JP7310240B2 - プリント化粧金属板 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント化粧金属板に関する。
従来、金属板、プライマー層、ベースコート層、絵柄層及びトップコート層がこの順に積層されてなるプリント化粧金属板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載のプリント化粧金属板は、例えば、屋外の太陽にさらされるような環境下で使用された場合、太陽の光エネルギーが主要因となって、光沢低下、変色、退色、白化、割れ、剥がれ、素地の腐食等の塗膜劣化を生じる可能性がある。
特開2017-164942号公報
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、耐候性に優れたプリント化粧金属板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)金属板の一方の面上に、プライマー層と、ベースコート層と、絵柄層と、トップコート層と、がこの順に積層されてなるプリント化粧金属板であって、(b)トップコート層は、最大吸収波長の異なる2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の両方を含み、(c)ベースコート層は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の少なくとも一方を含むプリント化粧金属板であることを要旨とする。
本発明によれば、トップコート層に紫外線吸収剤及び光安定剤の両方を含み、ベースコート層に紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくとも何れかを含むため、白化やクラックを生じ難く、剥離を生じ難い。それゆえ、耐候性に優れたプリント化粧金属板を提供できる。
本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板を説明する図である。
以下、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
(構成)
図1に示すように、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10は、金属板1と、プライマー層2と、ベースコート層3と、絵柄層4と、マット印刷層5と、トップコート層6と、裏面コート層7とを備えている。そして、金属板1の一方の面1a上に、プライマー層2と、ベースコート層3と、絵柄層4と、絵柄層4の上に凹凸を形成するマット印刷層5と、マット印刷層5の凹凸を埋めるトップコート層6と、がこの順に積層されている。また、金属板1の他方の面1b上に、裏面コート層7が積層されている。
(金属板)
金属板1は、プリント化粧金属板10のベースとなる板である。金属板1の材料としては、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化メッキ鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、アルミニウム板を用いることができる。溶融亜鉛メッキ鋼板は、塗料との密着性・耐食性の向上のために、鋼板表面に亜鉛メッキ(金属被膜)が形成されてなる鋼板である。また、亜鉛メッキ(金属被膜)された鋼板の表層には、耐白錆性の向上のために、化成被膜8を設けてもよい。化成被膜8としては、例えば、クロメート被膜、クロメートフリー被膜を採用できる。特に、環境負荷の面から、クロメートフリー被膜が最も望ましい。クロメートフリー被膜は、クロメートフリー処理(ノンクロメート処理)により形成することができる。
クロメートフリー処理に使用する処理液としては、例えば、六価クロムを含有しない処理液、例えば、リン酸亜鉛処理液、Zr若しくはTi又はこれらの両方の塩を含む処理液、若しくはシランカップリング剤を含む処理液等を採用できる。このような処理液を用いたクロメートフリー処理により、亜鉛メッキの層上に、Ti、Zr、P、Ce、Si、Al、Li等を主成分として含有し、クロムを含有しないクロメートフリー被膜を形成できる。つまり、クロメートフリー被膜は、例えば、Ti、Zr、P、Ce、Si、Al若しくはLi又はこれらの任意の組み合わせを含む。金属板1の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、単独の金属板でもよく複合鋼板の最表層を構成する金属板でもよい。
(プライマー層)
プライマー層2は、ベースコート層3と金属板1との密着性・耐食性を向上させるための層である。プライマー層2の材料としては、例えば、公知のプライマー用の樹脂塗料を採用できる。樹脂塗料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等を含む硬化性塗料を採用できる。また、プライマー層2には、耐食性の向上のために、防錆顔料を添加してもよい。プライマー層2の厚さは、例えば1μm以上10μm以下とする。
(ベースコート層)
ベースコート層3は、プリント化粧金属板10に絵柄層4の下地色を付与するための層である。ベースコート層3の材料としては、例えば、公知のベースコート用のバインダ樹脂を含む樹脂塗料を採用できる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化型樹脂を採用できる。また、樹脂塗装には下地色の顔料が添加されている。ベースコート層3の厚さは、例えば10μm以上30μm以下とする。
また、ベースコート層3は、耐候性が向上するように、紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくとも一方を含んでいる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を用いることができる。紫外線吸収剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下が好ましい。また、光安定剤としては、例えば、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いることができる。光安定剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下が好ましい。
また、ベースコート層3には、さらに、酸化防止剤を含むようにしてもよい。酸加防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いることができる。ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下が好ましい。酸化防止剤と光安定剤との添加比率は、耐候性の面から、1:2が好ましい。
(絵柄層)
絵柄層4は、プリント化粧金属板10に絵柄による意匠性を付与するための層である。絵柄層4は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法又はインクジェット印刷等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等で塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、公知のバインダ樹脂を採用できる。例えば、上記のプライマー層2で使用されるような、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂得、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル樹脂系等の熱硬化型樹脂を採用できる。また、顔料としては、例えば、公知の顔料を採用できる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、鉄・複合酸化物、酸化鉄、有機顔料、メタリック顔料、パール顔料等を採用できる。このうち鉄・複合酸化物は遮熱顔料として使用される。
また、絵柄は、特に制限されるものではないが、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、記号、単色無地等或いはこれらの2種類以上の組み合わせ等を用いることできる。絵柄層4の厚さは、例えば、0.1μm以上0.2μm以下とする。なお、インクジェット印刷を用いた場合、絵柄層4の厚さは、この範囲よりも厚くなる。
(マット印刷層)
マット印刷層5は、視覚による立体感と、触感による立体感とを感じさせるための層である。例えば、絵柄層4上に部分的に形成され、絵柄層4の一部(例えば、絵柄層4の絵柄が木目柄である場合には、木目柄の導管模様と対向する部分)を被覆する。マット印刷層5は、マット剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ等を用いて形成される。印刷インキ等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等、印刷版を用いた各種印刷法等によって塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂を採用できる。また、熱硬化型樹脂は、2液硬化型樹脂であってもよい。
また、マット剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、合成マイカ、酸化チタンガラス粒子等の無機微粒子、ポリエチレン微粒子、アクリル微粒子、ウレタン微粒子、尿素樹脂、ナイロン樹脂、バルーン等の有機微粒子を採用できる。マット剤の平均粒径は、視覚による立体感と触感による立体感とを感じさせるために、トップコート層6の厚さの100%以上200%以下が好ましい。100%未満である場合には、マット剤がトップコート層6に埋まってしまい、視覚による立体感や触感による立体感を感じ難くなる。一方、200%より大きい場合には、マット剤がプリント化粧金属板10から脱落する。
なお、マット剤の平均粒径は、例えば、マット剤の固まりを粉砕して粒子化した後、ふるい分けにより所望の範囲内になるよう制御することができる。ここで、平均粒径は、顕微鏡観察による平均粒径である。顕微鏡観察による平均粒径は、例えば、顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の微粒子の粒径を100個測定して個数平均することにより得られる。なお、粒径とは、マット剤の粒子の長軸径と短軸径との平均値を指す。
なお、マット印刷層5に複数のマット剤が含まれている場合には、複数のマット剤のうちの最も含有量が大きいマット剤の平均粒径を、トップコート層6の厚さの100%以上200%以下とする。これにより、マット感や手触り感をより確実に感じさせることができ、視覚による立体感と、触感による立体感とをより確実に感じさせることができる。
また、マット剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。また、マット印刷層5の模様は、特に制限されるものではないが、例えば、導管模様、石板表面凹凸模様(花崗岩劈開面等)、布テクスチャア模様、梨地模様、砂目模様、ヘアライン模様等を採用できる。導管模様を形成する場合には、絵柄層4の絵柄と同調して配置されることが好ましい。同調とは、表面側からみて、絵柄と導管模様とが50%以上重なっている状態である。マット印刷層5を印刷する印刷版は、レーザーポーシェル版で製造された印刷版を使用する。ここで、マット印刷層5は、シリカ等のマット剤が添加することで白っぽくなる可能性がある。このため、インキ樹脂に対し墨や鉄・複合酸化物、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料を混合することが好ましい。墨を添加することで濃い茶色っぽい色となりリアルな木目を表現可能となる。
(トップコート層)
トップコート層6は、プリント化粧金属板10に耐候性や曲げ加工性、耐傷付性、清掃性を付与するための透明な層である。トップコート層6の主成分としては、例えば、硬化型樹脂を用いることができる。すなわち、樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的とは、例えば、樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上を指す。硬化型樹脂としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を採用できる。また、トップコート層6には、例えば、フッ素樹脂を含ませてもよい。さらに、トップコート層6には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料、溶剤等を添加してもよい。但し、硬化型樹脂の含有割合は、樹脂全体の60質量部以上が好ましい。トップコート層6の厚さは、1μm以上30μm以下が好ましい。特に、加工性を必要とする用途においては、1μm以上10μm以下がより好ましい。
また、トップコート層6は、耐傷付性が向上するように、骨材を含んでいる。骨材としては、例えば、長石、硅砂、寒水石、ガラスビーズ、合成樹脂ビーズ等の透明骨材を用いることができる。骨材の平均粒径は、マット剤の平均粒径以下とする。マット剤の平均粒径よりも大きい場合には、骨材による凹凸がマット感や手触り感に影響を与え、意匠性が低減する。なお、マット印刷層5に複数のマット剤が含まれている場合には、骨材の平均粒径は、複数のマット剤のうちの、最も含有量が大きいマット剤の平均粒径以下とする。
また、トップコート層6は、耐候性が向上するように、紫外線吸収剤及び光安定剤を含んでいる。紫外線吸収剤としては、例えば、最大吸収波長の異なる2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を併用することで、相乗効果を発揮し、より高い耐候性を付与することが可能となる。2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤としては、例えば、最大吸収波長が330nm以上340nm以下の第1紫外線吸収剤、及び最大吸収波長が315nm以上325nm以下の第2紫外線吸収剤を採用できる。第1紫外線吸収剤の含有量は、要求品質に応じて適宜選択できるが、性能とコストの兼ね合いから、トップコート層6の全質量に対して、2.0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。また、第2紫外線吸収剤の含有量も同様に、トップコート層6の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
また、光安定剤としては、例えば、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いることができる。ヒンダードアミン系の光安定剤の具体例としては、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチロキシ)-4-ピペリジニル)エステル、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。光安定剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して1.0質量%以上3.0質量%以下が好ましい。
また、トップコート層6には、さらに、酸化防止剤を含むようにしてもよい。酸加防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いることができる。ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェ. ニル)プロピオネート]等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して1.0質量%以上3.0質量%以下が好ましい。酸化防止剤と光安定剤との添加比率は、耐候性の面から、1:2が好ましい。
(裏面コート層)
裏面コート層7は、金属板1の他方の面1b、つまり、プリント化粧金属板10の裏面を被覆するための層である。裏面コート層7は、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を主成分とした塗料等を金属板1に塗装した後、塗装した塗料を加熱焼き付けして形成される。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10は、金属板1の一方の面1a上に、プライマー層2と、ベースコート層3と、絵柄層4と、トップコート層6と、がこの順に積層されてなるものとした。そして、トップコート層6が、最大吸収波長の異なる2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の両方を含むようにした。また、ベースコート層3が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の少なくとも一方を含むようにした。それゆえ、トップコート層6に紫外線吸収剤及び光安定剤の両方を含み、ベースコート層3に紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくとも何れかを含むため、白化やクラックを生じ難く、また、剥離を生じ難い。それゆえ、耐候性に優れたプリント化粧金属板10を提供することができる。
ここで、耐候性の評価方法としては、暴露実験や促進試験が一般的に用いられる。促進試験では、メタルハライドランプを光源とする試験機を用いることで、促進倍率を約100倍に向上でき、塗膜の脆化や変退色等を効率的に促進でき、年数と費用を低減できる。しかしながら、メタルハライドランプの放射照度が太陽光と大きく異なるため、試験方法の標準化や実暴との相関性の確認が課題となっている。すなわち、暴露実験に耐えられても、促進試験に耐えられないという事態が生じ、耐候性が誤判定される可能性もある。
これに対し、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、暴露試験に耐えられるだけでなく、促進試験にも耐えられるプリント化粧金属板10を提供できる。
また、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、トップコート層6及びベースコート層3のそれぞれに、さらにヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むようにしたため、白化やクラックをより生じ難くし、剥離をより生じ難くすることができる。
さらに、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、トップコート層6は、ヒンダードフェノール系の酸加防止剤の含有量を、トップコート層6の全質量に対して、1.0質量%以上3.0質量%以下とした。それゆえ、発生したラジカルをトップコート層6でより適切に補足でき、トップコート層6の劣化を防止することができる。
また、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、ベースコート層3は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を、ベースコート層3の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下とし、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量を、ベースコート層3の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下とした。それゆえ、ベースコート層3の劣化を防止でき、剥離をより適切に防止できる。さらに、ヒンダードフェノール系の酸加防止剤の含有量を、ベースコート層3の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下とした。それゆえ、発生したラジカルをベースコート層3でより適切に補足でき、ベースコート層3の劣化を防止することができる。
さらに、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、トップコート層6は、2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤として、最大吸収波長が330nm以上340nm以下の第1紫外線吸収剤、及び最大吸収波長が315nm以上325nm以下の第2紫外線吸収剤を含むようにした。そして、第1紫外線吸収剤の含有量を、トップコート層6の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下とし、第2紫外線吸収剤の含有量を、トップコート層6の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下とした。それゆえ、波長が長い紫外線の吸収量に比べ、波長が短い紫外線の吸収量を増大することができる。そのため、トップコート層6で紫外線を適切に吸収できる。
また、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、トップコート層6は、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量を、トップコート層6の全質量に対して1.0質量%以上3.0質量%以下とした。それゆえ、紫外線吸収剤の含有量を確保しつつ、ラジカルを適切に補足でき、トップコート層6の劣化を防止できる。
以下に、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
まず、JIS G 3302に準拠した鋼板を溶融亜鉛メッキで被覆して、金属板1を形成した。鋼板の厚さは、0.4mmとした。続いて、形成した金属板1に化成処理を施して、化成被膜8を形成した。続いて、形成した化成被膜8に、ポリエステル系樹脂のプライマーを塗布して、プライマー層2を形成した。続いて、形成したプライマー層2に、無機系顔料、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤等を含むポリエステル樹脂等を用いたベースコートを塗布した後、塗布したベースコートを熱風乾燥機により焼付を行い、ベースコート層3を形成した。ベースコート層3の厚さは、20μmとした。
また、第2紫外線吸収剤としては、短波長から中波長の領域(300~360nm)に強い吸収スペクトルをもつヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を用いた。さらに、第1光安定剤としては、2箇所にエステル結合が含まれているN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いた。具体的には、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)ピペリジン-4-イル)を採用した。また、第1酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いた。具体的には、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]を採用した。ここで、ベースコート層3における、第2紫外線吸収剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して1.0質量%とした。また、第1光安定剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して1.0質量%とした。さらに、第1酸化防止剤の含有量は、ベースコート層3の全質量に対して0.5質量%とした。
続いて、形成したベースコート層3に、無機系顔料等を含むポリエステル系樹脂からなるインキを用いて、グラビアオフセット印刷法により厚さ1μmの絵柄層4を形成した。続いて、形成した絵柄層4に、第1紫外線吸収剤、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤、第1酸化防止剤及びマット剤等を含むポリエステル系樹脂からなるトップコートを塗布して、グラビアオフセット印刷法により厚さ10μmのトップコート層6を形成した。第1紫外線吸収剤としては、短波長側(~350nm)に吸収スペクトルをもつヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を用いた。これにより、実施例1のプリント化粧金属板10を作製した。トップコート層6における、第1紫外線吸収剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して3.0質量%とした。また、第2紫外線吸収剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して5.0質量%とした。さらに、第1光安定剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して3.0質量%とした。また、第1酸化防止剤の含有量は、トップコート層6の全質量に対して1.5質量%とした。トップコート層6及びベースコート層3では、酸化防止剤と光安定剤との添加比率が1:2となるように設定した。
(実施例2)
実施例2では、トップコート層6において、第1酸化防止剤の含有量を3質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例3)
実施例3では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例4)
実施例4では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を3質量%とした。第2酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いた。具体的には、2,2-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を採用した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例5)
実施例5では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例6)
実施例6では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例7)
実施例7では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例8)
実施例8では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例9)
実施例9では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例10)
実施例10では、トップコート層6において、第1酸化防止剤の含有量を3.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例11)
実施例11では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を3.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例12)
実施例12では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例13)
実施例13では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.0質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例14)
実施例14では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を0.75質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例15)
実施例15では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例16)
実施例16では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.63質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.88質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例17)
実施例17では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.25質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.75質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例18)
実施例18では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.88質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.63質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例19)
実施例19では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例20)
実施例20では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を3.2質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例21)
実施例21では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例22)
実施例22では、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤の含有量を0.3質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例23)
実施例23では、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤の含有量を1.7質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例24)
実施例24では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を0.3質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例25)
実施例24では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.7質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例26)
実施例26では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤の含有量を1.8質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例27)
実施例27では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤の含有量を5.2質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例28)
実施例28では、トップコート層6において第1紫外線吸収剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例29)
実施例29では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を1.8質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例30)
実施例30では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を5.2質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例31)
実施例31では、トップコート層6において第2紫外線吸収剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例32)
実施例32では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を0.8質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例33)
実施例33では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を3.2質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例34)
実施例34では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例1)
比較例1では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤及び第1酸化防止剤を省略し、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例2)
比較例2では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例3)
比較例3では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例4)
比較例4では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を3.5質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例5)
比較例5では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、1.0質量%の第2光安定剤を更に添加し、第1酸化防止剤を省略した。第2光安定剤としては、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いた。具体的には、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジンを採用した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例6)
比較例6では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、3.0質量%の第3光安定剤を更に添加した。第3光安定剤としては、エステル結合が含まれていなく、加水分解しにくいN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いた。具体的には、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジンを採用した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例7)
比較例7では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第2光安定剤の含有量を1.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例8)
比較例8では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、3.0質量%の第3光安定剤を更に添加した。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例9)
比較例9では、トップコート層6において、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例10)
比較例10では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
続いて、実施例1~19、比較例1~10のプリント化粧金属板10に対して、以下に示す性能評価を行なった。
(耐候性評価)
耐候性試験では、試験機としてメタルウェザー(ダイプラウィンテス製)を用い、プリント化粧金属板10に対して、ライトモード→シャワー→湿潤モード→シャワーのサイクルを複数回行った。メタルウェザーの光源としては、メタルハライドランプを使用した。BPTは、63℃とした。そして、プリント化粧金属板10に変化がなかった場合を合格「◎」とし、極僅かに白化を生じた場合を合格「○○」とし、僅かに白化を生じた場合を合格「○」とし、白化を生じたが実用上問題なかった場合を合格「△」とし、著しい白化やクラック、剥離を生じた場合を不合格「×」とした。
(加工性評価)
加工性評価では、プリント化粧金属板10に対して、180°0T曲げ試験を行った。そして、プリント化粧金属板10に剥離やクラック等の目視での著しい変化がなかった場合を合格「○」とし、変化があった場合を不合格「×」とした。
(180度曲げ評価)
180度曲げ評価では、常温(25℃±5℃)環境下で、プリント化粧金属板10に対して、180°0T曲げを実施した。そして、塗膜に剥離やクラック、白化等の目視での変化がなかった場合を合格「○」とし、変化があった場合を不合格「×」とした。
(耐衝撃性評価)
耐衝撃性評価では、デュポン式衝撃変形試験機を用いて、プリント化粧金属板10を、先端が1/4インチの半径の球状をした撃芯と、撃芯先端と同じ寸法の凹部をもつ受台の間にはさみ500gのおもりを50cmの高さから落下させた。そして、塗膜に異常がなく、且つセロテープ(登録商標)剥離による塗膜剥離がない場合を合格「○」とし、塗膜に異常が発生した場合や、セロテープ剥離による塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
(密着性評価)
密着性評価では、プリント化粧金属板10の塗膜に直角の格子パターンを切り込み、セロテープ剥離を行った際に素地からの塗膜剥離の有無で評価を行った。そして、塗膜剥離が発生しなかった場合を合格「○」とし塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
(耐沸水性評価)
耐沸水性評価では、プリント化粧金属板10を沸騰水に1時間以上浸漬させた。そして、塗膜に収縮や剥離、変退色が発生しなかった場合を合格「○」とし、塗膜に収縮や剥離、変退色が発生した場合を不合格「×」とした。
(二次密着評価)
二次密着評価では、プリント化粧金属板10を沸騰水に3時間以上浸漬させた後、上記した密着性試評価を行った。そして、塗膜剥離が発生しなかった場合を合格「○」とし、塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
(耐溶剤性評価)
耐溶剤性評価では、プリント化粧金属板10の表面にキシロールを滴下した後、滴下した箇所にラビングを30往復行った。そして、光沢変化や白化等の著しい変化が発生しなかった場合を合格「○」とし、変化が発生した場合を不合格「×」とした。
評価結果を、以下の表1、表2及び表3に示す。
Figure 0007310240000001
Figure 0007310240000002
Figure 0007310240000003
(評価結果)
表1、表2に示すように、実施例1~34のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価、耐衝撃性評価、密着性評価、耐沸水性評価、二次密着性評価及び耐溶剤性評価(その他基本物性)のすべてが合格「◎」、「○○」、「○」又は「△」となった。また、実施例1のプリント化粧金属板10では、酸化防止剤:光安定剤=1:2であるため、耐候性が「◎」となった。一方、表3に示すように、比較例1~10のプリント化粧金属板10は、耐候性評価以外は合格「○」となったが、耐候性評価は不合格「×」となった。
したがって、実施例1~34のプリント化粧金属板10は、比較例1~10のプリント化粧金属板10よりも、耐候性に優れることが確認され、促進試験に耐えることが確認された。また、実施例1のプリント化粧金属板10のように、トップコート層6及びベースコート層3に酸化防止剤を含ませることで、実施例4、5のプリント化粧金属板10のように、酸化防止剤を含ませないときよりも、耐候性を向上できることが確認された。
なお、マット印刷層5を設けた場合においても、同様の効果を得ることができた。
また、実施例20のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価及びその他基本物性は合格「○」となったが、第1光安定剤の含有量が多いため、コスト面が不利となった。さらに、実施例21のプリント化粧金属板10は、耐溶剤性評価以外は「○」となったが、耐溶剤性評価は「△」となった。また、比較例23のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価及びその他基本物性は合格「◎」、「○」となったが、第2紫外線吸収剤の含有量が多いため、コスト面が不利となった。また、酸化防止剤:光安定剤=1:2であるため、耐候性評価が「◎」となった。さらに、比較例24のプリント化粧金属板10は、酸化防止剤:光安定剤=1:3.3であるため、耐候性評価が「△」となった。また、比較例25のプリント化粧金属板10は、酸化防止剤:光安定剤=1:0.6であるため、耐候性評価が「△」となった。
また、実施例27のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価及びその他基本物性は合格「◎」「○」となったが、第1紫外線吸収剤の含有量が多いため、コスト面が不利となった。さらに、実施例28のプリント化粧金属板10は、耐溶剤性評価以外は「◎」「○」となったが、耐溶剤性評価は「△」となった。また、実施例30のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価及びその他基本物性は合格「◎」「○」となったが、第2紫外線吸収剤の含有量が多いため、コスト面が不利となった。さらに、実施例31のプリント化粧金属板10は、耐溶剤性評価以外は「◎」「○」となったが、耐溶剤性評価は「△」となった。また、実施例33のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価及びその他基本物性は合格「◎」「○」となったが、第1光安定剤の含有量が多いため、コスト面が不利となった。さらに、実施例34のプリント化粧金属板10は、耐溶剤性評価以外は「◎」「○」となったが、耐溶剤性評価は「△」となった。また、実施例27、28、30、31、33、34のプリント化粧金属板10では、酸化防止剤:光安定剤=1:2であるため、耐候性評価が「◎」となった。
1…金属板、1a…金属板の一方の面、1b…金属板の他方の面、2…プライマー層、3…ベースコート層、4…絵柄層、5…マット印刷層、6…トップコート層、7…裏面コート層、8…化成被膜、10…プリント化粧金属板

Claims (6)

  1. 金属板の一方の面上に、プライマー層と、ベースコート層と、絵柄層と、トップコート層と、がこの順に積層されてなるプリント化粧金属板であって、
    前記トップコート層は、最大吸収波長の異なる2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の両方を含み、
    前記ベースコート層は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の少なくとも一方と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とするプリント化粧金属板。
  2. 前記トップコート層及び前記ベースコート層のそれぞれは、さらに、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント化粧金属板。
  3. 前記トップコート層は、前記ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して、1.0質量%以上3.0質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載のプリント化粧金属板。
  4. 前記ベースコート層は、前記ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であり、前記N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であり、前記ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の含有量が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のプリント化粧金属板。
  5. 前記トップコート層は、
    前記2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤として、最大吸収波長が330nm以上340nm以下の第1紫外線吸収剤、及び最大吸収波長が315nm以上325nm以下の第2紫外線吸収剤を含み、
    前記第1紫外線吸収剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下であり、前記第2紫外線吸収剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のプリント化粧金属板。
  6. 前記トップコート層は、前記N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して1.0質量%以上3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のプリント化粧金属板。
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