JP7009887B2 - 化粧シート及びこれを用いた化粧材 - Google Patents
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Description
[2]更に樹脂層及びプライマー層を有し、基材、樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する上記[1]に記載の化粧シート。
[3]更に装飾層を、基材と表面保護層との間に有する上記[1]又は[2]に記載の化粧シート。
[4]被着材と上記[1]~[3]のいずれか1に記載の化粧シートとを有する化粧材。
本発明の化粧シートは、基材と、マルテンス硬度が10N/mm2以上30N/mm2以下であり、紫外線吸収剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、弾性率が400MPa以上1,800MPa以下である、というものである。本発明の化粧シートの構成を、図1及び2を用いて説明する。図1は、本発明の化粧シート10の一例の断面を示す模式図であり、基材11、表面保護層16を有しており、表面保護層16には紫外線吸収剤18が含まれている。図2は、本発明の化粧シート10の好ましい態様の一例の断面を示す模式図であり、該化粧シート10は、基材11、装飾層12、接着層13、樹脂層14、プライマー層15、及び表面保護層16を順に有し、基材11の表面保護層16側の面とは反対側の面には裏面プライマー層17を有している。また、図2には、表面保護層16の基材11とは反対側の面(最表面)に凹部19を有しており、凹部19には、表面保護層16内に留まるもの、樹脂層14に至るもの、基材11に至るもの等があることが示されている。
本発明の化粧シートは、表面保護層のマルテンス硬度が10N/mm2以上30N/mm2以下であることを要し、かつ化粧シートの弾性率が400MPa以上1,800MPa以下であることを要する。
化粧シートの弾性率が400MPa未満であると、化粧シートとして柔らかいため、優れた加工特性は得られるが、表面保護層を高硬度としても凹み傷等の傷への耐性が低下して、耐傷性が得られない。一方、化粧シートの弾性率が1,800MPaを超えると、化粧シートとして硬くなるため、表面保護層の硬度に応じた凹み傷等の傷への耐性が向上して耐傷性は得られるが、加工特性が得られない。
本発明の化粧シートは、加工特性と、耐候性、耐傷性という、相反する特性を、化粧シートとしての弾性率と、表面保護層のマルテンス硬度とのバランスにより、同時に優れたものとすることを可能としている。
(弾性率の測定方法)
JIS K7127に準拠したダンベル型に打ち抜いた試験片を用意し、25℃の温度環境下において、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分、チャック間距離80mm、幅10mmの条件で測定して得られた引張応力-ひずみ曲線の初めの直接部分から、次の式により算出したE(引張弾性率)である。
引張弾性率=Δρ/Δε
Δρ:直線上の2点間の元平均断面積による応力差
Δε:同じ2点間のひずみ差
以下、本発明の化粧シートを構成する各層について説明する。
基材は、通常化粧シートの基材として用いられるものを制限なく採用することができ、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂基材が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」とも称する。)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などが使用される。
これらの中で、より優れた加工特性と、耐候性、耐傷性とを得る観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びABS樹脂が好ましく、化粧シートの弾性率の調整しやすさを考慮すると、特にポリオレフィン樹脂が好ましい。本発明においては、これらの樹脂を単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
基材は、化粧材とした場合に表面保護層と被着材との間に位置する層であるため、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤のブリードアウトによる耐候性の低下への影響は、他の層に比べて小さいものといえる。基材に用いられる紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。また、例えば、後述する表面樹脂層に特に好ましく用いられるものとして例示される特定のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤も好ましく用いることができる。
基材の厚さは、より優れた加工特性と、耐候性、耐傷性とを得る観点、また化粧シートの弾性率の調整しやすさを考慮すると、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上が更に好ましい。上限としては、200μm以下が好ましく、160μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が、表面処理の効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、基材と他の層との層間密着性の向上、各種の被着材との接着性の強化等のために、基材にプライマー層、裏面プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。これらのプライマー層については、後述する。
表面保護層は、10N/mm2以上30N/mm2以下のマルテンス硬度を有し、硬化性樹脂の硬化物で構成される層であり、基材上に直接、又は他の層、例えば、必要に応じて設けられる装飾層、基材又は装飾層と表面保護層との層間密着性を向上させるためのプライマー層等の上に設けられる、本発明の化粧シートの最表面に位置する層である。このような表面保護層を有することで、本発明の化粧シートは優れた加工特性を有し、かつ耐傷性及び耐候性を有するものとなる。
表面保護層の形成に用いられる硬化性樹脂としては、2液硬化型樹脂等の熱硬化性樹脂の他、電離放射線硬化性樹脂等が好ましく用いられ、これらの複数種を組み合わせた、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用する、又は硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
硬化性樹脂としては、表面保護層を構成する樹脂の架橋密度を高め、より優れた加工特性と耐傷性及び耐候性とを得る観点、また表面保護層のマルテンス硬度の調整しやすさを考慮すると、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がより好ましい。
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂のことであり、電離放射線硬化性官能基を有するものである。ここで、電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、より優れた加工特性と耐傷性及び耐候性とを得る観点、表面保護層のマルテンス硬度の調整しやすさを考慮すると、アクリロイル基を有するアクリレートモノマーが好ましい。
より優れた加工特性と耐傷性及び耐候性とを得る観点、また表面保護層のマルテンス硬度の調整のしやすさを考慮すると、官能基数は好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
(メタ)アクリレートオリゴマー1の重量平均分子量としては、2,750以上が好ましく、2,900以上がより好ましく、また上限としては3,400以下が好ましく、3,300以下がより好ましく、3,200以下が更に好ましい。また、(メタ)アクリレートオリゴマー2の重量平均分子量としては、3,600以上が好ましく、3,800以上がより好ましく、4,100以上が更に好ましい。また上限としては、15,000以下が好ましく、12,500以下がより好ましく、10,000以下が更に好ましく、特に6,000以下が好ましい。
また、これらを併用する場合、(メタ)アクリレートオリゴマー1と(メタ)アクリレートオリゴマー2との配合比(質量比)は、1:99~90:10が好ましく、5:95~85:15がより好ましい。
炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,1-エチレン基、1,2-エチレン基、1,3-プロピレン、1,2-プロピレン、2,2-プロピレン等の各種プロピレン基(以下、「各種」は、直鎖状、分岐状、及びこれらの異性体のものを含むものを示す。)、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種へプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基、各種ウンデシレン基、各種ドデシレン基、各種トリデシレン基、各種テトラデシレン基、各種ペンタデシレン基、各種ヘキサデシレン基、各種ヘプタデシレン基、各種オクタデシレン基、各種ノナデシレン基、各種イコシレン基が挙げられる。
アリール基としては、炭素数が好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリール基、例えば、フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基としては、炭素数が好ましくは7以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリールアルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基、各種メチルベンジル基、各種エチルベンジル基、各種プロピルベンジル基、各種ブチルベンジル基、各種ヘキシルベンジル基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数が好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下のアルケニル基、例えば、ビニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基が挙げられる。
表面保護層中の光安定剤の含有量は、表面保護層を構成する硬化性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。また上限としては、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましく、3質量部以下が特に好ましい。表面保護層中の紫外線吸収剤、光安定剤の含有量が上記範囲内であると、ブリードアウトすることなく、また優れた加工特性が得られ、かつ優れた添加効果が得られる。
本発明の化粧シートは、意匠性を向上させる観点から、基材と表面保護層との間に装飾層を有することが好ましい。装飾層は、例えば、全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、またこれらを組み合わせたものであってもよい。例えば、被着材の地色を着色隠蔽する場合には、ベタ着色層とすることで、着色隠蔽しつつ、意匠性を向上させることができるし、更に意匠性を向上させる観点から、ベタ着色層と絵柄層とを組み合わせてもよいし、一方、被着材の地模様を生かす場合は、ベタ着色層とせずに絵柄層のみを設ければよい。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、1液硬化型の他、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPID)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型など、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
紫外線吸収剤、光安定剤としては、基材に含まれ得るものとして例示した、紫外線吸収剤、光安定剤を挙げることができる。紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量は、耐候性の向上の観点から、表面保護層中の含有量と同じ範囲を例示することができる。
樹脂層は、装飾層の保護、加工特性と、耐傷性及び耐候性の向上の観点から、所望に応じて好ましく設けられる層である。
樹脂層は透明であっても不透明でもよく、装飾層と表面保護層との間に設けられる場合は、装飾層をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明であることが好ましい。ここで、透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。また、着色されている場合、用いられる着色剤としては、上記の基材に用いられる着色剤と同様のものが好ましく挙げられる。
紫外線吸収剤、光安定剤としては、基材、表面保護層に用い得るものとして例示した、紫外線吸収剤、光安定剤を挙げることができる。これらの耐候剤の含有量は、耐候性の向上の観点から、基材中の含有量と同じ範囲を例示することができる。
また、樹脂層と他の層との層間密着性の向上のために、樹脂層の片面又は両面にプライマー層を形成する等の処理を施してもよい。このプライマー層については、後述する。
本発明の化粧シートは、所望に応じてプライマー層を設けることができる。プライマー層は、主に層間密着性の向上効果を得るために設けられる層であるが、本発明においては各層の熱収縮の緩和効果も得られるため、各層の熱収縮の多少に伴う艶の低下、クラックの発生等による外観の変化を抑制し、優れた耐候性も得られる。また、プライマー層が、基材の表面保護層側とは反対側の面に設けられる場合(このような場合のプライマー層は、「裏面プライマー層」とも称される。)は、基材と被着材との層間密着性の向上効果の他、ブロッキング効果を得ることができる。
プライマー層は、基材と表面保護層との間、樹脂層を有する場合は樹脂層と表面保護層との間、また基材の表面保護層側とは反対側の面に設けられることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、上記の装飾層に用い得るバインダーとして例示したもの、すなわち、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。例えば、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体とアクリルポリオール樹脂との混合物をバインダーとして用いることができる。
プライマー層における紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また上限として好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。
また、プライマー層における光安定剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上、特に好ましくは2質量部以上であり、また上限として好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは8質量部以下である。プライマー層中の紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量が上記範囲内であると、プライマー層としての優れた性能とともに、優れた耐候性が得られる。
ブロッキング防止剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。また、上限としては、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。
本発明の化粧シートは、必要に応じて接着層を有することができる。特に、本発明の化粧シートが樹脂層を有する場合、該樹脂層と装飾層との層間密着性を向上させるときに、接着層を設けることは有効である。接着層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を制限なく用いることができる。
本発明の化粧シートは、表面保護層の基材側の面とは反対側の面(「表面側の面」とも称される。)に凹部を有することが好ましい。本発明の化粧シートは凹部を有することで、質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
また、凹部の最大深さは、化粧シートの総厚さTに応じて相対的に変わり得るが、より具体的な深さとしては、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上が更に好ましく、上限としては、120μm以下が好ましく、110μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。このような最大深さを有することで、凹部の加工、例えばエンボス加工の際に化粧シートが破断してしまうことがなく、凹部が潰れたように仕上がってしまうこともなく、質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
本発明の化粧シートの製造方法について、本発明の化粧シートとして好ましい態様の一つである、基材、装飾層、接着層、樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する化粧シートを例にとって、その製造方法を説明する。
本発明の化粧シートは、例えば、基材に装飾層を設ける工程(1)、該装飾層上に樹脂層を設ける工程(2)、及び該樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程(3)を順に経ることにより製造することができる。
また、樹脂層と表面保護層との間にプライマー層を設ける場合、樹脂層を設けた後にプライマー層を構成する樹脂組成物を用いてプライマー層を設ければよい。
表面保護層は、上記の電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、樹脂層あるいは該樹脂層上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させて得られる。なお、樹脂層を設けない場合は、基材シートに装飾層を設けた後、硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190~380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
エンボス加工を行う場合、例えば、化粧シートを好ましくは80℃以上260℃以下、より好ましくは85℃以上160℃以下、更に好ましくは100℃以上140℃以下に加熱し、化粧シートにエンボス版を押圧して、エンボス加工を行うことができる。
本発明の化粧材は、被着材と上記の本発明の化粧シートとを有するものであり、具体的には、被着材の装飾を要する面と、化粧シートの基材側の面とを対向させて積層したものである。すなわち、本発明の化粧材は、少なくとも、被着材、基材、及び表面保護層を順に有するものである。図3に、本発明の化粧材の好ましい態様の一例の断面を示す模式図を示す。図3に示される本発明の化粧材20は、被着材21、接着剤層22、及び本発明の化粧シート10を順に有する。
被着材としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。例えば、杉、檜、松、ラワン等の各種木材からなる木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
被着材と化粧シートとは、優れた接着性を得るため、接着剤層を介して貼り合わせられることが好ましい。すなわち、本発明の化粧材は、少なくとも被着材、接着剤層、基材、及び表面保護層を順に有する部材であることが好ましい。
また、接着剤層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
接着剤層の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上30μm以下が更に好ましい。
化粧材は、化粧シートと被着材とを積層する工程を経て製造することができる。
本工程は、被着材と、本発明の化粧シートとを積層する工程であり、被着材の装飾を要する面と、化粧シートの基材側の面とを対向させて積層する。被着材と化粧シートとの積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して化粧シートを板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して化粧シートを供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層していくラッピング加工、また、固定枠に固定した化粧シートが軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シートに真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シートを真空成形金型に密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
(評価及び測定方法)
(1)マルテンス硬度の測定
各実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、マルテンス硬度を以下の方法により測定した。
超微小硬度計(微小硬さ試験機、「ピコデンターHM-500」、フィッシャー・インスツルメント社製)を用いて、室温(23℃)において、荷重を連続的に増加させながらピラミッド形状のダイヤモンド圧子をサンプル(表面保護層の面)に押し込み、押込み深さが2μmに到達したときの試験荷重F(N)を測定し、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm2)を計算し、試験荷重F(N)を表面積Aで割ることにより、マルテンス硬度を算出した。
(2)耐候性の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、以下の試験条件下で500時間放置する耐候試験を行った。耐候試験後の化粧材の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。また、本実施例の評価において、「A」評価よりも優れている場合は「A+」と、「B」評価よりも優れているが「A」評価には至らない場合は「B+」というように、「+」を追記する場合がある。
A:外観変化は確認されなかった。
B:軽微な艶変化が確認された。
C:顕著な艶変化、クラックの少なくともいずれかが確認された。
(耐候性試験 試験条件)
500時間の試験時間中、以下の照射条件、シャワー、結露条件、及びシャワーの順番で繰返した。
試験装置:超促進耐候性試験機(アイスーバーUVテスター SUV-W261、岩崎電気株式会社製)
照射条件
照度:100mW/cm2
ブラックパネル温度:63℃
湿度:50%
時間:20時間
結露条件
照度:0mW/cm2
湿度:98%
時間:4時間
シャワー:30秒間
(3)耐傷性(鉛筆硬度)の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、ペンシル型引掻き硬度計(「Model318」、エリクセン社製)を用いて、引掻き試験を行った。試験後の外観を下記の基準で評価した。
A:5Nの硬度で試験を行い、外観変化がほとんどなかった。
B:5Nの硬度で試験を行い、塗膜表面に微かな凹みが発生したが、傷はほとんどなかった。
C;5Nの硬度で試験を行い、塗膜表面に微かな凹み及び傷の少なくともいずれかが発生したが、目立たない程度であった。
D:5Nの硬度で試験を行い、塗膜表面に著しい傷が発生した。
(4)加工特性(90度曲げ加工)の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、JIS K6744に準拠し、試験温度25±5℃、外側半径2.0mmでの90度曲げ試験を実施した後、加工部分を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:角部(曲げ部)において、外観変化は確認されなかった。
B:角部(曲げ部)において、軽微な白化が確認された。
C:角部(曲げ部)において、顕著な白化、クラックの少なくともいずれかが確認された。
(5)耐温水試験による評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、蓋付きのビンに、化粧材と水とを入れて、オーブン(60℃)中で200時間放置した後、化粧材の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:外観変化は確認されなかった。
B:軽微な艶変化が確認された。
C:外観変化が確認されたが、目立たない程度であった。
D:顕著な外観変化が確認された。
両面コロナ放電処理を施したポリプロピレン樹脂シート(厚さ:60μm)を基材とし、該基材の一方の面に2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して木目模様の装飾層(厚さ:3μm)を設け、他方の面に、2液硬化型ウレタン-硝化綿混合樹脂(硬化剤;ヘキサメチレンジイソシアネートを樹脂100質量部に対して5質量部含有)を含む樹脂組成物を塗布して、裏面プライマー層(厚さ:3μm)を形成した。
装飾層の上に、透明のポリウレタン樹脂系接着剤を塗布して接着層(乾燥後の厚さ:3μm)を形成し、透明なポリプロピレン樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出しして、透明な樹脂層(厚さ:80μm)を形成した。
次いで、樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、下記のプライマー層形成用樹脂組成物100質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5質量部とを混合した組成物を、グラビア印刷法で塗布してプライマー層(乾燥後の厚さ:4μm)を形成した。
さらに、プライマー層上に、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をロールコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成し、電子線(加圧電圧:175KeV、5Mrad(50kGy))を照射して未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚さ:5μm)を得た。その後、表面保護層側からエンボス加工を施して、最大深さ50μmの凹部を有する木目導管模様を形成し、化粧シートを得た。
バインダー:ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体及びアクリルポリオール樹脂の混合物
紫外線吸収剤A:上記一般式(2)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN479」、BASF社製)バインダー100質量部に対して3質量部
紫外線吸収剤B:下記一般式(3)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN400」、BASF社製)バインダー100質量部に対して12質量部
電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー1):ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:3,000、官能基数:3)70質量部
電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー2):ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:10,000、官能基数:2)30質量部
紫外線吸収剤A:上記一般式(2)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN479」,BASF社製)電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して2質量部
光安定剤a:ヒンダードアミン光安定剤(ビス(1-オクチルオシキ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、「TINUVIN123」、BASF社製)電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して2質量部
実施例1において、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー1)及び(オリゴマー2)の配合量を第1表に示される配合量とし、化粧シートの弾性率を第1表に示される弾性率とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5、比較例1~5の化粧シート及び化粧材を作製した。
実施例1において、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の光安定剤aを下記の分子中にエチレン性二重結合を有する反応性官能基(メタクリロイル基)を有する反応性の光安定剤bとした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の化粧シート及び化粧材を作製した。
光安定剤b:1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート(「サノール LS-3410(商品名)」、日本乳化剤株式会社製)
実施例1において、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー1)及び(オリゴマー2)を各々下記の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー3)及び(オリゴマー4)とし、光安定剤aを下記の分子中にエチレン性二重結合を有する反応性官能基(メタクリロイル基)を有する反応性の光安定剤bとした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の化粧シート及び化粧材を作製した。
電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー3):ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:3,000、官能基数:2)
電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー4):ポリカーボネートウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:4,200、官能基数:2)
光安定剤b:1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート(「サノール LS-3410(商品名)」、日本乳化剤株式会社製)
また、メタクリロイル基を有する光安定剤を用いた実施例6では、実施例1に比べて耐候性(超促進耐候性試験)及び耐温水試験の評価において向上効果が確認された。この向上効果は、光安定剤が有するメタクリロイル基と電離放射線硬化性樹脂のアクリロイル基との反応により、光安定剤がより強固に保持されることによるものと考えられる。更に電離放射線硬化性樹脂としてポリカーボネートウレタンアクリレートを用いた実施例7では、更に優れた耐候性(超促進耐候性試験及び耐温水試験)の向上効果が確認された。この向上効果は、ポリカーボネートウレタンアクリレートの優れた耐加水分解性の効果により、紫外線吸収剤及び光安定剤といった耐候剤がより強固に保持されることによるものと考えられる。
一方、化粧シートの弾性率が300MPaと小さい比較例1の化粧シートは、表面保護層のマルテンス硬度が本発明の規定範囲である21N/mm2であっても耐傷性が得られず、また、表面保護層のマルテンス硬度が8N/mm2と小さい比較例4の化粧シートは、化粧シートの弾性率が700MPaと本発明の規定範囲であっても耐傷性が得られなかった。化粧シートの弾性率が1,900MPaと大きい比較例2の化粧シートは、表面保護層のマルテンス硬度が本発明の規定範囲である21N/mm2であっても加工特性は得られなかった。表面保護層のマルテンス硬度が32N/mm2と大きい比較例3の化粧シートは、化粧シートの弾性率が700MPaと本発明の規定範囲であっても、表面保護層が硬すぎて加工特性が得られず、また表面保護層に微細なクラックがあるため、使用とともに各層の熱収縮の違いに起因した顕著な艶変化、クラックが発生してしまった。また、紫外線吸収剤を用いなかった比較例5は、耐候性が得られなかった。
11.基材
12.装飾層
13.接着層
14.樹脂層
15.プライマー層
16.表面保護層
17.裏面プライマー層
18.紫外線吸収剤
19.凹部
20.化粧材
21.被着材
22.接着剤層
Claims (16)
- 前記ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が、一般式(1)において、R 11 が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R 12 及びR 15 が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R 13 及びR 14 が炭素数6以上20以下のアリール基であり、n 11 及びn 12 が1の化合物である請求項1に記載の化粧シート。
- 基材と、マルテンス硬度が10N/mm 2 以上30N/mm 2 以下であり、紫外線吸収剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、弾性率が400MPa以上1,800MPa以下であり、前記表面保護層の厚さが、3μm以上10μm以下である化粧シート。
- 更に透明樹脂層及びプライマー層を有し、基材、透明樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する請求項3に記載の化粧シート。
- 更に装飾層を、基材と表面保護層との間に有する請求項3又は4に記載の化粧シート。
- 前記硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性樹脂組成物である請求項3~5のいずれか1項に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂が、重量平均分子量2,500以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、請求項6に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂が、重量平均分子量2,500以上3,500未満のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる少なくとも一種の重量平均分子量3,500以上の(メタ)アクリレートオリゴマーと、を含む請求項7に記載の化粧シート。
- 前記重量平均分子量2,500以上3,500未満のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、重量平均分子量3,500以上の(メタ)アクリレートオリゴマーと、の配合比(質量比)が、1:99~90:10である請求項8に記載の化粧シート。
- 前記ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が、一般式(1)において、R11が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上20以下のアリール基であり、n11及びn12が1の化合物である請求項10に記載の化粧シート。
- 基材が、オレフィン樹脂基材である請求項3~11のいずれか1項に記載の化粧シート。
- 基材と、マルテンス硬度が10N/mm 2 以上30N/mm 2 以下であり、紫外線吸収剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、弾性率が400MPa以上1,800MPa以下であり、
前記硬化性樹脂組成物が、重量平均分子量2,500以上3,500未満のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる少なくとも一種の重量平均分子量3,500以上の(メタ)アクリレートオリゴマーと、を含む電離放射線硬化性樹脂組成物である化粧シート。 - 前記重量平均分子量2,500以上3,500未満のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、重量平均分子量3,500以上の(メタ)アクリレートオリゴマーと、の配合比(質量比)が、1:99~90:10である請求項13に記載の化粧シート。
- 被着材と請求項1~14のいずれか1項に記載の化粧シートとを有する化粧材。
- 被着材が、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなる請求項15に記載の化粧材。
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