JP2024001630A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンに所定以上の負荷トルクが加わった場合には、無電変速装置の出力回転の増速率を抑制してエンジンのオーバヒート等による停止を防止することができるコンバインを提供する。【解決手段】エンジンの第1伝動経路の下流側にエンジンの出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置を設け、無段変速装置の伝動経路の下流に走行装置と刈取装置を設け、エンジンの第2伝動経路の下流側に脱穀装置を設け、操縦部に無段変速装置の出力回転を増減速する変速レバーを設け、エンジンに加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、変速レバーの姿勢に関わらず無段変速装置の出力回転を減速し、エンジンに加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、変速レバーの姿勢に対応する無段変速装置の出力回転に増速する。【選択図】図12

Description

本発明は、走行装置の走行速度の増減速を行う無段変速装置を備えたコンバインに関するものである。
従来のコンバインにおいて、操縦部に設けられた変速レバーを操作してエンジンと走行装置の間の伝動経路上に設けられた無段変速装置を操作して走行装置の走行速度の増減速を行い、エンジンに加わる負荷トルクが所定以上になった場合には、作業者への注意喚起を行うために操縦部のモニタに警告表示や警報を行う技術が知られている。(特許文献1参照)
特開2020-174537号公報
しかし、特許文献1の技術では、作業者が、モニタに警告表示や警報に気が付かず刈取脱穀作業を継続した場合には、エンジンがオーバヒートして停止する恐れがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、エンジンに所定以上の負荷トルクが加わった場合には、無電変速装置の出力回転の増速率を抑制してエンジンのオーバヒート等による停止を防止することができるコンバインを提供することである。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバインである。
請求項2記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第1設定出力回転未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第2設定出力回転以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバインである。
請求項3記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記脱穀装置(4)の揺動選別装置(25)の移送棚(25A)上の穀粒の層厚が予め設定した第1設定層厚以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、前記穀粒の層厚が予め設定した第2設定層厚未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバインである。
請求項4記載の発明は、前記変速レバー(16)を、前記無段変速装置(30)の出力回転の増減速を行わない中立姿勢に操作した場合には、前記無段変速装置(30)の出力回転の減速を停止する請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項5記載の発明は、前記無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、前記無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速するので、エンジン(E)に設定負荷トルクよりも大きな負荷トルクが加わった場合には、無段変速装置(30)の出力回転を減速してエンジン(E)のオーバヒート等によって駆動が停止するのを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、エンジン(E)の出力回転が予め設定した第1設定出力回転未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、エンジン(E)の出力回転が予め設定した第2設定出力回転以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速するので、エンジン(E)に設定負荷トルクよりも大きな負荷トルクが加わった場合には、無段変速装置(30)の出力回転を減速してエンジン(E)のオーバヒート等によって駆動が停止するのを防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、脱穀装置(4)の揺動選別装置(25)の移送棚(25A)上の穀粒の層厚が予め設定した第1設定層厚以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、穀粒の層厚が予め設定した第2設定層厚未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速するので、穀粒の層厚が第1設定層厚以上になった場合には、無段変速装置30の出力回転を減速させて走行装置(2)の走行速度と刈取装置(3)の刈取速度を減速して穀粒の回収ロスの増加を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、変速レバー(16)を、無段変速装置(30)の出力回転の増減速を行わない中立姿勢に操作した場合には、無段変速装置(30)の出力回転の減速を停止するので、変速レバー(16)を中立姿勢に操作して無段変速装置(30)の出力回転の減速を速やかに停止することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くするので、無段変速装置(30)の出力回転の急な増速による衝撃を抑制し、エンジン(E)のオーバヒート等によって駆動が停止するのをより防止することができる。
コンバインの正面図である。 コンバインの平面図である。 コンバインの左側面図である。 脱穀装置の前後方向の縦断面図である。 排気浄化装置の遮蔽カバーの説明図である。 エンジンEの出力回転の伝動図である。 主変速レバーの説明図である。 無段変速装置の説明図である。 本機コントローラとエンジンコントローラの接続図である。 エンジンの出力回転の説明図である。 エンジンの出力回転の説明図である。 無段変速装置の制限比率の制御方法の説明図である。 無段変速装置の制限比率の減少時の説明図である。 無段変速装置の制限比率の増加時の説明図である。
図1~3に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取装置3が設けられている。また、刈取装置3の後方左側部に刈取装置3で収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側部に作業者が搭乗する操縦部5が設けられている。
操縦部5の下側には、エンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀装置4で脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7に貯留された穀粒は、グレンタンク7に連結された排出オーガ(図示省略)によって外部に排出される。
操縦部5の操縦席の前方には、フロントパネル10が設けられ、操縦席の左方には、サイドパネル15が設けられている。
フロントパネル10の左部には、エンジンのEの出力回転等を表示するタッチパネル式のモニタ11が設けられ、右部には、走行装置2の旋回や刈取装置3の昇降を操作する操作レバー12が設けられている。また、モニタ11と操作レバー12の間には、通常の刈取作業から手扱作業に作業方法を切替える手扱スイッチ13と、後述する排気浄化装置35に流入する排気ガスの温度を昇温する昇温スイッチ14が設けられている。なお、操作レバー12の傾斜姿勢は、操作レバー12の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサで測定される。
サイドパネル15の前部には、エンジンEの出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置30を操作する主変速レバー(請求項の「変速レバー」)16が設けられ、主変速レバー16の後側には、無段変速装置30の出力回転の増減速を行うトランスミッション31を操作する副変速レバー17が設けられている。
また、主変速レバー16の右側には、本機コントローラ50を介さずエンジンコントローラ60を介してエンジンEの出力回転の増減速を行うアクセルレバー18が設けられ、副変速レバー17の後側には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続と接続解除を操作する刈脱レバー19が設けられている。
図4に示すように、脱穀装置4の上部には、フィードチェン20によって搬送されてくる穀稈を脱穀処理する扱胴21が設けられている。扱胴21の下側には、受網22が設けられ、受網22の下側には、揺動選別装置25の移送棚25A上を搬送する穀粒の層厚を測定する層厚センサ23が設けられている。また、扱胴21の上部は、扱胴カバー24で覆われている。
本実施形態では、層厚センサ23で測定された層厚の厚さが45mmを超えた場合には、後述する無段変速装置30の増速率を制限して走行装置2の走行速度等を減速する。これにより、穀粒の回収ロスを抑制することができる。また、本実施形態では、層厚センサ23で測定された層厚の厚さに応じてモニタ11にレベル表示を行い、例えば、層厚が3mmの場合はレベル0を表示し、層厚が10mmの場合はレベル3を表示し、層厚が30mmの場合はレベル6を表示し、層厚が45mmの場合はレベル9を表示するように設定している。
脱穀装置4の下部には、扱胴21で脱穀処理された穀粒を選別する揺動選別装置25が設けられている。
揺動選別装置25の上部には、前側から順に、板状体から形成された移送棚25Aと、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜に設けられた複数の板状体から形成された固定シーブ25Bと、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜角度を可変可能に設けられた複数の板状体から形成された可変シーブ25Cと、左右方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の板状体から形成されたストローラック25Dが設けれ、揺動選別装置25の下部には、固定シーブ25B等から漏下してくる穀粒を選別する選別網25Eが設けられている。
揺動選別装置25の下側には、前側から順に、固定シーブ25Bと可変シーブ25Cに向けて選別風を送風する唐箕26と、固定シーブ25Bと可変シーブ25Cから漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋27と、ストローラック25Dから漏下してくる枝梗等が付着した2番物を2番処理室に搬送する2番螺旋28が設けられている。また、ストローラック25Dの上側には、枝梗等の粉塵を外部に排出する排塵ファン29が設けられている。
図5に示すように、エンジンEの上部には、エンジンEから排気される排気ガスに含まれる粒子状物質を除去する排気浄化装置35が設けられている。排気浄化装置35の長手方向は前後方向に沿って設けられ、排気浄化装置35は前後一対の支持部材35Aを介してエンジンEに着脱自在に固定されている。
排気浄化装置35の上側には、排気浄化装置35の上部を覆う遮熱カバー36が設けられている。遮熱カバー36は前後一対の支持部材(図示省略)を介して排気浄化装置35に着脱自在に固定されている。これにより、埃や塵が排気浄化装置35の上部に堆積するのを防止すると共に、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が上方に伝導されるのを防止して操縦部5内の温度上昇を防止することができる。
遮熱カバー36の上側には、遮熱カバー36を覆う遮蔽カバー37が設けられている。遮蔽カバー37の前部は、連結部材を介して機体フレーム1の前部に立設された上下方向に延在する縦フレーム37Aに着脱自在に支持され、遮蔽カバー37の後部は、連結部材を介して機体フレーム1の後部に立設された上下方向に延在する縦フレーム37Bに着脱自在に支持されている。これにより、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が上方に伝導されるのをより防止することができる。
排気浄化装置35の前側には、排気浄化装置35の前部を覆う遮蔽カバー38が設けられている。遮蔽カバー38は、左右方向に延在する連結部材を介して縦フレーム37Aに着脱自在に支持されている。また、排気浄化装置35の後側には、排気浄化装置35の後部を覆う遮蔽カバー39が設けられている。遮蔽カバー39は、左右方向に延在する連結部材を介して縦フレーム37Bに着脱自在に支持されている。これにより、埃や塵が排気浄化装置35の前部と後部に堆積するのを防止すると共に、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が前側と後側に伝導されるのを防止して操縦部5内の温度上昇をより防止することができる。
図6に示すように、エンジンEの出力回転は、伝動経路(請求項の「第1伝動経路」)Aに設けられた無段変速装置30に伝動される。無段変速装置30の入力軸に伝動されたエンジンEの出力回転は、無段変速装置30内で増減速と回転方向の切替えが行われた後に、無段変速装置30からトランスミッション31に伝動される。
トランスミッション31の入力軸に伝動された無段変速装置30の出力回転は、トランスミッション31内の多段ギヤで増減速された後に、走行装置2と刈取装置3に伝動されるに伝動される。また、トランスミッション31と刈取装置3の間には、トランスミッション31の出力軸と刈取装置3の入力軸の間には刈取クラッチ32が設けられている。
エンジンEの出力回転は、伝動経路(請求項の「第2伝動経路」)Bに設けられた脱穀装置4に伝動される。また、エンジンEの出力軸と脱穀装置4の入力軸の間には脱穀クラッチ33が設けられている。
図7に示すように、主変速レバー16を中立姿勢にした場合には、無段変速装置30の出力回転はゼロになる。主変速レバー16を中立姿勢から前側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置30の出力回転の回転方向はエンジンEの出力回転の回転方向と同じ正回転となり、前側傾斜姿勢の傾斜角度を大きくすると無段変速装置30の出力回転は増速し、前側傾斜姿勢の傾斜角度を小さくすると無段変速装置30の出力回転は減速する。また、主変速レバー16を中立姿勢から後側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置30の出力回転の回転方向はエンジンEの出力回転の回転方向と逆さの逆回転となり、後側傾斜姿勢の傾斜角度を大きくすると無段変速装置30の出力回転は増速し、後側傾斜姿勢の傾斜角度を小さくすると無段変速装置30の出力回転は減速する。
副変速レバー17を中立姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は増減速されない。副変速レバー17を中立姿勢から前側傾斜姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は増速し、副変速レバー17を中立姿勢から後側傾斜姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は減速する。
アクセルレバー18を前側傾斜姿勢にした場合には、エンジンEの出力回転は増速し、アクセルレバー18を後側傾斜姿勢にした場合には、エンジンEの出力回転は減速する。これにより、アクセルレバー18を操作して、エンジンEの出力回転を増減速させて脱穀装置4の扱胴等の回転速度を増減速させて脱穀選別処理を効率良く行うことができる。
刈脱レバー19を前側傾斜姿勢にした場合には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続は解除されて、エンジンEの出力回転の刈取装置3と脱穀装置4への伝動が遮断されて刈取装置3と脱穀装置4は停止する。刈脱レバー19を後側傾斜姿勢にした場合には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されて、エンジンEの出力回転が刈取装置3と脱穀装置4に伝動されて刈取装置3と脱穀装置4は駆動する。刈脱レバー19を中立姿勢にした場合には、刈取クラッチ32の接続は解除され、脱穀クラッチ33は接続されて、刈取装置3は駆動し、脱穀装置4は停止する。
主変速レバー16の傾斜姿勢等は、主変速レバー16の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサ16Sで測定され、副変速レバー17の傾斜姿勢等は、副変速レバー17の下部に装着された角度センサで測定され、アクセルレバー18の傾斜姿勢等は、アクセルレバー18の下部に装着された角度センサ18Sで測定され、刈脱レバー19の傾斜姿勢等は、刈脱レバー19の下部に装着された角度センサ19Sで測定される。
<無段変速装置>
図8に示すように、無段変速装置30のトラニオン軸40には、扇形形状の操作具41の基部が支持されている。操作具41の外周部に形成されたギヤには、前進用モータ42の出力軸に支持されたギヤ42Aと、後進用モータ43の出力軸に支持されたギヤ43Aが係合している。これにより、主変速レバー16の姿勢、すなわち、角度センサ16Sの測定値に基づいて前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動して無段変速装置30の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行うことができる。
また、図8に図示した形態に替えて、無段変速装置30のトラニオン軸40に径方向に延在するアームの一側を支持し、アームの他側に前進用ソレノイドで駆動される前進用シリンダと後進用ソレノイドで駆動される後進用シリンダを連結して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動することもできる。
<本機コントローラとエンジンコントローラ>
図9に示すように、本機コントローラ50は、CPU等からなる処理部51と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部52から形成されている。
処理部51は、エンジンEに加わる負荷トルクが予め設定した設定許容トルクよりも大きくなった場合に、主変速レバー16の傾斜姿勢に係わらず無段変速装置30の前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の出力回転を減速する等の出力制限を行う。
記憶部52は、予め作成された刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続された接続時でのエンジンEの出力回転の第1出力制限マップM1と、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続が解除された解除時でのエンジンEの出力回転の第2出力制限マップM2が保存されている。なお、本明細書では、第1出力制限マップM1と第2出力制限マップM2を総称して出力制限マップMという。
本機コントローラ50には、設定許容トルクを入力するモニタ11、通常の刈取作業から手扱作業に切替える手扱スイッチ13、排気浄化装置35に流入する排気ガスの温度を昇温する昇温スイッチ14、主変速レバー16の傾斜姿勢を測定する角度センサ16S、刈脱レバー19の傾斜姿勢を測定する角度センサ19S、及び移送棚25A上を搬送する穀粒の層厚を測定する層厚センサ23等が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
本機コントローラ50には、刈取クラッチ32、脱穀クラッチ33、及び無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させる前進用モータ42と後進用モータ43が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
エンジンコントローラ60には、アクセルレバー18の傾斜姿勢を測定する角度センサ18Sと、エンジンEの出力回転、すなわち、エンジンEの出力軸の出力回転速度を測定する速度センサ61と、エンジンEのシリンダの温度に基づいてエンジンEに加わる負荷トルクを測定するトルクセンサ62と、エンジンEのシリンダに燃焼空気を供給するスロットルバルブの開度状態を測定する開度センサ63等が所定のインターフェース回路を介して接続されている。
また、本機コントローラ50とエンジンコントローラ60は無線回線53を介して接続されている。これにより、本機コントローラ50に入力された角度センサ16S等の入力情報はエンジンコントローラ60に送信され、エンジンコントローラ60に入力されたトルクセンサ62等の入力情報は本機コントローラ50に送信することができる。
<接続時出力制限マップ>
図10には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続された接続時におけるエンジンEの出力回転の第1出力制限マップM1が図示されている。図10に示すように、第1出力制限マップM1の横軸はエンジンEの出力回転[rpm]を示し、縦軸は無段変速装置30の制限比率[%]を示している。
本実施形態では、第1出力制限マップM1は、第1~7制限ライン(C1~C7)で形成されている。なお、本明細書では、第1~7制限ライン(C1~C7)を総称して制御ラインCという。
第1制御ライン(C1)は、エンジン(E)の回転数が0~900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0%に設定され、第2制御ライン(C2)は、エンジン(E)の回転数が900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0~40%に設定され、第3制御ライン(C3)は、エンジン(E)の回転数が900~1300rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40%に設定され、第4制御ライン(C4)は、エンジン(E)の回転数が1300~1600rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40~70%に設定され、第5制御ライン(C5)は、エンジン(E)の回転数が1600~2000rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70%に設定され、第6制御ライン(C6)は、エンジン(E)の回転数が2000~2300rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70~100%に設定され、第7制御ライン(C7)は、エンジン(E)の回転数が2300~2700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が100%に設定されている。なお、エンジン(E)の出力回転は、エンジン(E)の回転トルクが略直線状に増減する1000~2700rpmで使用するのが好ましい。また、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上になると、エンジン(E)の出力回転は2700rpmから減速する。
制限比率の技術的意義を明確にするために、主変速レバー16を中立姿勢から最大前側傾斜姿勢に操作した場合に、無段変速装置30内でエンジンEの出力回転が増速され、無段変速装置30の出力回転がエンジンEの出力回転の120%、すなわち、無段変速装置30内での増速率が20%になる具体的形態を例に取って以下説明する。
第7制御ライン(C7)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定未満でありエンジン(E)の出力回転が2300rpm以上~2700rpm未満の場合には、制限比率が100%であり、無段変速装置30内での増速率が20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2300~2700rpmが無段変速装置30内で20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2760~3240rpmになる。
第6制御ライン(C6)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が2000rpm以上~2300rpm未満の場合には、制限比率が70~100%であり、無段変速装置30内での増速率が14~20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2000~2300rpmが無段変速装置30内で14~20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2280~2760rpmになる。また、刈脱レバー19が後側傾斜姿勢に操作されて刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されて刈取脱穀作業が行われている場合にはエンジンEの出力回転は2400~2700rpmに設定され、エンジンEの出力回転が2300rpm未満になった場合に、無段変速装置30の制限比率の制御を開始している。これにより、エンジンEに加わる負荷トルクが所定以下の場合には、エンジンEの出力回転を2400~2600rpmに維持して刈取脱穀作業を効率良く行うことができる。
第5制御ライン(C5)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1600rpm以上~2000rpm未満の場合には、制限比率が70%であり、無段変速装置30内での増速率が14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1600~2000rpmが無段変速装置30内で14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1824~2280rpmになる。
第4制御ライン(C4)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1300rpm以上~1600rpm未満の場合には、制限比率が40~70%であり、無段変速装置30内での増速率が8~14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1300~1600rpmが無段変速装置30内で8~14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1404~1824rpmになる。また、手扱スイッチ13が押されて本機コントローラ50に手扱スイッチ13の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1800rpmに設定されている。これにより、手扱スイッチ13が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。さらに、昇温スイッチ14が押されて本機コントローラ50に昇温スイッチ14の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1500rpmに設定されている。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
第3制御ライン(C3)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpm以上~1300rpm未満の場合には、制限比率が40%であり、無段変速装置30内での増速率が8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900~1300rpmが無段変速装置30内で8%増速されて無段変速装置30の出力回転が972~1404rpmになる。また、アイドリング時のエンジンEの出力回転は1000rpmに設定されている。これにより、エンジンEに短時間に所定以上の過大な負荷トルクが加わる場合を除いてはエンジンEの出力回転は1000rpm以上に維持されるので刈取脱穀作業の効率を所定以上に維持することができる。
第2制御ライン(C2)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpmの場合には、制限比率が0~40%であり、無段変速装置30内での増速率が0~8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900rpmが無段変速装置30内で0~8%増速されて無段変速装置30の出力回転が0~972rpmになる。
第1制御ライン(C1)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が0rpm以上~900rpm未満の場合には、制限比率が0%であり、無段変速装置30内での増速率が0%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転0~900rpmが無段変速装置30内で0%増速されて無段変速装置30の出力回転が0rpmになる。
<解除時出力制限マップ>
図11には、脱穀クラッチ33の接続の解除時におけるエンジンEの出力回転の第2出力制限マップM2が図示されている。図11に示すように、第2出力制限マップM2の横軸はエンジンEの出力回転[rpm]を示し、縦軸は無段変速装置30の制限比率[%]を示している。
本実施形態では、第2出力制限マップM2は、第1~7制限ライン(D1~D7)で形成されている。なお、本明細書では、第1~7制限ライン(D1~D7)を総称して制御ラインDという。
第1制御ライン(D1)は、エンジン(E)の回転数が0~900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0%に設定され、第2制御ライン(D2)は、エンジン(E)の回転数が900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0~40%に設定され、第3制御ライン(D3)は、エンジン(E)の回転数が900~1200rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40%に設定され、第4制御ライン(D4)は、エンジン(E)の回転数が1200~1500rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40~70%に設定され、第5制御ライン(D5)は、エンジン(E)の回転数が1500~1700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70%に設定され、第6制御ライン(D6)は、エンジン(E)の回転数が1700~2000rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70~100%に設定され、第7制御ライン(D7)は、エンジン(E)の回転数が2000~2700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が100%に設定されている。
以下では、制限比率の技術的意義を明確にするために、主変速レバー16を中立姿勢から最大前側傾斜姿勢に操作した場合に、無段変速装置30内でエンジンEの出力回転が増速され、無段変速装置30の出力回転がエンジンEの出力回転の120%、すなわち、無段変速装置30内での増速率が20%になる形態を例に取って説明する。
第7制御ライン(D7)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定未満でありエンジン(E)の出力回転が2000rpm以上~2700rpm未満の場合には、制限比率が100%であり、無段変速装置30内での増速率が20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2000~2700rpmが無段変速装置30内で20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2400~3240rpmになる。
第6制御ライン(D6)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1700rpm以上~2000rpm未満の場合には、制限比率が70~100%であり、無段変速装置30内での増速率が14~20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1700~2000rpmが無段変速装置30内で14~20%増速されて無段変速装置30の出力回転が1938~2400rpmになる。また、刈脱レバー19が前側傾斜姿勢又は中立姿勢に操作されて脱穀クラッチ33の接続が解除されて脱穀作業が行われていない場合にはエンジンEの出力回転を2000~2700rpmに設定され、エンジンEの出力回転が2000rpm未満になった場合に、無段変速装置30の制限比率の制御を開始している。これにより、無段変速装置30の損傷を抑制することができる。
第5制御ライン(D5)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1500rpm以上~1700rpm未満の場合には、制限比率が70%であり、無段変速装置30内での増速率が14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1500~1700rpmが無段変速装置30内で14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1710~1938rpmになる。また、手扱スイッチ13が押されて本機コントローラ50に手扱スイッチ13の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1800rpmに設定されている。これにより、手扱スイッチ13が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。
第4制御ライン(D4)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1200rpm以上~1500rpm未満の場合には、制限比率が40~70%であり、無段変速装置30内での増速率が8~14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1300~1500rpmが無段変速装置30内で8~14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1296~1710rpmになる。また、昇温スイッチ14が押されて本機コントローラ50に昇温スイッチ14の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1500rpmに設定されている。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
第3制御ライン(D3)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpm以上~1200rpm未満の場合には、制限比率が40%であり、無段変速装置30内での増速率が8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900~1200rpmが無段変速装置30内で8%増速されて無段変速装置30の出力回転が972~1296rpmになる。また、アイドリング時のエンジンEの出力回転は1000rpmに設定されている。これにより、エンジンEに短時間に所定以上の過大な負荷トルクが加わる場合を除いてはエンジンEの出力回転は1000rpm以上に維持されるので刈取脱穀作業の効率を所定以上に維持することができる。
第2制御ライン(D2)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpmの場合には、制限比率が0~40%であり、無段変速装置30内での増速率が0~8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900rpmが無段変速装置30内で0~8%増速されて無段変速装置30の出力回転が0~972rpmになる。
第1制御ライン(D1)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が0rpm以上~900rpm未満の場合には、制限比率が0%であり、無段変速装置30内での増速率が0%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転0~900rpmが無段変速装置30内で0%増速されて無段変速装置30の出力回転が0rpmになる。
<無段変速装置の制限比率の制御方法>
図12に示すように、ステップS1で、本機コントローラ50の処理部51は、刈脱レバー19の基部に装着された角度センサ19Sの入力信号を判断する。角度センサ19Sの入力信号から刈脱レバー19が後側傾斜姿勢に操作されて刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されていると判断した場合にはステップS2に進み、刈脱レバー19が前側傾斜姿勢又は中立姿勢に操作されて脱穀クラッチ33の接続が解除されていると判断した場合にはステップS10に進む。
ステップS2で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力されるトルクセンサ62の入力信号を判断する。トルクセンサ62の入力信号からエンジンEに加わっている負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合(請求項の「第1設定割合」)未満の場合にはステップS3に進み、負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS7に進む。これにより、エンジンEに設定負荷トルクよりも大きな負荷トルク等が加わった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御してエンジンEのオーバヒート等の発生を防止することができる。なお、本実施形態では、設定負荷トルクはエンジンEの最大回転トルクに設定し、設定割合は98~99%に設定している。
ステップS3で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力される速度センサ61の入力信号を判断する。速度センサ61の入力信号からエンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転(請求項の「第1設定出力回転」)以上の場合にはステップS4に進み、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満の場合にはステップS7に進む。これにより、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満になった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御してエンジンEのオーバヒート等の発生を防止することができる。なお、ステップS2で負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS3に進み、ステップS3で、負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合未満で、且つ、エンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転未満の場合にステップS7に進む構成にすることもできる。
ステップS4で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。層厚センサ23の入力信号から移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定層厚未満であれはステップS5に進み、層厚が設定層厚(請求項の「第1設定層厚」)以上の場合にはステップS7に進む。これにより、層厚が設定層厚以上になった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御して刈取装置3の刈取速度を減速して穀粒の回収ロスの増加を防止することができる。なお、ステップS2で負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS4に進み、ステップS4で、負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合未満で、且つ、穀粒の層厚が予め設定した設定層厚以上の場合にステップS7に進む構成にすることもできる。
ステップS5で、処理部51は、手扱スイッチ13の入力信号を判断する。手扱スイッチ13が押されていないと判断した場合にはステップS6に進み、手扱スイッチ13が押されている判断した場合にはステップS7に進む。これにより、手扱スイッチ13が押されて通常の刈取脱穀作業から手扱作業に切換えられている場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。
ステップS6で、処理部51は、昇温スイッチ14の入力信号を判断する。昇温スイッチ14が押されていないと判断した場合にはステップS1に戻り、昇温スイッチ14が押されている判断した場合にはステップS7に進む。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
ステップS7で、処理部51は、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させてステップS8に進む。これにより、第1出力制限マップM1に基づいて無段変速装置30の制限比率を減少させて無段変速装置30の出力回転の増速率を減少させることができる。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間は、無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間よりも短く設定するのが好ましい。これにより、エンジンEのオーバヒート等の発生をより防止することができる。
ステップS8で、処理部51は、モニタ11に、「主変速レバーを中立姿勢に操作して下さい。」の表示を行うと共に警報を鳴らして作業者の注意を喚起させてステップS9に進む。
ステップS9で、処理部51は、トルクセンサ62の入力信号を判断する。負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定解除割合以上の場合にはステップS10に進み、負荷トルクが設定解除負荷トルクの設定解除割合(請求項の「第2設定割合」)未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS10で、処理部51は、速度センサ61の入力信号を判断する。エンジンEの出力回転が予め設定した設定解除出力回転未満の場合にはステップS11に進み、エンジンEの出力回転が設定解除出力回転(請求項の「第2設定出力回転」)以上の場合にはステップS1に進む。
ステップS11で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定解除層厚以上であれはステップS12に進み、層厚が設定解除層厚(請求項の「第2設定層厚」)未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS12で、処理部51は、主変速レバー16の基部に装着された角度センサ16Sの入力信号を判断する。角度センサ16Sの入力信号から主変速レバー16が中立姿勢に操作されていると判断した場合にはステップS1に戻り、主変速レバー16が中立姿勢に操作されていないと判断した場合にはステップS2に戻る。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間(請求項の第1時間)は、無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間(請求項の第2時間)よりも長く設定するのが好ましい。これにより、無段変速装置30の出力回転の急な増速による衝撃を抑制することができる。
ステップS13で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力されるトルクセンサ62の入力信号を判断する。トルクセンサ62の入力信号からエンジンEに加わっている負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクに対して予め設定した設定割合未満の場合にはステップS14に進み、負荷トルクが設定負荷トルクに対して設定割合以上の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS2と同様の効果を得ることができる。
ステップS14で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力される速度センサ61の入力信号を判断する。速度センサ61の入力信号からエンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転以上の場合にはステップS15に進み、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS3と同様の効果を得ることができる。
ステップS15で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。層厚センサ23の入力信号から移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定層厚未満であれはステップS16に進み、層厚が設定層厚以上の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS4と同様の効果を得ることができる。
ステップS16で、処理部51は、手扱スイッチ13の入力信号を判断する。手扱スイッチ13が押されていないと判断した場合にはステップS17に進み、手扱スイッチ13が押されている判断した場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS5と同様の効果を得ることができる。
ステップS17で、処理部51は、昇温スイッチ14の入力信号を判断する。昇温スイッチ14が押されていないと判断した場合にはステップS1に戻り、昇温スイッチ14が押されている判断した場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS6と同様の効果を得ることができる。
ステップS18で、処理部51は、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させてステップS19に進む。これにより、ステップS7と同様の効果を得ることができる。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間は、無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間よりも短く設定するのが好ましい。これにより、エンジンEのオーバヒート等の発生をより防止することができる。
ステップS19で、処理部51は、モニタ11に、「主変速レバーを中立姿勢に操作して下さい。」の表示を行うと共に警報を鳴らして作業者の注意を喚起させてステップS20に進む。
ステップS20で、処理部51は、トルクセンサ62の入力信号を判断する。負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定解除割合以上の場合にはステップS21に進み、負荷トルクが設定解除負荷トルクの設定解除割合未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS21で、処理部51は、速度センサ61の入力信号を判断する。エンジンEの出力回転が予め設定した設定解除出力回転未満の場合にはステップS22に進み、エンジンEの出力回転が設定解除出力回転以上の場合にはステップS1に進む。
ステップS22で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定解除層厚以上であれはステップS23に進み、層厚が設定解除層厚未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS23で、処理部51は、主変速レバー16の基部に装着された角度センサ16Sの入力信号を判断する。角度センサ16Sの入力信号から主変速レバー16が中立姿勢に操作されていると判断した場合にはステップS1に戻り、主変速レバー16が中立姿勢に操作されていないと判断した場合にはステップS13に戻る。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間は、無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間よりも長く設定するのが好ましい。これにより、無段変速装置30の出力回転の急加速による衝撃を抑制することができる。
1 機体フレーム
2 走行装置
3 刈取装置
4 脱穀装置
5 操縦部
16 主変速レバー(変速レバー)
25 揺動選別装置
25A 移送棚
30 無段変速装置
A 伝動経路(第1伝動経路)
B 伝動経路(第2伝動経路)
E エンジン
本発明は、走行装置の走行速度の増減速を行う無段変速装置を備えたコンバインに関するものである。
従来のコンバインにおいて、操縦部に設けられた変速レバーを操作してエンジンと走行装置の間の伝動経路上に設けられた無段変速装置を操作して走行装置の走行速度の増減速を行い、エンジンに加わる負荷トルクが所定以上になった場合には、作業者への注意喚起を行うために操縦部のモニタに警告表示や警報を行う技術が知られている。(特許文献1参照)
特開2020-174537号公報
しかし、特許文献1の技術では、作業者が、モニタに警告表示や警報に気が付かず刈取脱穀作業を継続した場合には、エンジンがオーバヒートして停止する恐れがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、エンジンに所定以上の負荷トルクが加わった場合には、無電変速装置の出力回転の増速率を抑制してエンジンのオーバヒート等による停止を防止することができるコンバインを提供することである。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、前記エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、前記エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、前記エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、前記無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、前記無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くすることを特徴とするコンバインである。
請求項2記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第1設定出力回転未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、前記エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、前記エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、前記エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第2設定出力回転以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、前記無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、前記無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くすることを特徴とするコンバインである。
請求項3記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、前記脱穀装置(4)の揺動選別装置(25)の移送棚(25A)上の穀粒の層厚が予め設定した第1設定層厚以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、前記エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、前記エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、前記エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、前記穀粒の層厚が予め設定した第2設定層厚未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、前記無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、前記無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くすることを特徴とするコンバインである。
請求項4記載の発明は、前記変速レバー(16)を、前記無段変速装置(30)の出力回転の増減速を行わない中立姿勢に操作した場合には、前記無段変速装置(30)の出力回転の減速を停止する請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くするので、エンジン(E)に設定負荷トルクよりも大きな負荷トルクが加わった場合には、無段変速装置(30)の出力回転を減速してエンジン(E)のオーバヒート等によって駆動が停止するのを防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、エンジン(E)の出力回転が予め設定した第1設定出力回転未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、エンジン(E)の出力回転が予め設定した第2設定出力回転以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くするので、エンジン(E)に設定負荷トルクよりも大きな負荷トルクが加わった場合には、無段変速装置(30)の出力回転を減速してエンジン(E)のオーバヒート等によって駆動が停止するのを防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、脱穀装置(4)の揺動選別装置(25)の移送棚(25A)上の穀粒の層厚が予め設定した第1設定層厚以上になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を、エンジン(E)の出力回転が設定出力回転未満から所定出力回転に減速される場合は、エンジン(E)の出力回転の減速に応じて直線的に減速し、エンジン(E)の出力回転が所定出力回転未満に減速された場合は、減速を停止し、穀粒の層厚が予め設定した第2設定層厚未満になった場合には、変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速し、無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くするので、穀粒の層厚が第1設定層厚以上になった場合には、無段変速装置30の出力回転を減速させて走行装置(2)の走行速度と刈取装置(3)の刈取速度を減速して穀粒の回収ロスの増加を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、変速レバー(16)を、無段変速装置(30)の出力回転の増減速を行わない中立姿勢に操作した場合には、無段変速装置(30)の出力回転の減速を停止するので、変速レバー(16)を中立姿勢に操作して無段変速装置(30)の出力回転の減速を速やかに停止することができる。
コンバインの正面図である。 コンバインの平面図である。 コンバインの左側面図である。 脱穀装置の前後方向の縦断面図である。 排気浄化装置の遮蔽カバーの説明図である。 エンジンEの出力回転の伝動図である。 主変速レバーの説明図である。 無段変速装置の説明図である。 本機コントローラとエンジンコントローラの接続図である。 エンジンの出力回転の説明図である。 エンジンの出力回転の説明図である。 無段変速装置の制限比率の制御方法の説明図である。 無段変速装置の制限比率の減少時の説明図である。 無段変速装置の制限比率の増加時の説明図である。
図1~3に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取装置3が設けられている。また、刈取装置3の後方左側部に刈取装置3で収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側部に作業者が搭乗する操縦部5が設けられている。
操縦部5の下側には、エンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀装置4で脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7に貯留された穀粒は、グレンタンク7に連結された排出オーガ(図示省略)によって外部に排出される。
操縦部5の操縦席の前方には、フロントパネル10が設けられ、操縦席の左方には、サイドパネル15が設けられている。
フロントパネル10の左部には、エンジンのEの出力回転等を表示するタッチパネル式のモニタ11が設けられ、右部には、走行装置2の旋回や刈取装置3の昇降を操作する操作レバー12が設けられている。また、モニタ11と操作レバー12の間には、通常の刈取作業から手扱作業に作業方法を切替える手扱スイッチ13と、後述する排気浄化装置35に流入する排気ガスの温度を昇温する昇温スイッチ14が設けられている。なお、操作レバー12の傾斜姿勢は、操作レバー12の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサで測定される。
サイドパネル15の前部には、エンジンEの出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置30を操作する主変速レバー(請求項の「変速レバー」)16が設けられ、主変速レバー16の後側には、無段変速装置30の出力回転の増減速を行うトランスミッション31を操作する副変速レバー17が設けられている。
また、主変速レバー16の右側には、本機コントローラ50を介さずエンジンコントローラ60を介してエンジンEの出力回転の増減速を行うアクセルレバー18が設けられ、副変速レバー17の後側には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続と接続解除を操作する刈脱レバー19が設けられている。
図4に示すように、脱穀装置4の上部には、フィードチェン20によって搬送されてくる穀稈を脱穀処理する扱胴21が設けられている。扱胴21の下側には、受網22が設けられ、受網22の下側には、揺動選別装置25の移送棚25A上を搬送する穀粒の層厚を測定する層厚センサ23が設けられている。また、扱胴21の上部は、扱胴カバー24で覆われている。
本実施形態では、層厚センサ23で測定された層厚の厚さが45mmを超えた場合には、後述する無段変速装置30の増速率を制限して走行装置2の走行速度等を減速する。これにより、穀粒の回収ロスを抑制することができる。また、本実施形態では、層厚センサ23で測定された層厚の厚さに応じてモニタ11にレベル表示を行い、例えば、層厚が3mmの場合はレベル0を表示し、層厚が10mmの場合はレベル3を表示し、層厚が30mmの場合はレベル6を表示し、層厚が45mmの場合はレベル9を表示するように設定している。
脱穀装置4の下部には、扱胴21で脱穀処理された穀粒を選別する揺動選別装置25が設けられている。
揺動選別装置25の上部には、前側から順に、板状体から形成された移送棚25Aと、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜に設けられた複数の板状体から形成された固定シーブ25Bと、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜角度を可変可能に設けられた複数の板状体から形成された可変シーブ25Cと、左右方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の板状体から形成されたストローラック25Dが設けれ、揺動選別装置25の下部には、固定シーブ25B等から漏下してくる穀粒を選別する選別網25Eが設けられている。
揺動選別装置25の下側には、前側から順に、固定シーブ25Bと可変シーブ25Cに向けて選別風を送風する唐箕26と、固定シーブ25Bと可変シーブ25Cから漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋27と、ストローラック25Dから漏下してくる枝梗等が付着した2番物を2番処理室に搬送する2番螺旋28が設けられている。また、ストローラック25Dの上側には、枝梗等の粉塵を外部に排出する排塵ファン29が設けられている。
図5に示すように、エンジンEの上部には、エンジンEから排気される排気ガスに含まれる粒子状物質を除去する排気浄化装置35が設けられている。排気浄化装置35の長手方向は前後方向に沿って設けられ、排気浄化装置35は前後一対の支持部材35Aを介してエンジンEに着脱自在に固定されている。
排気浄化装置35の上側には、排気浄化装置35の上部を覆う遮熱カバー36が設けられている。遮熱カバー36は前後一対の支持部材(図示省略)を介して排気浄化装置35に着脱自在に固定されている。これにより、埃や塵が排気浄化装置35の上部に堆積するのを防止すると共に、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が上方に伝導されるのを防止して操縦部5内の温度上昇を防止することができる。
遮熱カバー36の上側には、遮熱カバー36を覆う遮蔽カバー37が設けられている。遮蔽カバー37の前部は、連結部材を介して機体フレーム1の前部に立設された上下方向に延在する縦フレーム37Aに着脱自在に支持され、遮蔽カバー37の後部は、連結部材を介して機体フレーム1の後部に立設された上下方向に延在する縦フレーム37Bに着脱自在に支持されている。これにより、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が上方に伝導されるのをより防止することができる。
排気浄化装置35の前側には、排気浄化装置35の前部を覆う遮蔽カバー38が設けられている。遮蔽カバー38は、左右方向に延在する連結部材を介して縦フレーム37Aに着脱自在に支持されている。また、排気浄化装置35の後側には、排気浄化装置35の後部を覆う遮蔽カバー39が設けられている。遮蔽カバー39は、左右方向に延在する連結部材を介して縦フレーム37Bに着脱自在に支持されている。これにより、埃や塵が排気浄化装置35の前部と後部に堆積するのを防止すると共に、稼働により高温になった排気浄化装置35の熱が前側と後側に伝導されるのを防止して操縦部5内の温度上昇をより防止することができる。
図6に示すように、エンジンEの出力回転は、伝動経路(請求項の「第1伝動経路」)Aに設けられた無段変速装置30に伝動される。無段変速装置30の入力軸に伝動されたエンジンEの出力回転は、無段変速装置30内で増減速と回転方向の切替えが行われた後に、無段変速装置30からトランスミッション31に伝動される。
トランスミッション31の入力軸に伝動された無段変速装置30の出力回転は、トランスミッション31内の多段ギヤで増減速された後に、走行装置2と刈取装置3に伝動されるに伝動される。また、トランスミッション31と刈取装置3の間には、トランスミッション31の出力軸と刈取装置3の入力軸の間には刈取クラッチ32が設けられている。
エンジンEの出力回転は、伝動経路(請求項の「第2伝動経路」)Bに設けられた脱穀装置4に伝動される。また、エンジンEの出力軸と脱穀装置4の入力軸の間には脱穀クラッチ33が設けられている。
図7に示すように、主変速レバー16を中立姿勢にした場合には、無段変速装置30の出力回転はゼロになる。主変速レバー16を中立姿勢から前側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置30の出力回転の回転方向はエンジンEの出力回転の回転方向と同じ正回転となり、前側傾斜姿勢の傾斜角度を大きくすると無段変速装置30の出力回転は増速し、前側傾斜姿勢の傾斜角度を小さくすると無段変速装置30の出力回転は減速する。また、主変速レバー16を中立姿勢から後側傾斜姿勢した場合には、無段変速装置30の出力回転の回転方向はエンジンEの出力回転の回転方向と逆さの逆回転となり、後側傾斜姿勢の傾斜角度を大きくすると無段変速装置30の出力回転は増速し、後側傾斜姿勢の傾斜角度を小さくすると無段変速装置30の出力回転は減速する。
副変速レバー17を中立姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は増減速されない。副変速レバー17を中立姿勢から前側傾斜姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は増速し、副変速レバー17を中立姿勢から後側傾斜姿勢にした場合には、トランスミッション31の出力回転は減速する。
アクセルレバー18を前側傾斜姿勢にした場合には、エンジンEの出力回転は増速し、アクセルレバー18を後側傾斜姿勢にした場合には、エンジンEの出力回転は減速する。これにより、アクセルレバー18を操作して、エンジンEの出力回転を増減速させて脱穀装置4の扱胴等の回転速度を増減速させて脱穀選別処理を効率良く行うことができる。
刈脱レバー19を前側傾斜姿勢にした場合には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続は解除されて、エンジンEの出力回転の刈取装置3と脱穀装置4への伝動が遮断されて刈取装置3と脱穀装置4は停止する。刈脱レバー19を後側傾斜姿勢にした場合には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されて、エンジンEの出力回転が刈取装置3と脱穀装置4に伝動されて刈取装置3と脱穀装置4は駆動する。刈脱レバー19を中立姿勢にした場合には、刈取クラッチ32の接続は解除され、脱穀クラッチ33は接続されて、刈取装置3は駆動し、脱穀装置4は停止する。
主変速レバー16の傾斜姿勢等は、主変速レバー16の下部に装着されたポテンションメータ等の角度センサ16Sで測定され、副変速レバー17の傾斜姿勢等は、副変速レバー17の下部に装着された角度センサで測定され、アクセルレバー18の傾斜姿勢等は、アクセルレバー18の下部に装着された角度センサ18Sで測定され、刈脱レバー19の傾斜姿勢等は、刈脱レバー19の下部に装着された角度センサ19Sで測定される。
<無段変速装置>
図8に示すように、無段変速装置30のトラニオン軸40には、扇形形状の操作具41の基部が支持されている。操作具41の外周部に形成されたギヤには、前進用モータ42の出力軸に支持されたギヤ42Aと、後進用モータ43の出力軸に支持されたギヤ43Aが係合している。これにより、主変速レバー16の姿勢、すなわち、角度センサ16Sの測定値に基づいて前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動して無段変速装置30の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行うことができる。
また、図8に図示した形態に替えて、無段変速装置30のトラニオン軸40に径方向に延在するアームの一側を支持し、アームの他側に前進用ソレノイドで駆動される前進用シリンダと後進用ソレノイドで駆動される後進用シリンダを連結して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動することもできる。
<本機コントローラとエンジンコントローラ>
図9に示すように、本機コントローラ50は、CPU等からなる処理部51と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部52から形成されている。
処理部51は、エンジンEに加わる負荷トルクが予め設定した設定許容トルクよりも大きくなった場合に、主変速レバー16の傾斜姿勢に係わらず無段変速装置30の前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の出力回転を減速する等の出力制限を行う。
記憶部52は、予め作成された刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続された接続時でのエンジンEの出力回転の第1出力制限マップM1と、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33の接続が解除された解除時でのエンジンEの出力回転の第2出力制限マップM2が保存されている。なお、本明細書では、第1出力制限マップM1と第2出力制限マップM2を総称して出力制限マップMという。
本機コントローラ50には、設定許容トルクを入力するモニタ11、通常の刈取作業から手扱作業に切替える手扱スイッチ13、排気浄化装置35に流入する排気ガスの温度を昇温する昇温スイッチ14、主変速レバー16の傾斜姿勢を測定する角度センサ16S、刈脱レバー19の傾斜姿勢を測定する角度センサ19S、及び移送棚25A上を搬送する穀粒の層厚を測定する層厚センサ23等が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
本機コントローラ50には、刈取クラッチ32、脱穀クラッチ33、及び無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させる前進用モータ42と後進用モータ43が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
エンジンコントローラ60には、アクセルレバー18の傾斜姿勢を測定する角度センサ18Sと、エンジンEの出力回転、すなわち、エンジンEの出力軸の出力回転速度を測定する速度センサ61と、エンジンEのシリンダの温度に基づいてエンジンEに加わる負荷トルクを測定するトルクセンサ62と、エンジンEのシリンダに燃焼空気を供給するスロットルバルブの開度状態を測定する開度センサ63等が所定のインターフェース回路を介して接続されている。
また、本機コントローラ50とエンジンコントローラ60は無線回線53を介して接続されている。これにより、本機コントローラ50に入力された角度センサ16S等の入力情報はエンジンコントローラ60に送信され、エンジンコントローラ60に入力されたトルクセンサ62等の入力情報は本機コントローラ50に送信することができる。
<接続時出力制限マップ>
図10には、刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続された接続時におけるエンジンEの出力回転の第1出力制限マップM1が図示されている。図10に示すように、第1出力制限マップM1の横軸はエンジンEの出力回転[rpm]を示し、縦軸は無段変速装置30の制限比率[%]を示している。
本実施形態では、第1出力制限マップM1は、第1~7制限ライン(C1~C7)で形成されている。なお、本明細書では、第1~7制限ライン(C1~C7)を総称して制御ラインCという。
第1制御ライン(C1)は、エンジン(E)の回転数が0~900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0%に設定され、第2制御ライン(C2)は、エンジン(E)の回転数が900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0~40%に設定され、第3制御ライン(C3)は、エンジン(E)の回転数が900~1300rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40%に設定され、第4制御ライン(C4)は、エンジン(E)の回転数が1300~1600rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40~70%に設定され、第5制御ライン(C5)は、エンジン(E)の回転数が1600~2000rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70%に設定され、第6制御ライン(C6)は、エンジン(E)の回転数が2000~2300rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70~100%に設定され、第7制御ライン(C7)は、エンジン(E)の回転数が2300~2700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が100%に設定されている。なお、エンジン(E)の出力回転は、エンジン(E)の回転トルクが略直線状に増減する1000~2700rpmで使用するのが好ましい。また、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上になると、エンジン(E)の出力回転は2700rpmから減速する。
制限比率の技術的意義を明確にするために、主変速レバー16を中立姿勢から最大前側傾斜姿勢に操作した場合に、無段変速装置30内でエンジンEの出力回転が増速され、無段変速装置30の出力回転がエンジンEの出力回転の120%、すなわち、無段変速装置30内での増速率が20%になる具体的形態を例に取って以下説明する。
第7制御ライン(C7)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定未満でありエンジン(E)の出力回転が2300(請求項の「設定出力回転」)rpm以上~2700rpm未満の場合には、制限比率が100%であり、無段変速装置30内での増速率が20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2300~2700rpmが無段変速装置30内で20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2760~3240rpmになる。
第6制御ライン(C6)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が2000(請求項の「所定出力回転」)rpm以上~2300rpm未満の場合には、制限比率が70~100%であり、無段変速装置30内での増速率が14~20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2000~2300rpmが無段変速装置30内で14~20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2280~2760rpmになる。また、刈脱レバー19が後側傾斜姿勢に操作されて刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されて刈取脱穀作業が行われている場合にはエンジンEの出力回転は2400~2700rpmに設定され、エンジンEの出力回転が2300rpm未満になった場合に、無段変速装置30の制限比率の制御を開始している。これにより、エンジンEに加わる負荷トルクが所定以下の場合には、エンジンEの出力回転を2400~2600rpmに維持して刈取脱穀作業を効率良く行うことができる。
第5制御ライン(C5)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1600rpm以上~2000rpm未満の場合には、制限比率が70%であり、無段変速装置30内での増速率が14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1600~2000rpmが無段変速装置30内で14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1824~2280rpmになる。
第4制御ライン(C4)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1300rpm以上~1600rpm未満の場合には、制限比率が40~70%であり、無段変速装置30内での増速率が8~14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1300~1600rpmが無段変速装置30内で8~14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1404~1824rpmになる。また、手扱スイッチ13が押されて本機コントローラ50に手扱スイッチ13の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1800rpmに設定されている。これにより、手扱スイッチ13が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。さらに、昇温スイッチ14が押されて本機コントローラ50に昇温スイッチ14の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1500rpmに設定されている。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
第3制御ライン(C3)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpm以上~1300rpm未満の場合には、制限比率が40%であり、無段変速装置30内での増速率が8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900~1300rpmが無段変速装置30内で8%増速されて無段変速装置30の出力回転が972~1404rpmになる。また、アイドリング時のエンジンEの出力回転は1000rpmに設定されている。これにより、エンジンEに短時間に所定以上の過大な負荷トルクが加わる場合を除いてはエンジンEの出力回転は1000rpm以上に維持されるので刈取脱穀作業の効率を所定以上に維持することができる。
第2制御ライン(C2)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpmの場合には、制限比率が0~40%であり、無段変速装置30内での増速率が0~8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900rpmが無段変速装置30内で0~8%増速されて無段変速装置30の出力回転が0~972rpmになる。
第1制御ライン(C1)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が0rpm以上~900rpm未満の場合には、制限比率が0%であり、無段変速装置30内での増速率が0%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転0~900rpmが無段変速装置30内で0%増速されて無段変速装置30の出力回転が0rpmになる。
<解除時出力制限マップ>
図11には、脱穀クラッチ33の接続の解除時におけるエンジンEの出力回転の第2出力制限マップM2が図示されている。図11に示すように、第2出力制限マップM2の横軸はエンジンEの出力回転[rpm]を示し、縦軸は無段変速装置30の制限比率[%]を示している。
本実施形態では、第2出力制限マップM2は、第1~7制限ライン(D1~D7)で形成されている。なお、本明細書では、第1~7制限ライン(D1~D7)を総称して制御ラインDという。
第1制御ライン(D1)は、エンジン(E)の回転数が0~900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0%に設定され、第2制御ライン(D2)は、エンジン(E)の回転数が900rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が0~40%に設定され、第3制御ライン(D3)は、エンジン(E)の回転数が900~1200rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40%に設定され、第4制御ライン(D4)は、エンジン(E)の回転数が1200~1500rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が40~70%に設定され、第5制御ライン(D5)は、エンジン(E)の回転数が1500~1700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70%に設定され、第6制御ライン(D6)は、エンジン(E)の回転数が1700~2000rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が70~100%に設定され、第7制御ライン(D7)は、エンジン(E)の回転数が2000~2700rpmで前進用モータ42と後進用モータ43の制限比率が100%に設定されている。
以下では、制限比率の技術的意義を明確にするために、主変速レバー16を中立姿勢から最大前側傾斜姿勢に操作した場合に、無段変速装置30内でエンジンEの出力回転が増速され、無段変速装置30の出力回転がエンジンEの出力回転の120%、すなわち、無段変速装置30内での増速率が20%になる形態を例に取って説明する。
第7制御ライン(D7)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定未満でありエンジン(E)の出力回転が2000(請求項の「設定出力回転」)rpm以上~2700rpm未満の場合には、制限比率が100%であり、無段変速装置30内での増速率が20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転2000~2700rpmが無段変速装置30内で20%増速されて無段変速装置30の出力回転が2400~3240rpmになる。
第6制御ライン(D6)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1700(請求項の「所定出力回転」)rpm以上~2000rpm未満の場合には、制限比率が70~100%であり、無段変速装置30内での増速率が14~20%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1700~2000rpmが無段変速装置30内で14~20%増速されて無段変速装置30の出力回転が1938~2400rpmになる。また、刈脱レバー19が前側傾斜姿勢又は中立姿勢に操作されて脱穀クラッチ33の接続が解除されて脱穀作業が行われていない場合にはエンジンEの出力回転を2000~2700rpmに設定され、エンジンEの出力回転が2000rpm未満になった場合に、無段変速装置30の制限比率の制御を開始している。これにより、無段変速装置30の損傷を抑制することができる。
第5制御ライン(D5)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1500rpm以上~1700rpm未満の場合には、制限比率が70%であり、無段変速装置30内での増速率が14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1500~1700rpmが無段変速装置30内で14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1710~1938rpmになる。また、手扱スイッチ13が押されて本機コントローラ50に手扱スイッチ13の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1800rpmに設定されている。これにより、手扱スイッチ13が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。
第4制御ライン(D4)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が1200rpm以上~1500rpm未満の場合には、制限比率が40~70%であり、無段変速装置30内での増速率が8~14%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転1300~1500rpmが無段変速装置30内で8~14%増速されて無段変速装置30の出力回転が1296~1710rpmになる。また、昇温スイッチ14が押されて本機コントローラ50に昇温スイッチ14の入力信号が入力された場合にはエンジンEの出力回転は1500rpmに設定されている。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
第3制御ライン(D3)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpm以上~1200rpm未満の場合には、制限比率が40%であり、無段変速装置30内での増速率が8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900~1200rpmが無段変速装置30内で8%増速されて無段変速装置30の出力回転が972~1296rpmになる。また、アイドリング時のエンジンEの出力回転は1000rpmに設定されている。これにより、エンジンEに短時間に所定以上の過大な負荷トルクが加わる場合を除いてはエンジンEの出力回転は1000rpm以上に維持されるので刈取脱穀作業の効率を所定以上に維持することができる。
第2制御ライン(D2)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が900rpmの場合には、制限比率が0~40%であり、無段変速装置30内での増速率が0~8%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転900rpmが無段変速装置30内で0~8%増速されて無段変速装置30の出力回転が0~972rpmになる。
第1制御ライン(D1)は、エンジン(E)に加わる負荷トルクが所定以上でありエンジン(E)の出力回転が0rpm以上~900rpm未満の場合には、制限比率が0%であり、無段変速装置30内での増速率が0%であることを示している。すなわち、無段変速装置30に伝動されたエンジンEの出力回転0~900rpmが無段変速装置30内で0%増速されて無段変速装置30の出力回転が0rpmになる。
<無段変速装置の制限比率の制御方法>
図12に示すように、ステップS1で、本機コントローラ50の処理部51は、刈脱レバー19の基部に装着された角度センサ19Sの入力信号を判断する。角度センサ19Sの入力信号から刈脱レバー19が後側傾斜姿勢に操作されて刈取クラッチ32と脱穀クラッチ33が接続されていると判断した場合にはステップS2に進み、刈脱レバー19が前側傾斜姿勢又は中立姿勢に操作されて脱穀クラッチ33の接続が解除されていると判断した場合にはステップS10に進む。
ステップS2で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力されるトルクセンサ62の入力信号を判断する。トルクセンサ62の入力信号からエンジンEに加わっている負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合(請求項の「第1設定割合」)未満の場合にはステップS3に進み、負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS7に進む。これにより、エンジンEに設定負荷トルクよりも大きな負荷トルク等が加わった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御してエンジンEのオーバヒート等の発生を防止することができる。なお、本実施形態では、設定負荷トルクはエンジンEの最大回転トルクに設定し、設定割合は98~99%に設定している。
ステップS3で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力される速度センサ61の入力信号を判断する。速度センサ61の入力信号からエンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転(請求項の「第1設定出力回転」)以上の場合にはステップS4に進み、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満の場合にはステップS7に進む。これにより、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満になった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御してエンジンEのオーバヒート等の発生を防止することができる。なお、ステップS2で負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS3に進み、ステップS3で、負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合未満で、且つ、エンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転未満の場合にステップS7に進む構成にすることもできる。
ステップS4で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。層厚センサ23の入力信号から移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定層厚未満であれはステップS5に進み、層厚が設定層厚(請求項の「第1設定層厚」)以上の場合にはステップS7に進む。これにより、層厚が設定層厚以上になった場合には、無段変速装置30の制限比率を増減させて無段変速装置30の出力回転を第1出力制限マップM1に基づいて制御して刈取装置3の刈取速度を減速して穀粒の回収ロスの増加を防止することができる。なお、ステップS2で負荷トルクが設定負荷トルクの設定割合以上の場合にはステップS4に進み、ステップS4で、負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定割合未満で、且つ、穀粒の層厚が予め設定した設定層厚以上の場合にステップS7に進む構成にすることもできる。
ステップS5で、処理部51は、手扱スイッチ13の入力信号を判断する。手扱スイッチ13が押されていないと判断した場合にはステップS6に進み、手扱スイッチ13が押されている判断した場合にはステップS7に進む。これにより、手扱スイッチ13が押されて通常の刈取脱穀作業から手扱作業に切換えられている場合には、エンジンEの出力回転を減速して手扱作業を安全に行うことができる。
ステップS6で、処理部51は、昇温スイッチ14の入力信号を判断する。昇温スイッチ14が押されていないと判断した場合にはステップS1に戻り、昇温スイッチ14が押されている判断した場合にはステップS7に進む。これにより、昇温スイッチ14が押された場合には、エンジンEの出力回転を減速して排気ガスの温度を昇温して無段変速装置30の再生作業を効率良く行うことができる。
ステップS7で、処理部51は、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させてステップS8に進む。これにより、第1出力制限マップM1に基づいて無段変速装置30の制限比率を減少させて無段変速装置30の出力回転の増速率を減少させることができる。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間は、無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間よりも短く設定するのが好ましい。これにより、エンジンEのオーバヒート等の発生をより防止することができる。
ステップS8で、処理部51は、モニタ11に、「主変速レバーを中立姿勢に操作して下さい。」の表示を行うと共に警報を鳴らして作業者の注意を喚起させてステップS9に進む。
ステップS9で、処理部51は、トルクセンサ62の入力信号を判断する。負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定解除割合以上の場合にはステップS10に進み、負荷トルクが設定解除負荷トルクの設定解除割合(請求項の「第2設定割合」)未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS10で、処理部51は、速度センサ61の入力信号を判断する。エンジンEの出力回転が予め設定した設定解除出力回転未満の場合にはステップS11に進み、エンジンEの出力回転が設定解除出力回転(請求項の「第2設定出力回転」)以上の場合にはステップS1に進む。
ステップS11で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定解除層厚以上であれはステップS12に進み、層厚が設定解除層厚(請求項の「第2設定層厚」)未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS12で、処理部51は、主変速レバー16の基部に装着された角度センサ16Sの入力信号を判断する。角度センサ16Sの入力信号から主変速レバー16が中立姿勢に操作されていると判断した場合にはステップS1に戻り、主変速レバー16が中立姿勢に操作されていないと判断した場合にはステップS2に戻る。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間(請求項の第1時間)は、無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間(請求項の第2時間)よりも長く設定するのが好ましい。これにより、無段変速装置30の出力回転の急な増速による衝撃を抑制することができる。
ステップS13で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力されるトルクセンサ62の入力信号を判断する。トルクセンサ62の入力信号からエンジンEに加わっている負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクに対して予め設定した設定割合未満の場合にはステップS14に進み、負荷トルクが設定負荷トルクに対して設定割合以上の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS2と同様の効果を得ることができる。
ステップS14で、処理部51は、エンジンコントローラ60を介して本機コントローラ50に入力される速度センサ61の入力信号を判断する。速度センサ61の入力信号からエンジンEの出力回転が予め設定した設定出力回転以上の場合にはステップS15に進み、エンジンEの出力回転が設定出力回転未満の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS3と同様の効果を得ることができる。
ステップS15で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。層厚センサ23の入力信号から移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定層厚未満であれはステップS16に進み、層厚が設定層厚以上の場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS4と同様の効果を得ることができる。
ステップS16で、処理部51は、手扱スイッチ13の入力信号を判断する。手扱スイッチ13が押されていないと判断した場合にはステップS17に進み、手扱スイッチ13が押されている判断した場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS5と同様の効果を得ることができる。
ステップS17で、処理部51は、昇温スイッチ14の入力信号を判断する。昇温スイッチ14が押されていないと判断した場合にはステップS1に戻り、昇温スイッチ14が押されている判断した場合にはステップS18に進む。これにより、ステップS6と同様の効果を得ることができる。
ステップS18で、処理部51は、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30のトラニオン軸40を回動させてステップS19に進む。これにより、ステップS7と同様の効果を得ることができる。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間は、無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間よりも短く設定するのが好ましい。これにより、エンジンEのオーバヒート等の発生をより防止することができる。
ステップS19で、処理部51は、モニタ11に、「主変速レバーを中立姿勢に操作して下さい。」の表示を行うと共に警報を鳴らして作業者の注意を喚起させてステップS20に進む。
ステップS20で、処理部51は、トルクセンサ62の入力信号を判断する。負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの設定解除割合以上の場合にはステップS21に進み、負荷トルクが設定解除負荷トルクの設定解除割合未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS21で、処理部51は、速度センサ61の入力信号を判断する。エンジンEの出力回転が予め設定した設定解除出力回転未満の場合にはステップS22に進み、エンジンEの出力回転が設定解除出力回転以上の場合にはステップS1に進む。
ステップS22で、処理部51は、層厚センサ23の入力信号を判断する。移送棚25Aを搬送される穀粒の層厚が予め設定した設定解除層厚以上であれはステップS23に進み、層厚が設定解除層厚未満の場合にはステップS1に進む。
ステップS23で、処理部51は、主変速レバー16の基部に装着された角度センサ16Sの入力信号を判断する。角度センサ16Sの入力信号から主変速レバー16が中立姿勢に操作されていると判断した場合にはステップS1に戻り、主変速レバー16が中立姿勢に操作されていないと判断した場合にはステップS13に戻る。また、図13,14に示すように、前進用モータ42と後進用モータ43を駆動して無段変速装置30の制限比率を増加させる増加時間は、無段変速装置30の制限比率を減少させる減少時間よりも長く設定するのが好ましい。これにより、無段変速装置30の出力回転の急加速による衝撃を抑制することができる。
1 機体フレーム
2 走行装置
3 刈取装置
4 脱穀装置
5 操縦部
16 主変速レバー(変速レバー)
25 揺動選別装置
25A 移送棚
30 無段変速装置
A 伝動経路(第1伝動経路)
B 伝動経路(第2伝動経路)
E エンジン

Claims (5)

  1. エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
    前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、
    前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、
    前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、
    前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第1設定割合以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、
    前記エンジン(E)に加わる負荷トルクが予め設定した設定負荷トルクの第2設定割合未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバイン。
  2. エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
    前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、
    前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、
    前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、
    前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第1設定出力回転未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、
    前記エンジン(E)の出力回転が予め設定した第2設定出力回転以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバイン。
  3. エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の下側に走行装置(2)を設け、該機体フレーム(1)の前側に刈取装置(3)を設け、該刈取装置(3)の左側後方に脱穀装置(4)を設け、前記刈取装置(3)の右側後方に操縦部(5)を設けたコンバインにおいて、
    前記エンジン(E)の第1伝動経路(A)の下流側にエンジン(E)の出力回転の増減速と回転方向の切替えを行う無段変速装置(30)を設け、該無段変速装置(30)の伝動経路の下流に走行装置(2)と刈取装置(3)を設け、
    前記エンジン(E)の第2伝動経路(B)の下流側に脱穀装置(4)を設け、
    前記操縦部(5)に無段変速装置(30)の出力回転を増減速する変速レバー(16)を設け、
    前記脱穀装置(4)の揺動選別装置(25)の移送棚(25A)上の穀粒の層厚が予め設定した第1設定層厚以上になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に関わらず無段変速装置(30)の出力回転を減速し、
    前記穀粒の層厚が予め設定した第2設定層厚未満になった場合には、前記変速レバー(16)の姿勢に対応する無段変速装置(30)の出力回転に増速することを特徴とするコンバイン。
  4. 前記変速レバー(16)を、前記無段変速装置(30)の出力回転の増減速を行わない中立姿勢に操作した場合には、前記無段変速装置(30)の出力回転の減速を停止する請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記無段変速装置(30)の出力回転を増速する第1時間を、前記無段変速装置(30)の出力回転を減速する第2時間よりも長くする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバイン。
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