JP4779261B2 - 微粒子分離方法、微粒子分離装置、およびセンサ - Google Patents

微粒子分離方法、微粒子分離装置、およびセンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子分離方法、微粒子分離装置、およびセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶液中に含まれる微粒子を分離する方法として、遠心力と電気泳動力の力のつりあいを利用した方法がある。これは、遠心力が働く場の中に微粒子を含む溶液を置き、遠心力と反対方向に作用する電場を与えて電気泳動力を発生させ、遠心力と電気泳動力とがつりあった位置に微粒子を分離する方法である。
【0003】
例えば、特許第1603224号公報には、イオン交換膜を用いて溶液にイオン濃度勾配を発生させてその大きさが位置に依存する電場を作り出し、溶液中の任意の位置にある粒子に働く遠心力と電気泳動力の合成ベクトルがつりあいの位置に向かうような場を作ることで高分子または粒子等溶液を分離する発明が記載されている。
【0004】
具体的に説明すると、荷電Q、質量M、比容積vの微粒子に働く力fは、遠心力fcと遠心力と反対方向の大きさEの電場による力(電気泳動力)feの合力で示され、次の(数1)式のようになる。
【0005】
【数1】
Figure 0004779261
【0006】
ここで、ρは粒子の数密度、ωは回転の角速度、rは遠心力の回転半径を示す。回転中心から一定の点より半径rが増大するに従い、その大きさが増大するような分布を持つ電場をイオン濃度勾配を生み出すイオン交換膜の設置により実現し、角速度ωを適当に選ぶことにより遠心力fcと電気泳動力feのつりあう位置rpを決定、すなわち同一の粒子をすべて同じ位置に集合させる分離方法を実現している。
【0007】
また、従来、様々な種類の分子や微粒子を含む溶液を分析する方法として、ゲルを用いて吸着の差を利用して分析を行うゲルクロマトグラフィー法や、高周波不平等電界を発生させて分子や粒子に働く誘電泳動力の差を利用して分析を行う静電クロマトグラフィー法がある。
【0008】
例えば、特許第3097932号公報には、入口から一定速度で流れているキャリアーにサンプルとなる分子や粒子を添加し、これらに誘電泳動力を働かせ、出口に達する所要時間の差から分子や粒子の分析を行う静電クロマトグラフィー装置が記載されている。これは、分子や粒子に働く誘電泳動力が、その分子や粒子に固有の電気双極子モーメントによって大きさが異なることを利用して分子や粒子を分析するクロマトグラフィー装置に関する発明である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術はいずれも、分子や粒子等を分離する方法や装置の確立を目的としている。しかしながら、上記従来の技術においては、以下に示すような課題を有する。
【0010】
特許第1603224号公報では、遠心力と電気泳動力とがつりあう位置に粒子を集合させて分離を行っており、具体的には任意の位置にある粒子に働く合力が常につりあいの位置に向かうよう、イオン交換膜を用いて勾配を持つ電場を作り出している。しかし、電気泳動を利用することにより、様々な課題が発生する。例えば、通電中に電気泳動槽中のイオンが消耗するため、電解質貯蔵溶液を別途設けるなど、非常に複雑な前処理を必要とする。また、水溶液に直流電圧を印加した場合、電極近傍において水が電気分解し、安全対策が必要な場合も起こりうる。
【0011】
また、特許第3097932号公報では、一定速度で流れているキャリアーに含まれる分子や粒子に誘電泳動力を働かせ、一定距離を移動するのに必要な所要時間の差から様々な分子や粒子の分離を行っている。しかし、所要時間の差に基づく分離方法であるため、分離にはある程度の時間がかかってしまうことになる。
【0012】
以上に鑑み、本発明の目的は、簡便・高速で、高精度に微粒子を分離する方法および装置を提供すること、ならびに定量定性分析を行うセンサを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、微粒子を含む溶液が流れている中で、前記流れの力と反対方向に微粒子を誘電泳動させ、前記流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる微粒子分離方法としたものである。
【0014】
そして、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御するようにするのがよい。
【0015】
また、本発明は、微粒子を含む溶液に遠心力を与え、前記遠心力と反対方向に微粒子を誘電泳動させ、前記遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる微粒子分離方法としたものである。
【0016】
そして、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、遠心力を発生させる角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御するのがよい。
【0017】
また、本発明は、第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を流すためのポンプと流路と、前記微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備する、微粒子分離装置としたものである。
【0018】
そして、制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御するのがよい。
【0019】
また、本発明は、第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を収容する容器と、前記容器は前記微粒子に遠心力を与えるための回転体に保持されており、前記微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備する、微粒子分離装置としたものである。
【0020】
そして、制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、回転体の角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御するのがよい。
【0021】
また、本発明は、第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を流すためのポンプと流路と、前記微粒子の濃度を測定する濃度測定装置と、前記微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備し、分離した状態の微粒子濃度を前記濃度測定装置により測定するセンサとしたものである。
【0022】
そして、制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子が濃度測定部位に位置するよう制御するのがよい。
【0023】
また、本発明は、第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を収容する容器と、前記微粒子の濃度を測定する濃度測定装置と、前記容器は前記微粒子に遠心力を与えるための回転体に保持されており、前記微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備し、分離した状態の微粒子の濃度を前記濃度測定装置により測定するセンサとしたものである。
【0024】
そして、制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、回転体の角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子が濃度測定部位に位置するよう制御するのがよい。
【0025】
なお、上記濃度測定装置は、表面プラズモン共鳴現象を利用したものとするのが好適である。
【0026】
あるいは、上記濃度測定装置は光源と光検出器とを具備し、光源から発せられた光が微粒子を含む溶液中を透過し、光検出器により計測されることで微粒子による光の吸光度を求め、この値から微粒子の濃度を求めるものとしてもよい。
【0027】
これら本発明により、簡便・高速で、高精度に微粒子を分離する方法および装置、ならびに定量定性分析を行うセンサを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と数式を参照して説明する。
【0029】
(実施の形態1)
本発明は、微粒子を含む溶液が流れの方向に流速分布を有している流れの中で、流れの力と反対方向に微粒子に誘電泳動力を印加し、流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に留まることを利用し、溶液中に含まれる様々な種類の微粒子を分離する方法やその装置、および分離したものを分析するセンサに関するものである。特に、様々な種類のタンパク質、細胞、高分子等の微粒子を含む溶液中から所望の微粒子を選択的に抽出したり分離分析を行う生化学分析、創薬、DNA解析、ハイスループットスクリーニング等に好適に用いられる。
【0030】
図1は、流れの力と誘電泳動力とを用いて、ある単一種の微粒子Aを分離する場合の一形態を示す模式図である。図1(a)において、筐体1には厚さが一定で扇形の溶液チャンバー8が形成されており、扇の幅の狭まった側の端部には溶液流入口2が、扇の幅の広がった側の端部には溶液流出口3が設けられている。また、溶液流入口2と溶液流出口3の間には第一の電極4と第二の電極5がそれぞれ設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極4と第二の電極5の間の電界強度は、第一の電極4に近いほど電気力線が密となるため、図中では左へ行くほど電界強度が強くなる。また図1(b)は、図1(a)のM−M’断面図である。溶液チャンバー8を含む流路6は微粒子Aを含む溶液9で満たされており、溶液9はポンプ7によって流路6内を一定流量で循環している。
【0031】
ここで、図1において、溶液流入口2の位置がrin、第一の電極4がr1、第二の電極5がr2、溶液流出口3がroutとなるようなr座標を設定する。このような条件下で、溶液チャンバー8内の溶液9に含まれている微粒子Aに働く流れの力Ffは、次の(数2)式で示される。
【0032】
【数2】
Figure 0004779261
【0033】
ここで、μは溶液9の粘性係数、aは微粒子Aの半径、V(r)は流れの速さをそれぞれ示す。流れの速さV(r)は位置rの関数であるが、ここでの場合は循環流量が一定、溶液チャンバー8の厚さが一定であるため、V(r)はrに反比例する関数となる。位置rと流れの力Ffとの関係を示すグラフを図2に示す。力の働く方向は、+r方向である。
【0034】
次に、微粒子Aに働く誘電泳動力Fdを説明する。Fdは次の(数3)式で示される。
【0035】
【数3】
Figure 0004779261
【0036】
ここで、εmは溶液9の誘電率、Eは二つの電極4、5により発生する電界強度の実効値、ωは交流電圧源の角周波数、Re[]は実数部、▽は勾配を求める微分演算子をそれぞれ示す。また、K*(ω)はクラウジウス−モソティ関数であり、次の(数4)式で定義される。
【0037】
【数4】
Figure 0004779261
【0038】
ここで、εp *は微粒子Aの複素誘電率、εm *は溶液9の複素誘電率、εpは微粒子Aの誘電率、εmは溶液9の誘電率、σpは微粒子Aの導電率、σmは溶液9の導電率、jは虚数単位をそれぞれ示す。電界強度の実効値E(r)は位置rの関数であり、rが増加するに従いその大きさは単純減少する。従って、実効値Eの二乗の勾配も同様にrの増加に伴い単純減少することになる。位置rと誘電泳動力Fdとの関係を示すグラフも図2に示す。力の方向は、Re[K*(ω)]が正の場合には電界強度の強い方向へと働き、負の場合には弱い方向へと働く。ここでは正の場合、すなわち−r方向に力が働く場合を、以下説明する。
【0039】
溶液チャンバー8内を流れる溶液9に誘電泳動を働かせると、溶液9に含まれている微粒子Aには流れの力Ffと誘電泳動力Fdとが働く。微粒子Aは、これらの合力F=Ff−Fdによって溶液9中を運動することになる。図3に、位置rと合力Fとの関係を示すグラフを示す。r=raで示される位置は、合力F=0となる位置であり、ここに位置する微粒子Aはここに留まることを表している。一方、r1<r<raの領域では、微粒子Aには+r方向に力が働き、ra<r<r2の領域では、微粒子Aには−r方向に力が働くので、電極に挟まれた領域に存在する微粒子Aはすべて、位置raに集められる。また、電極に挟まれていない領域、すなわちr<r1、r2<rに位置する微粒子Aは、流れによって必ず電極に挟まれた領域に移動するので、結果的に溶液9に含まれるすべての微粒子Aを位置raに集めることができる。
【0040】
次に、溶液9が複数種類の微粒子を含んでいる場合にこれらの微粒子を別々に分離する方法を説明する。溶液9中に含まれているn種類の微粒子は、それぞれに固有の粒子半径、誘電率、導電率を有している。すなわち、これら固有パラメータの違いによって、それぞれの微粒子に働く流れの力Ffと誘電泳動力Fdとは異なる値を示す。従って、二つの力がつりあう位置(合力=0となる位置)も、各微粒子に固有の値を示すことになり、分離が可能となる。また、すべての微粒子がr1<r2の領域につりあいの位置を持つことができない場合には、電界強度の実効値E、交流電圧源の角周波数ω、交流電界の電圧印加時間、流路6内を流れる流量の少なくともいずれかひとつを変化させることによって、つりあいの位置を持てることを(数2)(数3)は示している。
【0041】
以上、正の誘電泳動が働く場合について説明を行ったが、微粒子の種類によっては負の誘電泳動が働くケースもあり、この場合については、以下のように説明をすることができる。図4は図1同様、流れの力と誘電泳動力とを用いてある単一種の微粒子Bを分離する場合の一形態を示す模式図で、図1に示した模式図とは、溶液チャンバー8が左右が逆になっていることのみが違っている。すなわち、溶液流入口10と溶液流出口11以外の構成は、図1と同一である。
【0042】
このとき、溶液12に含まれている微粒子Bに働く流れの力Ffと位置rとの関係は、図5のように示される。力の働く方向は+r方向である。また、溶液12に含まれている微粒子Bに働く誘電泳動力Fdは、電界強度の弱い方向、すなわち−r方向に働き、その大きさはrの増加に伴い単純増加することになる。位置rと誘電泳動力Fdとの関係を示すグラフも図5に示す。
【0043】
図6に、位置rとこれらの合力Fとの関係を示すグラフを示す。r=rbで示される位置は、合力F=0となる位置であり、ここに位置する微粒子Bはここに留まることを表している。一方、r1<r<rbの領域では、微粒子Bには+r方向に力が働き、rb<r<r2の領域では、微粒子Bには−r方向に力が働くので、電極に挟まれた領域に存在する微粒子Bはすべて、位置rbに集められる。また、電極に挟まれていない領域、すなわちr<r1、r2<rに位置する微粒子Bは、流れによって必ず電極に挟まれた領域に移動するので、結果的に溶液12に含まれるすべての微粒子Bを位置rbに集めることができる。
【0044】
また、正の誘電泳動が働く場合での説明と同じく、溶液12が複数種類の微粒子を含んでいる場合には、粒子半径、誘電率、導電率といったこれら固有パラメータの違いによって、それぞれの微粒子に働く流れの力Ffと誘電泳動力Fdとは異なる値を示し、二つの力がつりあう位置(合力=0となる位置)も、各微粒子に固有の値を示すことになり、分離が可能となるし、電界強度の実効値E、交流電圧源の角周波数ω、交流電界の電圧印加時間、流路6内を流れる流量の少なくともいずれかひとつを変化させることによって、つりあいの位置を制御することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では簡略化のために微粒子を球体として扱ったが、実際には複雑な形状を有するタンパク質や高分子の場合でも、数式が複雑になるものの原理的には同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0046】
(実施の形態2)
(実施の形態1)では、図1を用いて流速が単調減少する流れの力と正の誘電泳動力とのつりあいを利用した分離手法、および図4を用いて流速が単調増加する流れの力と負の誘電泳動力とのつりあいを利用した分離方法について説明を行った。図1、図4では、誘電泳動を作用させる流路の形状が扇形であり、また二つの電極が流れの上流と下流とに位置する場合について説明を行ったが、流れの力と誘電泳動力とのつりあいを利用した分離手法は、流れや電極配置に他の様々な形態を用いても、その効果を発揮することができる。すなわち、流れの力Ffと誘電泳動力Fdの合力Fが、溶液チャンバー内にF=0となるつりあいの位置を持ち、つりあいの位置からはずれた場所では、つりあいの位置に向かう合力Fが働くような場を設定すれば、溶液に含まれる微粒子を分離することが可能となる。本実施の形態では、(実施の形態1)で示した微粒子分離手法を具現化するための具体的な形態についていくつかを説明する。
【0047】
図7は、流れの力と誘電泳動力とを用いて微粒子の分離を行う一形態を示す模式図である。筐体21には厚さが一定で円形の溶液チャンバー27が形成されており、円の中央に溶液流入口22が、円の外周部に溶液流出口23が設けられている。また、溶液流入口22と溶液流出口23の間には第一の電極24と第二の電極25がそれぞれ設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極24と第二の電極25の間の電界強度は、第一の電極24に近いほど電気力線が密となるため、溶液チャンバー27の中央へ行くほど電界強度が強くなる。溶液チャンバー27を含む流路26は微粒子Bを含む溶液28で満たされており、溶液28は図示していないポンプによって流路26内を一定流量で循環している。
【0048】
このとき溶液チャンバー27内の溶液28に含まれている微粒子Bに働く流れの力Ffは、(実施の形態1)と同様、(数2)で示される。また、微粒子Bに働く誘電泳動力Fdも同様に(数3)で示される。詳細な説明は(実施の形態1)で行ったため省略するが、円形の溶液チャンバー27の場合でも不均一電界が形成されるため、扇形の溶液チャンバーの場合と全く同様に、+r方向(中心から外へ向かう方向)に働く流れの力Ffと−r方向(中心へ向かう方向)に働く正の誘電泳動力Fdとのつりあいを利用して、微粒子Bをつりあいの位置rbに集めることができる。
【0049】
図8は、流れの力と誘電泳動力とを用いて微粒子の分離を行う一形態を示す模式図である。筐体31には厚さが一定で扇形の溶液チャンバー37が形成されており、扇の幅の狭まった側の端部には溶液流入口32が、扇の幅の広がった側の端部には溶液流出口33が設けられている。また、溶液流入口32と溶液流出口33の間には流れの方向に沿って第一の電極34と第二の電極35がそれぞれ設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極34と第二の電極35の間の電界強度は、溶液流入口32に近いほど強くなる。溶液チャンバー37を含む流路36は微粒子Cを含む溶液38で満たされており、溶液38は図示していないポンプによって流路26内を一定流量で循環している。
【0050】
このとき溶液チャンバー37内の溶液38に含まれている微粒子Cに働く流れの力Ffは、(数2)で示され、また微粒子Cに働く誘電泳動力Fdも(数3)で示される。詳細な説明は省略するが、流れに沿って配置された電極を用いても不均一電界が形成されるため、(実施の形態1)の場合と同様、+r方向に働く流れの力Ffと−r方向に働く正の誘電泳動力Fdとのつりあいを利用して、微粒子Cをつりあいの位置rcに集めることができる。
【0051】
また、図示はしないが、図8に示した形態と似たような構成として、電極機能を有する二枚の長方形の金属板を対向させ、この金属板間に溶液を流す際に、流出口断面積が流入口断面積よりも広くなるように設定することによっても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
図9は、流れの力と誘電泳動力とを用いて微粒子の分離を行う一形態を示す模式図である。筐体41には厚さと幅が一定の細長い溶液チャンバー47が形成されており、微粒子Dを含む溶液48は溶液流入口42から流入し、溶液流出口43から流出する。溶液48は図示していないポンプによって流路46内を一定流量で循環している。また、筐体41内には電極設置空間49が設けられており、ここに第一の電極44と第二の電極45がそれぞれ設けられ、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。なお、電極設置空間49内は誘電体で満たされており、その種類は空気や窒素等の気体、または水やエチルアルコール等の液体、またはPMMAやガラス等の固体が好適に用いられる。第一の電極44と第二の電極45は、その電極間隔が下流に行くに従い急激に広がる形状をしており、下流ほど電界強度が弱くなる。
【0053】
このとき溶液チャンバー47内を流れる溶液48に含まれている微粒子Dに働く流れの力Ffと誘電泳動力Fdとは、図10に示すようなグラフとなる。流れの断面積と流量が一定なので、流れの力Ffは一定値を示す。一方誘電泳動力Fdは、電界強度E(r)が円弧の一部を描くような強度分布を有するよう電極形状と配置を取っているので、E(r)2の勾配の大きさは下流ほど大きくなり、従って誘電泳動力Fdは図10に示すようなグラフとなる。図11に位置rと合力Fとの関係を示すグラフを示す。r=rdで示される位置は、合力F=0となる位置であり、ここに位置する微粒子Dはここに留まることを表している。一方、r<rdの領域では、微粒子Dには+r方向に力が働き、rd<rの領域では、微粒子Dには−r方向に力が働くので、微粒子Dをすべて位置rdに集めることができる。
【0054】
以上説明したように、流れの力Ffと誘電泳動力Fdの合力Fが、溶液チャンバー内にF=0となるつりあいの位置を持ち、つりあいの位置からはずれた場所ではつりあいの位置に向かう合力Fが働くように流れの形状と電極配置を構成すれば、溶液に含まれる微粒子をつりあいの位置に分離することが可能となる。
【0055】
(実施の形態3)
本発明は、微粒子を含む溶液に遠心力が働いている場の中で、遠心力と反対方向に微粒子に誘電泳動力を印加し、遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に留まることを利用し、溶液中に含まれる様々な種類の微粒子を分離する方法やその装置、および分離したものを分析するセンサに関するものである。本発明も、様々な種類のタンパク質や高分子を含む溶液中から所望の分子を選択的に抽出したり分離分析を行う生化学分析、創薬、DNA解析、ハイスループットスクリーニング等に好適に用いられる。
【0056】
図12は、遠心力と誘電泳動力とを用いて、ある単一種の微粒子Eを分離する場合の一形態を示す模式図である。図12において、筐体61には厚さと幅が一定の細長い溶液チャンバー64が形成されており、内部には微粒子Eを含む溶液65が満たされている。また、筐体61内には電極設置空間66が設けられており、ここに第一の電極62と第二の電極63がそれぞれ設けられ、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。なお、電極設置空間66内は誘電体で満たされており、その種類は空気や窒素等の気体、または水やエチルアルコール等の液体、またはPMMAやガラス等の固体が好適に用いられる。第一の電極62と第二の電極63は、その電極間隔が図12中で右に行くに従い急激に広がる形状をしており、右へ行くほど電界強度が弱くなる。さらに筐体61は、回転体67に設置されており、角速度ωcで回転するものである。
【0057】
ここで、図12において、回転体67の回転中心がr=0、溶液チャンバー64の左端部がr3、右端部がr4となるようなr座標を設定する。このような条件下で、溶液チャンバー64内の溶液65に含まれている微粒子Eに働く遠心力Fcは、次の(数5)式で示される。
【0058】
【数5】
Figure 0004779261
【0059】
ここで、M、vはそれぞれ微粒子Eの質量、比容積、ρは微粒子Eの数密度を示す。式が示すように、遠心力Fc(r)は位置rに比例する関数となる。位置rと遠心力Fcとの関係を示すグラフを図13に示す。力の働く方向は、+r方向である。
【0060】
次に、微粒子Eに働く誘電泳動力Fdを説明する。Fdは次の(数6)式で示される。
【0061】
【数6】
Figure 0004779261
【0062】
ここで、εmは溶液65の誘電率、Eは二つの電極62、63により発生する電界強度の実効値、ωは交流電圧源の角周波数、Re[]は実数部、▽は勾配を求める微分演算子をそれぞれ示す。また、K*(ω)はクラウジウス−モソティ関数であり、次の(数7)式で定義される。
【0063】
【数7】
Figure 0004779261
【0064】
ここで、εp *は微粒子Eの複素誘電率、εm *は溶液65の複素誘電率、εpは微粒子Eの誘電率、εmは溶液65の誘電率、σpは微粒子Eの導電率、σmは溶液65の導電率、jは虚数単位をそれぞれ示す。電界強度の実効値E(r)が円弧の一部を描くような強度分布を有するような電極形状と配置であるので、E(r)2の勾配の大きさは図中の右へ行くほど大きくなり、従って誘電泳動力Fdは図13に示すようなグラフとなる。力の方向は、Re[K*(ω)]が正の場合、すなわち−r方向に働く場合を設定する。
【0065】
筐体61が角速度ωcで回転している状態で溶液65に誘電泳動を働かせると、溶液65に含まれている微粒子Eには遠心力Fcと誘電泳動力Fdとが働く。微粒子Eは、これらの合力F=Fc−Fdによって溶液65中を運動することになる。図14に、位置rと合力Fとの関係を示すグラフを示す。r=reで示される位置は、合力F=0となる位置であり、ここに位置する微粒子Eはここに留まることを表している。一方、r3<r<reの領域では、微粒子Eには+r方向に力が働き、re<r<r4の領域では、微粒子Eには−r方向に力が働くので、溶液チャンバー64内に存在する微粒子Eはすべて、位置reに集めることができる。
【0066】
次に、溶液65が複数種類の微粒子を含んでいる場合にこれらの微粒子を別々に分離する方法を説明する。溶液65中に含まれているn種類の微粒子は、それぞれに固有の粒子半径、質量、比容積、誘電率、導電率を有している。すなわち、これら固有パラメータの違いによって、それぞれの微粒子に働く遠心力Fcと誘電泳動力Fdとは異なる値を示す。従って、二つの力がつりあう位置(合力=0となる位置)も、各微粒子に固有の値を示すことになり、分離が可能となる。また、すべての微粒子がr3<r4の領域につりあいの位置を持つことができない場合には、電界強度の実効値E、交流電圧源の角周波数ω、交流電界の電圧印加時間、回転体67の角速度ωcの少なくともいずれかひとつを変化させることによって、つりあいの位置を持てることを(数5)(数6)は示している。
【0067】
以上、正の誘電泳動が働く場合について説明を行ったが、微粒子の種類によっては負の誘電泳動が働くケースもあり、この場合について図を用いて以下説明する。
【0068】
図15は、遠心力と誘電泳動力とを用いて微粒子の分離を行う一形態を示す模式図である。筐体71には、扇形の溶液チャンバー74が形成されており、内部には微粒子Gを含む溶液75が満たされている。溶液チャンバー74の扇の幅の広がった側の端部には第一の電極72が、狭まった側の端部には第二の電極73が設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極72と第二の電極73の間の電界強度は、第一の電極72に近いほど弱くなる。さらに筐体71は、回転体76に設置されており、角速度ωcで回転するものである。
【0069】
このとき溶液75に含まれている微粒子Gに働く遠心力Fcと位置rとの関係は、図16のように示される。力の方向は+r方向である。また、微粒子Gに働く誘電泳動力Fdは、電界強度の弱い方向、すなわち−r方向に働き、その大きさはrの増加に伴い単純増加することになる。位置rと誘電泳動力Fdとの関係も、図16に示す。
【0070】
図17に、位置rとこれらの合力Fとの関係を示すグラフを示す。r=rgで示される位置は、合力F=0となる位置であり、ここに位置する微粒子Gはここに留まることを表している。一方、r<rgの領域では、微粒子Gには+r方向に力が働き、rg<rの領域では、微粒子Gには−r方向に力が働くので、電極に挟まれた領域に存在する微粒子Gはすべて、位置rgに集めることができる。
【0071】
なお、遠心力Fcと誘電泳動力Fdの合力Fが、溶液チャンバー内にF=0となるつりあいの位置を持ち、つりあいの位置からはずれた場所ではつりあいの位置に向かう合力Fが働くように電極形状や電極配置を構成すれば、溶液に含まれる微粒子をつりあいの位置に分離することが可能となるのは言うまでもない。
【0072】
さらに、本実施の形態では簡略化のために微粒子を球体として扱ったが、実際には複雑な形状を有するタンパク質や高分子の場合でも、数式が複雑になるものの原理的には同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0073】
(実施の形態4)
本実施の形態では、これまでに説明した微粒子分離方式を用いて微粒子を定量定性分析するためのセンサに関して具体的に述べる。
【0074】
図18は、流れの力と誘電泳動力とを利用する微粒子分離方式と、表面プラズモン共鳴現象とを用いて微粒子の定性定量分析を行うセンサの一形態を示す模式図であり、微粒子の分離に関しては図1に示した方式を用いているものである。筐体101には厚さが一定で、上から見ると図1に示したような扇形の溶液チャンバー107が形成されており、流路106の一部を構成している。扇の幅の狭まった側の端部には溶液流入口102が、扇の幅の広がった側の端部には溶液流出口103が設けられている。また、溶液流入口102と溶液流出口103の間には第一の電極104と第二の電極105がそれぞれ設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極104と第二の電極105の間の電界強度は、第一の電極104に近いほど電気力線が密となるため、図中では左へ行くほど電界強度が強くなる。溶液チャンバー107を含む流路106は微粒子を含む溶液108で満たされており、溶液108は図示していないポンプによって流路106内を一定流量で循環している。このとき、微粒子に働く流れの力Ffと誘電泳動力Fdとは図2のように示され、これらの合力は図3のように示される。すなわち、溶液108に含まれる微粒子はすべて、合力F=0となるつりあいの位置に集められる。
【0075】
一方、光源109から発せられた入射光112は、第一のレンズ110、第二のレンズ111、プリズム113、筐体101の底面を構成するガラス115を経由して金属薄膜114に照射される。光源は単一波長を発振するレーザダイオードであり、第一のレンズ110、第二のレンズ111は、入射光112の焦点が金属薄膜114に結ぶよう調整されている。すなわち入射光112は、レンズの大きさ、焦点距離、プリズムの屈折率等で規定される入射角範囲を有することになる。また、金属薄膜114は、Au薄膜が好適に用いられるが、Ag、Cu、Al、Pt等、他の金属であっても表面プラズモン共鳴現象を起こすものであれば差し支えはない。さらに、金属薄膜114表面には厚さ100nm以下の非金属物質により被覆されていることが好適であるが、被覆されていなくてもかまわない。
【0076】
金属薄膜114で反射された反射光116は、再度ガラス115、プリズム113を透過し光検出器117へと照射され、ここで入射角毎の光量検出が行われる。光検出器117は、CCDやアレイセンサにより構成されると好適である。なお、プリズム113とガラス115とは図示していないマッチングオイルにて密着している。図18では、筐体101の底面全体がガラス製であるが、筐体101全体がガラス製であっても、入射光112と反射光116を透過させる部分のみがガラス製であってもかまわない。
【0077】
以上のような構成を用いて微粒子の定性定量分析を行う手法について説明する。溶液108中の任意の種類の微粒子が金属薄膜114上に集まるよう、電界強度の実効値E、交流電圧源の角周波数ω、交流電界の電圧印加時間、流路106内を流れる流量の少なくともいずれかひとつを制御する。微粒子はその物質固有のパラメータを有しているので、微粒子が金属薄膜114上に集まったときの電界強度の実効値Eや交流電圧源の角周波数ωから、その微粒子の種類を同定することができる。
【0078】
さらに、金属薄膜114上に微粒子が集められた状態で表面プラズモン共鳴現象を利用して微粒子の屈折率、すなわち濃度を定量的に求めることができる。金属薄膜114からの反射光116の光量が最も減少する角度、すなわち表面プラズモン共鳴が発生する条件を満たす入射光112の角度を測定する。この角度測定を微粒子が分離されていない状態でも行い、未分離状態と分離状態の角度差から微粒子の濃度を求める。
【0079】
なお、当然のことではあるが、濃度が未知の溶液の濃度を決定するにあたっては、既知の濃度を持つ参照溶液を測定し、それとの比較によって行うものとする。
【0080】
また、光源109、光検出器117、交流電圧源、ポンプはそれぞれ、図示していない制御演算装置と接続されており、予めプログラムされた手順で、もしくは作業者が状況に応じて、機器制御、計測、検出、演算、記録等を行うことができる。
【0081】
さらに、本実施の形態では微粒子を分離するために、流れの力と誘電泳動力とを用いたが、流れの力の替わりに遠心力を用いても一向にかまわず、遠心力を用いる場合には微粒子を金属薄膜114上に集めるために制御するパラメータが、流路内を流れる流量ではなく回転体の角速度に替わるだけであって、遠心力と誘電泳動力を用いる手法でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0082】
(実施の形態5)
本実施の形態では(実施の形態4)同様、これまでに説明した微粒子分離方式を用いて微粒子を定量定性分析するためのセンサに関して具体的に述べる。
【0083】
図19は、流れの力と誘電泳動力とを利用する微粒子分離方式と、光吸収現象とを用いて微粒子の定性定量分析を行うセンサの一形態を示す模式図であり、微粒子の分離に関しては図1に示した方式を用いているものである。筐体121には厚さが一定で、上から見ると図1に示したような扇形の溶液チャンバー127が形成されており、流路126の一部を構成している。扇の幅の狭まった側の端部には溶液流入口122が、扇の幅の広がった側の端部には溶液流出口123が設けられている。また、溶液流入口122と溶液流出口123の間には第一の電極124と第二の電極125がそれぞれ設けられており、これら電極はそれぞれ図示していない交流電圧源に接続されている。第一の電極124と第二の電極125の間の電界強度は、第一の電極124に近いほど電気力線が密となるため、図中では左へ行くほど電界強度が強くなる。溶液チャンバー127を含む流路126は微粒子を含む溶液128で満たされており、溶液128は図示していないポンプによって流路126内を一定流量で循環している。このとき、微粒子に働く流れの力Ffと誘電泳動力Fdとは図2のように示され、これらの合力は図3のように示される。すなわち、溶液128に含まれる微粒子はすべて、合力F=0となるつりあいの位置に集められる。
【0084】
一方、光源129から発せられた検査光133は、第一のレンズ130、第二のレンズ131、第三のレンズ132、筐体121の底面を構成するガラス135を経由して溶液128中に照射される。光源129は単一波長を発振するレーザダイオードが好適であり、第一のレンズ130、第二のレンズ131、第三のレンズ132は、検査光133のビーム幅が溶液128中で一定であるよう調整されている。
【0085】
溶液128中を透過した検査光133は、ガラス136を透過し光検出器134へと照射され、ここで透過光量検出が行われる。光検出器134は、フォトダイオードやCCDにより構成されると好適である。図19では、筐体121の底面と上面全体がガラス製であるが、筐体121全体がガラス製であっても、検査光133を透過させる部分のみがガラス製であってもかまわない。
【0086】
以上のような構成を用いて微粒子の定性定量分析を行う手法について説明する。溶液128中の任意の種類の微粒子が検査光133の光路上に集まるよう、電界強度の実効値E、交流電圧源の角周波数ω、交流電界の電圧印加時間、流路126内を流れる流量の少なくともいずれかひとつを制御する。微粒子はその物質固有のパラメータを有しているので、微粒子が検査光133の光路上に集まったときの電界強度の実効値Eや交流電圧源の角周波数ωから、その微粒子の種類を同定することができる。
【0087】
さらに、検査光133の光路上に微粒子が集められた状態で光吸収現象を利用して微粒子の濃度を定量的に求めることができる。この濃度測定を微粒子が分離されていない状態でも行い、未分離状態と分離状態の光吸収の差から微粒子の濃度を求める。
【0088】
また、光源129、光検出器134、交流電圧源、ポンプはそれぞれ、図示していない制御演算装置と接続されており、予めプログラムされた手順で、もしくは作業者が状況に応じて、機器制御、計測、検出、演算、記録等を行うことができる。
【0089】
さらに、本実施の形態では微粒子を分離するために、流れの力と誘電泳動力とを用いたが、流れの力の替わりに遠心力を用いても一向にかまわず、遠心力を用いる場合には微粒子を検査光133の光路上に集めるために制御するパラメータが、流路内を流れる流量ではなく回転体の角速度に替わるだけであって、遠心力と誘電泳動力を用いる手法でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡便・高速で、高精度に微粒子を分離する方法および装置、ならびに定量定性分析を行うセンサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図2】本発明の一実施の形態による流れの力及び誘電泳動力の位置依存性を示す特性図
【図3】本発明の一実施の形態による合力の位置依存性を示す特性図
【図4】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図5】本発明の一実施の形態による流れの力及び誘電泳動力の位置依存性を示す特性図
【図6】本発明の一実施の形態による合力の位置依存性を示す特性図
【図7】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図8】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図9】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図10】本発明の一実施の形態による流れの力及び誘電泳動力の位置依存性を示す特性図
【図11】本発明の一実施の形態による合力の位置依存性を示す特性図
【図12】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図13】本発明の一実施の形態による遠心力及び誘電泳動力の位置依存性を示す特性図
【図14】本発明の一実施の形態による合力の位置依存性を示す特性図
【図15】本発明の一実施の形態による微粒子分離手法を表す模式図
【図16】本発明の一実施の形態による遠心力及び誘電泳動力の位置依存性を示す特性図
【図17】本発明の一実施の形態による合力の位置依存性を示す特性図
【図18】本発明の一実施の形態による定性定量分析を行うセンサを表す模式図
【図19】本発明の一実施の形態による定性定量分析を行うセンサを表す模式図
【符号の説明】
1、21、31、41、61、71、101、121 筐体
2、10、22、32、42、102、122 溶液流入口
3、11、23、33、43、103、123 溶液流出口
4、24、34、44、62、72、104、124 第一の電極
5、25、35、45、63、73、105、125 第二の電極
6、26、36、46、106、126 流路
7 ポンプ
8、27、37、47、64、74、107、127 溶液チャンバー
9、12、28、38、48、65、75、108、128 溶液
49、66 電極設置空間
67、76 回転体
109、129 光源
110、130 第一のレンズ
111、131 第二のレンズ
112 入射光
113 プリズム
114 金属薄膜
115、135、136 ガラス
116 反射光
117、134 光検出器
132 第三のレンズ
133 検査光

Claims (21)

  1. 微粒子を含む溶液が流れている中で、前記流れの力と反対方向に微粒子を誘電泳動させ、前記流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる微粒子分離方法。
  2. 誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御する請求項1記載の微粒子分離方法。
  3. 微粒子を含む溶液に遠心力を与え、前記遠心力と反対方向に微粒子を誘電泳動させ、前記遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる微粒子分離方法。
  4. 誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、遠心力を発生させる角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御する請求項3記載の微粒子分離方法。
  5. 誘電泳動力が、電界強度の強い方向に働く正の誘電泳動力である請求項1から請求項4のいずれか記載の微粒子分離方法。
  6. 誘電泳動力が、電界強度の弱い方向に働く負の誘電泳動力である請求項1から請求項4のいずれか記載の微粒子分離方法。
  7. 第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を流すためのポンプと流路と、前記微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備する、微粒子分離装置。
  8. 前記制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御する請求項7記載の微粒子分離装置。
  9. 第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を収容する容器と、前記容器は前記微粒子に遠心力を与えるための回転体に保持されており、前記微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備する、微粒子分離装置。
  10. 前記制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、回転体の角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあう位置を制御する請求項9記載の微粒子分離装置。
  11. 誘電泳動力が、電界強度の強い方向に働く正の誘電泳動力である請求項7から請求項11のいずれか記載の微粒子分離装置。
  12. 誘電泳動力が、電界強度の弱い方向に働く負の誘電泳動力である請求項7から請求項11のいずれか記載の微粒子分離装置。
  13. 第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を流すためのポンプと流路と、前記微粒子の濃度を測定する濃度測定装置と、前記微粒子に働く流れの力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備し、分離した状態の微粒子濃度を前記濃度測定装置により測定するセンサ。
  14. 前記制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、溶液の流量の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子が濃度測定部位に位置するよう制御する請求項13記載のセンサ。
  15. 第一の電極と第二の電極からなる電極対と、これら電極間に不均一な交流電界を発生せしめる電圧源と、微粒子を含む溶液を収容する容器と、前記微粒子の濃度を測定する濃度測定装置と、前記容器は前記微粒子に遠心力を与えるための回転体に保持されており、前記微粒子に働く遠心力と誘電泳動力とがつりあった位置に前記微粒子を分離させる制御手段とを具備し、分離した状態の微粒子の濃度を前記濃度測定装置により測定するセンサ。
  16. 前記制御手段は、誘電泳動を発生させる際に印加する交流電界の周波数、交流電界の電圧値、交流電界の電圧印加時間、回転体の角速度の少なくともいずれかひとつを制御することで、微粒子が濃度測定部位に位置するよう制御する請求項15記載のセンサ。
  17. 誘電泳動力が、電界強度の強い方向に働く正の誘電泳動力である請求項13から請求項16のいずれか記載のセンサ。
  18. 誘電泳動力が、電界強度の弱い方向に働く負の誘電泳動力である請求項13から請求項16のいずれか記載のセンサ。
  19. 濃度測定装置が表面プラズモン共鳴現象を利用したものである請求項13から請求項16のいずれか記載のセンサ。
  20. 濃度測定装置が光源と光検出器とを具備し、光源から発せられた光が微粒子を含む溶液中を透過し、光検出器により計測されることで微粒子による光の吸光度を求め、この値から微粒子の濃度を求めるものである請求項13から請求項16のいずれか記載のセンサ。
  21. 光源から発せされる光が、レーザ光である請求項20記載のセンサ。
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