JP2024027541A - コンクリートスラブの配筋構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄筋枠の組付固定が容易で重ね継手部分の重なり面積を必要最小限にできるコンクリートスラブの配筋構造を提供する【解決手段】この発明のスラブ配筋構造は、多数の横筋と縦筋からなる鉄筋を升目状に交差させて固着してなる複数の筋枠の端部同士を所定の重ね長さを付与して重ね継手を構成した配筋構造であって、各筋枠の接合端において隣接し合う第1鉄筋と第2鉄筋との配筋ピッチを第2鉄筋と隣接する第3鉄筋との配筋ピッチ以下に設定している。上記第1鉄筋と第2鉄筋との配筋ピッチを第2鉄筋と第3鉄筋との配筋ピッチの約1/2に設定した。【選択図】図1
Description
この発明はコンクリートスラブの配筋構造に関する。
従来CDメッシュを含む溶接金網(ワイヤーメッシュ)の重ね継手や定着の方法としては、特許文献1~3に示すものが公知である。
このうち特許文献1は溶接金網の接合端に突出する鉄筋を上向きに傾斜させて上面側でバーサポートとして利用するもので、同文献2は隣接する接合金網間に別体の接合用定着ユニットを介挿して接合するものである。
また特許文献3は、方向性の異なる縦筋枠と横筋枠を交差させて重ね継手を構成したもので、同一構造の複数の溶接金網を同方向に並べて重ね継手を構成するものではない。
これらに対し、現在の溶接金網の標準的な重ね継手としては、図2(A)に示すように縦横の鉄筋31b,31aを編成した同一構造の筋枠(溶接金網)32の接合端を上下に重ね合わせて同図(B)に示すように重ね継手33を形成して接合している。この重ね継手33では、同図(C)に示す上下の接合端の鉄筋32a(ここでは横筋)間の重ね長さLが横筋のピッチ+50mmで且つ150mm以上確保されることを強度確保上求められる。
しかし上記特許文献1の方法では上述した重ね継手の重ね長さが確保できず、同文献2の方法では、重ね継手部分に別部品である定着ユニットを必要とするのでコスト高になる他、固定箇所も多くなり定着ユニットの組付け及び固定にも余分な労力を必要とするという欠点がある。
また図2に示す従来の標準的な重ね継手において各筋枠の升目の標準的な配筋ピッチ(標準配筋ピッチ)が100mmを越えたものでは、上述した必要な重ね長さを確保するために必要長さ以上の重ね長さが必要となるとともに、より高い強度が求められる重ね継手部分の横筋数が少なくなるという欠点がある。
さらに図2(C)に示す配筋構造では、重ね継手部分の上下の筋枠の横筋同士の配筋位置がずれているため、上下の筋枠同士の固定に多大な労力や熟練した技術を必要とする欠点がある。
上記課題を解決するための本発明の配筋構造は、第1に多数の横筋1a,1a´と縦筋1bからなる鉄筋を升目状に交差させて固着してなる複数の筋枠2A,2Bの端部同士を所定の重ね長さLを付与して重ね継手3を構成した配筋構造であって、各筋枠2A,2Bの接合端において隣接し合う第1鉄筋1a´と第2鉄筋1aとの配筋ピッチP2を第2鉄筋1aと隣接する第3鉄筋1aとの配筋ピッチP1以下に設定したことを特徴としている。
第2に、第1鉄筋1a´と第2鉄筋1aとの配筋ピッチP2を第2鉄筋1aと第3鉄筋1aとの配筋ピッチP1の約1/2に設定したことを特徴としている。
第3に、互いに重ね合わされる各筋枠2A,2Bの同一方向の鉄筋1a,1a´が配筋される配筋面同士が互いに重なり合う配置で筋枠2A,2Bを重ね合わせたことを特徴としている。
第4に、重ね合わされる一対の各筋枠2A,2Bの第3鉄筋1aと第1鉄筋1a´とが上下又は左右に互いに近接して重なり合う位置に配筋されることを特徴としている。
上記のように構成される本発明の配筋構造によれば、筋枠の重ね継手の重ね長さを必要最小限に確保することにより、筋枠同士の重ね幅を必要以上に広く取る必要がなく且つ重ね継手部分の配筋数をより十分に確保できる他、重ね合わせる筋枠同士の固定作業を容易且つ確実にできる利点がある。
図1(A),(B)は長手方向の縦筋1bと、これと直交する横筋1aとを升目状のメッシュを形成するように編成した左右の同一形状の長方形の溶接金網(筋枠)2A,2Bの平面図と、両筋枠2A,2Bを重ね継手3によって接合固定したスラブ鉄筋の側面図を示している。図(A)中の左右の筋枠2A,2Bの重ね継手部分を識別し易くするため、右側筋枠2Bは仮想線で示しており、左右いずれの筋枠も図2に示すものと規格、サイズ共に同一のものを示している。
各筋枠2A,2Bの縦筋1b,横筋1aは基本的にそれぞれ規格に即した標準的な配筋ピッチ(標準配筋ピッチ:本例では100mmを想定)P1で配筋されている。しかし重ね継手3において重ね合わされる両筋枠2A,2Bの端部では、重ね合わせ端(接合端)の最初の横筋(第1鉄筋)1a´とその内側に隣接する横筋(第2鉄筋)1aとの間隔(ピッチ)P2は標準配筋ピッチP1より小さく(この例では約1/2以下に)設定されている。
尚、筋枠2A,2Bに単一の標準ピッチP1が設定されていない場合は、第1鉄筋1a´と第2鉄筋1a間の間隔P2は、第2鉄筋1aと隣接する接合端より3番目の鉄筋(第3鉄筋)1aとの間隔P1を基準としてその約1/2に設定される。
上記のように配筋された左右の筋枠2A,2Bは図1(A),(B)に示されるように、所定の重ね長さLを付与又は確保すべく上下に重ねられ、近接し合う互いの第1鉄筋1a´と第3鉄筋1aとが固着され、重ね継手3を形成する。
このうち同図(B)に示される例では、両筋枠2A,2Bの横筋取付面側が互いに上下に重なり合うように上下逆向きに重ね合わされ、互いに左右方向に隣接し合う第1鉄筋1a´と第3鉄筋1aとが近接して重なり合うように接合されている。
これに対し、同図(C)に示す例では、左右の筋枠2A,2Bが上下同方向に重ねられ、一方の横筋1a,1a´が他方の縦筋1bに押接されるとともに、互いの第1鉄筋1a´と第2鉄筋及び第3鉄筋1a同士が左右同位置で上下に重なり合うように近接配筋されて固定される構造になっている。
このように互いの横筋1a´,1aを左右又は上下に近接させることにより、左右の筋枠2A,2Bを一体固定する際の固定作業の容易化が図られ且つ確実強固に固定できる利点がある。
また上記機構により、重ね継手3内における相互の第1鉄筋間の距離(重ね長さ)L内における横筋配筋数がより多く確保され且つ規格に対して筋枠2A,2Bの余分な重ね面積を必要とせず、その分筋枠の節約ができる利点がある。
尚、図示する例では標準配筋ピッチが100mmの場合を想定して配筋しているが、標準配筋ピッチによって第1鉄筋1a´と第2鉄筋1a間の間隔は目的に応じて最適なピッチの選択が可能である。
またこの例では、重ね継手3内の配筋バランスを考慮すると接合端の配筋ピッチP2は標準配筋ピッチP1の約1/2とすることが望ましいが、必ずしも厳格に1/2である必要はなく、例えば僅かに1/2より増減し又は1/3,1/4等の選択も可能である。
1a 横筋(第2鉄筋,第3鉄筋)
1a´ 横筋(第1鉄筋)
1b 縦筋
2A,2B 左右各側の筋枠
3 重ね継手
L 重ね長さ
P1 標準配筋ピッチ
P2 第1鉄筋,第2鉄筋間の配筋ピッチ
1a´ 横筋(第1鉄筋)
1b 縦筋
2A,2B 左右各側の筋枠
3 重ね継手
L 重ね長さ
P1 標準配筋ピッチ
P2 第1鉄筋,第2鉄筋間の配筋ピッチ
Claims (4)
- 多数の横筋(1a),(1a´)と縦筋(1b)からなる鉄筋を升目状に交差させて固着してなる複数の筋枠(2A),(2B)の端部同士を所定の重ね長さ(L)を付与して重ね継手(3)を構成した配筋構造であって、各筋枠(2A),(2B)の接合端において隣接し合う第1鉄筋(1a´)と第2鉄筋(1a)との配筋ピッチ(P2)を第2鉄筋(1a)と隣接する第3鉄筋(1a)との配筋ピッチ(P1)以下に設定したコンクリートスラブの配筋構造。
- 第1鉄筋(1a´)と第2鉄筋(1a)との配筋ピッチ(P2)を第2鉄筋(1a)と第3鉄筋(1a)との配筋ピッチ(P1)の約1/2に設定した請求項1に記載のコンクリートスラブの配筋構造。
- 互いに重ね合わされる各筋枠(2A),(2B)の同一方向の鉄筋(1a),(1a´)が配筋される配筋面同士が互いに重なり合う配置で筋枠(2A),(2B)を重ね合わせた請求項1に記載のコンクリートスラブの配筋構造。
- 重ね合わされる一対の各筋枠(2A),(2B)の第3鉄筋(1a)と第1鉄筋(1a´)とが上下又は左右に互いに近接して重なり合う位置に配筋される請求項1~3のいずれかに記載のコンクリートスラブの配筋構造。
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JP2022130424A JP2024027541A (ja) | 2022-08-18 | 2022-08-18 | コンクリートスラブの配筋構造 |
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