JP2810937B2 - 布基礎配筋の布筋枠配筋方法 - Google Patents

布基礎配筋の布筋枠配筋方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、建築物基礎に用いる布基礎配筋の配筋方
法に関する。
[従来の技術] 従来、建築物基礎、特に低層住宅用の基礎に用いる布
基礎の配筋工事は、布基礎の直線部分に用いる鉄筋枠を
所定のユニット毎に工場で製作してから工事現場に搬入
し、それぞれのユニットを配設及び接合していた。
従って、直線部分以外の配筋、例えば基礎のコーナー
を形成する隅角部の配筋は、それぞれの工事現場に合わ
せて現場で配筋作業を行なう必要があった。
この従来の布基礎の隅角部における配筋を図面を用い
て説明する。第6図は従来の布基礎の隅角部における配
筋の斜視図を示す。布基礎の配筋は主として底版に配設
されるベース筋枠21と、この底版より立ち上がる基礎梁
部に配設する布筋枠22とから構成される。ベース筋枠21
は底版の両側部に配筋される側筋23と、この側筋23に直
交して配筋されるベース筋24とから構成されている。こ
のベース枠筋21は工事現場に搬入しやすい直線状のユニ
ットに分割されており、工事現場にて、その現場の布基
礎の形状に即して配筋し接合する。また、布筋枠22は基
礎梁軸方向に配筋する水平筋25と、これに直交して配筋
される縦筋26とから構成される。布基礎の隅角部では布
筋枠22のユニット同士を隅角部の交点で接合するように
配筋する。そして、この相互の布筋枠の接合には、隅角
部の形状に折曲げたコーナー筋27を用い、細いなまし鉄
線28に束ねて結束して接続している。
[発明が解決しようとする課題] 前述したように、この従来の布筋枠22の隅角部の配筋
では、水平筋25が双方のユニットにおいて、その端部で
切断されている。
このため、布筋枠22を接合するためには、いずれのユ
ニットもコーナー筋27と水平筋25とを重ねてなまし鉄線
28により接合する必要がある。この重ね継手に要する鉄
筋重量は、隅角部の数が多いとかなり大きなものとな
る。
また、隅角部においては、双方の布筋枠22を立ち上げ
た後に、改めてコーナー筋27を重ね継手により接合しな
げればならないため、直線部の接続に比べ工程も余分に
要する。
この発明は布基礎配筋の布筋枠配筋方法が有する上記
の欠点を解決するためのものであり、布筋枠を改良する
ことで、コーナー筋に要する鉄筋の数量を削減するこ
と、またコーナー筋の施工に要する手間を削減すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、この発明の布基礎配筋の
布筋枠配筋方法は、縦筋に直交して交差する水平筋の少
なくとも一方の端部が前記縦筋との交差部より延長され
ており、前記交差部において布筋枠の形成する平面に対
し布筋枠の継手方向に折曲げられている継手用水平筋を
有する布筋枠を、前記継手用水平筋を用いて他の布筋枠
の端部に重ねて継手により接合することを特徴としてい
る。
[作用] この発明では、水平筋の少なくとも一方の端部が縦筋
との交差部より延長されており、交差部において布筋枠
の形成する平面に対し布筋枠の継手方向に折曲げられて
いる継手用水平筋を有する布筋枠を用い、布基礎の隅角
部において他の布筋枠に接合する際、継手用水平筋を、
他の布筋枠の水平筋に重ね継手により接合する。
[実施例] 次に、この発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図は布筋枠配筋方法に用いる布筋枠の斜視図、第
2図は布基礎構築鉄筋枠の断面図、第3図は布筋枠の隅
角部における配筋方法を示す斜視図である。
第1図において布筋枠1は、水平方向に配置された3
本の水平筋2に対し、この水平筋2に直交するように縦
方向に配置された縦筋3を所定間隔で配置し、両者の交
差部を溶接して固定して予めネット状にしている。な
お、この実施例では水平筋2が3本となっているが、こ
れに限定されるものではなく、また交差部の固定方法は
溶接としているが、これに限定されるものではなく他の
固定方法でもよい。
水平筋2は布筋枠1の端部4において、縦筋3との交
差部で、予め直角に折曲げられて継手用水平筋5を形成
する。この継手用水平筋5の長さLは重ね継手に必要な
長さがあればよい。なお、この実施例では継手用水平筋
5は直角に折曲げてあるが、隅角部の形状によりその角
度は自在に変更できる。
次に、この布筋枠1を利用して重ね継手により他の布
筋枠と接合するときの配筋を、第2図及び第3図に基づ
き説明する。
一般的に布基礎の配筋を行なうには、第2図に示すよ
うに先ず布基礎設置するための溝30を掘削し、溝底部に
砕石31を敷き、均しコンクリート32を打設した後、ベー
ス筋枠6を配置する。このベース筋枠6は布基礎の底版
33の両側部に配筋される側筋7と、この側筋7に直交し
て配筋されるベース筋8から構成されている。このベー
ス筋枠6から布筋枠1を立上げ、両者の鉄筋の交差部を
鉄線により緊結するか、または連結金具を用いて固定す
る。
布基礎の隅角部における配筋は、第3図に示すように
2つの布筋枠1を隅角部の交点で接合するように配筋す
る。この場合、一方の布筋枠1は端部に継手用水平筋5
を有するものを使用し、他方の布筋枠1は水平筋2が端
部で切断されているものを使用する。この継手用水平筋
5を他方の布筋枠1の水平筋2に重ね、継手金具9を用
いて接合する。なお、布枠筋1の継手用水平筋5を他方
の布筋枠1の水平筋2の接続は、継手金具9を用いない
で、鉄線により緊結を行なってもよい。
このように、布基礎の隅角部において、その端部に継
手用水平筋5を有する布筋枠1お用いて配筋すること
で、従来のように別のコーナー筋を用いなくとも、他の
布筋枠1と重ね継手により接合することができる。
従って、鉄筋重量の削減が図れるとともに、布筋枠1
の立ち上げて同時に隅角部の施工ができるため、工程の
短縮にも寄与できる。
次に、重ね継手の接合部の詳細を第4図及び第5図に
より説明する。第4図は継手金具の断面図、第5図は継
手金具の平面図である。
それぞれの布筋枠1は異形鉄筋で構成されており、継
手金具9布筋枠1の継手用水平筋5や他方の布筋枠1の
水平筋2の径よりも若干大きめの内径を有する円筒形の
金具である。この継手金具9は円筒形状の金具90が2つ
互いに固着されて構成され、鉄筋を挿入する端部90aが
開いている。さらに、それぞれの金具90の円筒形状の曲
面上には異形鉄筋の筋5a,2aにより形成される溝部分5b,
2bの形状に嵌合するような凹部90bが形成されている。
重ね継手による接合時には、この継手金具9の開放さ
れた端部90aから布筋枠1の継手用水平筋5や他方の布
筋枠1の水平筋2を異形鉄筋を挿入し、それぞれの金具
90の凹部90bと異形鉄筋の節5a,2aによる溝部分5b,2bが
嵌合するように合わせて使用する。
このように、布筋枠1の継手用水平筋5や他方の布筋
枠1の水平筋2が、継手金具9を用いてワンタッチで接
合され、継手作業の簡略化を図ることができる。
また、異形鉄筋の節と節で形成される溝部分に嵌合す
る凹部を有する継手金具9を使用することで、簡単な構
造で継手のズレをなくすことができる。
なお、この実施例の継手金具9は円筒形状の金具90が
2つ互いに固着されて構成されているものであるが、重
ね継手に使用する2本の異形鉄筋の溝部分に、それぞれ
嵌合する凹部が形成されているものであれば、円筒形状
でなくともよく、また一体に形成されたものでもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明は布基礎の隅角部にお
いて、その端部に継手用水平筋を有する布筋枠を用いて
配筋するから、従来のように別のコーナー筋を用いなく
とも、他の布筋枠と重ね継手により接合することおがで
きる。従って、鉄筋重量の削減が図れるとともに、布筋
枠の立ち上げと同時に隅角部の施工ができるため、工程
の短縮にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は布筋枠配筋方法に用いる布筋枠の斜視図、第2
図は布基礎構築鉄筋枠の断面図、第3図は布筋枠の隅角
部における配筋方法を示す斜視図、第4図は継手金具の
断面図、第5図は継手金具の平面図、第6図は従来の布
基礎の隅角部における配筋の斜視図である。 図中符号1は布筋枠、2は水平筋、5は継手用水平筋、
9は継手金具である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦筋に直交して交差する水平筋の少なくと
    も一方の端部が前記縦筋との交差部より延長されてお
    り、前記交差部において布筋枠の形成する平面に対し布
    筋枠の継手方向に折曲げられている継手用水平筋を有す
    る布筋枠を、前記継手用水平筋を用いて他の布筋枠の端
    部に重ねて継手により接合することを特徴とする布基礎
    配筋の布筋枠配筋方法。
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