JP4894418B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は化粧シートに関し、詳しくは、表面にエンボス模様が施され、かつ、該エンボス模様が不規則な配列で構成され、さらにワイピング加工が施された化粧シート、これを製造するためのエンボスロール又はエンボスプレートに関する。
従来、建築物の壁、天井等の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧シートは、その基材シートにポリ塩化ビニルシートが多く使用されており、例えば、ポリ塩化ビニルシートに木目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシートを積層し、エンボス加工を施したものが使用されていた。
しかしながら、ポリ塩化ビニル系樹脂製フィルムは、焼却・廃棄に際し、塩化水素ガス等が発生する危険性があるため、簡単な焼却設備では処理することができず、さらに焼却設備の耐久性を低下させるという問題があった。そこで、近年、ポリオレフィン系樹脂製フィルムを基材として用いることにより焼却負担を軽減する方法が試みられている。
ところで、化粧シートにおいて、木目模様等のリアル感を創出するために、絵柄模様とエンボス模様を同調させることが行われる。この場合の手法として、絵柄模様と一致したエンボスロール又はエンボスプレートを用いて直接化粧シートに凹凸を施す方法がある(例えば特許文献1参照)。この方法は、絵柄層等を印刷した化粧シートに170〜180℃程度の熱をかけ、表面を軟化させてエンボスロール等を押圧し、エンボスを形成するものであるが、ポリオレフィン系の樹脂は加熱によって伸長するため、絵柄模様とエンボス模様を一致させることは必ずしも容易ではなかった。特にフィルムの幅方向の模様やストライプ模様の場合には、直線性の高い模様を描くのが困難な場合があった。
これに対し、木目模様等の立体感を出し、意匠性の高いエンボス化粧板が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2では、基材層、接着剤層、化粧シート層及び熱硬化性樹脂層とが積層された化粧板であって、前記熱硬化性樹脂層の外面に一定の深さからなる規則的な凹部が形成され、前記凹部にワイピングにより着色インキ層が形成された構成からなる化粧板が提案されている。この化粧板は、化粧シート層の色調と熱硬化性樹脂層の規則的な凹部に充填された着色インキ層の色調との相関関係により、立体感、色調のコントラストを有する意匠性に優れたものである。
しかしながら、従来のエンボスとワイピングによって表現しようとする画像は、木目柄の場合の導管柄のように線画的、2値的画像であって、繊細な連続階調のある図柄が表現された例は少なかった。これに対し、エンボスとワイピングで連続階調のある艶柄と連続階調のある着色画像をすでに設けられている印刷画像にプラスしたエンボス化粧シートが提案されている(特許文献3参照)。
上述のエンボス化粧シートでは、エンボス版によって形成される凹部の形状としては、正方形や円形等が一般的であり、該凹部は同一形状のものが規則的に配列されているのが通常である。なお、本明細書において、同一形状の凹部とは、凹部を上面から観察した場合の形状が同一であることを意味し、相似形も同一形状に含まれる。またセルの深さが異なっている場合も同一形状に含まれる。
そして、木目等の絵柄は、通常グラビア印刷方法により3〜4回の重ね刷りをするのが一般的であり、同一形状のセルが規則的に配列されている定形セル凹版を用いて重ね刷りをすることが行われ、これらの印刷層同士、及びエンボス及びワイピングによって得られる層が干渉し合い、いわゆるセル目、モワレ、ロゼッタ模様が発現してしまうことがあった。このようなセル目、モワレ、ロゼッタ模様が発現すると、印刷物の意匠性が損なわれるという問題が生じる。
特開昭57−63257号公報 特開2004−276329号公報 特開平10−297200号公報
本発明の目的は、かかる問題点に鑑み、キッチンドア、フローリング床材、デザインドア等に特に有効な、意匠性の高いエンボスの施された化粧シートを提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特許文献3にあるようなワイピングの手法において、エンボス模様を構成する凹部を不規則な配列とすることで前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)着色基材上に、少なくとも透明樹脂層を積層した化粧シートであって、該透明樹脂層がセル状に分割されたエンボス模様を有し、該エンボス模様の凹部にはワイピングによって着色材又はインキが充填されることで連続諧調の模様が施され、かつ、該エンボス模様を構成する凹部が不規則な配列である化粧シート、
(2)着色基材と透明樹脂層の間にベタインキ層及び/又は絵柄インキ層からなる着色層を有する上記(1)に記載の化粧シート、
(3)透明樹脂層の上にさらに表面保護層を有する上記(1)又は(2)に記載の化粧シート、及び
(4)凸部がセル状に分割され、該凸部が連続諧調の模様を有し、かつ該凸部が不規則な配列であるエンボスロール又はエンボスプレート
を提供するものである。
本発明によれば、ベタインキ層及び/又は絵柄インキ層からなる着色層の色調とエンボスにワイピング加工されて得られた装飾層により、立体感及び色調のコントラストを有する意匠性に優れた化粧シートであって、かつ、いわゆるセル目、モワレ、ロゼッタ模様が発現しない、キッチンドア、フローリング床材、デザインドア等の製造に適した化粧シートを得ることができる。
本発明の化粧シートは、着色基材上に、少なくとも透明樹脂層を積層したものであって、該透明樹脂層がセル状に分割されたエンボス模様を有し、該エンボス模様の凹部にはワイピングによって着色材又はインキが充填されることで連続諧調の模様が施され、かつ、該エンボス模様を構成する凹部が不規則な配列であることを特徴とするものである。
本発明の化粧シートの典型的な層構成を、図1を用いて説明する。図1は本発明の化粧シート10の断面を示す模式図である。図1に示す例では、着色基材11上に透明樹脂層12が積層された構造を有する。透明樹脂層12はセル状に分割されたエンボス模様13を有し、エンボス模様13の凹部には、ワイピングによって着色材又はインキが充填されている。着色基材11と透明樹脂層12の間にはベタインキ層15と絵柄インキ層16からなる着色層14を有する。
以下、図1を用いて各層を構成する要素について詳細に説明する。
本発明で用いられる着色基材11の樹脂としては、通常化粧シートの基材として用いられるものであれば、特に限定されず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂のうち、環境の点を考慮するとポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記基材を構成する樹脂中には着色剤が含有される。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料;染料;アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。これらの着色剤は基材に必要な色彩を持たせるために添加され、透明着色と不透明(隠蔽)着色のいずれでも構わないが、一般的には被着体を隠蔽するために不透明色が好ましい。着色剤の添加量としては、通常、着色基材を基準として5〜60質量%の範囲である。
また、該着色基材11には必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられ、その添加量は通常、着色基材を基準として5〜60質量%の範囲である。
これらの着色基材11は、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化法などの物理的または化学的表面処理などの易接着処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
着色基材11には、化粧シートの表面層として必要な機能を補強するために、必要に応じて各種添加剤、補強材、充填剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等が添加される。紫外線吸収剤、光安定剤は、着色基材11に、より良好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、その添加量は、通常、紫外線吸収剤、光安定剤共に0.5〜10質量%程度である。一般的には、紫外線吸収剤と光安定剤を併用するのが好ましい。
また、着色基材11の厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度、好ましくは30〜100μmの範囲である。
図1に示される着色層14は本発明の化粧シート10に装飾性を与えるものであり、種々の色調をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。着色層14はベタインキ層15及び/又は絵柄インキ層16からなり、通常、着色基材11の地肌の隠蔽等の目的で設けられ、模様のない全ベタ状のベタインキ層15として形成される。着色層14はまた絵柄インキ層16を形成していてもよく、その場合の模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
本発明は、特に木目模様に適用した際に顕著な効果が得られる。
着色層14に用いるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
この着色層14の厚さとしては、1〜5μm程度である。
次に、本発明の化粧シートは、着色基材11の上に透明樹脂層12を積層したものである。透明樹脂層12は着色基材11の上に直接積層してもよいし、図1に示す例のように着色基材11上に着色層14を積層し、その上に透明樹脂層12を積層してもよい。本発明の化粧シート10は、透明樹脂層12がセル状のエンボス模様13を有し、該エンボス模様の凹部にはワイピングによって着色材又はインキが充填されることで連続諧調の模様が施され、かつ、該エンボス模様を構成する凹部が不規則な配列であることを特徴とする。
透明樹脂層12に使用される樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリカーボネート;ABS樹脂;アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。これらのうち、使用後の廃材処理性を良好とし、環境負荷を少なくするとの観点から、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂がより好ましい。
また、透明樹脂層12の表面は着色基材11で述べたのと同様の易接着処理を施すことが、後に詳述する表面保護層17との接着性が向上するため好ましい。
次に、透明樹脂層12にセル状のエンボス模様13を施す手段としては、特に限定されないが、例えば、加熱加圧によるエンボス加工法やTダイ溶融押出し同時エンボス加工法が挙げられる。
加熱加圧によるエンボス加工法は透明樹脂層12の表面を加熱軟化させ、エンボス版で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦形して、冷却し、固定化する方法であって、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機を用いることができる。加熱加圧によるエンボス加工法でエンボスを形成する場合には、ラミネート加工等により透明樹脂層12を着色基材11に積層する前に、透明樹脂層12を構成する樹脂フィルムにあらかじめエンボス加工する方法と着色基材11に透明樹脂層12を積層する工程で同時にエンボス加工を行う方法(いわゆるダブリングエンボス法)がある。
また、Tダイ溶融押出し同時エンボス加工を行う場合には、溶融押出しのためのローラーと賦形ローラーを兼用させた冷却ローラーを使用して、透明樹脂層12の成膜・積層と同時にエンボス模様13を形成することができる。
エンボス及びワイピングにより、連続諧調の模様を得るための方法としては、セルの大小で印刷後のインキの濃度の制御を行うAMスクリーン、セルの粗密で諧調表現を行うFMスクリーン、及びセルの面積ではなくセルの深さで諧調表現を行うコンベンショナル法が挙げられる。本発明ではいずれの方法を用いることもできる。
また、本発明におけるエンボスは、後述する版面を腐食して形成された微小な凸状部が集合しているエンボス版によって加熱加圧状態で行われ、透明樹脂層12の面には、図1に示すように、独立した凹部が集合して形成されている。この凹部は部分的には連結していてもよい。
本発明の化粧シートでは、以上の凹部に対して、ワイピング法によってインキが充填される。これは、一旦全面にコートされたインキをドクターブレードあるいはリバースロールでかきとる方法であって、比較的大きな凹部の中央の底部のインキはかきとられるが周辺の土手部と小さな凹部にはインキが残留しその残留インキによって画像が形成される。なお、図2において、凹部の内側のドットは、このワイピングによって残留しているインキを示している。
凹部は、図2に示すように、印刷網点のように配列しているが、本発明の化粧シート10の凹部は実際には目視出来ない程度の大きさであるので、この様な網点配列でエンボスされた透明樹脂層の表面には連続階調変化のある艶として表現される。その艶は、独立した凹部の開口部が大きいほど失われている。すなわち、上記エンボス模様を施すだけで、透明樹脂層12の表面には階調のある艶柄が形成されており、着色層14による印刷柄にマッチングしてデリケートな絵柄を再現あるいは創造することができる。
次いで、このような凹部が配列したエンボス化粧シート10の表面を適宜な色のインキでワイピングすると、連続階調を有する有色画像を形成することができる。本発明の化粧シート10は、着色層14とエンボス模様及びワイピングによる着色の3者が組合わさって連続階調のある繊細でデリケートな中にも迫力のある絵柄の再現あるいは新規な絵柄の創造を可能とするものである。
本発明の化粧シートにおける透明樹脂層12のエンボス模様は、図2にその一例を示すようにセル状に分割された不規則な配列をとる。なお、図2に示す例は、後に詳述するボロノイ分割により得た配列である。
透明樹脂層12のエンボス模様(凹凸形状)としては、着色層14で用い得るのと同様の模様であり、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様等がある。
本発明では、木目模様の絵柄に特に適するものであり、木目の導管部と木目模様を共にエンボス模様として同調させることにより、より意匠性の高いものとなり好ましい。
不規則な配列の具体例として、不定形セル、不定形線条、幾何模様及び抽象柄などの中から選ばれる少なくとも1種を有するエンボス版を挙げることができる。例えば、図3〜図10で示される絵柄を有するエンボス版を用いることができる。図3〜図10は、それぞれ本発明で用いることのできる不定形セル木肌調模倣エンボス版の異なる例を示す平面図である。
また、不規則な配列を得る手法としてボロノイ分割処理が特に好適である。ボロノイ分割処理の手法については、特開2006−71877号公報に詳しい。本発明で用いるセルパターンを形成するための「ボロノイ図」とは、母点の空間的な勢力圏を何らかの形で数学的に定義することにより得られる勢力分布図であれば、どのような定義によって得られたものでも構わない。数学的には、例えば「裁口ボロノイ図」、「最遠点ボロノイ図」、「円のボロノイ図」など種々のボロノイ図を用いることができる。
本発明で用いられる不定形セル木肌調模倣エンボス版の凸部の高さとしては、通常5〜60μmの範囲で選定される。また、当該木肌調模倣エンボス版が、平行な不定形線条を有する場合、該線条に対し、垂直方向1インチ(2.54cm)当たりの線数は、通常40〜250線程度である。なお、当該木肌調摸倣エンボス版がレーザー彫刻による場合、線数は50〜200線/インチ程度であり、機械彫刻による場合、線数は40〜100線/インチ程度である。
当該木肌調模倣エンボス版の製版方法について以下詳細に記す。先ず、再現しようとする連続階調画像を製版スキャナから画像処理装置のハードディスクに取り込み、必要に応じてレタッチや切り抜き等の前処理を行っておく。この画像の階調は濃度範囲が0−100%のフル階調であっても差し支えない。
次に、一旦入力されたこの画像を画像処理装置のディスプレイに取り出し、ディスプレイ上でエンボスシリンダーの円周に合わせたエンドレス画像になるよう画像処理を行う。若し、既存のエンドレス原版を流用するのであれば、このデータを同じく入力しておいて、修正がなければそのまま使用すればよい。
次に、刷版、すなわちエンボス版の製造であるが、これは、レジスト感光液を塗布して予め準備したエンボスシリンダー上に、前記エンドレス画像データを出力して、網点画像を焼き付ける。ここで、網点画像は不規則な配列を有する。
次に、エンボスシリンダー面の現像、腐食を行うと、レジスト網点によるレジスト層以外の部分が腐食されて凸状部が形成され、それらが集合したエンボス版が出来上がる。凸状部の傾斜、サイドエッチングの度合いは腐食法によって多少は変化する。
最後にこの面にクロムメッキを施してエンボス版を完成させる。本発明に使用するエンボス版の刷版は、以上述べたフィルムレスの方法以外にも、従来の網点グラビア印刷方式によって、フィルムに出力された網点画像から刷版するようにしてもよい。
本発明の化粧シートは、上記エンボス模様がワイピング加工されていることが特徴である。すなわち、エンボス模様の凹部に公知のワイピング法によって、着色材又は着色インキを充填するものである。着色インキは、ロールコート或いはナイフコートにて化粧シート表面の凹部にコーティングした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー等で掻き取ることにより、化粧シート表面の凹部以外の着色インキを除去し、凹部にのみ着色インキが残るようにする。この着色インキの色調は、例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは類似であり、また、例えば、石目柄の場合には割れ目と同一若しくは類似であることが好ましい。
本発明の化粧シート10は、透明樹脂層12及びワイピング加工されたエンボス模様13を保護するために、表面保護層17を設けることが好ましい。また、透明樹脂層12と表面保護層17の接着性を向上させるためなどの目的で中間にプライマー層を設けてもよい。
本発明の化粧シートにおいて、表面保護層17は硬化性樹脂組成物の架橋硬化したもので構成されることが好ましく、硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂組成物、特に電子線硬化性樹脂組成物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物としては、フェノール樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、汎用の2液硬化型アクリル樹脂(アクリルポリオール硬化物)などを例示することができる。
本発明において、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
表面保護層17の厚さは特に限定されないが、通常3〜10μm程度の間で適宜設計される。また、塗工方法は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等、各種方法が可能であるが、グラビアコートが最も一般的である。
また本発明における表面保護層17を構成する硬化型樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
耐摩耗性向上剤としては、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とする。これらの中でも球状のα−アルミナは、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を比較的得やすい点で特に好ましいものである。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコールなどが、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などが用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラックなどの公知の着色用顔料などが用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
本発明においては、前記の電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化型樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材の表面に、硬化後の厚さが3〜10μm程度になるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 図4に示す木肌調模倣エンボス版の製造
以下に示す方法に従って、図4に示す木肌調摸倣版を製造した。
幅10〜30μm、長さ100〜300μmの図4に示す木材の繊維の配列を模した不定形のセルを規則性のない位置に配した連続的なボロノイ形状を有するイメージに対して、重ね刷りをする木目の濃淡に従い濃度及び配列の密度を変化させ、それぞれの濃度に対応して網点%を制御した。それぞれの網点を不定形の規則性のない位置に配したボロノイ形状を有するイメージとし、繊維の配列と木目を同調させ、木肌のイメージを得た。該イメージをディスプレイ上でエンボスシリンダーの円周に合わせたエンドレス画像になるよう画像処理を行った。次に、レジスト感光液を塗布して予め準備したエンボスシリンダー上に、レーザーストリーム製版装置を使用して、前記エンドレス画像データを出力して、網点画像を焼き付けた。次いで、エンボスシリンダー面の現像、腐食を行い、表面にクロムメッキを施してエンボス版(エンボスロール)を得た。
実施例1
着色基材11として、ポリプロピレン系着色シート(三菱化学MKV(株)製、厚さ60μm)を用い、その表面にコロナ放電処理を施した。その面に、硝化綿をバインダーとし、弁柄を主成分とする着色剤を含有するインキを用いて、木目色を有する着色層(ベタインキ層)14をグラビア印刷にて形成した。
次に、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂及びランダム重合ポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤0.2質量%、ヒンダードアミン系光安定剤0.3質量%、ブロッキング防止剤0.2質量%をそれぞれ添加した樹脂をオゾン照射の下で、Tダイにて220℃の加熱によって溶融し、共押出して約80μm(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層の厚さ10μm、ランダム重合ポリプロピレン樹脂層の厚さ70μm)の透明樹脂層12を着色層14の上に積層した。
次いで、該透明樹脂層12の表面に、製造例1で得られたエンボスロールを用いて、約180℃で熱エンボスによるエンボス加工を行った。次に、ウレタン系着色インキ((株)昭和インク工業所「W−141」)のインキを用いて、ワイピング加工を行い、次いで、3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径1.5μmのシリカ粒子2質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部からなる電子線硬化性樹脂組成物を塗工量5g/m2で塗工し、表面保護層17形成用の樹脂層を得た。
塗工後、加速電圧175kV、照射線量5Mradの電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層17を形成した。次いで、70℃で24時間の養生を行い、化粧シートを得た。表面保護層17の厚さは約3μmであった。
得られた化粧シートは、木肌模様に対してモアレが発生せず、繊維柄と木目柄が同調し、自然に近い風合いをもった意匠性の高いものであった。
比較例1
木目の濃淡に対して網点形成を不定形にせず、通常のAMスクリーンを用いて、定型セルとし、通常の網点エンボス形状としたこと以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
得られた化粧シートは、濃度の濃い部分でモアレが発生し、自然な木調感が得られず、意匠性の低いものであった。
本発明によれば、着色層の色調とエンボスにワイピング加工されて得られた層により、立体感及び色調のコントラストを有する意匠性に優れ、かつ、いわゆるセル目、モワレ、ロゼッタ模様が発現しない、化粧シートを得ることができる。特に木目模様においてその効果は顕著である。本発明の化粧シートは、例えば、框を有するようなデザインドア等の製造に適するものである。
本発明の化粧シートの断面を示す模式図である。 エンボス模様の凹部の平面を示す模式図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。 不定形セル木肌調模倣エンボス版の一例の平面図である。
符号の説明
10.化粧シート
11.着色基材
12.透明樹脂層
13.エンボス模様
14.着色層
15.ベタインキ層
16.絵柄インキ層
17.表面保護層

Claims (7)

  1. 着色基材上に、少なくとも透明樹脂層を積層した化粧シートであって、該透明樹脂層がセル状に分割されたエンボス模様を有し、該エンボス模様の凹部にはワイピングによって着色材又はインキが充填されることで連続諧調の模様が施され、かつ、該エンボス模様を構成する凹部が不規則な配列であり、該エンボス模様を構成する凹部の不規則な配列が、ボロノイ分割により得た配列であり、該着色基材と該透明樹脂層との間に着色層を有し、該着色層とエンボス模様とが同調している化粧シート。
  2. 着色層の模様が木目模様であり、エンボス模様が木目の導管部の模様であり、かつ該木目模様と導管部の模様とが同調している請求項1に記載の化粧シート。
  3. 透明樹脂層の上にさらに表面保護層を有する請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化したものである請求項3に記載の化粧シート。
  5. 着色基材に着色層を形成し、透明樹脂層を積層し、次いで該透明樹脂層にエンボス加工により該着色層と同調するエンボス模様を形成し、
    該エンボス模様を構成する凹部がボロノイ分割により得た不規則な配列であり、
    該エンボス模様の凹部にワイピングによって着色材又はインキを充填して連続諧調の模様を施すことを特徴とする化粧シートの製造方法。
  6. 透明樹脂層の上にさらに表面保護層を設ける請求項5に記載の化粧シートの製造方法。
  7. 電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する請求項6に記載の化粧シートの製造方法。
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