JP2024041363A - 化粧シートおよび化粧部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填部による意匠性向上効果が良好に発揮された化粧シートを提供する。【解決手段】基材層1と、基材層の一方の面に配置された意匠層2と、意匠層の基材層とは反対側の面に配置された樹脂層3と、樹脂層の意匠層とは反対側の面に配置された表面保護層4と、を有する化粧シートであって、樹脂層は、表面保護層側の面に凸部と凹部とを有する凹凸形状を有し、化粧シートは、樹脂層の表面保護層側の面に、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する意匠性向上層5を有し、意匠性向上層は、凹部に配置された充填部を有し、化粧シートの断面観察により、凹部における充填部の状態を観察し、充填部の全体が表面保護層によって被覆された、充填部の個数をN1とし、充填部の少なくとも一部が表面保護層によって被覆されていない、充填部の個数をN2とした場合に、N2/(N1+N2)が10%以上、100%以下である、化粧シートとする。【選択図】図1

Description

本開示は、化粧シートおよび化粧部材に関する。
例えば建材に用いられる内装部材または外装部材として、基体および化粧シートを有する化粧部材が知られている。立体感のある意匠を得る目的または所望の材質感を得る目的で、透明樹脂層の表面に、エンボス加工により凹凸を付与した化粧シートが提案されている。さらには、凹凸の凹部に着色インキを充填する技術が提案されている。
例えば、特許文献1および特許文献2では、凹凸を有する透明樹脂層の表面に、マット剤または着色剤を含むインキを供給し、その上をドクターブレードで掻くこと(ワイピングすること)により、インキを凹部に充填しつつ、余分なインキを除去している。例えば、透明樹脂層の凹部にインキが充填された充填部と、化粧シートにおける意匠層の模様と、を組み合わせることにより、良好な立体感および良好な本物感が得られ、高い意匠性が得られる。
また、化粧シートに、耐候性および耐汚染性等の表面保護機能を付与することを目的として、表面保護層を設けることが提案されている。特許文献2に記載されているように、表面保護層は、その表面保護機能を完全に発揮するために、化粧シートを厚さ方向に沿って平面視した場合に、通常、化粧シートの全面に配置される。
特開平1-314168号公報 特開2008-105372号公報
上述したように、表面保護層は、通常、化粧シートの全面に配置される。そのため、透明樹脂層の凹部にインキが充填された充填部にも、表面保護層が配置される。充填部に表面保護層が配置されると、充填部による意匠性向上効果(例えば、低艶効果または着色効果)が十分に発揮されない場合がある。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、充填部による意匠性向上効果が良好に発揮された化粧シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、基材層と、上記基材層の一方の面に配置された意匠層と、上記意匠層の上記基材層とは反対側の面に配置された樹脂層と、上記樹脂層の上記意匠層とは反対側の面に配置された表面保護層と、を有する化粧シートであって、上記樹脂層は、上記表面保護層側の面に、凸部と凹部とを有する凹凸形状を有し、上記化粧シートは、上記樹脂層の上記表面保護層側の面に、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する意匠性向上層を有し、上記意匠性向上層は、上記凹部に配置された充填部を有し、上記化粧シートの断面観察により、上記凹部における上記充填部の状態を観察し、上記充填部の全体が上記表面保護層によって被覆された、上記充填部の個数をNとし、上記充填部の少なくとも一部が上記表面保護層によって被覆されていない、上記充填部の個数をNとした場合に、N/(N+N)が10%以上、100%以下である、化粧シートを提供する。
本開示においては、基体と、上述した化粧シートと、を有する、化粧部材を提供する。
本開示においては、充填部による意匠性向上効果が良好に発揮された化粧シートが提供される。
本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における樹脂層の凹凸形状を例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における樹脂層の凹凸形状を例示する概略断面図である。 本開示における樹脂層の凹凸形状を例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートの製造方法を例示する概略断面図である。 従来の化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧部材を例示する概略断面図である。
下記に、図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。
以下、本開示における化粧シートおよび化粧部材について詳細に説明する。
A.化粧シート
図1は、本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。図1に示す化粧シート10は、基材層1と、基材層1の一方の面に配置された意匠層2と、意匠層2の基材層1とは反対側の面に配置された樹脂層3と、樹脂層3の意匠層2とは反対側の面に配置された表面保護層4と、を有する。樹脂層3は、表面保護層4側の面に、凸部Xと凹部Yとを有する凹凸形状を有する。また、図1に示すように、化粧シート10を厚さ方向Dに断面視した場合に、凸部Xおよび凹部Yは、厚さ方向Dに直交する方向Dにおいて、交互に配置されている。
図1に示す化粧シート10は、樹脂層3の表面保護層4側の面に、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する意匠性向上層5を有する。意匠性向上層5は、凹部Yに配置された充填部51と、凸部Xに配置された非充填部52と、を有する。図1に示すように、充填部51の少なくとも一部は、表面保護層4によって被覆されていない。本開示においては、表面保護層4によって被覆されていない充填部51を、意図的に作製したことを、一つの特徴とする。また、図2に示すように、化粧シート10は、意匠層2および樹脂層3の間に、第1の接着層6を有していてもよい。同様に、化粧シート10は、基材層1の意匠層2とは反対側の面に、第2の接着層7を有していてもよい。
本開示によれば、表面保護層によって被覆されていない充填部を有することから、充填部による意匠性向上効果が良好に発揮された化粧シートとなる。上述したように、表面保護層は、通常、化粧シートの全面に配置される。具体的には、図10に示すように、表面保護層4は、化粧シート50の全面に配置され、樹脂層3の凹部Yに配置された充填部51も、表面保護層4により覆われていた。充填部51に表面保護層4が配置されると、充填部51による意匠性向上効果(例えば、低艶効果または着色効果)が、表面保護層4によって阻害され、十分に発揮されない場合がある。
これに対して、本開示においては、図1に示すように、表面保護層4によって被覆されていない充填部51を、意図的に作製する。そのため、充填部51による意匠性向上効果が損なわれないという利点がある。具体的に、充填部51がマット剤を含有する場合は、低艶効果が得られ、充填部51が着色剤を含有する場合は、着色効果が得られ、いずれの場合も立体的な意匠を表現することができる。
1.意匠性向上層
本開示における意匠性向上層は、樹脂層の表面保護層側の面に配置される。意匠性向上層は、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する。また、意匠性向上層は、樹脂層の凹部に配置された充填部を少なくとも有する。本開示においては、意匠層および充填部を組み合わせることで、高い意匠性が得られる。特に、木目導管溝模様の凹部に充填部を配置することによって、実際の木目に近い意匠を表現することができる。
(1)意匠性向上層の構造
意匠性向上層は、樹脂層の凹部に配置された充填部を少なくとも有する。また、図1に示すように、化粧シート10は、表面保護層4によって被覆されていない充填部51を有する。充填部51は、典型的には、表面保護層4等の他の層に被覆されていない部位である。
充填部は、樹脂層の凹部に配置される。後述するように、樹脂層は、凸部と凹部とを有する。凸部および凹部は、以下のように定義される。すなわち、図3(a)に示すように、樹脂層3の表面保護層4側の面のうち、凹凸が形成されていない面を基準面Bとする。凸部Xとは、厚さ方向Dにおいて、基準面Bと同じ位置、および、基準面Bより突出した位置にある部位をいう。凹部Yとは、厚さ方向Dにおいて、基準面Bより凹んだ位置にある部位をいう。図3(a)では、いずれの凸部Xも、厚さ方向Dにおいて、基準面Bと同じ位置になる平坦面のみを有している。一方、図3(b)では、中央の凸部Xは、厚さ方向Dにおいて、基準面Bより突出している。左側の凸部Xおよび右側の凸部Xは、厚さ方向Dにおいて、基準面Bと同じ位置になる平坦面のみを有している。また、図3(c)では、いずれの凸部Xも、中央に、厚さ方向Dにおいて、基準面Bと同じ位置になる平坦面を有しているが、凸部Xの端部は、厚さ方向Dにおいて、基準面Bより突出している。
ここで、化粧シートの断面観察により、凹部における充填部の状態を観察し、充填部の全体が表面保護層によって被覆されたもの(充填部が表面保護層によって完全に被覆されたもの)を充填部Aとし、充填部Aの個数をNとし、充填部の少なくとも一部が表面保護層によって被覆されていないものを充填部Bとし、充填部Bの個数をNとする。
/(N+N)は、通常、10%以上である。上述したように、本開示においては、表面保護層によって被覆されていない充填部を、意図的に作製している。例えば、意匠層の絵柄によっては、充填部の全体を表面保護層によって完全に被覆できない場合も想定される。そのような意図しない場合と区別するために、本開示においては、N/(N+N)≧10%を規定している。N/(N+N)は、30%以上であってもよく、50%以上であってもよい。
一方、N/(N+N)は、100%であってもよく、100%未満であってもよい。後者の場合、N/(N+N)は、90%以下であってもよい。例えば、意匠層の絵柄によっては、表面保護層によって被覆されていない充填部を、目的通り製造することが困難な場合も想定される。
およびNの測定は、以下のように、断面を観察して行う。サンプル数は、少なくとも10以上であり、30以上であってもよく、50以上であってもよく、100以上であってもよい。サンプル数が多いほど、精度は向上する。測定箇所の選定は、可能な限り、偏りが生じないように留意する。
<断面観察方法>
化粧シートから観察箇所を切り出し、光硬化性樹脂にて包埋した後、ミトクロームにより断面作製を行う(ダイヤモンドナイフ仕様、0.2μm切削仕上げ)。作製した断面を、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製;S-4800 TYPE2)を用いて、加速電圧3.0kV、電流20μA、倍率5000倍にて観察する。
/(N+N)を所定の範囲にする方法としては、例えば、樹脂層の凹部の形状または充填部の形状を調整する方法(例えば、樹脂層の凹部の幅、樹脂層の凹部の深さ、または、充填部の高さを調整する方法)、表面保護層用組成物の塗工条件を調整する方法(例えば、組成物の使用量を調整する方法、塗工スピードを調整する方法)、充填部の材料を調整する方法(例えば、表面保護層用組成物に対する濡れ性を調整する方法)、樹脂層の材料を調整する方法(例えば、表面保護層用組成物に対する濡れ性を調整する方法)が挙げられる。
図4(a)に示すように、充填部51が表面保護層4から露出した領域の幅をRとする。幅Rは、例えば10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。一方、幅Rは、例えば1cm以下であり、5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよい。幅Rとは、充填部51が表面保護層4から露出した領域の長さ(厚さ方向Dに直交する方向Dにおける上記領域の長さ)である。
図4(a)に示すように、充填部51は、凹部Yの底面に配置された底面部51aと、凹部Yの壁面に配置された壁面部51bと、を有していてもよい。図4(a)において、底面部51aおよび壁面部51bは、連続的に配置されている。また、壁面部51bおよび非充填部52も、連続的に配置されている。すなわち、充填部51および非充填部52は、連続的に配置されている。
図4(a)に示すように、底面部51aの厚さをTとし、樹脂層3の凹部Yの深さをHとする。厚さTは、例えば2μm以上であり、5μm以上であってもよい。一方、厚さTは、例えば100μm以下であり、80μm以下であってもよい。また、深さHに対する厚さTの割合(T/H)は、例えば2%以上であり、5%以上であってもよく、10%以上であってもよい。一方、T/Hは、例えば100%以下であり、50%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
図4(a)に示すように、意匠性向上層5は、樹脂層3の凸部Xに配置された非充填部52を有していてもよい。この場合、非充填部52は、凸部Xと、表面保護層4との間に配置される。一方、図4(b)に示すように、意匠性向上層5は、樹脂層3の凸部Xに配置された非充填部を有しなくてもよい。この場合、凸部Xと、表面保護層4とは、意匠性向上層5を介さずに配置される。凸部Xおよび表面保護層4は、接触するように配置されていてもよく、例えばプライマー層を介して配置されていてもよい。
図4(c)に示すように、底面部51aおよび壁面部51bは、厚さが同一であってもよい。厚さが同一であるとは、両者の厚さの差が3μm以下であることをいう。一方、図4(a)および図4(b)に示すように、底面部51aの厚さは、壁面部51bの厚さより大きくてもよい。また、図4(d)に示すように、底面部51aの厚さは、壁面部51bの厚さより小さくてもよい。両者の厚さの差は、通常、3μmより大きい。また、図5(a)に示すように、充填部51は、底面部51aを有し、壁面部51bを有しなくてもよい。また、図5(b)に示すように、充填部51は、凹部Yを完全に充填していてもよく、図5(a)に示すように、充填部51は、凹部Yを完全に充填していなくてもよい。
(2)意匠性向上層の組成
意匠性向上層は、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する。また、意匠性向上層は、耐候剤、バインダー樹脂および添加剤の少なくとも一つをさらに含有することが好ましい。
(i)マット剤および着色剤
意匠性向上層は、マット剤を含有していてもよい。マット剤としては、例えば、無機粒子、有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ等の無機材料の粒子が挙げられる。有機粒子としては、例えば、架橋アルキル、架橋スチレン、インゾグアナミン樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機材料の粒子が挙げられる。マット剤の粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば、2μm以上、6μm以下であり、3μm以上、5μm以下であってもよい。マット剤の粒径(D50)は、レーザー回折式の粒度分布測定装置により求めることができる。意匠性向上層におけるマット剤の含有量は、例えば、0.5質量%以上、15質量%以下であり、2質量%以上、10質量%以下であってもよい。
意匠性向上層は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。
(ii)耐候剤
意匠性向上層は、耐候剤を含有することが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。意匠性向上層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。意匠性向上層は、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含んでいてもよい。同様に、意匠性向上層は、1種または2種以上の光安定剤を含んでいてもよい。意匠性向上層が耐候剤を含むことにより、意匠性向上層(特に充填部)が完全に表面保護層に覆われていなくても、耐候性が良好な化粧シートが得られる。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノ(メタ)アクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2'-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールが挙げられる。
意匠性向上層における紫外線吸収剤の含有量は、後述するバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上、30質量部以下が好ましく、2質量部以上、20質量部以下がより好ましく、5質量部以上、15質量部以下が特に好ましい。紫外線吸収剤の含有量が多いと、紫外線吸収剤のブリードアウトが発生する可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が少ないと、十分な紫外線吸収性能が得られない可能性がある。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)が挙げられる。
意匠性向上層に含まれる光安定剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、例えば0.1質量部以上、8質量部以下が好ましく、0.3質量部以上、6質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上、4質量部以下が特に好ましい。光安定剤の含有量が多いと、光安定剤のブリードアウトが発生する可能性があり、光安定剤の含有量が少ないと、十分な光安定性が得られない可能性がある。
(iii)バインダー樹脂
意匠性向上層は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。意匠性向上層は、樹脂を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
意匠性向上層は、バインダー樹脂の硬化物を含有していてもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤が挙げられる。バインダー樹脂の硬化物は、特に、アクリルポリオール系樹脂等のポリオール系樹脂を、イソシアネート系硬化剤で架橋硬化した硬化物であることが好ましい。
バインダー樹脂は、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体およびアクリルポリオールを含むことが好ましい。ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ポリカーボネートジオールおよび(ジ)イソシアネートを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン高分子を、ラジカル重合開始剤として使用して、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂であって、柔軟性に富み、耐候性が高い。
(ジ)イソシアネートとしては、例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートが挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、n-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、o又はp-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。脂環式イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。また、これらの付加体、多量体などを使用することもできる。これは、単独使用又は2種以上使用することができる。これらの中でも、良好な耐候密着性を与える点で、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、または、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式イソシアネートが好ましい。
アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を併用することができる。
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体中のアクリル成分とウレタン成分の質量比は、特に制限されないが、耐候性および耐溶剤性の点で、ウレタン成分:アクリル成分の質量比は、例えば、80:20~20:80が好ましく、70:30~30:70がより好ましい。
また、バインダーはアクリルポリオールを含有することが好ましい。アクリルポリオールは、上述したアクリルモノマーにヒドロキシル基が導入されたものである。例えば、上記アクリルモノマーに(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル等のヒドロキシル基含有のアクリルモノマーを共重合させて合成することができる。これらのアクリルポリオールは架橋剤としての機能を果たす。
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体とアクリルポリオールとの質量比は、例えば、80:20~20:80が好ましい。この範囲であると、イソシアネートとの2液架橋により硬くなり、耐溶剤性が向上する上、十分な柔軟性が得られる。
(iv)その他成分
意匠性向上層は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、酸化防止剤が挙げられる。意匠性向上層における充填部と、表面保護層とが、それぞれ、抗菌剤を含むことにより、全面において抗菌性に優れる化粧シートが得られる。また、意匠性向上層における充填部と、表面保護層とが、それぞれ、抗ウイルス剤を含むことにより、全面において抗ウイルス性に優れる化粧シートが得られる。また、意匠性向上層における充填部と、表面保護層とが、それぞれ、酸化防止剤を含むことにより、全面において酸化防止性能に優れる化粧シートとすることができる。抗菌剤、抗ウイルス剤および酸化防止剤については、後述する表面保護層で例示するものと同様のものが挙げられる。
(3)意匠性向上層
意匠性向上層の形成方法としては、例えば、意匠性向上層用の組成物を、凹凸形状(凸部および凹部)を有する樹脂層に塗布して、その上をドクターブレード等の治具で掻く(ワイピングする)方法が挙げられる。凹部に上記組成物が充填され、充填部が形成される。
2.表面保護層
本開示における表面保護層は、樹脂層の意匠層とは反対側の面に配置される。表面保護層を設けることにより、化粧シートを保護することができる。また、図1に示すように、化粧シート10は、表面保護層4を最表層として有していてもよい。
(1)表面保護層の構造
本開示における表面保護層は、化粧シートを厚さ方向に沿って平面視した場合に、化粧シートの全面には配置されず、化粧シートの一部に配置される。具体的に、表面保護層は、厚さ方向において、充填部と重複しないように配置される。例えば図4(a)に示すように、表面保護層4は、厚さ方向Dにおいて、充填部51と重複しないように配置される。図4(a)における表面保護層4は、厚さ方向Dにおいて、充填部51の一部とは重複しているが、充填部51の一部とは重複していない。また、図6に示すように、表面保護層4は、厚さ方向Dにおいて、充填部51と全く重複していない領域を有していてもよい。一方、例えば図4(a)に示すように、表面保護層4は、厚さ方向Dにおいて、非充填部52と重複するように配置される。表面保護層4は、厚さ方向Dにおいて、非充填部52の全体と重複するように配置されていてもよい。
(2)表面保護層の組成
表面保護層は、樹脂成分を含有する。表面保護層は、耐候剤および添加剤の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。
(i)耐候剤
表面保護層は、耐候剤を含むことが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。表面保護層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。表面保護層は、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含んでいてもよい。同様に、表面保護層は、1種または2種以上の光安定剤を含んでいてもよい。
本開示においては、表面保護層および充填部が、それぞれ、耐候剤を含むことが好ましい。例えば、表面保護層および充填部が、それぞれ、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。表面保護層に含まれる紫外線吸収剤と、充填部に含まれる紫外線吸収剤とは、同一の化合物であってもよく、異なっていてもよい。また、表面保護層および充填部が、それぞれ、光安定剤を含むことが好ましい。表面保護層に含まれる光安定剤と、充填部に含まれる光安定剤とは、同一の化合物であってもいてもよく、異なっていてもよい。紫外線吸収剤および光安定剤については、上記「1.意匠性向上層」に記載した内容と同様である。
表面保護層における紫外線吸収剤の含有量は、後述するバインダー樹脂100質量部に対し、0.05質量部以上、10質量部以下が好ましく、0.3質量部以上、8質量部以下がより好ましく、1質量部以上、5質量部以下が特に好ましい。表面保護層に含まれる光安定剤の含有量は、後述するバインダー樹脂100質量部に対して、例えば0.05質量部以上、5質量部以下が好ましく、0.3質量部以上、3質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上、2質量部以下が特に好ましい。
(ii)樹脂成分
表面保護層は、樹脂成分を含有する。樹脂成分は、主にバインダー樹脂として機能する。表面保護層は、樹脂成分として、樹脂組成物、および、その硬化物の少なくとも一方を含有することが好ましい。上記硬化物は、硬化性樹脂組成物を電離放射線により硬化した硬化物であってもよく、硬化性樹脂組成物を熱により硬化した硬化物であってもよい。
硬化性樹脂組成物としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。耐擦傷性および生産効率の観点では、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。すなわち、表面保護層は、樹脂成分として、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含有することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物の具体例としては、電子線硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。中でも、電離放射線硬化性樹脂組成物は、重合開始剤が不要のため臭気が少ない、着色が生じにくい等の利点がある。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基は、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基が挙げられる。また、電離放射線硬化性官能基の他の具体例としては、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクロイル基をいう。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートをいう。また、電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいう。電離放射線の具体例としては、紫外線(UV)、電子線(EB)が挙げられる。電離放射線の他の具体例としては、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性化合物を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。電離放射線硬化性化合物の種類は、特に限定されず、公知の重合性モノマー、公知の重合性オリゴマー(重合性プレポリマー)を用いることができる。
電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物を含むことが好ましい。中でも、電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物を含むことが好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよい。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物は、2官能(メタ)アクリレート系モノマーであってもよく、3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーであってもよい。2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコールおよび有機ジイソシアネートと、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。また、エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、エポキシ系樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応によって得られる。この反応の際に、多塩基酸およびフェノール類の少なくとも一方を、さらに用いてもよい。エポキシ系樹脂は、2官能であってもよく、3官能以上であってもよい。また、エポキシ系樹脂としては、例えば、芳香族エポキシ系樹脂、脂環族エポキシ系樹脂、脂肪族エポキシ系樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化性化合物は、シリコーン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。シリコーン(メタ)アクリレートを用いることで、表面保護層の耐汚染性が向上する。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリシロキサンを含むシリコーンオイルが挙げられる。シリコーン(メタ)アクリレートは、ポリシロキサンの末端に、(メタ)アクリル基を導入した変性シリコーンオイルであってもよい。シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、電離放射線硬化性化合物(シリコーン(メタ)アクリレートを除く)100質量部に対して、例えば、1質量部以上、7質量部以下であり、2質量部以上、5質量部以下であってもよい。
電離放射線硬化性化合物が、紫外線硬化性化合物である場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤、光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントンが挙げられる。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。
一方、熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物である。この樹脂組成物は、加熱により、硬化する。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤および硬化触媒等の添加剤を含有していてもよい。
(iii)添加剤
表面保護層は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、酸化防止剤が挙げられる。抗菌剤としては、例えば、無機系抗菌剤、有機系抗菌剤が挙げられる。無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤に比べ一般に安全性が高く、耐久性および耐熱性にも優れているため望ましい。無機系抗菌剤とは、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属を各種の無機物担体に担持したものである。
抗ウイルス剤としては、有機系と無機系とに大別することが出来る。有機系の抗ウイルス剤としては、第4級アンモニウム塩系、第4級ホスホニウム塩系、ピリジン系、ピリチオン系、ベンゾイミダゾール系、有機ヨード系、イソチアゾリン系、アニオン系、エーテル系がある。無機系の抗ウイルス剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属イオンをゼオライト、アパタイト、ジルコニア、ガラス、酸化モリブデン等の担体に担持させたものがある。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。中でも、リン系酸化防止剤は、光による表面保護層の変色を効果的に抑制できる。
(3)表面保護層
表面保護層の厚さは、特に限定されないが、例えば、1.0μm以上、20μm以下であり、1.5μm以上、15μm以下であってもよく、2.0μm以上、10μm以下であってもよい。
表面保護層の形成方法としては、例えば、上記成分を含有する表面保護層用組成物を、意匠性向上層の面に塗工し、乾燥し、硬化させる方法が挙げられる。塗工方法としては、充填部を表面保護層で覆わないように塗工することができれば特に限定されず、例えば、グラビアコート方式が好ましく、中でもグラビアダイレクトコート方式が好ましい。表面保護層用組成物を硬化させる方法としては、例えば、電離放射線を照射する方法、加熱する方法が挙げられる。
3.樹脂層
本開示における樹脂層は、意匠層の基材層とは反対側の面に配置される。
(1)樹脂層の構造
樹脂層は、表面保護層側の面に、凸部と凹部とを有する凹凸形状を有する。樹脂層における凸部または凹部は、意匠層に絵柄に対応して配置されてもよい。例えば、意匠層が木目模様を有している場合、木目模様の導管と平面視上重複するよう領域に、凸部または凹部が配置されていてもよい。また、木目模様の年輪の晩材の部分と平面視上重複するように、凸部または凹部が配置されてもよい。また、木目模様の節と平面視上重複するように、凸部または凹部が配置されてもよい。
凹部の断面視形状は、特に限定されない。図7は、本開示における樹脂層の凹凸形状を例示する概略断面図である。図7(a)に示すように、樹脂層3の凹部Yの断面視形状は、台形状であってもよい。また、図7(b)~(d)に示すように、樹脂層3の凹部Yの断面視形状は、矩形状であってもよく(図7(b))、三角形状であってもよく(図7(c))、角部が曲率を有する形状(例えばU字形状)であってもよい(図7(d))。また、1つの凹部Yにおいて壁面の傾斜角が異なっていてもよい(図8(a))。また、底面が傾斜していてもよい(図8(b))。
凹部の平面視形状は、特に限定されない。凹部の平面視形状は、ライン状であってもよくドット状であってもよい。各ドットの平面視形状としては、例えば、円状、楕円状、三角形状、矩形状が挙げられる。凹部の模様の具体例としては、例えば木目板導管溝、石板表面、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝が挙げられる。
図7および図8に示すように、凹部Yの幅をWとする。幅Wは、例えば20μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。一方、幅Wは、例えば1cm以下であり、5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよい。凹部Yの幅Wとは、凹部Yの開口の長さ(厚さ方向Dに直交する方向Dにおける開口の長さ)である。
図7および図8に示すように、凹部Yの深さをHとする。深さHは、例えば、5μm以上であり、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。一方、深さHは、例えば200μm以下であり、150μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。凹部Yの深さHとは、凹部Yの底部と、凹部Yおよび凸部Xの境界との最大距離(厚さ方向Dにおける距離)である。
図7および図8に示すように、隣接する凹部Yの間のピッチをPとする。ピッチPは、例えば、5μm以上であり、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。一方、ピッチPは、例えば5cm以下であり、1cm以下であってもよく、5mm以下であってもよい。隣接する凹部Yの間のピッチPとは、隣接する凹部Yの中心間距離(厚さ方向Dに直交する方向Dにおける中心間距離)である。
(2)樹脂層の組成
樹脂層は、樹脂を含有する。樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルを挙げることができる。特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
樹脂層は、必要に応じて着色されていてもよい。この場合は、上記熱可塑性樹脂に対して着色剤(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色剤としては、公知又は市販の顔料又は染料を適宜使用することができる。これらは、1種又は2種以上を選ぶことができ、また、着色剤の添加量も、所望の色合いに応じて適宜設定すればよい。
樹脂層は、耐候剤を含むことが好ましい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤および光安定剤については、上記「1.意匠性向上層」に記載した内容と同様である。
樹脂層における紫外線吸収剤の含有量は、例えば、0.05質量%以上、5質量%以下であり、0.3質量%以上、3質量%以下であってもよい。また、樹脂層における光安定剤の含有量は、例えば、0.05質量%以上、5質量%以下であり、0.3質量%以上、3質量%以下であってもよい。
樹脂層には、必要に応じて充填剤、艶消し剤(マット剤)、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
(3)樹脂層
樹脂層の厚さは、特に限定されないが、例えば、20μm以上、250μm以下であり、50μm以上、200μm以下であってもよい。また、樹脂層は、意匠層を識別可能な透明性を有していることが好ましい。樹脂層は、無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。
樹脂層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、樹脂層形成用組成物をTダイ押出し機等の押出し機を用いて樹脂層用フィルムを形成し、意匠層とは反対側の面に凹凸形状(凸部および凹部)を形成する方法が挙げられる。
凹凸形状を形成する方法については、特に限定されないが、例えばエンボス加工が挙げられる。エンボス加工では、例えば、加熱ドラム上で樹脂層用フィルムを加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定することで、凹凸を有する樹脂層用フィルムが得られる。エンボス加工は、例えば、枚葉式エンボス機または輪転式エンボス機を用いて行うことができる。また、意匠層上に樹脂層を積層する工程で、同時にエンボス加工を行う方法(いわゆるダブリングエンボス法)を用いてもよい。
樹脂層の表面保護層側の面、または、樹脂層の意匠層側の面には、隣接する層との接着性を高めるために、必要に応じて表面処理を行うこともできる。表面処理としては、コロナ放電処理が挙げられる。
4.意匠層
本開示における意匠層は、基材層および樹脂層の間に配置される。本開示においては、意匠層および充填部の相乗効果により、化粧シートの意匠性が向上する。また、化粧シートを厚さ方向に平面視した場合に、意匠層は、化粧シートの全面に配置されていてもよく、化粧シートの一部に配置されていてもよい。
意匠層としては、例えば、ベタ層(インキをベタ塗りした層)、絵柄層(インキを印刷した層)が挙げられる。化粧シートは、意匠層として、ベタ層および絵柄層を有していてもよい。絵柄層における絵柄(模様)としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様が挙げられる。
意匠層は、通常、着色剤およびバインダー樹脂を含有する。着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料(染料を含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等のパール顔料が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニルーアクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。
意匠層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、可塑剤、触媒等の添加剤を含有していてもよい。意匠層の厚さは、例えば、0.5μm以上、20μm以下であり、1μm以上、10μm以下であってもよく、2μm以上、5μm以下であってもよい。
意匠層の形成方法としては、例えば、着色剤、バインダー樹脂および溶剤を含有するインキを塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。塗工法としては、例えば、グラビア印刷法が挙げられる。
5.基材層
本開示における基材層は、意匠層、樹脂層、意匠性向上層および表面保護層を支持する層である。基材層の構成材料としては、例えば、樹脂、繊維質材料、金属、非金属無機材料が挙げられる。基材層は、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。後者の場合、基材層は、構成材料の種類が同じ層を2層以上有していてもよく、構成材料の種類が異なる層を2層以上有していてもよい。
基材層に用いられる樹脂としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABD)等のスチレン系樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂の別の例として、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂が挙げられる。天然樹脂としては、例えば、天然ゴム、松脂、琥珀が挙げられる。
基材層に用いられる繊維質材料としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、和紙、チタン紙、リンター紙、硫酸紙、パラフィン紙、パーチメント紙、グラシン紙、壁紙用裏打紙、板紙および石膏ボード用原紙等の紙が挙げられる。上記紙は、一般紙であってもよく、難燃紙であってもよい。難燃紙は、一般紙の中に難燃剤を含有させた紙である。難燃剤としては、例えば尿素、アンモニウム化合物等の窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(好ましくは水和物)、自消性を有するリンまたはハロゲン元素を含む難燃剤が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムのように、結晶水を含む化合物は、燃焼分解時に結晶水の気化熱によって難燃化を図ることができる。
繊維質材料の別の例としては、織布、不織布が挙げられる。織布または不織布に用いられる繊維としては、例えば、樹脂繊維(例えばポリエステル系樹脂繊維、アクリル系樹脂繊維)、天然繊維(例えば絹、木綿、麻)、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられる。また、基材層に繊維質材料を用いる場合、アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を添加(抄造後に樹脂含浸、または、抄造時に樹脂内填)してもよい。また、基材層は、壁紙用裏打紙の表面に、塩化ビニル系樹脂層、オレフィン系樹脂層、アクリル系樹脂層等の樹脂層を積層した壁紙原反であってもよい。
基材層に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金(例えばジュラルミン)、鉄、鉄合金(例えば炭素鋼、ステンレス鋼)、銅、銅合金(例えば、真鍮、青銅)、金、銀、クロム、ニッケル、コバルト、スズ、チタンが挙げられる。また、金属の表面に、めっき処理が施されていてもよい。
基材層に用いられる非金属無機材料としては、例えば、セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、石膏、珪酸カルシウム、木片セメント等の非セラミック系窯業材料、陶磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミック系窯業材料、石灰岩(大理石を含む)、花崗岩、安山岩等の天然石が挙げられる。
基材層は、必要に応じて、難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤を含有していてもよい。また、基材層は、例えば密着性向上を目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、酸化法、凹凸化法が挙げられる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法が挙げられる。
基材層の形状としては、例えば、シート状が挙げられる。基材層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下である。基材層の坪量は、特に限定されないが、例えば、50g/m以上300g/m以下であり、60g/m以上160g/m以下であってもよい。
6.化粧シート
本開示における化粧シートは、基材層、意匠層、樹脂層、意匠性向上層および表面保護層を少なくとも有する。化粧シートは、基材層、意匠層、樹脂層、意匠性向上層および表面保護層のみを有していてもよく、さらに、他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば、プライマー層、接着層が挙げられる。接着層としては、例えば、層間に配置される第1の接着層(層間接着層)、および、基材層の意匠層とは反対側の面に配置される第2の接着層(裏面接着層)が挙げられる。
化粧シートの層構成としては、例えば、以下に示す層構成が挙げられる。以下の記載において、意匠性向上層は、充填部を含む層である。
(1)基材層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(2)基材層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
(3)基材層/意匠層/第1の接着層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(4)基材層/第1の接着層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(5)基材層/意匠層/第1の接着層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
(6)基材層/第1の接着層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
(7)第2の接着層/基材層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(8)第2の接着層/基材層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
(9)第2の接着層/基材層/意匠層/第1の接着層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(10)第2の接着層/基材層/第1の接着層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/表面保護層
(11)第2の接着層/基材層/意匠層/第1の接着層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
(12)第2の接着層/基材層/第1の接着層/意匠層/樹脂層/意匠性向上層/プライマー層/表面保護層
上記「/」は、各層の相対的な位置関係を示しており、例えば「A/B/C」は、A、BおよびCが、厚さ方向に沿って、この順に配置されていることを意味する。また、例えば「A/B」と記載した場合、AおよびBは、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。
(1)プライマー層
化粧シートは、表面保護層と樹脂層との間に、プライマー層を有していてもよい。プライマー層を設けることで、表面保護層と樹脂層の密着性が向上し、例えば、紫外線に暴露した際の層間密着性の低下を抑制できる。また、プライマー層を設けることで、表面保護層の耐擦傷性が向上する。
意匠性向上層における充填部は、プライマー層によって被覆されていてもよく、被覆されていなくてもよいが、後者が好ましい。充填部による意匠性向上効果が良好に発揮されるからである。
ここで、化粧シートの断面観察により、凹部における充填部の状態を観察し、充填部の全体がプライマー層によって被覆された、充填部の個数をNとし、充填部の少なくとも一部がプライマー層によって被覆されていない、充填部の個数をNとした場合に、N/(N+N)が10%以上、100%以下であることが好ましい。N/(N+N)の好ましい数値範囲は、上述したN/(N+N)の好ましい数値範囲と同様である。一方、意匠性向上層が非充填部を有する場合、表面保護層および非充填部の間に、プライマー層が配置されていてもよい。
プライマー層は、樹脂成分を少なくとも含有する。樹脂成分としては、充填部で例示したバインダー樹脂、バインダー樹脂の硬化物と同様のものが挙げられる。
プライマー層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。紫外線吸収剤および光安定剤としては、上記「1.意匠性向上層」に記載した内容と同様である。プライマー層の厚さは、例えば、0.01μm以上、10μm以下であり、0.7μm以上、8μm以下であってもよく、1μm以上、6μm以下であってもよい。また、プライマー層の形成方法としては、例えば、バインダー樹脂および溶剤を含有するプライマー層用組成物を塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。必要に応じて、硬化処理を行ってもよい。塗工方法としては、充填部の表面の一部または全体を避けて、プライマー層用組成物を塗工することができれば特に限定されず、例えば、グラビアコート方式が好ましく、中でもグラビアダイレクトコート方式が好ましい。
(2)接着層
化粧シートは、接着層を有していてもよい。接着層の位置は、特に限定されない。接着層は、意匠層の基材層とは反対側の面に配置されていてもよい。また、基材層が2層以上の積層体である場合、基材層を構成する各層の間に接着層が配置されていてもよい。このような化粧シートの層間に配置される接着層を、第1の接着層と称する。
第1の接着層は、樹脂を含有する。上記樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂繊維素誘導体、ゴム系樹脂が挙げられる。
第1の接着層の厚さは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。また、第1の接着層の形成方法としては、例えば、樹脂および溶剤を含有する樹脂組成物を塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。
本開示の化粧シートは、図2に示すように、基材層1の意匠層2とは反対側の面に接着層7を有していてもよい。このような化粧シートの裏面に配置される接着層を、第2の接着層と称する。第2の接着層は、被着体である基体との密着性を高めることを目的として必要に応じて設けられる。この場合、化粧シートは、第2の接着層の基材層とは反対側の面に、剥離可能なセパレータ層を有していてもよい。
第2の接着層の形成に用いられる樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン及びポリアミドが挙げられる。イソシアネート化合物等を硬化剤とする、二液硬化型のポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。接着剤としては、(メタ)アクリル系、ウレタン系、シリコーン系又はゴム系の粘着剤(感圧接着剤)も挙げられる。
第2の接着層の厚さは、優れた接着性を得るという観点から、例えば、1μm以上、100μm以下であり、5μm以上、50μm以下であってもよく、10μm以上、30μm以下であってもよい。
(3)化粧シート
本開示における化粧シートの用途は、特に限定されないが、例えば、建材が挙げられる。化粧シートは、外装部材(外装用途に用いられる部材)に用いられてもよく、内装部材(内装用途に用いられる部材)に用いられてもよい。外装部材に用いられる化粧シートは、表面保護層および充填部が、それぞれ耐候剤を含むことが好ましい。化粧シートの用途の具体例としては、下記(1)~(5)が挙げられる。
(1)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の壁、床、天井等の内装部分の表面材
(2)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の外壁、屋根、軒天井、戸袋等の外装部分の表面材
(3)窓、窓枠、扉、扉枠等の建具の表面材
(4)手すり、腰壁、廻り縁、敷居、鴨井、笠木等の造作部材の表面材
(5)塀、門扉、物干台の柱、手すり等の屋外(外装)部分の表面材
7.化粧シートの製造方法
図9は、本開示における化粧シートの製造方法を例示する概略断面図である。図9においては、まず、基材層1と、意匠層2と、樹脂層用フィルム3′と、を厚さ方向Dにおいて、この順に有する積層体20を準備する(図9(a)、積層体準備工程)。意匠層2および樹脂層用フィルム3′の形成方法は、上述した通りである。樹脂層用フィルム3′は、接着層(図示せず)を介して意匠層2に接着してもよい。次に、樹脂層用フィルム3′の意匠層2とは反対側の面に、エンボス加工を施すことにより、凸部Xおよび凹部Yを有する樹脂層3を形成する(図9(b)、樹脂層形成工程)。エンボス加工については、上述した通りである。次に、意匠性向上層用の組成物を樹脂層3の表面に塗布し、ワイピングを行うことによって、上記組成物を、凹部Yに充填する。必要に応じて乾燥および硬化を行い、充填部51および非充填部52を有する意匠性向上層5を形成する(図9(c)、意匠性向上層形成工程)。このワイピングは、ドクターブレードまたはロールを用いて行うことが好ましい。次に、樹脂層3の意匠層2とは反対側の面に、充填部51を被覆しないように、表面保護層4を形成する(図9(d)、表面保護層形成工程)。表面保護層の形成方法としては、上述した通りである。表面保護層形成工程の前に、プライマー層形成工程を行ってもよい。これにより、化粧シート10が得られる。
B.化粧部材
図11は、本開示における化粧部材を例示する概略断面図である。図11に示す化粧部材100は、基体50と、接着層40と、上述した化粧シート10と、をこの順に有する。図11に示すように、化粧シート10の表面保護層4が、化粧部材100の最外層を構成している。化粧シート10は、基材層1側の面が基体50側を向くように配置されている。
本開示によれば、上述した化粧シートを有するため、意匠性が高い化粧部材となる。
1.化粧シート
本開示における化粧シートについては、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
2.基体
本開示における基体は、化粧シートにより装飾される部材である。基体の一例としては、樹脂部材が挙げられる。樹脂部材に用いられる樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系共重合体(ABS系樹脂)、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂、ゴムが挙げられ、中でも、塩化ビニル系樹脂が好ましい。各々の樹脂の詳細については、上記「A.化粧シート」に記載した内容を適宜引用できる。また、基体の他の例としては、木質部材が挙げられる。木質部材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、木質繊維板が挙げられる。木質部材に用いられる木材としては、例えば、杉、檜、松、ラワンが挙げられる。
また、基体の他の例としては、金属部材が挙げられる。金属部材に用いられる金属としては、例えば、鉄、鉄合金(例えば炭素鋼、ステンレス鋼)、アルミニウムが挙げられる。また、基体の他の例としては、窯業部材が挙げられる。窯業部材の材料は、ガラス、陶磁器等のセラミックスであってもよく、石膏等の非セメント窯業系材料であってもよく、ALC(軽量気泡コンクリート)等の非陶磁器窯業系材料であってもよい。
基体の形状は、特に限定されず、例えば、板状、シート状、立体形状が挙げられる。また、基体は、平面部を有していてもよく、曲面部を有していてもよく、平面部および曲面部の両方を有していてもよい。また、基体は、凸部、凹部、凸条部、凹条部、貫通部の少なくとも一つを有していてもよい。
3.接着層
本開示における化粧部材は、基体と、化粧シートとの間に、接着層(第3の接着層)を有していてもよい。基体と化粧シートとの間に配置される第3の接着層としては、例えば、上述した第2の接着層と同様の樹脂が用いられる。また、化粧シートが上述した第2の接着層を有する場合、化粧シートと基体とは直接接していてもよい。
4.化粧部材
本開示における化粧部材は、上述した化粧シートおよび基体を有する。本開示における化粧部材は、内装部材あってもよく、外装部材であってもよい。化粧部材の用途については、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示における化粧部材は、例えば、化粧シートと、基体と、を積層することにより、得ることができる。具体的には、基体における面(装飾を要する面)と、化粧シートにおける基材層側の面と、を対向させて積層する。
化粧部材の製造方法としては、例えば、本開示の化粧シートにおける第2の接着層と基体の表面とが直接接するように、化粧シートを基体に貼付する方法が挙げられる。また、別の化粧部材の製造方法としては、本開示の化粧シートにおける基材層側の面と基体の表面とが対向するように、第3の接着層を介して、化粧シートを基体に積層する。
基体と化粧シートとを積層する方法としては、例えば、ラミネート法、ラッピング法、真空成形法が挙げられる。ラミネート法では、例えば、化粧シートを、板状の基体に加圧ローラーで加圧する。ラッピング法では、例えば、化粧シートを供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、基体を構成する複数の側面に、順次化粧シートを加圧接着する。化粧シートおよび基体を積層する際に、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、その加温温度は、例えば、150℃以上200℃以下である。また、反応性ホットメルト接着剤を用いる場合、その加熱温度は、例えば、100℃以上130℃以下である。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例]
厚さ60μmの白色ポリプロピレンフィルム(基材層)上に、グラビア多色印刷により、黒色系インキによる導管溝模様の絵柄層、および、茶褐色系インキによる導管部以外の木肌模様からなる絵柄層を形成し、合計厚さ1μmの木目模様の意匠層を形成した。次いで、意匠層上に接着層(ポリエステル樹脂、厚さ:5μm)を形成した。次いで、接着層上に、透明ポリプロピレン樹脂フィルム(樹脂層用フィルム、厚さ:80μm)を押出しラミネート方式で積層した。これにより、基材層、意匠層、接着層および樹脂層用フィルムをこの順に有する積層体を得た。
次いで、樹脂層用フィルムを加熱して軟化状態にし、木目模様のエンボス版を用いて、積層体の樹脂層用フィルム側からエンボス加工を施し、樹脂層用フィルム側の面に木目模様の凹凸形状(凸部および凹部)を形成し、樹脂層を得た。
次いで、樹脂層の表面(凹凸形状を有する面)に、黒褐色の充填部用インキ(意匠性向上層用インキ)を供給し、その後、基材層に対して垂直となるようにドクターブレードを押し当て、充填部用インキを掻き取り、樹脂層の凹部にインキを押し込むとともに、余分なインキを除去した。次いで、インキを乾燥、硬化した。充填部用インキは、バインダー樹脂として、アクリルおよびウレタンの共重合樹脂を含み、顔料として、カーボンブラック、キナクリドンおよびイソインドリノンを含み、耐候剤として、紫外線吸収剤(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)および光安定剤(ヒンダードアミン光安定剤)を含み、添加剤としてシリカ、沈降防止剤および分散剤を含むインキであった。
次いで、樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、下記のプライマー層用組成物を、グラビアダイレクト方式にて、樹脂層の凸部上にのみ塗布、乾燥し、厚さ4μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層用組成物>
・熱硬化性樹脂組成物 100質量部(ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体およびアクリルポリオール)
・ヘキサメチレンジイソシアネート 5質量部
・希釈溶剤
次いで、下記の表面保護層用組成物をグラビアダイレクト方式にて、プライマー層上(すなわち、樹脂層の凸部上)にのみ塗布し、電子線を照射して表面保護層用組成物を架橋硬化させ、厚さ5μmの表面保護層を形成した。
<表面保護層用組成物>
・電離放射線硬化性樹脂組成物 100質量部(重量平均分子量4000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー)
・マット剤 15質量部(平均粒子径6μmのシリカ)
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 2質量部
以上の操作により、化粧シートを得た。得られた化粧シートの断面観察を行った。その結果、N/(N+N)は、90%であった。
[比較例]
プライマー層および表面保護層を、樹脂層の表面の全面(凹部を含む全面)に形成したこと以外は、実施例と同様にして、化粧シートを得た。得られた化粧シートの断面観察を行った。その結果、N/(N+N)は、3%であった。
[評価]
実施例および比較例で得られた化粧シートについて、化粧シートの質感を、下記評価方法および評価基準により評価した。
・評価方法
任意の成人20人が化粧シート目視観察し、下記の基準で評価した。
・評価基準
A:天然木の質感があると答えた人が16人以上であった。
B:天然木の質感があると答えた人が11~15人であった。
C:天然木の質感があると答えた人が10人以下であった。
結果は、実施例がA判定、比較例がB判定となった。実施例は、比較例よりもグロスマット差が明瞭に表現され、天然木に近い質感となった。
このように、本開示においては、例えば、以下の発明が提供される。
[1]
基材層と、上記基材層の一方の面に配置された意匠層と、上記意匠層の上記基材層とは反対側の面に配置された樹脂層と、上記樹脂層の上記意匠層とは反対側の面に配置された表面保護層と、を有する化粧シートであって、上記樹脂層は、上記表面保護層側の面に、凸部と凹部とを有する凹凸形状を有し、上記化粧シートは、上記樹脂層の上記表面保護層側の面に、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する意匠性向上層を有し、上記意匠性向上層は、上記凹部に配置された充填部を有し、上記化粧シートの断面観察により、上記凹部における上記充填部の状態を観察し、上記充填部の全体が上記表面保護層によって被覆された、上記充填部の個数をNとし、上記充填部の少なくとも一部が上記表面保護層によって被覆されていない、上記充填部の個数をNとした場合に、N/(N+N)が10%以上、100%以下である、化粧シート。
[2]
上記N/(N+N)が30%以上である、[1]に記載の化粧シート。
[3]
上記N/(N+N)が50%以上である、[1]または[2]に記載の化粧シート。
[4]
上記表面保護層および上記充填部は、それぞれ、耐候剤を含む、[1]から[3]までのいずれかに記載の化粧シート。
[5]
上記耐候剤は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含む、[4]に記載の化粧シート。
[6]
上記化粧シートは、外装部材に用いられる、[1]から[5]までのいずれかに記載の化粧シート。
[7]
上記意匠性向上層は、上記凸部と、上記表面保護層との間に、非充填部を有し、上記充填部および上記非充填部は、連続的に配置されている、[1]から[6]までのいずれかに記載の化粧シート。
[8]
上記化粧シートは、上記意匠層および上記樹脂層の間に、第1の接着層を有する、[1]から[7]までのいずれかに記載の化粧シート。
[9]
上記化粧シートは、上記基材層の上記意匠層とは反対側の面に、第2の接着層を有する、[1]から[8]までのいずれかに記載の化粧シート。
[10]
基体と、[1]から[9]までのいずれかに記載の化粧シートと、を有する、化粧部材。
1…基材層
2…意匠層
3…樹脂層
4…表面保護層
5…意匠性向上層
51…充填部
10…化粧シート
50…基体
100…化粧部材

Claims (10)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に配置された意匠層と、
    前記意匠層の前記基材層とは反対側の面に配置された樹脂層と、
    前記樹脂層の前記意匠層とは反対側の面に配置された表面保護層と、
    を有する化粧シートであって、
    前記樹脂層は、前記表面保護層側の面に、凸部と凹部とを有する凹凸形状を有し、
    前記化粧シートは、前記樹脂層の前記表面保護層側の面に、着色剤およびマット剤の少なくとも一方を含有する意匠性向上層を有し、
    前記意匠性向上層は、前記凹部に配置された充填部を有し、
    前記化粧シートの断面観察により、前記凹部における前記充填部の状態を観察し、前記充填部の全体が前記表面保護層によって被覆された、前記充填部の個数をNとし、前記充填部の少なくとも一部が前記表面保護層によって被覆されていない、前記充填部の個数をNとした場合に、N/(N+N)が10%以上、100%以下である、化粧シート。
  2. 前記N/(N+N)が30%以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記N/(N+N)が50%以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  4. 前記表面保護層および前記充填部は、それぞれ、耐候剤を含む、請求項1に記載の化粧シート。
  5. 前記耐候剤は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の化粧シート。
  6. 前記化粧シートは、外装部材に用いられる、請求項1に記載の化粧シート。
  7. 前記意匠性向上層は、前記凸部と、前記表面保護層との間に、非充填部を有し、
    前記充填部および前記非充填部は、連続的に配置されている、請求項1に記載の化粧シート。
  8. 前記化粧シートは、前記意匠層および前記樹脂層の間に、第1の接着層を有する、請求項1に記載の化粧シート。
  9. 前記化粧シートは、前記基材層の前記意匠層とは反対側の面に、第2の接着層を有する、請求項1に記載の化粧シート。
  10. 基体と、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の化粧シートと、を有する、化粧部材。
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