが除かれた後、残留画分について乾燥処理に付して乾燥粉体を得る。乾燥処理の手法としては、例えば、噴霧乾燥装置を使用して行う噴霧乾燥や、エバポレーターを使用して行う蒸発乾固が挙げられる。
次の酸素酸化工程では、精製工程を経たナノダイヤモンドの粉体について、ガス雰囲気炉を使用して、酸素を含有する所定組成のガス雰囲気下にて加熱する。具体的には、ガス雰囲気炉内にナノダイヤモンド粉体が配され、当該炉に対して酸素含有ガスが供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて酸素酸化処理が実施される。この酸素酸化処理の温度条件は、例えば250〜500℃である。作製されるND水系分散液に含まれるND粒子についてネガティブのゼータ電位を実現するためには、この酸素酸化処理の温度条件は、比較的に高温であるのが好ましく、例えば400〜450℃である。また、本実施形態で用いられる酸素含有ガスは、酸素に加えて不活性ガスを含有する混合ガスである。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、およびヘリウムが挙げられる。当該混合ガスの酸素濃度は、例えば1〜35体積%である。
作製されるND水系分散液に含まれるND粒子についてポジティブのゼータ電位を実現するためには、好ましくは、上述の酸素酸化工程の後に水素化工程を行う。水素化工程では、酸素酸化工程を経たナノダイヤモンドの粉体について、ガス雰囲気炉を使用して、水素を含有する所定組成のガス雰囲気下にて加熱する。具体的には、ナノダイヤモンド粉体が内部に配されているガス雰囲気炉に対して水素含有ガスが供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて水素化処理が実施される。この水素化処理の温度条件は、例えば400〜800℃である。また、本実施形態で用いられる水素含有ガスは、水素に加えて不活性ガスを含有する混合ガスである。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素、およびヘリウムが挙げられる。当該混合ガスの水素濃度は、例えば1〜50体積%である。作製されるND水系分散液に含まれるND粒子についてネガティブのゼータ電位を実現するためには、このような水素化工程を行わずに下記の解砕工程を行ってもよい。
以上のような一連の過程を経て精製等された後であっても、爆轟法ナノダイヤモンドは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる。この凝着体から一次粒子を分離させるために、次に解砕工程が行われる。具体的には、まず、酸素酸化工程またはその後の水素化工程を経たナノダイヤモンドを純水に懸濁し、ナノダイヤモンドを含有するスラリーが調製される。スラリーの調製にあたっては、比較的に大きな集成体をナノダイヤモンド懸濁液から除去するために遠心分離処理を行ってもよいし、ナノダイヤモンド懸濁液に超音波処理を施してもよい。そして、当該スラリーが湿式の解砕処理に付される。解砕処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、またはコロイドミルを使用して行うことができる。これらを組み合わせて解砕処理を実施してもよい。効率性の観点からはビーズミルを使用するのが好ましい。
粉砕装置ないし分散機たるビーズミルは、例えば、円筒形状のミル容器と、ローターピンと、遠心分離機構と、原料タンクと、ポンプとを具備する。ローターピンは、ミル容器と共通の軸心を有してミル容器内部で高速回転可能に構成されている。遠心分離機構は、ミル容器内の上部に配されている。解砕工程におけるビーズミルによるビーズミリングでは、ミル容器内に所定量のビーズが充填され且つローターピンが当該ビーズを撹拌している状態で、ポンプの作用によって原料タンクからミル容器の下部に原料としての上記スラリー(ナノダイヤモンド凝着体を含む)が投入される。スラリーは、ミル容器内でビーズが高速撹拌されている中を通ってミル容器内の上部に到達する。この過程で、スラリーに含まれているナノダイヤモンド凝着体は、激しく運動しているビーズとの接触によって粉砕ないし分散化の作用を受ける。これにより、ナノダイヤモンドの凝着体(二次粒子)から一次粒子への解砕が進む。ミル容器内の上部の遠心分離機構に到達したスラリーとビーズは、稼働する遠心分離機構によって比重差を利用した遠心分離がなされ、ビーズはミル容器内に留まり、スラリーは、遠心分離機構に対して摺動可能に連結された中空ラインを経由してミル容器外に排出される。排出されたスラリーは、原料タンクに戻され、その後、ポンプの作用によって再びミル容器に投入される(循環運転)。このようなビーズミリングにおいて、使用される解砕メディアは例えばジルコニアビーズであり、ビーズの直径は例えば15〜500μmである。ミル容器内に充填されるビーズの量(見掛け体積)は、ミル容器の容積に対して例えば50〜80%である。ローターピンの周速は例えば8〜12m/分である。循環させるスラリーの量は例えば200〜600mLであり、スラリーの流速は例えば5〜15L/時間である。また、処理時間(循環運転時間)は例えば30〜300分間である。本実施形態においては、以上のような連続式のビーズミルに代えてバッチ式のビーズミルを使用してもよい。
このような解砕工程を経ることによって、コロイド粒子として分散するナノダイヤモンド一次粒子を含有するND水系分散液を得ることができる。解砕工程を経て得られる分散液については、粗大粒子を除去するための分級操作を行ってもよい。例えば分級装置を使用して、遠心分離を利用した分級操作によって分散液から粗大粒子を除去することができる。これにより、ナノダイヤモンドの一次粒子がコロイド粒子として分散する例えば黒色透明のND水系分散液が得られる。このようなND水系分散液は、上述のように、ND分散液調製工程S1にてND分散液の調製に用いることができる。
ND分散液調製工程S1の後のND分散液添加工程S2は、本実施形態では、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンやその他の成分を含有するメッキ液に前工程で得られたND分散液を添加して混合する工程である。添加・混合の後、pH調整を行ってもよい。ND分散液の添加されるメッキ液は、電気メッキ浴としての電気メッキ液でもよいし、無電解メッキ浴としての無電解メッキ液でもよい。当該メッキ液中の上記金属イオンとしては、例えば、ニッケルイオン、金イオン、銀イオン、銅イオン、クロムイオン、亜鉛イオン、およびスズイオンが挙げられる。当該メッキ液中の上記金属イオンは、好ましくは、ニッケルイオンおよび/または金イオンを含む。メッキ液中のニッケルイオンの供給源としては、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、およびスルファミン酸ニッケルが挙げられる。メッキ液中の金イオンの供給源としては、例えば、シアン化金カリウムやシアン化金ナトリウムなどのシアン化金錯塩、および、亜硫酸金ナトリウムなどの金の亜硫酸塩が挙げられる。メッキ液中の銀イオンの供給源としては、例えば、シアン化銀、メタンスルホン酸銀、およびジシアノ銀酸ナトリウムが挙げられる。メッキ液中の銅イオンの供給源としては、例えば、硫酸銅、ピロリン酸銅、およびシアン化銅が挙げられる。メッキ液中のクロムイオンの供給源としては、例えば三酸化クロムが挙げられる。メッキ液中の亜鉛イオンの供給源としては、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、および硫酸亜鉛が挙げられる。メッキ液中のスズイオンの供給源としては、例えば、硫酸第一スズ、スズ酸ナトリウム、およびスズ酸カリウムが挙げられる。無電解メッキ膜の形成においては金属イオンを還元するための還元剤が必要であるところ、無電解メッキ用の還元剤としては、例えば、ホスフィン酸塩、テトラヒドロホウ酸塩、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、およびホルムアルデヒドが挙げられる。また、ND分散液の添加されるメッキ液は、他の成分を含有してもよい。そのような成分としては、例えば、pH緩衝剤や、メッキ浴の自己分解抑制のための安定剤が、挙げられる。
ニッケルメッキ用の電気メッキ液としては、例えば、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとホウ酸とを含有する いわゆるワット浴や、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとクエン酸とを含有する浴、スルファミン酸ニッケルと塩化ニッケルとホウ酸とを含有する浴が挙げられる。ニッケルメッキ用の無電解メッキ液としては、例えば、硫酸ニッケルとホスフィン酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムとを含有する浴や、硫酸ニッケルとエチレンジアミンとテトラヒドロホウ酸ナトリウムとを含有する浴が挙げられる。金メッキ用の電気メッキ液としては、例えば、シアン化金カリウムとシアン化カリウムとリン酸水素二カリウムとを含有すアルカリ性の浴や、シアン化金カリウムとクエン酸と水酸化カリウムとコバルトとを含有す酸性の浴が挙げられる。金メッキ用の無電解メッキ液としては、例えば、シアン化金カリウムとクエン酸アンモニウムと塩酸ヒドラジンとを含有する浴や、シアン化金カリウムとシアン化カリウムと水酸化カリウムとテトラヒドロホウ酸カリウムとを含有する浴が挙げられる。銀メッキ用の電気メッキ液としては、例えば、シアン化銀とシアン化カリウムと炭酸カリウムとを含有する浴や、メタンスルホン酸銀とヨウ化カリウムとコハク酸イミドとホウ酸とを含有する浴が挙げられる。銀メッキ用の無電解メッキ液としては、例えば、ジシアノ銀酸ナトリウムとシアン化ナトリウムとジメチルアミンボランとを含有する浴が挙げられる。銅メッキ用の電気メッキ液としては、例えば、硫酸銅と硫酸と塩化物イオンとを含有する浴や、シアン化銅とシアン化ナトリウムと水酸化ナトリウムとを含有する浴が挙げられる。銅メッキ用の無電解メッキ液としては、例えば、硫酸銅とホルムアルデヒドとEDTAとを含有する浴が挙げられる。クロムメッキ用の電気メッキ液としては、例えば、無水クロム酸と硫酸とを含有する いわゆるサージェント浴や、無水クロム酸と硫酸とケイフッ化ナトリウムとを含有する浴が挙げられる。亜鉛メッキ用の電気メッキ液としては、例えば、酸化亜鉛と水酸化ナトリウムとを含有する いわゆるジンケート浴や、塩化亜鉛と塩化アンモニウムとを含有する浴が挙げられる。スズメッキ用の電気メッキ液としては、例えば、硫酸第一スズと硫酸とクレゾールスルホン酸とホルムアルデヒドを含有する浴や、硫酸第一スズとピロリン酸カリウムとホルムアルデヒドとを含有する浴が挙げられる。
以上のようなND分散液調製工程S1およびND分散液添加工程S2を経ることにより、本発明の一の実施形態に係るナノダイヤモンド含有メッキ液(ND含有メッキ液)を製造することができる。本ND含有メッキ液は、メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンと、非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド粒子とを含む。金属イオンおよび非プロトン性極性溶媒成分については、ナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法に関して上述したとおりである。本ND含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は、好ましくは0.002〜2g/L、より好ましくは0.01〜1.5g/L、より好ましくは0.02〜1g/Lである。ND含有メッキ液を使用して形成されるナノダイヤモンド含有複合メッキ膜においてナノダイヤモンドの存在に起因する特性を充分に発現させるという観点からは、ND含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は0.002g/L以上であるのが好ましい。ND含有メッキ液におけるナノダイヤモンド粒子の分散安定化の観点からは、ND含有メッキ液のナノダイヤモンド濃度は2g/L以下であるのが好ましい。
上述のND分散液調製工程S1で得られるND分散液は、一次粒子として分散するND粒子と、当該粒子に対して質量比で2倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上、より好ましくは40倍以上、より好ましくは60倍以上、より好ましくは80倍以上、より好ましくは100倍以上の非プロトン性極性溶媒成分を含有する。このような構成のND分散液中に分散するND一次粒子は、当該分散液とメッキ膜形成用金属イオン含有のメッキ液とが混合された場合にその分散状態を維持する傾向にあることを、本発明者は見出した。例えば、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。上記構成のND分散液中には、メッキ液中でもND粒子に随伴し得る態様で当該粒子との間に相互作用を生じている非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うND一次粒子が存在するものと考えられる。上記構成のND分散液中には、例えば、メッキ液中でも溶媒和状態が維持され得る態様で非プロトン性極性溶媒成分によって溶媒和されているND一次粒子が、存在するものと考えられる。ND粒子表面を化学的に修飾するこのような非プロトン性極性溶媒成分が、電解質濃度の高い溶液たるメッキ液中でのND粒子の分散安定化に寄与するものと考えられる。メッキ液中で凝集せずに分散しているND粒子は、電気メッキ法や無電解メッキ法などの湿式メッキ法において、メッキ液中のメッキ対象の表面において金属材料が堆積して金属膜が成長する過程で当該金属膜に取り込まれやすく、従って、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を構成しやすい。
以上のように、上述の製造方法によって製造されるND含有メッキ液は、ナノダイヤモンド含有複合メッキ膜を形成するのに適する。
〈ナノダイヤモンド水分散液X1の作製〉
以下のような生成工程、精製工程、酸素酸化工程、および解砕工程を経て、ナノダイヤモンド水分散液X1(ND水分散液X1)を作製した。
生成工程では、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置して容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物0.50kgを使用した。当該爆薬におけるTNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、50/50である。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上記爆轟法で生成したナノダイヤモンド粒子の凝着体と煤を含む)を回収した。次に、上述のような生成工程を複数回行うことによって取得されたナノダイヤモンド粗生成物に対して精製工程の酸処理を行った。具体的には、当該ナノダイヤモンド粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。次に、精製工程の溶液酸化処理としての混酸処理を行った。具体的には、酸処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ナノダイヤモンド凝着体を含む)に、6Lの98質量%硫酸水溶液と1Lの69質量%硝酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で48時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は140〜160℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。次に、溶液酸化処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ナノダイヤモンド凝着体を含む)に対して1Lの10質量%水酸化ナトリウム水溶液と1Lの30質量%過酸化水素水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った(アルカリ過水処理)。この処理における加熱温度は50〜105℃である。次に、冷却後、デカンテーションによって上澄みを除いた。そして、デカンテーション後の残留画分について乾燥処理に付して乾燥粉体(ナノダイヤモンド粉体)を得た。乾燥処理の手法としては、エバポレーターを使用して行う蒸発乾固を採用した。次に、ガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」,光洋サーモシステム株式会社製)を使用して酸素酸化工程を行った。具体的には、上述のようにして得られたナノダイヤモンド粉体4.5gをガス雰囲気炉の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の酸素濃度は4体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度たる400℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い380℃までは10℃/分とし、その後の380℃から400℃までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を400℃に維持しつつ、炉内のナノダイヤモンド粉体について酸素酸化処理を行った。処理時間は3時間とした。次に、解砕工程を行った。具体的には、まず、酸素酸化工程を経たナノダイヤモンド粉体1.8gと純水28.2mLとを50mLのサンプル瓶内で混合し、スラリー約30mLを得た。次に、当該スラリーについて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを調整した後、超音波処理を施した。超音波処理においては、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS−3」,アズワン(AS ONE)社製)を使用して、当該スラリーに対して2時間の超音波照射を行った。この後、ビーズミリング装置(商品名「並列四筒式サンドグラインダー LSG−4U−2L型」,アイメックス株式会社製)を使用してビーズミリングを行った。具体的には、100mLのミル容器たるベッセル(アイメックス株式会社製)に対して超音波照射後のスラリー30mLと直径30μmのジルコニアビーズとを投入して封入し、装置を駆動させてビーズミリングを実行した。このビーズミリングにおいて、ジルコニアビーズの投入量はミル容器の容積に対して約33%であり、ミル容器の回転速度は2570rpmであり、ミリング時間は2時間である。次に、このような解砕工程を経たスラリーないし懸濁液について、遠心分離装置を使用して遠心分離処理を行った(分級操作)。この遠心分離処理における遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分間とした。次に、当該遠心分離処理を経たナノダイヤモンド含有溶液の上清10mLを回収した。このようにして、ナノダイヤモンドが純水に分散するND水分散液X1を得た。このND水分散液X1について、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度は59.1g/Lであり、pHは9.33であった。
〈粒径〉
上述のようにして得られたND水分散液X1に含まれるナノダイヤモンド粒子について、動的光散乱法によって粒度分布を測定した。具体的には、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、ナノダイヤモンドの粒度分布を動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。測定に付されたND水分散液X1は、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度が2.0質量%となるように超純水で希釈された後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。測定の結果、ND水分散液X1に含まれるナノダイヤモンド粒子について、粒径D50(メディアン径)は3.97nmであり、粒径D90は7.20nmであった。
〈ゼータ電位〉
上述のようにして得られたND水分散液X1に含まれるナノダイヤモンド粒子について、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によってゼータ電位を測定した。測定に付されたND水分散液X1は、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度が0.2質量%となるように超純水で希釈された後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものであり、pHが9である。ゼータ電位測定温度は25℃である。本測定の結果、ゼータ電位は−42mVであった。
〈ナノダイヤモンド水分散液X2の作製〉
以下のような生成工程、精製工程、酸素酸化工程、および解砕工程を経て、ナノダイヤモンド水分散液X2(ND水分散液X2)を作製した。
まず、ND水分散液X1の作製方法に関して上述したのと同様に、爆轟法によってナノダイヤモンドを生じさせるための生成工程から、ナノダイヤモンドを精製するための精製工程(酸処理,酸化処理,アルカリ過水処理)までを行った。そして、加熱を伴うアルカリ過水処理を経たナノダイヤモンド含有スラリーの冷却後、デカンテーションによって当該スラリーから上澄みを除いた。次に、デカンテーション後の残留画分について乾燥処理に付して乾燥粉体(ナノダイヤモンド粉体)を得た。乾燥処理の手法としては、エバポレーターを使用して行う蒸発乾固を採用した。次に、ガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」,光洋サーモシステム株式会社製)を使用して酸素酸化工程を行った。具体的には、上述のようにして得られたナノダイヤモンド粉体4.5gをガス雰囲気炉の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の酸素濃度は4体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度350℃まで昇温させた。昇温速度については、炉内を加熱設定温度たる350℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い330℃までは10℃/分とし、その後の330℃から350℃までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を350℃に維持しつつ、炉内のナノダイヤモンド粉体について酸素酸化処理を行った。処理時間は3時間とした。次に、上述のガス雰囲気炉を引き続き使用して水素化工程を行った。具体的には、酸素酸化工程を経たナノダイヤモンド粉体が内部に配されているガス雰囲気炉に対して窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から水素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の水素濃度は2体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度たる600℃まで昇温させた。昇温速度は10℃/分とした。そして、炉内の温度条件を600℃に維持しつつ、炉内のナノダイヤモンド粉体について水素酸化処理を行った。処理時間は5時間とした。次に、解砕工程を行った。具体的には、まず、水素化工程を経たナノダイヤモンド粉体0.9gと純水29.1mLとを50mLのサンプル瓶に加えて混合し、スラリー約30mLを得た。次に、当該スラリーについて、遠心分離処理(遠心力20000×gで10分間)とその後の超音波処理を施した。超音波処理においては、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS−3」,アズワン(AS ONE)社製)を使用して、当該スラリーに対して2時間の超音波照射を行った。この後、ビーズミリング装置(商品名「並列四筒式サンドグラインダー LSG−4U−2L型」,アイメックス株式会社製)を使用してビーズミリングを行った。具体的には、ND水分散液X1の作製方法に関して上述したビーズミリングと同様である。次に、このような解砕工程を経たスラリーないし懸濁液について、遠心分離装置を使用して遠心分離処理を行った(分級操作)。この遠心分離処理における遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分間とした。次に、当該遠心分離処理を経たナノダイヤモンド含有溶液の上清10mLを回収した。このようにして、ナノダイヤモンドが純水に分散するND水分散液X2を得た。このND水分散液X2について、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度は21.0g/Lであり、pHは8.07であった。
〈粒径〉
上述のようにして得られたND水分散液X2に含まれるナノダイヤモンド粒子について、ND水分散液X1中のナノダイヤモンド粒子と同様に、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して動的光散乱法によって粒度分布を測定したところ、粒径D50(メディアン径)は5.05nmであり、粒径D90は7.54nmであった。
〈ゼータ電位〉
上述のようにして得られたND水分散液X2に含まれるナノダイヤモンド粒子について、ND水分散液X1中のナノダイヤモンド粒子と同様に、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用してレーザードップラー式電気泳動法によってゼータ電位を測定した。測定に付されたND水分散液X2は、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度が0.2質量%となるように超純水で希釈された後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものであり、pHが5である。ゼータ電位測定温度は25℃である。本測定の結果、ゼータ電位は+45mVであった。
〔実施例1〕
以下のND分散液調製工程およびND分散液添加工程を経てND含有メッキ液を製造した。ND分散液調製工程では、上述のようにして作製したND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と混合して、ナノダイヤモンド濃度(ND濃度)が10g/Lであり且つNMP濃度が20g/LであるND分散液を調製した。調製されたND分散液に凝集は生じなかった。調製されたND分散液は、ND粒子に対して質量比で2倍のNMPを含有する。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.002mLを無電解ニッケル(Ni)メッキ液(商品名「ブルーシューマー」,日本カニゼン株式会社製)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例1のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.02g/L)を製造した。実施例1のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例2〕
ND分散液調製工程では、実施例1と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMP濃度が20g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.01mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例2のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.099g/L)を製造した。実施例2のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例3〕
ND分散液調製工程では、実施例1と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMP濃度が20g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.1mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例3のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.91g/L)を製造した。実施例3のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例4〕
ND分散液調製工程では、上述のようにして作製したND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が100g/LであるND分散液を調製した。調製されたND分散液に凝集は生じなかった。調製されたND分散液は、ND粒子に対して質量比で10倍のNMPを含有する。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.002mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例4のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.02g/L)を製造した。実施例4のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例5〕
ND分散液調製工程では、実施例4と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が100g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.01mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例5のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.099g/L)を製造した。実施例5のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例6〕
ND分散液調製工程では、実施例4と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が100g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.1mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例6のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.91g/L)を製造した。実施例6のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例7〕
ND分散液調製工程では、上述のようにして作製したND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が800g/LであるND分散液を調製した。調製されたND分散液に凝集は生じなかった。調製されたND分散液は、ND粒子に対して質量比で80倍のNMPを含有する。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.002mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例7のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.02g/L)を製造した。実施例7のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例8〕
ND分散液調製工程では、実施例7と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が800g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.01mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例8のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.099g/L)を製造した。実施例8のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例9〕
ND分散液調製工程では、実施例7と同様にして、ND水分散液X1を超純水で希釈するとともに非プロトン性極性溶媒成分たる所定量のNMPと混合して、ND濃度が10g/Lであり且つNMPの濃度が800g/LであるND分散液を調製した。ND分散液添加工程では、前工程で調製されたND分散液の0.1mLを無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合した。以上のようにして、実施例9のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.91g/L)を製造した。実施例9のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察ではほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例10〜18〕
ND分散液添加工程において無電解ニッケルメッキ液1mLに代えて電気メッキ用の金(Au)メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」,日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社製)1mLを用いること以外は実施例1〜9のそれぞれと同様のND含有メッキ液製造方法を実行し、実施例10〜18のそれぞれのND含有金メッキ液を製造した。実施例10〜18の各ND含有金メッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表1に掲げる。
〔実施例19〜27〕
ND分散液調製工程においてN-メチル-2-ピロリドンに代えてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いること以外は実施例1〜9のそれぞれと同様のND含有メッキ液製造方法を実行し、実施例19〜27のそれぞれのND含有無電解ニッケルメッキ液を製造した。実施例19〜27の各ND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表2に掲げる。
〔実施例28〜36〕
ND分散液調製工程においてN-メチル-2-ピロリドンに代えてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いること、および、ND分散液添加工程において無電解ニッケルメッキ液1mLに代えて電気メッキ用の金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLを用いること以外は実施例1〜9のそれぞれと同様のND含有メッキ液製造方法を実行し、実施例28〜36のそれぞれのND含有金メッキ液を製造した。実施例28〜36の各ND含有金メッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表2に掲げる。
〔実施例37〜45〕
ND分散液調製工程においてN-メチル-2-ピロリドンに代えてN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を用いること以外は実施例1〜9のそれぞれと同様のND含有メッキ液製造方法を実行し、実施例37〜45のそれぞれのND含有無電解ニッケルメッキ液を製造した。実施例37〜45の各ND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表3に掲げる。
〔実施例46〜54〕
ND分散液調製工程においてN-メチル-2-ピロリドンに代えてN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を用いること、および、ND分散液添加工程において無電解ニッケルメッキ液1mLに代えて電気メッキ用の金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLを用いること以外は実施例1〜9のそれぞれと同様のND含有メッキ液製造方法を実行し、実施例46〜54のそれぞれのND含有金メッキ液を製造した。実施例46〜54の各ND含有金メッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。これら結果を表3に掲げる。
〔実施例55〜108〕
ND水分散液X1に代えてND水分散液X2を用いること以外は実施例1に関して上述したのと同様のND分散液調製工程およびND分散液添加工程を経て、実施例55のND含有無電解ニッケルメッキ液(ND濃度0.02g/L)を製造した。実施例55のND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。また、ND水分散液X1に代えてND水分散液X2を用いること以外は実施例2〜9,19〜27,37〜45のそれぞれに関して上述したのと同様のND分散液調製工程およびND分散液添加工程を経て、実施例56〜63,73〜81,91〜99のそれぞれのND含有無電解ニッケルメッキ液を製造した。実施例56〜63,73〜81,91〜99の各ND含有無電解ニッケルメッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。また、ND水分散液X1に代えてND水分散液X2を用いること以外は実施例10〜18,28〜36,46〜54のそれぞれに関して上述したのと同様のND分散液調製工程およびND分散液添加工程を経て、実施例64〜72,82〜90,100〜108のそれぞれの電気メッキ用のND含有金メッキ液を製造した。実施例64〜72,82〜90,100〜108の各金メッキ液は、目視による観察では透明またはほぼ透明であり、レーザーポインターから出射されるレーザーを照射するとチンダル現象が確認された。実施例55〜108に関するこれら結果を表4〜6に掲げる。
〔比較例1〜6〕
ND水分散液X1をND濃度10g/Lに超純水で希釈したND水分散液X1’を用意した。0.002mLのND水分散液X1’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例1)。0.01mLのND水分散液X1’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例2)。0.1mLのND水分散液X1’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例3)。0.002mLのND水分散液X1’を電気メッキ用の金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例4)。0.01mLのND水分散液X1’を金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例5)。また、0.1mLのND水分散液X1’を金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例6)。
〔比較例7〜12〕
ND水分散液X2をND濃度10g/Lに超純水で希釈したND水分散液X2’を用意した。0.002mLのND水分散液X2’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例7)。0.01mLのND水分散液X2’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例8)。0.1mLのND水分散液X2’を無電解ニッケルメッキ液(商品名「ブルーシューマー」)1mLに添加して混合したところ、濁ったスラリーが得られた(比較例9)。0.002mLのND水分散液X2’を電気メッキ用の金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例10)。0.01mLのND水分散液X2’を金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例11)。また、0.1mLのND水分散液X2’を金メッキ液(商品名「ミクロファブ Au100」)1mLに添加して混合したところ、凝集塊が生じて沈降した(比較例12)。
[評価]
ND粒子のゼータ電位がポジティブであるND水分散液X1に由来するND粒子を含有する実施例1〜9,19〜27,37〜45の無電解ニッケルメッキ液、ND粒子のゼータ電位がポジティブであるND水分散液X1に由来するND粒子を含有する実施例10〜18,28〜36,46〜54の金メッキ液、ND粒子のゼータ電位がネガティブであるND水分散液X2に由来するND粒子を含有する実施例55〜63,73〜81,91〜99の無電解ニッケルメッキ液、および、ND粒子のゼータ電位がネガティブであるND水分散液X2に由来するND粒子を含有する実施例64〜72,82〜90,100〜108の金メッキ液においては、凝集体を生じることなく安定なナノダイヤモンド分散状態が実現された。これに対し、比較例1〜12のそれぞれにおいては、メッキ液へのナノダイヤモンド水分散液の添加によってナノダイヤモンドが凝集した。
実施例2,20,38,56,74,92と同一組成のND含有無電解ニッケルメッキ液300mLをそれぞれメッキ浴として使用して、無電解メッキ法によりメッキ膜を形成した。メッキ膜の形成においては、まず、メッキ対象たる銅(純度99.9質量%以上のいわゆる無酸素銅)製の基材(2cm×2cm×厚さ1mm)について、塩酸を用いて酸洗浄を行った。次に、酸洗浄を経た基材について、水洗の後、塩化スズと塩化パラジウムを用いて行う いわゆるセンシタイザー-アクチベータ法により触媒化処理を施した。次に、メッキ浴をマグネティックスターラーによって撹拌しつつ、メッキ浴温度95℃の条件で30分間、メッキ浴に基材を浸漬した。その結果、膜厚約10μmのメッキ膜が形成された。
実施例11,29,47,65,83,101と同一組成のND含有金メッキ液300mLをそれぞれメッキ浴として使用して、電気メッキ法によりメッキ膜を形成した。メッキ膜の形成においては、まず、メッキ対象たる真鍮製の基材(2cm×2cm×厚さ1mm)について、塩酸を用いて酸洗浄を行った。次に、酸洗浄を経た基材に対して下地層たる電気ニッケルメッキ膜を形成した後、下地層付の当該基材について、メッキ浴をマグネティックスターラーによって撹拌しつつ、メッキ浴温度65℃および電流密度0.5A/dm2の条件で32分間、メッキ浴に基材を浸漬した。その結果、膜厚約10μmのメッキ膜が形成された。
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S1 ND分散液調製工程
S2 ND分散液添加工程

Claims (11)

  1. 一次粒子として分散しているナノダイヤモンド粒子、および、当該ナノダイヤモンド粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒成分、を含有するナノダイヤモンド分散液を調製する工程と、
    メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンを含有するメッキ液、および、前記ナノダイヤモンド分散液、を混合する工程とを含む、ナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法。
  2. 前記ナノダイヤモンド分散液は、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤモンド水系分散液と非プロトン性極性溶媒成分との混合によって調製される、請求項1に記載のナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法。
  3. 前記非プロトン性極性溶媒成分は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびN,N-ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1または2に記載のナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法。
  4. 前記金属イオンは、ニッケルイオンおよび/または金イオンを含む、請求項1から3のいずれか一つに記載のナノダイヤモンド含有メッキ液製造方法。
  5. メッキ膜の金属マトリックスをなすための金属イオンと、
    非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴うナノダイヤモンド粒子とを含む、ナノダイヤモンド含有メッキ液。
  6. 非プロトン性極性溶媒成分を表面に伴う前記ナノダイヤモンド粒子は、一次粒子として分散するナノダイヤモンド粒子と当該ナノダイヤモンド粒子に対して質量比で2倍以上の非プロトン性極性溶媒とを含有するナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンド粒子に由来する、請求項5に記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
  7. ナノダイヤモンド濃度が0.002〜2g/Lである、請求項5または6に記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
  8. 前記ナノダイヤモンド粒子は爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、請求項5から7のいずれか一つに記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
  9. 前記非プロトン性極性溶媒成分は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびN,N-ジメチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項5から8のいずれか一つに記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
  10. 前記金属イオンはニッケルイオンを含む、請求項5から9のいずれか一つに記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
  11. 前記金属イオンは金イオンを含む、請求項5から10のいずれか一つに記載のナノダイヤモンド含有メッキ液。
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