JP7310240B2 - プリント化粧金属板 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載のプリント化粧金属板は、例えば、屋外の太陽にさらされるような環境下で使用された場合、太陽の光エネルギーが主要因となって、光沢低下、変色、退色、白化、割れ、剥がれ、素地の腐食等の塗膜劣化を生じる可能性がある。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10は、金属板1と、プライマー層2と、ベースコート層3と、絵柄層4と、マット印刷層5と、トップコート層6と、裏面コート層7とを備えている。そして、金属板1の一方の面1a上に、プライマー層2と、ベースコート層3と、絵柄層4と、絵柄層4の上に凹凸を形成するマット印刷層5と、マット印刷層5の凹凸を埋めるトップコート層6と、がこの順に積層されている。また、金属板1の他方の面1b上に、裏面コート層7が積層されている。
金属板1は、プリント化粧金属板10のベースとなる板である。金属板1の材料としては、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化メッキ鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、アルミニウム板を用いることができる。溶融亜鉛メッキ鋼板は、塗料との密着性・耐食性の向上のために、鋼板表面に亜鉛メッキ(金属被膜)が形成されてなる鋼板である。また、亜鉛メッキ(金属被膜)された鋼板の表層には、耐白錆性の向上のために、化成被膜8を設けてもよい。化成被膜8としては、例えば、クロメート被膜、クロメートフリー被膜を採用できる。特に、環境負荷の面から、クロメートフリー被膜が最も望ましい。クロメートフリー被膜は、クロメートフリー処理(ノンクロメート処理)により形成することができる。
プライマー層2は、ベースコート層3と金属板1との密着性・耐食性を向上させるための層である。プライマー層2の材料としては、例えば、公知のプライマー用の樹脂塗料を採用できる。樹脂塗料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等を含む硬化性塗料を採用できる。また、プライマー層2には、耐食性の向上のために、防錆顔料を添加してもよい。プライマー層2の厚さは、例えば1μm以上10μm以下とする。
ベースコート層3は、プリント化粧金属板10に絵柄層4の下地色を付与するための層である。ベースコート層3の材料としては、例えば、公知のベースコート用のバインダ樹脂を含む樹脂塗料を採用できる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化型樹脂を採用できる。また、樹脂塗装には下地色の顔料が添加されている。ベースコート層3の厚さは、例えば10μm以上30μm以下とする。
絵柄層4は、プリント化粧金属板10に絵柄による意匠性を付与するための層である。絵柄層4は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法又はインクジェット印刷等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等で塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、公知のバインダ樹脂を採用できる。例えば、上記のプライマー層2で使用されるような、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂得、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル樹脂系等の熱硬化型樹脂を採用できる。また、顔料としては、例えば、公知の顔料を採用できる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、鉄・複合酸化物、酸化鉄、有機顔料、メタリック顔料、パール顔料等を採用できる。このうち鉄・複合酸化物は遮熱顔料として使用される。
マット印刷層5は、視覚による立体感と、触感による立体感とを感じさせるための層である。例えば、絵柄層4上に部分的に形成され、絵柄層4の一部(例えば、絵柄層4の絵柄が木目柄である場合には、木目柄の導管模様と対向する部分)を被覆する。マット印刷層5は、マット剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ等を用いて形成される。印刷インキ等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等、印刷版を用いた各種印刷法等によって塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂を採用できる。また、熱硬化型樹脂は、2液硬化型樹脂であってもよい。
なお、マット印刷層5に複数のマット剤が含まれている場合には、複数のマット剤のうちの最も含有量が大きいマット剤の平均粒径を、トップコート層6の厚さの100%以上200%以下とする。これにより、マット感や手触り感をより確実に感じさせることができ、視覚による立体感と、触感による立体感とをより確実に感じさせることができる。
トップコート層6は、プリント化粧金属板10に耐候性や曲げ加工性、耐傷付性、清掃性を付与するための透明な層である。トップコート層6の主成分としては、例えば、硬化型樹脂を用いることができる。すなわち、樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的とは、例えば、樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上を指す。硬化型樹脂としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を採用できる。また、トップコート層6には、例えば、フッ素樹脂を含ませてもよい。さらに、トップコート層6には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料、溶剤等を添加してもよい。但し、硬化型樹脂の含有割合は、樹脂全体の60質量部以上が好ましい。トップコート層6の厚さは、1μm以上30μm以下が好ましい。特に、加工性を必要とする用途においては、1μm以上10μm以下がより好ましい。
裏面コート層7は、金属板1の他方の面1b、つまり、プリント化粧金属板10の裏面を被覆するための層である。裏面コート層7は、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を主成分とした塗料等を金属板1に塗装した後、塗装した塗料を加熱焼き付けして形成される。
これに対し、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、暴露試験に耐えられるだけでなく、促進試験にも耐えられるプリント化粧金属板10を提供できる。
さらに、本発明の実施形態に係るプリント化粧金属板10では、トップコート層6は、ヒンダードフェノール系の酸加防止剤の含有量を、トップコート層6の全質量に対して、1.0質量%以上3.0質量%以下とした。それゆえ、発生したラジカルをトップコート層6でより適切に補足でき、トップコート層6の劣化を防止することができる。
(実施例1)
まず、JIS G 3302に準拠した鋼板を溶融亜鉛メッキで被覆して、金属板1を形成した。鋼板の厚さは、0.4mmとした。続いて、形成した金属板1に化成処理を施して、化成被膜8を形成した。続いて、形成した化成被膜8に、ポリエステル系樹脂のプライマーを塗布して、プライマー層2を形成した。続いて、形成したプライマー層2に、無機系顔料、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤等を含むポリエステル樹脂等を用いたベースコートを塗布した後、塗布したベースコートを熱風乾燥機により焼付を行い、ベースコート層3を形成した。ベースコート層3の厚さは、20μmとした。
実施例2では、トップコート層6において、第1酸化防止剤の含有量を3質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例3)
実施例3では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例4)
実施例4では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を3質量%とした。第2酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いた。具体的には、2,2-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を採用した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例5では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例6)
実施例6では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例7)
実施例7では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例8では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例9)
実施例9では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例10)
実施例10では、トップコート層6において、第1酸化防止剤の含有量を3.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例11では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を3.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例12)
実施例12では、トップコート層6において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防止剤を省略し、第2酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例13)
実施例13では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.0質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例14では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を0.75質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例15)
実施例15では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とし、第1酸化防止剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例16)
実施例16では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.63質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.88質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例17では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を2.25質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.75質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例18)
実施例18では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.88質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.63質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例19)
実施例19では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とした。また、ベースコート層3において、第1光安定剤の含有量を0.5質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例20では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を3.2質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例21)
実施例21では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例22)
実施例22では、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤の含有量を0.3質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例23では、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤の含有量を1.7質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例24)
実施例24では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を0.3質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例25)
実施例24では、ベースコート層3において、第1酸化防止剤の含有量を1.7質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例26では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤の含有量を1.8質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例27)
実施例27では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤の含有量を5.2質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例28)
実施例28では、トップコート層6において第1紫外線吸収剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例29では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を1.8質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例30)
実施例30では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を5.2質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例31)
実施例31では、トップコート層6において第2紫外線吸収剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
実施例32では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を0.8質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例33)
実施例33では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を3.2質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(実施例34)
実施例34では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を10.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例1では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤及び第1酸化防止剤を省略し、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例2)
比較例2では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.0質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例3では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例4)
比較例4では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤の含有量を3.5質量%とし、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例5では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、1.0質量%の第2光安定剤を更に添加し、第1酸化防止剤を省略した。第2光安定剤としては、N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いた。具体的には、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジンを採用した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例6では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、3.0質量%の第3光安定剤を更に添加した。第3光安定剤としては、エステル結合が含まれていなく、加水分解しにくいN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤を用いた。具体的には、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジンを採用した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例7では、トップコート層6において、第1紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、第2紫外線吸収剤の含有量を2.0質量%とし、第2光安定剤の含有量を1.0質量%とした。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例8)
比較例8では、トップコート層6において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略し、3.0質量%の第3光安定剤を更に添加した。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
比較例9では、トップコート層6において、第1光安定剤及び第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(比較例10)
比較例10では、トップコート層6において、第1光安定剤の含有量を1.5質量%とし、第1酸化防止剤を省略した。また、ベースコート層3において、第2紫外線吸収剤、第1光安定剤及び第1酸化防を省略した。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順でプリント化粧金属板10を作製した。
(耐候性評価)
耐候性試験では、試験機としてメタルウェザー(ダイプラウィンテス製)を用い、プリント化粧金属板10に対して、ライトモード→シャワー→湿潤モード→シャワーのサイクルを複数回行った。メタルウェザーの光源としては、メタルハライドランプを使用した。BPTは、63℃とした。そして、プリント化粧金属板10に変化がなかった場合を合格「◎」とし、極僅かに白化を生じた場合を合格「○○」とし、僅かに白化を生じた場合を合格「○」とし、白化を生じたが実用上問題なかった場合を合格「△」とし、著しい白化やクラック、剥離を生じた場合を不合格「×」とした。
加工性評価では、プリント化粧金属板10に対して、180°0T曲げ試験を行った。そして、プリント化粧金属板10に剥離やクラック等の目視での著しい変化がなかった場合を合格「○」とし、変化があった場合を不合格「×」とした。
(180度曲げ評価)
180度曲げ評価では、常温(25℃±5℃)環境下で、プリント化粧金属板10に対して、180°0T曲げを実施した。そして、塗膜に剥離やクラック、白化等の目視での変化がなかった場合を合格「○」とし、変化があった場合を不合格「×」とした。
耐衝撃性評価では、デュポン式衝撃変形試験機を用いて、プリント化粧金属板10を、先端が1/4インチの半径の球状をした撃芯と、撃芯先端と同じ寸法の凹部をもつ受台の間にはさみ500gのおもりを50cmの高さから落下させた。そして、塗膜に異常がなく、且つセロテープ(登録商標)剥離による塗膜剥離がない場合を合格「○」とし、塗膜に異常が発生した場合や、セロテープ剥離による塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
密着性評価では、プリント化粧金属板10の塗膜に直角の格子パターンを切り込み、セロテープ剥離を行った際に素地からの塗膜剥離の有無で評価を行った。そして、塗膜剥離が発生しなかった場合を合格「○」とし塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
(耐沸水性評価)
耐沸水性評価では、プリント化粧金属板10を沸騰水に1時間以上浸漬させた。そして、塗膜に収縮や剥離、変退色が発生しなかった場合を合格「○」とし、塗膜に収縮や剥離、変退色が発生した場合を不合格「×」とした。
二次密着評価では、プリント化粧金属板10を沸騰水に3時間以上浸漬させた後、上記した密着性試評価を行った。そして、塗膜剥離が発生しなかった場合を合格「○」とし、塗膜剥離が発生した場合を不合格「×」とした。
(耐溶剤性評価)
耐溶剤性評価では、プリント化粧金属板10の表面にキシロールを滴下した後、滴下した箇所にラビングを30往復行った。そして、光沢変化や白化等の著しい変化が発生しなかった場合を合格「○」とし、変化が発生した場合を不合格「×」とした。
表1、表2に示すように、実施例1~34のプリント化粧金属板10は、耐候性評価、加工性評価、耐衝撃性評価、密着性評価、耐沸水性評価、二次密着性評価及び耐溶剤性評価(その他基本物性)のすべてが合格「◎」、「○○」、「○」又は「△」となった。また、実施例1のプリント化粧金属板10では、酸化防止剤:光安定剤=1:2であるため、耐候性が「◎」となった。一方、表3に示すように、比較例1~10のプリント化粧金属板10は、耐候性評価以外は合格「○」となったが、耐候性評価は不合格「×」となった。
なお、マット印刷層5を設けた場合においても、同様の効果を得ることができた。
Claims (6)
- 金属板の一方の面上に、プライマー層と、ベースコート層と、絵柄層と、トップコート層と、がこの順に積層されてなるプリント化粧金属板であって、
前記トップコート層は、最大吸収波長の異なる2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の両方を含み、
前記ベースコート層は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、及びN-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の少なくとも一方と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とするプリント化粧金属板。 - 前記トップコート層及び前記ベースコート層のそれぞれは、さらに、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント化粧金属板。
- 前記トップコート層は、前記ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して、1.0質量%以上3.0質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載のプリント化粧金属板。
- 前記ベースコート層は、前記ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であり、前記N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であり、前記ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の含有量が、前記ベースコート層の全質量に対して0.5質量%以上1.5質量%以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のプリント化粧金属板。
- 前記トップコート層は、
前記2種類のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤として、最大吸収波長が330nm以上340nm以下の第1紫外線吸収剤、及び最大吸収波長が315nm以上325nm以下の第2紫外線吸収剤を含み、
前記第1紫外線吸収剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下であり、前記第2紫外線吸収剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して2.0質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のプリント化粧金属板。 - 前記トップコート層は、前記N-ORタイプのヒンダードアミン系の光安定剤の含有量が、前記トップコート層の全質量に対して1.0質量%以上3.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のプリント化粧金属板。
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