JP2023502329A - 流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 - Google Patents
流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023502329A JP2023502329A JP2022525390A JP2022525390A JP2023502329A JP 2023502329 A JP2023502329 A JP 2023502329A JP 2022525390 A JP2022525390 A JP 2022525390A JP 2022525390 A JP2022525390 A JP 2022525390A JP 2023502329 A JP2023502329 A JP 2023502329A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface layer
- cartridge
- roller
- channel
- channels
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01L—CHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
- B01L3/00—Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
- B01L3/50—Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes
- B01L3/502—Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures
- B01L3/5027—Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures by integrated microfluidic structures, i.e. dimensions of channels and chambers are such that surface tension forces are important, e.g. lab-on-a-chip
- B01L3/50273—Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures by integrated microfluidic structures, i.e. dimensions of channels and chambers are such that surface tension forces are important, e.g. lab-on-a-chip characterised by the means or forces applied to move the fluids
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B13/00—Pumps specially modified to deliver fixed or variable measured quantities
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B43/00—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members
- F04B43/12—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members having peristaltic action
- F04B43/1223—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members having peristaltic action the actuating elements, e.g. rollers, moving in a straight line during squeezing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B43/00—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members
- F04B43/12—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members having peristaltic action
- F04B43/14—Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members having peristaltic action having plate-like flexible members
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N35/00—Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
- G01N35/10—Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
- G01N35/1009—Characterised by arrangements for controlling the aspiration or dispense of liquids
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01L—CHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
- B01L2200/00—Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
- B01L2200/02—Adapting objects or devices to another
- B01L2200/026—Fluid interfacing between devices or objects, e.g. connectors, inlet details
- B01L2200/027—Fluid interfacing between devices or objects, e.g. connectors, inlet details for microfluidic devices
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01L—CHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
- B01L2300/00—Additional constructional details
- B01L2300/08—Geometry, shape and general structure
- B01L2300/0861—Configuration of multiple channels and/or chambers in a single devices
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01L—CHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
- B01L2300/00—Additional constructional details
- B01L2300/12—Specific details about materials
- B01L2300/123—Flexible; Elastomeric
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Hematology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Clinical Laboratory Science (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
- Reciprocating Pumps (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Abstract
本明細書に記載の実施形態は一般に、流体の蠕動運動式送出のための装置、カートリッジ、及びポンプ並びに関連する方法、システム、及び機器に関する。流体送出は、特定のケースにおいて、生体分析応用(例えば、生体サンプル分析、配列解析、同定等)等の様々な応用の重要な一面である。本明細書に記載の発明的な特徴は、幾つかの実施形態において、ロボット流体ハンドリングシステムの特定の利点(例えば、自動化、プログラマビリティ、コンフィギュアビリティ、フレキシビリティ)とマイクロ流体力学の特定の利点(例えば、高い流体分解能での小体積流体、精度、モノリシックな消耗品、濡れるコンポーネントが消耗品に限定されること)とを組み合わせるような方法で流体を送出することを可能にする。
Description
本明細書に記載の実施形態は一般に、流体の蠕動運動式送出のための装置、カートリッジ、及びポンプ、並びに関連する方法、システム、及び機器に関する。
マイクロ流体力学には一般に、少なくとも1つの寸法(例えば、2つの寸法)において幾何学的に制約される流体の流れを制御することが係わる。例えば、マイクロ流体力学には、その少なくとも1つの寸法が大きさにおいて典型的に1mm未満の容器(例えば、チャネル)内の流体の流れを制御することが係わり得る。例えば1mL以下のオーダという比較的高い流体流分解能で流体を輸送する能力は、例えば比較的少数の分子(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質)を調製及び/又は検出することになるような生物医学応用において有利であり得る。
しかしながら、マイクロ流体スケールで流体を送出するための従来のシステムと方法には、従来のマイクロ流体送出システムを含む機器の小型化の障害となるような、及び/又は従来のマイクロ流体送出システムを通過するサンプルのスループットを低下させるような限界があり得る。
したがって、改良されたシステムと方法が求められている。
本明細書に記載の実施形態は一般に、流体の蠕動運動式送出のための装置、カートリッジ、及びポンプ、並びに関連する方法、システム、及び機器に関する。
幾つかの態様において、装置が説明される。幾つかの実施形態において、装置はローラと、ローラに接続アームにより接続されたクランク-ロッカ機構(crank-and-rocker mechanism、回転揺動機構)を含む。
幾つかの態様において、装置が説明される。幾つかの実施形態において、装置はローラと、ローラに接続アームにより接続されたクランク-ロッカ機構(crank-and-rocker mechanism、回転揺動機構)を含む。
幾つかの実施形態において、装置はローラと、クランクと、ロッカと、クランクをロッカ及びローラに結合するように構成された接続アームと、を含む。
幾つかの態様において、カートリッジが説明される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、チャネルを含む表面を有する基底層を含み、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点と基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された、エラストマを含む表面層を有する。
幾つかの態様において、カートリッジが説明される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、チャネルを含む表面を有する基底層を含み、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点と基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された、エラストマを含む表面層を有する。
幾つかの態様において、蠕動ポンプが説明される。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、(i)ローラと、(ii)カートリッジであって、チャネルを含む表面を有する基底層であって、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分が、チャネルの底部に1つの頂点と基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された、エラストマを含む表面層を有する基底層を含むカートリッジと、を含む。
他の態様において、装置の製造方法が説明される。幾つかの実施形態において、方法は、クランクアーム、ロッカアーム、及びローラを接続アームに接続するステップと、ロッカアームのシャフトをクランクアームのシャフトに、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続するステップと、を含む。
他の態様において、カートリッジの製造方法が説明される。幾つかの実施形態において、方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップを含み、表面層はエラストマを含み、基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは、実質的に三角形の断面を有する。
他の態様において、ポンプの製造方法が説明される。幾つかの実施形態において、方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップと、ローラを含む装置を組み立てるステップと、カートリッジをローラの下に位置付けるステップと、を含み、表面層はエラストマを含み、基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。
他の態様において、方法が説明される。幾つかの実施形態において、方法は、本明細書に記載の装置又は蠕動ポンプのクランクを回転させて、ローラが基板表面と係合し、及び/又はその係合を解除するようにするステップを含む。
他の態様において、方法が説明される。幾つかの実施形態において、方法は、エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させて、表面層の第一の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するようにするステップと、この変形を表面層の第二の部分へと並進させて、表面層の第二の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップと、を含み、表面層はチャネルの表面開口をシールするように構成される。
本教示の上記及びその他の態様、実施形態、及び特徴は、添付の図面と共に以下の説明を読めば、よりよく理解できる。本明細書と参照により援用される文献に矛盾する、及び/又は両立しない開示が含まれている場合、本明細書が優先するものとする。参照により援用される2つ以上の文献に相互に矛盾する、及び/又は両立しない開示が含まれている場合、発効日の遅い方の文献が優先するものとする。
当業者であれば、本明細書中で説明される図面は図解を目的としているにすぎないことがわかるであろう。幾つかの場合に、本発明の様々な態様が本発明を理解しやすくするために誇張又は拡大して示されていることもあり得ると理解されたい。図中、各種の図を通じて同様の参照文字は概して同様の特徴、機能的に類似及び/又は構造的に類似の要素を指す。図面は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではなく、教示の原理を図解することに重点が置かれている。図は本教示の範囲を如何様にも限定しない。
本発明の特徴と利点は、以下の詳細な説明を図面と共に読めばより明らかとなるであろう。
図面に関して実施形態を説明する際、方向を示す用語(「上方」、「下方」、「上」、「下」、「右」、「左」、「水平」、「垂直」等)が使用され得る。これらの用語は単に読者が図面を通常の向きで見るのを助けるものである。これらの方向を示す用語は、具現化された機器の好ましい、又は唯一の向きを説明しようとしたものではない。機器は他の向きでも具現化され得る。
図面に関して実施形態を説明する際、方向を示す用語(「上方」、「下方」、「上」、「下」、「右」、「左」、「水平」、「垂直」等)が使用され得る。これらの用語は単に読者が図面を通常の向きで見るのを助けるものである。これらの方向を示す用語は、具現化された機器の好ましい、又は唯一の向きを説明しようとしたものではない。機器は他の向きでも具現化され得る。
詳細な説明から明らかであるように、図中に描かれ、さらに出願書類全体を通じて例示の目的で説明されている例は、非限定的な実施形態を表しており、場合により、より明瞭な例示とするために特定のプロセスを簡略化し、又は特徴若しくはステップを省いていることがあり得る。
流体の蠕動運動式送出のための装置、カートリッジ、及びポンプ、並びに関連する方法、システム、及び機器の全般を説明する。流体の送出は、幾つかのケースにおいて、生体分析応用(例えば、生体サンプル分析、配列解析、同定)等の様々な用途の重要な一面である。本明細書に記載の発明的な特徴は、幾つかの実施形態において、ロボット流体ハンドリングシステムの特定の利点(例えば、自動化、プログラマビリティ、コンフィギュアビリティ、フレキシビリティ)と、マイクロ流体力学の特定の利点(例えば、高い流体分解能での小体積の流体、精度、モノリシックな消耗品、濡れるコンポーネントが消耗品に限定されること)とを組み合わせた方法で、流体を送出することを可能にし得る。
幾つかの態様は、ローラ(例えば、クランク-ロッカ機構との組合せによる)を含むポンプと装置の発明的な構成に関する。その他の態様は、発明的な断面形状(例えば、実質的に三角形)を有するチャネル(例えば、マイクロチャネル)、弁機構、深い部分、及び/又は表面層(例えば、平坦エラストマメンブレン)を含む発明的なカートリッジに関する。特定の態様は、蠕動ポンプの特定のコンポーネント(例えば、ローラ)をポンプのその他のコンポーネント(例えば、送出レーン)から分離することに関する。幾つかのケースにおいて、装置の特定の要素(例えば、ローラの縁部)は、(例えば係合と係合解除を介して)様々な利点の何れかが実現されるような方法でカートリッジの要素(例えば、表面層及びチャネルの特定の形状)と相互作用するように構成される。幾つかの非限定的な実施形態において、本明細書に記載の装置、カートリッジ、及びポンプの特定の発明的な特徴と構成は、流体送出プロセスの自動化の改良に寄与する(例えば、並進可能ローラ及びローラにより割出し可能な複数の異なる流体チャネルを含む別々のカートリッジの使用による)。幾つかのケースにおいて、本明細書に記載の発明的な特徴は、比較的少数のハードウェアコンポーネントを使って比較的多数の構成の比較的多数の異なる流体を扱う(例えば、複数のサンプルでの多重化のため)能力に寄与する(例えば、各々にローラがアクセス可能であり得る複数の異なるチャネルを有する別々のカートリッジの使用による)。一例として、幾つかのケースにおいて、本明細書に記載の発明的な特徴によって、2つ以上の装置をカートリッジと組にして、同時に2つ以上のレーンを送出するか、又は1つのレーンで2つのポンプを他の機能のために使用することが可能となる。幾つかのケースにおいて、発明的な特徴は、必要な流体量の削減及び/又はローラ/チャネル相互作用における許容誤差の緩和に寄与する(例えば、チャネル及び/又はローラの縁部の発明的な断面形状、及び/又は発明的な弁機能及び/又はチャネルの深い部分の使用による)。幾つかのケースにおいて、本明細書に記載の発明的な特徴により、ハードウェアコンポーネントの洗浄の必要性が減る(例えば、蠕動ポンプの装置とカートリッジの分離による)。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の装置、カートリッジ、及びポンプの態様はサンプルの調製に有益である。例えば、このような態様の幾つかは、検出モジュール(例えば、生物由来サンプルの分析/配列解析/同定のため)の上流のサンプル調製モジュールに組み込まれ得る。
幾つかの実施形態において、システム(例えば、装置、カートリッジ、機器、及び/又はポンプ)が提供される。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムはマイクロ流体応用に適している。特定の実施形態において、システムはサンプル調製応用に適している。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムは診断応用に適している。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムは核酸配列解析、ゲノム破裂解析、及び/又は核酸分子(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)分子)の同定に適している。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムはペプチド配列解析、タンパク質配列解析、ペプチド分子同定、及び/又はタンパク質分子同定に適している。システムの構成は、所望の用途(例えば、サンプル調製、核酸配列解析、ペプチド配列解析、診断応用)に依存し得る。例えば、必ずしも全てではないが、幾つかのケースでは、システムが核酸配列解析用に構成されるか、又はタンパク質配列解析用に構成されるかに応じて、異なる量の試薬及び/又はサンプルが使用され得る。幾つかのこのようなケースにおいて、試薬及び/又はサンプル量の違いは、システムの1つ又は複数のコンポーネントの寸法、例えばカートリッジ内のチャネルの容積又はリザーバ(例えば、試薬リザーバ)の容積に影響を与え得る。
前述のように、特定の実施形態において、本明細書のシステム(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ、機器,モジュールを含む)は、マイクロ流体応用、サンプル調製応用、及び/又は診断応用として構成される。例えば、幾つかの実施形態において、機器(例えば、装置、カートリッジ、蠕動ポンプ)は、サンプル調製のために使用できる。図1Aは、幾つかの実施形態による本明細書に記載の機器(例えば、装置、カートリッジ、蠕動ポンプ)を含む例示的なシステム2000の概略図である。例示的なシステム2000は、幾つかの実施形態によれば、サンプルの1つ又は複数の成分を検出するために使用できる。幾つかの実施形態において、システム2000はサンプル調製モジュール1700を含む。幾つかの実施形態において、システム2000は、サンプル調製モジュール1700と、サンプル調製モジュール1700の下流の検出モジュール1800の両方を含む。サンプル調製モジュールと検出モジュールの例示的な特徴と関連する方法を、以下により詳しく説明する。サンプル調製モジュール1700と検出モジュール1800は、特定の実施形態によれば、調製された後にサンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュール1700から検出モジュール1800に(直接又は間接に)輸送できる(例えば、流すことができる)ように構成され、そこでサンプルが検出される(例えば、分析され、配列解析され、同定される等)。
幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールはポンプを含む。図1Aを再び参照すると、幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュール1700は例示的なポンプ1400を含む。幾つかの実施形態において、ポンプは蠕動ポンプである。幾つかのこのようなポンプは、本明細書に記載の流体ハンドリングのための発明的なコンポーネントの1つ又は複数を含む。例えば、ポンプは装置及び/又はカートリッジを含み得る。一例として、図1Aにおいて、例示的なポンプ1400は、幾つかの実施形態によれば、装置1200とカートリッジ1300を含む。幾つかの実施形態において、ポンプの装置はローラ、クランク、及びロッカを含み、これらは例えば図2Aに示されており、後でより詳しく説明する。幾つかのこのような実施形態において、クランク及びロッカは、相互に接続されるクランク-ロッカ機構として構成される。クランク-ロッカ機構を装置のローラに連結することは、幾つかのケースにおいて、本明細書に記載の利点のうちの特定のもの(例えば、装置をカートリッジから外しやすい、正確に計量された1回送出量)を実現できる。特定の実施形態において、ポンプのカートリッジはチャネル(例えば、マイクロ流体チャネル)を含む。幾つかの実施形態において、カートリッジのチャネルの少なくとも一部分は、図3Aに示され、後でより詳しく説明するような、本明細書に記載の数多くの利点の何れかに寄与し得る、特定の断面形状及び/又は表面層を有する。理解すべき点として、図1Aに示されるシステムは例示のためであり、機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ)の他の構成及び使用も可能である。
本明細書の発明者らは、マイクロ流体スケールで流体を送出する従来のシステム(例えば、シリンジポンプ、空気圧ポンプ、容量型ポンプ機構、従来の蠕動ポンプ、ピペット操作ロボット)には限界があると認識した。例えば、流体を送出するための従来のシステムには、各サンプルに関連する全てのハードウェアコンポーネントが同時に必要となり得、それが従来のシステムを含む機器の小型化を阻み得る。他の例として、流体を送出するための従来のシステムでは、大量のすすぎが必要であり、したがってサンプル間のシステムのすすぎ時間が長くなり、それが従来のシステムを含む機器を通過するサンプルのスループットを低下させ得る。
特定の実施形態において、本明細書の装置には濡れるコンポーネントがなく、それによって、有利な点として、これらのコンポーネントをすすぐ必要がなくなる。例えば、特定の実施形態によれば、本明細書の装置(例えば、図1Aの装置1200)は、本明細書のカートリッジ(例えば、図1Aのカートリッジ1300)とペアにされ得て、このカートリッジは流体を収容するチャネルを含み、チャネルの壁、底部、及び/又は表面は濡れるが、装置とカートリッジとの界面は、カートリッジの濡れていない部分である。
特定の実施形態において、本明細書の装置はユーザにとってのフレキシビリティを提供するものであり、装置は様々なカートリッジスペースとつながり、カートリッジ内の様々なチャネルとつながることができ、それによって、有利な点として、各サンプルに関連する全てのハードウェアコンポーネントが同時に必要とされることがなくなる。例えば、カートリッジは、ユーザの便宜のため、及び/又はサンプルのスループット向上のために、異なるタイミングで異なる位置まで移動させ得る。例えば、装置内で1つのカートリッジを他のカートリッジに交換するか、又は装置の他の部分に移動させ得る。例えば、幾つかの実施形態において、カートリッジは第一のカートリッジであり、第一のカートリッジを取り出して第二のカートリッジと交換することができる。他の例として、本明細書の装置は、一度に1つ又は複数のカートリッジを受け入れ得て、装置の少なくとも一部分はカートリッジ内の異なる位置に、又は異なるカートリッジ間で(例えば、キャリッジによって)容易に移動させ得る。カートリッジは一般に中実部材を含み、これは、特定の実施形態で「送出レーン」としての役割を果たし、そこを通じて、装置の係わる蠕動送出プロセス中に流体を輸送できるチャネルを含む。装置のコンポーネント(例えば、ローラ)とカートリッジがつながることにより、流体はチャネルを通過し得る。幾つかのこのようなケースでは、ローラは、カートリッジがポンプ、及び流体(例えば、流体サンプル)と関連付けられたときに、カートリッジの1つ又は複数のコンポーネント(例えば、表面層)と物理的に接触し、そこに力を加えることによって相互作用する。それに加えて、幾つかの実施形態において、カートリッジは、システムから取り外し、及び/又は蠕動ポンプと1回又は複数回使用した後に廃棄できる「消耗品」として機能し得る。
幾つかのケースにおいて、特定の利点を提供する幾つかのカートリッジの1つの非限定的な態様は、カートリッジの中に特定の断面形状を有するチャネルを含めることであり得る。例えば、幾つかの実施形態において、カートリッジはV字形チャネルを含む。このようなV字形チャネルを形成するための1つの便利であり得るが非限定的な方法は、カートリッジにV字形の溝を成型又は機械加工することによる。本発明者らは、特定の実施形態においてV字形チャネル(本明細書ではV溝又は実質的に三角形の断面を有するチャネルとも呼ばれる)を含めることの利点に気付き、その場合、装置のローラがカートリッジと係合して、流体がチャネルを流れるようになる。例えば、幾つかの例において、V字形チャネルは寸法面でローラによる影響を受けない。換言すれば、幾つかの例において、V字形チャネルと適切に係合するために装置のローラ(ウェッジ型ローラ)が付着しなければならない寸法は1つもない。それに対して、半円形等、チャネルの特定の従来の断面形状では、チャネルと適切に係合するためにローラが特定の寸法(例えば、半径)を持つ必要があり得る(例えば、蠕動送出プロセス中に圧力差を生じさせるための流体シールを作るため)。幾つかの実施形態において、寸法面でローラに影響を与えないチャネルを含めることによって、ハードウェアコンポーネントの製造をより容易に、且つより低コストにし、コンフィギュアビリティ/フレキシビリティを増大させることができる。
特定の態様において、本発明者らは、カートリッジの一部分に表面層(例えば、平坦表面層)を持たせることの利点に気付いた。1つの例示的な態様は、エラストマ(例えば、シリコーン)を含む(例えば基本的にそれからなる)メンブレン(本明細書では表面層とも呼ぶ)をV溝の上に積層して、実際に、フレキシブルチューブの半分を生成することを含む、有利である可能性のある実施形態に関する。図3Aは、特定のこのような実施形態により例示的なカートリッジ100を示しており、それについて後でより詳しく説明する。すると、本発明者らは、幾つかの実施形態において、エラストマを含む表面層をチャネルの中へと変形させて、狭窄部を形成することと、その後、狭窄部を並進させることによって、狭窄部の後尾端に吸引力を発生させる負圧を生じさせることができ、狭窄部の先頭端に陽圧を生じさせることができ、それが流体を狭窄部の先頭端の方向へと送出することを特定した。特定の実施形態において、本発明者らは、カートリッジ(表面層を有するチャネルを含む)をローラを含む装置とつなげることによってこの送出を実現しており、この装置は、ローラを表面層の一部分と係合させて、表面層のその部分を関連するチャネルの壁及び/又は底部と挟むこと、ローラを関連するチャネルの壁及び/又は底部に沿ってローリング動作で並進させて、表面層の狭窄部を壁及び/又は底部に沿って並進させること、及び/又は表面層の第二の部分でローラの係合を解除することを含むローラの動作を実行するように構成される。特定の実施形態において、本発明者らは、クランク-ロッカ機構を装置に組み込み、ローラのこの運動を行わせた。
従来の蠕動ポンプは一般に、回転キャリッジ上にローラを含む装置の中に挿入されているチューブを含み、それによってチューブはポンプが機能しているときには常に装置の残りの部分と係合している。それに対して、特定の実施形態において、本明細書のカートリッジ内のチャネルは線形であるか、又は少なくとも1つの線形部分を含み、それによってローラは水平面と係合する。特定の実施形態において、ローラは小型ローラアームに接続され、これはばね負荷式であり、それによってローラは水平面に追従しながら、表面層の一部を連続的に挟むことができる。装置(例えば、装置のローラアーム)にばね負荷をかけることは、幾つかのケースにおいて、装置(例えば、ローラ)が表面層及びカートリッジのチャネルに加える力を調整するのを助けることができる。
特定の実施形態において、ローラに接続されたクランク-ロッカ機構内のクランクが回転するごとに、離散的な送出体積が提供される。特定の実施形態において、装置を係合解除位置で停止させることが容易であり、その際、ローラは何れのカートリッジとも係合していない。特定の実施形態において、前方及び後方送出運動は、本明細書に記載の装置により提供される場合、ほぼ対称であり、前方及び後方送出運動に必要な力(トルク)の量はほぼ同じてある(例えば、10%以内)。
特定の実施形態において、装置が特定の大きさである場合、比較的大きいクランク半径(例えば、2mm以上、任意選択により関連するリンク装置を含む)を有することが有利であり得る。その結果、特定の実施形態において、比較的長いストローク長(例えば、10mm以上)にわたり関連するカートリッジと係合することも有利であり得る。比較的大きいクランク半径及びストローク長を有することにより、特定の実施形態において、装置のコンポーネントをカートリッジに関して移動させるときに、装置とカートリッジとの間の機械的干渉が確実になくなる。
様々な具体的な種類の運動を実現するために使用できる可能性のある、多くの機械的リンク装置の組合せがあるものの、本発明者らは、クランク-ロッカ機構により、関連するカートリッジと係合し、有利にも係合を解除できることを見出した。図2Aは、幾つかの実施形態による、ローラ220、クランク228、及びロッカ226を含む1つの例示的なこのような装置200の概略図を示しており、これについては後でより詳しく説明する。
本発明者らは、特定の実施形態において、V字形溝を有することにより、有利な点として、ウェッジ状縁部を有する様々な大きさのローラを利用できることに気付いた。それに対して、例えばV溝ではなく矩形チャネルを有することにより、矩形チャネルに関連するローラの幅を、矩形チャネルの幅に関して、より制御された且つ精密なものにすることが必要となり、その結果、矩形チャネルに加えられる力をより正確にすることが必要となる。同様に、半円形の断面を有するチャネルもまた、関連するローラの幅について、より制御され、正確であることが必要となり得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の装置は、装置の少なくとも一部分を複数の次元(例えば、2次元、3次元)で移動させるように構成された多軸システム(例えば、ロボット)を含み得る。例えば、多軸システムは、装置の少なくとも一部分を関連するカートリッジの何れの送出レーン位置にも移動させるように構成され得る。例えば、特定の実施形態において、本明細書のカートリッジは多軸システムに機能的に接続され得る。特定の実施形態において、ローラは多軸システムに間接的に機能的に接続され得る。特定の実施形態において、装置部分は、ローラに接続されるクランク-ロッカ機構を含め、多軸システムに機能的に接続され得る。特定の実施形態において、各送出レーンは位置によって指定され、本明細書に記載の装置により多軸システムを使ってアクセスされ得る。
検出モジュール(例えば、図1Aの検出モジュール1800)は、前述の様々な応用(例えば、分析、核酸配列解析、ゲノム配列解析、ペプチド配列解析、分析物同定、診断等の生体分析応用)の何れでも実行するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態において、検出モジュールは分析モジュールを含む。分析モジュールは、サンプル調製モジュールにより調製されたサンプルを分析するように構成され得る。分析モジュールは、例えば、流体サンプル中の1つ又は複数の成分の濃度を特定するように構成され得る。幾つかの実施形態において、検出モジュールは配列解析モジュールを含む。例として、図1Aを再び参照すると、検出モジュール1800は、幾つかの実施形態によれば、配列解析モジュールを含む。配列解析モジュールは、サンプル調製モジュールにより調製されたサンプルの1つ又は複数の成分の配列解析を実行するように構成され得る。例示的な種類の配列解析については、後でより詳しく説明する。幾つかの実施形態において、配列解析は核酸配列解析を含む。配列解析は、デオキシリボ核酸(DNA)配列解析を含む。配列解析は、ゲノム配列解析を含み得る。幾つかの実施形態において、配列解析はペプチド配列解析を含む。例えば、配列解析はタンパク質配列解析を含み得る。幾つかの実施形態において、検出モジュールは同定モジュールを含む。同定モジュールは、サンプル調製モジュールにより調製されたサンプルの1つ又は複数の成分を同定するように構成させ得る。例えば、同定モジュールは、核酸分子(例えば、DNA分子)を同定するように構成され得る。幾つかの実施形態において、同定モジュールはペプチド分子(例えば、タンパク質分子)を同定するように構成される。
理解すべき点として、図1Aには別々のサンプル調製モジュールは1700と検出モジュール1800(例えば、分析モジュール、配列解析モジュール、同定モジュール)を示しているが、サンプル調製モジュール自体(例えば、蠕動ポンプ、装置、カートリッジを含む)が、幾つかのケースでは、分析、配列解析、又は同定プロセスを実行でき得る。幾つかの実施形態において、サンプルモジュールは、分析、配列解析、及び/又は同定プロセスの組合せを実行できる。例えば、幾つかの実施形態において、ポンプ(例えば、ポンプ1400)は特定の体積(例えば、ポンプサイクルあたり10μL以下等の比較的小さい体積)のサンプルを集積された検出器(例えば、光又は電気検出器)に直接又は間接に(例えば、逐次的に、及び/又は特定の流速で)送達するように構成され、及び/又はそのために使用され得る。集積された検出器は、様々な用途(例えば、分析、配列解析、同定、診断)のうちの何れを行うための測定にも使用され得る。そのため、特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムにより調製されたサンプル(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、体内組織、体内分泌物)の配列解析/分析を何れかの適当な機械(例えば、異なるモジュール又は同じモジュール)を使って行うことができる。特定の実施形態において、サンプルの調製のための本明細書に記載のモジュールとシステムにより調製されたサンプルの少なくとも一部(例えば、その全部)を検出する(例えば、配列解析する)ための別の機械を有することが有利であり得、例えば、機械がサンプルの検出(例えば、配列解析)のために最小限のダウンタイムで(例えば、連続的に)使用され得る。幾つかの実施形態において、サンプル調製のためのモジュール(例えば、サンプル調製モジュール1700)は、システムにより調製されたサンプルの少なくとも一部(例えば、その全部)を検出(例えば、配列解析)するための機械(例えば、検出モジュール1800)に流体接続され得る。特定の実施形態において、サンプルを調製するための本明細書に記載のシステムは、システムにより調製されたサンプルの少なくとも一部(例えば、その全部)を分析するための診断装置に流体接続され得る。特定の実施形態において、診断装置はサンプルの基本配列に基づくバンド又は色の有無に基づいて出力を発生させる。理解すべき点として、コンポーネント(例えば、モジュール、機器)が接続されている(例えば、機能的に接続されている)と記載されている場合、その接続は永久的に接続され得るか、又はその接続は可逆的に接続され得る。幾つかの例において、接続されていると記載されているコンポーネントは、これらが第一の期間には接続され得(例えば、例えばチャネルを介して流体接続されている)が、第二の期間にはこれらは接続されていない(例えば、流体接続を分離することによる)場合があるという点で、分離可能に接続される。幾つかのこのような実施形態において、可逆的/分離可能接続は、特定のコンポーネントを実行されるサンプル調製/分析/配列解析/同定の種類に応じて交換又は再構成できる、モジュール式システムを提供し得る。
本明細書に記載のシステム及び機器の用途としては、小体積のサンプルが係わる生物学的アッセイ又は調製が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の機器は、数十マイクロリットルの流体流分解能までのサンプル体積をほとんど損失を生じさせずに輸送するのに適している。幾つかの実施形態において、少なくとも、本明細書に記載のシステムの少なくとも一部分(例えば、システムのうち、クランク-ロッカ機構に接続されたローラを含む部分)に濡れた(例えば、それ以外に空気又はガスにさらされる)コンポーネントがないため、有利な点として、ランとランとの間のクロスコンタミネーションのチャンスがほとんどない可能性がある。幾つかの実施形態において、試薬の利用も減り、これは少なくともチャネルの寸法が小さいからであり、それによって使い捨てカートリッジへの詰め込みが容易であり得る比較的小さい総量の試薬を使用しやすくなる。幾つかの実施形態において、それに加えて、サンプル及び/又は試薬の連続的な再循環が蠕動運動で可能となり得、混合又は攪拌が係わる用途をそのようなフォーマットに容易に変え得る。これらの機能を考慮して、本明細書に記載のシステムの用途の非限定的な例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)、細胞培養、エマルジョンベースアッセイ、アレイベース診断、及び/又は、シークエンス反応のための試薬の多重化が含まれる。
幾つかの実施形態において、診断プロセスのフロントエンドには、細胞培養、血液、又は血液ライセート等の分取元からのDNA抽出及び精製が係わり得る。理解すべき点として、本開示全体を通じてDNAの抽出及び配列解析が本明細書に記載の発明的な態様(例えば、流体を送出するための発明的な機器と方法及び関連する応用を含む)の応用例として用いられているのは、わかりやすくためにすぎず、発明的な特徴がどのように応用され得るかについてのいかなる限定も示していない。そうではなく、DNA配列解析応用が本明細書に記載のシステム及び機器に関して述べられている場合、様々な検出用機械の何れを使用する、他の様々な分析又は配列解析(例えば、ゲノム配列解析、タンパク質配列解析、分析物同定等)の何れもまた想定され、可能であると理解すべきである。再び診断プロセスのフロントエンドの一部としてDNA抽出を含む例示的な実施形態に関して、抽出プロセスは、サンプル溶液を抽出面上で移動させること、及び/又はその後の洗浄・溶出ステップを含み得る。幾つかの実施形態において、DNA抽出及び精製のステップ、抽出表面上でのサンプル溶液の移動、及び/又はその後の洗浄・溶出ステップのうちの少なくとも幾つかは、例えば5以上10以下の送出レーンを含む本発明に記載のシステム(例えば、機器、装置、蠕動ポンプ)により扱われる流体操作であろう。溶出されたDNAサンプルはその後、ゲルベース検出システムの水性ウェル(aqueous well)内に移され得て、この移動もまた本明細書に記載のシステムにより実行される。幾つかの実施形態において、DNA抽出は他のゲルシステムで実行され得る。幾つかの実施形態において、DNAサンプルの移動と水性ウェルの洗浄には、本明細書に記載のシステムを用いた送出流体輸送が係わる。
幾つかの実施形態において、診断プロセスのフロントエンドには、細胞培養、血液又は血液ライセート等の分取元からのペプチド(例えば、タンパク質)の抽出と精製が係わり得る。精製には、サンプル溶解、濃縮、破砕、及び/又は機能化が係わり得る。抽出プロセスは、サンプル溶液を抽出面(例えば、ペプチド抽出プローブを含む)上で移動させること、及び/又はその後の洗浄・溶出ステップを含み得る。幾つかの実施形態において、抽出及び精製のステップ、抽出表面上でのサンプル溶液の移動、及び/又はその後の洗浄・溶出ステップのうちの少なくとも幾つかは、例えば5以上10以下の送出レーンを含む本発明に記載のシステム(例えば、機器、装置、蠕動ポンプ)により扱われる流体操作であろう。サンプルの精製及び/又は機能化ペプチド(例えば、タンパク質)はその後、(例えば、反復末端アミノ酸検出及び切断を介して)検出システムの表面上に移され、固定化され得て、この移送もまた本明細書に記載のシステムにより実行されるであろう。
幾つかの用途では、(例えば、離散的な接続されていないチャネルを通じて)複数のサンプルを個別に扱うための非常に多数のポンプレーンが必要であり得、及び/又は多数の試薬が必要となり得る。幾つかのこのようなケースでは、並進機構軸を追加して構成されたシステムのコスト及び複雑さの増大が必至であり得る。例えば、幾つかの実施形態において、キャリッジのx及びy運動を実現するように構成されたシステムは、送出レーンのマトリクスにアクセス可能となる。幾つかの実施形態において、キャリッジをz軸で回転させるための追加の軸を実現するように構成されたシステムの場合、任意選択的な角度向き(例えば、チャネル長を最小にするため、及び/又はより効率的な幾何学的パッキングを可能にするため)のレーンにアクセス可能であろうという点で、はるかに高い自由度を実現する。
幾つかの実施形態において、2つ以上の装置部分(例えば、2つの部分)を含み、装置部分の各々がクランク-ロッカ機構に接続されたローラを含むようなシステム(例えば、装置、ポンプ、機器)は、多くの理由から有利である可能性がある。例えば、システムにクランク-ロッカ機構に接続されたローラを含む2つ以上の装置部分を含めることによって、例えば複数の離散的なサンプルを扱うことが係わる場合に、動作を並列化しやすくなり得る。他の例として、送出レーン1つにつき2つのローラで試薬又はサンプルの同時プッシュ-プルが実行され得る。このプッシュ-プルシナリオでは、1回の動作では、クランク-ロッカ機構に接続されたローラを含む1つの装置部分が投入試薬を共通チャネルへと駆動し得て、他の動作で、クランク-ロッカ機構に接続されたローラを含む第二の同期された装置部分が投入試薬を共通チャネルから引き込み、それと同時に投入試薬を特定の排出チャネルの外へと駆動する。このようにして、マルチプレクサ-デマルチプレクサシステムが容易に実現され得て、タイムラグ又は必要な保持体積(required holding-volume)は生じず、これらはどちらも、本来であれば2つの逐次的ステップでこれらの動作を実行する場合に付随する。
本明細書で使用されるように、「デマルチプレクサ」とは、1つの投入チャネルをとり、その内容物の少なくとも一部を複数の排出チャネルのうちの1つへと駆動する機器である。例えば、内容物は流体、サンプル、及び/又は試薬を含み得る。
本明細書で使用されるように、「マルチプレクサ」とは、複数の投入チャネル間の選択を行い、選択された投入チャネルの内容物の少なくとも一部分を1つの排出チャネルへと駆動する機器である。例えば、内容物は流体、サンプル、及び/又は試薬を含み得る。
理解すべき点として、図1Aはサンプル調製モジュール1700内の1つのポンプ1400を示しているが、サンプル調製モジュール1700は複数のポンプ1400を含み得る。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、本明細書に記載のように、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、又はそれより多くの蠕動ポンプを含み得る。複数のポンプがサンプル調製モジュール内にある幾つかの実施形態において、ポンプは直列に(例えば、流体が第一のポンプから第二のポンプへと逐次的に輸送される場合)及び/又は並列(例えば、第一のポンプから送出された第一の流体と第二のポンプから送出された第二の流体が第一及び第二のポンプの下流で結合される場合)に構成され得る。複数の蠕動ポンプを含めることにより、幾つかのケースで、サンプル調製を容易に拡張でき、又は複雑なサンプル調製手順及び多重化される用途を、比較的少数のコンポーネント(例えば、モータ)を含む比較的単純なシステムで実現できる。
同じく理解すべき点として、図1Aは1つの装置1200を含むポンプ1400を示しているが、ポンプ1400は複数の装置1200を含み得る。幾つかの実施形態において、ポンプ1400は、本明細書に記載のように、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、又はそれより多くの装置を含む。複数の装置(例えば、各々がローラと、任意選択によりクランク及びロッカを含む)を含めることにより、幾つかのケースで、様々な利点の何れかを実現し得る。例えば、複数の装置を含めることによって、1つのカートリッジの複数のチャネルから流体を同時に(又は異なる期間中に)送出することを可能にし得て、これは幾つかの例において、サンプル調製プロセスのコンフィギュアビリティの度合いを高め、複雑であり得るサンプル調製手順を素早く簡便に実行できるようにする。
特定の実施形態において、本明細書の機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ)は、小体積の流体を正確に、明確に定められた流体流分解能で、幾つかのケースでは明確に定められた流量で輸送するように構成される。幾つかの実施形態において、本明細書の機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ)は、流体を0.1μL/s以上、0.5μL/s以上、1μL/s以上、2μL/s以上、5μL/s以上、又はそれより高い流速で流体を輸送するように構成される。幾つかの実施形態において、本明細書の機器は、流体を100μL/s以下、75μL/s以下、50μL/s以下、30μL/s以下、20μL/s以下、15μL/s以下、又はそれより低い流量で輸送するように構成される。これらの範囲の組合せも可能である。例えば、幾つかの実施形態において、本明細書の機器は、流体を0.1μL/s以上且つ100μL/s以下、又は5μL/s以上且つ15μL/s以下の流量で輸送するように構成される。例えば、特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器は数十マイクロリットル又は数百マイクロリットルのオーダの流体流分解能を有する。流体流分解能のさらに詳しい説明は、本明細書の他の箇所に記載されている。特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器は、小体積の流体をカートリッジの少なくとも一部分を通じて輸送するように構成される。
ここで、本明細書に記載の特徴、コンポーネント、及び方法のさらに詳しい事柄のほか、システム及び機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ)に関する例示的な実施形態をより詳しく説明する。
1つの態様において、装置が提供される。幾つかの実施形態において、装置は、ローラと、ローラに接続アームにより接続されるクランク-ロッカ機構を含む。幾つかの実施形態において、装置は、ローラ、クランク、ロッカ、及びクランクをロッカとローラに連結するように構成された接続アームを含む。装置の実施形態は本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、カートリッジが提供される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、チャネルを含む表面を有する基底層と、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、(1)チャネルの底部において1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、(2)チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された、エラストマを含む表面層を有する。カートリッジの実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、蠕動ポンプが提供される。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプはローラとカートリッジを含み、カートリッジは、チャネルを含む表面を有する基底層を含み、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、(1)チャネルの底部において1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、(2)チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された、エラストマを含む表面層を有する。蠕動ポンプの実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、装置の製造方法が提供される。幾つかの実施形態において、装置の製造方法は、クランクアーム、ロッカアーム、及びローラを接続アームに接続するステップと、ロッカアームのシャフトをクランクアームのシャフトに接続して、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるようにするステップと、を含む。装置の製造方法の実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、カートリッジの製造方法が提供される。幾つかの実施形態において、カートリッジの製造方法は、表面層を含む表面部品を基底層と組み立ててカートリッジ形成するステップを含み、(1)表面層はエラストマを含み、(2)基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、(3)1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは、実質的に三角形の断面を有する。カートリッジの製造方法の実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、ポンプの製造方法が提供される。幾つかの実施形態において、ポンプの製造方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステッと、ローラを含む装置を組み立てるステップと、カートリッジをローラの下に位置付けるステップと、を含み、(1)表面層はエラストマを含み、(2)基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、(3)1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。ポンプの製造方法の実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、システム(例えば、装置、ポンプ、及び/又は機器)の使用方法が提供される。幾つかの実施形態において、システムの使用方法は、本明細書に記載の装置のクランクを回転させて、ローラを基板表面と係合させ、及び/又は係合解除するステップを含む。特定の実施形態において、ローラはクランクに接続される。例えば、特定の実施形態において、ローラはクランクに間接的に接続される。幾つかの実施形態において、システムの使用方法は、エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させて、表面層の第一の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するようにするステップと、この変形を表面層の第二の部分まで並進させて、表面層の第二の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップと、を含み、表面層は、チャネルの表面開口をシールするように構成される。システムの使用方法の実施形態は、本明細書の他の箇所でさらに説明する。
他の態様において、装置が提供され、装置はサンプルに対して、分析のためのサンプルの調製、サンプルの分析、及びサンプルの少なくとも一部分の配列の解析のうちの少なくとも1つを実行するためのものである。幾つかの実施形態において、装置はローラとローラに接続されたクランク-ロッカ機構を含む。幾つかの実施形態において、配列解析は核酸配列解析(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)配列解析、ゲノム配列解析)である。幾つかの実施形態において、配列解析はペプチド(例えば、タンパク質)分子の配列解析である。
他の態様において、方法が提供され、方法は、装置を使ってサンプルに対して、分析のためのサンプルの調製、サンプルの分析、及びサンプルの少なくとも一部分の配列の解析のうちの少なくとも1つを実行するステップを含む。幾つかの実施形態において、装置はローラとローラに接続されたクランク-ロッカ機構を含む。幾つかの実施形態において、配列解析は核酸配列解析(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)配列解析、ゲノム配列解析)である。幾つかの実施形態において、配列解析はペプチド(例えば、タンパク質)分子の配列解析である。
他の態様において、システムが提供される。幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールを含む。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、本明細書に記載のように、蠕動ポンプを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、ローラを含む装置を含み、蠕動ポンプはカートリッジも含む。幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールの下流の検出モジュールを含む。
幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールを含む。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、本明細書に記載のように、蠕動ポンプを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、ローラとローラに接続されたクランク-ロッカ機構を含む装置を含む。幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールの下流の検出モジュールを含む。
幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールを含む。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、本明細書に記載のように蠕動ポンプを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、チャネルを含む表面を有する基底層を含むカートリッジを含み、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有する。幾つかの実施形態において、システムはサンプル調製モジュールの下流の検出モジュールを含む。
他の態様において、方法が提供される。幾つかの実施形態において、方法は、サンプルの少なくとも一部分を第一のモジュールから第二モジュールへと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは装置を含み、幾つかの実施形態において、蠕動ポンプはカートリッジを含む。幾つかのこのような実施形態において、第一のモジュールはサンプル調製モジュールを含む。幾つかのこのような実施形態において、第二モジュールは検出モジュールを含む。例えば、幾つかの実施形態において、方法は、サンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールへと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。
他の態様において、方法が提供される。幾つかの実施形態において、方法は、サンプルの少なくとも一部分を第一のモジュールから第二へと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、ローラとローラに接続されたクランク-ロッカ機構を含む装置を含む。幾つかのこのような実施形態において、第一のモジュールはサンプル調製モジュールを含む。幾つかのこのような実施形態において、第二のモジュールは検出モジュールを含む。例えば、幾つかのこのような実施形態において、方法はサンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールへと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。
他の態様において、方法が提供される。幾つかの実施形態において、方法は、サンプルの少なくとも一部分を第一のモジュールから第二へと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、チャネルを含む表面を有する基底層を含むカートリッジを含み、チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有する。幾つかのこのような実施形態において、第一のモジュールはサンプル調製モジュールを含む。幾つかのこのような実施形態において、第二のモジュールは検出モジュールを含む。例えば、幾つかの実施形態において、方法は、サンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールへと蠕動ポンプを使って流すステップを含む。
1つの態様において、装置が提供される。図2Aは、幾つかの実施形態による装置200の側面概略図である。理解すべき点として、本開示は本明細書に記載され、図示されている具体的な実施形態のみに限定されない。そうではなく、各種の開示された実施形態、特徴、及び方法は、開示がそのように限定されないため、何れの適当な組合せでも配置され得る。
幾つかの実施形態において、装置はローラを含む。例えば、図2Aにおいて、図示されている装置200はローラ220を含む。幾つかの実施形態において、ローラはウェッジ形状の縁部を含む。再び図2Aを参照すると、幾つかの実施形態において、ローラ220はローラ220の回転軸(例えば、図2Bの221)から離れた、ウェッジ(くさび)形状を有する縁部(例えば、図2Bの233)を含む。
本明細書で使用されるように、「ローラ」という用語は、当業者であればわかるものであり、回転中心軸及び回転軸に実質的に垂直な平面内の実質的な円形の断面を有する機械的コンポーネントを指し得る。例えば、ローラは回転中心軸(例えば、221)を有し得る。図2Bは、幾つかの実施形態による、回転軸221と同一平面内のローラ220の断面概略図である。幾つかの実施形態において、ローラはエラストマを含む。
幾つかの実施形態において、装置はクランクを含む。幾つかの実施形態において、クランクはクランク-ロッカ機構のコンポーネントである。クランク-ロッカ機構は、アームによって装置のローラに接続され得る。例えば、再び図2Aを参照すると、図の装置200は、特定の実施形態によれば、ローラ220に接続アーム224により接続されたクランク-ロッカ機構230を含む。本明細書で使用されるように、「クランク-ロッカ機構」という用語は、相互に接続され、少なくとも1つのコンポーネントから少なくとも1つの他のコンポーネントへと運動を伝えるように構成された、クランクとロッカを含む複数の機械的コンポーネントを指す。
本明細書で使用されるように、「クランク」という用語は、当業者であればわかるものであり、回転するように構成され、回転軸を画定するシャフトと、シャフトに取り付けられるアームと、を有するか、又はシャフトがアームとも呼ばれる曲げ部を含み、アームの長さに沿った軸がシャフトの回転軸に垂直である機械的コンポーネントを指し得る。幾つかの実施形態において、クランクのシャフトはモータに、モータがクランクに回転を駆動するように動作可能である構成で接続される。特定の実施形態において、システム(例えば、装置、ポンプ、及び/又は機器)はモータを含み、これは、クランクのシャフトに、モータがクランクの回転を駆動するように動作可能となる構成で接続される。例えば、クランクは、360度回転するように構成され、回転軸(例えば、回転軸235)を画定するシャフトを有し得る。
本明細書で使用されるように、「アーム」という用語は、当業者であればわかるものであり、1つ又は複数の対応する機械的コンポーネントと接続されるように構成された1つ又は複数の部分を有する機械的コンポーネントを指し得て、少なくとも1つの接続部は、アームが回転軸の周囲で少なくとも1つの他の対応する接続された機械的コンポーネントに関して回転するように、又はその逆に構成され、アームの長さに沿った軸は回転軸に垂直である。例えば、アームは剛体の機械的コンポーネントであり得る。
幾つかの実施形態において、装置はモータを含む。幾つかの実施形態において、モータはクランクのシャフトに、モータがクランクの回転を駆動するように動作可能となる構成で接続される(例えば、直接的に接続される、間接的に接続される)。
本明細書で使用されるように、第一の機械的コンポーネントは第二の機械的コンポーネントに、第一の機械的コンポーネントを第二の機械的コンポーネントに接続する1つ又は複数の機械的コンポーネントが介在する場合に「間接的に接続される」。
幾つかの実施形態において、装置はロッカを含む。例えば、再び図2Aを参照すると、幾つかの実施形態によれば、装置200はロッカ226を含む。幾つかの実施形態において、ロッカのシャフト(「ロッカシャフト」という)は、クランクのシャフト(「クランクシャフト」という)に、例えばクランクとロッカの回転中に、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続される。幾つかのこのようなケースでは、ロッカのシャフトとクランクのシャフトは、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して平行であり、静止状態に保持されるように接続される。第一のシャフトを第二のシャフトに接続させる、とは、第一のシャフトが第二のシャフトとの直接的接触を黙示することには当たらず、これは、接続が間接的であってもよいからである。幾つかの実施形態において、ロッカのシャフトはクランクのシャフトに1つ又は複数の機械的コンポーネントを介して、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続される。ロッカシャフトとクランクシャフトが接続されるのを仲介する1つ又は複数の機械的コンポーネントとしては、例えば、1つの中実部材(又は、相互に関して固定化される複数の中実部材)が含まれ得る。中実物は、ロッカシャフトとクランクシャフトの各々に取り付けられた別々の離散的コンポーネントであり得、又は中実物はロッカシャフト及びクランクシャフトに関してモノリシックでもあり得る。特定のケースでは、1つ又は複数の機械的コンポーネントは、他の接続アームを含む。特定の例として、ロッカのシャフトはクランクのシャフトに、キャリッジを含む1つ又は複数の機械的コンポーネントを介して接続され得る。図2Aに示される例示的な実施形態において、クランク-ロッカ機構230は、特定の実施形態によれば、回転軸235を有するクランク228と回転軸237を有するロッカ226を含む。幾つかのケースでは、回転軸237を画定するロッカ226のシャフトは、回転軸235を画定するクランク228のシャフトに、ロッカ226のシャフトがクランク228のシャフトに関して静止状態に保持されるように接続される(例えば、間接的に接続される)。特定の例として、後でより詳しく説明するように、図7Dは、ロッカ1026の回転軸を画定するシャフトがクランク1028の回転軸を画定するシャフトにキャリッジ1044を介して、ロッカ1026のシャフトの軸回転とクランク1028のシャフトの軸が相互に関して静止状態に保持されるように接続されていることを示している。幾つかの実施形態において、装置200は、クランク228及び/又はロッカ226の回転が水平軸方向231及び/又は垂直軸方向229に沿ってローラ220の運動を駆動するように構成される。
本明細書で使用されるように、「ロッカ」という用語は、当業者であればわかるものであり、回転軸を画定し、0度~180度、0度以上且つ180度未満、又は0度超且つ90度以下の限定的角度範囲にわたり回転するように構成されるシャフトと、シャフトに取り付けられたアームと、を有するか、又はシャフトがアームとも呼ばれる曲げ部分を含み、アームの長さに沿った軸がシャフトの回転軸に垂直である機械的コンポーネントを指し得る。例えば、ロッカは回転軸(例えば、回転軸237)を画定するシャフトを含み得る。
前述のように、幾つかの実施形態において、装置はクランク-ロッカ機構を含む。幾つかの実施形態において、クランク-ロッカ機構は例えば接続アームによってローラに接続される。より具体的には、幾つかの実施形態において、接続アームは、クランクをロッカ及びローラに結合するように構成される。再び図2Aを参照すると、幾つかの実施形態において、接続アーム224は、クランク228をロッカ226及びローラ220に結合するように構成される。幾つかの実施形態において、接続アームはクランク-ロッカ機構のコンポーネントである。
幾つかの実施形態において、装置はローラアームを含む。幾つかの実施形態において、ローラアームは、ローラを接続アームに結合するように構成される。再び図2Aを参照すると、幾つかの実施形態において、装置200はローラ220を接続アーム224に接続するように構成されたローラアーム222をさらに含む。
幾つかの実施形態において、装置はヒンジを含む。幾つかの実施形態において、ヒンジは、ローラアームを接続アームに結合するように構成される。例えば、図2Aにおいて、例示的な装置200は、幾つかの実施形態によれば、ローラアーム222を接続アーム224に結合するように構成されたヒンジ225をさらに含む。幾つかの実施形態において、ヒンジはばねを含む。例えば、図2Aを参照すると、幾つかの実施形態において、ヒンジ225はばね227を含む。
幾つかの実施形態において、装置は並進機構ねじ及び/又は並進機構ロッドを含む。幾つかの実施形態において、ロッカのシャフトは並進機構ねじ及び/又は並進機構ロッドに、ロッカシャフトの回転軸が並進機構ねじの長さに沿った中心軸及び/又は並進機構ロッドの長さに沿った中心軸に関して静止状態且つ平行に保持されるように接続される。
幾つかの実施形態において、装置はモータを含む。幾つかの実施形態において、モータは並進機構ねじに、モータが並進機構ねじの回転を駆動するように動作可能な構成で接続される。
幾つかの実施形態において、装置はキャリッジを含む。幾つかの実施形態において、キャリッジはロッカのシャフト(及び/又はクランクのシャフト)を並進機構ねじ及び/又は並進機構ロッドに接続する。幾つかの実施形態において、キャリッジはロッカのシャフト及びクランクのシャフトを相互から一定の距離に保持する。
本明細書で使用されるように、「キャリッジ」という用語は、当業者であればわかるものであり、1つ又は複数の部材を1つ又は複数の次元に並進させるように構成された1つ又は複数の機械的コンポーネントを指し得る。例えば、キャリッジは、1つ又は複数の部材(例えば、1つ又は複数のその他の機械的コンポーネント)を1つ又は複数の次元(例えば、1、2、又は3次元)に並進させるように構成された1つ又は複数の機械的コンポーネントを含み得る。
幾つかの実施形態において、並進機構ねじの回転を駆動することによって、キャリッジは1つの次元において並進する。
幾つかの実施形態において、装置の機械的コンポーネント(例えば、ローラ、クランク、ロッカ、接続アーム、ローラアーム)は、装置の1つ又は複数の他の機械的コンポーネントに直接又は間接に接続され、幾つかの接続部又は各接続部はヒンジ又はその他及び/又は追加の取付手段による。
幾つかの実施形態において、装置の機械的コンポーネント(例えば、ローラ、クランク、ロッカ、接続アーム、ローラアーム)は、装置の1つ又は複数の他の機械的コンポーネントに直接又は間接に接続され、幾つかの接続部又は各接続部はヒンジ又はその他及び/又は追加の取付手段による。
幾つかの実施形態において、装置の機械的コンポーネント(例えば、ローラ、クランク、ロッカ、接続アーム、ローラアーム)は、装置の2つ以上の他の機械的コンポーネントを2つ以上の対応するヒンジによって結合するように構成される。
本明細書で使用されるように、「結合」又は「接続」という用語は、当業者であればわかるものであり、2つ以上の機械的コンポーネントを直接又は間接に結合又は接続することを指し得る。例えば、2つ以上の機械的コンポーネントは、1つ又は複数のヒンジ及び1つ又は複数の追加の機械的コンポーネントによって直接又は間接に結合され得る。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステム(例えば、装置、ポンプ、機器)はポンプサイクルを経る。幾つかの実施形態において、1ポンプサイクルはシステムのクランクの1回転に対応する。幾つかの実施形態において、各ポンプサイクルは、1μL以上、2μL以上、4μL以上、10μL以下、8μL以下、及び/又は6μL以下の流体を輸送し得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1μL以上10μL以下)。流体のその他の体積範囲も可能である。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステムは特定のストローク長を有する。特定の実施形態において、各ポンプサイクルが1μL以上10μL以下のオーダの流体を輸送し得ること、及び/又はチャネル寸法が好ましくは幅1mmのオーダ及び深さ1mmのオーダであり得ること(例えば、チャネル容積を縮小し、且つ合理的誤差を保持できる程度までどれだけ機械加工又は成型可能かに依存する)を考慮して、ストローク長は10mm以上、12mm以上、14mm以上、20mm以上、18mm以下、及び/又は16mm以下であり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、10mm以上20mm以下)。その他の範囲も可能である。
本明細書で使用されるように、「ストローク長」いう用語は、基板と係合している間にローラが移動する距離を指す。特定の実施形態において、基板はカートリッジを含む。
流体流分解能に関して、幾つかの実施形態において、本明細書に記載の応用(例えば、DNAサンプル調製及び同様のアッセイ)の場合、少なくとも全体の流体体積(例えば、消費される流体体積、送達される流体体積等)のエラーのパーセンテージを低くするためには、数マイクロリットルのサンプル又は試薬溶液の変位が必要であり得る。特定の実施形態において、数マイクロリットルのオーダの流体流分解能は、システム(例えば、カートリッジ、装置、機器、ポンプ)のコンポーネントのための従来の製造プロセスで実現可能である。特定の実施形態において、クランク半径、チャネル寸法、及び/又はローラ寸法は、それぞれが流体流分解能の特定に寄与する。
流体流分解能に関して、幾つかの実施形態において、本明細書に記載の応用(例えば、DNAサンプル調製及び同様のアッセイ)の場合、少なくとも全体の流体体積(例えば、消費される流体体積、送達される流体体積等)のエラーのパーセンテージを低くするためには、数マイクロリットルのサンプル又は試薬溶液の変位が必要であり得る。特定の実施形態において、数マイクロリットルのオーダの流体流分解能は、システム(例えば、カートリッジ、装置、機器、ポンプ)のコンポーネントのための従来の製造プロセスで実現可能である。特定の実施形態において、クランク半径、チャネル寸法、及び/又はローラ寸法は、それぞれが流体流分解能の特定に寄与する。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステム及び機器の機械的コンポーネントの何れの寸法も拡大され得て(例えば、2、3、4、5倍又はそれ以上)、それによってポンプ当たりの体積をはるかに大きくすることができ、流体流分解能も同様に増大される。
特定の実施形態において、ストローク長は本明細書に記載のシステムの対応するクランクの半径に直接関係するため、クランク半径はストローク長と同程度のオーダであり得る。幾つかの実施形態において、よりクランク長(本明細書ではクランク半径とも呼ばれる)がより短くなると、流体流分解能がより高くなる(クランク1回転あたりに送出される流体の体積がより小さくなる)が、他方で、クランク長が短くなると、対応するローラのチャネルとの係合及び係合解除の位置に係わる誤差がより狭くなり得る。幾つかの実施形態において、クランク長は対応するローラの垂直移動距離を特定するのに寄与し、これはシステムのうちローラを含む部分がチャネルからチャネルへと並進する際のローラと対応するカートリッジ表面との間のクリアランスにとって重要であり得る。特定の実施形態において、少なくともシールプレートの高さから、少なくとも数mmのクリアランスが必要であり得、したがって、同程度のクランク半径(数mm)が必要となり得る。特定の実施形態において、クランク半径は、2mm以上、4mm以上、6mm以上、8mm以上、10mm以上、12mm以上、14mm以上、20mm以下、18mm以下、及び/又は16mm以下のオーダであり得る。上記の範囲の組合せもまた可能である(例えば、2mm以上20mm以下)。その他の範囲も可能である。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムの「ポンプフルサイクル」をクランク半回転により、又はクランクサイクルの係合解除部分を考える場合はクランクフル回転により特定できる。特定の実施形態において、ストローク中間でのクランク停止(例えば、停止し、その後逆転する)は、1回転当たりの流体流分解能を小さくする手段として可能であるが、流体力学に関する結果が伴い得る。幾つかの実施形態において、システムのクランクのストロークに関する停止及び逆転プロセスにより、関連するチャネルの弁が逆転ストロークで再び閉じ、それによって逆流を防止し得る(例えば、逆止弁と同様)。幾つかの実施形態において、システムはより高い自由度数を含み得て(例えば、追加のモータによって提供される等)、任意の位置でシステムのローラと関連するチャネルとの係合及び係合解除が行われ、流体流分解能を高めるための部分的ストロークが実現される。しかしながら、幾つかのこのような実施形態において、ローラの係合及び係合解除位置に関連する誤差は依然として影響を及ぼし得て、システムが複雑になりすぎると悪化し得る。幾つかの実施形態において、ストローク長又は送出体積を測定する機能を有するコンポーネントを制御システムと共にさらに追加した場合、極めて正確な任意選択的体積が送出され得る。幾つかのこのような実施形態において、システムのモータ(例えば、ステップモータ)の位置決め分解能は、流体流分解能を特定する上での要因となり得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステム内のポンプフルサイクル中のローラの経路は正確に楕円形ではない。特定の実施形態において、ローラと基板(例えば、カートリッジ)との係合及び係合解除点はローラの経路及びその他の幾何学的制約を受ける。特定の実施形態において、ストローク長はクランク半径のほぼ2倍に近いと概算され得る。特定の実施形態において、システムのチャネル寸法を考慮して、ストローク1mmあたりほぼ0.6μLの流体が送出され、0.6μLは、垂直対称線を有する対称的な三角形のV溝の場合に、(チャネル幅の半分)×(V溝のチャネルの深さ)×(1mm)で特定される。特定の実施形態において、チャネルは深い部分(例えば、チャネルが少なくとも幾つかの断面において本明細書に記載の第二の部分を有する場所)を含み、それがチャネルの対応する部分を表面層が一時的にシールする始点を画定する。深い部分により画定される始点の位置は、流体輸送のためにストローク体積のどれだけの部分を利用することが望まれるかに応じて、チャネルに沿った何れの任意選択的な点とすることもできる。深い部分により画定される始点は、ストローク体積の比較的小さい部分が利用されるように位置付けられ得る。例えば、幾つかのこのようなケースにおいて、始点は、ストロークの約半分のみが利用されるように位置付けられる。幾つかのこのような実施形態において、約6μLの流体流分解能が実現される。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムの流体流分解能(Vres)はほぼ、システムのクランクの半径(Rcrank)×対応するチャネルの幅(Wchannel)の半分×チャネルの深さ(Dchannel)とし得る。
Vres≒Rcrank×0.5Wchannel×Dchannel。
特定の実施形態において、チャネルは送出部分の両側に1つずつ深い部分を含む。幾つかのこのような実施形態において、流体流分解能、すなわち1ポンプサイクルあたりの体積は、ポンプストロークが送出部分と係合するのに十分に長い場合、チャネル寸法に完全に依存する。幾つかのこのような実施形態において、又は深いシールなし部分を含む他の何れの実施形態においても、総チャネル体積は、不利な点として、増大し得る。特定の実施形態において、この総チャネル体積の増大の結果、サンプル又は試薬がそこを通過するか否かによって、空にする、又はより十分に洗浄する必要があり得る体積が大きくなる。また、総チャネル体積がより大きい幾つかの実施形態において、関連する蠕動運動式送出機構に、特に空気を送出する場合に、わずかな圧力低下が起こり、これは少なくとも圧力比(係合時の弁とローラの位置との間の体積と係合解除時の対応する体積との比)が低くなるからである。特定の実施形態において、圧縮比の低下により、不利な点として、ポンプサイクル時にシステムが弁を開く能力が低下し得る。
特定の実施形態において、チャネルは送出部分の両側に1つずつ深い部分を含む。幾つかのこのような実施形態において、流体流分解能、すなわち1ポンプサイクルあたりの体積は、ポンプストロークが送出部分と係合するのに十分に長い場合、チャネル寸法に完全に依存する。幾つかのこのような実施形態において、又は深いシールなし部分を含む他の何れの実施形態においても、総チャネル体積は、不利な点として、増大し得る。特定の実施形態において、この総チャネル体積の増大の結果、サンプル又は試薬がそこを通過するか否かによって、空にする、又はより十分に洗浄する必要があり得る体積が大きくなる。また、総チャネル体積がより大きい幾つかの実施形態において、関連する蠕動運動式送出機構に、特に空気を送出する場合に、わずかな圧力低下が起こり、これは少なくとも圧力比(係合時の弁とローラの位置との間の体積と係合解除時の対応する体積との比)が低くなるからである。特定の実施形態において、圧縮比の低下により、不利な点として、ポンプサイクル時にシステムが弁を開く能力が低下し得る。
幾つかの実施形態において、機械的観点から、本明細書に記載のシステムのロッカの長さは理論上、無限であり得、その端において完璧に線形の運動を生じさせる。特定の実施形態において、少なくともコンパクト性を保持するために、システムのロッカの長さは、全体的サイズを決定するシステムの1つ又は複数の対応するコンポーネント(例えば、モータ、マウントブラケット、ねじ、支持ポケット、及びさらにはローラアーム自体)の大きさと同程度である。システムのロッカの長さは数十mmのオーダであり得る。例えば、システムのロッカの長さは15mm以上、20mm以上、25mm以上、40mm以下、35mm以下、及び/又は30mm以下であり得る。上記の範囲の組合せも可能である(例えば、15mm以上40mm以下)。その他の範囲も可能である。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステムの接続アームの長さは、少なくとも対応するクランクの半径と同じであり、典型的には、少なくともローラアーム及び関連するばね機構を収容するためにクランクの半径より長くし得る。幾つかの実施形態において、接続アームの長さは、少なくともクランクの360度回転運動を可能にするために、少なくともクランクの半径と同等の大きさである。特定の実施形態において、接続アームの長さは、対応するローラアーム機構(例えば、ばね、軸受け等)を収容するほか、クランクの360度回転運動を可能にするのに十分な大きさである。コンパクト性のために、接続アームの長さは全体的な大きさを決定するシステムの他の機械的コンポーネントの寸法を超えない。
特定の実施形態において、ローラアームはローラがクランクシャフトを超えて延びるほど長くない(その場合、ローラは水平に圧縮された楕円形の経路をとることになる)。特定の実施形態において、ローラアームの長さは、対応するローラがチャネルと係合し始めたときのダウンストローク運動での対応する接続アームの垂直運動を吸収するのに十分に長いため、クランク半径のあるかなりの部分(例えば、0.4以上、0.6以上、0.8以上、1.0以下、0.9以下、0.4以上1.0以下、これらの範囲のその他の組合せ、その他の範囲)がローラアームの長さとして適切であり得る。特定の実施形態において、ローラアームの長さは、4mm以上、5mm以上、6mm以上、20mm以下、18mm以下、及び/又は16mm以下のオーダであり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、4mm以上20mm以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、接続アームの制約を考え、ローラアームの長さは好ましくは、10mm以上20mm以下のオーダであり得る。特定の実施形態において、ローラアームがシステムの他の機械的コンポーネントの寸法的制約内でできるだけ長くすることが有利であり得る。特定の実施形態において、チャネルとの係合中、少なくともローラのほぼ線形の垂直移動のために、ローラアームはローラ半径と比較して長い。例えば、ローラアームは、2倍以上、3倍以上、4倍以上、7倍以下、6倍以下、及び/又は5倍以下とし得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、2倍以上7倍以下)。ローラ半径のその他の倍数の範囲もまた可能である。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムのローラの半径は、対応するチャネルの深さ(例えば、1mmのオーダ)より大きい(例えば、かなり大きい)。ローラ半径はチャネルの深さ(例えば、1mmのオーダ)より大きく(例えば、かなり大きく)し得て、少なくともそれによってローラのウェッジは、エラストマを含む表面層上の対応する部分をチャネルの中へと変形させることによってチャネルに十分にアクセスでしてシールできる。特定の実施形態において、ローラのアクスル(例えば、3mm径の肩付きねじ)は対応するカートリッジのシールプレプレートの表面を避けることができ、このシールプレートはチャネル表面から2mmのオーダで上にあり得る。少なくともこの理由から、特定の実施形態において、ローラ半径はシールプレートの表面からアクスルが立ち上がるために十分に大きい。したがって、特定の実施形態において、ローラ半径は4.5mm以上である。特定の実施形態において、肩付きねじのヘッド径のようなアクスル/軸受け機構のその他の実践上の制限を考慮して、ローラ半径は5mm以上であり得る。特定の実施形態において、その他のコンポーネントの何れよりも大幅に大きいローラは非現実的であり、コンパクト性が低くなり、それに加えて、システムの流体流分解能が低下し得て、ローラのチャネル係合及び係合解除の正確な位置があまりよく定められなくなることに寄与し得る。したがって、特定の実施形態において、ローラ半径は4.5mm以上、5mm以上、10mm以上、20mm以下、16mm以下、及び/又は12mm以下である。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、4.5mm以上20mm以下)。その他の範囲もまた可能である。
特定の実施形態において、ローラは、少なくとも関連するチャネルの幅(例えば、1mmのオーダ)と同等の幅であり、典型的にはローラの関連する軸受けとほぼ同じ厚さであり得る。特定の実施形態において、典型的な小さい軸受け幅では、ローラ幅は2mm以上3mm以下とされ得る。特定の実施形態において、ローラの幅は2mm以上、2.5mm以上、及び/又は3mmの間である。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、2mm以上3mm以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、ローラが厚すぎると、各チャネル間をシールするシールプレート内のビームの使用し得る幅が限定され、これは、そうでなければビームがローラとチャネルの係合の障害となるからである。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステム(例えば、カートリッジ、ポンプ)の表面層のエラストマには、関連するチャネルに対してシールするために約900g(2ポンド)の力が必要であり、それにより、関連するローラにばね機構が必要となる。特定の実施形態において、このシール力が数mmの垂直移動にわたりほぼ調整され得ることから、ばね付勢ローラアームのばねのばね定数はほぼ5mmにつき450g(1ポンド)が適正であり得る。特定の実施形態において、ばね付勢ローラアームのばねのばね定数は5mmあたり450g(1ポンド)以上、4mmあたり450g(1ポンド)以上、3mmあたり450g(1ポンド)以上、1mmあたり450g(1ポンド)以下、及び/又は2mm当たり450g(1ポンド)以下であり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、5mmあたり450g(1ポンド)以上1mmあたり450g(1ポンド)以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、このばね定数は、アイドル位置にあるローラアームの適正なプレロードを容易にし得て、ばねの初期変位数mmで必要な900g(2ポンド)のシール力が得られる。
特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムのローラシャフトと対応するクランクシャフトとの間の距離は、機能するクランク-ロッカ機構を収容するのに十分に長い。
特定の実施形態において、システムのローラアームのヒンジのロッカシャフト及び/又はクランクシャフトに関する位置は、そのローラアームの角度及びローラアームの長さと共に、ローラがポンプの360度回転に追従する特定の経路を特定するのに寄与する。特定の実施形態において、ローラがロッカに近いほど、ローラはより水平に移動し得て(垂直に圧縮された経路に沿う)、逆に、ローラがクランクに近いほど、ローラの経路はより円形となり得る。少なくともこれらの理由から、特定の実施形態において、ローラアームのヒンジをクランクシャフトとロッカシャフトとの間の中間により近付けて位置付けることにより、幾分楕円形の経路ができ、これによって十分に長いストローク長が得られやすくなるだけでなく、システムのうちのローラを含む部分の並進中に、基板表面(例えば、カートリッジ表面)を避けるのに十分に垂直な移動が得られやすい。特定の実施形態において、ローラアームのヒンジは少なくとも、(クランクシャフト)-(ロッカシャフト)接続線からの、(クランクシャフト)-(ロッカシャフト)接続線に対して垂直に測定されるローラの半径より大きい(例えば、図7B参照)。
本明細書に記載の装置は一般に、流体を高い流体流分解能で輸送するように構成される。例えば、幾つかの実施形態において、装置は、1000マイクロリットル以下、500マイクロリットル以下、200マイクロリットル以下、100マイクロリットル以下、50マイクロリットル以下、20マイクロリットル以下、又は10マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される。幾つかの実施形態において、装置は、1マイクロリットル以上、2マイクロリットル以上、5マイクロリットル以上の流体流分解能で流体を輸送するように構成される。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1マイクロリットル以上1000マイクロリットル以下、2マイクロリットル以上100マイクロリットル以下、5マイクロリットル以上50マイクロリットル以下)。その他の範囲もまた可能である。
特定の実施形態において、流体は液体を含む。特定の実施形態において、流体は液体と液体中の固体粒子を含む。特定の実施形態において、流体は液体である。
特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器(例えば、1つ又は複数の装置、カートリッジ、ポンプを含む)の流体流分解能は1000μL以下である。例えば、本明細書のシステムと機器の流体流分解能は500μL以下、200μL以下、100μL以下、50μL以下、20μL以下、又は10μL以下であり得る。本明細書のシステムと機器の流体流分解能は、1μL以上、2μL以上、又は5μL以上であり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1μL以上1000μL以下、2μL以上100μL以下、5μL以上50μL以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器の流体流分解能は5μL以上10μL以下である。特定の実施形態において、流体流分解能はポンプごとに、例えばクランク-ロッカ機構内のクランクの1回転あたりで測定される。
特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器(例えば、1つ又は複数の装置、カートリッジ、ポンプを含む)の流体流分解能は1000μL以下である。例えば、本明細書のシステムと機器の流体流分解能は500μL以下、200μL以下、100μL以下、50μL以下、20μL以下、又は10μL以下であり得る。本明細書のシステムと機器の流体流分解能は、1μL以上、2μL以上、又は5μL以上であり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1μL以上1000μL以下、2μL以上100μL以下、5μL以上50μL以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、本明細書のシステムと機器の流体流分解能は5μL以上10μL以下である。特定の実施形態において、流体流分解能はポンプごとに、例えばクランク-ロッカ機構内のクランクの1回転あたりで測定される。
本明細書で使用されるように、「流体流分解能」という用語は、一度にチャネル内に流すことのできる流体の最小量を指す。幾つかの実施形態において、流体流分解能は、例えばチャネルの寸法及び/又は送出機構により限定され得る。例えば、流体流分解能は、一度にチャネル内に流すことのできる流体の最小量を指し得て、例えばチャネルの寸法及び/又は送出機構(例えば、空気圧、容量型ポンプ、蠕動運動)により限定され得る。
他の態様において、カートリッジが提供される。
幾つかの実施形態において、カートリッジは基底層を含む。幾つかの実施形態において、基底層は1つ又は複数のチャネルを含む表面を有する。例えば、図3Aは、幾つかの実施形態によるチャネル102の幅に沿ったカートリッジ100の断面図の概略図である。図のカートリッジ100は、チャネル102を含む表面111を有する基底層104を含む。特定の実施形態において、チャネルの少なくとも幾つかはマイクロチャネルである。例えば、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかはマイクロチャネルである。特定の実施形態において、チャネルの全てがマイクロチャネルである。例えば、図3Aを再び参照すると、特定の実施形態において、チャネル102の全てがマイクロチャネルである。
幾つかの実施形態において、カートリッジは基底層を含む。幾つかの実施形態において、基底層は1つ又は複数のチャネルを含む表面を有する。例えば、図3Aは、幾つかの実施形態によるチャネル102の幅に沿ったカートリッジ100の断面図の概略図である。図のカートリッジ100は、チャネル102を含む表面111を有する基底層104を含む。特定の実施形態において、チャネルの少なくとも幾つかはマイクロチャネルである。例えば、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかはマイクロチャネルである。特定の実施形態において、チャネルの全てがマイクロチャネルである。例えば、図3Aを再び参照すると、特定の実施形態において、チャネル102の全てがマイクロチャネルである。
本明細書で使用されるように、「チャネル」という用語は、当業者であればわかるものであり、流体を収容し、及び/又は輸送するように構成された構造を指し得る。チャネルは一般に、壁と、底部(例えば、壁に接続され、及び/又は壁から形成される底部)と、チャネルの1つ又は複数の部分において開放し、覆われ、及び/又はシールされ得る表面開口と、を含む。
幾つかの実施形態において、カートリッジは、カートリッジのリザーバ内の流体がリザーバからカートリッジのあるチャネルへ、及び/又はカートリッジの他のリザーバへと(例えば、少なくとも一部に蠕動運動式送出により)輸送され得るように構成される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、カートリッジの第一のチャネル内の流体をその第一のチャネルからそのカートリッジの第二のチャネルへ、及び/又はそのカートリッジのリザーバへと(例えば、少なくとも一部に蠕動運動式送出により)輸送できるように構成される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、カートリッジのあるチャネル内の流体を(少なくとも一部に蠕動運動式送出により)チャネルの第一の部分からそのチャネルの第二の部分へと輸送できるように構成される。
本明細書で使用されるように、「マイクロチャネル」という用語は、大きさが1000マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を含むチャネルを指す。例えば、マイクロチャネルは、大きさが1000マイクロメートル以下(例えば、100マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、5マイクロメートル以下)の少なくとも1つの寸法(例えば、幅、高さ)を含み得る。幾つかの実施形態において、マイクロチャネルは、1マイクロメートル以上(例えば、2マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上)の少なくとも1つの寸法を含む。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1マイクロメートル以上、且つ1000マイクロメートル以下、10マイクロメートル以上、且つ100マイクロメートル以下)。その他の範囲も可能である。幾つかの実施形態において、マイクロチャネルは、1000マイクロメートル以下の水力直径を有し得る。本明細書で使用されるように、「水力直径」(DH)という用語は、当業者であればわかるものであり、DH=4A/Pとして特定され得て、Aはチャネルを通る流体流の断面積であり、Pは断面の濡れ縁(流体が接触するチャネルの断面の周囲)である。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部は実質的に三角形の断面を有する。幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有する。再び図3Aを参照すると、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2の頂点を有する実質的に三角形の断面を有する。
本明細書で使用されるように、「三角形」という用語は、実際の形状と近似する、又はそれと等しくするために三角形を内接又は外接させることのできる形状を指すために使用される。例えば、三角形の断面は、1つ又は複数の部分において非ゼロの曲率を含み得る。
三角形の断面はウェッジ形状を含み得る。本明細書で使用されるように、「ウェッジ形状」という用語は、当業者であればわかるものであり、幅広の端を有し、狭い端へとテーパの付いた形状を指す。幾つかの実施形態において、ウェッジ形状は幅広の端から狭い端への対称軸を有する。例えば、ウェッジ形状は幅広の端(例えば、チャネルの表面開口)を有し、狭い端(例えば、チャネルの底部)へとテーパが付けられ得て、幅広の端から狭い端への対称軸を有し得る。
それに加えて、特定の実施形態において、実質的に三角形の断面(すなわち、「V溝」)は、様々なアスペクト比を有し得る。本明細書で使用されるように、V溝に関する「アスペクト比」という用語は高さと幅の比を指す。例えば、幾つかの実施形態において、V溝のアスペクト比は2以下、1以下、0.5以下、及び/又は0.1以上、0.2以上、又0.3以上であり得る。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、0.1以上2以下、0.2以上1以下)。その他の範囲もまた可能である。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部分は、実質的に三角形の部分と、実質的に三角形の部分の中へと開放し、チャネルの表面に関して実質的に三角形の部分の下へと延びる第二の部分を含む断面を有する。幾つかの実施形態において、第二の部分は実質的に三角形の部分の平均直径より有意に小さい直径(例えば、平均直径)を有し得る。再び図3Aを参照すると、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、実質的に三角形の部分101と、実質的に三角形の部分101の中へと開放し、チャネルの表面105に関して実質的に三角形の部分101の下へと延びる第二の部分103を含む断面を有し、第二の部分103は、実質的に三角形の部分101の平均直径109より有意に小さい直径107を有する。幾つかの実施形態において、第二の部分の直径と実質的に三角形の部分の平均直径との比は0.8以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、及び/若しくは0.1、又はそれ以下の低さ、である。幾つかのこのようなケースでは、チャネルの第二の部分がそのチャネルの実質的に三角形の部分の平均直径のそれより有意に小さい直径を有することによって、実質的に三角形の部分は装置のローラと表面層の変形部分にアクセスできるが、第二の部分はローラ及び表面層の変形部分にアクセスできないことになる。例えば、再び図3Aを参照すると、特定の実施形態によれば、チャネル102の実質的に三角形の部分101は、ローラ(図示せず)及び表面層106の変形部分にアクセスでき、それに対して、第二の部分103はローラ及び表面層106の変形部分にアクセスできない。幾つかのこのようなケースでは、表面層106とのシールは、チャネル102の第二の部分103を有する部分では実現できず、これは、表面層106がローラによって変形されて、それが実質的に三角形の部分101を埋めるが、第二の部分103はそうでない場合であっても、流体は依然として第二の部分103の中で自由に移動できるからである。幾つかの実施形態において、チャネルの長さに沿ったある部分は、実質的に三角形の部分と第二の部分(「深い部分」という)の両方を有し得て、他方でチャネルの長さに沿った別の部分は実質的に三角形の部分のみを有する。幾つかのこのような実施形態において、装置(例えば、ローラ)が、実質的に三角形の部分と第二の部分(深い部分)の両方を有する部分と係合したときに、ポンプ動作は始まらず、それは表面層とのシールが実現されないからである。しかしながら、装置がチャネルの長さ方向に沿って係合すると、装置がチャネルの、実質的に三角形の部分のみを有する部分の表面層を変形させたときに、ポンプ動作が始まるが、それは、その部分に第二の部分(深い部分)がないために、シール(したがって、圧力差)が生じるからである。したがって、幾つかのケースにおいて、カートリッジのチャネルの長さに沿った深い部分の有無によって、チャネルのどの部分が装置との係合時にポンプ動作を受けることができるかを制御できる。
カートリッジのチャネルの少なくとも幾つかの第二の部分としてこのような「深い部分」を含めることは、様々な潜在的利点の何れかに寄与し得る。例えば、このような深い部分(例えば、第二の部分103)は、幾つかのケースにおいて、蠕動運動式送出プロセスにおけるポンプ体積の削減に寄与し得る。幾つかのこのようなケースでは、ポンプ体積は2又は3倍削減されて、体積分解能を高めるのに寄与することができる。幾つかのケースにおいて、このような深い部分により、ポンプ体積の明瞭に定められた始点が、ローラがチャネル上のどこに載るかによって特定されないようになり得る。例えば、チャネルの実質的に三角形の部分と第二の部分(深い部分)の両方を有する部分と、チャネルの実質的に三角形の部分のみを有する部分との間の境界は、幾つかのケースにおいて、ポンプ体積のための明瞭に定められた始点として使用できるが、これは、後者のチャネル部分の体積を占有する流体のみが送出可能であるからである。この幾つかのケースでは、ローラがチャネル上のどこに載るかについては、カートリッジ位置合わせ等の様々な要素の何れかに依存して関連するある程度のエラーが生じ得る。深い部分を含めることにより、幾つかのケースでは、このようなエラーに関連するポンプ体積の変動が低減又は排除され得る。
本明細書で使用されるように、チャネルの実質的に三角形の部分の平均直径は、実質的に三角形の部分の頂点からチャネルの表面までのz軸に沿った平均として測定され得る。
特定の実施形態において、少なくとも幾つかのチャネル(本明細書では送出レーンとも呼ばれる)(例えば、全部のチャネル)は各々、エラストマを含む表面層を含む弁を含む。特定の実施形態において、各弁は、チャネルの端の形状により形成される関連チャネル内の閉鎖部を含む。例えば、チャネルの端の形状は、チャネルの底から、チャネルが表面層と接触するチャネルの上面までに及ぶ壁であり得る。幾つかのこのような実施形態において、チャネルは関連する弁により、十分な圧力が加えられてその弁が開くまで、閉じたままである。特定の実施形態において、弁は表面層が外側に膨らむことによって開く。特定の実施形態において、各弁はローラにより有効に作動させられる。例えば、幾つかの実施形態において、ローラが比較的弁の近くにあるときにローラにより表面層に加えられる力によって、表面層は外側に膨らみ(例えば、ダイアフラムと同様)、それによって小さい閉鎖部と表面層との間のシールが可逆的に破壊されて、流体は弁を通過できる。下記の実施例の図7Fは、カートリッジ1100がチャネル1102内の弁1108を含む1つの非限定的な実施形態を示している。幾つかのケースにおいて、このような「パッシブ」弁の使用は、様々な利点の何れかに寄与することができる。例えば、幾つかの例において、本明細書に記載のこのような一体型の弁の使用により、(例えば、装置のローラとの係合による)送出が行われていないレーンが確実に閉じたままとなるようにすることができる。幾つかのこのようなケースにおいて、装置(例えば、ポンプ)が係合したチャネルからの流体だけがカートリッジから駆動され、これにより、多チャネルポンプから流体を汚染の少ない、又は全くない状態で選択的に駆動するための好都合、簡単且つ安価な方法を得ることができる。
特定の実施形態において、少なくとも幾つかのチャネル(本明細書では送出レーンとも呼ばれる)(例えば、全部のチャネル)は各々、エラストマを含む表面層を含む弁を含む。特定の実施形態において、各弁は、チャネルの端の形状により形成される関連チャネル内の閉鎖部を含む。例えば、チャネルの端の形状は、チャネルの底から、チャネルが表面層と接触するチャネルの上面までに及ぶ壁であり得る。幾つかのこのような実施形態において、チャネルは関連する弁により、十分な圧力が加えられてその弁が開くまで、閉じたままである。特定の実施形態において、弁は表面層が外側に膨らむことによって開く。特定の実施形態において、各弁はローラにより有効に作動させられる。例えば、幾つかの実施形態において、ローラが比較的弁の近くにあるときにローラにより表面層に加えられる力によって、表面層は外側に膨らみ(例えば、ダイアフラムと同様)、それによって小さい閉鎖部と表面層との間のシールが可逆的に破壊されて、流体は弁を通過できる。下記の実施例の図7Fは、カートリッジ1100がチャネル1102内の弁1108を含む1つの非限定的な実施形態を示している。幾つかのケースにおいて、このような「パッシブ」弁の使用は、様々な利点の何れかに寄与することができる。例えば、幾つかの例において、本明細書に記載のこのような一体型の弁の使用により、(例えば、装置のローラとの係合による)送出が行われていないレーンが確実に閉じたままとなるようにすることができる。幾つかのこのようなケースにおいて、装置(例えば、ポンプ)が係合したチャネルからの流体だけがカートリッジから駆動され、これにより、多チャネルポンプから流体を汚染の少ない、又は全くない状態で選択的に駆動するための好都合、簡単且つ安価な方法を得ることができる。
特定の実施形態において、チャネルは特定の比較的小さい幅と深さを有し、深さ/幅のアスペクト比は概して1以下である。幾つかの実施形態において、チャネル幅は1mm以上、1.2mm以上、1.5mm以上、2mm以下、1.8mm以下、及び/又は1.6mm以下である。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1mm以上2mm以下)。その他の範囲もまた可能である。幾つかの実施形態において、チャネル深さは0.6mm以上、0.75mm以上、0.9mm以上、1.5mm以下、1.2mm以下、及び/又は1.0mm以下である。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、0.6mm以上1.5mm以下)。その他の範囲もまた可能である。幾つかの実施形態において、チャネルのアスペクト比は1以下、0.8以下、0.6以下、0.5以下、0.2以上、及び/又は0.4以上である。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、0.2以上1以下)。その他の範囲もまた可能である。特定の実施形態において、成型プロセスの誤差と能力を考慮して、1.5mmのオーダの幅及び0.75mmのオーダの深さを有するチャネルが適当であり得る。特定の実施形態において、チャネルの断面のアスペクト比は、90度のV溝の場合に1/2であり、これによってローラがチャネル内にアクセスしやすいこと(例えばそのためには、より浅いV溝がより良いものであり得る)と、より高い体積精度(体積が、エラストマを含む表面層に正確な平坦差を実現することに依存しなくなるため、例えばそのためにはより深いV溝が少なくともより良いものであり得る)の両方を提供する。特定の実施形態において、チャネル深さは、エラストマを含む表面層の厚さと同程度であり、それによって表面層が、チャネル寸法のある程度の大きな部分であり得るチャネル内の不完全部分を一時的に埋め、シールすることができる。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部分は表面層を有する。
幾つかの実施形態において、表面層はエラストマを含む。例えば、再び図3Aを参照すると、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は表面層106を有し、これはエラストマを含み、チャネル102の表面開口を実質的にシールするように構成される。幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、エラストマを含み、チャネル102の表面開口を実質的にシールするように構成される表面層106を有する。
幾つかの実施形態において、表面層はエラストマを含む。例えば、再び図3Aを参照すると、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は表面層106を有し、これはエラストマを含み、チャネル102の表面開口を実質的にシールするように構成される。幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、チャネルの底部に1つの頂点を有し、基底層の表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、エラストマを含み、チャネル102の表面開口を実質的にシールするように構成される表面層106を有する。
幾つかの実施形態において、エラストマはシリコーンを含む。幾つかの実施形態において、エラストマはシリコーン及び/又は熱可塑性エラストマを含み、及び/又は基本的にエラストマからなる。
幾つかの実施形態において、表面層はチャネルの表面開口を実質的にシールするように構成される。幾つかの実施形態において、表面層は、チャネルの表面開口を完全にシールするように構成され、それによって流体(例えば、液体)は、チャネルの入口又は出口を通じる以外、チャネルから出ることができない。幾つかの実施形態において、表面層は基底層の表面の一部分に(例えば、接着剤によって、熱ラミネートによって、又は他の何れかの適当な結合手段によって)結合される。幾つかの実施形態において、表面層は基底層の表面の一部分に接着剤によって結合される。幾つかの実施形態において、表面層は基底層の表面の一部分に熱ラミネートによって結合される。
本明細書で使用されるように、「シールする」とは、開口の縁において、又はその付近において、その開口がシールされるように接触することを指す。
本明細書で使用されるように、「表面開口」という用語は、チャネルの、表面層により被覆されなければチャネルを周囲大気中に開放する部分を指す。例えば、マイクロチャネルは表面開口を有し得る。
本明細書で使用されるように、「表面開口」という用語は、チャネルの、表面層により被覆されなければチャネルを周囲大気中に開放する部分を指す。例えば、マイクロチャネルは表面開口を有し得る。
本明細書で使用されるように、表面層は、基底層の表面の一部分に何れかの適当な結合手段により結合され得る。例えば、幾つかの実施形態において、表面層は基底層の表面の一部分に共有結合的に、イオン結合的に、ファン・デル・ワールス相互作用により、双極子相互作用により、水素結合により、π-πスタッキング相互作用により、又は他の適当な結合手段により結合される。
幾つかの実施形態において、表面層は引っ張られて基底層の表面の一部分と直接接触した状態で保持される。
本明細書で使用されるように、チャネルの表面(例えば、シーリング)は表面層の内面に対応し得る。
本明細書で使用されるように、チャネルの表面(例えば、シーリング)は表面層の内面に対応し得る。
幾つかの実施形態において、表面層の少なくとも一部分は、少なくとも1つの大きさの与圧(at least one magnitude of applied pressure)がなければ平坦である。幾つかの実施形態において、表面層の全体が、少なくとも1つの大きさの与圧がなければ平坦である。例えば、幾つかの実施形態において、表面層の少なくとも一部分(又は全体)は、装置のローラによる係合(これは圧力の印加により表面層を変形させ得る)がなければ平坦である。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部分は、生物物質に適合する材料(例えば、実質的に硬質材料)を含む壁と底部を有する。幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルの少なくとも一部分は、実質的に硬質材料を含む壁と底部を有する。例えば、再び図3Aを参照すると、幾つかの実施形態において、チャネル102の少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、実質的に硬質材料を含む壁と底部を有する。特定の実施形態において、底部は、基底層104の材料と同じ材料を含む。特定の実施形態において、底部は基底層104の材料と異なる材料を含む。例えば、底部は、チャネルの壁と底部が硬質材料で被覆されている例において、基底層104の材料とは異なる材料を含み得る。幾つかの実施形態において、実質的に硬質材料は生物物質と適合する。幾つかの実施形態において、基底層は射出成型部品である。
幾つかの実施形態において、カートリッジはシールプレートをさらに含む。幾つかの実施形態において、シールプレートは硬質プラスチックを含み、及び/又は射出成型部品である。特定の実施形態において、シールプレートは1つ又は複数の貫通穴を含む。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の貫通穴は、基底層中の1つ又は複数の関連するチャネルと実質的に同様の形状を有する。理解すべき点として、これに関して、「貫通穴」とは、シールプレート内の、例えば装置の1つ又は複数の機械的コンポーネントがそこを通って移動して、カートリッジの表面層と係合及び/又は係合解除できる、ギャップ/穴/空隙を指す。例えば、本明細書に記載のようなローラとカートリッジを含む蠕動ポンプは、ローラがシールプレートの貫通穴の少なくとも一部分を通って移動してカートリッジの表面層に、その表面との係合及び/又は係合解除時に到達できるように構成され得る。貫通穴は、様々な形状及びアスペクト比の何れでも有し得る(長方形、正方形、関係、長円形等)。ある例として、後でより詳しく説明する図7Dを参照すると、特定の実施形態によれば、シールプレート1108はチャネル1106上で整列される貫通穴1109を含む。ローラ1020は、少なくとも部分的に貫通穴1109を通って移動することによって、カートリッジ1100の表面層と係合及び/又は係合解除でき得る。
特定の実施形態において、シールプレートの1つ又は複数の貫通穴の少なくとも幾つかは、基底層内の1つ又は複数の関連するチャネルと整列して構成される。幾つかの実施形態において、カートリッジはシールプレートと基底層との間に配置されたエラストマを含む表面層を含む。特定の実施形態において、表面層は、基底層内のシールプレート間に直接配置される。特定の実施形態において、カートリッジは、シールプレートと基底層との間に配置された表面層の1つ又は複数の露出領域を含み、1つ又は複数の露出領域の各々は、シールプレートの関連する貫通穴と基底層のそれと整合するチャネルによって画定される。特定の実施形態において、表面層の1つ又は複数の露出領域の1つ又は複数の露出部分は、ローラによって変形されて、基底層の関連するチャネルの壁及び/又は底部の1つ又は複数の関連する部分と接触し得る。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルはリザーバに接続される。リザーバは、サンプルが係わる化学反応のために使用され得る。1つの非限定的な例として、リザーバはサンプルが係わる酵素反応に使用され得る(例えば、その後の分析、配列解析、又は診断プロセスの前の上流プロセスとして)。
リザーバは、少なくとも幾つかのチャネルに、リザーバの周囲で交差することによってチャネルの底面に接続され得る。すると、幾つかのこのようなケースにおいて、リザーバ及びそれが接続されるチャネルは各々、カートリッジの表面層(例えば、シリコーンメンブレン等のメンブレン)と接触する。しかしながら、幾つかの実施形態において、リザーバは少なくとも幾つかのチャネルに、リザーバ又はカートリッジの上面を介して接続される。幾つかの実施形態において、リザーバは空である(例えば、当初、本明細書のプロセスの1つ又は複数の前には空である)。例えば、リザーバは当初、配列解析(又は分析若しくは診断)応用の開始時に空であり得るが、応用中、サンプル及び/又は試薬(例えば、酵素反応試薬)が加えられる。幾つかの実施形態において、リザーバには試薬(例えば、数マイクロリットル程度の少量の酵素反応試薬)が収容されている。幾つかのこのような実施形態において、サンプルは試薬が収容されているリザーバの中へと輸送され、サンプルがリザーバに輸送されるとサンプルと試薬が混ざり合う。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルは、ある温度帯のリザーバに接続される。リザーバは、それがリザーバ内の流体の温度を調整できる温熱浴と接触しているか、少なくとも部分的に(又は完全に)それによって取り囲まれている場合、温度帯内にあり得る。例えば、リザーバは、リザーバ内の流体の温度を調整できる金属キャビティ(例えば、器具に組み込まれた金属キャビティ)により取り囲まれ得る。リザーバの(例えば温度帯を介した)温度調整によって、比較的正確な温度制御が可能となり得る。比較的正確な温度は、所望の反応(例えば、酵素反応)が特定の温度範囲でより効率的に進行するような特定の実施形態において有益であり得る。
図1Bは、サンプル調製モジュール1700が任意選択によるリザーバ1500をさらに含む、前述のシステム2000の特定の実施形態の概略図を示す。幾つかの実施形態において、リザーバは蠕動ポンプに接続される。幾つかのこのような実施形態において、リザーバ1500に収容された流体は、(例えば、サンプル調製プロセス中に)リザーバ1500から蠕動ポンプ1400のカートリッジ1300に運ばれる。幾つかの実施形態は、サンプル調製モジュール内でリザーバから蠕動ポンプへとサンプルの少なくとも一部分を流し、その後、サンプルのその少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールに流すことを含む。理解すべき点として、図1Bでは任意選択によるリザーバ1500がカートリッジ1300とは別のコンポーネントとして示されているが、幾つかの実施形態では、任意選択によるリザーバ1500はカートリッジ1300の一部である。例えば、幾つかの実施形態によれば、任意選択によるリザーバはカートリッジの内部であり得るが、システム内の流体の流れの方向に関してカートリッジのチャネルの上流にあり得る。同じく理解すべき点として、サンプル調製モジュールは2つ以上のリザーバを含み得る。例えば、幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、又はそれより多いリザーバを含む。
幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルはゲル(例えば、電気泳動ゲル)に接続される。ゲルは、ゲル内に埋め込まれた流体リザーバを介して少なくとも幾つかのチャネルに接続され得る。幾つかのこのようなケースでは、ゲル内に埋め込まれた流体リザーバは上述のリザーバ(例えば、任意選択によるリザーバ1500)と同様の方法で少なくとも幾つかのチャネルに接続される。図1Bは、サンプル調製モジュール1700が任意選択によるゲル1600をさらに含む、前述のシステム2000の特定の実施形態の概略図を示す。幾つかの実施形態において、ゲル1600は電気泳動ゲルである。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは、蠕動ポンプ及び検出モジュールに接続された電気泳動ゲルを含む。幾つかのこのような実施形態において、電気泳動ゲルは蠕動ポンプの下流で、検出モジュールの上流にある。非限定的な例として、幾つかの実施形態において、蠕動ポンプ1400により送出される流体は、(例えば、サンプル調製プロセス中に)(例えば、少なくとも幾つかのチャネルを介して)サンプル調製モジュール1700のカートリッジ1300から任意選択によるゲル1600へと運ばれる。幾つかの実施形態において、サンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールへと流すことは、サンプルの少なくとも一部分を蠕動ポンプから電気泳動ゲルへと流し、その後、サンプルの少なくとも一部分を検出モジュールへと流すことを含む。幾つかのこのような実施形態において、流体(例えば、調製されたサンプル)は任意選択によるゲル1600から検出モジュール1800に輸送される(幾つかのケースでは、1つ又は複数の中間モジュール、例えば装填モジュールを介する)。同じく理解すべき点として、サンプル調製モジュールは2つ以上のゲルを含み得る。例えば、幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュールは少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、又はそれより多いゲルを含む。同じく理解すべき点として、幾つかの実施形態において、ゲルはカートリッジの中に配置され得る。例えば、カートリッジはチャネルとゲルを含み得て、カートリッジは、流体(例えば、サンプルの少なくとも一部分)を(少なくとも一部に蠕動運動式送出を介して)チャネルからゲルに(及び、幾つかの例では、ゲルからカートリッジ内の、又はそれとは別の、さらに下流の位置へと)輸送できるように構成され得る。
ゲルは、様々な目的の何れのためにも使用され得る。例えば、幾つかの実施形態において、ゲルはサンプルを加工するために使用できる。1つのこのような例は、電気泳動ゲルを使って、サンプル流体をゲル内で(例えば、ゲルに埋め込まれた流体リザーバからゲル内の1つ又は複数のその他の位置に)電気泳動的に輸送して、サンプルを加工する。幾つかのこのようなプロセスは、サンプルに特定の成分を少なくとも部分的に分離若しくは濃縮するか、又は下流での検出の前にサンプルを(例えば、サイズ選択により)クリーンアップするために使用され得る。ゲルの特定の例示的な用途は、後でより詳しく説明する。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステムは、検出(例えば、配列解析)モジュールに機能的に接続され得る装填モジュールに機能的に接続され得るサンプル調製モジュール内でサンプルの少なくとも一部分を形成する。幾つかの実施形態において、サンプルの少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから検出モジュールへと流すことは、サンプルのその少なくとも一部分をサンプル調製モジュールから装填モジュールへと流し、その後、サンプルのその少なくとも一部分を検出モジュールへと流すことを含む。例えば、再び図1Bを参照すると、サンプルの少なくとも一部分がサンプル調製モジュール1700内で調製され、サンプルのその少なくとも一部分は任意選択による装填モジュール1900に送られ、これはサンプルのその少なくとも一部分を検出モジュール1800の中へと、検出モジュール1800の構成に応じて当業者の間で知られている様々な技術の何れかを使って装填するように構成できる。サンプル又はその一部分を例示的な検出モジュールに装填する例示的な方法は、後でより詳しく説明する。
本明細書に記載のチャネルは一般に、高い流体流分解能で流体を輸送するように構成される。例えば、幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルは、流体を1000マイクロリットル以下、100マイクロリットル以下、50マイクロリットル以下、又は10マイクロリットル以下の流体流分解能で輸送するように構成される。幾つかの実施形態において、少なくとも幾つかのチャネルは、流体を1マイクロリットル以上、2マイクロリットル以上、又は4マイクロリットル以上の流体流分解能で輸送するように構成される。上述の範囲の組合せも可能である(例えば、1マイクロリットル以上1000マイクロリットル以下、2マイクロリットル以上100マイクロリットル以下、4マイクロリットル以上50マイクロリットル以下)。その他の範囲もまた可能である。
他の態様において、蠕動ポンプが提供される。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のカートリッジを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のカートリッジを含む。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラと、本明細書に記載のカートリッジと、を含み、これらは例えば、ローラがカートリッジのチャネルと係合及び/又は係合解除し得るように構成される。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載の装置を含む。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載の装置と、本明細書に記載のカートリッジと、を含み、これらは例えば、装置(例えば、装置のローラ)がカートリッジのチャネルと係合及び/又は係合解除し得るように構成される。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載の装置と、本明細書に記載のカートリッジと、を含み、これらは例えば、装置(例えば、装置のローラ)がカートリッジのチャネルと係合及び/又は係合解除し得るように構成される。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、接続アームによりローラに接続された本明細書に記載のクランク-ロッカ機構を含む。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラと、接続アームによりローラに接続された本明細書に記載のクランク-ロッカ機構と、本明細書に記載のカートリッジと、を含み、これらは例えばクランク-ロッカ機構の動作によってローラがカートリッジのチャネルと係合及び/又は係合解除し得るように構成される。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラと、接続アームによりローラに接続された本明細書に記載のクランク-ロッカ機構と、本明細書に記載のカートリッジと、を含み、これらは例えばクランク-ロッカ機構の動作によってローラがカートリッジのチャネルと係合及び/又は係合解除し得るように構成される。
幾つかの実施形態において、ローラとカートリッジを含む蠕動ポンプが提供される。例えば、幾つかの実施形態において、ローラ(例えば、図2A、図2Bの220)とカートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ100)を含む蠕動ポンプが提供される。幾つかの実施形態において、装置とカートリッジを含む蠕動ポンプが提供される。例えば、幾つかの実施形態において、装置(例えば、図2Aの200)とカートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ100)を含む蠕動ポンプが提供される。
本明細書で使用されるように、第一の機械的コンポーネントが第二の機械的コンポーネントと「係合する」のは、第二の機械的コンポーネントと接触して、第二の機械的コンポーネントの少なくとも一部分を移動及び/又は変形させるように構成されることによる。例えば、第一の機械的コンポーネント(例えば、ローラ、装置)が第二の機械的コンポーネント(例えば、チャネル、基底層)と係合し得るのは、第二の機械的コンポーネントと接触して、第二の機械的コンポーネントの少なくとも一部分の移動及び/又は変形を実行するように構成されることによる。例えば、ローラ(例えば、図3Bのローラ220)がチャネル(例えば、図3Bのチャネル102)と係合し得るのは、チャネルの表面層(例えば、図3Bの表面層106)と接触して、表面層をチャネルの中へと変形させ、例えば流体(例えば、図3Bの流体112)をチャネル内で変位させることによる。
本明細書で使用されるように、第一の機械的コンポーネントが第二の機械的コンポーネント「と係合解除する」のは、第二の機械的コンポーネントと接触しない状態とされ、及び/又は第二の機械的コンポーネントの少なくとも一部分の移動及び/又は変形を生じさせるための構成から外されることによる。例えば、ローラ及び/又は装置は、第二の機械的コンポーネント(例えば、チャネル)と、第二の機械的コンポーネントと接触しない状態とされ、及び/又は第二の機械的コンポーネントの少なくとも一部分の移動及び/又は変形を生じさせるための構成から外されることによって、係合解除され得る。幾つかの実施形態において、第一の機械的コンポーネントは第二の機械的コンポーネントから係合解除されながら、依然として接触している。
理解すべき点として、「第一の」機械的コンポーネント及び「第二の」機械的コンポーネントという用語は、本明細書で使用されるように、システム内の異なる機械的コンポーネントを指し、それぞれの機械的コンポーネントの位置に関して限定的であるものではない。例えば、第一の機械的コンポーネント及び第二の機械的コンポーネントを有するシステム及び機器は、ある装置、あるカートリッジ、及び/又はある蠕動ポンプを含み得る。さらに、幾つかの実施形態において、追加的な機械的コンポーネントが明示されたものに加えて存在し得る。例えば、幾つかの実施形態において、「第三の」、「第四の」、「第五の」、「第六の」、「第七の」、又はそれ以降の機械的コンポーネントが、明示されたものに加えて存在し得る。同じく理解すべき点として、幾つかの実施形態において、図中に示される全ての機械的コンポーネントが存在しなければならないわけではない。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプはクランクを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプはロッカを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、クランクをロッカ及びローラに結合するように構成された接続アームを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプはロッカを含む。
幾つかの実施形態において、蠕動ポンプは、クランクをロッカ及びローラに結合するように構成された接続アームを含む。
特定の実施形態において、蠕動ポンプは本明細書に記載のローラ、クランク、ロッカ、クランクをロッカ及びローラに結合するように構成された接続アーム及び、例えばローラがクランクの動作によりカートリッジのチャネルと係合し、及び/又は係合解除し得るように構成される本明細書に記載のカートリッジを含む。
他の態様において、方法が提供される。
幾つかの実施形態において、製造方法(本明細書では製作方法とも呼ばれる)が提供される。幾つかの実施形態において、方法は、システム(例えば、装置、蠕動ポンプ)の1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、アーム、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、ローラ、キャリッジ)を製造するステップを含み、例えば、製造するステップは、機械加工(例えば、従来の機械加工)及び/又は射出成型(例えば、サーモプラスチック射出成型、精密射出成型)するステップを含む。幾つかの実施形態において、システムの1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、ねじ、軸受け、ばね、ロッド、肩付きボルト、モータ、キャリッジ)は市販されている。幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを、1つ又は複数の(例えば、2、3の)カスタマイズされた寸法を有するコンポーネントを実現するように改変する(例えば、機械加工する)ステップを含む。例えば、特定の実施形態において、方法は、市販の並進機構ロッドの長さを改変するステップ、及び/又は市販の並進機構ねじの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップを含む。
幾つかの実施形態において、製造方法(本明細書では製作方法とも呼ばれる)が提供される。幾つかの実施形態において、方法は、システム(例えば、装置、蠕動ポンプ)の1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、アーム、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、ローラ、キャリッジ)を製造するステップを含み、例えば、製造するステップは、機械加工(例えば、従来の機械加工)及び/又は射出成型(例えば、サーモプラスチック射出成型、精密射出成型)するステップを含む。幾つかの実施形態において、システムの1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、ねじ、軸受け、ばね、ロッド、肩付きボルト、モータ、キャリッジ)は市販されている。幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを、1つ又は複数の(例えば、2、3の)カスタマイズされた寸法を有するコンポーネントを実現するように改変する(例えば、機械加工する)ステップを含む。例えば、特定の実施形態において、方法は、市販の並進機構ロッドの長さを改変するステップ、及び/又は市販の並進機構ねじの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップを含む。
幾つかの実施形態において、装置の製作方法は、クランクアーム、ロッカアーム、及びローラを接続アームに接続するステップを含む。特定の実施形態において、ローラを接続アームに接続するステップは、ローラを接続アームにローラアームを使って接続するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、ローラアームを接続アームにばねを含むヒンジによって接続するステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、ロッカアームのシャフトをクランクアームのシャフトに、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続するステップを含む。例えば、特定の実施形態において、ロッカアームのシャフトをクランクアームのシャフトに接続するステップは、ロッカアームのシャフトとクランクアームのシャフトをキャリッジに接続するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、キャリッジを並進機構ロッドと並進機構ねじに接続するステップを含む。幾つかのこのような実施形態において、並進機構ロッドと並進機構ねじはキャリッジに、キャリッジの何れの運動もクランク-ロッカ機構の何れの動きとも独立するような構成で接続される。
幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の機械的コンポーネントをモータに接続するステップを含む。例えば、特定の実施形態において、方法は、クランクアームのシャフトをクランクモータに接続するステップを含む。他の例として、方法は、並進機構ねじを並進機構モータに接続するステップを含み得る。特定の実施形態において、方法は、クランクアームのシャフトをクランクモータに接続することと、並進機構ねじを並進機構モータに接続することを、どちらもクランクの何れの運動も並進機構ねじの何れの運動とも独立するような構成で行うステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の機械的コンポーネントを機械加工及び/又は射出成型で製造するステップを含む。例えば、幾つかの実施形態において、方法は、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、ローラ、ローラアーム、及び/又はキャリッジを機械加工する、及び/又は射出成型するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、1つ又は複数の機械的コンポーネントを機械加工するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップを含む。例えば、射出成型は、サーモプラスチック射出成型及び/又は精密射出成型を含み得る。
幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを、1つ又は複数のカスタマイズされた寸法を有する1つ又は複数の機械的コンポーネントを実現するために改変するステップを含む。例えば、特定の実施形態において、1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを改変するステップは、市販の並進機構ロッドの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップ、及び/又は市販の並進機構ねじの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップを含む。特定の実施形態において、改変するステップは機械加工するステップを含む。
特定の実施形態において、方法は、カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを製造するステップを含み、例えば、製造するステップは射出成型する(例えば、精密射出成型する)ステップを含む。幾つかの実施形態において、方法は、硬鋼工具類を用いて射出成型するステップを含む。特定の実施形態において、硬鋼工具類を用いた射出成型により製造された1つ又は複数の機械的コンポーネントについて、平滑で欠陥のない表面及び精密公差(例えば、数十マイクロメートルのオーダ)が実現され、これは医療機器用消耗品を高いスループットで製造するのに有利であり得る。
幾つかの実施形態において、方法は、エラストマ(例えば、シリコーン、熱可塑性エラストマ)を含む表面層を、1つ又は複数の貫通穴を含むシールプレート(例えば、硬質プラスチック射出成型部品)の上にオーバモールドして、表面層とシールプレートを含む表面部材を形成するステップを含む。幾つかの実施形態において、方法は、表面部材を基底層と組み立てて、カートリッジを形成するステップを含み、組み立てるステップは、例えばレーザ溶接、音波溶接、接着(例えば、接着剤を使用)、及び/又は消耗品のために適当な他の取付プロセスを含む。特定の実施形態において、方法はシールプレートの1つ又は複数の貫通穴を基底層内の対応する1つ又は複数のチャネルと整合させるステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、エラストマを含む表面層を(例えば、オーバモールドの代替として)既製のシートストックからダイカットするステップを含み、これは、有利な点として、硬度及び/又は厚さの点で高い精度を提供し得る。幾つかの実施形態において、方法は、エラストマを含む表面層(例えば、ダイカットされたエラストマ層)を基底層(例えば、硬質プラスチックを含み、及び/又は実質的にそれからなる)とシールプレート(例えば、硬質プラスチックを含み、及び/又は実質的にそれからなる)との間に、例えばレーザ溶接、音波溶接、接着剤、及び/又は消耗品にとって適切な他の取付プロセスを使って組み付けて、カートリッジを形成するステップを含む。特定の実施形態において、基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、シールプレートは1つ又は複数の貫通穴を含む。特定の実施形態において、方法は、シールプレートの1つ又は複数の貫通穴を基底層内の対応する1つ又は複数のチャネルと整合させるステップを含む。
特定の実施形態において、表面層は、システムのための蠕動運動層、弁ダイアフラム、及びフェースシールガスケットとして機能する。
幾つかの実施形態において、カートリッジの製作方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップを含む。特定の実施形態において、表面層はエラストマを含む。特定の実施形態において、基底層は1つ又は複数のチャネルを含む。特定の実施形態において、1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。
幾つかの実施形態において、カートリッジの製作方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップを含む。特定の実施形態において、表面層はエラストマを含む。特定の実施形態において、基底層は1つ又は複数のチャネルを含む。特定の実施形態において、1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。
幾つかの実施形態において、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップは、表面層を基底層にレーザ溶接、音波溶接、及び/又は接着するステップを含む。例えば、幾つかの実施形態において、方法は、表面層を基底層に接着剤を使って接着するステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、エラストマを含む表面層を既製のシートストックからダイカットするステップを含む。幾つかの実施形態において、表面部材は基本的に表面層からなる。幾つかの実施形態において、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップは、エラストマを含む表面層を基底層とシールプレートとの間に組み付けてカートリッジを形成するステップを含み、シールプレートは1つ又は複数の貫通穴を含む。幾つかの実施形態において、エラストマを含む表面層を基底層とシールプレートとの間に組み付けるステップは、表面層を表面層の片面で基底層に、表面層の反対の面でシールプレートにレーザ溶接、音波溶接、及び/又は接着するステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、エラストマを含む表面層を1つ又は複数の貫通穴を含むシールプレート上にオーバモールドして表面部材を形成するステップを含み、表面部材はシールプレートをさらに含む。
幾つかの実施形態において、シールプレートの1つ又は複数の貫通穴の少なくとも幾つかは、基底層の1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかの形状と実質的に同様の形状を有する。幾つかの実施形態において、方法は、シールプレートの1つ又は複数の貫通穴を基底層の対応する1つ又は複数のチャネルと整合させるステップを含む。例えば、特定の実施形態において、1つ又は複数の貫通穴を1つ又は複数のチャネルと整合させることによって、基底層の1つ又は複数の関連するチャネルの上の表面層の1つ又は複数の露出領域に対応する、表面層の1つ又は複数の露出領域が得られ、それによってローラ(例えば、本明細書に記載の装置のローラ)は表面層の露出領域の露出部分を変形させて、基底層の関連するチャネルの壁及び/又は底部の一部分と接触させ得る。
幾つかの実施形態において、方法はカートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップを含む。例えば、特定の実施形態において、カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップは、射出成型してシールプレートを形成するステップを含む。特定の実施形態において、カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップは、射出成型して基底層を形成するステップを含む。射出成型するステップは、例えば、精密射出成型及び/又は硬鋼工具類を用いた射出成型を含み得る。
幾つかの実施形態において、ポンプの製作方法が提供される。特定の実施形態において、方法は、表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、ローラを含む装置を組み立てるステップを含む。特定の実施形態において、方法は、カートリッジをローラの下に位置付けるステップを含む。特定の実施形態において、表面層はエラストマを含み、基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、及び/又は1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。
特定の実施形態において、ポンプの製作方法は、本明細書に記載の装置を本明細書に記載の方法により製作するステップ及び/又は本明細書に記載のカートリッジを本明細書に記載の方法により製作するステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、本明細書に記載の装置を、装置が基板表面と(例えば、本明細書に記載のチャネルの表面層と)係合及び/又は係合解除するように動作させるステップを含む。幾つかの実施形態において、方法は、クランク(例えば、本明細書に記載の装置のクランク)を、ローラが基板表面と(例えば、本明細書に記載のチャネル表面層と)係合及び/又は係合解除するように回転させるステップを含む。幾つかの実施形態において、基板表面はカートリッジの表面層(例えば、エラストマを含む表面層)の外面である。図3Bは、チャネル102の底部と同一平面における、チャネル102の長さに沿った蠕動ポンプ300の一連の断面概略図であり、上の図から下の図へと徐々に進行する、幾つかの実施形態による方法400(例えば、流体を蠕動運動式に送出する方法)を示している。幾つかの実施形態において、基板表面と係合させるステップは、表面層(例えば、エラストマを含む)の第一の部分を流体の入ったチャネル内へと、表面層の第一の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するように変形させる(例えば、弾性変形させる)ステップを含む。例えば、図3Bに示される方法は、特定の実施形態により、(上の図から中央の図へ)、エラストマを含む表面層106の第一の部分116を流体112の入ったチャネル102内へと、表面層106の第一の部分116の内面113がチャネル102の壁及び/又は底部の、表面層106の第一の部分116の内面113に近接する第一の部分115と接触するように、(例えば、ローラ220を使って、例えばエラストマを含むローラを使って)弾性変形させるステップを含む。図3Cは、幾つかの実施形態による、チャネル102の底部と同一平面におけるチャネル102の幅に沿った蠕動ポンプ300の断面概略図である。この図は、図3Bの中央の図の別の視点からの図である。エラストマを含む表面層106の第一の部分116は、流体112(図3Cでは図示せず)の入ったチャネル102の中へと、表面層106の第一の部分116の内面113がチャネル102の壁及び/又は底部の、表面層106の第一の部分116の内面113に近接する第一の部分115と接触するように(例えば、ローラ220を使って、例えばエラストマを含むローラを使って)変形(例えば、弾性変形)している。幾つかの実施形態において、表面層106はチャネル102の表面開口をシールするように構成される。
幾つかの実施形態において、表面層との係合を解除するステップは、流体の入ったチャネル内の表面層(例えば、エラストマを含む表面層)の第一の部分から変形(例えば、弾性変形)を取り除き、表面層の第一の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触しなくなるようにするステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、本明細書に記載の表面層(例えば、エラストマを含む表面層)の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと、表面層の第一の部分の内面が、チャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するように変形させる(例えば、弾性変形させる)ステップを含む。特定の実施形態において、表面層の第一の部分を変形させるステップは、表面層の第一の部分をローラを用いて変形させるステップを含む。特定の実施形態において、表面層の第一の部分を変形させるステップは、表面層の第一の部分を弾性変形させるステップを含む。
幾つかの実施形態において、方法は、この変形(例えば、弾性変形)を表面層の第二の部分へと並進させて、表面層の第二の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップを含む。例えば、図3Bに示される方法は、幾つかの実施形態により、(中央の図から下の図へと)表面層106の第二の部分118へのこの弾性変形を、表面層106の第二の部分118の内面117がチャネル102の壁及び/又は底部の、表面層106の第二の部分118の内面117に近接する第二の部分119と接触するように並進させるステップを含む。幾つかの実施形態において、弾性変形を並進させるステップにより、流体112の方向121への正味の流れが生じる。幾つかの実施形態において、表面層106は、チャネル102の表面開口をシールするように構成される。特定の実施形態において、変形を表面層の第二の部分へと並進させるステップは、ローラを表面層に沿って回転させて、表面層の第二の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップを含む。
本明細書で使用されるように、表面層に関する「内面」という用語は、チャネルと対向する表面を指すために使用され、表面層の「外面」はチャネルの外部環境と対向する。例えば、マイクロチャネルは内面と外面を有し得る。
本明細書で使用されるように、表面層の一部分の内面とチャネルの壁及び/又は底部の一部分との間の距離に関する「近接する」という用語は、内面と壁及び/又は底部の、チャネルの長さに沿って相互に近いそれぞれの部分を指す。近接する部分は一般に、相互に近く、例えば内面の、チャネルの一方の端における部分、並びに壁及び/又は底部の、チャネルのもう一方の端における部分とは対照的である。例えば、近接する部分とは、内面と壁及び/又は底部の、マイクロチャネルの長さに沿って相互に近いそれぞれの部分を指し得る。
本明細書で使用されるように、「第一の部分」及び「第二の部分」という用語は、少なくとも部分的に重複する部分又は重複部を持たない部分を指し得る。例えば、第一の部分と第二の部分は実質的に重複し得る。
本明細書で使用されるように、「並進させる」という用語は、当業者であればわかるものであり、位置を変化させることを指す。例えば、並進させるとは、変形(例えば弾性変形)の位置を変化させることを指し得る。
本明細書で使用されるように、「変形」という用語は、当業者であればわかるものであり、加えられた力に応答した部材の形状の変化を指し得る。例えば、変形は、加えられた力に応答した表面層の形状の変化を指し得る。
本明細書で使用されるように、「弾性変形」という用語は、当業者であればわかるものであり、加えられた力に応答する部材の形状の、加えられた力が除かれると自然に逆転する一時的な変化を指す。例えば、弾性変形とは、加えられた力に応答した表面層の形状の、加えられた力が除かれると自然に逆転する一時的な変化を指し得る。
図4Aは、幾つかの実施形態による、装置、機器、又はシステムの製造方法500を図解するフロー図である。図のように、ステップ502で、クランクアーム、ロッカアーム、及びローラが接続アームに接続される。例えば、サブステップ503に示されるように、ローラは接続アームにローラアームを使って接続され得る。サブステップ503は、例えばローラアームを接続アームにばねを含むヒンジによって接続するステップを含み得る。
ステップ502の前、実行中、又はその後、ステップ504で、ロッカアームのシャフトはクランクアームのシャフトに、ロッカシャフトの回転軸がクランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続される。例えば、サブステップ505に示されるように、ロッカアームのシャフトはクランクアームのシャフトに、シャフトをキャリッジに接続することによって接続され得る。
ステップ502及び504の前、実行中、又はその後、ステップ508で、クランクアームのシャフトはクランクモータに接続され得る。
ステップ502、504、及び508の前、実行中、又はその後、ステップ510で、キャリッジが並進機構ロッド及び並進機構ねじに接続され得る。
ステップ502、504、及び508の前、実行中、又はその後、ステップ510で、キャリッジが並進機構ロッド及び並進機構ねじに接続され得る。
ステップ502、504、508、及び510の前、実行中、又はその後、ステップ512で、並進機構ねじが並進機構モータに接続され得る。
任意選択により、ステップ502、504、508、510、及び512の前に、ステップ506に示されているように、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、及び/又はローラは改変され、機械加工され、及び/又は射出成型され得る。例えば、サブステップ507に示されているように、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、ローラ、ローラアーム、キャリッジ、並進機構ロッド、及び/又は並進機構ねじは改変され、機械加工され、及び/又は射出成型され得る。特定の実施形態において、サブステップ507で、1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、サブステップ507に挙げられているものの少なくとも幾つか)のサーモプラスチック射出成型及び/又は精密射出成型が係わり得る。
任意選択により、ステップ502、504、508、510、及び512の前に、ステップ506に示されているように、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、及び/又はローラは改変され、機械加工され、及び/又は射出成型され得る。例えば、サブステップ507に示されているように、クランクアーム、ロッカアーム、接続アーム、ローラ、ローラアーム、キャリッジ、並進機構ロッド、及び/又は並進機構ねじは改変され、機械加工され、及び/又は射出成型され得る。特定の実施形態において、サブステップ507で、1つ又は複数の機械的コンポーネント(例えば、サブステップ507に挙げられているものの少なくとも幾つか)のサーモプラスチック射出成型及び/又は精密射出成型が係わり得る。
図4Bは、幾つかの実施形態による、装置、機器、又はシステムの使用方法550を示すフロー図である。装置(例えば、ステップ502、504、508、510、512、及び/又は506を使って構成された装置)を使用するステップは、ステップ514から始まり得る。ステップ514で、クランクを回転させて、ローラが基板表面と係合及び/又は係合解除するようにする。例えば、ステップ514の基板表面は、カートリッジの表面層の外面であり得る。ステップ514が基板表面との係合を含む場合の任意選択によるステップ516で、基板表面と係合させるステップは、エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させて、表面層の第一の部分の内面が、チャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するようにするステップを含み得る。表面層の第一の部分を変形させるステップは、表面層の第一の部分を弾性変形させるステップを含み得る。チャネルはマイクロチャネルであり得る。任意選択によるステップ518で、クランクをさらに回転させて、基板表面との係合を解除し得る。基板表面との係合を解除するステップは、流体の入ったチャネルにおけるエラストマを含む表面層の第一の部分から変形を除去して、表面層の第一の部分の内面が、チャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触しなくなるようにするステップを含み得る。表面層の第一の部分の変形は、表面層の第一の部分の弾性変形であり得る。
図4Cは、幾つかの実施形態による、カートリッジ、機器、又はシステムの製造方法600を図解するフロー図である。図のように、ステップ602で、表面層を含む表面部材が基底層と組み立てられてカートリッジが形成され、表面層はエラストマを含み、基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する。例えば、サブステップ603に示されるように、組立は、表面層を、表面層の一方の面で基底層にレーザ溶接、音波溶接、及び/又は接着するステップ、及び/又は表面層を、表面層のもう一方の面でシールプレートにレーザ溶接、音波溶接、及び/又は接着するステップを含み得る。サブステップ603は、表面層を表面層の一方の面で基底層に、及び/又は表面層を、表面層のもう一方の面でシールプレートに接着剤を使って接着するステップを含み得る。サブステップ605に示されるように、組立は、エラストマを含む表面層を基底層とシールプレートとの間に組み付けてカートリッジを形成するステップを含み得る。
特定の実施形態において、シールプレートは1つ又は複数の貫通穴を含む。図のように、ステップ602の前に、ステップ608で、シールプレート内の1つ又は複数の貫通穴は基底層の対応する1つ又は複数のチャネルと整合され得る。
ステップ602の前に、また、任意選択によりステップ608の前に、ステップ604で、エラストマを含む表面層は既製のシートストックからダイカットされ得る。代替的に、ステップ602の前に、また、任意選択によりステップ608の前に、ステップ606で、エラストマを含む表面層は1つ又は複数の貫通穴を含むシールプレートの上にオーバモールドして表面部材を形成するステップを含み得て、表面部材はシールプレートをさらに含む。
ステップ602の前に、また任意選択によりステップ608の前に、さらに、任意選択によりステップ606の前に、ステップ610で、カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントが射出成型され得る。ステップ610での射出成型は、精密射出成型及び/又は硬鋼工具類を用いた射出成型を含み得る。ステップ610で射出成型され得る機械的コンポーネントの非限定的な例としては、基底層上のシールプレートを含めることができる。
図4Dは、幾つかの実施形態による、カートリッジ、機器、又はシステムの使用方法650を示すフロー図である。カートリッジ(例えば、ステップ602、604、606、608、及び/又は610を使って構成されたカートリッジ)を使用するステップはステップ612から始まり得る。ステップ612で、エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させ、表面層の第一の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第一の部分の内面に近接する第一の部分と接触するようにする。次に、ステップ614で、この変形を表面層の第二の部分へと並進させ、表面層の第二の部分の内面がチャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにし、表面層は一般に、チャネルの表面開口をシールするように構成される。チャネルはマイクロチャネルであり得る。表面層の第一の部分を変形させるステップは、表面層の第一の部分を弾性変形させるステップを含み得る。表面層の第一の部分を変形させるステップは、表面層の第一の部分をローラを用いて変形させるステップを含み得る。変形を表面層の第二の部分へと並進させるステップは、ローラを表面層に沿って回転させて、表面層の第二の部分の内面が、チャネルの壁及び/又は底部の、表面層の第二の部分の内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップを含む。
サンプル調製及び下流の分析を含む実施例
前述のように、本開示の特定の態様は、流体の送出(例えば、サンプルの調製のため)に関するシステム及び機器(例えば、ポンプ、装置、カートリッジ)に関する。本開示の態様は、分析用のサンプルを調製する、及び/又はサンプル中の1つ又は複数の標的分子を分析する(例えば、配列解析により分析する)プロセスで使用するための方法、組成物、システム、及び機器を提供する。ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、幾つかのこのようなサンプル調製プロセスの中で使用され得る。例えば、ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、サンプル調製プロセスが行われるサンプル調製モジュール内に含まれ得る。幾つかの実施形態において、ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、サンプル調製プロセスの上流又は下流のステップを実行するように構成される。幾つかの実施形態において、標的分子は核酸(例えば、DNA又はRNAであり、cDNA、ゲノムDNA、mRNA、並びにそれらの誘導体及び断片が含まれるがこれらに限定されない)である。幾つかの実施形態において、標的分子はタンパク質又はポリペプチドである。
前述のように、本開示の特定の態様は、流体の送出(例えば、サンプルの調製のため)に関するシステム及び機器(例えば、ポンプ、装置、カートリッジ)に関する。本開示の態様は、分析用のサンプルを調製する、及び/又はサンプル中の1つ又は複数の標的分子を分析する(例えば、配列解析により分析する)プロセスで使用するための方法、組成物、システム、及び機器を提供する。ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、幾つかのこのようなサンプル調製プロセスの中で使用され得る。例えば、ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、サンプル調製プロセスが行われるサンプル調製モジュール内に含まれ得る。幾つかの実施形態において、ポンプ及び関連する機器(例えば、装置、カートリッジ)は、サンプル調製プロセスの上流又は下流のステップを実行するように構成される。幾つかの実施形態において、標的分子は核酸(例えば、DNA又はRNAであり、cDNA、ゲノムDNA、mRNA、並びにそれらの誘導体及び断片が含まれるがこれらに限定されない)である。幾つかの実施形態において、標的分子はタンパク質又はポリペプチドである。
サンプル調製プロセス
幾つかの実施形態において、サンプルは精製されたサンプル、細胞ライセート、単細胞、細胞集団、又は組織であり得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のプロセスは、サンプルの特性又は特徴を特定するために使用され得て、これにはサンプル中の1つ又は複数の標的分子の同定又は配列解析(例えば、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列)が含まれる。幾つかの実施形態において、プロセスは1つ又は複数のサンプル変換ステップ、例えばサンプル溶解、サンプル精製、サンプル断片化、サンプル断片の精製、ライブラリ調製(例えば、核酸ライブラリ調製)、ライブラリ調製の精製、サンプル濃縮(例えば、アフィニティSCODAを使用)、及び/又は標的分子の検出/分析を含み得る。
幾つかの実施形態において、サンプルは精製されたサンプル、細胞ライセート、単細胞、細胞集団、又は組織であり得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のプロセスは、サンプルの特性又は特徴を特定するために使用され得て、これにはサンプル中の1つ又は複数の標的分子の同定又は配列解析(例えば、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列)が含まれる。幾つかの実施形態において、プロセスは1つ又は複数のサンプル変換ステップ、例えばサンプル溶解、サンプル精製、サンプル断片化、サンプル断片の精製、ライブラリ調製(例えば、核酸ライブラリ調製)、ライブラリ調製の精製、サンプル濃縮(例えば、アフィニティSCODAを使用)、及び/又は標的分子の検出/分析を含み得る。
幾つかの実施形態において、サンプル(例えば、細胞又は組織を含むサンプル)は、本開示によるプロセス中で溶解又はそれ以外の方法で分解され得る。幾つかの実施形態において、細胞又は組織を含むサンプルは、既知の物理的又は化学的方法の何れか1つを使って溶解されて、標的分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を前記細胞又は組織から放出させる。幾つかの実施形態において、サンプルは電解質による方法、酵素学的方法、界面活性剤ベースの方法、及び/又は機械的均質化を用いて溶解され得る。幾つかの実施形態において、サンプル(例えば、複合組織、グラム陽性細菌又はグラム陰性細菌)には、複数の溶解方法を逐次的に行う必要があり得る。幾つかの実施形態において、サンプルが細胞又は組織を含まない場合、(例えば、精製された核酸を含むサンプル)、溶解ステップは省き得る。
幾つかの実施形態において、サンプル(例えば、核酸又はタンパク質)は、例えば溶解後に、本開示によるプロセスの中で精製され得る。幾つかの実施形態において、サンプルは、クロマトグラフィ(例えば、サンプルを選択的に結合するアフィニティクロマトグラフィ)又は電気泳動を使って精製され得る。幾つかの実施形態において、サンプルは沈殿剤の存在中で精製され得る。幾つかの実施形態において、精製ステップ又は方法の後、サンプルは洗浄され、及び/又は溶出バッファを使って精製マトリクス(例えば、アフィニティクロマトグラフィマトリクス)が除去され得る。幾つかの実施形態において、精製ステップ又は方法は、可逆的変換可能ポリマ(reversibly switchable polymer)、例えば電気活性ポリマの使用を含み得る。幾つかの実施形態において、サンプルは、サンプルの多孔質マトリクス(例えば、アセチルセルロース、アガロース、アクリルアミド)の中を電気泳動により通過させられることによって精製され得る。
幾つかの実施形態において、サンプル(例えば、核酸又はタンパク質)は、本開示によるプロセス中に断片化され得る。幾つかの実施形態において、核酸サンプルは、ロングリードシーケンシングのための大型(最大10+キロベース)断片に対する配列同一性のための小型(<1キロベース)断片を生成するように断片化され得る。核酸の断片化は、幾つかの実施形態において、機械的(例えば、流体せん断)、化学的(例えば、Fe切断)、及び/又は酵素学的(例えば、制限酵素、トランスポサーゼを用いるタグメンテーション)方式を用いて実現され得る。幾つかの実施形態において、タンパク質サンプルは、断片化により、あらゆる長さのペプチド断片からも生成され得る。タンパク質の断片化は、幾つかの実施形態において、化学的及び/又は酵素学的(例えば、トリプシン等のタンパク質分解酵素)方式を使って実現され得る。幾つかの実施形態において、平均断片長さは反応時間、温度、サンプル及び/又は酵素(例えば、制限酵素、トランスポサーゼ)の濃度により制御され得る。幾つかの実施形態において、核酸はタグメンテーションにより断片化され得て、それによって核酸の断片化と蛍光分子(例えば、蛍光体)による標識が同時に行われる。幾つかの実施形態において、断片化されたサンプルには、精製ラウンド(例えば、クロマトグラフィ又は電気泳動)が行われて、小さい及び/又は不要な断片のほか、断片化ステップ中に使用された残留ペイロード、化学薬品、及び/又は酵素が除去され得る。
幾つかの実施形態において、核酸サンプルは、本開示によるプロセス中のその後の分析(例えば、ゲノム配列解析)のための核酸ライブラリを生成するために使用され得る。核酸ライブラリは、線形ライブラリ又は円形ライブラリであり得る。幾つかの実施形態において、円形ライブラリの核酸は下流での線形化(例えば、エンドヌクレアーゼ制限サイト、ウラシルの取り込み)を可能にする構成要素を含み得る。幾つかの実施形態において、核酸ライブラリは精製され得る(例えば、アフィニティクロマトグラフィ等のクロマトグラフィ又は電気泳動を用いる)。
幾つかの実施形態において、サンプル(例えば、核酸又はタンパク質)は、本開示によるプロセス中に標的分子について濃縮され得る。幾つかの実施形態において、サンプルは標的分子について、電気泳動方式を用いて濃縮され得る。幾つかの実施形態において、サンプルは標的分子について、アフィニティSCODAを用いて濃縮される。幾つかの実施形態において、サンプルは標的分子について、反転電場ゲル電気泳動法(FIGE:field inversion gel electrophoresis)を用いて濃縮される。幾つかの実施形態において、サンプルは標的分子について、パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE:pulsed field gel electrophoresis)を用いて濃縮される。幾つかの実施形態において、濃縮中に用いられるマトリクス(例えば、多孔質媒質、電気泳動ポリマゲル)は、サンプル中に存在する標的分子と結合する固定化されたキャプチャプローブを含む。幾つかの実施形態において、濃縮中に使用されるマトリクスは、1、2、3、4、5、又はそれより多い固有の固定化キャプチャプローブを含み、これらは各々、固有の標的分子に結合し、及び/又は同じ標的分子に異なる結合親和力で結合する。幾つかの例において、このようなゲルベースの濃縮方法は、本明細書に記載のカートリッジに接続された、又はその中に配置された1つ又は複数のゲルを使って行うことができる。
幾つかの実施形態において、固定化キャプチャプローブは、標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドキャプチャプローブである。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブは、標的核酸と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%相補的である。幾つかの実施形態において、単独のオリゴヌクレオチドキャプチャプローブが、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の配列同一性を共有する複数の関連する標的核酸(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、又はそれより多い関連標的核酸)を濃縮するために使用され得る。複数の関連する標的核酸の濃縮により、メタゲノムライブラリの生成が可能となり得る。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブにより、関連する標的核酸の差分濃縮(differential enrichment)が可能となり得る。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブにより、修飾状態(例えば、メチル化状態、アセチル化状態)が異なる同一配列の核酸に関する標的核酸の濃縮が可能となり得る。
幾つかの実施形態において、0.5~2キロベースの長さの核酸標的分子を濃縮するために、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブは、5’Acrydite部分を用いてアクリルアミドマトリクス内に共有結合により固定化され得る。幾つかの実施形態において、より大型の核酸標的分子(例えば、長さ>2キロベース)を濃縮するために、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブはアガロースマトリクス内に固定化され得る。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドキャプチャプローブは、チオール-エポキシ化合物ケミストリを用いてアガロースマトリクス中に固定化され得る(例えば、架橋アガロースビードに共有結合するチオール修飾オリゴヌクレオチドによる)。アガロースビードに連結したオリゴヌクレオチドキャプチャプローブは標準的アガロースマトリクス(例えば、同じアガロースパーセンテージを有する)内で結合、固化できる。
幾つかの実施形態において、固定化されたキャプチャプローブは、標的タンパク質又はペプチド断片に結合するタンパク質キャプチャプローブ(例えば、アプタマ又は抗体)である。幾つかの実施形態において、タンパク質キャプチャプローブは標的タンパク質又はペプチド断片に、10-9~10-8M、10-8~10-7M、10-7~10-6M、10-6~10-5M、10-5~10-4M、10-4~10-3M、又は10-3~10-2Mの結合親和力で結合する。幾つかの実施形態において、結合親和力はピコモル~ナノモルの範囲(例えば、約10-12~約10-9M)である。幾つかの実施形態において、結合親和力は、ナノモル~マイクロモルの範囲(例えば、約10--9~約10-6M)である。幾つかの実施形態において、結合親和力はマイクロモル~ミリモルの範囲(例えば、約10-6~約10-3M)である。幾つかの実施形態において、結合親和力はピコモル~マイクロモルの範囲(例えば、約10-12~約10-6M)である。幾つかの実施形態において、結合親和力はナノモル~ミリモルの範囲(例えば、約10-9~約10-3M)である。幾つかの実施形態において、単独のタンパク質キャプチャプローブは、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の配列同一性を共有する複数の関連標的タンパク質を濃縮するために使用され得る。幾つかの実施形態において、単独のタンパク質キャプチャプローブは、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の配列同一性を共有する複数の関連する標的タンパク質(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、又はそれより多い関連標的タンパク質)を濃縮するために使用され得る。複数の関連標的タンパク質の濃縮により、メタプロテオミクスライブラリの生成を可能にし得る。幾つかの実施形態において、タンパク質キャプチャプローブは、関連する標的タンパク質の差分濃縮を可能にし得る。
幾つかの実施形態において、複数のキャプチャプローブ(例えば、例えばアデノウイルス、ブドウ球菌(staphylococcus)、肺炎、又は結核等の感染病原体の決定性標的分子と結合する複数の種類のキャプチャプローブの集合)が濃縮マトリクス内に固定化され得る。サンプルを複数の決定性キャプチャプローブを含む濃縮マトリクスに適用することにより、病気又は状態(例えば、感染病原体の存在)の診断が行われ得る。
幾つかの実施形態において、本開示によるプロセス中、標的分子又は関連標的分子は、標的外分子を除去した後に濃縮マトリクスから放出され得る。幾つかの実施形態において、標的分子は濃縮マトリクスの温度を上昇させることによって濃縮マトリクスから放出され得る。マトリクスの温度調整は移動率にさらに影響を与え、これは、温度上昇によりキャプチャプローブのストリンジェンシが高くなり、標的分子とキャプチャプローブとの間のより高い結合親和力が必要となるからである。幾つかの実施形態において、関連標的分子を濃縮する際、マトリクス温度を段階的に徐々に上昇させることにより、段階ごとに均質性を上昇させながら標的分子を放出し及び分離し得る。このことによって、初期参照標的分子との関係における距離がより離れている標的タンパク質又は標的核酸の配列解析が可能となり得、それによって新規のタンパク質(例えば、酵素)又は機能(例えば、酵素機能又は遺伝子機能)の発見が可能となる。幾つかの実施形態において、複数のキャプチャプローブ(例えば、複数の決定性キャプチャプローブ)を使用する場合、マトリクスの温度は段階的又は漸進的に上昇され得、それによって異なる標的分子の温度依存放出が可能となり、その結果、コントロール及び標的分子の有無を表す一連のバーコード状放出バンドが生成される。
幾つかの実施形態において、本開示によるプロセスの中で、1つ又は複数の標的分子は最終的に、濃縮及びその後の放出後に最終的に検出されて、前記標的分子及びその上流のサンプルの分析が可能となり得る。幾つかの実施形態において、標的核酸は、遺伝子配列解析、吸収率、蛍光発光、導電率、キャパシタンス、表面プラズモン共鳴、ハイブリッドキャプチャ、抗体、核酸の直接標識(例えば、末端標識、標識タグメンテーションペイロード)、インタカレータ性色素(例えば、臭化エチジウム、SYBR色素)を用いた非特異的標識、又は核酸検出のための他の何れかの既知の方法を用いて検出され得る。幾つかの実施形態において、標的タンパク質又はペプチド断片は、吸収率、蛍光発光、質量分析、アミノ酸配列解析、又はタンパク質若しくはペプチド検出のための他の何れかの既知の方法を使って検出され得る。
サンプル調製モジュール及び機器
分析のためにサンプルを調製するプロセスにおいて使用される装置、カートリッジ(例えば、チャネル(例えば、マイクロ流体チャネル)を含む)、及び/又はポンプ(例えば、本開示において記載されているような蠕動ポンプ)を含むモジュール又は機器が概して提供される。モジュール又は機器は、本開示により、生体サンプルからの標的分子の抽出、濃縮、操作、及び/又は検出を可能にするために使用できる。幾つかの実施形態において、次世代配列解析及び/又はその他の下流の分析技術のための物質を生成するサンプルの加工を自動化する機器及び関連する方法が提供される。モジュール、機器、及び関連する方法は、本明細書の他の箇所に記載されているサンプル調製又はサンプル分析プロセスによる核酸及び/又はタンパク質加工のための反応を含む化学及び/又は生物学的反応を行うために使用され得る。
分析のためにサンプルを調製するプロセスにおいて使用される装置、カートリッジ(例えば、チャネル(例えば、マイクロ流体チャネル)を含む)、及び/又はポンプ(例えば、本開示において記載されているような蠕動ポンプ)を含むモジュール又は機器が概して提供される。モジュール又は機器は、本開示により、生体サンプルからの標的分子の抽出、濃縮、操作、及び/又は検出を可能にするために使用できる。幾つかの実施形態において、次世代配列解析及び/又はその他の下流の分析技術のための物質を生成するサンプルの加工を自動化する機器及び関連する方法が提供される。モジュール、機器、及び関連する方法は、本明細書の他の箇所に記載されているサンプル調製又はサンプル分析プロセスによる核酸及び/又はタンパク質加工のための反応を含む化学及び/又は生物学的反応を行うために使用され得る。
幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュール又は機器(例えば、サンプル調製モジュール1700)は、配列解析モジュール又は機器へと標的分子又は複数の分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を含むサンプルを送達又は伝送するように位置付けられる。幾つかの実施形態において、サンプル調製モジュール又は機器は、配列解析機器に直接接続され(例えば、物理的に取り付けられ)るか、又は間接的に接続される。前述のように、幾つかの実施形態ではこのような接続は永久的であり得、幾つかの実施形態ではこのような接続は可逆的(分離可能)であり得る。
幾つかの実施形態において、モジュール又は機器は、1つ又は複数のカートリッジを受けるように構成される。幾つかの実施形態において、カートリッジは、サンプル調製プロセスで使用される流体を受け、及び/又は1つ若しくは複数の試薬を収容するように構成された1つ又は複数のリザーバ若しくは反応容器を含む。幾つかの実施形態において、カートリッジは、サンプル調製プロセス中に使用される流体(例えば、1つ又は複数の試薬を含む流体)を収容及び/又は輸送するように構成された1つ又は複数のチャネル(例えば、マイクロ流体チャネル)を含む。試薬としては、バッファ、酵素試薬、ポリママトリクス、抽出試薬、サイズ特異的選択試薬、配列特異的選択試薬、及び/又は精製試薬が含まれる。サンプル調製プロセス中に使用されるその他の試薬については、本明細書の他の箇所に記載されている。例えば、サンプル調製ステップのため(例えば、核酸又はペプチド又はタンパク質分析、配列解析、又は同定のため)の前述の試薬(又はそれらの組合せ)の何れも、カートリッジ(例えば、カートリッジのチャネル、リザーバ、及び/又は反応容器)の中で使用され、及び/又はその中に存在し得る。
幾つかの実施形態において、カートリッジは(例えば、液体の、又は液体の形態への復元に適した凍結乾燥形態の)1つ又は複数の貯蔵試薬を含む。カートリッジの貯蔵試薬としては、所望のプロセスを実行するのに適した試薬及び/又は所望のサンプルタイプを加工するのに適した試薬が含まれる。幾つかの実施形態において、カートリッジは単回使用カートリッジ(例えば、使い捨てカートリッジ)又は複数回使用カートリッジ(例えば、再使用可能カートリッジ)である。幾つかの実施形態において、カートリッジはユーザが準備したサンプルを受けるように構成される。ユーザが準備したサンプルは、カートリッジが機器により受けられる前又は後に、例えばユーザの手作業で、又は自動的プロセスでカートリッジに添加され得る。
本開示による機器とモジュールは一般に、本明細書に記載されているようにカートリッジを動作させるために使用できる機械及び電気及び/又は光コンポーネントを含む。幾つかの実施形態において、機器又はモジュールのコンポーネントは、カートリッジ又はカートリッジの特定の領域で特定の温度を実現し、保持するように動作する。幾つかの実施形態において、機器のコンポーネントは、特定の電圧を特定の時間にわたりカートリッジの電極に印加するように動作する。幾つかの実施形態において、機器又はモジュールのコンポーネントは、液体をカートリッジのリザーバ及び/又は反応容器に、それらから、又はそれらの間で移動させるように動作する。幾つかの実施形態において、機器又はモジュールコンポーネントはカートリッジのチャネルを通じて液体を、例えばカートリッジのリザーバ及び/又は反応容器へ、それらから、又はそれらの間で移動させるように動作する。前述のように、幾つかの実施形態において、機器又はモジュールのコンポーネントは、カートリッジの弾性のある試薬別リザーバ又は反応容器と相互作用する蠕動運動式送出機構(例えば、装置)を介して液体を移動させる。幾つかの実施形態において、機器又はモジュールのコンポーネントは、カートリッジのチャネルに関連する弾性コンポーネント(例えば、エラストマを含む表面層)と相互作用してチャネルを通じて流体を送出するように構成された蠕動運動式送出機構(例えば、装置)を介して液体を移動させる。機器又はモジュールのコンポーネントは、例えばサンプル情報を入力でき、特定のプロセスを選択でき、ランの結果を報告できるユーザインタフェースを駆動するためのコンピュータリソースを含むことができる。
以下の非限定的な例は、本明細書に記載の機器、方法、及び組成物の態様を示すものである。本開示によるサンプル調製モジュール又は機器の使用は、後述のステップの1つ又は複数により進められ得る。ユーザは、機器の蓋を開け、所望のプロセスに対応するカートリッジを挿入し得る。ユーザは次に、特定の溶解液と組み合わせられ得るサンプルをカートリッジ上のサンプルポートに添加し得る。次に、ユーザは機器の蓋を閉め、機器上のタッチスクリーンインタフェースを介して何れかのサンプル固有情報を入力し、何れかのプロセス関連の特定のパラメータ(例えば、所望のサイズ選択の範囲、標的分子抽出の所望の均一性の程度等)を選択し、サンプル調製プロセスランを開始し得る。
ランの後、ユーザは、関連するランデータ(例えば、ランの完了成功の確認、ランごとのメトリクス等)のほか、プロセス特定情報(例えば、生成されたサンプル量、特定の標的配列の有無等)を受け取り得る。ランにより生成されたデータにはその後、生体情報分析が行われ得て、これはローカル又はクラウドベースの何れとすることもできる。プロセスに応じて、プロセスを終えたサンプルがその後の使用(例えば、ゲノム配列解析、qPCR定量化、クローニング等)のためにカートリッジから取り出される。その後の使用には、例えばペプチド又はタンパク質配列解析が含まれ得る。機器はその後、開けられ得て、カートリッジが取り出され得る。
ゲノム配列解析プロセス
本開示の特定の態様は、核酸(例えば、デオキシリボ核酸又はリボ核酸)の配列解析をさらに含む。幾つかの態様において、本明細書に記載の組成物、機器、システム、及び技術は、核酸に取り込まれた一連のヌクレオチドを(例えば、一連の標識されたヌクレオチドの取り込みの経時変化を検出することによって)同定するために使用できる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組成物、機器、システム、及び技術は、重合酵素(例えば、RNAポリメラーゼ)により合成されるテンプレート依存核酸配列解析反応産物に取り込まれた一連のヌクレオチドを同定するために使用できる。
本開示の特定の態様は、核酸(例えば、デオキシリボ核酸又はリボ核酸)の配列解析をさらに含む。幾つかの態様において、本明細書に記載の組成物、機器、システム、及び技術は、核酸に取り込まれた一連のヌクレオチドを(例えば、一連の標識されたヌクレオチドの取り込みの経時変化を検出することによって)同定するために使用できる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組成物、機器、システム、及び技術は、重合酵素(例えば、RNAポリメラーゼ)により合成されるテンプレート依存核酸配列解析反応産物に取り込まれた一連のヌクレオチドを同定するために使用できる。
したがって、本明細書では、標的核酸の配列を特定する方法が提供される。幾つかの実施形態において、標的核酸は濃縮(例えば、電気泳動法、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮)されてから標的核酸の配列が特定される。幾つかの実施形態において、本明細書では、サンプル(例えば、精製サンプル、細胞ライセート、単細胞、細胞集団、又は組織)中に存在する複数の核酸(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、15、20、30、50、又はそれより多い)の配列を特定する方法が提供される。幾つかの実施形態において、サンプルは本明細書に記載されているように調製(例えば、溶解、精製、断片化、及び/又は標的核酸について濃縮)されてから、サンプル中に存在する標的核酸又は複数の核酸の配列が特定される。幾つかの実施形態において、標的核酸は濃縮された標的核酸(例えば、電気泳動法、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮される)である。
幾つかの実施形態において、配列解析方法は、(i)標的体積の複合体を1つ又は複数の標識ヌクレオチドに暴露させるステップであって、複合体はサンプル中に存在する標的核酸又は複数の核酸、少なくとも1つのプライマ、及び重合酵素を含むステップと、(ii)1つ又は複数の励起エネルギ又は1つ又は複数の励起エネルギのパルス列を標的体積の付近へと方向付けるステップと、(iii)少なくとも1つのプライマの1つを含む核酸中への逐次的組み込み中に1つ又は複数の標的ヌクレオチドから発せられた複数の光子を検出するステップと、(iv)発せられた光子の1つ又は複数の特徴を特定することによって、取り込まれたヌクレオチドの配列を識別するステップと、を含む。
他の態様において、本開示は、サンプル中に存在する標的核酸又は複数の核酸を、複数の核酸断片を配列解析することによって配列解析する方法を提供し、標的核酸は断片を含む。特定の実施形態において、方法は、複数の断片配列を組み合わせて、親の核酸(例えば、親の標的核酸)の配列又は部分的配列を提供するステップを含む。幾つかの実施形態において、組み合わせるステップは、コンピュータハードウェア及びソフトウェアにより実行される。本明細書に記載の方法により、関連する核酸の集合(例えば、サンプル中に存在する2つ以上の核酸)、例えば染色体又はゲノムの全体の配列解析が可能となり得る。
幾つかの実施形態において、プライマはシーケンシングプライマである。幾つかの実施形態において、シーケンシングプライマは、固相担体に固定化されていても、又は固定化されていなくてもよい核酸(例えば、標的核酸)にアニールできる。固相担体は、例えば核酸配列解析に使用されるチップ又はカートリッジ上のサンプルウェル(例えば、ナノアパーチャ、反応チャンバ)を含むことができる。幾つかの実施形態において、シーケンシングプライマは、固相担体に固定化され得て、核酸(例えば、標的核酸)のハイブリダイゼーションにより核酸分子は固相担体にさらに固定化される。幾つかの実施形態において、ポリメラーゼ(例えば、RNAポリメラーゼ)は固相担体に固定化され、可溶性のシーケンシングプライマ及び核酸がポリメラーゼと接触させられる。幾つかの実施形態において、ポリメラーゼ、核酸(例えば、標的核酸)、及びプライマを含む複合体は、溶液中で形成され、複合体は固相担体に(例えば、ポリメラーゼ、プライマ、及び/又は標的核酸の固定化を介して)固定化される。幾つかの実施形態において、成分の何れも固相担体に固定化されない。例えば、幾つかの実施形態において、ポリメラーゼ、標的核酸、及びシーケンシングプライマを含む複合体はその場で形成され、複合体は固相担体に固定化されない。
幾つかの実施形態において、合成による配列解析の方法は、標的核酸分子の集合(例えば、標的核酸の複製)の存在及び/又は標的核酸の集合を実現するための標的核酸の増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))のステップを含むことができる。しかしながら、幾つかの実施形態において、合成による配列解析は、評価中の何れか1つの反応における1つの核酸分子の配列を特定するために使用され、標的核酸の調製のために核酸増幅が不要であり得る。幾つかの実施形態において、本開示の態様により、複数の1分子配列解析反応が(例えば、1つのチップ又はカートリッジ上で)並行して行われる。例えば、幾つかの実施形態において、複数の1分子配列解析反応は各々、1つのチップ又はカートリッジ上の別々のサンプルウェル(例えば、ナノアパーチャ、反応チャンバ)で行われる。
タンパク質配列解析プロセス
本開示の態様はまた、タンパク質配列解析及び同定方法、ポリペプチド配列解析及び同定方法、アミノ酸同定方法、かかる方法を実行するための組成物、システム、及び機器にも関する。このようなタンパク質配列解析及び同定は、幾つかの実施形態において、サンプル調製及び/又はゲノム配列解析を行うものと同じ器具を用いて行われ、これについては本明細書中でより詳しく説明する。幾つかの態様において、標的タンパク質の配列を特定する方法が説明される。幾つかの実施形態において、標的タンパク質は濃縮(例えば、電気泳動方式、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮)されてから、標的タンパク質の配列が特定される。幾つかの態様において、サンプル(例えば、精製サンプル、細胞ライセート、単細胞、細胞集団、又は組織)中に存在する複数のタンパク質(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、15、20、30、50、又はそれより多い)の配列を特定する方法が説明される。幾つかの実施形態において、サンプルは本明細書に記載されているように調製され(例えば、溶解、精製、断片化、及び/又は標的タンパク質について濃縮され)、その後、サンプル中に存在する標的タンパク質又は複数のタンパク質の配列が特定される。幾つかの実施形態において、標的タンパク質は、濃縮された標的タンパク質である(例えば、電気泳動方式、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮)。
本開示の態様はまた、タンパク質配列解析及び同定方法、ポリペプチド配列解析及び同定方法、アミノ酸同定方法、かかる方法を実行するための組成物、システム、及び機器にも関する。このようなタンパク質配列解析及び同定は、幾つかの実施形態において、サンプル調製及び/又はゲノム配列解析を行うものと同じ器具を用いて行われ、これについては本明細書中でより詳しく説明する。幾つかの態様において、標的タンパク質の配列を特定する方法が説明される。幾つかの実施形態において、標的タンパク質は濃縮(例えば、電気泳動方式、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮)されてから、標的タンパク質の配列が特定される。幾つかの態様において、サンプル(例えば、精製サンプル、細胞ライセート、単細胞、細胞集団、又は組織)中に存在する複数のタンパク質(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、15、20、30、50、又はそれより多い)の配列を特定する方法が説明される。幾つかの実施形態において、サンプルは本明細書に記載されているように調製され(例えば、溶解、精製、断片化、及び/又は標的タンパク質について濃縮され)、その後、サンプル中に存在する標的タンパク質又は複数のタンパク質の配列が特定される。幾つかの実施形態において、標的タンパク質は、濃縮された標的タンパク質である(例えば、電気泳動方式、例えばアフィニティSCODAを用いて濃縮)。
幾つかの実施形態において、本開示は、複数のタンパク質を含むサンプル中の個々のタンパク質を、混合物からタンパク質の1つ又は複数の種類のアミノ酸を同定することによって配列解析及び/又は同定する方法を提供する。幾つかの実施形態において、タンパク質の1つ又は複数のアミノ酸(例えば、末端アミノ酸又は内部アミノ酸)が(例えば、直接又は、例えば結合剤を用いて間接的に)標識され、タンパク質中の標識アミノ酸の相対位置が特定される。幾つかの実施形態において、タンパク質中のアミノ酸の相対位置は、アミノ酸の標識及び切断の一連のステップを使って特定される。幾つかの実施形態において、タンパク質中の標識アミノ酸の相対位置は、タンパク質からアミノ酸を取り出さずに、標識タンパク質をポア(例えば、タンパク質チャネル)を通じて移動させ、ポアを通じた移動中に標識アミノ酸から信号(例えば、フォルスタ共鳴エネルギ転移(FRET:Foerster resonance energy transfer)信号)を検出して、タンパク質分子中の標識アミノ酸の相対位置を特定することによって特定できる。
幾つかの実施形態において、末端アミノ酸の識別(例えば、N末端又はC末端アミノ酸)が特定された後に、末端アミノ酸が除去され、末端における次のアミノ酸の識別が査定され、このプロセスが、そのタンパク質の連続する複数のアミノ酸が査定されるまで繰り返され得る。幾つかの実施形態において、アミノ酸の識別を査定するステップは、存在するアミノ酸の種類を特定するステップを含む。幾つかの実施形態において、アミノ酸の種類を特定するステップは、実際のアミノ酸の識別を特定するステップを含む(例えば、個々の末端アミノ酸に特異的な結合剤を使用して、あるアミノ酸が自然に発生する20のアミノ酸のうちのどれかを特定する)。しかしながら、幾つかの実施形態において、末端アミノ酸の種類の識別を査定するステップは、タンパク質の末端に存在し得るタンパク質アミノ酸の小集合を特定するステップを含むことができる。幾つかの実施形態において、これは、アミノ酸が1つ又は複数の特定のアミノ酸ではない(すなわち、したがって、他のアミノ酸の何れかであり得る)と特定することにより実現できる。幾つかの実施形態において、これは、アミノ酸の指定された小集合のうちのどれがタンパク質の末端にあり得るかを(例えば、2つ以上の末端アミノ酸の指定された小集合に結合する結合剤を使用して)(例えば、サイズ、電荷、疎水性、結合特性に基づいて)特定することによって実現できる。
幾つかの実施形態において、タンパク質又はポリペプチドは複数のより小さいタンパク質又はポリペプチドに分解でき、配列情報をこれらのより小さいタンパク質又はポリペプチドの1つ又は複数から取得できる(例えば、タンパク質の末端アミノ酸を逐次的に査定するステップと、そのアミノ酸を除去して、末端に次のアミノ酸を露出させるステップを含む方法を使用する)。
幾つかの実施形態において、タンパク質はそのアミノ(N)末端から配列解析される。幾つかの実施形態において、タンパク質はそのカルボキシ(C)末端から配列解析される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載されているように、タンパク質の1つ目の末端(例えば、N又はC末端)は固定化され、もう一方の末端(例えば、C又はN末端)は配列解析される。
本明細書で使用されるように、タンパク質を配列解析することは、タンパク質に関する配列情報を特定することを指す。幾つかの実施形態において、これは、タンパク質の一部分(又は全部)に関する各連続アミノ酸の識別を特定することを含むことができる。幾つかの実施形態において、これは、断片(例えば、標的タンパク質の断片又は複数タンパク質を含むサンプルの断片)の識別を特定することを含むことができる。幾つかの実施形態において、これは、タンパク質内のアミノ酸の小集合の識別を査定すること(例えば、及びタンパク質中の各アミノ酸の識別を特定せずに、1つ又は複数の種類のアミノ酸の相対位置を特定する)ことを含むことができる。幾つかの実施形態において、アミノ酸含量情報は、タンパク質中の異なる種類のアミノ酸の相対位置を直接特定せずに、タンパク質から取得できる。アミノ酸含量だけが、存在するタンパク質の識別を推測するために使用され得る(例えば、アミノ酸含量をタンパク質情報のデータベースと比較し、どのタンパク質が同じアミノ酸含量を有するかを特定することによる)。
幾つかの実施形態において、標的タンパク質又は複数のタンパク質を含むサンプルから(例えば、酵素及び/又は化学的切断を介して)得られた複数のタンパク質断片に関する配列情報を分析して、標的タンパク質又はサンプル中に存在する複数のタンパク質の配列を再構成又は推測できる。したがって、幾つかの実施形態において、1つ又は複数の種類のアミノ酸は、1つ又は複数の種類のアミノ酸に選択的に結合する1つ又は複数の標識されたアフィニティ試薬のルミネッセンスを検出することによって同定される。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の種類のアミノ酸は、標識タンパク質のルミネッセンスを検出することによって同定される。
幾つかの実施形態において、本開示は、あるタンパク質の末端に存在する一連のアミノ酸をある期間にわたり同定することによってタンパク質の配列解析を行う(例えば、末端のアミノ酸の反復的な検出と切断による)組成物、機器、及び方法を提供する。また別の実施形態において、本開示は、タンパク質の標識アミノ含量を特定し、参照配列データベースと比較することによって、タンパク質の配列解析を行う組成物、機器、及び方法を提供する。
幾つかの実施形態において、本開示は、タンパク質の配列解析を、そのタンパク質の複数の断片の配列を解析することによって行う組成物、機器、及び方法を提供する。幾つかの実施形態において、タンパク質の配列を解析するステップは、複数のタンパク質断片に関する配列情報を組み合わせて、タンパク質の配列を識別及び/又は特定するステップを含む。幾つかの実施形態において、配列情報を組み合わせるステップは、コンピュータハードウェア及びソフトウェアにより実行され得る。本明細書に記載の方法により、関連するタンパク質の集合、例えば有機体のプロテオーム全体等の配列を解析できる。幾つかの実施形態において、本開示の態様によれば、複数の1分子配列解析反応が(例えば1つのチップ又はカートリッジ上で)並行して行われる。例えば、幾つかの実施形態において、複数の1分子配列解析反応は1つのチップ又はカートリッジ上の別々のサンプルウェルの中で実行される。
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、複数のタンパク質を含むサンプル中の個々のタンパク質の配列解析及び同定に使用され得る。幾つかの実施形態において、本開示は、複数のタンパク質を含むサンプル中の個々のタンパク質を一意的に同定する方法を提供する。幾つかの実施形態において、個々のタンパク質は混合サンプルの中から、タンパク質の部分アミノ酸配列を特定することによって検出される。幾つかの実施形態において、タンパク質の部分アミノ酸配列は、約5~50、10~50、25~50、25~100、又は50~100のアミノ酸の連続ストレッチ内にある。
何れの特定の理論にも拘束されることは希望しないが、ほとんどのヒトタンパク質がプロテオームデータベースを参照して不完全な配列情報を使って同定できると予想される。例えば、ヒトプロテオームの単純なモデル化により、タンパク質のほぼ98%が、6~40のアミノ酸のストレッチの中のわずか4種類のアミノ酸を検出することによって一意的に同定できる(例えば、スワミナサン(Swaminathan)ら著、PLoSコンピュテーショナル・バイオロジ(PLoS Comput Biol.)、2015年、第11(2)巻、e1004080、及びヤオ(Yao)ら著、フィジカル・バイオロジ(Phys.Biol.)、2015年、第12(5)巻、055003参照)。したがって、複数のタンパク質を含むサンプルは、約6~40のアミノ酸の短いタンパク質断片に断片化(例えば、化学的分解、酵素的分解)でき、このタンパク質ベースのライブラリの配列解析により、原サンプル中に存在するタンパク質の各々の識別と存在量が明らかになる。選択的なアミノ酸標識と、部分配列情報の特定によるポリペプチド同定のための組成物及び方法は、2015年9月15日に出願された、「1分子ペプチド配列解析(SINGLE MOLECULE PEPTIDE SEQUENCING)」と題する米国特許出願第15/510,962号明細書に詳しく記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
本開示による配列解析は、幾つかの態様において、基板の(例えば、固相担体、例えば本明細書に記載の配列解析機器におけるチップ又はカートリッジの)表面上にタンパク質(例えば、標的タンパク質)を固定化することを含み得る。幾つかの実施形態において、タンパク質は、基板上のサンプルウェルの表面(例えば、サンプルウェルの底面)に固定化され得る。幾つかの実施形態において、タンパク質のN末端アミノ酸は固定化される(例えば、表面に付着される)。幾つかの実施形態において、タンパク質のC末端アミノ酸が固定化される(例えば、表面に付着される)。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の非末端アミノ酸が固定化される(例えば、表面に付着される)。固定化されたアミノ酸は、例えば本開示において記載されているように、何れの適当な共有結合又は非共有結合を使っても付着できる。幾つかの実施形態において、複数のタンパク質が、例えば基板上のサンプルウェルのアレイにおける、複数のサンプルウェルに付着される(例えば、1つのタンパク質が各ウェルの表面、例えば底面に付着される)。
配列解析モジュール機器
本開示による核酸又はタンパク質の配列解析は、幾つかの態様において、1分子解析が可能なシステムを使って行われ得る。システムは、配列解析モジュール又は機器と、配列解析機器とインタフェースするように構成された器具と、を含み得る。前述のように、幾つかの実施形態において、検出モジュール1800はこのような配列解析モジュール又は機器を含む。配列解析モジュール又は機器は、ピクセルアレイを含み得て、個々のピクセルはサンプルウェルと少なくとも1つの受光素子を含む。配列解析機器のサンプルウェルは、配列解析機器の表面上に、又はそこを通じて形成され、配列解析機器の表面に置かれたサンプルを受けるように構成され得る。幾つかの実施形態において、サンプルウェルは機器に挿入できるカートリッジ(例えば、使い捨て又は1回使用カートリッジ)のコンポーネントである。集合的に、サンプルウェルはサンプルウェルのアレイと考え得る。複数のサンプルウェルは、サンプルウェルの少なくとも一部分が1つの標的分子又は複数の分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を含むサンプルを受けるように、適当な大きさと形状を有し得る。幾つかの実施形態において、サンプルウェル内の分子の数は、配列解析機器のサンプルウェル間で分散され、サンプルウェルの中には1つの分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を収容するものもあれば、ゼロ、2、又は複数の分子を収容するものもある。
本開示による核酸又はタンパク質の配列解析は、幾つかの態様において、1分子解析が可能なシステムを使って行われ得る。システムは、配列解析モジュール又は機器と、配列解析機器とインタフェースするように構成された器具と、を含み得る。前述のように、幾つかの実施形態において、検出モジュール1800はこのような配列解析モジュール又は機器を含む。配列解析モジュール又は機器は、ピクセルアレイを含み得て、個々のピクセルはサンプルウェルと少なくとも1つの受光素子を含む。配列解析機器のサンプルウェルは、配列解析機器の表面上に、又はそこを通じて形成され、配列解析機器の表面に置かれたサンプルを受けるように構成され得る。幾つかの実施形態において、サンプルウェルは機器に挿入できるカートリッジ(例えば、使い捨て又は1回使用カートリッジ)のコンポーネントである。集合的に、サンプルウェルはサンプルウェルのアレイと考え得る。複数のサンプルウェルは、サンプルウェルの少なくとも一部分が1つの標的分子又は複数の分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を含むサンプルを受けるように、適当な大きさと形状を有し得る。幾つかの実施形態において、サンプルウェル内の分子の数は、配列解析機器のサンプルウェル間で分散され、サンプルウェルの中には1つの分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を収容するものもあれば、ゼロ、2、又は複数の分子を収容するものもある。
幾つかの実施形態において、配列解析モジュール又は機器は、標的分子又は複数の分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)を含むサンプルをサンプル調製機器から受けるように位置付けられる。幾つかの実施形態において、配列解析機器はサンプル調製機器に直接接続され(例えば、そこに物理的に取り付けられ)、又は間接的に接続される。しかしながら、サンプル調製機器と配列解析機器又はモジュール(又は他のあらゆる種類の検出モジュール)との間の接続は、全ての実施形態について必要とはかぎらない。幾つかの実施形態において、標的分子又は複数の分子(例えば、標的核酸、標的タンパク質)を含むサンプルは、手作業でサンプル調製機器(例えば、サンプル調製モジュール)から配列解析モジュール又は機器に直接(例えば、標的分子又はサンプルの組成を変化させる干渉的ステップが全くない)又は間接に(標的分子又はサンプルの組成を変化させ得る1つ又は複数の別の加工ステップを含む)輸送される。手作業による輸送には、例えば、手作業でのピペット操作による輸送又は当業界で知られている適当な手作業による方法が係わり得る。
励起光が配列解析機器の外部の1つ又は複数の光源から配列解析機器に提供される。配列解析機器の光学コンポーネントは、光源からの励起光を受け取り、この光を配列解析機器のサンプルウェルのアレイへと方向付け、サンプルウェル内の照明領域を照明する。幾つかの実施形態において、サンプルウェルは、標的分子又は複数の分子を含むサンプルがサンプルウェルの表面付近に保持されるような構成を有し得て、それによってサンプルウェルへの励起光の送達と標的分子又は複数の分子を含むサンプルからの発光の検出が容易となり得る。照明領域内に位置付けられた標的分子又は複数の分子を含むサンプルは、励起光により照明されたことに応答して光を発し得る。例えば、核酸又はタンパク質(又は複数のそれら)は、蛍光マーカで標識され得るが、これは励起光の照射を通じて励起状態になったことに応答して発光する。標的分子又は複数の分子を含むサンプルから発せられた光はその後、サンプルウェルに対応するピクセル内の1つ又は複数の受光素子により検出され得て、標的分子又は複数の分子を含むサンプルが分析される。幾つかの実施形態によれば約10,000ピクセル~1,000,000ピクセルの範囲の数に及び得るサンプルウェルアレイにわたり実行される場合、複数のサンプルウェルを並行して分析できる。
配列解析モジュール又は機器は、励起光を受け取り、励起光をサンプルウェルアレイへと方向付けるための光学システムを含み得る。光学システムは、励起光を配列解析機器に結合して、励起光を他の光学コンポーネントへと方向付けるように構成された1つ又は複数の格子カプラを含み得る。光学システムは、励起光を格子カプラからサンプルウェルアレイへと方向付ける光学コンポーネントを含み得る。このような光学コンポーネントには、光スプリッタ、光コンバイナ、及び導波路が含まれ得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の光スプリッタは、格子カプラからの励起光を結合して、励起光を導波路のうちの少なくとも1つに送達し得る。幾つかの実施形態によれば、光学スプリッタは励起光の送達を全ての導波路間で実質的に均一にすることができる構成を有し得て、それによって導波路の各々が実質的に同量の励起光を受け取る。このような実施形態は、配列解析機器のサンプルウェルが受け取る励起光の均一性を改善することにより、配列解析機器の性能を向上させ得る。配列解析機器に含めるべき、例えば励起光をサンプルウェルに結合し、及び/又は発光を受光素子へと方向付けるための適当なコンポーネントの例は、2015年8月7日に出願された、「分子をプロービング、検出、及び分析するための集積機器(INTEGRATED DEVICE FOR PROBING,DETECTING,AND ANALYZING MOLECULES)」と題する米国特許出願第14/821,688号明細書及び2014年11月17日に出願された、「分子をプロービング、検出、及び分析するための外部光源を備える集積機器(INTEGRATED DEVICE WITH EXTERNAL LIGHT SOURCE FOR PROBING,DETECTING,AND ANALYZING MOLECULES)」と題する米国特許出願第14/543,865号明細書に記載されており、両出願の全体を参照によって本明細書に援用する。配列解析機器において実装され得る適当な格子カプラ及び導波路の例は、2017年12月15日に出願された、「光カプラ及び導波路システム(OPTICAL COUPLER AND WAVEGUIDE SYSTEM)」と題する米国特許出願第15/844,403号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
追加的なフォトニック構造がサンプルウェルと受光素子との間に位置付けられ、そうでなければ発光検出時の信号ノイズに寄与し得る励起光の受光素子への到達を低減又は防止するように構成され得る。幾つかの実施形態において、配列解析機器のための回路構成として機能し得る金属層はまた、空間フィルタとしても機能し得る。適当なフォトニック構造の例には、スペクトルフィルタ、偏波フィルタ、及び空間フィルタが含まれ得て、2018年7月23日に出願された、「光学阻止フォトニック構造(OPTICAL REJECTION PHOTONIC STRUCTURES)」と題する米国特許出願第16/043,968号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
配列解析モジュール又は機器の外に配置されたコンポーネントは、励起源を配列解析機器に位置付け、位置合わせするために使用され得る。このようなコンポーネントには、レンズ、ミラー、プリズム、ウィンドウ、絞り、減衰器、予備/又は光ファイバを含む光学コンポーネントが含まれ得る。追加的な機械的コンポーネントは、1つ又は複数のアラインメントコンポーネントの制御を可能にするために機器に含められ得る。このような機械的コンポーネントには、アクチュエータ、ステップモータ、及び/又はノブが含まれ得る。適当な励起源及びアラインメント機構の例は、2016年5月20日に出願された、「パルスレーザ及びシステム(PULSED LASER AND SYSTEM)」と題する米国特許出願第15/161,088号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。ビームステアリングモジュールの他の例は、2017年12月14日に出願された、「小型ビーム成型及び操作アセンブリ(COMPACT BEAM SHAPING AND STEERING ASSEMBLY)」と題する米国特許出願第15/842,720号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。適当な励起源の他の例は、2015年8月7日に出願された、「分子のプロービング、検出、及び分析のための集積機器(INTEGRATED DEVICE FOR PROBING,DETECTING AND ANALYZING MOLECULES)」と題する米国特許出願第14/821,688号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によってと本明細書に援用する。
配列解析モジュール又は機器の個々のピクセルと共に位置付けられる検出器は、ピクセルの対応するサンプルウェルからの発光を検出するように構成され、位置付けられ得る。適当な受光素子の例は、2015年8月7日に出願された、「受信光子を時間ビニングするための集積機器(INTEGRATED DEVICE FOR TEMPORAL BINNING OF RECEIVED PHOTONS)」と題する米国出願第14/821,656号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。幾つかの実施形態において、サンプルウェルとそのそれぞれの受光素子は、共通軸に沿って整合され得る。このようにして、受光素子はピクセルの内のサンプルウェルと重複し得る。
検出された発光の特徴は、その発光に関係するマーカを同定するための指標を提供し得る。このような特徴には何れの適当な種類の特徴も含まれ得て、これには受光素子により検出された光子の到達時間、受光素子が経時的に累積させた光子の量、及び/又は2つ以上の受光素子間の光子の分布が含まれる。幾つかの実施形態において、受光素子は、サンプルの発光に関連する1つ又は複数のタイミング特徴(例えば、発光寿命)の検出を可能にする構成を有し得る。受光素子は、励起光パルスが配列解析機器全体に行き渡った後の光子到達時間の分布を検出し得て、到達時間の分布はサンプルの発光のタイミング特性の指標(例えば、発光寿命の代わりとなるもの)を提供し得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の受光素子は、マーカによる発光の確率の指標(例えば、ルミネッセンス強度)を提供する。幾つかの実施形態において、複数の受光素子は、発光の空間分布を捕捉するような大きさ及び配置であり得る。1つ又は複数の受光素子からの出力信号はその後、複数のマーカ間でマーカを区別するために使用され得て、複数のマーカはサンプル内のあるサンプルを同定するために使用され得る。幾つかの実施形態において、サンプルは、複数の励起エネルギで励起され得て、複数の励起エネルギに応答してサンプルが発した発光及び/又はタイミング特性は、複数のマーカ間でマーカを区別し得る。
動作においては、サンプルウェル内のサンプルの並行分析が、ウェル内のサンプルの幾つか又は全部を励起光を使って励起させ、受光素子でサンプル発光からの信号を検出することによって行われる。サンプルからの発光は、対応する受光素子により検出され、少なくとも1つの電気信号に変換され得る。電気信号は、配列解析機器の回路構成の中の導電線に沿って送信され得て、これは配列解析機器とインタフェースする器具に接続され得る。電気信号はその後、処理及び/又は分析され得る。電気信号の処理及び/又は分析は、その器具上又は外部の何れかに配置された適当なコンピューティングデバイス上で行われ得る。
器具には、器具及び/又は配列解析機器の動作を制御するためのユーザインタフェースが含まれ得る。ユーザインタフェースは、ユーザが器具の機能を制御するために使用されるコマンド及び/又は設定等の情報を器具に入力できるように構成され得る。幾つかの実施形態において、ユーザインタフェースは、ボタン、スイッチ、ダイヤル、及び/又は音声コマンドのためのマイクロフォンが含まれ得る。ユーザインタフェースにより、ユーザは器具及び/又は配列解析機器の性能に関するフィードバック、例えば適正なアラインメント及び/又は配列解析機器上の受光素子からの読出し信号により得られる情報等を受信することができ得る。幾つかの実施形態において、ユーザインタフェースは、スピーカを使ってフィードバックを提供して音声フィードバックを提供し得る。幾つかの実施形態において、ユーザインタフェースは、ユーザに対して視覚的フィードバックを提供するための表示ランプ及び/又は表示スクリーンを含み得る。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の器具又は機器は、コンピューティングデバイスに接続されるように構成されたコンピュータインタフェースを含み得る。コンピュータインタフェースは、USBインタフェース、FireWire(登録商標)インタフェース、又は他のあらゆる適当なコンピュータインタフェースであり得る。コンピューティングデバイスは、ラップトップ又はデスクトップコンピュータ等の何れの汎用コンピュータでもあり得る。幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、無線ネットワーク上で適当なコンピュータインタフェースを介してアクセス可能なサーバ(例えば、クラウドベースサーバ)であり得る。コンピュータインタフェースは、器具とコンピューティングデバイスとの間の情報の通信を容易にし得る。器具を制御及び/又は構成するための入力情報は、コンピュータインタフェースを介してコンピューティングデバイスに提供され、器具に送信され得る。器具により生成される出力情報は、コンピュータインタフェースを介してコンピューティングデバイスにより受信され得る。出力情報には、器具の性能、配列解析機器の性能に関するフィードバック、及び/又は受光素子の読出し信号から生成されるデータが含まれ得る。
幾つかの実施形態において、器具は処理デバイスを含み得て、これは配列解析機器の1つ又は複数の受光素子から受信したデータを分析し、及び/又は励起源に制御信号を送信するように構成される。幾つかの実施形態において、処理デバイスは、汎用プロセッサ、及び/又は特定用途適合プロセッサ(例えば、1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラコア等の中央処理ユニット(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途集積回路(ASIC)、カスタム集積回路、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又はそれらの組合せ)を含み得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の受光素子からのデータの処理は、器具の処理デバイスと外部コンピューティングデバイスの両方により実行され得る。他の実施形態において、外部コンピューティングデバイスは省略され得て、1つ又は複数の受光素子からのデータの処理は、配列解析素機器の処理デバイスのみによって実行され得る。
幾つかの実施形態によれば、標的分子又は複数の分子を含むサンプルをルミネッセンス放出特性に基づいて分析するように構成された器具は、異なる発光性分子間のルミネッセンス寿命及び/又は強度の差、及び/又は異なる環境中の同じ発光性分子の寿命及び/又は強度の差を検出し得る。本発明者らは、ルミネッセンス放出寿命の差は、異なる発光性分子の有無を区別し、及び/又は発光性分子がさらされる環境又は条件の差を区別するために使用できることに気付き、そのように認識した。幾つかのケースでは、発光性分子を(例えば、発光波長ではなく)寿命に基づいて区別することによって、システムの局面を簡素化できる。ある例として、寿命に基づいて発光性分子を識別する場合、波長判別光学系(例えば、波長フィルタ、各波長の専用検出器、異なる波長の専用パルス光源、及び/又は回折光学系)の数を減らし、又はなくし得る。幾つかのケースにおいて、1つの固有波長で動作する1つのパルス光源を使って、光スペクトルの同じ波長領域内で発光するが、その寿命の違いは測定可能な程度である異なる発光性分子を励起し得る。異なる波長で動作する複数の光源ではなく、1つのパルス光源を使って同じ波長領域内で発光する異なる発光性分子を励起させ、区別する分析システムでは、動作と保守の複雑さが軽減され得、より小型であり得、より低コストで製造され得る。
ルミネッセンス寿命分析に基づく分析システムには特定の利点があり得るものの、分析システムにより得られる情報量及び/又は検出の正確さは、さらに多くの検出技術を利用可能とすることによって増大し得る。例えば、システムの幾つかの実施形態は、追加的に、サンプルの1つ又は複数の特性をルミネッセンス波長及び/又はルミネッセンス強度に基づいて区別するように構成され得る。幾つかの実装例において、ルミネッセンス強度は追加的又は代替的に、異なる発光性標識を区別するために使用され得る。例えば、幾つかの発光性標識は、それらの減衰率は同様であり得るものの、有意に異なる強度で発光し、又はそれらの励起可能性においで有意な差(例えば、少なくとも約35%の差)を有し得る。測定可能な励起光に対するビニングされた信号を参照することにより、強度レベルに基づいて異なる発光性標識を区別することが可能であり得る。
幾つかの実施形態によれば、異なるルミネッセンス寿命は、発光性標識の励起後にルミネッセンス発出イベントを時間ビニングするように構成された受光素子により区別され得る。時間ビニングは、その受光素子に関する1電荷蓄積サイクル中に行われ得る。電荷蓄積サイクルは読出しイベント間の間隔であり、その間に光生成キャリアが時間ビニング受光素子のビン内に蓄積される。時間ビニング受光素子の例は、2015年8月7日に出願された、「受信光子の時間ビニングのための集積装置(INTEGRATED DEVICE FOR TEMPORAL BINNING OF RECEIVED PHOTONS)」と題する米国特許出願第14/821,656号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。幾つかの実施形態において、時間ビニング受光素子は、光子吸収/キャリア生成領域内で電荷キャリアを生成し、電気キャリアを電荷キャリア蓄積領域内の電荷キャリア蓄積ビンに直接伝送し得る。このような実施形態において、時間ビニング受光素子は、キャリア移動/捕捉領域を含まなくてもよい。このような時間ビニング受光素子は、「直接ビニングピクセル」と呼ばれ得る。直接ビニングピクセルを含む時間ビニング受光素子の例は、2017年12月22日に出願された、「直接ビニングピクセルを備える集積受光素子(INTEGRATED PHOTODETECTOR WITH DIRECT BINNING PIXEL)」と題する米国特許出願第15/852,571号明細書に記載されており、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
幾つかの実施形態において、異なる数の同じ種類の蛍光体が標的分子(例えば、標的核酸又は標的タンパク質)又はサンプル中に存在する複数の分子(例えば、複数の核酸又は複数のタンパク質)の異なる成分に結合され得て、それによって個々の分子のそれぞれがルミネッセンス強度に基づいて同定され得る。例えば、2つの蛍光体が第一の標識分子に結合され得、4つ以上の蛍光体が第二の標識分子に結合され得る。蛍光体の数の違いにより、異なる分子に関連する励起及び蛍光体発光確率が異なり得る。例えば、信号蓄積間隔中の第二の標識分子についての発光イベントはより多く生じ得て、それによってそのビンの見かけ上の強度は、第一の標識分子より有意に高い。
本発明者らは、核酸又はタンパク質を蛍光体減衰速度及び/又は蛍光体強度に基づいて区別することにより、光学励起及び検出システムの簡略化が可能となり得ることに気付き、そのように認識した。例えば、光学励起は、1波長光源(例えば、複数の光源又は複数の異なる固有波長で動作する光源ではなく、1つの固有波長を生成する光源)を用いて実行され得る。それに加えて、検出システムに波長判別光学系及びフィルタが不要となり得る。また、1つの受光素子が各サンプルウェルについて使用されて、異なる蛍光体からの発光を検出し得る。「固有波長」又は「波長」という語句は、限定的な放射バンド幅内の中央又は主要波長を指すために使用される。例えば、限定的な放射バンド幅は、パルス光源により出力される20nmバンド幅内に中央又はピーク波長を含み得る。幾つかのケースにおいて、「固有波長」又は「波長」は、光源により出力される放射バンド幅全体の中のピーク波長を指すために使用され得る。
配列解析のための器具及びチップを含む例示的実施形態
前述のように、本明細書に記載のシステム及び機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ、モジュール)は、各種の分析機械(例えば、検出モジュール)の何れを用いた各種の用途(例えば、分析応用)の何れにも使用できる。例示のために、下記は幾つかの実施形態による、本開示の蠕動ポンプに連結できる配列解析(例えば、ゲノム配列解析又はタンパク質配列解析)用の例示的な機器及び対応するチップを説明する。
前述のように、本明細書に記載のシステム及び機器(例えば、装置、カートリッジ、ポンプ、モジュール)は、各種の分析機械(例えば、検出モジュール)の何れを用いた各種の用途(例えば、分析応用)の何れにも使用できる。例示のために、下記は幾つかの実施形態による、本開示の蠕動ポンプに連結できる配列解析(例えば、ゲノム配列解析又はタンパク質配列解析)用の例示的な機器及び対応するチップを説明する。
幾つかの実施形態において、検出モジュールは、使い捨てチップ構造を使用する1つ又は複数の検出プロセスを実行するように構成された器具である。理解すべき点として、使い捨てチップ構造を使用する検出プロセスに関する以下の説明は単なる例にすぎず、限定的ではなく、検出のための様々な他の適当な器具及びチップ設計の何れも使用できる。例えば、特定の実施形態によれば、使い捨てではないチップを用いた検出プロセスも想定される。他の例として、幾つかの実施形態において、検出用器具(例えば、検出モジュール)にはチップが必要ですらなく、その代わりに、オプトエレクトロニック回路、半導体基板、及びピクセル自体等の検出コンポーネント(例えば、フォトニック素子)を含み得、一部では、このようなコンポーネントがチップの部品ではないようにし得る。特定の数のフォトニック素子(例えば、半導体基板、ピクセル)を含む特定のチップが以下に説明され、例示されているが、理解すべき点として、チップ(又は器具)は要望に応じて多くの又は少ないフォトニック素子を含み得る。
幾つかの実施形態による使い捨てチップのための例示的な構造4-100が図5に示されている。使い捨てチップ構造4-100はバイオオプトエレクトロニックチップ4-110を含み得て、これは半導体基板4-105を有し、基板上に形成された複数のピクセル4-140を含む。幾つかの実施形態において、行又は列の導波路4-115があり得、これは行又は列のピクセル4-140に励起放射を提供する。励起放射は、例えば光学ポート4-150を通じて導波路に結合され得る。幾つかの実施形態において、格子カプラがバイオオプトエレクトロニックチップ4-110の表面上に形成され得て、励起放射を集束ビームから、複数の導波路4-115に接続される1つ又は複数の受光導波路へと結合する。
使い捨てチップ構造4-100は、バイオオプトエレクトロニックチップ4-110の上のピクセル領域の周囲に形成される壁4-120をさらに含み得る。壁4-120は、バイオオプトエレクトロニックチップ4-110を支持するプラスチック又はセラミックケーシングの一部であり得る。壁4-120は、少なくとも1つのリザーバ4-130を形成し得て、その中に少なくとも1つのサンプルがセットされて、バイオオプトエレクトロニックチップ4-110の表面上の反応チャンバと直接接触し得る。壁4-120は、リザーバ4-130内のサンプルが例えば光学ポート4-150及び格子カプラを含む領域の中へと流れるのを防止し得る。幾つかの実施形態において、使い捨てチップ構造4-100は、使い捨てチップの外面上の電気コンタクトとパッケージ内の相互配線をさらに含み得て、バイオオプトエレクトロニックチップ4-110上の回路構成と、その中に使い捨てチップが取り付けられる器具内の回路構成との間の電気接続を確立させることができる。
幾つかの実施形態において、半導体吸収素子は、図5に示されるような使い捨てチップ構造の中の各ピクセルに組み込まれ得るが、半導体吸収素子は本明細書で示され、説明されるアセンブリへの統合のみに限定されない。本実施形態の半導体吸素子はまた、光導波路を含まない、及び/又は反応チャンバを含まない他の半導体デバイスにも組み込まれ得る。例えば、本実施形態の半導体吸収素子は、ある範囲にわたる1つ又は複数の波長の除去が望ましい光センサに組み込まれ得る。幾つかの実装例において、本実施形態の半導体吸収素子は、CCD及び/又はCMOSイメージングアレイに組み込まれ得る。例えば、半導体吸収素子は、イメージングアレイ内の1つ又は複数のピクセルにおけるフォトダイオード上に形成され得て、それによって吸収素子はフォトダイオードにより受け取られた放射をフィルタ処理する。このようなイメージングアレイは例えば蛍光顕微鏡イメージングで使用され得て、その場合、励起放射は半導体吸収素子により優先的に減衰させられる。
幾つかの実装例によれば、アセンブリに組み込まれた半導体吸収素子の除去比Rrの値は10~100とすることができる。幾つかの実装例において、除去比Rrの値は100~500とすることができる。幾つかのケースでは、除去比Rrの値は500~1000とすることができる。幾つかの実装例において、除去比Rrの値は1000~2000とすることができる。幾つかの実装例において、除去比Rrの値は2000~5000とすることができる。半導体吸収素子の1つの考え得る利点は、除去比Rrが、半導体吸収素子層の厚さを選択することにより、多層フィルタより容易に選択できることである。半導体吸収素子の1つの考え得るその他の利点は、散乱励起放射を(多層フィルタの場合のように)反射するのではなく、吸収することができ、それによってピクセル間のクロストークが低減することである。他の利点は、半導体吸収素子の有効厚さが、半導体吸収層の表面に対する法線から離れた角度で入射する光線のために、半導体吸収層の実際の厚さより大幅に大きくできることである。さらに、前述のように、多層フィルタの性能が構成層の厚さに依存するため、半導体吸収素子の性能は、微細加工の公差による半導体吸収層の厚さのばらつきの影響を受けるには程遠い。
組み込まれた半導体吸収素子を使って、改良された分析器具の中(例えば、本明細書に記載のサンプル調製モジュールに接続された検出モジュールの中)で使用される使い捨てチップ上の反応チャンバから発せられる放射の検出を改善できる例示的な生体分析応用について説明する。例えば、半導体吸収素子は、幾つかのケースにおいて、センサに入射する励起放射を大幅に減らし、ひいては、そうでなければ反応チャンバから発せられる放射を抑圧する可能性のある背景ノイズの検出を格段に減らすことができる。幾つかのケースにおいて、励起放射の除去は、発せられた放射の減衰より800倍大きくすることができ、その結果、センサからの信号対ノイズ比が大幅に改善される。
器具の受容部に取り付けられると、使い捨てチップは改良された分析器具内の光学及び電子装置と光学的及び電気的に通信できる。器具は外部インタフェースのためのハードウェアを含み得て、それによりチップからのデータを外部ネットワークへと通信することができる。実施形態において、「光(学)」という用語は、紫外、可視、近赤外、及び短波長赤外スペクトルバンドを指し得る。各種の分析を各種のサンプルについて実行できるが、以下の説明では、遺伝子配列解析について記されている。しかしながら、本発明は遺伝子配列解析用に構成された器具に限定されない。
全体として、図6Aを参照すると、ポータブルの改良された分析器具5-100は、器具5-100内に交換可能モジュールとして取り付けられる、又はそれ以外に連結される1つ又は複数のパルス光源5-108を含む。ポータブル分析器具5-100は、光学結合システム5-115と分析システム5-160を含むことができる。光学結合システム5-115は、光学コンポーネントの幾つかの組合せ(これは、例えば以下のコンポーネントの何れも含まず、又はその中の1つ、又はその中の2つ以上のコンポーネントを含み得る:レンズ、ミラー、光フィルタ、減衰器、ビーム操作コンポーネント、ビーム成形コンポーネント)を含み、パルス光源5-108からの出力光パルス5-122に対して操作し、及び/又は分析システム5-160へと結合するように構成できる。分析システム5-160は複数のコンポーネントを含むことができ、これらは光パルスをサンプル分析のために少なくとも1つの反応チャンバへと方向付け、1つ又は複数の光信号(例えば、蛍光、後方散乱放射)を少なくとも1つの反応チャンバから受信し、受信した光信号を表す1つ又は複数の電気信号を生成するように配置される。幾つかの実施形態において、分析システム5-160は、1つ又は複数の受光素子を含むことができ、受光素子からの電気信号を処理するように構成された信号処理電子部品(例えば、1つ又は複数のマイクロコントローラ、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ、ロジックゲート等)も含み得る。分析システム5-160はまた、データ送信ハードウェアも含むことができ、これは外部機器(例えば、器具5-100を1つ又は複数のデータ通信リンクを介してそこに接続可能なネットワーク上の1つ又は複数の外部機器)とデータを送受信するように構成される。幾つかの実施形態において、分析システム5-160は、バイオオプトエレクトロニックチップ5-140を受けるように構成でき、それが1つ又は複数の分析対象サンプルを保持する。
図6Bは、小型パルス光源5-108を含むポータブル分析器具5-100のさらに詳細な例を示す。この例において、パルス光源5-108は小型の受動モードロックレーザモジュール5-110を含む。受動モードロックレーザは光パルスを自動的に生成でき、外部パルス信号を印加しなくてよい。幾つかの実装例において、モジュールは、器具の筐体又はフレーム5-102に取り付けることができ、器具の外側ケーシングの中に配置され得る。幾つかの実施形態によれば、パルス光源5-108は、光源を動作させ、光源5-108からの出力ビームに対して作用するために使用できる追加のコンポーネントを含むことができる。モードロックレーザ5-110は、レーザキャビティ内の、又はレーザキャビティに連結された素子(例えば、可飽和吸収素子、音響光モジュレータ、カーレンズ)を含み得て、それがレーザの縦周波数モードのフェーズロックを誘導する。レーザキャビティは一部に、キャビティエンドミラー5-111、5-119により画定可能である。周波数モードのこのようなロックにより、レーザのパルス動作が得られ(例えば、キャビティ内パルス5-120はキャビティエンドミラー間で跳ね返る)、部分的に透過性を有する一方のエンドミラー5-111から出力光パルス5-122のストリームが生成される。
幾つかのケースにおいて、分析器具5-100は、取外し可能なパッケージされたバイオオプトエレクトロニック又はオプトエレクトロニックチップ5-140(「使い捨てチップ」とも呼ばれる)を受けるように構成される。使い捨てチップは、例えば図4に示されるようなバイオオプトエレクトロニックチップ4-110を含むことができ、これは複数の反応チャンバ、光励起エネルギを反応チャンバに送達するように配置された集積光学コンポーネント、及び反応チャンバからの蛍光発光を検出するように配置された集積受光素子を含む。幾つかの実装例において、チップ5-140は、1回使用した後に処分可能であるが、他の実装例では、チップ5-140は2回以上再使用可能である。チップ5-140は、器具5-100により受けられると、パルス光源5-108及び分析システム5-160内の装置と電気的及び光学的に通信できる。電気通信は、例えばチップのパッケージ上の電気コンタクトを通じて行われ得る。
幾つかの実施形態において、図6Bに関して、使い捨てチップ5-140は電気回路基板5-130、例えばその他の器具用電子部品を含むことのできるプリント回路基板(PCB)上に(例えば、ソケット接続を介して)装着できる。例えば、PCB5-130は、電力、1つ又は複数のクロック信号、及び制御信号をチップ5-140に提供するように構成された回路構成、及び反応チャンバから検出された蛍光発光を表す信号を受信するように配置された信号処理回路構成を含むことができる。チップ5-140から戻ったデータは、部分的又は全体的に器具5-100上の電子部品により処理できるが、データは幾つかの実装例においては、1つ又は複数のリモートデータプロセッサへとネットワーク接続を介して送信され得る。PCB5-130はまた、チップから、チップ5-140の導波路に結合された光パルス5-122の光学結合及びパワーレベルに関するフィードバック信号を受信するように構成された回路構成を含むこともできる。フィードバック信号は、パルス光源5-108及び、光パルス5-122の出力ビームの1つ又は複数のパラメータを制御するための光学システム5-115の一方又は両方に提供できる。幾つかのケースにおいて、PCB5-130は、光源及び光源5-108内の関連回路構成を動作させるための電源をパルス光源5-108に提供又はルーティングできる。
幾つかの実施形態によれば、パルス光源5-108はコンパクトモードロックレーザモジュール5-110を含む。モードロックレーザは、利得媒体5-105(幾つかの実施形態において、これは固体材料とすることができる)、出力カプラ5-111、及びレーザキャビティエンドミラー5-119を含むことができる。モードロックレーザの光学キャビティは、出力カプラ5-111及びエンドミラー5-119により閉じることができる。レーザキャビティの光軸5-125は、1つ又は複数の折り曲げ部(曲げ部)を有して、レーザキャビティの長さを長くして、所望のパルス繰返し率を提供できる。パルス繰返し率は、レーザキャビティの長さ(例えば、光パルスがレーザキャビティ内を1往復する時間)により決まる。
幾つかの実施形態において、レーザキャビティ内に、ビーム成形、波長選択、及び/又はパルス形成のための追加の光学素子(図6Bでは図示せず)があり得る。幾つかのケースにおいて、エンドミラー5-119は、可飽和吸収ミラー(SAM:saturable-absorber mirror)を含み、これは縦キャビティモードの受動的モードロックを誘導し、モードロックレーザのパルス動作をもたらす。モードロックレーザモジュール5-110は、利得媒体5-105を励起させるためのポンプ源(例えば、図6Bでは図示されないレーザダイオード)をさらに含むことができる。モードロックレーザモジュール5-110のさらに詳しい事柄は、2017年12月15日に出願された、「コンパクトモードロックレーザモジュール(Compact Mode-Locked Laser Module)」と題する米国特許出願第15/844,469号明細書において見ることができ、同出願を参照によって本明細書に援用する。
レーザ5-110がモードロックされると、キャビティ内パルス5-120はエンドミラー5-119と出力カプラ5-111との間で循環することができ、キャビティ内パルスの一部は、出力カプラ5-111を通じて出力パルス5-122として送信され得る。したがって、図6Cのグラフに示されるように、キャビティ内パルス5-120がレーザキャビティ内で出力カプラ5-111とエンドミラー5-119との間で前後に跳ね返る間に、出力パルス5-122のトレインが出力カプラで検出可能である。
図6Cは、出力パルス5-122の時間強度プロファイルを示しているが、図は正確な縮尺によらない。幾つかの実施形態において、発せられるパルスのピーク強度値はほぼ同じであり得、プロファイルはガウス時間プロファイルを有し得るが、sech2プロファイル等の他のプロファイルも可能であり得る。幾つかのケースにおいて、パルスは対称の時間プロファイルを有していなくてもよく、また、他の時間形状も有し得る。各パルスの持続時間は、図6Cに示されるように、半値全幅(FWHM:full-width-half-maximum)値によって特徴付けられ得る。モードロックレーザの幾つかの実施形態によれば、超短光パルスのFWHM値は100ピコ秒(ps)未満とすることができる。幾つかのケースでは、FWHM値は約5ps~約30psとすることができる。
出力パルス5-122は、規則的な間隔Tだけ分離できる。例えば、Tは出力カプラ5-111とキャビティエンドミラー5-119との間の1往復移動時間により決定できる。幾つかの実施形態によれば、パルス分離間隔Tは約1ns~約30nsとすることができる。幾つかのケースで、パルス分離間隔Tは約5ns~約20nsとすることができ、これは約0.7メートルから約3メートルのレーザキャビティの長さ(レーザキャビティ内の光軸5-125のだいたいの長さ)に対応する。実施形態において、パルス分離間隔はレーザキャビティ内の1往復移動時間に対応し、それによってキャビティ長さ3メートル(1往復距離は6メートル)の場合、パルス分離間隔Tは約20nsとなる。
幾つかの実施形態によれば、所望のパルス分離間隔Tとレーザキャビティ長さは、チップ5-140上の反応チャンバの数、蛍光発光特性、及びチップ5-140からデータを読み出すデータハンドリング回路構成の速度の組合せにより決定できる。実施形態において、異なる蛍光体は、それらの蛍光減衰速度又は特徴的寿命の違いにより区別できる。したがって、選択された蛍光体について、それらの異なる減衰速度を区別するための十分な統計を収集するために、十分なパルス分離間隔Tがある必要がある。したがって、パルス分離間隔Tが短かすぎると、データハンドリング回路構成は、多数の反応チャンバにより収集される大量のデータをさばききれない。約5ns~約20nsのパルス分離間隔Tは、減衰速度が約2nsの蛍光体及び約50,000~10,000,000反応チャンバからのデータの扱いにとって適当である。
幾つかの実装例によれば、ビーム操作モジュール5-150はパルス光源5-108からの出力パルスを受信でき、少なくともチップ5-140の光カプラ(例えば、格子カプラ)への光パルスの位置と入射角度を調整するように構成される。幾つかのケースにおいて、パルス光源5-108からの出力パルス5-122はビーム操作モジュール5-150により操作されることができ、追加的又は代替的にチップ5-140上の光カプラにおけるビームの形状及び/又はビームの回転が変更される。幾つかの実装例において、ビーム操作モジュール5-150はさらに、光カプラへの出力パルスのビームの集束及び/又は偏波調整を提供できる。ビーム操作モジュールの一例は、2016年5月20日に出願された、「パルスレーザ及び生体分析システム(Pulsed Laser and Bioanalytic System)」と題する米国特許出願第15/161,088号明細書に記載されており、同出願を参照によって本明細書に援用する。ビーム操作モジュールの他の例は、2016年12月16日に出願された、「コンパクトビーム成形及び操作アセンブリ(Compact Beam Shaping and Steering Assembly)」と題する別の米国特許出願第62/435,679号明細書に記載されており、同出願を参照によって本明細書に援用する。
図6Dを参照すると、パルス光源からの出力パルス5-122は、例えば使い捨てバイオオプトエレクトロニックチップ5-140上の1つ又は複数の光導波路5-312に結合できる。幾つかの実施形態において、光パルスは格子カプラ5-310を介して1つ又は複数の導波路に結合できるが、幾つかの実施形態においては、チップ5-140上の1つ又は複数の光導波路の端への結合が使用できる。幾つかの実施形態によれば、光パルス5-122と格子カプラ5-310との位置合わせを支援するために、四重化検出器5-320が半導体基板5-305(例えば、シリコン基板)上に配置できる。1つ又は複数の導波路5-312と反応チャンバ又は反応チャンバ5-330は、同じ半導体基板上に、基板、導波路、反応チャンバ、及び受光素子5-322間に介在誘電体層(例えば、二酸化シリコン層)を設けて集積できる。
各導波路5-312は、反応チャンバ5-330の下方にテーパ付きの部分5-315を含むことができ、これは導波路に沿った反応チャンバに結合される光パワーを均等化するためである。減少テーパは、導波路の円錐部の外側で強制的に光エネルギがより大きくなるようにして、反応チャンバとの結合を増大させ、反応チャンバへの放射結合の損失を含む導波路沿った光損失を補償できる。第二の格子カプラ5-317は各導波路の端に配置でき、集積されたフォトダイオード5-324へと光エネルギを方向付ける。集積されたフォトダイオードは、導波路に結合されるパワーの量を検出し、検出された信号を例えばビーム操作モジュール5-150を制御するフィードバック回路構成へと提供できる。
反応チャンバ5-330又は反応チャンバ5-330は、導波路のテーパ付き部分5-315と位置合わせされ、タブ5-340の中に入る凹状とすることができる。各反応チャンバ5-330のために半導体基板5-305上に配置された受光素子5-322を設けることができる。幾つかの実施形態において、半導体吸収素子(図6-Fでは光フィルタ5-530として示されている)は、各ピクセルにおいて導波路と受光素子5-322との間に配置され得る。反応チャンバの周囲及び導波路の上に金属コーティング及び/又は多層コーティング5-350を形成して、反応チャンバ内にない(例えば、反応チャンバの上方の溶液中に分散されている)蛍光体の光励起を防止できる。金属コーティング及び/又は多層コーティング5-350は、タブ5-340の縁より高くされ得て、それによって各導波路の入射及び射出端における導波路5-312内の光エネルギの吸収損失が低減する。
チップ5-140上に、複数の行の導波路、反応チャンバ、及び時間ビニング受光素子を設けることができる。例えば、幾つかの実装例においては、128行を設けることができ、各々が512の反応チャンバを有し、反応チャンバの総数は65,536となる。他の実装例は、それより少ない、又は多い反応チャンバを含み得て、その他のレイアウト構成を含み得る。パルス光源5-108からの光パワーは、チップ5-140への光カプラ5-310と複数の導波路5-312との間に配置された1つ又は複数のスターカプラ又はマルチモード干渉カプラを介して、又は他の何れかの手段によって、複数の導波路に分散させることができる。
図6Eは、導波路5-315のテーパ付き部分内の光パルス5-122から反応チャンバ5-330への光エネルギの結合を示している。この図は、導波路の寸法、反応チャンバの寸法、異なる材料の光学特性、及び導波路5-315のテーパ付き部分の反応チャンバ5-330までの距離を考慮した光波の電磁場シミュレーションから生成されたものである。導波路は、例えば二酸化シリコンの周囲媒質5-410の中に窒化シリコンで形成できる。導波路、周囲媒質、及び反応チャンバは、2015年8月7日に出願された、「分子のプロービング、検出、及び分析のための集積機器(Integrated Device for Probing,Detecting and Analyzing Molecules)」と題する米国特許出願第14/821,688号明細書に記載された微細加工プロセスにより形成でき、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。幾つかの実施形態によれば、エバネッセント光学場5-420は、導波路により運ばれた光エネルギを反応チャンバ5-330に結合する。
反応チャンバ5-330内で起こる生物学的反応の非限定的な例が図6Fに示されている。この例は、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体が、伸長する、標的核酸と相補的な鎖に逐次的に取り込まれることを示している。逐次的な取込みは、反応チャンバ5-330で起こることができ、DNAの配列を解析するための改良された分析器具により検出できる。反応チャンバの深さは約150nm~約250nmであり、直径は約80nm~約160nmとすることができる。金属化層5-540(例えば、基準電位のための金属化)を受光素子5-322の上方にパターニングして、隣接する反応チャンバ及びその他の望ましくない放射源からの迷光放射を遮断する絞り又はアイリスを提供することができる。幾つかの実施形態によれば、ポリメラーゼ5-520を反応チャンバ5-330の中に配置できる(例えば、チャンバの底部に取り付ける)。ポリメラーゼは、標的核酸5-510(例えば、DNAから得られた核酸の一部)を抽出し、核酸の相補伸長鎖を配列し、DNA 5-512の伸長鎖を生成することができる。異なる蛍光体で標識されたヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を反応チャンバの上方及びその中の溶液中に分散させることができる。
標識ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体5-610が相補的核酸の伸長鎖に取り込まれると、図6Gに示されるように、1つ又は複数の付着した蛍光体5-630は、導波路5-315から反応チャンバ5-330内へと結合された光エネルギのパルスにより繰返し励起させることができる。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の蛍光体5-630は、1つ又は複数のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体5-610に何れかの適当なリンカ5-620を用いて付着させることができる。取込みイベントは、最大約100msの期間にわたり継続し得る。この間に、モードロックレーザからのパルスによる蛍光体の励起から得られる蛍光発光のパルスは、例えば時間ビニング受光素子5-322により検出できる。幾つかの実施形態において、各ピクセルに、信号ハンドリング(例えば、増幅、読出し、ルーティング、信号前処理等)のための1つ又は複数の追加の集積電子機器5-323を設けることができる。幾つかの実施形態によれば、各ピクセルは少なくとも1つの光フィルタ5-530(例えば、半導体吸収素子)を含むことができ、これは蛍光発光を透過させ、励起パルスからの放射の透過を低減させる。幾つかの実装例は、光フィルタ5-530を使用しなくてよい。異なる発光特性(例えば、蛍光減衰速度、強度、蛍光波長)を有する蛍光体を異なるヌクレオチド(A、C、G、T)に取り付け、DNA 5-512の鎖が核酸を取り込んでいる間に異なる発光特性を検出及び区別することで、DNAの伸長鎖の遺伝子配列の特定が可能となる。
幾つかの実施形態によれば、サンプルを蛍光発光特性に基づいて分析するように構成される改良された分析器具5-100は、異なる蛍光分子間の蛍光寿命及び/又は強度の差及び/又は異なる環境中の同じ蛍光分子の寿命及び/又は強度の差を検出できる。説明のために、図6Hは、2つの異なる蛍光発光確率曲線(A及びB)をプロットしたものであり、これらは例えば2つの異なる蛍光分子からの蛍光発光を表すことができる。曲線A(破線)に関して、短又は超短光パルスにより励起された後、第一の分子からの蛍光発光の確率pA(t)は図のように時間と共に減衰し得る。幾つかのケースにおいて、光子発出確率の経時的な低下は、指数減衰関数
pA(t)=PA0e-t/τ1
により表現でき、式中PA0は初期発光確率であり、τ1は発光減衰確率を特徴付ける第一の蛍光分子に関連する時間パラメータである。τ1は、第一の蛍光分子の「蛍光寿命」、「発光寿命」、又は「寿命」と呼ばれ得る。幾つかのケースにおいて、τ1の値は、蛍光分子の局所的環境により変化する可能性がある。他の蛍光分子は、曲線Aの中に示されるものとは異なる発光特性を有する可能性がある。例えば、他の蛍光分子は、1つの指数関数減衰とは異なる減衰プロファイルを有する可能性があり、その寿命は、半減期の値又は他の何らかのメトリクスにより特徴付けることができる。
pA(t)=PA0e-t/τ1
により表現でき、式中PA0は初期発光確率であり、τ1は発光減衰確率を特徴付ける第一の蛍光分子に関連する時間パラメータである。τ1は、第一の蛍光分子の「蛍光寿命」、「発光寿命」、又は「寿命」と呼ばれ得る。幾つかのケースにおいて、τ1の値は、蛍光分子の局所的環境により変化する可能性がある。他の蛍光分子は、曲線Aの中に示されるものとは異なる発光特性を有する可能性がある。例えば、他の蛍光分子は、1つの指数関数減衰とは異なる減衰プロファイルを有する可能性があり、その寿命は、半減期の値又は他の何らかのメトリクスにより特徴付けることができる。
第二の蛍光分子は、図6Hの曲線Bについて示されているように、指数関数的な減衰プロファイルpB(t)を有し得るが、測定可能な程度に異なる寿命τ2を有する。図の例において、曲線Bの第二の蛍光分子の寿命は曲線Aに関する寿命より短く、発光確率pB(t)は、第二の分子の励起後、曲線Aより早く、より高くなる。各種の蛍光分子は、幾つかの実施形態において、約0.1ns~約20nsの範囲の寿命又は半減期の値を有することができる。
蛍光発光寿命の差は、異なる蛍光分子の有無を判別し、及び/又は蛍光分子がさらされる異なる環境又は条件を判別するために使用できる。幾つかのケースにおいて、蛍光分子を(例えば発光波長ではなく)寿命に基づいて判別することにより、分析器具5-100の局面を簡素化できる。ある例として、蛍光分子を寿命に基づいて区別する場合、波長判別光学系(例えば、波長フィルタ、各波長の専用検出器、異なる波長での専用パルス光源、及び/又は回折光学系)の数を減らすか、又はなくすことができる。しかしながら、理解すべき点として、本例示的実施形態では蛍光寿命による区別が詳しく説明されているものの、本明細書で概説される配列解析プロセスでは、異なる分子の有無を判別する、及び/又は蛍光分子がさらされる異なる環境又は条件を判別するための他の方法が使用可能である。例えば、幾つかの実施形態において、蛍光分子は蛍光寿命ではなく発光波長に基づいて判別される。幾つかのケースにおいて、1つの固有波長で動作する1つのパルス光源を使って、光スペクトルの同じ波長領域内で発光するが、測定可能な程度に異なる寿命を有する異なる蛍光分子を励起させることができる。同じ波長領域で発光する異なる蛍光分子を励起させ、区別するために、異なる波長で動作する複数の光源ではなく、1つのパルス光源を使用する分析システムは、動作及び保守の複雑さが軽減され、より小型化が可能であり、また、より低コストで製造できる。
蛍光寿命分析に基づく分析システムには特定の利点がある可能性があるが、分析システムにより得られる情報量及び/又は検出の正確さは、追加の検出技術を利用可能とすることによって増大できる。例えば、幾つかの分析システム5-160は追加的に、標本の1つ又は複数の特性を蛍光波長及び/又は蛍光強度に基づいて区別するように構成できる。
再び図6Hを参照すると、幾つかの実施形態によれば、異なる蛍光寿命は、蛍光分子の励起後の蛍光発光イベントを時間ビニングするように構成される受光素子を用いて区別できる。時間ビニングは、受光素子に関する1電荷蓄積サイクル中に行われ得る。電気蓄積サイクルは、読出しイベント間の間隔であり、その間に光により生成されたキャリアが時間ビニング受光素子のビンの中に蓄積される。発光イベントを時間ビニングすることにより蛍光寿命を特定するというコンセプトを、図6Iでグラフにより紹介する。t1直前の時間teで、ある蛍光分子又は同じ種類(例えば、図6Hの曲線Bに対応する種類)の蛍光分子アンサンブルが短又は超短光パルスにより励起される。大型の分子アンサンブルの場合、発光強度は図6Iに示されるように曲線Bと同様の時間プロファイルを有する可能性がある。理解すべき点として、この例示的な実施形態では、蛍光分子をビニングに基づいて区別する特定の方法が詳しく説明されているが、本明細書において概説する配列解析プロセスでは、蛍光寿命を特定し、区別するその他の方法もまた可能である。例えば、幾つかの実施形態において、蛍光寿命は1波長振幅法(例えば、励起後の時間に応じた1波長での発光振幅をモニタすることによる)を使って特定される。
しかしながら、1つの分子又は少数の分子の場合、蛍光光子の発出は、この例では図6Hの曲線Bの統計にしたがって発生する。時間ビニング受光素子5-322は、発光イベントから生成されたキャリアを異なる時間ビンに蓄積させることができる。図6Iにおいては3つのビンが示されているが、実施形態においてはそれより少ないビン又はそれより多いビンも使用され得る。ビンは、蛍光分子の励起時間teに関して時間的に分解される。例えば、第一のビンは時間teにおける励起イベント以降に発生する時間t1及びt2間の間隔中に生成されたキャリアを蓄積できる。第二のビンは、時間t2及びt3間の間隔中に生成されたキャリアを蓄積でき、第三のビンは時間t3及びt4間の間隔中に生成されたキャリアを蓄積できる。多くの発光イベントが合算されると、時間ビン内に蓄積されたキャリアは、図6Iに示される減衰強度曲線を概算でき、ビニングされた信号を使って異なる蛍光分子又は蛍光分子が置かれる異なる環境を区別できる。
時間ビニング受光素子5-322の例は、2015年8月7日に出願された、「受光光子の時間ビニングのための集積機器(Integrated Device for Temporal Binning of Received Photons)」と題する米国特許出願第14/821,656号明細書及び2017年12月22日に出願された、「直接ビニングピクセルを備える集積受光素子(Integrated Photodetector with Direct Binning Pixel)」と題する米国特許出願第15/852,571号明細書に記載されており、両出願の全体を参照によって本明細書に援用する。説明のために、時間ビニング受光素子の非限定的な実施形態が図6Jに示されている。1つの時間ビニング受光素子5-322は、光子吸収/キャリア生成領域5-902、キャリア放電チャネル5-906、及び複数のキャリア蓄積ビン5-908a、5-908bを含むことができ、これらは全て半導体基板上に形成される。キャリア輸送チャネル5-907は、光子吸収/キャリア生成領域5-902とキャリア蓄積ビン5-908a、5-908bとの間に接続できる。図の例において、2つのキャリア蓄積ビンが示されているが、それより多く、又は少なくてもよい。キャリア蓄積ビンに接続された読出しチャネル5-910が存在し得る。光子吸収/キャリア生成領域5-902、キャリア放電チャネル5-906、キャリア蓄積ビン5-908a、5-908b、及び読出しチャネル5-910は、半導体への局所的ドーピング及び/又は、受光能力、閉じ込め、及びキャリア輸送のために隣接する絶縁領域を形成することによって形成できる。時間ビニング受光素子5-322はまた、基板上に形成された複数の電極5-920、5-921、5-922、5-923、5-924も含むことができ、これらは機器内に機器を通じてキャリアを輸送するための電場を生成するように構成される。
動作中、パルス光源5-108(例えば、モードロックレーザ)からの励起パルス5-122の一部分が反応チャンバ5-330へと時間ビニング受光素子5-322上で送達される。当初、幾つかの励起放射光子5-901が光子吸収/キャリア生成領域5-902に到達し、キャリア(薄い影付きの円)を生成し得る。また、幾つかの蛍光発光光子5-903は、励起放射光子5-901と共に到達し、対応するキャリア(濃い影付きの円)を生成する可能性もある。当初、励起放射により生成されるキャリアの数は、蛍光発光により生成されるキャリアの数より多すぎる可能性がある。時間間隔|te-t1|中に生成された初期キャリアは、例えば第一の電極5-920でこれらをキャリア放電チャネル5-906へとゲーティングすることによって除去できる。
その後、ほとんどの蛍光発光光子5-903が光子吸収/キャリア生成領域5-902に到達し、キャリア(濃い影付きの円で示される)を生成し、それが反応チャンバ5-330からの蛍光発光を表す有益で検出可能な信号を提供する。幾つかの検出方法によれば、第二の電極5-921と第三の電極5-923は、その後の時点で、その後に(例えば、第二の時間間隔|t1-t2|中に)生成されるキャリアを第一のキャリア蓄積ビン5-908aへと向けるようにゲート動作させることができる。その後、第四の電極5-922と第五の電極5-924は、その後の時点で(例えば、第三の時間間隔|t2-t3|中に)キャリアを第二のキャリア蓄積ビン5-908bへと向けるようにゲート動作させることができる。電荷蓄積は、このようにして励起パルス後、多数の励起パルスについて継続されて、十分な数のキャリアと信号レベルを各キャリア蓄積ビン5-908a、5-908bに蓄積させることができる。後の時点で、信号をビンから読み出すことができる。幾つかの実装例において、各蓄積ビンに対応する時間間隔はサブナノ秒の時間スケールであるが、幾つかの実施形態では(例えば、蛍光体がより長い減衰時間を有する実施形態では)より長い時間スケールを使用できる。
励起イベント(例えば、パルス光源からの励起パルス)の後にキャリアを生成し、時間ビニングするプロセスは、1つの励起パルスの後に1回生じさせることも、又は時間ビニング受光素子5-322のための1電荷蓄積サイクル中に複数の励起パルス後に複数回繰り返すこともできる。電気蓄積が完了した後、キャリアを読出しチャネル5-910を介して蓄積ビンから読み出すことができる。例えば、適当なバイアシングシーケンスを電極5-923、5-924、及び少なくとも電極5-940に印加して、蓄積ビン5-908a、5-908bからキャリアを取り出すことができる。電気蓄積及び読出しプロセスは、チップ5-140上で超並行動作で行うことができ、その結果、データフレームが得られる。
図6Jに関連して説明する例は複数の電荷蓄積ビン5-908a、5-908bを含んでいるが、幾つかのケースでは、その代わりに1つの電気蓄積ビンが使用され得る。例えば、ビン1のみが時間ビニング受光素子5-322の中に存在し得る。このようなケースでは、1つの蓄積ビン5-908aを、異なる励起イベント後の異なる時間間隔を見るように可変的時間ゲート式に動作させることができる。例えば、第一の一連の励起パルス中のパルスの後に、蓄積ビン5-908aのための電極を、第一の時間間隔中(例えば、第二の時間間隔|t1-t2|中)に生成された電荷を収集するようにゲート動作させることができ、蓄積された信号は、第一の所定の数のパルスの後に読み出すことができる。同じ反応チャンバ内で次の一連の励起パルス内のパルス後に、蓄積ビン5-908aのための同じ電極は、別の間隔中(例えば、第三の時間間隔|t2-t3|中)に生成されたキャリアを収集するようにゲート動作させることができ、蓄積された信号は第二の所定の数のパルスの後に読み出すことができる。キャリアは、必要に応じて同様の方法でその後の時間間隔中に収集できる。このように、1つのキャリア蓄積ビンを使って、反応チャンバへの励起パルスの到達後の異なる時間間隔中の蛍光発光に対応する信号レベルを生成できる。
電荷蓄積が励起後の異なる時間間隔についてどのように行われるかに関係なく、読み出される信号は、例えば蛍光発光減衰特性を表すビンのヒストグラムを提供できる。例示的なプロセスが図6K及び図6Lに示されており、この場合、2つのキャリア蓄積ビンが反応チャンバからの蛍光発光を取得するために使用されている。ヒストグラムのビンは、反応チャンバ5-330内の蛍光体の励起後の各時間間隔中に検出された光子の数を示すことができる。幾つかの実施形態において、ビンのための信号は、図6Kに示されるように、多数の励起パルスの後に蓄積される。励起パルスは、時間te1、te2、te3、...teNで発生することができ、これらはパルス間隔時間Tだけ離れている。幾つかのケースにおいて、反応チャンバ内で観察される1つのイベント(例えば、DNA分析中の1回のヌクレオチド組み込みイベント)に関する電子蓄積ビンの中の信号の蓄積中に、105~107の励起パルス5-122(又はその一部)が反応チャンバに印加され得る。幾つかの実施形態において、1つのビン(ビン0)は、各光パルスで送達される励起エネルギの振幅を検出するように構成でき、基準信号として使用され得る(例えば、データを正規化するため)。他のケースでは、励起パルスの振幅は安定で、信号取得中に1回又は複数回特定され、各励起パルス後には特定されず、それによって各励起パルス後にビン0の信号取得は行われない。このようなケースでは、励起パルスにより生成されるキャリアは、図6Jに関連して説明したように、除去して、光子吸収/キャリア生成領域5-902から廃棄できる。
幾つかの実装例において、図6Kに示されるように、1つの励起イベント後に1つの光子だけが蛍光体から放出され得る。時間te1での第一の励起イベントの後、時間tf1での光子放出は第一の時間間隔の中で(例えば、時間t1からt2の間に)発生し得るため、その結果として得られる電子信号が第一の電子-蓄積ビン(ビン1に寄与)内に蓄積される。その後の時間te2における励起イベントでは、時間tf2での光子放出は第二の時間間隔中に(例えば、時間t2からt3の間)に発生し得て、その結果として得られる電子信号はビン2に寄与する。時間te3での次の励起イベントの後、光子は時間tf3で放出され、第一の時間間隔中に生じ得る。
幾つかの実装例において、反応チャンバ5-330で各励起パルスが受け取られた後に蛍光光子が放出及び/又は検出されないことがあり得る。幾つかのケースにおいて、反応チャンバに送達される励起パルス10,000ごとに反応チャンバで検出される蛍光光子はわずか1つとすることができる。モードロックレーザ5-110をパルス励起源5-108として実装する1つの利点は、モードロックレーザが高い強度と、高いパルス繰返し率(例えば、50MHz~250MHz)での速いターンオフ時間を有する短い光パルスを生成できることである。このように高いパルス繰返し率では、10ミリ秒の電気蓄積間隔中の励起パルスの数は50,000~250,000とすることができ、検出可能な信号を蓄積できる。
多数の励起イベント及びキャリア蓄積の後、時間ビニング受光素子5-322のキャリア蓄積ビンを読み出して、反応チャンバに関する多値信号(例えば、2つ以上の値のヒストグラム、N次元ベクトル等)を提供できる。各ビンの信号値は、蛍光体の減衰速度に依存する可能性がある。例えば、再び図6Iを参照すると、減衰曲線Bの蛍光体は、そのビン1対ビン2の信号比が減衰曲線Aの蛍光体より高くなる。ビンからの値を分析し、較正値と、及び/又は相互に比較して、存在する特定の蛍光体を特定することができる。配列解析の応用では、蛍光体の同定により、例えばDNAの伸長鎖の中に取り込まれているヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を特定できる。他の用途では、蛍光体の同定により、蛍光体にリンクされているか、又はその蛍光体で標識され得る関心対象の分子又は標本の識別を特定できる。
信号分析の理解をさらに助けるために、蓄積されたマルチビンの値を、例えば図6Lに示されるようなヒストグラムとしてプロットするか、又はN次元空間内のベクトル若しくは位置として記録することができる。較正ランを別々に実行して、4つのヌクレオチド又はヌクレオチド類似体にリンクされる4種類の蛍光体に関する多値信号のための較正値(例えば、較正ヒストグラム)を取得することができる。ある例として、較正ヒストグラムは、図6M(Tヌクレオチドに関連する蛍光標識)、図6N(Aヌクレオチドに関連する蛍光標識)、図6O(Cヌクレオチドに関連する蛍光標識)、及び図6P(Gヌクレオチドに関連する蛍光標識)に示されるようになり得る。測定された多値信号(図6Lのヒストグラムに対応する)と較正多値信号との比較により、DNAの伸長鎖に組み込まれているヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の「T」(図6K)を特定できる。
幾つかの実装例において、追加的又は代替的に、蛍光強度を使って異なる蛍光体を区別することができる。例えば、幾つかの蛍光体は、それらの減衰速度は同程度であっても、有意に異なる強度で発光し得るか、又はそれらの励起確率が有意に異なり得る(例えば、少なくとも約35%の差)。測定された励起エネルギに対するビニングされた信号(ビン5-3)及び/又はその他の取得信号を参照すると、異なる蛍光体を強度レベルに基づいて区別することが可能である可能性がある。
幾つかの実施形態において、同じ種類の異なる数の蛍光体を異なるヌクレオチド又はヌクレオチド類似体にリンクさせることができ、それによってヌクレオチドは蛍光体の強度に基づいて同定できる。例えば、2つの蛍光体を第一のヌクレオチド(例えば、「C」)又はヌクレオチド類似体にリンクさせることができ、4つ以上の蛍光体を第二のヌクレオチド(例えば、「T」)又はヌクレオチド類似体にリンクさせることができる。蛍光体の数が異なるため、異なるヌクレオチドに関連する励起及び蛍光発光の確率は異なり得る。例えば、信号取得間隔中に「T」ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の場合はより多くの発光イベントがあり、それによってビンの見かけ上の強度は、「C」ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体より有意に高い。
ヌクレオチド又はその他の種類の生物学的若しくは化学的表面を蛍光体減衰速度及び/又は蛍光体強度に基づいて区別することによって分析器具5-100の中の励起及び検出システムを簡素化できる。例えば、光励起は1つの波長源(例えば、複数の光源又は複数の異なる固有波長で動作する1つの光源ではなく、1つの固有波長を生成する光源)で実行できる。それに加えて、検出システム内では異なる波長の蛍光体を区別するための波長判別光学系及びフィルタが不要となり得る。また、各反応チャンバについて1つの受光素子を使用して、異なる蛍光体からの発光を検出することができる。
約560nm~約900nmの範囲の発光波長を有する蛍光体は、時間ビニング受光素子(CMOSプロセスを利用してシリコンウェハ上に製作できる)により検出されるのに十分な量の蛍光を提供できる。これらの蛍光体は、遺伝子配列解析応用のためのヌクレオチド又はヌクレオチド類似体等の関心対象の生物学的分子にリンクさせることができる。この波長範囲の蛍光発光は、シリコンベースの受光素子において、より長い波長の蛍光発光より高い応答性で検出できる。それに加えて、この波長範囲での蛍光体及び関連するリンカは、DNAの伸長鎖内へのヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の組み込みの障害とはならない可能性がある。幾つかの実装例において、発光波長が約560nm~約660nmの蛍光体は1波長光源で光学的に励起できる。この範囲の例示的な蛍光体は、マサチューセッツ州ウォルサムのサーモ・フィッシャ・サイエンティフィック・インコーポレーテッド(Thermo Fisher Scientific Inc.)から入手可能なAlexa Fluor 647である。より短い波長(例えば、約500nm~約650nm)の励起エネルギは、約560nm~約900nmで発光する蛍光体を励起させるために使用され得る。幾つかの実施形態において、時間ビニング受光素子は、例えばGe等の他の物質を受光素子の活性領域に組み込むことによって、反応チャンバからのより長い波長発光を効率的に検出できる。
2019年10月29日に出願された、「流体の蠕動運動式送出並びに関連する方法、システム、及び機器(Peristaltic Pumping of Fluids and Associated Methods,Systems,.and Devices)」と題する米国仮特許出願第62/927,385号明細書及び2019年10月29日に出願された、「生体分析応用のための流体の蠕動運動式送出並びに関連する方法、システム、及び機器(Peristaltic Pumping of Fluids For Bioanalytical Applications and Associated Methods,Systems,and Devices)」と題する米国仮特許出願第62/927,405号明細書は各々、あらゆる目的のためにその全体が参照によって本明細書に援用される。
以下の例は、幾つかの実施形態による、蠕動ポンプを形成する例示的な装置とカートリッジを示す。
図7Aは、幾つかの実施形態による、蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の上面概略図である。図7Bは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びテストカートリッジ1100の、図7Aの断面A-Aから図7Aの断面A-Aを指す矢印の方向に見た側面概略図である。図7Cは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の他の断面概略図である。図7Dは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の概略斜視図である。
図7Aは、幾つかの実施形態による、蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の上面概略図である。図7Bは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びテストカートリッジ1100の、図7Aの断面A-Aから図7Aの断面A-Aを指す矢印の方向に見た側面概略図である。図7Cは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の他の断面概略図である。図7Dは、幾つかの実施形態による、図7Aの蠕動ポンプを形成する装置1000及びカートリッジ1100の概略斜視図である。
図の装置1000は、ウェッジローラ(1020:垂直軸方向1029に沿って接続アーム1024の下)を含む。図のウェッジローラ1020は、ローラの回転軸から遠くにあり、ウェッジ形状を有する縁部1033を含む。図の装置1000は、接続アーム1024によりウェッジローラ1020に接続されたクランク-ロッカ機構を含み、これはクランク1028とロッカ1026を含む。図の接続アーム1024は、クランク1028をロッカ1026及びウェッジローラ1020に結合するように構成される。図の装置1000はばね式ローラアーム(1022:垂直軸方向1029に沿って接続アーム1024の下)を含み、ウェッジローラ1020を接続アーム1024に結合する。図の装置1000は、ばね式ローラアーム1022を接続アーム1024に結合するように構成されたヒンジ1025を含む。幾つかの実施形態において、ヒンジ1025はばね(図示せず)を含む。図の装置1000は、クランク1028及び/又はロッカ1026の回転がローラの水平軸方向1031及び/又は垂直軸方向1029に沿った動きを駆動するように構成される。
図の装置1000は、並進機構ねじ1038と並進機構ロッド1036を含む。図のように、ロッカ1026のシャフトは並進機構ねじ1038及び並進機構ロッド1036に、ロッカシャフトの回転軸1037が並進機構ねじ1038の回転軸1039及び並進機構ロッド1036の長さに沿った中心軸1041に関して静止状態且つ平行に保持されるように間接的に接続される。
図の装置1000は、並進機構モータ1040及びポンプモータ1042を含む。
図の並進機構モータ1040は、並進機構ねじ1038に、並進機構モータ1040が並進機構ねじ1038の回転を駆動するように動作可能となる構成で接続される。幾つかの実施形態において、並進機構ねじ1038の何れかの方向への回転を駆動すると、並進機構ねじ1038の回転軸1039に平行な軸に沿ったキャリッジ1044の運動が駆動される。
図の並進機構モータ1040は、並進機構ねじ1038に、並進機構モータ1040が並進機構ねじ1038の回転を駆動するように動作可能となる構成で接続される。幾つかの実施形態において、並進機構ねじ1038の何れかの方向への回転を駆動すると、並進機構ねじ1038の回転軸1039に平行な軸に沿ったキャリッジ1044の運動が駆動される。
図のポンプモータ1042は、ポンプモータ1042がクランク1028の回転を駆動するように動作可能となる構成でクランク1028に接続される。
図の装置1000はキャリッジ1044を含む。図のように、キャリッジ1044はロッカ1026のシャフトとクランク1028のシャフトを並進機構ねじ1038と並進機構ロッド1036に接続する。幾つかの実施形態において、キャリッジ1044は、ロッカ1026のシャフト及びクランク1028のシャフトを相互から一定の距離に保持する。
図の装置1000はキャリッジ1044を含む。図のように、キャリッジ1044はロッカ1026のシャフトとクランク1028のシャフトを並進機構ねじ1038と並進機構ロッド1036に接続する。幾つかの実施形態において、キャリッジ1044は、ロッカ1026のシャフト及びクランク1028のシャフトを相互から一定の距離に保持する。
図のテストカートリッジ1100は、チャネル(図示せず)上に表面層1106を含む。幾つかの実施形態において、表面層1106はエラストマを含む。例えば、表面層1106はシリコーンエラストマを含み得る。幾つかの実施形態において、図の表面層1106は十分に薄く、及び/又はフレキシブルであり、それによって、表面層1106の一部分を、例えば装置1000のポンプモータ1042により駆動されたウェッジローラ1020を使って変形させると、表面層1106のその部分に関連するチャネルの壁及び/又は底部と接触することになり得、またウェッジローラ1020を回転させて、変形を表面層1106の第二の部分へと並進させることによって、チャネル内の流体が蠕動運動式に送出され、正味の流体流れはウェッジローラ1020の回転方向に向かう。
図7Eは、基底層1104内でチャネル1102の上に表面層1106を含むテストカートリッジ1100の拡大斜視図を示す。幾つかの実施形態において、ウェッジローラ1020は、送出プロセスの一部においてチャネル1102上で表面層1106の一部分を変形させるために使用できる。チャネル1102の少なくとも幾つかは、実質的に三角形の部分1101と、実質的に三角形の部分1101へと開放し、チャネルの表面1105に関して実質的に三角形の部分1101の下へと延びる第二の部分1103を含み得て、第二の部分1103の直径は実質的に三角形の部分1101の平均直径より有意に小さい。前述のように、第二の部分1103はチャネル1102の「深い部分」を形成し得る。
図7Fは、幾つかの実施形態による、チャネル1102(チャネルの断面として示されている)の上の表面層1106を含むテストカートリッジ1100の断面斜視図を示す。図7D~7Eに示されているように、ウェッジローラ1020は、特定の実施形態により、チャネル1102の上方で表面層1106と接触し、それを変形させることによってカートリッジ1100と係合し得る。再び図7Fを参照すると、チャネル1102は、チャネル1102の長さに沿って、実質的に三角形の部分1101と第二の部分1103(例えば、「深い部分」)の両方を有する部分のほか、チャネル1102の長さに沿った、実質的に三角形の部分1101のみを有する部分を含む。ポンプ体積は、チャネル1102の、実質的に三角形の部分1101のみを含む部分と、チャネル1102の、実質的に三角形の部分1101と第二の部分1103の両方を含む部分との間の界面1107により画定され得る。幾つかの実施形態において、ローラ1020がカートリッジ1100と係合すると、チャネル1102の、実質的に三角形の部分1101のみを含む部分の中の流体だけがポンプ体積の一部であり、実質的にチャネル1102の、三角形の部分1101と第二の部分1102の両方を含む部分の中の流体はポンプ体積の一部ではない。幾つかの実施形態において、ポンプ体積はチャネル1102の、界面1107とチャネル1102の弁1108との間の体積であり得、幾つかの実施形態によればその全体が第二の部分1103を含まない。
均等物と範囲
以上、幾つかの発明的な実施形態を説明し、図解したが、当業者であれば、本明細書に記載の機能を実行するため、及び/又は結果及び/又は利点の1つ若しくは複数を取得するための様々その他の手段及び/又は構造を容易に着想し、かかる変形及び/又は改良の各々は本明細書に記載の発明的実施形態の範囲に含まれるとみなされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載のパラメータ、寸法、材料、及び構成は全て例であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が利用される具体的な1つ又は複数の用途に依存することがわかるであろう。当業者であれば、本明細書に記載の具体的な発明的実施形態との多くの均等物を認識し、又は通常レベルの実験で確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態はあくまでも例として提示されており、付属の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で、発明的な実施形態は本明細書に具体的に記され、特許請求されたものとは異なる方法で実施され得ると理解されたい。本開示の発明的な実施形態は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法の各々に関する。それに加えて、かかる特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の何れの組合せも、当該の特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しないかぎり、本開示の発明の範囲に含められる。
以上、幾つかの発明的な実施形態を説明し、図解したが、当業者であれば、本明細書に記載の機能を実行するため、及び/又は結果及び/又は利点の1つ若しくは複数を取得するための様々その他の手段及び/又は構造を容易に着想し、かかる変形及び/又は改良の各々は本明細書に記載の発明的実施形態の範囲に含まれるとみなされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載のパラメータ、寸法、材料、及び構成は全て例であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が利用される具体的な1つ又は複数の用途に依存することがわかるであろう。当業者であれば、本明細書に記載の具体的な発明的実施形態との多くの均等物を認識し、又は通常レベルの実験で確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態はあくまでも例として提示されており、付属の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で、発明的な実施形態は本明細書に具体的に記され、特許請求されたものとは異なる方法で実施され得ると理解されたい。本開示の発明的な実施形態は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法の各々に関する。それに加えて、かかる特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の何れの組合せも、当該の特徴、システム、部材、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しないかぎり、本開示の発明の範囲に含められる。
本明細書で定義され、使用される全ての定義は、辞書上の定義、参照により本明細書に援用された文献中の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味に優先すると理解すべきである。
本明細書で開示された全ての参考文献、特許、及び特許出願は、各々がそれに関して引用された主題に関して参照により援用され、これは場合によっては本明細書の全体が含まれ得る。
不定冠詞(a、an)は、本明細書及び特許請求項で使用されるかぎり、明確に別段のことわりがないかぎり、「少なくとも1つの」を意味すると理解すべきである。
「及び/又は」という語句は、本明細書及び特許請求項で使用されるかぎり、そのように接続された要素の「何れか又は両方」、すなわちある場合には同時に存在し、他の場合には別々に存在する要素を意味すると理解すべきである。「及び/又は」と共に挙げられている複数の要素も同様に解釈すべきであり、すなわち、それらの要素の「1つ以上」がそのように結合される。その他の要素は任意選択により、「及び/又は」の語句により明記された要素以外にも、明示された要素に関係するか無関係かを問わず、存在し得る。それゆえ、非限定的な例として、「A及び/又はB」との記述は、「~を含む」等のオープンエンドの語句と共に使用された場合、1つの実施形態においてはAのみ(任意選択によりB以外の要素を含む)、他の実施形態においてはBのみ(任意選択によりA以外の要素を含む)、また別の実施形態においてはAとBの両方(任意選択によりその他の要素を含む)を指すことができる。
「及び/又は」という語句は、本明細書及び特許請求項で使用されるかぎり、そのように接続された要素の「何れか又は両方」、すなわちある場合には同時に存在し、他の場合には別々に存在する要素を意味すると理解すべきである。「及び/又は」と共に挙げられている複数の要素も同様に解釈すべきであり、すなわち、それらの要素の「1つ以上」がそのように結合される。その他の要素は任意選択により、「及び/又は」の語句により明記された要素以外にも、明示された要素に関係するか無関係かを問わず、存在し得る。それゆえ、非限定的な例として、「A及び/又はB」との記述は、「~を含む」等のオープンエンドの語句と共に使用された場合、1つの実施形態においてはAのみ(任意選択によりB以外の要素を含む)、他の実施形態においてはBのみ(任意選択によりA以外の要素を含む)、また別の実施形態においてはAとBの両方(任意選択によりその他の要素を含む)を指すことができる。
本明細書及び特許請求項で使用されるかぎり、「又は」とは、上で定義したような「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、羅列した項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は包含的に解釈されるものとし、すなわち、多数の、又は羅列された要素のうちの少なくとも1つだけでなく、2つ以上の、及び、任意選択によりその他の列挙されていない項目も含むと解釈されるものとする。「~の1つのみ」、又は「~の正確に1つ」、又は特許請求項中で使用される場合は「~からなる」等の明確に上記と反対のことを示す用語のみ、多数の要素又は羅列された要素のうちの1つのみを含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「又は」という用語は、「何れか」、「~の1つ」、「~の1つのみ」、又は「~の正確に1つ」等の排他性の用語が先行する場合のみ、排他的代替物(すなわち、「~の一方又は他方であり、両方ではない」)を示すと解釈されるものとする。「基本的に~からなる」とは、特許請求項の中で使用される場合、特許法の分野で使用されているその通常の意味を有するものとする。
本明細書及び特許請求項で使用されるかぎり、1つ又は複数の要素の羅列に関する「少なくとも1つ」という語句は、その要素の羅列内にある要素の何れか1つ又は複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしもその要素の羅列の中に具体的に挙げられた個々の要素の少なくとも1つを含むとはかぎらず、その要素の羅列内の要素の何れの組合せも排除しないと理解すべきである。この定義ではまた、「少なくとも1つの」という用語が指す要素の羅列内に明示された要素以外の要素が、明示された要素に関係するか、無関係かを問わず、任意選択により、存在し得る。それゆえ、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、等価的に「A又はBの少なくとも1つ」又は等価的に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態においては少なくとも1つのAであって、任意選択により2つ以上のAを含み、Bが存在しない(任意選択によりB以外の要素を含む)こと、他の実施形態においては少なくとも1つのBであって、任意選択により2つ以上のBを含み、Aが存在しない(任意選択によりA以外の要素を含む)こと、また別の実施形態においては少なくとも1つのAであって、任意選択により2つ以上のAを含み、且つ少なくとも1つのBであって、任意選択により2つ以上のBを含む(任意選択によりその他の要素を含む)ことを指すことができる。
反対のことが明瞭に示されないかぎり、本明細書で特許請求される2つ以上のステップ又は行為を含む何れの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は必ずしもその方法のそのステップ又は行為が記載されている順序に限定されるわけではないと理解すべきである。特許請求項の中、及び上記の明細書中で、「~を含む(comprising)」、「~を包含する(including)」、「~を担持する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する(containing)」、「~が係わる(involving)」、「~を保持する(holding)」、「~で構成される(composed of)」等のような移行句は全てオープンエンド型であり、すなわちそれを含むがそれに限定されないことを意味すると理解されたい。「~からなる」、及び「基本的に~からなる」という移行句のみ、米国特許庁特許審査便覧第2111章03項において規定されているように、それぞれクローズエンド又はセミクローズエンド型の移行句であるものとする。本書中でオープンエンド型の移行句(例えば、「~を含む(comprising)」)を使用して記載されている実施形態はまた、代替的な実施形態では、オープンエンド型移行句により説明された特徴「からなる」、及び「基本的にそれからなる」ことも想定されると理解すべきである。例えば、本開示に「A及びBを含む組成物」と記載されている場合、本開示はまた、「A及びBからなる組成物」と「基本的にA及びBからなる組成物」の代替的実施形態も想定している。
本明細書で使用される、例えば1つ又は複数の部材、構造、力、場、流れ、方向/軌道、及び/又はそれらの一部及び/又はそれらの組合せ及び/又は他のあらゆる有形又は無形の、上で列挙され、このような用語により特徴付けられる要素の形状、向き、整合状態、及び/又は幾何学的関係は、そのような用語の数学的定義に絶対的に適合する必要はないと理解すべきであり、そのような用語の数学的定義に、そのように特徴付けられる主題が当業者により当該の主題に最も近く関係すると理解される程度に適合することを示していると理解すべきである。形状、向き、及び/又は幾何学的関係に関するこのような用語の例としては、形状においては、例えば丸、四角、円形の/円、長方形の/長方形、三角形の/三角形、円柱形の/円柱、楕円形の/楕円、(n)角形の/(n)角形等、角方位においては、例えば垂直の、直交する、平行な、縦の、水平の、共線の等、輪郭及び/又は軌道においては、例えば平面/平坦な、同一平面上の、半球の、半半球の(semi-hemispherical)、線/線形の、双曲線の、放物線の、平坦な、湾曲した、まっすぐの、弓状の、正弦波状の、接線/接線の等、方向においては、例えば北、南、東、西等、表面及び/又は中実材料の特性及び/又は空間/時間的分解能及び/又は分布においては、平滑な、反射性の、透過性の、透明な、不透明な、剛体の、不浸透性の、均一な(均一に)、不活性の、非湿潤性の、不溶性の、一定の、不変の、一定の、均質な等、及び当業者にとって明らかであるその他数多くが含まれるが、これらに限定されない。一例として、本明細書で「四角」であると説明される製品は、その製品の面又は辺が完璧に平坦又は線形であり、正確に90度の角度で交差することが求められるわけではなく(実際、このような製品は数学的抽象概念としてのみ存在し得る)、このような製品の形状は、当業者が理解する、又は具体的に説明される、そこに記載された製造技術について典型的に実現可能であり、実現される範囲で、数学的に定義される「四角」に近似していると理解すべきである。他の例として、本明細書において「整合している」と記載される2つ以上の製品は、かかる製品の面又は辺が完璧に整合していることが求められるのではなく(実際、このような製品は数学的抽象概念としてのみ存在し得る)、このような製品の配置は、当業者が理解する、又は具体的に説明される、そこに記載された製造技術について典型的に実現可能であり、実現される範囲で、数学的に定義された「整合」に近似すると理解すべきである。
Claims (114)
- 装置において、
ローラと、
前記ローラに接続アームにより接続されたクランク-ロッカ機構と、を含む装置。 - 装置において、
ローラと、
クランクと、
ロッカと、
前記クランクを前記ロッカ及び前記ローラに結合するように構成された接続アームと、を含む装置。 - 前記ローラを前記接続アームに結合するように構成されたローラアームをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の装置。
- 前記ローラアームを前記接続アームに結合するように構成されたヒンジをさらに含み、
前記ヒンジはばねを含む、請求項3に記載の装置。 - 前記接続アームは前記クランク-ロッカ機構のコンポーネントである、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の装置。
- 前記ローラはウェッジ形状を有する縁部を含む、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の装置。
- モータであって、前記クランクのシャフトに、前記モータが前記クランクの回転を駆動するように動作可能となる構成で接続されたモータをさらに含む、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の装置。
- 前記ロッカのシャフトは前記クランクのシャフトに、前記クランク及びロッカの回転中、前記ロッカシャフトの回転軸が前記クランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるように接続される、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の装置。
- 並進機構ねじと並進機構ロッドをさらに含み、前記ロッカの前記シャフトは並進機構ねじ及び並進機構ロッドに、前記ロッカシャフトの回転軸が前記並進機構ねじの長さに沿った中心軸及び前記並進機構ロッドの長さに沿った中心軸に関して静止状態且つ平行に保持されるように接続される、請求項1~請求項8の何れか1項に記載の装置。
- モータであって、前記並進機構ねじに、前記モータが前記並進機構ねじの回転を駆動するように動作可能となる構成で接続されたモータをさらに含む、請求項9に記載の装置。
- 前記ロッカの前記シャフトを前記並進機構ねじ及び前記並進機構ロッドに接続するキャリッジをさらに含む、請求項9又は請求項10に記載の装置。
- 1000マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項11の何れか1項に記載の装置。
- 100マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項12の何れか1項に記載の装置。
- 50マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項13の何れか1項に記載の装置。
- 10マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項14の何れか1項に記載の装置。
- 前記装置の何れのコンポーネントも流体で濡らすことなく流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項15の何れか1項に記載の装置。
- 前記装置の各ポンプサイクルが1μL以上の流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項16の何れか1項に記載の装置。
- 前記装置の各ポンプサイクルが10μL以下の流体を輸送するように構成される、請求項1~請求項17の何れか1項に記載の装置。
- 10mm以上のストローク長を有するように構成される、請求項1~請求項18の何れか1項に記載の装置。
- 20mm以下のストローク長を有するように構成される、請求項1~請求項19の何れか1項に記載の装置。
- カートリッジにおいて、
チャネルを含む表面を有する基底層であって、前記チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、
前記チャネルの底部に1つの頂点と前記基底層の前記表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、
エラストマを含み、前記チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された表面層を有する、基底層を含むカートリッジ。 - 前記チャネルの少なくとも幾つかはマイクロチャネルである、請求項21に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかの前記少なくとも一部分は、生物物質に適合する実質的に硬質の材料を含む壁及び底部を有する、請求項21又は請求項22に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、三角形の部分と、前記三角形の部分の中へと開放し、前記チャネルの前記表面に関して前記三角形の部分の下方に延びる第二の部分と、を含む断面を有し、前記第二の部分の直径は前記三角形の部分の平均直径より有意に小さい、請求項21~請求項23の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは、前記チャネルの長さに沿って、三角形の部分を含む断面を有し、前記第二の部分を含む断面を含まない部分と、前記チャネルの長さに沿って、三角形の部分と前記第二の部分を含む断面を有する別の部分を有する、請求項24に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかはリザーバに接続される、請求項21~請求項25の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかはある温度帯のリザーバに接続される、請求項21~請求項26の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは電気泳動ゲルに接続される、請求項21~請求項27の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは、1000マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項21~請求項28の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは、100マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項21~請求項29の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは、50マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項21~請求項30の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは、10マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項21~請求項31の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記エラストマはシリコーンを含む、請求項21~請求項32の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層は前記基底層の前記表面の一部分に結合される、請求項21~請求項33の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層は前記基底層の前記表面の一部分に接着剤で結合される、請求項21~請求項34の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層は前記基底層の前記表面の一部分に熱ラミネート法で結合された、請求項21~請求項35の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層は、前記基底層の前記表面の一部分と引っ張られて直接接触した状態に保持される、請求項21~請求項36の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記チャネルの少なくとも幾つかは各々、前記表面層を含む弁を含む、請求項21~請求項37の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記弁は、前記チャネルの端の形状により形成される、関連する前記チャネル内の閉鎖部をさらに含む、請求項21~請求項38の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層の少なくとも一部分は、少なくとも1つの大きさの与圧がなければ平坦である、請求項21~請求項39の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 前記表面層の全体は、少なくとも1つの大きさの与圧がなければ平坦である、請求項21~請求項40の何れか1項に記載のカートリッジ。
- 蠕動ポンプにおいて、
(i)ローラと、
(ii)カートリッジであって、
チャネルを含む表面を有する基底層であって、前記チャネルの少なくとも幾つかの少なくとも一部分は、
前記チャネルの底部に1つの頂点と前記基底層の前記表面に他の2つの頂点を有する実質的に三角形の断面を有し、
エラストマを含み、前記チャネルの表面開口を実質的にシールするように構成された表面層を有する、基底層を含むカートリッジと、を含む蠕動ポンプ。 - 前記チャネルの少なくとも幾つかはマイクロチャネルである、請求項42に記載の蠕動ポンプ。
- 前記ローラに接続アームにより接続されたクランク-ロッカ機構をさらに含む、請求項42又は請求項43に記載の蠕動ポンプ。
- 前記ローラを前記接続アームに結合するように構成されたローラアームと、
前記ローラアームを前記接続アームに結合するように構成されたヒンジと、をさらに含み、
前記ヒンジはばねを含む、請求項44に記載の蠕動ポンプ。 - クランクと、
ロッカと、
前記クランクを前記ロッカ及び前記ローラに結合するように構成された接続アームと、をさらに含む、請求項42~請求項45の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。 - 前記チャネルの少なくとも幾つかの前記少なくとも一部分は、生物物質と適合する実質的に硬質の材料を含む壁及び底部を有する、請求項42~請求項46の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 1000マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項42~請求項47の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 100マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項42~請求項48の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 50マイクロリットル以下の流体流分解能で流体を輸送するように構成される、請求項42~請求項49の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- サンプル調製のために使用されるように構成される、請求項42~請求項50の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記サンプル調製は、分析、配列解析、又は同定のうちの1つ又は複数のためにサンプルを調製することを含む、請求項42~請求項51の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記サンプルは、核酸、ペプチド、タンパク質、組織、血液、及び分泌物の少なくとも1つを含む、請求項42~請求項52の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記ローラは前記カートリッジの濡れていない部分でカートリッジと接する、請求項42~請求項53の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記カートリッジは第一のカートリッジであり、前記第一のカートリッジを取り出して第二のカートリッジと交換することができる、請求項42~請求項54の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記蠕動ポンプの各ポンプサイクルが1μL以上の流体を輸送するように構成される、請求項42~請求項55の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 前記蠕動ポンプの各ポンプサイクルが10μL以下の流体を輸送するように構成される、請求項42~請求項56の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 10mm以上のストローク長を有するように構成される、請求項42~請求項57の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 20mm以下のストローク長を有するように構成される、請求項42~請求項58の何れか1項に記載の蠕動ポンプ。
- 装置の製造方法において、
クランクアーム、ロッカアーム、及びローラを接続アームに接続するステップと、
前記ロッカアームのシャフトを前記クランクアームのシャフトに接続して、前記ロッカシャフトの回転軸が前記クランクシャフトの回転軸に関して静止状態に保持されるようにするステップと、を含む方法。 - 前記クランクアーム、前記ロッカアーム、前記接続アーム、及びローラの少なくとも1つを機械加工するステップ、前記クランクアーム、前記ロッカアーム、前記接続アーム、及びローラの少なくとも1つを射出成型するステップ、又は前記クランクアーム、前記ロッカアーム、前記接続アーム、及びローラの少なくとも1つを機械加工及び射出成型するステップをさらに含む、請求項60に記載の方法。
- 前記ロッカアームの前記シャフトを前記クランクアームの前記シャフトに接続するステップは、前記ロッカアームの前記シャフトと前記クランクアームの前記シャフトをキャリッジに接続するステップを含む、請求項60又は請求項61に記載の方法。
- 前記クランクアームの前記シャフトをクランクモータに接続するステップをさらに含む、請求項60~請求項62の何れか1項に記載の方法。
- 前記ローラを前記接続アームに接続するステップは、前記ローラを前記接続アームにローラアームを使って接続するステップを含む、請求項60~請求項63の何れか1項に記載の方法。
- 前記ローラを前記接続アームに前記ローラアームを使って接続するステップは、前記ローラアームを前記接続アームにばねを含むヒンジにより接続するステップを含む、請求項60~請求項64の何れか1項に記載の方法。
- 前記ローラアームを機械加工するステップ、前記ローラアームを射出成型するステップ、又は前記ローラアームを機械加工及び射出成型するステップをさらに含む、請求項60~請求項65の何れか1項に記載の方法。
- 前記キャリッジを並進機構ロッド及び並進機構ねじに接続するステップをさらに含む、請求項60~請求項66の何れか1項に記載の方法。
- 前記並進機構ねじを並進機構モータに接続するステップをさらに含む、請求項60~請求項67の何れか1項に記載の方法。
- 前記キャリッジを機械加工するステップ、前記キャリッジを射出成型するステップ、又は前記キャリッジを機械加工及び射出成型するステップをさらに含む、請求項60~請求項68の何れか1項に記載の方法。
- 1つ又は複数の機械的コンポーネントを機械加工するステップを含む、請求項60~請求項69の何れか1項に記載の方法。
- 1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップを含む、請求項60~請求項70の何れか1項に記載の方法。
- 射出成型するステップはサーモプラスチック射出成型するステップを含む、請求項60~請求項71の何れか1項に記載の方法。
- 射出成型するステップは精密射出成型するステップを含む、請求項60~請求項72の何れか1項に記載の方法。
- 1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを、1つ又は複数のカスタマイズされた寸法を有する1つ又は複数の機械的コンポーネントを実現するように改変するステップを含む、請求項60~請求項73の何れか1項に記載の方法。
- 1つ又は複数の市販の機械的コンポーネントを改変するステップは、市販の並進機構ロッドの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップ及び市販の並進機構ねじの長さをカスタマイズされた長さに改変するステップの少なくとも1つを含む、請求項60~請求項74の何れか1項に記載の方法。
- 改変するステップは機械加工するステップを含む、請求項60~請求項75の何れか1項に記載の方法。
- カートリッジの製造方法において、
表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップを含み、
前記表面層はエラストマを含み、
前記基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、
前記1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは、実質的に三角形の断面を有する方法。 - 前記表面層を含む前記表面部材を前記基底層と組み立てて前記カートリッジを形成するステップは、前記表面層を前記基底層に、レーザ溶接するステップ、音波溶接するステップ、及び接着するステップの少なくとも1つを含む、請求項77に記載の方法。
- 前記表面層を前記基底層に接着剤を使って接着するステップを含む、請求項77又は請求項78に記載の方法。
- 前記エラストマを含む前記表面層を既製のシートストックからダイカットするステップをさらに含む、請求項77~請求項79の何れか1項に記載の方法。
- 前記表面部材は基本的に前記表面層からなる、請求項77~請求項80の何れか1項に記載の方法。
- 前記表面層を含む前記表面部材を前記基底層と組み立てて前記カートリッジを形成するステップは、前記エラストマを含む前記表面層を前記基底層とシールプレートとの間に組み付けて前記カートリッジを形成するステップを含み、前記シールプレートは1つ又は複数の貫通穴を含む、請求項77~請求項81の何れか1項に記載の方法。
- 前記エラストマを含む前記表面層を前記基底層とシールプレートとの間に組み付けるステップは、前記表面層を、前記表面層の一方の面で前記基底層に、前記表面層のもう一方の面で前記シールプレートに、レーザ溶接するステップ、音波溶接するステップ、及び接着するステップの少なくとも1つを含む、請求項77~請求項82の何れか1項に記載の方法。
- 前記エラストマを含む前記表面層を1つ又は複数の貫通穴を含むシールプレート上にオーバモールドして前記表面部材を形成するステップをさらに含み、前記表面部材は前記シールプレートをさらに含む、請求項77~請求項83の何れか1項に記載の方法。
- 前記シールプレートの前記1つ又は複数の貫通穴の少なくとも幾つかは、前記基底層の前記1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかの形状と実質的に同様の形状を有する、請求項77~請求項84の何れか1項に記載の方法。
- 前記シールプレートの1つ又は複数の貫通穴を前記基底層の対応する1つ又は複数のチャネルと整合させるステップをさらに含む、請求項77~請求項85の何れか1項に記載の方法。
- 前記カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップをさらに含む、請求項77~請求項86の何れか1項に記載の方法。
- 前記カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップは射出成型して前記シールプレートを形成するステップを含む、請求項77~請求項87の何れか1項に記載の方法。
- 前記カートリッジの1つ又は複数の機械的コンポーネントを射出成型するステップは射出成型して前記基底層を形成するステップを含む、請求項77~請求項88の何れか1項に記載の方法。
- 射出成型するステップは精密射出成型するステップを含む、請求項77~請求項89の何れか1項に記載の方法。
- 射出成型するステップは硬鋼工具類を用いて射出成型するステップを含む、請求項77~請求項90の何れか1項に記載の方法。
- 前記シールプレートは硬質プラスチックを含む、請求項77~請求項91の何れか1項に記載の方法。
- 前記シールプレートは射出成型部品である、請求項77~請求項92の何れか1項に記載の方法。
- 前記基底層は射出成型部品である、請求項77~請求項93の何れか1項に記載の方法。
- 前記エラストマはシリコーンを含む、請求項77~請求項94の何れか1項に記載の方法。
- 前記エラストマは熱可塑性エラストマを含む、請求項77~請求項95の何れか1項に記載の方法。
- 前記表面層は基本的にエラストマからなる、請求項77~請求項96の何れか1項に記載の方法。
- ポンプの製造方法において、
表面層を含む表面部材を基底層と組み立ててカートリッジを形成するステップと、
ローラを含む装置を組み立てるステップと、
前記カートリッジを前記ローラの下に位置付けるステップと、を含み、
前記表面層はエラストマを含み、
前記基底層は1つ又は複数のチャネルを含み、
前記1つ又は複数のチャネルの少なくとも幾つかは実質的に三角形の断面を有する方法。 - 請求項60~請求項76の何れか1項に記載の方法により前記装置を製造するステップをさらに含む、請求項98に記載の方法。
- 請求項77~請求項97の何れか1項に記載の方法により前記カートリッジを製造するステップをさらに含む、請求項98又は請求項99に記載の方法。
- 方法において、
請求項2~請求項20又は請求項44~請求項59の何れか1項に記載の前記クランクを回転させて、前記ローラが基板表面と係合するようにするステップ、基板表面との係合を解除するようにするステップ、又は前記ローラが基板表面と係合するとともに基板表面との係合を解除するようにするステップを含む方法。 - 前記基板表面はカートリッジの表面層の外面である、請求項101に記載の方法。
- 前記基板表面と係合させるステップは、エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させて、前記表面層の前記第一の部分の内面が前記チャネルの前記壁及び底部の少なくとも1つの、前記表面層の前記第一の部分の前記内面に近接する第一の部分と接触するようにするステップを含む、請求項101又は請求項102に記載の方法。
- 前記表面層の前記第一の部分を変形させるステップは前記表面層の前記第一の部分を弾性変形させるステップを含む、請求項103に記載の方法。
- 前記チャネルはマイクロチャネルである、請求項103又は請求項104に記載の方法。
- 前記基板表面との係合を解除するステップは、流体の入ったチャネルにおけるエラストマを含む表面層の第一の部分から変更を除去して、前記表面層の前記第一の部分の内面が、前記チャネルの前記壁及び底部の少なくとも1つの、前記表面層の前記第一の部分の前記内面に近接する第一の部分と接触しなくなるようにするステップを含む、請求項101~請求項105の何れか1項に記載の方法。
- 前記表面層の前記第一の部分の前記変形は、前記表面層の前記第一の部分の弾性変形である、請求項106に記載の方法。
- 前記チャネルはマイクロチャネルである、請求項106又は請求項107に記載の方法。
- 方法において、
エラストマを含む表面層の第一の部分を流体の入ったチャネルの中へと変形させて、前記表面層の前記第一の部分の内面が前記チャネルの壁及び底部の少なくとも1つの、前記表面層の前記第一の部分の前記内面に近接する第一の部分と接触するようにするステップと、
この変形を前記表面層の第二の部分へと並進させて、前記表面層の前記第二の部分の内面が前記チャネルの前記壁及び底部の少なくとも1つの、前記表面層の前記第二の部分の前記内面に近接する第二の部分と接触するようにするステップと、を含み、
前記表面層は前記チャネルの表面開口をシールするように構成される方法。 - 前記チャネルはマイクロチャネルである、請求項109に記載の方法。
- 前記表面層の前記第一の部分を変形させるステップは、前記表面層の前記第一の部分を弾性変形させるステップを含む、請求項109又は請求項110に記載の方法。
- 前記表面層の前記第一の部分を変形させるステップは、前記表面層の前記第一の部分をローラで変形させるステップを含む、請求項109~請求項111の何れか1項に記載の方法。
- 前記表面層の第二の部分の前記変形を並進させるステップは、前記ローラを前記表面層に沿って回転させて、前記表面層の前記第二の部分の前記内面が前記チャネルの前記壁及び底部の少なくとも1つの、前記表面層の前記第二の部分の前記内面に近接する前記第二の部分と接触するようにするステップを含む、請求項112に記載の方法。
- 前記表面層の前記第一の部分を変形させるステップ及び前記変形を前記表面層の第二の部分に並進させるステップの少なくとも1つは、前記チャネルの弁を作動させ、前記流体が前記弁を通過できるようになる、請求項109~請求項113の何れか1項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201962927385P | 2019-10-29 | 2019-10-29 | |
US62/927,385 | 2019-10-29 | ||
PCT/US2020/057768 WO2021086985A1 (en) | 2019-10-29 | 2020-10-28 | Peristaltic pumping of fluids and associated methods, systems, and devices |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023502329A true JP2023502329A (ja) | 2023-01-24 |
JPWO2021086985A5 JPWO2021086985A5 (ja) | 2023-11-09 |
Family
ID=73544304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022525390A Pending JP2023502329A (ja) | 2019-10-29 | 2020-10-28 | 流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US12011716B2 (ja) |
EP (1) | EP4051903A1 (ja) |
JP (1) | JP2023502329A (ja) |
KR (1) | KR20220101108A (ja) |
CN (1) | CN114930028A (ja) |
AU (1) | AU2020372908A1 (ja) |
BR (1) | BR112022008098A2 (ja) |
CA (1) | CA3159566A1 (ja) |
MX (1) | MX2022005183A (ja) |
WO (1) | WO2021086985A1 (ja) |
Family Cites Families (218)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE1653397A1 (de) * | 1966-01-10 | 1971-07-08 | Ceskoslovenska Akademie Ved | Verfahren und Einrichtung zum Foerdern von Fluessigkeiten in duennen Schlaeuchen |
GB1336545A (en) | 1971-02-22 | 1973-11-07 | Ceskoslovenska Akademie Ved | Peristaltic pumps |
US4148703A (en) | 1976-02-11 | 1979-04-10 | Morton Weintraub | Method of electrophoretic purification of enzymes and peptides by means of an adjustable, specialized, geometrically located electrode system |
US4302822A (en) | 1978-05-12 | 1981-11-24 | Nippon Electric Co., Ltd. | Thin-film magnetic bubble domain detection device and process for manufacturing the same |
US4390403A (en) | 1981-07-24 | 1983-06-28 | Batchelder J Samuel | Method and apparatus for dielectrophoretic manipulation of chemical species |
US4732656A (en) | 1985-10-25 | 1988-03-22 | Bios Corporation | Apparatus and process for resolving sample species |
US5039488A (en) | 1986-06-06 | 1991-08-13 | Genentech, Inc. | Devices for amino acid sequence determination |
US5165898A (en) | 1986-08-13 | 1992-11-24 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Electrophoresis using contour-clamped electric fields |
US4971671A (en) | 1987-03-02 | 1990-11-20 | Xerox Corporation | Processes for separation of DNA fragments |
US4830726A (en) | 1988-02-03 | 1989-05-16 | The Wistar Institute | Separation of large DNA molecules in alternating asymmetric electric fields |
US5084157A (en) | 1988-03-21 | 1992-01-28 | California Institute Of Technology | Gel electrophoresis using time dependent contour controlled electric fields |
US4911817A (en) | 1988-10-20 | 1990-03-27 | Eastman Kodak Company | Electrophoresis apparatus |
US5229297A (en) | 1989-02-03 | 1993-07-20 | Eastman Kodak Company | Containment cuvette for PCR and method of use |
CA2012379C (en) | 1989-04-24 | 2000-01-25 | Gary W. Slater | Processes for the preparation and separation of macromolecules |
US5641628A (en) | 1989-11-13 | 1997-06-24 | Children's Medical Center Corporation | Non-invasive method for isolation and detection of fetal DNA |
CA2052037A1 (en) | 1990-10-02 | 1992-04-03 | Eric Lai | Automatic control system for improved electrophoresis |
US5185071A (en) | 1990-10-30 | 1993-02-09 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Programmable electrophoresis with integrated and multiplexed control |
EP0512181A1 (en) | 1991-05-07 | 1992-11-11 | N.V. Innogenetics S.A. | Process for the in vitro diagnosis of chromosomal anomalies liable to be correlated with CMT1A disease |
US5302510A (en) | 1992-07-27 | 1994-04-12 | Life Technologies, Inc. | DNA sizing control standards for electrophoretic analyses |
US5384022A (en) | 1993-09-08 | 1995-01-24 | Cornell Research Foundation, Inc. | Method and apparatus for electrophoretic DNA band isolation |
US5453162A (en) | 1993-09-09 | 1995-09-26 | University Of North Carolina At Chapel Hill | Method and apparatus for gel electrophoresis using two electric fields |
EP0722541B1 (en) | 1993-10-04 | 1998-12-30 | Research International, Inc. | Micromachined flow switches |
US6120992A (en) | 1993-11-04 | 2000-09-19 | Valigene Corporation | Use of immobilized mismatch binding protein for detection of mutations and polymorphisms, and allele identification in a diseased human |
EP0682248A1 (en) | 1993-11-29 | 1995-11-15 | Toray Research Center, Inc. | Electrophoresis fractionator |
DE4435728A1 (de) | 1994-01-19 | 1995-07-20 | Boehringer Mannheim Gmbh | Biotinsilan-Verbindungen und diese Verbindungen enthaltende Bindematrix |
US5654419A (en) | 1994-02-01 | 1997-08-05 | The Regents Of The University Of California | Fluorescent labels and their use in separations |
US6071394A (en) | 1996-09-06 | 2000-06-06 | Nanogen, Inc. | Channel-less separation of bioparticles on a bioelectronic chip by dielectrophoresis |
WO1996039625A1 (en) | 1995-06-06 | 1996-12-12 | Beltronics Inc. | Automatic protein and/or dna analysis system and method |
US20020022261A1 (en) | 1995-06-29 | 2002-02-21 | Anderson Rolfe C. | Miniaturized genetic analysis systems and methods |
CA2245514C (en) | 1996-01-31 | 2006-05-23 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Fractionation using dielectrophoresis and field flow fractionation |
EP0929694A4 (en) | 1996-03-15 | 2002-05-02 | Penn State Res Found | DETECTION OF TUMOR-RELATED EXTRACELLULAR NUCLEIC ACID USING PLASMA OR BLOOD SERUM USING NUCLEIC ACID AMPLIFICATION TESTS |
US6193866B1 (en) | 1996-03-27 | 2001-02-27 | Curagen Corporation | Separation of charged particles by a spatially and temporally varying electric field |
US5938904A (en) | 1996-03-27 | 1999-08-17 | Curagen Corporation | Separation of charged particles by a spatially and temporally varying electric field |
DE19782089T1 (de) | 1996-10-29 | 1999-12-23 | Univ Nebraska At Lincoln Linco | Verfahren zum Nachweisen von Punktmutationen in DNA unter Verwendung von Fluoreszenzenergieübergang |
AUPO500997A0 (en) | 1997-02-07 | 1997-03-06 | Macquarie Research Limited | Diagnosis of disease using tears |
GB9704444D0 (en) | 1997-03-04 | 1997-04-23 | Isis Innovation | Non-invasive prenatal diagnosis |
ATE335845T1 (de) | 1997-05-16 | 2006-09-15 | Exact Sciences Corp | Elektrophoretische analyse von molekülen mit immobilisierten sonden |
US6333153B1 (en) | 1997-08-28 | 2001-12-25 | Thomas Jefferson University | Compositions, kits, and methods for effecting adenine nucleotide modulation of DNA mismatch recognition proteins |
US6033861A (en) | 1997-11-19 | 2000-03-07 | Incyte Genetics, Inc. | Methods for obtaining nucleic acid containing a mutation |
US6146511A (en) | 1998-01-30 | 2000-11-14 | The Perkin-Elmer Corporation | Electrophoretic nucleic acid purification method |
WO1999039734A1 (en) | 1998-02-06 | 1999-08-12 | The Uab Research Foundation | Adenovirus vector containing a heterologous peptide epitope in the hi loop of the fiber knob |
CA2322975A1 (en) | 1998-03-03 | 1999-09-10 | Mosaic Technologies | Purification and detection processes using reversible affinity electrophoresis |
US6153442A (en) | 1998-05-20 | 2000-11-28 | Dade Behring Inc. | Reagents and methods for specific binding assays |
US6787308B2 (en) | 1998-07-30 | 2004-09-07 | Solexa Ltd. | Arrayed biomolecules and their use in sequencing |
US6232075B1 (en) | 1998-12-14 | 2001-05-15 | Li-Cor, Inc. | Heterogeneous assay for pyrophosphate detection |
US6416642B1 (en) | 1999-01-21 | 2002-07-09 | Caliper Technologies Corp. | Method and apparatus for continuous liquid flow in microscale channels using pressure injection, wicking, and electrokinetic injection |
US6294063B1 (en) | 1999-02-12 | 2001-09-25 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Method and apparatus for programmable fluidic processing |
US6942771B1 (en) | 1999-04-21 | 2005-09-13 | Clinical Micro Sensors, Inc. | Microfluidic systems in the electrochemical detection of target analytes |
US6693620B1 (en) | 1999-05-03 | 2004-02-17 | E Ink Corporation | Threshold addressing of electrophoretic displays |
US7056661B2 (en) | 1999-05-19 | 2006-06-06 | Cornell Research Foundation, Inc. | Method for sequencing nucleic acid molecules |
US6818185B1 (en) | 1999-05-28 | 2004-11-16 | Cepheid | Cartridge for conducting a chemical reaction |
US6635163B1 (en) | 1999-06-01 | 2003-10-21 | Cornell Research Foundation, Inc. | Entropic trapping and sieving of molecules |
US20020119448A1 (en) | 1999-06-23 | 2002-08-29 | Joseph A. Sorge | Methods of enriching for and identifying polymorphisms |
JP4470310B2 (ja) | 1999-09-30 | 2010-06-02 | 和光純薬工業株式会社 | 誘電泳動力を用いた物質の分離方法 |
US7198702B1 (en) | 1999-09-30 | 2007-04-03 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Method for separating substances using dielectrophoretic forces |
FR2799988B1 (fr) | 1999-10-26 | 2001-12-07 | Centre Nat Rech Scient | Procede de separation d'un compose chimique ou biologique dans un melange de composes similaires par diffusion dans un milieu tel qu'un gel |
US6824664B1 (en) | 1999-11-04 | 2004-11-30 | Princeton University | Electrode-less dielectrophorises for polarizable particles |
US6340566B1 (en) | 2000-03-28 | 2002-01-22 | The Regents Of The University Of California | Detection and quantitation of single nucleotide polymorphisms, DNA sequence variations, DNA mutations, DNA damage and DNA mismatches |
DE10027705A1 (de) | 2000-06-03 | 2001-12-13 | Erich Sackmann | Verfahren zur elektrophoretischen Auftrennung von Membranproteinen |
US6869764B2 (en) | 2000-06-07 | 2005-03-22 | L--Cor, Inc. | Nucleic acid sequencing using charge-switch nucleotides |
US6936702B2 (en) | 2000-06-07 | 2005-08-30 | Li-Cor, Inc. | Charge-switch nucleotides |
CA2314398A1 (en) | 2000-08-10 | 2002-02-10 | Edward Shipwash | Microarrays and microsystems for amino acid analysis and protein sequencing |
US6558946B1 (en) | 2000-08-29 | 2003-05-06 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army | Automated sample processing for identification of microorganisms and proteins |
EP1343800A4 (en) | 2000-12-18 | 2005-06-29 | Univ Princeton | FRACTIONATION OF MACROMOLECULES USING ASYMMETRIC CHANGE ELECTROPHORESIS |
US20030027178A1 (en) | 2001-03-16 | 2003-02-06 | George Vasmatzis | Methods and kits for determining a cancer diagnosis and prognosis |
JP2003062401A (ja) | 2001-08-23 | 2003-03-04 | Toyobo Co Ltd | 生体物質の精製方法および精製装置 |
JP4779261B2 (ja) | 2001-08-30 | 2011-09-28 | パナソニック株式会社 | 微粒子分離方法、微粒子分離装置、およびセンサ |
GB0121189D0 (en) | 2001-08-31 | 2001-10-24 | Diagnoswiss Sa | Apparatus and method for separating an analyte |
US6927028B2 (en) | 2001-08-31 | 2005-08-09 | Chinese University Of Hong Kong | Non-invasive methods for detecting non-host DNA in a host using epigenetic differences between the host and non-host DNA |
EP1442131A4 (en) | 2001-10-19 | 2006-06-07 | Univ West Virginia | MICROFLUID SYSTEM FOR PROTEAM ANALYSIS |
JP3824941B2 (ja) | 2002-01-22 | 2006-09-20 | アロカ株式会社 | 電気泳動装置 |
JP3970050B2 (ja) | 2002-02-26 | 2007-09-05 | オリンパス株式会社 | フリーフロー電気泳動法により可逆的複合体を構成する構成成分間の相互作用を決定する方法および装置 |
EP1490685A4 (en) | 2002-04-02 | 2009-02-11 | Caliper Life Sciences Inc | METHODS, SYSTEMS AND DEVICES FOR SEPARATING AND INSULATING ONE OR MORE SPECIMEN COMPONENTS OF A BIOLOGICAL SAMPLING MATERIAL |
US7442506B2 (en) | 2002-05-08 | 2008-10-28 | Ravgen, Inc. | Methods for detection of genetic disorders |
AU2003281515A1 (en) | 2002-07-19 | 2004-02-09 | Cellzome Ag | Protein complexes of cellular networks underlying the development of cancer and other diseases |
US20040259105A1 (en) | 2002-10-03 | 2004-12-23 | Jian-Bing Fan | Multiplex nucleic acid analysis using archived or fixed samples |
US7745116B2 (en) | 2003-04-08 | 2010-06-29 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Composition and method for nucleic acid sequencing |
US20100035254A1 (en) | 2003-04-08 | 2010-02-11 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Composition and method for nucleic acid sequencing |
US20050164402A1 (en) | 2003-07-14 | 2005-07-28 | Belisle Christopher M. | Sample presentation device |
US20050277204A1 (en) | 2003-08-12 | 2005-12-15 | Massachusetts Institute Of Technology | Sample preparation methods and devices |
US7541166B2 (en) | 2003-09-19 | 2009-06-02 | Microfluidic Systems, Inc. | Sonication to selectively lyse different cell types |
ATE435301T1 (de) | 2003-10-16 | 2009-07-15 | Sequenom Inc | Nicht invasiver nachweis fötaler genetischer merkmale |
GB0324456D0 (en) | 2003-10-20 | 2003-11-19 | Isis Innovation | Parallel DNA sequencing methods |
WO2005044836A2 (de) | 2003-11-05 | 2005-05-19 | Genovoxx Gmbh | Makromolekulare nukleotidverbindungen und methoden zu deren anwendung |
CA2586515A1 (en) | 2003-11-05 | 2005-05-26 | Exact Sciences Corporation | Repetitive reversed-field affinity electrophoresis and uses therefor |
US9186685B2 (en) | 2012-01-13 | 2015-11-17 | The University Of British Columbia | Multiple arm apparatus and methods for separation of particles |
US8518228B2 (en) | 2011-05-20 | 2013-08-27 | The University Of British Columbia | Systems and methods for enhanced SCODA |
US8529744B2 (en) | 2004-02-02 | 2013-09-10 | Boreal Genomics Corp. | Enrichment of nucleic acid targets |
WO2005072854A1 (en) | 2004-02-02 | 2005-08-11 | The University Of British Columbia | Scodaphoresis and methods and apparatus for moving and concentrating particles |
US10337054B2 (en) | 2004-02-02 | 2019-07-02 | Quantum-Si Incorporated | Enrichment of nucleic acid targets |
US7462452B2 (en) | 2004-04-30 | 2008-12-09 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Field-switch sequencing |
US7534336B2 (en) | 2004-05-04 | 2009-05-19 | Palo Alto Research Center Incorporated | Continuous flow particle concentrator |
CA2523089A1 (en) | 2004-10-05 | 2006-04-05 | University Of Ottawa | Methods for separation of polymeric compounds |
WO2006063625A1 (en) | 2004-12-17 | 2006-06-22 | Agilent Technologies, Inc. | Fractionation using electro elution |
CA2496294A1 (en) | 2005-02-07 | 2006-08-07 | The University Of British Columbia | Apparatus and methods for concentrating and separating particles such as molecules |
US9097723B2 (en) | 2005-04-01 | 2015-08-04 | Caliper Life Sciences, Inc. | Method and apparatus for performing peptide digestion on a microfluidic device |
WO2007044071A2 (en) | 2005-04-21 | 2007-04-19 | Exact Sciences Corporation | Analysis of heterogeneous nucleic acid samples |
JP4464317B2 (ja) * | 2005-05-13 | 2010-05-19 | 株式会社日立プラントテクノロジー | マイクロ流体装置とその継手 |
ES2341283T3 (es) | 2005-07-05 | 2010-06-17 | Partnership Bioactivity | Separacion de analitos mediante masa molecular y carga. |
US7405281B2 (en) | 2005-09-29 | 2008-07-29 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Fluorescent nucleotide analogs and uses therefor |
EP1960550B1 (en) | 2005-12-12 | 2010-09-15 | The Government of the United States of America as represented by The Secretary of the Department of Health and Human Services | Probe for nucleic acid sequencing and methods of use |
PL1981995T5 (pl) | 2006-02-02 | 2019-10-31 | Univ Leland Stanford Junior | Nieinwazyjne genetyczne badania przesiewowe płodu metodą analizy cyfrowej |
US8079836B2 (en) | 2006-03-01 | 2011-12-20 | Novartis Ag | Method of operating a peristaltic pump |
US20070215472A1 (en) | 2006-03-15 | 2007-09-20 | Slater Gary W | Electroosmotic flow for end labelled free solution electrophoresis |
US20070218494A1 (en) | 2006-03-17 | 2007-09-20 | Gary Slater | Branched polymer lables as drag-tags in free solution electrophoresis |
DE102006016806A1 (de) * | 2006-04-10 | 2007-10-11 | Robert Bosch Gmbh | Verdrängermaschine |
US8828661B2 (en) | 2006-04-24 | 2014-09-09 | Fluidigm Corporation | Methods for detection and quantification of nucleic acid or protein targets in a sample |
US8084734B2 (en) | 2006-05-26 | 2011-12-27 | The George Washington University | Laser desorption ionization and peptide sequencing on laser induced silicon microcolumn arrays |
US20080015117A1 (en) | 2006-07-14 | 2008-01-17 | Ozone Research Frontier Ltd. | Reactor for automated protein analysis |
EP1918714A1 (en) | 2006-11-02 | 2008-05-07 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Compounds and methods for double labelling of polypeptides to allow multiplexing in mass spectrometric analysis |
EP1925364A1 (en) * | 2006-11-23 | 2008-05-28 | Nederlandse Organisatie voor Toegepast-Natuuurwetenschappelijk Onderzoek TNO | Multiple microfluidic connector |
US8617811B2 (en) | 2008-01-28 | 2013-12-31 | Complete Genomics, Inc. | Methods and compositions for efficient base calling in sequencing reactions |
US8865401B2 (en) | 2007-12-14 | 2014-10-21 | The Johns Hopkins University | Purification and concentration of proteins and DNA from a complex sample using isotachophoresis and a device to perform the purification |
US20090253181A1 (en) | 2008-01-22 | 2009-10-08 | Microchip Biotechnologies, Inc. | Universal sample preparation system and use in an integrated analysis system |
CA2713313A1 (en) | 2008-02-01 | 2009-08-06 | The University Of British Columbia | Methods and apparatus for particle introduction and recovery |
US7968702B2 (en) | 2008-03-13 | 2011-06-28 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Labeled reactants and their uses |
MX2010010600A (es) | 2008-03-28 | 2011-03-30 | Pacific Biosciences California Inc | Composiciones y metodos para secuenciacion de acidos nucleicos. |
AU2009251883B2 (en) | 2008-03-31 | 2014-09-11 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Generation of modified polymerases for improved accuracy in single molecule sequencing |
US8999676B2 (en) | 2008-03-31 | 2015-04-07 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Recombinant polymerases for improved single molecule sequencing |
US8906831B2 (en) | 2008-03-31 | 2014-12-09 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Single molecule loading methods and compositions |
US8420366B2 (en) | 2008-03-31 | 2013-04-16 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Generation of modified polymerases for improved accuracy in single molecule sequencing |
TWI368686B (en) | 2008-04-08 | 2012-07-21 | Univ Nat Sun Yat Sen | Actuated mechanism of four-stroke piston |
US8215922B2 (en) | 2008-06-24 | 2012-07-10 | Aurora Sfc Systems, Inc. | Compressible fluid pumping system for dynamically compensating compressible fluids over large pressure ranges |
US20100233701A1 (en) | 2008-08-14 | 2010-09-16 | Heng Henry H | Use of non-clonal chromosomal aberrations for cancer research and clinical diagnosis |
ES2620012T3 (es) | 2008-09-20 | 2017-06-27 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Diagnóstico no invasivo de la aneuploidia fetal por secuenciación |
US9156010B2 (en) | 2008-09-23 | 2015-10-13 | Bio-Rad Laboratories, Inc. | Droplet-based assay system |
US20110272282A1 (en) | 2008-11-10 | 2011-11-10 | University Of British Columbia | Systems and methods for enhanced scoda |
WO2010059206A2 (en) | 2008-11-19 | 2010-05-27 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Modular nucleotide compositions and uses therefor |
WO2010065322A1 (en) | 2008-12-01 | 2010-06-10 | Research Triangle Institute | Concurrent identification of multitudes of polypeptides |
KR101063981B1 (ko) | 2009-01-12 | 2011-09-14 | 서강대학교산학협력단 | 자유 라디칼 개시제 및 이를 이용한 펩타이드 서열의 동정방법 |
EP2396549B1 (en) * | 2009-02-12 | 2019-10-23 | MC3, Inc. | Modular fluid pump with cartridge |
US9719083B2 (en) | 2009-03-08 | 2017-08-01 | Ibis Biosciences, Inc. | Bioagent detection methods |
DE102009013653B4 (de) | 2009-03-18 | 2014-09-18 | Bruker Daltonik Gmbh | Protein-Sequenzierung mit MALDI-Massenspektrometrie |
US20100261185A1 (en) | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Life Technologies Corporation | Labeled enzyme compositions, methods and systems |
WO2010117420A2 (en) | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Fret-labeled compounds and uses therefor |
WO2010114842A1 (en) | 2009-03-30 | 2010-10-07 | Ibis Biosciences, Inc. | Bioagent detection systems, devices, and methods |
DK2414547T3 (da) | 2009-04-02 | 2014-06-16 | Fluidigm Corp | Multiprimer-amplifikationsmetode til stregkodning af målnukleinsyrer |
US20100285537A1 (en) | 2009-04-02 | 2010-11-11 | Fluidigm Corporation | Selective tagging of short nucleic acid fragments and selective protection of target sequences from degradation |
EP3211095B1 (en) | 2009-04-03 | 2019-01-02 | Sequenom, Inc. | Nucleic acid preparation compositions and methods |
US8877028B2 (en) | 2009-04-21 | 2014-11-04 | The University Of British Columbia | System and methods for detection of particles |
CN102803147B (zh) | 2009-06-05 | 2015-11-25 | 尹特根埃克斯有限公司 | 通用样品准备系统以及在一体化分析系统中的用途 |
US9566335B1 (en) | 2009-09-25 | 2017-02-14 | The Governing Council Of The University Of Toronto | Protein sequencing method and reagents |
CN201511547U (zh) * | 2009-10-19 | 2010-06-23 | 佛山市南海东方纸箱机械实业有限公司 | 往复式前缘滚轮送纸装置的轮轴驱动机构 |
EP2458004B1 (en) | 2010-03-30 | 2017-03-15 | The University Of British Columbia | Systems and methods for enhanced scoda |
BR112012026406B1 (pt) * | 2010-04-16 | 2020-06-09 | Opko Diagnostics Llc | método de conduzir controle de qualidade para determinar anormalidades na operação de um sistema microfluídico |
EP2566985A4 (en) | 2010-05-06 | 2014-08-06 | Ibis Biosciences Inc | INTEGRATED SAMPLE PREPARATION SYSTEMS AND MIXTURES OF STABILIZED ENZYMES |
EP2952590B1 (en) | 2010-06-11 | 2017-07-26 | Life Technologies Corporation | Alternative nucleotide flows in sequencing-by-synthesis methods |
US8747084B2 (en) | 2010-07-21 | 2014-06-10 | Aperia Technologies, Inc. | Peristaltic pump |
EP2426217A1 (en) | 2010-09-03 | 2012-03-07 | Centre National de la Recherche Scientifique (CNRS) | Analytical methods for cell free nucleic acids and applications |
WO2012048261A2 (en) | 2010-10-07 | 2012-04-12 | Vanderbilt University | Peristaltic micropump and related systems and methods |
EP2441485A1 (de) * | 2010-10-13 | 2012-04-18 | Fresenius Kabi Deutschland GmbH | Pumpenmodul, Pumpenbasismodul und Pumpenssystem |
WO2012095176A1 (en) * | 2011-01-13 | 2012-07-19 | Dsm Ip Assets B.V. | Oscillating flow minireactor |
EP2689028B1 (en) | 2011-03-23 | 2017-08-30 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Isolation of polymerase-nucleic acid complexes and loading onto substrates |
US20200123593A1 (en) | 2011-05-20 | 2020-04-23 | Quantum-Si Incorporated | Systems and methods for sample preparation |
US20200123594A1 (en) | 2011-05-20 | 2020-04-23 | Quantum-Si Incorporated | Methods and devices for sequencing |
WO2016069124A1 (en) | 2014-09-15 | 2016-05-06 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Improved single molecule peptide sequencing |
KR101973510B1 (ko) | 2011-06-30 | 2019-05-09 | 삼성전자주식회사 | 컨텐츠를 보호하기 위한 저장 장치 및 호스트 장치와 그 방법 |
JP5861341B2 (ja) * | 2011-09-12 | 2016-02-16 | 頴 小西 | ポンプ装置 |
DE102011088235A1 (de) | 2011-12-12 | 2013-06-13 | Endress + Hauser Conducta Gesellschaft für Mess- und Regeltechnik mbH + Co. KG | Probenvorbereitungseinrichtung für eine Analyseeinrichtung zur Bestimmung einer Messgröße einer flüssigen Probe |
WO2013112745A1 (en) | 2012-01-24 | 2013-08-01 | The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate | Peptide identification and sequencing by single-molecule detection of peptides undergoing degradation |
EP3222627B1 (en) | 2012-02-15 | 2019-08-07 | Pacific Biosciences of California, Inc. | Polymerase enzyme substrates with protein shield |
DE102012102296A1 (de) | 2012-03-19 | 2013-09-19 | Endress + Hauser Conducta Gesellschaft für Mess- und Regeltechnik mbH + Co. KG | Messanordnung umfassend mindestens ein erstes Analysegerät zur automatisierten Bestimmung einer Messgröße einer Flüssigkeit und eine Probenvorbereitungseinrichtung |
CA3138752C (en) | 2012-04-03 | 2024-02-06 | Illumina, Inc. | Integrated optoelectronic read head and fluidic cartridge useful for nucleic acid sequencing |
EA031833B1 (ru) | 2012-04-27 | 2019-02-28 | Цефеид | Устройство с разнообразными обрабатывающими модулями |
US9116139B2 (en) | 2012-11-05 | 2015-08-25 | Illumina, Inc. | Sequence scheduling and sample distribution techniques |
US9435810B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-09-06 | Washington University | Molecules and methods for iterative polypeptide analysis and processing |
EP2979089B1 (en) | 2013-03-27 | 2019-08-14 | Theranos IP Company, LLC | Methods, devices, and systems for sample analysis |
US9506934B2 (en) | 2013-04-29 | 2016-11-29 | Honeywell International Inc. | Polymer test cartridge mixer for cell lysis |
CN105308073B (zh) | 2013-06-14 | 2019-08-13 | 加利福尼亚太平洋生物科学股份有限公司 | 双生物素化标签 |
US10544449B2 (en) | 2013-06-14 | 2020-01-28 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Bis-biotinylation tags |
EP3030683B1 (en) | 2013-08-05 | 2022-03-02 | Pacific Biosciences of California, Inc. | Protected fluorescent reagent compounds |
JP6673843B2 (ja) | 2013-11-17 | 2020-03-25 | クアンタム−エスアイ インコーポレイテッドQuantum−Si Incorporated | 分子をプローブし、検出し、分析するための光学システム及びアッセイ・チップ |
CN106796176B (zh) | 2014-08-08 | 2021-02-05 | 宽腾矽公司 | 用于对分子进行探测、检测和分析的带外部光源的集成装置 |
CA2957540A1 (en) | 2014-08-08 | 2016-02-11 | Quantum-Si Incorporated | Integrated device for temporal binning of received photons |
WO2016049533A1 (en) * | 2014-09-26 | 2016-03-31 | Abbott Point Of Care Inc. | Cartridge device with fluidic junctions for coagulation assays in fluid samples |
WO2016109691A1 (en) | 2014-12-31 | 2016-07-07 | Boris Andreyev | Devices and methods for molecular diagnostic testing |
EP3230748B1 (en) * | 2015-01-30 | 2020-03-18 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Diagnostic chip |
WO2016126941A1 (en) | 2015-02-04 | 2016-08-11 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Multimeric protected fluorescent reagents |
CA2982340C (en) | 2015-03-20 | 2023-10-10 | Baker Hughes, A Ge Company, Llc | Systems and methods for controlling downhole linear motors |
WO2016185284A1 (en) | 2015-05-20 | 2016-11-24 | Boreal Genomics, Inc. | Method for isolating target nucleic acid using heteroduplex binding proteins |
US10246742B2 (en) | 2015-05-20 | 2019-04-02 | Quantum-Si Incorporated | Pulsed laser and bioanalytic system |
US11112301B2 (en) | 2015-06-09 | 2021-09-07 | Sol Inc. | Method for correcting optical sensor array module through characteristic evaluation |
EP3371194B1 (en) | 2015-10-16 | 2020-12-30 | Andrew Emili | Protein sequencing method |
US10814299B2 (en) | 2015-11-18 | 2020-10-27 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Loading nucleic acids onto substrates |
US10676788B2 (en) | 2015-11-20 | 2020-06-09 | Pacific Biosciences Of California, Inc. | Modified nucleotide reagents |
US20170191125A1 (en) | 2015-12-30 | 2017-07-06 | Omniome, Inc. | Sequencing device |
WO2017181100A1 (en) | 2016-04-15 | 2017-10-19 | Biofire Defense, Llc | Resistive heaters and anisotropic thermal transfer |
KR102138559B1 (ko) * | 2016-04-26 | 2020-07-28 | 리머스 브릭스 앤더스 하웁트 | 유체 연동 레이어 펌프 |
EP3516097A4 (en) | 2016-09-23 | 2020-11-04 | ArcherDX, Inc. | OPERATING A LIBRARY PREPARATION SYSTEM FOR THE PERFORMANCE OF A PROTOCOL FOR A BIOLOGICAL SAMPLE |
CN206292041U (zh) | 2016-12-12 | 2017-06-30 | 成都姜业光电科技有限公司 | 曲柄摇杆机构 |
JP6913169B2 (ja) | 2016-12-16 | 2021-08-04 | クアンタム−エスアイ インコーポレイテッドQuantum−Si Incorporated | コンパクトなモードロックレーザモジュール |
MX2019007070A (es) | 2016-12-16 | 2019-08-01 | Quantum Si Inc | Acoplador optico y sistema de guia de ondas. |
EP3555691A1 (en) | 2016-12-16 | 2019-10-23 | Quantum-Si Incorporated | Compact beam shaping and steering assembly |
BR112019012540A2 (pt) | 2016-12-22 | 2019-11-12 | Quantum-Si Incorporated | fotodetector integrado com pixel de acondicionamento direto |
EP3600671A4 (en) | 2017-03-29 | 2021-01-13 | Cornell University | DEVICES, METHODS, AND SYSTEMS FOR DETERMINING A NUCLEIC ACID SEQUENCE, EXPRESSION, COPY COUNT, OR METHYLATION CHANGES USING COMBINED NUCLEASE, LIGASE, POLYMERASE AND SEQUENCING REACTIONS |
MX2019013111A (es) | 2017-05-05 | 2019-12-16 | Quantum Si Inc | Sustratos que tienen reactividad de superficie modificada y propiedades antiincrustantes en reacciones biologicas. |
CN207295166U (zh) | 2017-07-05 | 2018-05-01 | 诸暨玛雅电器机械有限公司 | 绣花机机头轴承式曲柄直线驱动机构 |
WO2019023146A1 (en) | 2017-07-24 | 2019-01-31 | Quantum-Si Incorporated | PHOTONIC STRUCTURES WITH OPTICAL RELEASE |
WO2019040825A1 (en) | 2017-08-24 | 2019-02-28 | The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services | CONFORMATIONAL RESTRICTION OF CYANINE FLUOROPHORES IN A FAR RED RANGE AND CLOSE INFRARED |
US11278897B2 (en) | 2017-12-28 | 2022-03-22 | Stmicroelectronics S.R.L. | Cartridge for sample preparation and molecule analysis, cartridge control machine, sample preparation system and method using the cartridge |
CN114950588A (zh) | 2018-01-08 | 2022-08-30 | 宽腾矽公司 | 用于亚微米级反应室的电气动力装载的系统及方法 |
WO2019221913A1 (en) | 2018-05-15 | 2019-11-21 | Illumina, Inc. | Flow cell with flexible connection |
CA3115262A1 (en) | 2018-10-04 | 2020-04-09 | First Light Diagnostics, Inc. | Detection and analysis of cells |
US10836798B2 (en) | 2018-11-08 | 2020-11-17 | Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Commerce | Amino acid-specific binder and selectively identifying an amino acid |
KR20220108054A (ko) | 2019-10-28 | 2022-08-02 | 퀀텀-에스아이 인코포레이티드 | 멀티플렉스 폴리펩티드 서열분석을 위한 샘플을 제조하는 방법, 키트 및 장치 |
BR112022007937A2 (pt) | 2019-10-28 | 2022-08-30 | Quantum Si Inc | Métodos de sequenciamento e reconstrução de um único polipeptídeo |
CN114929897A (zh) | 2019-10-28 | 2022-08-19 | 宽腾矽公司 | 制备用于多肽测序的富集样品的方法 |
BR112022008217A2 (pt) | 2019-10-29 | 2022-07-12 | Quantum Si Inc | Métodos e dispositivos para sequenciamento |
AU2020375809A1 (en) | 2019-10-29 | 2022-06-02 | Quantum-Si Incorporated | Systems and methods for sample preparation |
JP2023501226A (ja) | 2019-10-29 | 2023-01-18 | クアンタム-エスアイ インコーポレイテッド | 生物分析用流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 |
US11358981B2 (en) | 2020-01-21 | 2022-06-14 | Quantum-Si Incorporated | Compounds and methods for selective c-terminal labeling |
US20210354134A1 (en) | 2020-04-22 | 2021-11-18 | Quantum-Si Incorporated | Sample preparation for sequencing |
US20210379591A1 (en) | 2020-04-22 | 2021-12-09 | Quantum-Si Incorporated | Fragmentation of target molecules for sequencing |
US20210331170A1 (en) | 2020-04-22 | 2021-10-28 | Quantum-Si Incorporated | Terminal functionalization of target molecules for sequencing |
US20210354133A1 (en) | 2020-04-22 | 2021-11-18 | Quantum-Si Incorporated | Enrichment and depletion of target molecules for sequencing |
AU2022210334A1 (en) | 2021-01-20 | 2023-08-10 | Quantum-Si Incorporated | Devices and methods for peptide sample preparation |
WO2022212647A1 (en) | 2021-04-01 | 2022-10-06 | Quantum-Si Incorporated | Protein-wide modification of aspartates and glutamates |
JP2024518758A (ja) | 2021-04-21 | 2024-05-02 | クアンタム-エスアイ インコーポレイテッド | 流体レセプタクルを装填するためのデバイスおよび方法 |
-
2020
- 2020-10-28 CA CA3159566A patent/CA3159566A1/en active Pending
- 2020-10-28 AU AU2020372908A patent/AU2020372908A1/en active Pending
- 2020-10-28 WO PCT/US2020/057768 patent/WO2021086985A1/en unknown
- 2020-10-28 BR BR112022008098A patent/BR112022008098A2/pt not_active Application Discontinuation
- 2020-10-28 JP JP2022525390A patent/JP2023502329A/ja active Pending
- 2020-10-28 US US17/083,106 patent/US12011716B2/en active Active
- 2020-10-28 KR KR1020227017669A patent/KR20220101108A/ko unknown
- 2020-10-28 MX MX2022005183A patent/MX2022005183A/es unknown
- 2020-10-28 CN CN202080091209.7A patent/CN114930028A/zh active Pending
- 2020-10-28 EP EP20811823.2A patent/EP4051903A1/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN114930028A (zh) | 2022-08-19 |
CA3159566A1 (en) | 2021-05-06 |
KR20220101108A (ko) | 2022-07-19 |
EP4051903A1 (en) | 2022-09-07 |
US20210121874A1 (en) | 2021-04-29 |
AU2020372908A1 (en) | 2022-06-02 |
WO2021086985A1 (en) | 2021-05-06 |
US12011716B2 (en) | 2024-06-18 |
MX2022005183A (es) | 2022-08-08 |
BR112022008098A2 (pt) | 2022-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11339433B2 (en) | Nucleic acid sequencing systems | |
JP6400630B2 (ja) | 試料使用の極大化のためのシステム及び方法 | |
JP2023501226A (ja) | 生物分析用流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 | |
CN107338189B (zh) | 用于集成的样品制备、反应和检测的设备与方法 | |
AU2015243006B2 (en) | Imaging analyzer for testing analytes | |
EP1943495B1 (en) | Device and method for the detection of particles | |
Malic et al. | Integration and detection of biochemical assays in digital microfluidic LOC devices | |
CN106964411B (zh) | 具有集成传送模块的测试盒 | |
WO2015160863A1 (en) | Portable nucleic acid analysis systemand high-performance microfluidic electroactive polymer actuators | |
JPWO2017175871A1 (ja) | 汎用光測定装置およびその方法 | |
Sista | Development of a digital microfluidic lab-on-a-chip for automated immunoassay with magnetically responsive beads | |
JP2023502329A (ja) | 流体の蠕動運動式送出、並びに関連する方法、システム、及び機器 | |
JP2024518758A (ja) | 流体レセプタクルを装填するためのデバイスおよび方法 | |
CN116536147A (zh) | Pcr检测设备 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231030 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231030 |