JP2024028967A - ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスク - Google Patents

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Abstract

【解決手段】具現例は、ブランクマスクなどに関し、光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光膜とを含む。遮光膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。遮光膜の表面の下記式1のMtr値が6以下である。遮光膜の表面のRsk値は、1以下である。[式1]Mtr=|Rsk|×Rku前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。【効果】このようなブランクマスクなどは、遮光膜の表面にレジストの塗布時に遮光膜とレジスト膜との付着力が向上し、レジストパターンの除去時に遮光膜の表面に残留するレジストパターンを効果的に除去することができる。【選択図】図1

Description

具現例は、ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクに関する。
半導体デバイスなどの高集積化により、半導体デバイスの回路パターンの微細化が求められている。これにより、ウエハの表面上にフォトマスクを用いて回路パターンを現像する技術であるリソグラフィー技術の重要性が益々高まっている。
微細化された回路パターンを現像するためには、露光工程で用いられる露光光源の短波長化が要求される。最近用いられている露光光源としてはArFエキシマレーザー(波長193nm)などがある。
一方、フォトマスクにはバイナリマスク(Binary mask)と位相反転マスク(Phase shift mask)などがある。
バイナリマスクは、光透過性基板上に遮光層パターンが形成された構成を有する。バイナリマスクは、パターンが形成された面において、遮光層を含まない透過部は露光光を透過させ、遮光層を含む遮光部は露光光を遮断することによって、ウエハ表面のレジスト膜上にパターンを露光させる。但し、バイナリマスクは、パターンが微細化されるほど、露光工程で透過部の縁部で発生する光の回折により微細パターンの現像に問題が発生することがある。
位相反転マスクとしては、レベンソン型(Levenson type)、アウトリガー型(Outrigger type)、及びハーフトーン型(Half-tone type)がある。その中でハーフトーン型位相反転マスクは、光透過性基板上に半透過膜で形成されたパターンが形成された構成を有する。ハーフトーン型位相反転マスクのパターンが形成された面において、半透過層を含まない透過部は露光光を透過させ、半透過層を含む半透過部は減衰された露光光を透過させる。前記減衰された露光光は、透過部を通過した露光光と比較して位相差を有するようになる。これにより、透過部の縁部で発生する回折光は、半透過部を透過した露光光によって相殺され、位相反転マスクは、ウエハの表面にさらに精巧な微細パターンを形成することができる。
韓国登録特許第10-1593390号 韓国公開特許第10-2016-0031423号 日本登録特許第6766676号
具現例の目的は、遮光膜の表面にレジストの塗布時に遮光膜とレジスト膜との付着力が向上し、前記塗布されたレジスト膜の除去が容易なブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクを提供することである。
本明細書の一実施例に係るブランクマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光膜とを含む。
前記遮光膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。
前記遮光膜の表面の下記式1のMtr値は6以下である。
[式1]
Mtr=|Rsk|×Rku
前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
前記Rsk値は1以下であってもよい。
前記Rsk値は0.1以下であってもよい。
前記Rsk値は-1以上であってもよい。
前記Rku値は6以下であってもよい。
前記遮光膜の下記式2のDw値が0.01%以下であってもよい。
[式2]
前記式2において、
前記Dsは、前記遮光膜上にレジスト膜を1300Åの厚さで塗布及び乾燥した後、除去した後に測定したブランクマスクの重量である。
前記Doは、前記遮光膜上にレジスト膜を塗布する前に測定したブランクマスクの重量である。
前記遮光膜は、第1遮光層と、前記第1遮光層上に位置する第2遮光層とを含むことができる。
前記第2遮光層の前記窒素含量と前記酸素含量を合わせた値は10~35原子%であってもよい。
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
前記遮光膜は、冷却水を前記遮光膜の表面に直接噴射して冷却処理したものであってもよい。
本明細書の他の実施例に係るフォトマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光パターン膜とを含む。
前記遮光パターン膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。
前記遮光パターン膜の上面での下記式1のMtr値は6以下である。
[式1]
Mtr=|Rsk|×Rku
前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
前記遮光パターン膜の上面のRsk値は、1以下である。
本明細書の他の実施例に係るブランクマスクの製造方法は、スパッタリングチャンバ内に光透過性基板及びスパッタリングターゲットを設置する準備ステップと、前記スパッタリングチャンバ内に雰囲気ガスを注入し、前記スパッタリングターゲットに電力を加えて、前記光透過性基板上に遮光膜が成膜された熱処理前の基板を形成する成膜ステップと、前記熱処理前の基板に150~330℃で5~30分間熱処理を行って冷却処理前の基板を形成する熱処理ステップと、前記冷却処理前の基板の前記光透過性基板側の表面及び前記遮光膜側の表面に冷却水を直接噴射冷却してブランクマスクを製造する冷却ステップとを含む。
前記ブランクマスクの製造方法は、前記熱処理ステップを経た前記冷却処理前の基板を30~50℃で1~5分間安定化させる安定化ステップを含むことができる。
前記冷却ステップにおいて、前記冷却水の温度は10~30℃であってもよい。
前記冷却ステップにおいて、前記冷却水を前記遮光膜側の表面に30~75°の角度で0.5~1.5L/minの流量で噴射することができる。
前記ブランクマスクは、前記光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する前記遮光膜とを含む。
前記遮光膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。
前記遮光膜の表面の下記式1のMtr値が6以下である。
[式1]
Mtr=|Rsk|×Rku
前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
具現例に係るブランクマスクなどは、遮光膜の表面にレジスト膜の形成時に遮光膜とレジスト膜との付着力が向上し、遮光膜パターンの表面からレジストパターンの除去が容易であり得る。
本明細書の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。 本明細書の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。 本明細書の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。 本明細書の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。 本明細書の他の実施例に係るフォトマスクを説明する概念図である。 フォトマスクのMtr値の測定領域を説明する概念図である。
以下、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実施例について詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
本明細書で使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その数値で又はその数値に近接した意味で使用され、具現例の理解を助けるために正確又は絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
本明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
本明細書全体において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
本明細書全体において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上にBが位置したり、それらの間に別の層が位置しながらA上にBが位置したりすることができることを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
本明細書において、室温とは20~25℃である。
Rsk値は、ISO_4287に準拠して評価された値である。Rsk値は、測定対象の表面プロファイル(surface profile)の高さの対称性(歪度、skewness)を示す。
Rku値は、ISO_4287に準拠して評価された値である。Rku値は、測定対象の表面プロファイルの尖り度合い(尖度、kurtosis)を示す。
ピーク(peak)は、遮光膜20の表面プロファイルにおいて基準線(表面プロファイルにおける高さの平均線を意味する)の上部に位置するプロファイル部分である。
バレー(valley)は、遮光膜20の表面プロファイルにおいて基準線の下部に位置するプロファイル部分である。
本明細書は、遮光膜上に接して形成される薄膜としてレジスト膜を例に挙げて説明しているが、遮光膜上に接して形成され、以降の工程で除去する方式を適用できる全ての薄膜に対して具現例の特徴が適用され得る。遮光膜上に接して形成される薄膜をレジスト膜に限定しない。
半導体の高集積化に伴い、半導体ウエハ上にさらに微細化された回路パターンを形成することが要求される。半導体ウエハ上に現像されるパターンの線幅がさらに減少するに伴い、前記パターンを現像するフォトマスクの解像度と関連する問題も増加する傾向にある。
遮光膜にレジスト膜を付着又は除去することに関連する特性は、フォトマスクの解像度の低下に影響を及ぼす要因となり得る。具体的には、塗布されたレジスト膜と遮光膜との付着力に応じて、現像されたレジストパターン膜のエッジ(edge)部分が遮光膜の表面から脱落する現象が発生することがある。また、レジストパターンをマスクとして遮光膜をパターニングした後、レジストパターンを除去する過程で遮光膜パターンの表面にレジストパターンの一部が残留する問題が発生し得る。このような問題は、半導体ウエハの露光工程でパーティクルが発生する原因となり得る。
具現例の発明者らは、遮光膜の表面粗さ特性などを制御することによって、遮光膜とレジスト膜との付着性、及びレジストパターンの除去容易性が向上することを確認し、具現例を完成した。
以下、具現例について具体的に説明する。
図1乃至図4は、本明細書の実施例に係るブランクマスクを説明する概念図である。前記図1乃至図4を参照して具現例を説明する。
前記目的を達成するために、本明細書が開示する一実施例に係るブランクマスク100は、光透過性基板10と、前記光透過性基板10上に位置する遮光膜20とを含む。
光透過性基板10の素材は、露光光に対する光透過性を有し、フォトマスク200に適用できる素材であれば制限されない。具体的には、光透過性基板10の波長193nmの露光光に対する透過率は85%以上であってもよい。前記透過率は87%以上であってもよい。前記透過率は99.99%以下であってもよい。例示的に、光透過性基板10は合成石英基板が適用されてもよい。このような場合、前記光透過性基板10を透過する光の減衰(attenuated)を抑制することができる。
また、光透過性基板10の平坦度及び粗さなどの表面特性を調節して光学歪みの発生を抑制することができる。
遮光膜20は、光透過性基板10の正面(front side)上に位置することができる。
遮光膜20は、光透過性基板10の背面(back side)側から入射する露光光を一定部分以上遮断する特性を有することができる。また、光透過性基板10と遮光膜20との間に位相反転膜30などが位置する場合、遮光膜20は、前記位相反転膜30などをパターンの形状通りにエッチングする工程でエッチングマスクとして用いることができる。
遮光膜の表面粗さ特性
遮光膜20の表面の下記式1のMtr値が6以下である。
[式1]
Mtr=|Rsk|×Rku
前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
遮光膜20は、スパッタリング工程などを通じて成膜できる。スパッタリング工程は、スパッタリング粒子を成膜対象の表面に散発的に蒸着させて膜を形成する。遮光膜20をスパッタリング工程により形成する場合、スパッタリング粒子が成膜対象の表面に散発的に蒸着し得る。これにより、遮光膜20の表面は、微細な凹凸が分布した形状を有することができる。
遮光膜20をパターニングする目的で、遮光膜20上にレジスト膜40が形成され得る。電子ビーム露光装置などを通じてレジスト膜40にレジストパターン(図示せず)を形成できる。レジストパターンは、遮光膜のパターニングを終えた後に除去され得る。
遮光膜20とレジスト膜40との付着及び除去と関連する特性に影響を及ぼす要因としては、前記成膜が完了した遮光膜20の表面粗さ特性、遮光膜20とレジスト膜40との表面エネルギーの差、レジスト膜40の塗布前に遮光膜20の表面に処理される化合物の物性などがある。特に、具現例は、遮光膜20の表面粗さ特性などを制御して、レジスト膜40と遮光膜20との付着性、除去容易性などを向上させることができる。また、フォトマスク200の解像度の低下を実質的に抑制することができる。
具体的には、レジスト塗布工程の前に、遮光膜20とレジスト膜40との付着力の向上のために、遮光膜20にHMDS(Hexamethyldisilazane)、その他の有機シラン系化合物をはじめとする付着性改善物質を表面処理する工程を適用することができる。遮光膜20の表面処理工程において、遮光膜20の表面の面内方向への粗さの分布に応じて、一部の領域、特に多数のピークが密集している領域に付着性改善物質が十分にコーティングされないことがある。また、遮光膜20の表面とレジスト膜40との表面エネルギーの差などにより、前記両薄膜が十分な付着力を有さない場合がある。
遮光膜20のパターニングの完了後、レジストパターンを除去する過程において、レジストパターンの一部が除去されないことがある。特に、パターニングされた遮光膜のバレーの分布が集中している領域にレジストパターンが一部残留することがある。レジストパターンの残留物は、パーティクルなどを形成し得、フォトマスク200の解像度を低下させる原因の一つになることもある。
前記のような問題を解決するために、エッチャント(etchant)などを介して遮光膜20の表面に形成された微細凹凸の大きさを単純に減少させる方法を考慮できる。但し、要求される線幅が次第に微細化する傾向にあるため、大きさが減少した凹凸も依然としてレジスト膜40の付着、除去などと関連する問題を発生させることがある。すなわち、遮光膜の表面特性がさらに精密に制御される必要がある。
そこで、具現例の発明者らは、遮光膜20の表面の歪度及び尖度の特性をいずれも反映できるMtr値を制御することによって、遮光膜20の表面に微細な凹凸が存在しても、レジスト膜40が遮光膜20と安定した付着性を示し、レジストパターンの除去時にレジスト残留物の形成を効果的に抑制できることを確認した。
遮光膜20の表面のRsk値、Rku値及びMtr値は、スパッタリングを介した遮光膜20の成膜時のスパッタリング工程の条件、遮光膜20の熱処理時の雰囲気ガス、温度変化の速度などの熱処理工程の条件、冷却工程の条件などによって制御され得る。Mtr値の制御手段についての具体的な説明は、以下の内容と重複するので省略する。
遮光膜20の表面のRsk値、Rku値及びMtr値を測定する方法は、以下の通りである。
遮光膜20の表面のRsk値、Rku値及びMtr値は、遮光膜20の表面の中心領域で測定する。遮光膜20の表面の中心領域とは、遮光膜20の表面の中心部(中央部)に位置した横1μm、縦1μmの領域を意味する。
2次元粗さ測定器を用いて前記中心領域でのRsk値及びRku値を測定する。測定時に非接触モード(Non-contact mode)でスキャン速度を0.5Hzに設定する。例示的に、探針としてPark System社のカンチレバー(Cantilever)モデルであるPPP-NCHRが適用されたPark System社のXE-150モデルを適用してRsk値及びRku値を測定することができる。
測定されたRsk値及びRku値から遮光膜20の表面のMtr値を算出する。
遮光膜20の表面のMtr値は6以下であってもよい。前記Mtr値は4以下であってもよい。前記Mtr値は1.5以下であってもよい。前記Mtr値は0超であってもよい。前記Mtr値は0.5以上であってもよい。このような場合、遮光膜20に対するレジスト膜40の付着性が向上し、レジスト残留物によるパーティクルの形成が抑制され得る。
遮光膜20の表面のRsk値は1以下であってもよい。
遮光膜20の表面のRsk値を予め設定された範囲内に制御する場合、付着性改善物質が安定的にコーティングされ難いピークが密集している領域の形成を抑制することができる。これを通じて、レジスト膜40と遮光膜20との付着力が向上するように誘導することができる。また、バレーが遮光膜の表面に適切に形成されるようにして、レジスト残留物の発生を効果的に抑制することができる。
遮光膜20の表面のRsk値は1以下であってもよい。前記Rsk値は0.1以下であってもよい。前記Rsk値は-1以上であってもよい。前記Rsk値は-0.5以上であってもよい。このような場合、遮光膜20からレジスト膜40又はレジストパターンを容易に付着及び除去することができる。
遮光膜20の表面のRku値は6以下であってもよい。
遮光膜20の表面のRku値を制御することによって、遮光膜20とレジスト膜40との付着性を向上させることができる。具体的には、遮光膜20の表面に形成されたピークの尖度を制御することによって、付着性改善物質が微細な凹凸が形成された遮光膜20の表面の全面に十分な厚さでコーティングされ、かつ維持されるようにすることができる。
遮光膜20の表面のRku値は6以下であってもよい。前記Rku値は4以下であってもよい。前記Rku値は3以下であってもよい。前記Rku値は1以上であってもよい。前記Rku値は2以上であってもよい。このような場合、遮光膜20の表面にレジストパターンが、設計された形状に従って安定的に維持され得る。
遮光膜20の表面のMtr値を制御することによって、Rsk値及びRku値を同時に調節することができる。遮光膜20の表面のRsk値のみを制御する場合、遮光膜20の表面に付着性改善物質が十分にコーティング及び維持されず、前記レジストパターンが遮光膜20の表面に安定的に付着しないことがある。また、遮光膜20の表面のRku値のみを具現例で予め設定した範囲内に制御する場合、遮光膜20の表面でピークが過度に密集して付着性改善物質のコーティング層が安定的に形成されないか、またはバレーが過度に形成されてレジストパターンの除去が容易でないことがある。したがって、遮光膜20の表面のRsk値及びRku値を同時に調節することによって、遮光膜20とレジスト膜40との付着性だけでなく、レジストパターンの除去の容易性も向上させることができる。
遮光膜のレジスト膜の除去の容易性
遮光膜20の下記式2のDw値が0.01%以下であってもよい。
[式2]
前記式2において、前記Dsは、前記遮光膜20上にレジスト膜40を1300Åの厚さで塗布及び乾燥した後、除去した後に測定したブランクマスク100の重量である。
前記Doは、前記遮光膜20上にレジスト膜40を塗布する前に測定したブランクマスク100の重量である。
遮光膜20のDw値を予め設定された範囲内に制御することによって、レジスト残留物によるパーティクルの形成を抑制することができる。
遮光膜20のDw値を測定する方法は、以下の通りである。
レジスト膜を形成する前のブランクマスクの重量であるDo値を測定する。
Ds値を測定するにおいて、スピンコーティング(Spin Coating)方式でレジスト液を噴射して遮光膜20上にレジスト液を塗布する。以降、塗布されたレジスト液を140℃で620秒間乾燥させてレジスト膜40を形成する。塗布及び乾燥されたレジスト膜40を硫酸(HSO)と過酸化水素(H)を混合して製造したペルオキシ一硫酸(HSO)水溶液にディッピング(dipping)して除去した後、Ds値を測定する。
測定したDo値及びDs値からDw値を算出する。
レジストは、例示的に、Fuji社のXFP255モデル又はXFP355モデルを適用することができる。
遮光膜20のDw値は0.01%以下であってもよい。前記Dw値は0.006%以下であってもよい。前記Dw値は0.001%以上であってもよい。前記Dw値は0.002%以上であってもよい。このような場合、レジスト残留物によるフォトマスク200の解像度の低下を抑制することができる。
遮光膜の組成及び膜厚
遮光膜20は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含むことができる。
遮光膜20は、第1遮光層21と、前記第1遮光層21上に位置する第2遮光層22とを含むことができる。
具現例は、第2遮光層22に含まれた元素別の含量を制御することによって、遮光膜20が目的とする消光特性を示すように助けることができる。また、遮光膜20のパターニング時に、遮光膜20のパターンの側面が光透過性基板の表面から垂直に近い形状を有するようにすることができる。そして、レジストパターンが遮光膜20の表面に設計された形状に従って安定的に付着及び維持されるように助けることができる。
第2遮光層22は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含むことができる。第2遮光層22は遷移金属を50~80at%含むことができる。第2遮光層22は遷移金属を55~75at%含むことができる。第2遮光層22は遷移金属を60~70at%含むことができる。
第2遮光層22の酸素含量及び窒素含量を合わせた値は10~35at%であってもよい。第2遮光層22の酸素含量及び窒素含量を合わせた値は15~25at%であってもよい。
第2遮光層22は窒素を5~20at%含むことができる。第2遮光層22は窒素を7~13at%含むことができる。
このような場合、第2遮光層22は、遮光膜20が優れた消光特性を有することを助けることができる。また、遮光膜20のエッチング過程において、遮光膜20の上部がエッチングガスに長時間さらされても、パターニングされた遮光膜の線幅が厚さ方向に一定に維持されるようにすることができる。そして、第2遮光層22の表面にレジストパターンが位置する場合、レジストパターンが形状の変形なしに安定的に付着及び維持され得る。
第1遮光層21は、遷移金属と、酸素及び窒素を含むことができる。第1遮光層21は遷移金属を30~60at%含むことができる。第1遮光層21は遷移金属を35~55at%含むことができる。第1遮光層21は遷移金属を40~50at%含むことができる。
第1遮光層21の酸素含量及び窒素含量を合わせた値は40~70at%であってもよい。第1遮光層21の酸素含量及び窒素含量を合わせた値は45~65at%であってもよい。第1遮光層21の酸素含量及び窒素含量を合わせた値は50~60at%であってもよい。
第1遮光層21は酸素を20~40at%含むことができる。第1遮光層21は酸素を23~33at%含むことができる。第1遮光層21は酸素を25~30at%含むことができる。
第1遮光層21は窒素を5~20at%含むことができる。第1遮光層21は窒素を7~17at%含むことができる。第1遮光層21は窒素を10~15at%含むことができる。
このような場合、第1遮光層21は、遮光膜20が優れた消光特性を有するように助けることができる。また、遮光膜20のパターニング時に遮光パターン膜の側面に発生し得る段差の発生を抑制することができる。
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。前記遷移金属はCrであってもよい。
第1遮光層21の膜厚は250~650Åであってもよい。第1遮光層21の膜厚は350~600Åであってもよい。第1遮光層21の膜厚は400~550Åであってもよい。このような場合、第1遮光層21は、遮光膜20が露光光を効果的に遮断することを助けることができる。
第2遮光層22の膜厚は30~200Åであってもよい。第2遮光層22の膜厚は30~100Åであってもよい。第2遮光層22の膜厚は40~80Åであってもよい。このような場合、第2遮光層22は、遮光膜20の消光特性を向上させ、遮光パターン膜の線幅が厚さ方向にさらに均一な値を有するように助けることができる。
第1遮光層21の膜厚に対する第2遮光層22の膜厚の比率は0.05~0.3であってもよい。前記膜厚の比率は0.07~0.25であってもよい。前記膜厚の比率は0.1~0.2であってもよい。このような場合、遮光膜20は優れた消光特性を有することができる。また、前記遮光膜をパターニングする際に、遮光パターン膜は、光透過性基板の表面から垂直に近い側面を形成することができる。
遮光膜の光学特性
遮光膜20は、波長193nmの光に対する光学密度が1.8以上であってもよい。遮光膜20は、波長193nmの光に対する光学密度が1.9以上であってもよい。
遮光膜20は、波長193nmの光に対する透過率が1.5%以下であってもよい。遮光膜20は、波長193nmの光に対する透過率が1.4%以下であってもよい。遮光膜20は、波長193nmの光に対する透過率が1.2%以下であってもよい。
このような場合、遮光膜20を含むパターンは、露光光の透過を効果的に遮断することができる。
光透過性基板10と遮光膜20との間に位相反転膜30が位置することができる。位相反転膜30と遮光膜20を含む薄膜は、波長193nmの光に対する光学密度が3以上であってもよい。前記薄膜は、波長193nmの光に対する光学密度が3.2以上であってもよい。このような場合、前記薄膜は、露光光の透過を効果的に抑制することができる。
その他の薄膜
その他の薄膜として位相反転膜30、ハードマスク膜(図示せず)などが適用されてもよい。
位相反転膜30は、光透過性基板10と遮光膜20との間に位置することができる。位相反転膜30は、前記位相反転膜30を透過する露光光の強度を減衰し、露光光の位相差を調節して、パターンの縁部に発生する回折光を実質的に抑制することができる。
位相反転膜30は、波長193nmの光に対する位相差が170~190°であってもよい。前記位相差が175~185°であってもよい。位相反転膜30は、波長193nmの光に対する透過率が3~10%であってもよい。前記透過率が4~8%であってもよい。このような場合、前記位相反転膜30が含まれたフォトマスク200の解像度が向上することができる。
位相反転膜30は、遷移金属及び珪素を含むことができる。位相反転膜30は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含むことができる。前記遷移金属はモリブデンであってもよい。
遮光膜20上にハードマスク(図示せず)が位置することができる。ハードマスクは、遮光膜20のパターンエッチング時にエッチングマスク膜の機能を行うことができる。ハードマスクは、珪素、窒素及び酸素を含むことができる。
フォトマスク
図5は、本明細書の他の実施例に係るフォトマスクを説明する概念図である。図6は、フォトマスクにおいて遮光パターン膜の表面でのMtr値の測定方法を説明する概念図である。前記図5及び図6を参照して具現例を説明する。
本明細書の他の実施例に係るフォトマスク200は、光透過性基板10と、前記光透過性基板10上に位置する遮光パターン膜25とを含む。
遮光パターン膜25は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。
遮光パターン膜25の上面での下記式1のMtr値が6以下である。
[式1]
Mtr=|Rsk|×Rku
前記式1において、前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
遮光パターン膜25の上面でMtr値を測定する方法は、ブランクマスク100で遮光膜20の表面のMtr値を測定する方法と同一である。但し、測定領域Aをフォトマスク内に位置する遮光パターン膜25の上面中の任意の領域として設定して、Mtr値を測定する。
前記遮光パターン膜25は、上述したブランクマスク100の遮光膜をパターニングして製造することができる。
遮光パターン膜25の表面粗さ特性、レジストパターン膜の除去の容易性、組成、膜厚及び光学特性などについての説明は、ブランクマスク100の遮光膜20についての説明と重複するので省略する。
遮光膜の製造方法
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、スパッタリングチャンバ内に光透過性基板10及びスパッタリングターゲットを設置する準備ステップ;を含むことができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、スパッタリングチャンバ内に雰囲気ガスを注入し、スパッタリングターゲットに電力を加えて、光透過性基板10上に遮光膜20が成膜された熱処理前の基板を形成する成膜ステップ;を含むことができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、前記熱処理前の基板を150~330℃で5~30分間熱処理して、冷却処理前の基板を形成する熱処理ステップ;を含むことができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、冷却処理前の基板を30~50℃で1~5分間安定化させる安定化ステップ;を含むことができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、冷却処理前の基板の光透過性基板側の表面及び遮光膜側の表面に冷却水を直接噴射冷却してブランクマスクを製造する冷却ステップ;を含むことができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100の製造方法は、ブランクマスクを洗浄液で洗浄する洗浄ステップ;を含むことができる。
成膜ステップは、光透過性基板上に第1遮光層を成膜する第1遮光層成膜過程と;前記第1遮光層上に第2遮光層を成膜する第2遮光層成膜過程と;を含む。
準備ステップにおいて、遮光膜の組成を考慮して、遮光膜の成膜に適用されるターゲットを選択することができる。スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する一つのターゲットを適用してもよい。スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する一つのターゲットを含めて2以上のターゲットを適用してもよい。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を90at%以上含むことができる。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を95at%以上含むことができる。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を99at%含むことができる。
遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。遷移金属はCrを含むことができる。
スパッタリングチャンバ内に配置される光透過性基板10については、上述した内容と重複するので省略する。
遮光膜20の成膜ステップにおいて、遮光膜20に含まれた各層別の成膜時に成膜工程の条件を異なって適用することができる。特に、遮光膜20の表面粗さ特性、消光特性及びエッチング特性などを考慮して、雰囲気ガスの組成、チャンバ内の圧力、スパッタリングターゲットに加える電力、成膜時間、基板の回転速度などの条件を各層別に異なって適用することができる。
雰囲気ガスは、不活性ガス、反応性ガス及びスパッタリングガスを含むことができる。不活性ガスは、遮光膜を構成する元素を含まないガスである。反応性ガスは、遮光膜を構成する元素を含むガスである。スパッタリングガスは、プラズマ雰囲気でイオン化してターゲットと衝突するガスである。不活性ガスはヘリウムを含むことができる。反応性ガスは、窒素を含むガスを含むことができる。前記窒素を含むガスは、例示的にN、NO、NO、NO、N、N、Nなどであってもよい。反応性ガスは、酸素を含むガスを含むことができる。前記酸素を含むガスは、例示的にO、COなどであってもよい。反応性ガスは、窒素を含むガス及び酸素を含むガスを含むことができる。前記反応性ガスは、窒素と酸素をいずれも含むガスを含むことができる。前記窒素と酸素をいずれも含むガスは、例示的にNO、NO、NO、N、N、Nなどであってもよい。
スパッタリングガスは、アルゴン(Ar)ガスであってもよい。
スパッタリングターゲットに電力を加える電源は、DC電源を使用してもよく、またはRF電源を使用してもよい。
第1遮光層の成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5~2.5kWとして適用してもよい。前記電力を1.6~2kWとして適用してもよい。
第1遮光層の成膜過程において、雰囲気ガスの不活性気体の流量に対する反応性気体の流量の比率は1.5~3であってもよい。前記流量の比率は1.8~2.7であってもよい。前記流量の比率は2~2.5であってもよい。
反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の比率は1.5~4であってもよい。反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の比率は2~3であってもよい。反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の比率は2.2~2.7であってもよい。
このような場合、第1遮光層は、遮光膜が十分な消光特性を有することを助けることができる。また、第1遮光層のエッチング特性を制御することで、パターニングされた遮光膜の側面が光透過性基板から垂直に近い形状に形成されるように助けることができる。
第1遮光層の成膜過程は200~300秒間行ってもよい。第1遮光層の成膜過程は210~240秒間行ってもよい。このような場合、第1遮光層は、遮光膜が十分な消光特性を有するように助けることができる。
第2遮光層の成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を1~2kWとして適用してもよい。前記電力を1.2~1.7kWとして適用してもよい。このような場合、遮光膜のレジストパターンの付着性及び除去の利便性を向上させるのに寄与することができる。
第2遮光層の成膜過程において、雰囲気ガスの不活性気体の流量に対する反応性気体の流量の比率は0.3~0.8であってもよい。前記流量の比率は0.4~0.6であってもよい。
第2遮光層の成膜過程において、反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の比率は0.3以下であってもよい。前記比率は0.1以下であってもよい。前記比率は0.001以上であってもよい。
このような場合、第2遮光層の表面上に位置したレジストパターンの形状が安定的に維持され得る。また、第2遮光層から残留物なしにレジストパターンを容易に除去するように助けることができる。第2遮光層のエッチング速度は第1遮光層と比較して相対的に低い値を有するようになり、パターニングされた遮光膜の側面が光透過性基板から相対的に垂直に近い形状を有することができる。
第2遮光層の成膜時間は10~30秒間行ってもよい。第2遮光層の成膜時間は15~25秒間行ってもよい。このような場合、遮光パターン膜の側面が鉛直プロファイル(vertical profile)に近い形状を有するように助けることができる。
熱処理ステップにおいて、熱処理前の基板を熱処理して冷却処理前の基板を形成することができる。具体的には、熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した後、熱処理を行うことができる。
熱処理ステップにおいて、雰囲気温度は150~330℃であってもよい。前記雰囲気温度は170~280℃であってもよい。前記雰囲気温度は200~250℃であってもよい。このような場合、遮光膜の表面の表面粗さ特性を予め設定した範囲内に制御するのを助けることができ、遮光膜20内の粒子の過度の成長を実質的に抑制することができる。
熱処理ステップにおいて、熱処理時間は5~30分であってもよい。前記熱処理時間は10~20分であってもよい。このような場合、熱処理ステップは、遮光膜の表面粗さ特性を適切な範囲に制御することができる。
熱処理ステップは1回行われてもよい。熱処理ステップは2回以上行われてもよい。
熱処理を行った遮光膜に熱処理を再度行う場合、雰囲気温度は80~250℃であってもよい。前記雰囲気温度は100~200℃であってもよい。このような場合、熱処理を再度行うことによる遮光膜内の粒子の過度の成長を効果的に抑制すると共に、遮光膜が優れたレジスト付着性及び除去容易性を有するようにすることができる。
安定化ステップにおいて、冷却処理前の基板を安定化させることができる。冷却処理前の基板を直ぐに冷却させる場合、急激な温度変化により、前記基板に相当の損傷(damage)が加えられることがある。これを防止するために、安定化ステップが必要となり得る。
冷却処理前の基板を安定化させる方法は様々であり得る。一例として、冷却処理前の基板を熱処理チャンバから取り出して大気中に所定時間放置してもよい。他の一例として、冷却処理前の基板を熱処理チャンバから取り出して30~50℃で1~5分間安定化させてもよい。このとき、冷却処理前の基板を20~50rpmで1~5分間回転させることができる。更に他の一例として、冷却処理前の基板にブランクマスクと反応しない気体を5~10L/minの流量で1~5分間噴射してもよい。このとき、ブランクマスクと反応しない気体は、20~40℃の温度を有することができる。
冷却ステップにおいて、冷却処理前の基板を冷却してブランクマスクを製造することができる。冷却ステップにおいて、冷却処理前の基板を水冷方式で冷却させることができる。具体的には、光透過性基板側の表面と遮光膜側の表面に冷却水を直接噴射して冷却させることができる。遮光膜側の表面に冷却水を直接噴射する方式で冷却ステップを行う場合、空冷方式と比較して遮光膜の表面のRsk値がさらに高い値を有し、Rku値がさらに低い値を有することが実験的に確認された。これは、加熱された遮光膜の表面に加えられる急激な温度変化、及び冷却水が遮光膜の表面に物理的に加える摩擦が、遮光膜の表面の粗さ特性、特にピーク/バレー分布及びピークの尖度などに有効な影響を及ぼすためであると考えられる。
冷却ステップに適用される冷却水の温度は10~30℃であってもよい。このような場合、遮光膜の表面の微細凹凸の歪度及び尖度などの粗さ特性などを効果的に制御することができる。
冷却水は、遮光膜の化学的変性を誘発しない流体であってもよい。冷却水はHOであってもよい。
冷却水を噴射するノズルは、遮光膜の表面上に1つ以上設置されてもよい。冷却水を噴射するノズルは、遮光膜の表面及び基板の表面上にそれぞれ1つ以上設置されてもよい。
ブランクマスクの一表面上に2つ以上のノズルを設置する場合、一表面上で観察する際、前記ノズル間に形成される角度は60°以上であってもよい。一例として、前記ノズル間に形成される角度は90°であってもよい。
ノズルは、遮光膜の表面から5~20mm離隔した位置に設置されてもよい。ノズルは、遮光膜の表面及び基板の表面から5~20mm離隔した位置に設置されてもよい。
ノズルは、遮光膜側の表面と30~75°をなす角度で設置されてもよい。ノズルは、遮光膜側の表面と45~60°をなす角度で設置されてもよい。ノズルは、基板の表面と30~75°をなす角度で設置されてもよい。ノズルは、基板の表面と45~60°をなす角度で設置されてもよい。ノズルは、冷却対象であるブランクマスクの中心から離隔した位置に向かうように設置され得る。一例として、ノズルは、冷却対象であるブランクマスクの中心から約10mm離隔した位置に向かうように設置されてもよい。このような場合、冷却水の噴射による遮光膜の損傷を最小化すると共に、遮光膜の表面粗さ特性などを効果的に制御することができる。
遮光膜側の表面及び光透過性基板側の表面上にノズルの配置を完了した後、前記ノズルを介して冷却水を直接噴射することによって、遮光膜の表面の粗さ特性などを制御することができる。
遮光膜の表面側に噴射される冷却水の総流量は0.5~1.5L/minであってもよい。前記冷却水の総流量は0.8~1.2L/minであってもよい。このような場合、ブランクマスクにダメージを与えないながらも、遮光膜の表面の尖度及び歪度などを実質的に制御することができる。
光透過性基板の表面側に噴射される冷却水の総流量は0.5~1.5L/minであってもよい。前記冷却水の総流量は0.8~1.2L/minであってもよい。このような場合、ブランクマスクの厚さ方向への温度分布を相対的に均一に制御することができる。
冷却時間は2~15分であってもよい。冷却時間は3~10分であってもよい。このような場合、遮光膜の表面上に形成されたレジストパターンが安定的に維持され、レジストパターンを残留物なしに除去するのに寄与することができる。
冷却水を介した冷却ステップを終えた後、ブランクマスクを回転させることによって、ブランクマスクの表面上に存在する冷却水を除去することができる。具体的には、1000~2000rpmで30~60秒間回転させた後、10~60秒間一定の加速度で減速してブランクマスクの回転を停止させることができる。
洗浄ステップにおいて、洗浄液でブランクマスクを洗浄することができる。洗浄ステップを通じて、遮光膜の表面上の残余物を除去することができる。洗浄ステップは、ブランクマスクに洗浄液を噴射する洗浄液噴射過程と、リンス液を介してブランクマスクの表面に存在する洗浄液を除去するリンス過程とを含む。
洗浄液噴射過程において、洗浄液は、例示的にSC-1(standard clean-1)溶液を適用できる。SC-1溶液は、アンモニア水、過酸化水素及び水の混合溶液である。SC-1溶液は、アンモニア水を10~20重量部、過酸化水素を10~20重量部、水を60~80重量部含むことができる。洗浄液噴射過程は60秒~600秒間行われてもよい。
リンス過程において、リンス液を介して、ブランクマスクの表面上に存在する洗浄液を除去することができる。リンス液は、例示的にオゾン水が適用されてもよい。
前記のような製造方法により製造されたブランクマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光膜とを含む。
遮光膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含む。
遮光膜の表面の式1のMtr値が6以下である。
遮光膜は、冷却水を遮光膜の表面に直接噴射して冷却処理したものである。
前記ブランクマスクについての説明は、上述した内容と重複するので省略する。
以下、具体的な実施例についてより詳細に説明する。
製造例:遮光膜の成膜
比較例1:DCスパッタリング装備のチャンバ内に、横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチの石英素材の光透過性基板を配置した。T/S距離が255mm、基板とターゲットとの間の角度が25°をなすようにクロムターゲットをチャンバ内に配置した。
以降、Ar19体積比%、N11体積比%、CO36体積比%及びHe34体積比%が混合された雰囲気ガスをチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kWとして適用して、230~330秒間スパッタリング工程を行って第1遮光層を成膜した。
第1遮光層の成膜を終えた後、Ar57体積比%とN43体積比%が混合された雰囲気ガスをチャンバ内に導入し、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kWとして適用して第2遮光層を成膜して試験片を製造した。
実施例1:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を250℃として適用して15分間熱処理を行って、冷却処理前の基板を製造した。冷却処理前の基板を熱処理チャンバから取り出し、40℃の雰囲気で30rpmで2分間回転させることによって安定化させた。安定化ステップを終えた冷却処理前の基板を水冷方式で冷却処理した。具体的には、安定化ステップを終えた冷却処理前の基板の遮光膜側にノズルを1つ設置し、基板側にノズルを2つ設置した。具体的には、ノズルと遮光膜の表面との間の角度が60°をなし、ノズルの方向が冷却処理前の基板の中心から約10mm離隔した位置に向かうように1つのノズルを設置した。また、ノズルと光透過性基板の表面との間の角度が60°をなし、前記光透過性基板の上面で観察する際、ノズルとノズルとの間の角度が90°をなし、冷却処理前の基板の中心から約10mm離隔した位置に向かうように2つのノズルを設置した。
以降、前記ノズルを介して、冷却水を冷却処理前の基板に5分間直接噴射して冷却処理を行って、ブランクマスク試験片を製造した。遮光膜上に位置したノズルの冷却水の噴射量は1.1L/min、基板上に位置したそれぞれのノズルの冷却水の噴射量は0.55L/minに設定した。前記冷却水は、25℃のHOを適用した。
冷却処理を終えたブランクマスク試験片を、1500rpmで40秒間回転させた後、15秒間一定に減速して停止させた。
実施例2:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を200℃として適用して15分間熱処理を行って冷却処理前の基板を製造した。熱処理を終えた冷却処理前の基板を、実施例1と同じ件で安定化させた。安定化ステップを経た冷却処理前の基板を、水冷方式で冷却処理した。冷却処理の条件は、20℃のHOを冷却水として適用した以外は、実施例1と同様である。
実施例3:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を250℃として適用して15分間1次熱処理を行った。1次熱処理を終えた後、雰囲気温度を150℃として適用して15分間2次熱処理を行って冷却処理前の基板を製造した。2次熱処理を終えた冷却処理前の基板を、実施例1と同じ条件で安定化させた。安定化ステップを終えた冷却処理前の基板を、水冷方式で冷却処理した。冷却処理の条件は、実施例1と同様である。
実施例4:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を250℃として適用して15分間熱処理を行って冷却処理前の基板を製造した。熱処理を終えた冷却処理前の基板を実施例1と同じ条件で安定化させた。安定化ステップを経た冷却処理前の基板を水冷方式で冷却処理してブランクマスク試験片を製造した。冷却処理の条件は、20℃のHOを冷却水として適用した以外は、実施例1と同様である。
比較例2:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を250℃として適用して10分間熱処理を行って冷却処理前の基板を製造した。熱処理を終えた冷却処理前の基板を熱処理チャンバから取り出し、40℃の雰囲気で30rpmで2分間回転させることによって安定化させた。安定化ステップを経た冷却処理前の基板を、25℃の雰囲気温度で5分間、空冷方式で冷却処理して、ブランクマスク試験片を製造した。冷却処理に適用された気体はエアー(Air)である。
比較例3:比較例1と同じ条件で熱処理前の基板を製造した後、前記熱処理前の基板を熱処理チャンバ内に配置した。以降、雰囲気温度を250℃として適用して15分間1次熱処理を行った。1次熱処理を終えた後、雰囲気温度を350℃として適用して15分間2次熱処理を行って冷却処理前の基板を製造した。2次熱処理を終えた冷却処理前の基板を、実施例1と同じ条件で安定化させた。安定化ステップを経た冷却処理前の基板に対して比較例2と同じ冷却処理の条件で冷却処理して、ブランクマスク試験片を製造した。
実施例及び比較例別の熱処理及び冷却条件について、下記の表1に記載した。
評価例:表面粗さの測定
実施例1~4及び比較例1~3の遮光膜の表面のRsk値及びRku値をISO_4287に準拠して測定し、前記Rsk値及びRku値からMtr値を算出した。
具体的には、遮光膜の中心部の横1μm、縦1μmの領域から、探針としてPark System社のカンチレバー(Cantilever)モデルであるPPP-NCHRを適用したPark System社のXE-150モデルを用いて、スキャン速度0.5Hz、非接触モード(Non-contact mode)でRsk値及びRku値を測定した。
以降、実施例及び比較例別に測定されたRsk値及びRku値からMtr値を算出した。
実施例及び比較例別の測定結果は、下記の表2に記載した。
評価例:レジストの残留量の測定
実施例及び比較例別に、遮光膜上にレジスト膜を形成する前のブランクマスクの重量であるDo値を測定した。
以降、実施例及び比較例別に、遮光膜上にスピンコーティング方式を適用してレジスト液を噴射及び塗布した。以降、塗布されたレジスト液を140℃で620秒間乾燥させて1300Åの厚さのレジスト膜を形成した。
前記レジスト液は、Fuji社のXFP255モデルを適用した。
前記レジスト膜を除去した後のブランクマスクの重量であるDs値を測定した。前記レジスト膜は、硫酸と過酸化水素水の混合溶液であるペルオキシ一硫酸水溶液にディッピングして除去した。
実施例及び比較例別にDs及びDo値からDw値を算出した。
実施例及び比較例別の測定結果は、下記の表2に記載した。
前記表2において、実施例1~4のMtr値は6以下を示す一方、比較例1~3は7以上のMtr値を示した。
Dw値において、実施例1~4は0.01%以下の値を示す一方、比較例1~3は0.01%超の値を示した。
以上、好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している具現例の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
100 ブランクマスク
10 光透過性基板
20 遮光膜
21 第1遮光層
22 第2遮光層
25 遮光パターン膜
30 位相反転膜
40 レジスト膜
200 フォトマスク
A フォトマスクの遮光膜パターンにおいてRsk値及びRku値の測定が可能な領域

Claims (8)

  1. 光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光膜とを含み、
    前記遮光膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含み、
    前記遮光膜の表面の下記式1のMtr値が6以下であり、
    前記遮光膜の表面のRsk値は、1以下である、ブランクマスク。
    [式1]
    Mtr=|Rsk|×Rku
    前記式1において、
    前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
  2. 前記Rsk値は0.1以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
  3. 前記Rsk値は-1以上である、請求項1に記載のブランクマスク。
  4. 前記Rku値は6以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
  5. 前記遮光膜の下記式2のDw値が0.01%以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
    [式2]
    前記式2において、
    前記Dsは、前記遮光膜上にレジスト膜を1300Åの厚さで塗布及び乾燥した後、除去した後に測定したブランクマスクの重量であり、
    前記Doは、前記遮光膜上にレジスト膜を塗布する前に測定したブランクマスクの重量である。
  6. 前記遮光膜は、第1遮光層と、前記第1遮光層上に位置する第2遮光層とを含み、
    前記第2遮光層の前記窒素含量と前記酸素含量を合わせた値は10~35原子%である、請求項1に記載のブランクマスク。
  7. 前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti及びHfのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のブランクマスク。
  8. 光透過性基板と、前記光透過性基板上に位置する遮光パターン膜とを含み、
    前記遮光パターン膜は、遷移金属と、酸素及び窒素のうちの少なくともいずれか1つとを含み、
    前記遮光パターン膜の上面の下記式1のMtr値が6以下であり、
    前記遮光膜の表面のRsk値は、1以下である、フォトマスク。
    [式1]
    Mtr=|Rsk|×Rku
    前記式1において、
    前記|Rsk|は、Rsk値の絶対値である。
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