JP6586745B2 - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

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本発明は、建材として使用される化粧シート及び、これを利用した化粧材に関する。なお、本発明の化粧シート及び化粧材は、屋外で使用される外装用として好適である。
化粧シートは、安価で加工性に優れた建材として、建築物の屋内、屋外及び家具や什器といった様々な用途に使用されている。このような化粧シートのうち、屋外に使用される外装用の化粧シートは、玄関等の外装用化粧鋼板の表面に貼り付けられて使用される。外装用化粧シートには、内装用の化粧シート以上の耐候性が要求される。
高い耐候性を有する化粧シートとして、現在、オレフィン系の材料を用いた化粧シートが実用化されている。耐候性の評価は、実際の屋外暴露や促進耐候性試験によって行われている。オレフィン系材料を用いた化粧シートの耐候性は、実用の条件を満たすものである。なお、このような化粧シートは、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2012−131112号公報
しかしながら、既存の外装用化粧シートは、太陽光の紫外光に対する耐候性については評価し、処方が施されているものの、赤外光に対する耐候性については考慮されていなかった。外装用の化粧シートにあっては、赤外光を吸収することによって蓄熱し、蓄えらえた熱が化粧シートの基材に伝わることによって膨張が発生する。化粧シートの基材が膨張すると、化粧シートが貼り合わされた化粧材に反りが発生し、建材としての美観や建築物を保護する機能が低下することになる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遮熱性を有し、赤外光による反りを防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の化粧シートは、熱可塑性樹脂基材の一方の面にコーティング層を設け、前記熱可塑性樹脂基材がポリオレフィン系樹脂からなり、前記コーティング層がトリアジン系紫外線吸収剤を含有したアクリルウレタン系樹脂からなり、前記コーティング層の厚さが固形分塗布量で5g/m以上10g/m以下であり、前記熱可塑性樹脂基材と前記コーティング層との間に印刷層を有し、前記印刷層は、黒色顔料を含み、該黒色顔料は、ペリレン系黒色顔料であることを特徴とする。
本発明によれば、遮熱性を有し、赤外光による反りを防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することができる。
本発明の一実施形態の化粧シート、及び化粧シートを用いた化粧材の断面図である。
以下、本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧材について説明する。
(化粧材)
図1は、本実施形態の化粧材1を説明するための断面図である。本実施形態の化粧材1は、基材20と、基材20と貼り合わされる化粧シート3と、基材20と化粧シート3とを貼り合わせる第1接着層21と、を有している。
(基材)
基材20は、表面に化粧シート3を貼着(ラミネート)して使用するものである。基材20には、金属系基材や木質系基材等の各種材料のものがある。金属系基材としては、アルポリック材がある。アルポリック材は、塗装や鏡面仕上げ等の表面加工処理が施された金属板で樹脂材を挟んだアルミ樹脂複合板である。金属板としては、アルミ、ガルバリウム鋼板、ステンレス及びチタン等が使用される。また、樹脂材としては、ポリエチレン単体、あるいはポリエチレンに無機材を加えたもの等が使用される。
また、木質系基材としては、例えば、MDF(medium density fiberboard)や合板、パーチクルボード等が使用される。
基材20へのシート3の貼り付けには、例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜の接着剤が使用される。
(第1接着層)
第1接着層21としては、床用化粧シートと基材との貼り合わせに使用される公知の接着剤であれば、どのようなものを用いてもよい。また、本実施形態では、例えば、反応性ホットメルト系の接着剤を使用して第1接着層21を形成することができる。特に、反応性ホットメルト系の接着剤のうち、2液タイプのポリウレタンの接着剤を用いて第1接着層21を形成してもよい。このような第1接着層21のうち、本実施形態では、特に、一般社団法人日本壁装協会の規定による不燃認定を受けている部材を用いることが望ましい。
第1接着層21は、紫外線吸収剤や光安定剤等を含有するものであってもよい。また、第1接着層21の厚みは、5μm〜50μm程度が好ましい。
(化粧シート)
化粧シート3は、第1接着層21の側から順に設けられる、熱可塑性樹脂基材11、印刷層13、オーバーレイフィルム層15、第2接着層17及びトップコート層19を有している。本実施形態の化粧材1は、波長が0.7μmから1000μmの赤外光に対する印刷層13の透過率を高め、透過した赤外光を熱可塑性樹脂基材11で反射することによって基材20の蓄熱を防いでいる。
以下、化粧シート3の各層について説明する。
〈熱可塑性樹脂基材〉
熱可塑性樹脂基材11としては、ポリオレフィン系樹脂からなるものが用いられる。熱可塑性樹脂基材11には、半透明なものや着色したもの等も用途に応じて選定することが可能である。本実施形態では、熱可塑性樹脂基材11を着色基材とする。
熱可塑性樹脂基材11にポリオレフィン系樹脂を使用することにより、化粧材1は、フッ素系樹脂と異なり、焼却処理しても問題の無いものとなる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンまたはそれらの変性樹脂が一般的に用いられるが、表面の硬度や耐熱性等も考慮するとポリプロピレン系樹脂が好適である。ポリプロピレン系樹脂としてはランダム共重合、ホモ系の2種類があるが、いずれも用途に応じて使用可能である。
また熱可塑性樹脂基材11には耐候性の処方として紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系等)を添加してもよい。添加量は所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%〜10%、好ましくは1%〜5%である。紫外線吸収剤の中でも、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール,2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール,2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。また、トリアジン系としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が使用できる。さらに、ベンゾフェノン系としては、オクタベンゾンやこの変性物、重合物、誘導体が使用できる。
また、樹脂自体の光・熱・水等による劣化を防止するため、ヒンダードアミン系光安定剤を添加してもよい。添加部数は所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%〜10%、好ましくは1%〜5%である。ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が使用できる。
熱可塑性樹脂基材11は、上記材料の配合を適宜行い、押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法等でフィルム状に成形して得ることができる。熱可塑性樹脂基材11の厚さは、粘着貼り合わせ加工のし易さや、耐候性、透明性等を考慮すると30μmから120μm程度が適切である。
また、本実施形態では、熱可塑性樹脂基材11における赤外光の反射率を高めるため、上記材料に酸化チタンを添加し、熱可塑性樹脂基材に含有させてもよい。このとき、本実施形態では、熱可塑性樹脂基材11が酸化チタンを23質量部以上含有させることにより、遮熱性が向上させる。
また、熱可塑性樹脂基材11に隠蔽層として酸化チタンを用いる場合、隠蔽層としての酸化チタンの含有量と添加された酸化チタンとの合計が23質量部以上であればよい。また、熱可塑性樹脂基材11が隠蔽層として酸化チタンを23質量部以上含む場合、これ以酸化チタンを添加しなくともよい。
ただし、熱可塑性樹脂基材11に添加される酸化チタンが多くなると、熱可塑性樹脂基材11の膜質に酸化チタンが影響を及ぼす。このため、熱可塑性樹脂基材11の酸化チタンの好適な含有量は、23質量部以上40質量部以下である。
また、本実施形態は、図1に示したように、熱可塑性樹脂基材11の印刷層13の側の面に酸化チタンを塗布して酸化チタン層111を設けてもよい。なお、酸化チタン層111を設ける場合であっても、酸化チタン層111によって熱可塑性樹脂基材11が酸化チタンを23質量部以上含有すれば熱可塑性樹脂基材11による基材20への遮熱性が向上する。このような条件により、酸化チタン層111の厚さとしては、5μmから10μmが好ましい。
〈印刷層〉
印刷層13は、目的とする化粧シートに任意の所望の絵柄の意匠性を付与する目的で設けられるものである。本発明においては熱可塑性樹脂基材11の表面に、印刷法等の手段により適宜の絵柄模様を有する印刷層13が設けられる。
印刷層13は、熱可塑性樹脂基材11に好適なインキを用いて設けられる。具体的には熱可塑性樹脂基材11がポリプロピレン樹脂であれば、ウレタン樹脂と塩化ビニル=酢酸ビニル共重合樹脂の混合物が好適に用いられる。
着色剤としては、特に黒色顔料として、ペリレン系の黒色顔料を用いる。代表的なペリレン系の黒色顔料としては、ペリレンブラックがある。この点により、本実施形態は、既存の化粧シートが黒色顔料としてカーボンブラックを用いることが多く、近赤外光領域(0.781μm〜2.5μm)においての反射率が低かったため、赤外光による熱の吸収によって、蓄熱作用が発生するという不具合を改善することができる。
また、黒色顔料以外の顔料として、印刷層13には、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタンの少なくとも一つ以上が用いられる。
本発明の発明者らは、以上の着色剤を使って木目柄を印刷し、印刷層13の総合的な赤外光透過率を測定した。この測定によれば、波長が0.781μm〜2.5μmの光の透過率は、40%以上であった。
その他、印刷層13には、必要に応じて例えば体質顔料や可塑剤、分散剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、硬化剤、硬化促進剤又は硬化遅延剤等の各種の添加剤を適宜添加することもできる。
印刷層13の形成方法には特に制限はなく、例えばグラビア印刷法やオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インキジェット印刷法等の従来公知の各種の印刷方法を使用することができる。また、例えば全面ベタ状の場合には前記した各種の印刷方法の他、例えばロールコート法やナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種のコーティング方法によることもできる。その他、例えば手描き法、墨流し法、写真法、レーザービーム又は電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法やエッチング法等、又はこれらの方法を複数組み合わせて行うことも勿論可能である。
また、印刷層13の形成に先立ち、必要に応じて、熱可塑性樹脂基材11の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面処理を施すことによって、熱可塑性樹脂基材11と印刷層13との間の密着性を向上することもできる。
印刷層13が構成する絵柄の種類には特に制限はなく、従来より化粧シートの分野において広く採用されている木目柄や、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様等、或いは単なる着色や色彩調整を目的とする場合には単色無地であっても良く、要するに、目的の化粧シートの用途に応じ任意の所望の絵柄を採用することができる。
〈オーバーレイフィルム層〉
オーバーレイフィルム層15は、熱可塑性樹脂基材11や印刷層13との層間密着を考慮して材料となる樹脂が選択される。具体的には、熱可塑性樹脂基材11がホモポリプロピレン系樹脂、ランダムポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン樹脂のいずれかであるならば、同様のホモポリプロピレン系樹脂、ランダムポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン樹脂のいずれかが選択される。また、オーバーレイフィルム層15には、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を添加するのが好適である。
なお、上層にトップコート層19を設けずに、オーバーレイフィルム層15が表面層となる場合、オーバーレイフィルム層15としてはポリメチルメタアクリル樹脂を用いるのが好ましい。このとき、オーバーレイフィルム層15に紫外線吸収剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加するのが好適である。さらに、印刷層13との層間密着を考慮して、印刷層13との間にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル=酢酸ビニル共重合樹脂の少なくとも1つ以上からなる接着剤によって印刷層13と貼り合わされる。
オーバーレイフィルム層15は少なくともその下の印刷層13を透視可能な程度の透明性を有している必要があり、無色透明であることが最も望ましいが、着色透明や半透明であってもよい。その限りにおいて、オーバーレイフィルム層15は着色剤や充填剤を含有していてもよい。
オーバーレイフィルム層15の表面には、必要に応じて所望の模様のエンボスを適宜設けることもできる。エンボスの模様の種類にも特に制限はなく、例えば木目調(特に導管模様状)、石目調、布目調、和紙調、幾何学模様状等の各種模様状であってもよいし、或いは例えば単なる艶消状や砂目状、ヘアライン状、スウェード調等であってもよい。また、これらのエンボスの模様を印刷層13の絵柄と同調させることによって更なる意匠性の向上を図ることもできるが、その必要がなければ非同調であっても良く、また印刷層13の絵柄と同調した模様と同調しない模様との両者を含む模様のエンボスを設けることもできる。
エンボスの形成方法にも特に制限はないが、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が最も一般的である。またエンボスの形成時期にも特に制限はなく、透明アクリル系樹脂フィルム5の熱可塑性樹脂基材11との積層前、積層と同時又は積層後の中から任意の時期を選択することができ、またの各時期から選ばれる複数の時期に同一又は異なる模様のエンボスを複数回に亘って施すこともできる。
オーバーレイフィルム層15の厚さとしては、50μmから150μm程度、より好ましくは70μmから100μm程度の範囲内とするのがよい。
オーバーレイフィルム層15の成形方法としては、例えば押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、キャスト成形法等が使用可能である。
〈第2接着層〉
第2接着層17は、オーバーレイフィルム層15とトップコート層19との間のドライラミネート法による接着を可能とし、両層間での接着強度を発現させる目的で設けられるものであり、本実施形態ではポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系樹脂からなる接着剤を採用する。ウレタン系樹脂からなる接着剤としては、ポリエステルポリオール系等と硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらの混合物の2液ウレタン樹脂系接着剤を乾燥後の厚み2μmから10μm塗工したもの等が使える。
第2接着層17には、目的とする化粧シートの用途により必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の従来公知の各種の添加剤の1種以上が添加されていてもよい。
〈トップコート層〉
トップコート層19は、メイン樹脂としてのアクリルポリオールと、硬化剤としてのヘキサメチレンジイソシアネートに紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を添加して作製される。上記紫外線吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤が用いられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が使用できる。さらに、ベンゾフェノン系としては、オクタベンゾンやこの変性物、重合物、誘導体が使用できる。
トップコート層の厚さは、固形分塗布量で5g/m以上10g/m以下である。さらに好ましくは6g/m以上9g/m以下である。これにより本実施形態のトップコート層の塗工性、保管等の汎用性が高いものとなる。
以上説明した本実施形態によれば、黒色顔料としてペリレン系の黒色顔料を用いたため、印刷層における光の透過率が既存の化粧シートよりも高まる。印刷層13を透過した赤外光は熱可塑性樹脂基材で反射されるため、基材20に熱が伝わらず、基材20の蓄熱を防ぐことができる。そして、基材20の蓄熱を防ぐことにより、屋外で使用しても太陽光による反り等が発生し難い化粧材1を得ることができる。
また、本実施形態は、トップコート層19としてアクリルウレタン系樹脂を用い、これと相溶性の良好なトリアジン系紫外線吸収剤を用い、さらに固形分塗布量を5g/m以上にすることにより、紫外線遮蔽力の優れ、経時でも紫外線遮蔽力の低下しない塗膜を形成することができる。また、固形分塗布量を10g/m以下にすることにより、凹凸部分へのラミネート時においても、表面保護層の割れの無い塗膜を形成することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を上記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、実施形態中の図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は上記説明を参酌して判断すべきものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1では、熱可塑性樹脂基材として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤3質量部、紫外線吸収剤1質量部、ヒンダードアミン系光安定剤1質量部、酸化チタン23質量部をポリプロピレン樹脂100質量部に添加し、厚み70μmの膜を製膜した。
そして、熱可塑性樹脂基材の表面に印刷層として、ウレタン樹脂と塩化ビニル=酢酸ビニル共重合樹脂を7:3の割合で混合したもの100質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートを2:8の割合で混合した硬化剤を3質量部添加して、イソインドリノン、ポリアゾ、フタロシアニン及びペリレンブラックからなる顔料を3質量部添加してインキとし、木目柄をグラビア印刷にて印刷した。
また、実施例1では、印刷層の上にオーバーレイフィルム層を形成した。オーバーレイフィルム層は、ランダムポリプロピレン系樹脂100質量部に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5質量部とヒンダードアミン系光安定剤0.3質量部を添加したものを溶融押出によってフィルム状に形成することによって作製される。オーバーレイフィルム層の乾燥後の厚みは、70μmである。
さらに、実施例1では、オーバーレイフィルム層の表面にトップコート層を形成した。トップコート層は、アクリルポリオール100質量部に対してヘキサメチレンジイソシアネート10質量部、トリアジン系紫外線吸収剤5質量部及びヒンダードアミン系光安定剤5質量部を添加したものをコーティングすることによって形成された。トップコート層の厚さは、固形分塗布量で9g/mであり、実施例1では、9μmとなった。
[実施例2]
実施例2では、実施例1の化粧シートの作製条件のうち、熱可塑性樹脂基材の顔料のみを変更して化粧シートを作製した。実施例2では、ジケトピロロピロール2質量部、キイナクリドン2質量部、フタロシアニン1質量部及び酸化チタン23質量部をポリプロピレン樹脂100質量部に添加して熱可塑性樹脂基材を作製した。
[比較例]
比較例では、実施例1の印刷層に用いた黒色顔料の条件だけを変更して化粧シートを作製した。比較例の化粧シートは、黒色顔料をペリレンブラックに代えてカーボンブラックを使用したインキを使って作製された。
[評価]
本発明の発明者らは、上記実施例1、実施例2及び比較例について、それぞれ遮熱性能、蓄熱性能及び耐候性を評価した。
〈耐候性〉
本発明の発明者らは、メタルハライドランプ方式の超促進耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を用いて化粧シートの促進耐候性を評価した。試験は、メタルハライドランプの放射照度650W/m、ブラックパネル温度(試験片温度)53℃の条件で行われた。そして、照射後、試験片に著しい変化の無い場合を「○」と評価し、表面樹脂層のクラック、剥離が発生した場合を「×」と評価した。
なお、このような促進耐候性の試験方法は、JIS規格、K5602に規定されたものである。
〈遮熱性能〉
本発明の発明者らは、遮熱性能を、JIS規格、K5602に規定された塗膜の日射反射率の測定方法を用いて測定した。測定は、株式会社島津製作所製分光光度計UV3600(製品名)によって行われた。そして、JIS規格、K5602の規定により、塗膜の日射反射率が40%以上であれば「〇」と評価し、40%以下であれば「×」と評価した。
〈蓄熱性能〉
蓄熱性能の評価では、本発明の発明者らは、縦21cm、横29.7cm、厚みが0.5mmの無塗装鋼板の片側の表面に接着剤を用いて化粧シートを貼り合わせ、試験片を作製した。そして、試験片表面の真上であって、表面から15cm離れた位置にハロゲン球を設置し、120分間ハロゲン光を照射しながら試験片の表面と裏面の温度を1分毎に測定し、その最高温度を記録した。
Figure 0006586745
表1は、上記遮熱性能、蓄熱性能及び耐候性の評価をまとめて示している。表1によれば、黒色顔料としてペリレンブラックを用いた実施例1及び実施例2の化粧シートは、いずれも耐候性及び遮熱性能について「〇」の評価を得た。一方、比較例の化粧シートは、耐候性能について「〇」の評価を得たものの、遮熱性能については「×」と評価された。
また、蓄熱性能については、実施例1及び実施例2及の試験片がいずれも60℃になったのに対し、比較例の試験片は70℃にまで温度が上昇した。このような差異は、実施例1及び実施例2がペリレン系の黒色顔料を使用しているのに対し、比較例は黒色顔料としてカーボンブラックを使用しているために生じたと考えられる。
なお、本発明の発明者らは、トップコート層を固形分で3g/m2以下、固形分で11g/m2以上となるように塗工して作製し、この耐候性と遮熱性とを評価した
以上説明した本発明の化粧基材及び化粧シートは、太陽光下に曝しても反りが発生し難いので、屋外の使用に好適である。
1 化粧材
3 化粧シート
11 熱可塑性樹脂基材
13 印刷層
15 オーバーレイフィルム層
17 第2接着層
19 トップコート層
20 基材
21 第1接着層
111 酸化チタン層

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂基材の一方の面の側にトップコート層を設け、前記熱可塑性樹脂基材がポリオレフィン系樹脂と酸化チタンとを含み、前記トップコート層がトリアジン系紫外線吸収剤を含有したアクリルウレタン系樹脂からなり、前記トップコート層の厚さが固形分塗布量で5g/m以上10g/m以下であり、
    前記熱可塑性樹脂基材と前記トップコート層との間に印刷層を有し、該印刷層は、黒色顔料を含み、該黒色顔料は、ペリレン系黒色顔料であり、
    前記熱可塑性樹脂基材は、前記印刷層の側の面に酸化チタンからなる酸化チタン層を有し、
    前記熱可塑性樹脂基材における前記酸化チタンの含有量は、23質量部以上40質量部以下であり、
    前記酸化チタン層を有する前記熱可塑性樹脂基材の前記酸化チタンの含有量は、23質量部以上であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記印刷層は、前記黒色顔料の他、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタンの少なくとも一つ以上の顔料を含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記熱可塑性樹脂基材の厚さは、30μm以上120μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記酸化チタン層の厚さは、5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シートを基材に貼り合わせて成ることを特徴とする化粧材。
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