JP2024011775A - 出没式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】より安価に製造可能な出没式筆記具を提供する。【解決手段】軸筒2と筆記体と操作部6を有する出没式筆記具において、回転子5は、軸筒2の内部空間に前側から挿入可能であり、回転子前側部60が軸筒2の内部空間に収容された状態で後方に移動することで回転子側係合部85と軸筒側係合部22が係合し、回転子5のさらなる後方への移動が阻止されるものとする。操作部6の第一筒部101は、前側部分の一部が軸筒2の内部空間に後側から挿入され、且つ、回転子5の延設部に嵌合されており、筆記状態と退入状態の切り替えにおいて、第一筒部101と延設部の嵌合状態を維持したまま回転子5が軸筒2の軸線回りに回転する構造とする。【選択図】図14

Description

本発明は、軸筒の先端部で筆記体が出没する出没式筆記具に関する。
従来、出没式シャープペンシルや出没式ボールペン等の出没式筆記具が知られている。これらの出没式筆記具は、ペン先部分を出没させる出没機構を有しており、人の操作によってペン先部分(筆記体)が出没する。例えば、軸筒の後方側にある操作部を押圧操作することで、ペン先部分が軸筒内部から外部へと移動した状態となり、もう一度操作部を押圧操作することで、ペン先部分が軸筒内部に退入した状態となる、といった具合である。
このような出没式筆記具として、例えば、特許文献1に開示されたノック式筆記具が知られている。
特許文献1に開示されたノック式筆記具は、内筒と、回転子と、ノック部材を有する出没機構を備えている。内筒には、切欠部を有するカム部が形成されており、回転子には、軸方向に延びるカム柱が形成されている。また、内筒が軸筒内の後端部に取り付けられ、内筒のカム部が軸筒の内面に沿うように配されている。そして、ノック部材が押圧されると、内筒のカム部の切欠部にカム柱が収容された筆先収容状態と、切欠部からカム柱が離脱した筆先前進状態とが切り替わり、筆記部材の先端部が軸筒の先端開口から出没する構造となっている。
このノック式筆記具では、内筒の内面及び回転子の外面にカムを設ける必要のない構造とすることで、ノック式筆記具の径を小さくすることを可能としている。
特開2019-155908号公報
しかしながら、上記した従来のノック式筆記具は、部品点数を少なくするという点において改良の余地があった。すなわち、部品点数を少なくし、部品管理や品質検査に係るコストを削減したり、組立工数を削減させて組み立てのための手間や費用を削減したりすることで、より安価に出没式筆記具を提供するという点で改良の余地があった。
そこで本発明は、より安価に製造可能な出没式筆記具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、軸筒と筆記体と操作部を有し、前記操作部を操作することで、前記筆記体の一部が前記軸筒から外部に突出する筆記状態と、前記筆記体の一部が前記軸筒の内部に退入する退入状態が切り替わる出没式筆記具であって、前記軸筒は、内周面に軸筒側係合部が形成され、前記操作部は、第一筒部を有しており、回転子をさらに有し、前記回転子は、回転子前側部と延設部を有しており、前記回転子前側部と前記延設部が一体成形されたものであり、前記回転子前側部に回転子側係合部が設けられ、前記回転子は、前記軸筒の内部空間に前側から挿入可能であり、前記回転子前側部が前記内部空間に収容された状態で後方に移動することで前記回転子側係合部と前記軸筒側係合部が係合し、前記回転子のさらなる後方への移動が阻止されるものであり、前記第一筒部は、前側部分の一部が前記内部空間に後側から挿入され、且つ、前記延設部に嵌合されており、前記筆記状態と前記退入状態の切り替えにおいて、前記第一筒部と前記延設部の嵌合状態を維持したまま前記回転子が前記軸筒の軸線回りに回転することを特徴とする出没式筆記具である。
なお、ここでいう「一体成形」とは、接着剤等による接着や機械的接合を用いずにそれぞれが一つの部材として一体化していることをいう。つまり、別個に作成された部材の接着や接合(二次接着や機械的接合)ではなく、部材の成形時に各部が接合した状態となる加工が施されているものとする。
本様相の出没式筆記具によると、上記したノック式筆記具の内筒のような部材や、回転子と操作部を連結(連系)させるための部材等が必要なく、部品点数の削減を図ることが可能であるので、より安価に製造することが可能となる。また、回転子を軸筒の内部空間に前方から挿入し、操作部の一部である第一筒部を軸筒の内部空間に後方から挿入してこれらを嵌合させることで、出没式筆記具の後方部分の組み立てが可能となるので、組み立て作業が容易である。
好ましい様相は、前記操作部は、前記第一筒部の外側を囲む第二筒部を有しており、前記第一筒部の少なくとも一部と前記第二筒部の少なくとも一部とが二重管構造をなしており、前記第一筒部の外周面と前記第二筒部の内周面の間の隙間部分に前記軸筒の後側部分が挿入されている、ことである。
係る様相によれば、操作部が外れ難い構造とすることができる。
好ましい様相は、前記第一筒部は、前記延設部に対して前記軸筒の軸方向に相対移動が可能であり、前記第一筒部の前記相対移動の移動範囲を規制する移動規制部を有し、前記移動規制部は、前記第一筒部の内周面に設けられた操作側係止部と、前記延設部の外周面に設けられた回転子側係止部によって構成され、前記第一筒部を後方へ移動させることで前記操作側係止部と前記回転子側係止部とが互いに当接し、前記第一筒部のさらなる後方への移動が規制され、前記第一筒部の移動範囲外への移動が規制される、ことである。
係る様相においても、操作部が外れ難い構造とすることができる。
上記した好ましい様相は、操作部付勢部材を有し、前記操作部付勢部材によって前記第一筒部が後方に付勢される、ことがより好ましい。
係る様相によると、操作部の前後方向(軸筒の軸方向)でのがたつきを阻止できる。また、このように操作部付勢部材が第一筒部を後方に付勢する構成としても、上記した移動規制部により、第一筒部を後方に付勢することに起因する操作部の後方側への抜け落ちを防止できる。
上記した好ましい様相は、前記第一筒部に操作側カム部が設けられ、前記回転子に回転側第一カム部が設けられており、前記筆記状態と前記退入状態の切り替えにおいて、前記操作側カム部と前記回転側第一カム部が協働して前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転するものであり、前記軸筒の軸方向における前記操作側カム部の長さをL1とし、前記軸筒の軸方向における前記回転側第一カム部の長さをL2とし、前記第一筒部の前記移動範囲における最大移動距離をLXとしたとき、下記式(1)の関係をみたす、ことがより好ましい。
LX≧(L1+L2)・・・(1)
係る様相によると、筆記状態と前記退入状態の切り替えにおいて、操作部の操作(操作部の軸方向への移動)の円滑化を図ることが可能である。
好ましい様相は、前記軸筒側係合部は、前記軸筒の後端よりも前方の部分から後端までの範囲に形成される、ことである。
係る様相によると、筆記体を出没させる機構を後方側に設けることができるため、この機構の前側に位置する筆記体を収納する部分の長さを長くすることが可能となる。すなわち、より長い筆記体を採用することが可能となる。このため、例えば、筆記体がボールペンリフィルのような塗布液が貯留された構造のものである場合、筆記体を長くしてより多くの塗布液を貯留可能となる(筆記距離を長くすることができる)。
好ましい様相は、前記軸筒側係合部は、複数の突条部と複数の係合溝部を有し、前記突条部と前記係合溝部が前記軸筒の周方向で交互に並んでおり、複数の前記突条部の前側部分に傾斜面部が設けられ、複数の前記傾斜面部によって軸筒側カム部が構成されており、複数の前記係合溝部の一部に長溝部が形成され、複数の前記係合溝部の他の一部に短溝部が形成されており、前記長溝部と前記短溝部は、前記係合溝部において後方側に隣接する部分よりも深く形成された部分であり、前記長溝部の後端部分は、前記短溝部の後端部分よりも後方に位置しており、前記第一筒部に複数の操作側係合部が設けられ、複数の前記操作側係合部と複数の前記係合溝部が係合することで、前記操作部の前記軸筒に対する相対回転が規制されるものであり、前記回転子側係合部の後端部分に回転側第二カム部が設けられており、前記筆記状態と前記退入状態の切り替えでは、前記回転子側係合部と前記係合溝部が係合して前記回転子の前記軸筒に対する相対回転が規制された状態で前記回転子が前方に移動し、前記回転子側係合部と前記係合溝部の係合が解除された状態で、前記軸筒側カム部と前記回転側第二カム部が協働して前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転するものであり、前記筆記状態では、前記回転子側係合部と前記短溝部が係合し、前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転と後方への移動が規制され、前記退入状態では、前記回転子側係合部と前記長溝部が係合し、前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転と後方への移動が規制される、ことである。
係る様相によると、軸筒側係合部が、操作部の軸回りの回転を規制する回り止めの一部として機能し、且つ、回転子が軸方向に移動するときの回り止めの一部として機能し、さらに回転子が軸筒に対して相対回転させるカム機構の一部として機能する。加えて、軸筒側係合部が、筆記状態と退入状態のそれぞれで回転子の位置決めのための部材としても機能する。このことから、出没式筆記具の部品点数を削減する上で好ましい。
上記した好ましい様相は、前記操作部は、前記隙間部分と外部を連通する孔部を有し、前記孔部は、後方からみた平面視で前記軸筒の軸回りに延びる長孔である、ことがさらに好ましい。
係る様相によると、出没式筆記具の安全性を向上させると共に、ノック操作の際に指の腹等が滑り難くなる。
ところで、従来のノック式筆記具には、操作部が軸筒側から外れた際の安全性を向上させるという点、使用者がノック操作の際に不快感(違和感)を感じないようにする点、ノック操作を円滑に実行可能とする点において改良の余地があった。また、これらを解決した上でデザイン性の高いものとするという点において、改良の余地があった。
このような課題を解決する本発明の関連発明の一つの様相は、軸筒と筆記体と操作部を有し、前記操作部を操作することで、前記筆記体の一部が前記軸筒から外部に突出する筆記状態と、前記筆記体の一部が前記軸筒の内部に退入する退入状態が切り替わる出没式筆記具であって、前記操作部は、内外を連通する孔部を有していることを特徴とする出没式筆記具である。
本様相によると、安全性の向上を図ることができる。
好ましくは、前記軸筒の外周面の外側に前記操作部の一部が位置して二重管構造をなしている、ことである。
好ましくは、前記孔部は、後方から見た平面視で前記軸筒の軸回り方向に延びる長孔である、ことである。
好ましくは、前記孔部は、後方から見た平面視において、当該出没式筆記具の中心軸線が通過する位置から所定距離L1以上離れた位置に形成されている、ことである。
なお、「出没式筆記具の中心軸線」とは、一部が出没式筆記具の中心軸と一致する仮想線であり、言い換えると、出没式筆記具の中心軸を長手方向に延設した仮想線(直線)である。
好ましくは、前記操作部が湾曲面部を有し、前記孔部の最も後方側の部分が前記湾曲面部に形成されており、前記湾曲面部は、側面視において、接線と当該出没式筆記具の中心軸線とのなす角が60度以下となる湾曲面である、ことである。
好ましくは、前記孔部は、後方から見た平面視で所定方向に延びる長孔であり、且つ、後方から見た平面視において長手方向と直交する方向で離間対向する内壁部同士の距離を短方向長さとしたとき、前記短方向長さが1mm以下となるように形成される、ことである。
好ましくは、後方から見た平面視で前記孔部の全体を含む長方形状の仮想領域のうち、最小となる領域の長辺の長さを第一距離としたとき、前記孔部は、前記第一距離が3mm以上となるように形成される、ことである。
好ましくは、後方から見た平面視において、前記孔部の開口面積の合計が8.5平方ミリメートル以上13平方ミリメートル以下となる、ことである。
なお、ここでいう「孔部の開口面積の合計」は、孔部が一つのみ形成される場合は、形成された一つの孔部の開口面積とする。
好ましくは、前記操作部は、前方に開口を有する筒部(第二筒部)を有しており、前記孔部は、前記筒部に形成され、後方から見た平面視において前記筒部の面積に対する前記孔部の面積の割合が15パーセント未満となる、ことである。
本発明によると、より安価に製造可能な出没式筆記具を提供できる。
本発明の実施形態に係る出没式筆記具を示す斜視図である。 図1の出没式筆記具を示す分解斜視図である。 図1の出没式筆記具が筆記状態となった様子を示す断面図であり、後側の一部を拡大して模式的に示す。 図1の出没式筆記具が退入状態となった様子を示す断面図であり、前側の一部を拡大して模式的に示す。 図1の軸筒を示す断面図であり、後側の一部を拡大して示す。 図5の軸筒側係合部を平面上に展開した様子を示す展開図である。 図1の回転子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 図7の回転子を示す側面図である。 図7の回転子の前側部の外周部分を平面上に展開した様子を示す展開図である。 (a)は、図2の操作部を示す断面図であり、(b)は、図2の操作部を前方からみた様子を示す平面図である。 図2の操作部を示す一部破断斜視図である。 図11の内筒部の外周部分における前側の一部を平面上に展開した様子を示す展開図である。 図1の出没式筆記具が筆記状態から退入状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図13に続いて出没式筆記具が筆記状態から退入状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図14に続いて出没式筆記具が筆記状態から退入状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図1の出没式筆記具が退入状態から筆記状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図16に続いて出没式筆記具が退入状態から筆記状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図17に続いて出没式筆記具が退入状態から筆記状態へ移行する際の操作部、回転子、軸筒の主要部の位置関係を示す説明図である。左図は、操作部と回転子の関係を示し、右図は、操作部の操作側突起部及び回転子の外側突起部と軸筒の軸筒側係合部の関係を示す図であって、(a)、(b)の順に移行していく。 図1の出没式筆記具において操作部を軸筒及び回転子に対して後方側に相対移動させる様子を示す説明図であり、(a)、(b)の順に移動させる。 図1とは異なる実施形態に係る回転子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 図1とは異なる実施形態に係る出没式筆記具の後側部分を示す断面図であり、一部を拡大して示す。 図1とは異なる実施形態に係る操作部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 図22の操作部を後方からみた様子を示す平面図である。 図22の操作部を示す側面図であり、一部を拡大して示す。
以下、本発明の実施形態に係る出没式筆記具1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、図1の軸筒2の軸方向LAにおいて、ペン先側を前側とし、その逆側を後側とする。
本実施形態の出没式筆記具1は、図1、図2で示されるように、軸筒2と、付勢部材3(図2参照)と、芯部材4(筆記体、図2参照)と、回転子5(図2参照)と、操作部6を有している。
そして、図3、図4で示されるように、操作部6を前方に押圧する押圧操作(切替操作)を実行することで、ペン先部50(筆記部)が軸筒2の外部に配される筆記状態(図3参照)と、軸筒2の内部に配される退入状態(図4参照)とが切り替わる。すなわち、押圧操作をすることで芯部材4が軸方向LA(前後方向)に移動し、ペン先部50が軸筒2の前側開口部15から軸筒2の内外に出没する。
軸筒2は、筆記時に使用者が把持する部分を形成する部材であり、図2で示されるように、前側筒部10と後側筒部11から構成されている。
詳細には、軸筒2は、長手方向の両端部分のそれぞれが開放された筒状の部材である。すなわち、軸筒2は、図3、図4で示されるように、前端に前側開口部15が形成され、後端に後側開口部16が形成されている。これら前側開口部15、後側開口部16は、軸筒2の内部空間17と外部を連通する開口部分である。したがって、前側開口部15、後側開口部16の間に内部空間17が位置している。
前側筒部10は、図2、図3で示されるように、軸筒2の先端部分を形成する部材であり、前側と後側に開口部分を有する筒状体である。なお、前側筒部10の前側の開口部分は、上記した軸筒2の前側開口部15である。具体的には、図2で示されるように、前側筒部10の前側部分の外形は、前方に向かうにつれて先細りするテーパ状に形成されている。また、前側筒部10の後側部分の外周部分に外ネジ部10aが設けられている。この外ネジ部10aは、螺旋状に延びるねじ山部分である。また、図4で示されるように、前側筒部10の内周面には段差部10bが形成されている。
後側筒部11は、図2、図4で示されるように、軸筒2の後側部分を形成する略円筒状の部材であり、前側と後側に開口部分を有する筒状体である。すなわち、後側筒部11の前側には、図4で示されるように、芯部材4の後側部分や回転子5を挿入する挿入用開口部19が形成されている。なお、後側筒部11の後側の開口部分は、上記した軸筒2の後側開口部16である。
ここで、図4で示されるように、後側筒部11の前側部分の内周面には、内ネジ部11aが設けられている。内ネジ部11aは、螺旋状に延びるねじ山部分である。
すなわち、前側筒部10の後方部分の一部を挿入用開口部19から後側筒部11の内部に挿入しつつ、外ネジ部10aと内ネジ部11aを螺合させることで、前側筒部10と後側筒部11が連結して軸筒2が形成される。
ここで、図5で示されるように、軸筒2(後側筒部11)には、内周面の後側(図5では右側)の部分に軸筒側係合部22が設けられている。
詳細に説明すると、軸筒側係合部22は、軸筒2内の後側部分、すなわち、軸方向LA(前後方向)の中心よりも後側となる範囲に形成される。さらに具体的には、本実施形態の軸筒側係合部22は、軸筒2の内周面の後端よりもやや前方となる位置から、同内周面の後端までの範囲に形成されている。
軸筒側係合部22は、複数の係合突起部26(突条部)と複数の係合溝部27から構成されている。詳細には、軸筒側係合部22では、軸筒2の内周面の周方向(軸筒2の軸回り方向)に係合突起部26と係合溝部27が交互に配されている。すなわち、複数の係合突起部26は、同内周面の周方向に間隔を空けて並列するように設けられている。そして、2つの係合突起部26の間に形成される溝である係合溝部27もまた、同内周面の周方向に間隔を空けて並列するように形成される。
係合突起部26は、軸筒2の内周面から内側に向かって突出する(隆起する)部分であり、前後方向に延びた突起部分である。すなわち、軸筒2の内周面の周方向に幅を有し、軸方向LAに長さを有する部分である。係合突起部26の後端部分は、丸みを帯びた形状となっている。すなわち、係合突起部26の後端部分の端面は、円弧状に延びる湾曲面部となっている。対して、係合突起部26の前端部分には、傾斜面部30が形成されている。
ここで、傾斜面部30は、係合突起部26の前端面となる部分である。そして、傾斜面部30は、図5、図6で示されるように、軸筒2の内周面の周方向の一方側から他方側(図6では左側から右側)に向かうにつれて、より前方(図5では左方、図6では下方)に向かうように傾斜している。すなわち、傾斜面部30は、軸方向LAと、軸筒2の周方向(軸回り方向であり、図6では左右方向)のそれぞれに対して傾斜する傾斜面を形成している。
ここで、本実施形態では、図6で示されるように、複数の係合突起部26にそれぞれ形成された傾斜面部30の傾斜方向が同方向となっている。すなわち、いずれの傾斜面部30も内周面の周方向の一方側から他方側に向かうにつれ、より前方に向かうように傾斜している。そして、これらの複数の傾斜面部30からなる傾斜面部30の群によって、軸筒側カム部33が構成されている。
なお、図6では作図の都合上、複数の傾斜面部30の一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。また、他の図面における他の部分についても、一部への符号を適宜省略して示すものとする。
複数の係合溝部27は、図6で示すように、一部が第一係合溝部27aであり、他の一部は、第二係合溝部27bである。すなわち、複数の係合溝部27は、複数の第一係合溝部27aと、複数の第二係合溝部27bによって構成されている。第一係合溝部27a、第二係合溝部27b、図6等で示されるように、軸筒2の内周面の周方向(図6では左右方向)で交互に配されている。
第一係合溝部27aは、前側部分となる短溝部35と、後側部分となる第一浅溝部36(図6では下側と上側)とが軸方向LAで連続して形成される溝である。短溝部35は、第一浅溝部36よりも深く形成された部分であり、第一浅溝部36よりも軸筒2の径方向長さ(図6では奥行き方向の長さ)が長い。このため、短溝部35と第一浅溝部36の境界部分に段差が形成されている(図5参照)。
また、この境界部分に隣接する短溝部35の後端部分には、傾斜面部37が形成されている。すなわち、短溝部35の後端部分に位置する溝壁部分が傾斜面となっており、軸筒2の内周面の周方向の一方側から他方側(図6では左側から右側)に向かうにつれて、より前方(図6では下方)に向かうように傾斜している。すなわち、この傾斜面部37もまた、軸方向LAと、軸筒2の周方向(軸回り方向)のそれぞれに対して傾斜する傾斜面を形成する。そして、本実施形態の傾斜面部37は、上記した係合突起部26の傾斜面部30と傾斜方向が同方向となるように形成している。
第二係合溝部27bは、前側部分となる長溝部40と、後側部分となる第二浅溝部41(図6では下側と上側)とが軸方向LAで連続して形成される溝である。長溝部40は、第二浅溝部41よりも深く形成された部分であり、第二浅溝部41よりも軸筒2の径方向長さ(図6では奥行き方向の長さ)が長い。このため、長溝部40と第二浅溝部41の境界部分に段差が形成されている(図5参照)。
なお、長溝部40の後端部分は、軸筒2の内周面の周方向に沿って延びており、図6で示されるように、平面上に展開した形状が直線状に延びた形状となる。すなわち、短溝部35の後端部分に傾斜面部37が形成されているのに対し、長溝部40の後端部分は、軸筒2の周方向における各部の前後方向の位置(図6では左右方向における各部の上下方向の位置)が同一となっている。つまり、短溝部35と長溝部40は、それぞれの後端部分の形状が異なっている。
また、長溝部40は、短溝部35よりも長手方向の長さ(軸方向LAの長さ)が長く、長溝部40の後端部分が短溝部35の後端部分よりも後方に位置する。ここで、第一浅溝部36は、短溝部35との境界部分(短溝部35の後端と隣接する位置)から軸筒2の後端までの間で延びている。そして、第二浅溝部41は、長溝部40との境界部分から軸筒2の後端までの間で延びている。同様にしたがって、第二浅溝部41の長手方向の長さは、第一浅溝部36の長手方向の長さよりも短くなっている。また、本実施形態の係合溝部27は、いずれも軸筒2の後端よりもやや前方から、軸筒2の後端までの間で延びる溝である。
付勢部材3は、図2で示されるように、コイルばねであり、圧縮することで弾性復元力が働く部材である。
芯部材4は、図2で示されるように、ペン先部50と芯体部51を有する。
ペン先部50は、出没式筆記具1で筆記を行う際に、紙等の筆記対象物に接触する部分である。ここで、本実施形態では、芯部材4としてボールペンリフィルを採用している。すなわち、本実施形態のペン先部50は、ボールが回転可能に抱持されたボールペンチップである。
芯体部51は、ペン先部50の後方で前後方向に細長く延びる部分であり、本実施形態では、インキ(塗布液)が収容されるインキ収容管である。
芯体部51は、前側の細径部51aと後側の太径部51bが連続して形成されている。つまり、芯体部51は、前側部分と後側部分で太さ(径の大きさ)が異なっている。そして、細径部51aと太径部51bの境界部分に芯側段差部55が形成されている。
回転子5は、図7で示されるように、前側部分と後側部分(図7では上側部分と後側部分)で径の大きさ(太さ)が異なる筒状の部材である。すなわち、回転子5は、前側部60(回転子前側部)と後側部61(延設部)を有しており、後側部61が前側部60よりも細く形成されている。
ここで、本実施形態の回転子5は、射出成形等の適宜な成形手段によって各部が一体成形された樹脂製の部材となっている。すなわち、各部は一つの部材として一体化されており、非破壊で分離できない状態になっている。
前側部60は、略円筒状の部分であり、後端部分に後方側カム部65(回転側第一カム部)が形成され、外周面に隆起部66が形成されている。
後方側カム部65は、図8で示されるように、後方に向かって凸となる凸部70と、2つの凸部70間に形成される凹部71とを有している。詳細には、軸筒2の周方向(前側部60の外周面の周方向)で凸部70、凹部71が交互に配されている。
凸部70は、図9で示されるように、平面上に展開した形状(側面視した形状)が三角形状となる部分である。すなわち、凸部70は、軸筒2の周方向で連続する第一傾斜面部73と第二傾斜面部74がそれぞれ側壁部分を形成しており、これらの境界部分が頂部となっている。第一傾斜面部73、第二傾斜面部74は逆方向に傾斜する傾斜面を形成している。すなわち、第一傾斜面部73が、軸筒2の周方向で一方側に向かうにつれて後方(図9では上方)に向かうように傾斜しているのに対し、第二傾斜面部74は、軸筒2の周方向で一方側に向かうにつれて前方に向かうように傾斜している。
なお、本実施形態の凸部70は、平面上に展開した形状が二等辺三角形状(略二等辺三角形状)としている。すなわち、第一傾斜面部73、第二傾斜面部74の軸筒2の周方向(図9では左右方向)に対する傾斜角度が同一(略同一)となっている。
この後方側カム部65は、図7(a)等で示されるように、軸筒2の周方向で円環状に連続する部分であり、後側部61の前側部分を囲むように配されている。言い換えると、後側部61の前側部分は、外側に隣接する後方側カム部65の内側に位置し、この後方側カム部65によって四方(周囲)を囲まれている。
隆起部66は、図7(a)等で示されるように、前側部60の外周面から外側に隆起(突出)する部分である。具体的には、隆起部66は、前側環状部76と、前側環状部76の後端部分から後方に延びる複数の外側突起部77を有しており、これらが一体となって形成されている。
なお、外側突起部77は、本実施形態では4つ形成されている(図7(a)では、同図の奥側(裏側)に位置する1つについては図示しない)。つまり、上記した第一係合溝部27aの数及び第二係合溝部27bの数(図6参照)と同じ数の外側突起部77が形成されている。
前側環状部76は、回転子5(前側部60)の前端部分の外周面に形成され、軸筒2の周方向で環状(円環状)に連続する突起部分である。
外側突起部77は、回転子5の回転方向(前側部60の外周面の周方向であり、軸筒2の軸回り方向)に幅を有し、軸方向LAに延びた突起部分(前後方向に長さを有する突条部分)である。
外側突起部77の後端面には、傾斜面部80が形成されている。傾斜面部80は、図9等で示されるように、前側部60の外周面の周方向の一方側から他方側(図9では左側から右側)に向かうにつれて、より後方(図9では上方)に向かうように傾斜している。すなわち、傾斜面部80は、軸方向LA(前後方向)と、軸筒2の周方向(前側部60の外周面の周方向)のそれぞれに対して傾斜する傾斜面を形成する。
ここで、本実施形態では、複数の外側突起部77にそれぞれ形成された傾斜面部80の傾斜方向が同方向となっている。すなわち、いずれの傾斜面部80も内周面の周方向の一方側から他方側に向かうにつれ、より後方に向かうように傾斜している。
本実施形態では、複数の外側突起部77からなる外側突起部77の群によって、回転子側係合部85が構成されている。この回転子側係合部85は、上記した軸筒側係合部22(図6等参照)と対となる(互いに係合する)係合部である。なお、これらの係合については、詳しくは後述する。
そして、図9で示されるように、複数の傾斜面部80からなる傾斜面部80の群によって、外側カム部81(回転側第二カム部)が構成されている。この外側カム部81は、上記した軸筒側カム部33(図6等参照)と対となる(噛み合う)カムである。なお、これらのカムの連動については、詳しくは後述する。
後側部61は、図7(a)等で示されるように、前側部60の後側部分から後方(図7(a)では上側部分から上方)に延設された部分であり、前後方向(軸方向LA)に細長く延びる円管状の部分である。この後側部61の前側部分は、上記したように後方側カム部65によって囲まれている。すなわち、後方側カム部65は、後側部61の外周面と前側部60の外周面の間の段差部分に形成される部分でもあるともいえる。
後側部61の外周面には、第一係止突起部90(回転子側係止部、移動規制部)が形成されている。第一係止突起部90は、後側部61の後方側、すなわち、後側部61の前後方向の中心よりも後側となる位置に形成されている。本実施形態では、後側部61の後端からやや前方に離れた位置に形成されている。
第一係止突起部90は、後側部61の外周面から外側に隆起(突出)する部分であり、後側部61の外周面の周方向(軸筒2の周方向)で環状(円環状)に連続する突起部分である。ここで、第一係止突起部90は、角のない丸みを帯びた形状の突起である。すなわち、図7(b)等で示されるように、第一係止突起部90の外側面は、円弧状の面を形成している。
すなわち、第一係止突起部90は、前後方向の中途部分(中心近傍)に最も外側まで突出する頂部が位置しており、頂部から上方に向かうにつれて徐々に突出量が少なくなり、且つ、頂部から下方に向かうにつれて徐々に突出量が少なくなっている。そして、後側部61の外周面の周方向の位置が同じとなる部分では、上端から頂部を経て下端に至るまでの部分に円弧面が形成され、丸みを帯びた形状となっている。
ここで、回転子5は、図7(b)で示されるように、前端面に形成される前側開口部93と、後端面に形成される後側開口部94を有しており、これらの間に内部空間95が位置している。すなわち、前側開口部93、後側開口部94は、内部空間95と外部を連通する開口部分である。
内部空間95は、前側に位置する第一空間部95aと、後側に位置する第二空間部95bが連続して形成されている。第一空間部95aは、各部の横断面の面積が前側開口部93の開口面の面積と同一となるように前後方向に延びる空間である。第二空間部95bは、各部の横断面の面積が後側開口部94の開口面の面積と同一となるように前後方向に延びる空間である。そして、前側開口部93は、後側開口部94よりも開口面の面積が大きくなっている。
つまり、第一空間部95aの各部の横断面の面積は、第二空間部95bの各部の横断面の面積よりも大きい。そして、第二空間部95bを囲む内周面は、第一空間部95aを囲む内周面よりも前後方向と垂直な方向(軸筒2の径方向であり、図7(b)では左右方向)で内側に位置する。このことから、回転子5の内部のうち、第一空間部95aを囲む内周面と第二空間部95bを囲む内周面の間に段差部96が形成される。
操作部6は、図2、図10で示されるように、外筒部100(第二筒部)と、内筒部101(第一筒部、図10参照)と、クリップ部102を有している。操作部6もまた、射出成形等の適宜な成形手段によって各部が一体成形された樹脂製の部材となっている。すなわち、各部は一つの部材として一体化されており、非破壊で分離できない状態になっている。
外筒部100は、図10(a)で示されるように、前側に外筒前方開口部110を有しており、この外筒前方開口部110が内外を連通する開口部分となっている。つまり、外筒部100は、前側に開口部分を有し、後端側が閉塞された有底筒状の部分であり、内部に空間を有している。
また、外筒部100の後端側部分の外形は、半球状(略半球状)となっている(図1、図2等参照)。そして、図10(a)で示されるように、外筒部100内においても外筒部100の後側部分が後方に向かって窪むような形状となっている。すなわち、後端部分の一部に湾曲面が形成され、この湾曲面が、後方に向かうにつれて径方向内側(軸筒2の径方向内側であり、図10(a)では左右方向の中心側)に向かうように湾曲している。
内筒部101もまた、後端側が閉塞された有底筒状の部分である。本実施形態の内筒部101は、全体が外筒部100の内部に収容されている。
すなわち、内筒部101の前端部分は、外筒部100の前端部分(外筒前方開口部110)よりも後方に位置する。そして、内筒部101の後端部分は、外筒部100の後側に位置する半球状(略半球状)の部分と連続している。言い換えると、内筒部101は、外筒部100の後側部分から前方に延びた周壁部分を有する。
したがって、内筒部101の径方向長さ(図10(a)では左右方向の長さ)は、外筒部100の径方向長さよりも短い。また、内筒部101の前後方向の長さ(図10(a)では上下方向の長さ)も外筒部100の前後方向の長さよりも短い。
そして、内筒部101から外側(軸筒2の径方向における外側であり、図10(a)では左右方向外側)に離れた位置に、外筒部100の内周面が位置している。つまり、内筒部101の外周部分(外側部分)と外筒部100の内周部分(内周面)の間に空隙部113(隙間部分)が形成されている。空隙部113は、内筒部101の外側に隣接して内筒部101を囲む空間であり、環状(円環状)に連続する空間である(図10(b)参照)。このように、操作部6は、外筒部100の内部に内筒部101を配してなる二重管構造を有している。
ここで、内筒部101の外周面には、図10(b)、図11で示されるように、操作側係合部115が形成されている。また、内筒部101の前端面には、操作側カム部116が設けられている。さらに、図10(a)で示されるように、内筒部101の内周面には、第二係止突起部117(操作側係止部、移動規制部)が形成されている。
操作側係合部115は、図10(b)、図11で示されるように、複数の操作側突起部120(突条部)からなる操作側突起部120の群によって構成されている。この操作側突起部120は、上記した係合溝部27(図6参照)と同数形成されている。
操作側突起部120は、内筒部101の外周面の周方向(軸筒2の軸回り方向)に間隔を空けて並列するように形成されている。
操作側突起部120は、内筒部101の外周面から外側に向かって突出する(隆起する)部分であり、前後方向に延びる部分である。すなわち、内筒部101の外周面の周方向に幅を有し、前後方向に長さを有する突起部分となっている。
この操作側突起部120は、内筒部101の外周面の前端部分から後端部分までの間で延びている。すなわち、操作側突起部120の前後方向の長さは、内筒部101の外周面の前後方向の長さと同じとなっている。
なお、操作側突起部120の前端部分(図11では上端部分)には、傾斜面部120aが形成されている。すなわち、操作側突起部120の前端面が傾斜面となっている。
傾斜面部120aは、内筒部101の外周面における周方向の一方側から他方側に向かうにつれ、より前方に向かうように傾斜している。すなわち、傾斜面部120aは、軸筒2の軸方向LAと、軸筒2の周方向(軸回り方向)のそれぞれに対して傾斜する傾斜面を形成している。
本実施形態では、複数の操作側突起部120にそれぞれ形成された傾斜面部120aの傾斜方向が同方向となっている。すなわち、いずれの傾斜面部120aも外周面の周方向の一方側から他方側に向かうにつれ、より前方(図11では後方)に向かうように傾斜している。
操作側カム部116は、図11、図12で示されるように、前方に向かって凸となる凸部125と、2つの凸部125間に形成される凹部126を有している。詳細には、軸筒2の周方向(内筒部101の周方向)で凸部125、凹部126が交互に配されている。
この操作側カム部116は、上記した後方側カム部65(図9等参照)と対となる(噛み合う)カムである。なお、これらのカムの連動については、詳しくは後述する。
すなわち、操作側カム部116の凸部125は、上記した後方側カム部65の凹部71(図9参照)に略丁度入り込むことが可能な形状となっている。また、操作側カム部116の凹部126は、上記した後方側カム部65の凸部70(図9参照)が略丁度入り込むことが可能な形状となっている。
詳細には、操作側カム部116の凸部125もまた、図12で示されるように、平面上に展開した形状(側面視した形状)が三角形状となる部分であり、本実施形態では、二等辺三角形状(略二等辺三角形状)となっている。すなわち、この凸部125もまた、内筒部101(軸筒2)の周方向で連続する第一傾斜面部128と第二傾斜面部129がそれぞれ側壁部分を形成しており、これら第一傾斜面部128、第二傾斜面部129は、それぞれ逆方向に傾斜する傾斜面を形成している。そして、これら第一傾斜面部128、第二傾斜面部129の境界部分が凸部125の頂部となる。また、本実施形態では、第一傾斜面部128、第二傾斜面部129の軸筒2の周方向に対する傾斜角度が同一(略同一)となっている。
本実施形態では、図11で示されるように、凸部125の外側に隣接する位置に操作側突起部120の前側部分が位置している。詳細には、凸部125のうち、頂部から内筒部101(軸筒2)の周方向で片側に位置する部分の外側に操作側突起部120の一部が位置する。すなわち、第二傾斜面部129の外側に隣接する位置に傾斜面部120aが位置しており、凸部125の頂部の外側に隣接する位置に操作側突起部120の前端部分が位置している。そして、第一傾斜面部128の傾斜面の傾斜方向と、傾斜面部120aの傾斜面の傾斜方向は同方向となっている。また、これらの軸筒2の周方向に対する傾斜角度も同一(略同一)となっている。
第二係止突起部117は、図10(a)で示されるように、内筒部101の前側(図10(a)では下側)、すなわち、内筒部101の前後方向の中心よりも前側となる位置に形成されている。本実施形態では、内筒部101の前端からやや後方に離れた位置に形成されている。
第二係止突起部117は、内筒部101の内周面から内側に隆起(突出)する部分であり、内筒部101の内周面の周方向(軸筒2の周方向)で環状(円環状)に連続する突起部分である。また、第二係止突起部117は、図3で示されるように、角のない丸みを帯びた形状の突起である。すなわち、第二係止突起部117は、前後方向の中途部分(中心近傍)に最も外側まで突出する頂部が位置しており、頂部から上方に向かうにつれて徐々に突出量が少なくなり、且つ、頂部から下方に向かうにつれて徐々に突出量が少なくなる。そして、内周面の周方向の位置が同じとなる部分では、上端から頂部を経て下端に至るまでの部分に円弧面が形成され、丸みを帯びた形状となる。
この第二係止突起部117は、上記した第一係止突起部90(図7(a)等参照)と対となる部分であり、第一係止突起部90と共に操作部6の移動を規制する移動規制部として機能する(詳しくは後述する)。
クリップ部102は、図10(a)で示されるように、基端部102aとクリップ本体部102bが一体となって形成されている。
基端部102aは、外筒部100の外周面における前端側部分と連続する部分である。
クリップ本体部102bは、基端部102aから前方に延設された板状の部分である。
すなわち、クリップ部102は、外筒部100と一体に形成されており、外筒部100の外周面から前方に向かって片持ち状に延びている。出没式筆記具1が組み立てられた状態では(図1等参照)、クリップ部102と軸筒2の外周面の間に隙間が形成されており、クリップ部102と軸筒2とで挟持対象物(例えば、手帳の一部や、シャツのポケットを形成する布地等)を挟むことが可能な構造となっている。
なお、図10(a)、図10(b)で示されるように、クリップ本体部102bの内側面である内側面部102cは、湾曲面となっている。この内側面部102cは、軸筒2の外周面に沿う方向に湾曲するように形成されている(図1等参照)。すなわち、軸筒2の径方向外側に向かって凸となるように湾曲している。
なお、このクリップ部102は、挟持対象物を挟むクリップ(留め具)として機能する他、出没式筆記具1の転がり止め部としても機能する。詳細に説明すると、操作部6は、詳しくは後述するが、筆記状態と退入状態のそれぞれで軸筒2(後側筒部11)に対して相対回転しない状態(軸筒2の軸回り方向の回転が規制された状態)となっている。すなわち、操作部6は、筆記状態と退入状態が切り替わる際、切り替えの前後で軸回り方向の回転が規制された状態となっている。このため、組み立てられた状態の出没式筆記具1(図1参照)を横にした姿勢で机の上等で転がそうとしても、操作部6が軸筒2に対して相対回転しないので、クリップ部102が引っ掛かり部分となって出没式筆記具1の転がりが阻止(抑制)される。
次に、出没式筆記具1を組み立てる際の手順と各部材の位置関係について説明する。
本実施形態の出没式筆記具1を組み立てる際には、図2で示されるように、後側筒部11の前側の開口部分である挿入用開口部19(図4等参照)から軸筒2の内部空間17に回転子5を入れる。その一方で、後側筒部11の後側開口部16から操作部6の内筒部101の前側部分を挿入する。
回転子5を軸筒2の内部に入れて後側に移動させていくと、回転子5(前側部60)の外周部分に形成された隆起部66(図7(a)等参照)が、軸筒2の軸筒側係合部22(図5等参照)に当接し、さらなる後方への移動が阻止される。つまり、本実施形態の出没式筆記具1は、軸筒2の内部空間17に回転子5を前方から入れたとき、回転子5が後方側に抜け落ちない構造としている。
そして、図3等で示されるように、操作部6の内筒部101の内部に回転子5の後側部61を挿入した状態とし、回転子5と操作部6を係合させる。このとき、図3で示されるように、回転子5の第一係止突起部90が内筒部101の内周面と接触すると共に、操作部6の第二係止突起部117が回転子5の後側部61の外周面と接触した状態となる。その一方で、第一係止突起部90、第二係止突起部117が形成されている部分とは異なる部分であり、内筒部101の内周面と後側部61の外周面とが軸筒2の径方向(図3では左右方向)で重なる部分では、これらの間に隙間部130が形成される。すなわち、内筒部101の内周面と後側部61の外周面とが面接触しない構造となっている。このことから、操作部6は、回転子5に対して前後方向に相対移動が可能であり、また、円滑に前後方向に相対移動させることが可能な構造となる(詳しくは後述する)。
出没式筆記具1の組み立てにおいて、内筒部101の内部に回転子5の後側部61を挿入する際には、樹脂製の部材である回転子5、操作部6の少なくとも一方が弾性変形し、第一係止突起部90が第二係止突起部117を乗り越える。このことにより、第一係止突起部90が第二係止突起部117よりも後方側に位置するように、第二係止突起部117に対して相対移動する。
さらに、図2、図3等で示されるように、芯部材4の後側部分を後側筒部11の前側から内部に挿入する。そして、図4等から自明なように、芯部材4の細径部51aの周囲に付勢部材3の一部が位置する状態とし、前側筒部10と後側筒部11を連結する。このことにより、出没式筆記具1が組み立てられる。
付勢部材3は、図4等で示されるように、細径部51aの外側で螺旋状に延び、細径部51aを巻回した状態で軸筒2の内部に配される。このとき、付勢部材3は、圧縮された状態であり、前側部分が軸筒2内の段差部10bと当接し、且つ、後側部分が芯部材4の芯側段差部55と当接する状態となっている。このことから、芯部材4は、付勢部材3によって常時後方側に付勢される。
ここで、図3等で示されるように、芯部材4の後端部分は、回転子5の前端部分に当接している。したがって、芯部材4が常時後方側に付勢されることで、芯部材4が回転子5を後方側に押圧する。このことにより、回転子5が常時後方側に付勢される。つまり、付勢部材3によって芯部材4が直接後方側に付勢され、回転子5が芯部材4を介して間接的に後方側に付勢される。
本実施形態では、上記したように、軸筒側係合部22が軸筒2の後端よりの位置に形成されており(図5等参照)、筆記状態と退入状態のそれぞれで回転子5が後方寄りの位置に配される(図3、図4参照)。このため、軸筒2の内部空間17のうち、回転子5の前方に位置する部分を広くすることができるので、芯部材4の長さを長くすることが可能となり、筆記距離を長くすることが可能となる。
さらに、出没式筆記具1が組み立てられた状態では、図13(a)の右図等で示されるように、操作部6の内筒部101に形成された操作側突起部120(図11等参照)が、軸筒2の係合溝部27(図5等参照)に入り込んだ状態となる。すなわち、複数の操作側突起部120が、それぞれ異なる係合溝部27に入り込み、操作側係合部115と軸筒側係合部22が係合する。このことにより、操作部6が軸筒2に対して前後方向に相対移動するとき、軸筒2の軸回り方向の回転を規制された状態で前後方向に移動する。つまり、操作部6は、軸回り方向に回転しない状態で前後方向にスライド移動可能となっている。
ここで、本実施形態の出没式筆記具1は、上記したように、操作部6の外筒部100と内筒部101が二重管構造をなしている(図11等参照)。そして、図3等で示されるように、外筒部100と内筒部101の間の空隙部113に軸筒2(後側筒部11)の後方側部分が挿入される。
このことから、操作部6を前方に押圧する操作を行うとき、操作部6が円滑に前方へ移動する。また、操作部6に対して軸筒2の径方向に不意に力が加わった場合でも、操作部6の位置ずれを防止(抑制)できる。
また、出没式筆記具1が筆記状態であるとき、図13(a)の右図等で示されるように、回転子5の外側突起部77が、軸筒2の第一係合溝部27a(図5等参照)に入り込んだ状態となる。詳細には、複数の外側突起部77が、それぞれ別の短溝部35に入り込んだ状態となる。
対して、出没式筆記具1が退入状態であるとき、図16(a)の右図で示されるように、回転子5の外側突起部77が、軸筒2の第二係合溝部27b(図5(b)等参照)に入り込んだ状態となる。詳細には、複数の外側突起部77が、それぞれ別の長溝部40に入り込んだ状態となる。
すなわち、筆記状態、退入状態のそれぞれで、複数の外側突起部77(外側突起部77の群)が、複数の第一係合溝部27a(第一係合溝部27aの群)と、複数の第二係合溝部27b(第一係合溝部27aの群)のいずれかに入り込む。したがって、いずれの状態においても、外側突起部77の群が複数の係合溝部27に入り込んだ状態、つまり、回転子側係合部85と軸筒側係合部22とが係合した状態となる。そして、複数の外側突起部77が複数の第一係合溝部27a(短溝部35)に入り込んだ状態では、回転子5が、複数の第二係合溝部27b(長溝部40)に入り込んだ状態よりも前方に位置する。また、それぞれの状態において、外側突起部77の後端部分が短溝部35又は長溝部40の後端部に当接し、回転子5の後方への移動が阻止される。また、外側突起部77が係合溝部27の溝壁に当接することで、回転子5の軸回り方向への回転が阻止される。
このとき、筆記状態では、図13(a)の右図等で示されるように、第一係合溝部27aに外側突起部77と操作側突起部120の双方が入り込んだ状態となる。その一方で、第二係合溝部27bには、外側突起部77が入り込まず、操作側突起部120が入り込んだ状態となる。
対して、退入状態では、図16(a)の右図等で示されるように、第二係合溝部27bに外側突起部77と操作側突起部120の双方が入り込んだ状態となる。その一方で、第一係合溝部27aには、外側突起部77が入り込まず、操作側突起部120が入り込んだ状態となる。
続いて、出没式筆記具1を筆記状態から退入状態に切り替える際の手順と、切り替えに伴う各部材の位置関係の変化について詳細に説明する。
図13(a)、図13(b)で示されるように、出没式筆記具1が筆記状態であるとき、使用者が操作部6を前方に押圧すると、操作部6が前方に移動し、操作部6に押された回転子5が前方に移動する。すなわち、付勢部材3の付勢力に抗して操作部6、回転子5が共に前方へ移動する。このとき、図13(a)で示されるように、操作部6の操作側突起部120と回転子5の外側突起部77が共に係合溝部27に入り込んだ状態、すなわち、操作側係合部115、回転子側係合部85が軸筒側係合部22と係合した状態となっている。このため、操作部6、回転子5の軸筒2の軸回り方向への回転が規制されたまま、操作部6、回転子5が前方に移動する(軸筒2の前方側に近づくように軸筒2に対して相対移動する)。
そして、操作部6、回転子5が前方に移動すると、図13(b)で示されるように、操作側係合部115と軸筒側係合部22が係合した状態を維持しつつ、回転子側係合部85と軸筒側係合部22の係合が解除される。すなわち、外側突起部77が係合溝部27の外部に位置した状態となる。このことにより、回転子5は、軸筒2の軸回り方向に回転可能な状態となる。
この状態で、操作部6が前方に押圧されると、図13(b)、図14(a)で示されるように、回転子5が軸筒2の軸回り方向に回転する。すなわち、回転子5が後方に付勢されており、且つ、操作側カム部116の傾斜面(第二傾斜面部129)の一部と、後方側カム部65の傾斜面(第一傾斜面部73)の一部と面接触している(図13(b)参照)。このことから、操作部6が前方に押圧されると、操作側カム部116の傾斜面と後方側カム部65の傾斜面の接触部分が変更されていく。
そして、図14(a)で示されるように、操作側カム部116それぞれの凸部125の頂部が、後方側カム部65の凹部71の最深部と接触した状態となる。すなわち、操作側カム部116の第二傾斜面部129の全域(略全域)と、後方側カム部65の第一傾斜面部73の全域(略全域)とが面接触した状態となる。さらに、操作側カム部116の第一傾斜面部128の全域(略全域)と、後方側カム部65の第二傾斜面部74の略全域とが面接触した状態となる。
つまり、操作側カム部116と後方側カム部65が、第一係合状態から第二係合状態に切り替わる。
第一係合状態は、操作側カム部116のそれぞれの凸部125の頂部と後方側カム部65の凹部71の最深部とが離れた状態であり、それぞれの傾斜面同士の接触面積が少ない状態である(図13(b)等参照)。なお、この状態では、操作側カム部116のそれぞれの凹部126の最深部と、後方側カム部65の凸部70の頂部もまた離れた状態となる。
そして、第二係合状態は、操作側カム部116のそれぞれの凸部125の頂部と後方側カム部65の凹部71の最深部とが接触した(又はより近接した)状態であり、それぞれの傾斜面同士の接触面積が多い状態である(図14(a)等参照)。なお、この状態では、操作側カム部116のそれぞれの凹部126の最深部と、後方側カム部65の凸部70の頂部もまた接触した(又はより近接した)状態となる。
つまり、操作側カム部116と後方側カム部65が第一係合状態から第二係合状態に切り替わっていくことで、回転子5が軸筒2の軸回り方向に回転していく。
そして回転子5が軸筒2の軸回り方向に回転すると、図14(a)の右図で示されるように、軸筒2の傾斜面部30の一部と、回転子5の傾斜面部80の一部とが面接触する。ここで、使用者による押圧操作が解除されると、回転子5が後方(図14では上方)に付勢されていることから、図14(a)、図14(b)で示されるように、軸筒2の傾斜面部30と回転子5の傾斜面部80の接触部分が変更されていく。このとき、回転子5は、軸筒2の軸回り方向に回転しつつ後方に移動していく。そして、図15(a)の右図等で示されるように、軸筒2の傾斜面部30と回転子5の傾斜面部80が離間し、回転子5の外側突起部77が第二係合溝部27b(長溝部40)の下側に移動する。
つまり、複数の傾斜面部30の群によって構成される軸筒側カム部33と、複数の傾斜面部80の群によって構成される外側カム部81とが対となり、回転子5を回転させる回転機構として機能する。
図15(a)で示されるように、回転子5の外側突起部77が第二係合溝部27b(長溝部40)の下側に移動すると、回転子5が後方に付勢されていることから、回転子5がそのまま後方に移動していく。このとき、回転子5によって後方に押圧された操作部6もまた後方に移動していく。
そして、回転子5が後方に移動していくことで、図15(b)の右図等で示されるように、外側突起部77が第二係合溝部27b(長溝部40)に入り込んだ状態となる。そして、そのまま後方に移動することで、外側突起部77の後端部分が長溝部40の後端部分に当接する。このことにより、回転子5のさらなる後方への移動が阻止される。
以上により、複数の外側突起部77の群によって構成される回転子側係合部85が、複数の第一係合溝部27aと係合した状態から、複数の第二係合溝部27bと係合した状態に移行する。このことにより、出没式筆記具1を筆記状態から退入状態へ移行する。
続いて、出没式筆記具1を退入状態から筆記状態に切り替える際の手順と、切り替えに伴う各部材の位置関係の変化について詳細に説明する。
出没式筆記具1を退入状態であるとき(図16(a)等参照)、使用者が操作部6を前方に押圧することで、操作部6が前方に移動すると共に、操作部6に押された回転子5が前方に移動する。すなわち、付勢部材3の付勢力に抗して操作部6、回転子5が共に前方へ移動する。このとき、図16(a)の右図で示されるように、操作部6の操作側突起部120と回転子5の外側突起部77が共に係合溝部27に入り込んだ状態、すなわち、操作側係合部115、回転子側係合部85が軸筒側係合部22と係合した状態となっている。このため、操作部6、回転子5の軸筒2の軸回り方向への回転が規制されたまま、操作部6、回転子5が前方に移動していく(軸筒2の前方側に近づくように軸筒2に対して相対移動する)。
そして、操作部6、回転子5が前方に移動していくと、図16(b)で示されるように、操作側係合部115と軸筒側係合部22が係合した状態を維持しつつ、回転子側係合部85と軸筒側係合部22の係合が解除される。すなわち、外側突起部77が係合溝部27の外部に位置した状態となる。このことにより、回転子5は、軸筒2の軸回り方向に回転可能な状態となる。
この状態で、操作部6が前方に押圧されると、図16(b)、図17(a)で示されるように、回転子5が軸筒2の軸回り方向に回転する。すなわち、上記と同様に、操作側カム部116と後方側カム部65が、第一係合状態から第二係合状態に切り替わることで、回転子5が回転する。
そして回転子5が軸筒2の軸回り方向に回転すると、図17(a)の右図で示されるように、軸筒2の傾斜面部30の一部と、回転子5の傾斜面部80の一部とが面接触する。ここで、使用者による押圧操作が解除されると、上記と同様に、軸筒2の傾斜面部30と回転子5の傾斜面部80の接触部分が変更されていき、回転子5は、軸筒2の軸回り方向に回転しつつ後方に移動する(図17(a)、図17(b)参照)。そして、図18(a)で示されるように、軸筒2の傾斜面部30と回転子5の傾斜面部80が離間し、回転子5の外側突起部77が第一係合溝部27a(短溝部35)の下側に移動する。
そして、回転子5がそのまま後方に移動し、回転子5によって後方に押圧された操作部6もまた後方に移動する。このことにより、図18(b)で示されるように、外側突起部77の後端部分が短溝部35の後端部分に当接する。このことにより、回転子5のさらなる後方への移動が阻止される。
以上により、複数の外側突起部77の群によって構成される回転子側係合部85が、複数の第二係合溝部27bと係合した状態から、複数の第一係合溝部27aと係合した状態に移行する。このことにより、出没式筆記具1を退入状態から筆記状態へ移行する。
本実施形態の出没式筆記具1では、上記したように、操作部6が回転子5に対して前後方向に相対移動可能となっている。
具体的には、操作部6は、図19で示されるように、回転子5を軸筒2に対して相対移動しない状態としたまま(筆記状態の位置、又は、退入状態の位置としたまま)、回転子5に対して前後方向に相対移動させることが可能となっている。そして、軸筒2及び回転子5の位置をそのままにして操作部6を後方に移動させていくと(操作部6を後方側に相対移動させていくと)、図19(b)で示されるように、第一係止突起部90と第二係止突起部117が当接する。このことにより、操作部6のさらなる後方への移動が阻止される。つまり、第一係止突起部90、第二係止突起部117が、操作部6の移動を規制し、操作部6の意図しない脱落(抜け落ち)を防止する移動規制部として機能する。
付言すると、意図的に強い力で操作部6を後方側へ引き抜こうとすると、回転子5、操作部6の少なくとも一方が一時的に弾性変形し、第二係止突起部117が第一係止突起部90を乗り越える。このことにより、操作部6の引き抜き(後方側への相対移動)が可能となる。つまり、本実施形態の出没式筆記具1では、意図的に強く引き抜かない限り、操作部6が回転子5から外れない(操作部6と回転子5の係合が解除されない)構造としている。このことにより、操作部6が回転子5に着脱自在であり、且つ、上記したように、操作部6の意図しない脱落の防止が可能となる。
ここで、上記のように、操作部6が回転子5に対して抜け落ちない状態(操作部6と回転子5の係合が維持された状態)で、回転子5に対して前後方向に相対移動するとき、操作部6は、移動規制部によって規制(制限)された所定の移動範囲内で移動する。
具体的には、回転子5が軸筒2に対して相対移動しない状態で操作部6を相対移動させるとき、操作部6は、前方位置(図19(a)参照)から後方位置(図19(b)参照)までの間で移動可能となっている。
前方位置は、図19(a)で示されるように、操作部6の操作側カム部116が回転子5の後方側カム部65と当接する位置であり、第二係止突起部117が第一係止突起部90から前方に離れた状態となる位置である。
後方位置は、図19(b)で示されるように、操作部6の操作側カム部116が回転子5の後方側カム部65と離間する位置であり、第二係止突起部117が第一係止突起部90に前方から当接する位置である。
本実施形態の出没式筆記具1は、この移動範囲内における操作部6の移動可能距離(最大移動距離)をLXとし、操作側カム部116の前後方向の長さをL1(図12参照)とし、後方側カム部65の前後方向の長さをL2(図9参照)としたとき、下記式(1)の関係をみたすものである。
LX≧(L1+L2)・・・(1)
なお、操作側カム部116の前後方向の長さL1は、図12で示されるように、凸部125の頂部(前端部であり、図12では下端部)が位置する部分から、凹部126の最深部(前端部であり、図12では上端部)が位置する部分までの前後方向の距離である。
また、後方側カム部65の前後方向の長さL2は、図9で示されるように、凹部71の最深部(前端部であり、図9では下端部)が位置する部分から、凸部70の頂部(前端部であり、図9では上端部)が位置する部分までの前後方向の距離である。
また、本実施形態では、L1とL2を同じ長さとしている。そして、本実施形態の出没式筆記具1を下記式(2)、(3)の関係を満たすものとしている。
LX≧2×L1・・・(2)
LX≧2×L2・・・(3)
上記した式(1)の関係を満たす構造とすると、操作部6を前方に押圧するノック操作(筆記状態と退入状態の切り替え操作)をするとき、回転子5が円滑に回転するため好ましい。すなわち、操作側カム部116と後方側カム部65がしっかりと係合した状態(図14(a)参照)から、回転子5が回転していく際の回転動作(図14(a)、図14(b)等参照)を円滑化できるため好ましい。
上記した実施形態では、出没式筆記具1をノック式ボールペンとした例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ノック式マーカーであってもよい。この場合、筆記体は、ボールペンリフィルに替わって、ノック式マーカーで使用されるマーカーリフィルとしてもよい。この他、筆記体を芯送り機構付きユニット(所謂シャープペンユニット)にすることも考えられる。つまり、出没式筆記具は、ボールペン、シャープペン、マーカー、サインペン等適宜な筆記具であってもよく、筆記体もまた、ボールペンリフィル、芯送り機構付きユニット、マーカーリフィル、フェルトペンリフィル等の適宜な芯部材(替芯部材)であってもよい。
上記した実施形態では、芯部材4(芯体部51)の後端部分が回転子5の前端部分に当接し、芯部材4が回転子5を後方に付勢する構造としたが、本発明はこれに限るものではない。
芯部材4の後側部分を回転子5の第一空間部95a(図7(b)参照)に挿入し、芯部材4後端部分が段差部96に当接する構造としてもよい。すなわち、芯部材4の後端部分が回転子5の内部の壁面部分(第一空間部95aの後端と隣接する位置に形成された壁面部分)と当接し、回転子5を後方に付勢する構造(後方に押圧する構造)としてもよい。
上記した実施形態では、回転子5の第一係止突起部90を角のない丸みを帯びた形状とした(図7等参照)。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。例えば、図20で示すように、回転子205は、上記した第一係止突起部90とは異なる形状の第一係止突起部290(回転子側係止部、移動規制部)を有するものであってもよい。
本実施形態の回転子205もまた、前側部60と後側部261(延設部)を有しており、後側部261は、前側部60の後側部分(図20では上側部分)から後方に延設された円管状の部分となっている。そして、第一係止突起部290は、後側部261の外周面に形成されている。
第一係止突起部290は、後側部261の外周面から外側に隆起(突出)する部分であり、後側(図20では上側)から順に、テーパ部290aと段差形成部290bを有している。テーパ部290aは、前側(図20では下側)に向かうにつれて太くなる部分であり、前端部分が後端部分よりも太く形成されている。つまり、テーパ部290aは、前側(図20では下側)に向かうにつれて横断面の面積が大きくなる部分である。
また、段差形成部290bの外周面と、段差形成部290bよりも前方に位置する後側部261の外周面との境界部分には、段差部292が形成されている。つまり、段差形成部290bの外周面は、その前側に隣接する後側部261の外周面よりも横断面の広がり方向で外側に位置し、これらの間に段差が形成される。本実施形態では、これらの間に位置する段差形成部290bの前端面(図20(b)では下端面)が、横断面の広がり方向と略平行となる面を形成している。この段差部292は、移動規制部によって操作部6の移動が規制されるとき、操作側係止部が当接する部分となる。
本実施形態の回転子205では、操作部6の内筒部101の内部に後側部261を挿入して回転子205と操作部6を係合させる際、第一係止突起部290が上記したテーパ部290aを有することから、後側部261を挿入する作業が容易となる。その一方で、回転子205と操作部6が係合した状態では、第一係止突起部290が上記した段差部292を有することから、操作部6を回転子205から外れ難くすることができる。
上記した出没式筆記具1は、図21で示されるように、操作部付勢部材307を有する構造とすることが好ましい。
操作部付勢部材307は、上記した付勢部材3(芯材付勢部材であり、第一付勢部材)とは別途設けられる付勢部材(第二付勢部材)である。本実施形態では、操作部付勢部材307にコイルばねを採用している。すなわち、操作部付勢部材307は、圧縮することで弾性復元力が働く部材である。
操作部付勢部材307は、図21で示されるように、内筒部101の内部に配される。このとき、操作部付勢部材307は、圧縮された状態であり、前端部分(図21では左端部分)が回転子5(後側部61)の後端部分と当接している。そして、逆側となる後端部分が、内筒部101の内部空間における後方側の底部分と当接している。このことから、操作部6は、操作部付勢部材307によって常時後方側に付勢された状態となる。言い換えると、筆記状態と退入状態のそれぞれで操作部6が常時後方側に付勢された状態となる。したがって、操作部6の一部である内筒部101もまた、操作部付勢部材307によって常時後方側に付勢された状態となる。そして、上記した押圧操作を実行する際には、操作部付勢部材307の付勢力に抗して操作部6を前方に押圧する。
本実施形態では、操作部6が常時後方側に付勢されることで、筆記状態と退入状態のそれぞれで操作部6が上記した後方位置(第二係止突起部117が第一係止突起部90に前方から当接する位置)に配された状態となる。すなわち、操作部6は、筆記状態と退入状態のそれぞれで第二係止突起部117が第一係止突起部90に前方から当接するまで後方側に付勢され、操作部付勢部材307の付勢力に抗して前方に押圧しない限り前方に移動しない状態となる。このことから、操作部6が前後方向にがたつかない状態となる。
上記した出没式筆記具1は、上記した操作部6を採用したものに限らず、図22で示されるように、内部空間と外部を連通する孔部431を有する操作部406を採用してもよい。なお、以下の説明では、上記した実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の操作部406は、図22(a)、図23で示されるように、外筒部500に複数(3つ)の孔部431が設けられている点が上記した操作部6と異なる。それぞれの孔部431は、図22(b)で示すように、外筒部500内の空間と外部を連通する孔である。詳細には、孔部431は、内筒部101の外側であって外筒部500の内側に形成される空隙部113と外部とを連通している(図22(b)では一つの孔部431のみ図示する)。
このように孔部431を形成することで、仮に操作部406が回転子5から外れてしまい、幼児等が誤って飲み込んでしまっても空気の流路が確保される。つまり、本実施形態の操作部406は、幼児等が窒息するような事故の発生を抑制可能であり、安全性が高い。
本実施形態の孔部431は、図23で示されるように、後方から見た平面視で中心Pから所定距離L1以上離れた位置に形成されている。
ここで、中心Pとは、操作部406を採用した出没式塗布具全体の中心軸が通過する部分である。なお、出没式塗布具全体の中心軸は、一部が軸筒2の中心軸と一致する。言い換えると、出没式塗布具全体の中心軸線と、軸筒2の中心軸線とは一致する。
所定距離L1は、2.5mmであることが好ましく、3.0mmであることがより好ましい。本実施形態では、所定距離L1が3.35mmであり、孔部431が中心Pから3.35mm以上離れた位置に形成されている。
このように形成すると、例えば操作部406の後端部分を指の腹(親指の腹)で押圧し、操作部406を前方に押圧するノック操作を行うとき、使用者の指の腹が孔部431に食い込んでしまう等、使用者が違和感を覚えるという問題の発生を抑制できる。すなわち、ノック操作をしたとき、指の腹のうちで操作部406が押し返す力が強く加わる部分に孔部431が触れ難い構造となり、上記の問題の発生を抑制できる。
また、本実施形態の孔部431は、図24で示されるように、操作部406の後方側に位置する半球状部分に形成されており、詳細には、半球状部分の一部を形成する湾曲面部分(湾曲面部)に形成されている。
本実施形態では、図24で示されるように、側面視において、出没式塗布具全体の中心軸線と接線とのなす角が角θ1となる湾曲面に、孔部431の最も後方側の部分が形成されている。
孔部431の最も後方側の部分が形成される湾曲面は、出没式塗布具全体の中心軸線と接線とのなす角(角θ1)が60度以下であることが好ましく、45度以下であることがより好ましい。本実施形態では出没式塗布具全体の中心軸線と接線とのなす角が45度以下となる湾曲面に孔部431の最も後方側の部分が形成されており、詳細には、角θ1を45度としている。
このような構造とすることで、上記と同様にノック操作の際に使用者が違和感を覚えるという問題の発生を抑制可能であり、且つ、孔部431をノック操作の際の滑り止めとして機能させることができる。
本実施形態の孔部431は、図23で示されるように、所定方向に延びる長孔であり、詳細には、後方から見た平面視で外筒部500の外周面の周方向に延びる長孔としている。なお、外筒部500の外周面の周方向は、出没式塗布具全体の中心軸(中心軸線)の軸回り方向であり、軸筒2の中心軸の軸回り方向でもある。
そして、孔部431の短方向の長さL2は、1.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましく、0.7mm以下であることがさらに好ましい。本実施形態では、短方向の長さL2を0.7mmとしている。なお、ここでいう「短方向の長さ」とは、孔部431を後方側からみた平面視での孔部431の幅方向の長さである。詳細には、同平面視における孔部431の各部での長手方向と直交する方向(以下、直交方向とも称す)の長さであり、孔部431の長手方向の両端側にそれぞれ位置する丸みを帯びた部分を除いた各部の直交方向の長さである。言い換えると、孔部431の長手方向の両端側を除いた各部において、直交方向で離間対向する内壁部同士の距離でもある。
なお、本実施形態では、各部の「短方向の長さ」を同じ長さ(0.7mm)としたが、各部で「短方向の長さ」が異なる場合、最大長さを孔部の「短方向の長さ」とする。
このように、短方向の長さL2を1.0mm以下とすることで、ノック操作の際に使用者の指の腹が孔部431と触れても、指の腹が孔部431に食い込まないので好ましい。
さらに、本実施形態の孔部431は、図23で示されるように、第一距離L3が1.0mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがより好ましく、3.0mm以上であることがさらに好ましい。本実施形態では、第一距離L3を3.1mmとしている。
ここで、第一距離L3は、孔部431を後方側からみた平面視で、孔部431の全体を内部に収容可能な長方形状の領域のうち、最小となる長方形状の領域の長辺の長さとしている。このように、第一距離L3が3.0mm以上となる構成とすると、孔部431がノック操作の際に滑り止めとして機能するため、好ましい。
なお、本実施形態の孔部431は、上記したように、後方から見た平面視で外筒部500の外周面の周方向に湾曲しつつ延びる形状とした。このような形状とすることでも、孔部431を滑り止めとして機能させる上で好ましい。
ここで、複数の孔部431は、後方から見た平面視での開口面積の合計が6.5平方ミリメートル以上15平方ミリメートル以下となることが好ましい。また、8.5平方ミリメートル以上13.0平方ミリメートル以下となることがさらに好ましい。本実施形態では、8.72平方ミリメートルとしている。言い換えると、同平面視における外筒部500の面積を92平方ミリメートルとし、同平面視における外筒部500の面積に対する複数の孔部431の開口面積の合計を約9.5パーセントとしている。ここで、この外筒部500の面積に対する複数の孔部431の開口面積の合計は15パーセント未満とすることがデザイン性に悪影響がなく好ましい。また、操作部に形成する孔部は一つであってもよい。この場合、複数の孔部の開口面積の合計は、形成した孔部の開口面積とする。
なお、本実施形態の操作部406を採用した出没式筆記具は、特に限定されるものではないが、ノック圧が150g以上とすることを想定している。
1 出没式筆記具
2 軸筒
4 芯部材(筆記体)
5,205 回転子
6,406 操作部
17 内部空間
22 軸筒側係合部
26 係合突起部(突条部)
27 係合溝部
30 傾斜面部
33 軸筒側カム部
35 短溝部
40 長溝部
60 前側部(回転子前側部)
61,261 後側部(延設部)
65 後方側カム部(回転側第一カム部)
81 外側カム部(回転側第二カム部)
85 回転子側係合部
90,290 第一係止突起部(回転子側係止部、移動規制部)
100 外筒部(第二筒部)
101 内筒部(第一筒部)
113 空隙部(隙間部分)
115 操作側係合部
116 操作側カム部
117 第二係止突起部(操作側係止部、移動規制部)
307 操作部付勢部材
431 孔部

Claims (8)

  1. 軸筒と筆記体と操作部を有し、前記操作部を操作することで、前記筆記体の一部が前記軸筒から外部に突出する筆記状態と、前記筆記体の一部が前記軸筒の内部に退入する退入状態が切り替わる出没式筆記具であって、
    前記軸筒は、内周面に軸筒側係合部が形成され、
    前記操作部は、第一筒部を有しており、
    回転子をさらに有し、
    前記回転子は、回転子前側部と延設部を有しており、前記回転子前側部と前記延設部が一体成形されたものであり、
    前記回転子前側部に回転子側係合部が設けられ、
    前記回転子は、前記軸筒の内部空間に前側から挿入可能であり、前記回転子前側部が前記内部空間に収容された状態で後方に移動することで前記回転子側係合部と前記軸筒側係合部が係合し、前記回転子のさらなる後方への移動が阻止されるものであり、
    前記第一筒部は、前側部分の一部が前記内部空間に後側から挿入され、且つ、前記延設部に嵌合されており、前記筆記状態と前記退入状態の切り替えにおいて、前記第一筒部と前記延設部の嵌合状態を維持したまま前記回転子が前記軸筒の軸線回りに回転することを特徴とする出没式筆記具。
  2. 前記操作部は、前記第一筒部の外側を囲む第二筒部を有しており、前記第一筒部の少なくとも一部と前記第二筒部の少なくとも一部とが二重管構造をなしており、
    前記第一筒部の外周面と前記第二筒部の内周面の間の隙間部分に前記軸筒の後側部分が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の出没式筆記具。
  3. 前記第一筒部は、前記延設部に対して前記軸筒の軸方向に相対移動が可能であり、
    前記第一筒部の前記相対移動の移動範囲を規制する移動規制部を有し、
    前記移動規制部は、前記第一筒部の内周面に設けられた操作側係止部と、前記延設部の外周面に設けられた回転子側係止部によって構成され、
    前記第一筒部を後方へ移動させることで前記操作側係止部と前記回転子側係止部とが互いに当接し、前記第一筒部のさらなる後方への移動が規制され、前記第一筒部の移動範囲外への移動が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の出没式筆記具。
  4. 操作部付勢部材を有し、前記操作部付勢部材によって前記第一筒部が後方に付勢されることを特徴とする請求項3に記載の出没式筆記具。
  5. 前記第一筒部に操作側カム部が設けられ、
    前記回転子に回転側第一カム部が設けられており、
    前記筆記状態と前記退入状態の切り替えにおいて、前記操作側カム部と前記回転側第一カム部が協働して前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転するものであり、
    前記軸筒の軸方向における前記操作側カム部の長さをL1とし、前記軸筒の軸方向における前記回転側第一カム部の長さをL2とし、前記第一筒部の前記移動範囲における最大移動距離をLXとしたとき、下記式(1)の関係をみたすことを特徴とする請求項3に記載の出没式筆記具。
    LX≧(L1+L2)・・・(1)
  6. 前記軸筒側係合部は、前記軸筒の後端よりも前方の部分から後端までの範囲に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の出没式筆記具。
  7. 前記軸筒側係合部は、複数の突条部と複数の係合溝部を有し、前記突条部と前記係合溝部が前記軸筒の周方向で交互に並んでおり、
    複数の前記突条部の前側部分に傾斜面部が設けられ、複数の前記傾斜面部によって軸筒側カム部が構成されており、
    複数の前記係合溝部の一部に長溝部が形成され、複数の前記係合溝部の他の一部に短溝部が形成されており、
    前記長溝部と前記短溝部は、前記係合溝部において後方側に隣接する部分よりも深く形成された部分であり、前記長溝部の後端部分は、前記短溝部の後端部分よりも後方に位置しており、
    前記第一筒部に複数の操作側係合部が設けられ、複数の前記操作側係合部と複数の前記係合溝部が係合することで、前記操作部の前記軸筒に対する相対回転が規制されるものであり、
    前記回転子側係合部の後端部分に回転側第二カム部が設けられており、
    前記筆記状態と前記退入状態の切り替えでは、前記回転子側係合部と前記係合溝部が係合して前記回転子の前記軸筒に対する相対回転が規制された状態で前記回転子が前方に移動し、前記回転子側係合部と前記係合溝部の係合が解除された状態で、前記軸筒側カム部と前記回転側第二カム部が協働して前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転するものであり、
    前記筆記状態では、前記回転子側係合部と前記短溝部が係合し、前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転と後方への移動が規制され、前記退入状態では、前記回転子側係合部と前記長溝部が係合し、前記回転子が前記軸筒の軸回りに回転と後方への移動が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の出没式筆記具。
  8. 前記操作部は、前記隙間部分と外部を連通する孔部を有し、
    前記孔部は、後方からみた平面視で前記軸筒の軸回りに延びる長孔であることを特徴とする請求項2に記載の出没式筆記具。
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