JP2023178472A - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型に構成され、良好な光学性能を有し、合焦の高速化に有利な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供する。【解決手段】撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群とからなる。合焦の際に、第2レンズ群のみが移動する。撮像レンズは、無限遠物体に合焦した状態における撮像レンズの焦点距離fと第3レンズ群の焦点距離f3に関する条件式:-0.5<f/f3<0.38を満足する。【選択図】図1
Description
本開示は、撮像レンズ、および撮像装置に関する。
従来、デジタルカメラ等に用いられる撮像レンズとして、下記特許文献1、下記特許文献2、および下記特許文献3に記載のレンズ系が知られている。
近年、小型に構成され、良好な光学性能を有し、合焦の高速化に有利な撮像レンズが要望されている。
本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、小型に構成され、良好な光学性能を有し、合焦の高速化に有利な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本開示の撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群とからなり、合焦の際に、第1レンズ群および第3レンズ群は像面に対して固定されており、第2レンズ群が移動し、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、第3レンズ群の焦点距離をf3とした場合、
-0.5<f/f3<0.38 (1)
で表される条件式(1)を満足する。
-0.5<f/f3<0.38 (1)
で表される条件式(1)を満足する。
本開示の撮像レンズは、
-0.4<f/f3<0.3 (1-1)
で表される条件式(1-1)を満足することが好ましい。
-0.4<f/f3<0.3 (1-1)
で表される条件式(1-1)を満足することが好ましい。
第1レンズ群は、最も物体側から像側へ順に連続して、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとを含み、第1レンズのd線に対する屈折率をN1、第2レンズのd線に対する屈折率をN2とした場合、
1.6<N1<2.1 (2)
1.6<N2<2.1 (3)
で表される条件式(2)および(3)を満足することが好ましい。また、条件式(2)および(3)を満足した上で、
1.65<N1<2 (2-1)
で表される条件式(2-1)を満足することがより好ましい。
1.6<N1<2.1 (2)
1.6<N2<2.1 (3)
で表される条件式(2)および(3)を満足することが好ましい。また、条件式(2)および(3)を満足した上で、
1.65<N1<2 (2-1)
で表される条件式(2-1)を満足することがより好ましい。
第1レンズ群が上記第1レンズおよび第2レンズを含む構成において、第1レンズのd線基準のアッベ数をν1n、第2レンズのd線基準のアッベ数をν1pとした場合、
5<ν1n-ν1p<40 (4)
で表される条件式(4)を満足することが好ましい。
5<ν1n-ν1p<40 (4)
で表される条件式(4)を満足することが好ましい。
第1レンズ群は絞りを含むことが好ましい。第1レンズ群は、最も物体側から像側へ順に連続して、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、絞りとを含むことが好ましい。
1つのレンズ成分を1枚の単レンズ又は1組の接合レンズとした場合、第3レンズ群の最も像側のレンズ成分は負の屈折力を有するように構成してもよい。
第3レンズ群の最も像側のレンズ面は凹面であるように構成してもよい。
第2レンズ群は、1枚の単レンズ又は1組の接合レンズからなることが好ましい。
第2レンズ群の焦点距離をf2とした場合、
0.5<|f/f2|<2 (5)
で表される条件式(5)を満足することが好ましい。
0.5<|f/f2|<2 (5)
で表される条件式(5)を満足することが好ましい。
第2レンズ群が、1枚の単レンズからなり、第3レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとからなる構成において、第3レンズ群の正レンズのd線基準のアッベ数をν3p、第3レンズ群の負レンズのd線基準のアッベ数をν3nとした場合、
5<ν3n-ν3p<38 (6)
で表される条件式(6)を満足することが好ましい。
5<ν3n-ν3p<38 (6)
で表される条件式(6)を満足することが好ましい。
第2レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとからなり、第3レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとからなる構成において、第2レンズ群の正レンズのd線基準のアッベ数をν2p、第2レンズ群の負レンズのd線基準のアッベ数をν2n、第3レンズ群の正レンズのd線基準のアッベ数をν3p、第3レンズ群の負レンズのd線基準のアッベ数をν3nとした場合、
8<ν2n-ν2p<35 (7)
15<ν3p-ν3n<45 (8)
で表される条件式(7)および(8)を満足することが好ましい。
8<ν2n-ν2p<35 (7)
15<ν3p-ν3n<45 (8)
で表される条件式(7)および(8)を満足することが好ましい。
第1レンズ群は、絞りと、絞りより像側に配置されて負レンズと正レンズとを含む少なくとも1組の接合レンズとを備え、第1レンズ群の接合レンズの正レンズのd線基準のアッベ数をν1cpとした場合、
70<ν1cp<110 (9)
で表される条件式(9)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
70<ν1cp<110 (9)
で表される条件式(9)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
第1レンズ群の接合レンズの互いに接合された正レンズおよび負レンズそれぞれのd線基準のアッベ数をν1cpおよびν1cnとした場合、
50<ν1cp-ν1cn<85 (10)
で表される条件式(10)を満足する接合レンズを少なくとも1組含むことが好ましい。
50<ν1cp-ν1cn<85 (10)
で表される条件式(10)を満足する接合レンズを少なくとも1組含むことが好ましい。
第2レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径をR2f、第2レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径をR2rとした場合、
-4<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-0.5 (11)
で表される条件式(11)を満足することが好ましい。
-4<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-0.5 (11)
で表される条件式(11)を満足することが好ましい。
第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径をR3f、第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径をR3rとした場合、
-10<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<10 (12)
で表される条件式(12)を満足することが好ましい。
-10<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<10 (12)
で表される条件式(12)を満足することが好ましい。
無限遠物体に合焦した状態における第2レンズ群の横倍率をβ2、無限遠物体に合焦した状態における第3レンズ群の横倍率をβ3とした場合、
-7.5<(1-β22)×β32<-4 (13)
で表される条件式(13)を満足することが好ましい。
-7.5<(1-β22)×β32<-4 (13)
で表される条件式(13)を満足することが好ましい。
第1レンズ群の焦点距離をf1、第1レンズ群の最も像側のレンズ面を基準として基準から第1レンズ群の像側主点までの光軸上の距離をdH、dHについて、基準より物体側の距離の符号を負、基準より像側の距離の符号を正とした場合、
0.3<dH/f1<0.7 (14)
で表される条件式(14)を満足することが好ましい。
0.3<dH/f1<0.7 (14)
で表される条件式(14)を満足することが好ましい。
本開示の撮像装置は、本開示の撮像レンズを備えている。
なお、本明細書の「~からなり」、「~からなる」は、挙げられた構成要素以外に、実質的に屈折力を有さないレンズ、並びに、絞り、フィルタ、およびカバーガラス等のレンズ以外の光学要素、並びに、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、および手振れ補正機構等の機構部分、等が含まれていてもよいことを意図する。
なお、本明細書において、「正の屈折力を有する~群」は、群全体として正の屈折力を有することを意味する。同様に「負の屈折力を有する~群」は、群全体として負の屈折力を有することを意味する。「正の屈折力を有するレンズ」、「正レンズ」、および「正のレンズ」は同義である。「負の屈折力を有するレンズ」、「負レンズ」、および「負のレンズ」は同義である。「~レンズ群」は、複数のレンズからなる構成に限らず、1枚のみのレンズからなる構成としてもよい。「全系」は撮像レンズを意味する。
「単レンズ」は接合されていない1枚のレンズを意味する。ただし、複合非球面レンズ(球面レンズと、その球面レンズ上に形成された非球面形状の膜とが一体的に構成されて、全体として1つの非球面レンズとして機能するレンズ)は、接合レンズとは見なさず、1枚のレンズとして扱う。非球面を含むレンズに関する、屈折力の符号、面形状、および曲率半径は、特に断りが無い限り、近軸領域で考えることにする。曲率半径の符号については、物体側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、像側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負とする。
条件式で用いている「焦点距離」は、近軸焦点距離である。条件式で用いている値は、無限遠物体に合焦した状態においてd線を基準とした場合の値である。本明細書に記載の「d線」、「C線」、「F線」、および「g線」は輝線である。本明細書においては、d線の波長は587.56nm(ナノメートル)、C線の波長は656.27nm(ナノメートル)、F線の波長は486.13nm(ナノメートル)、g線の波長は435.84nm(ナノメートル)として扱う。
本開示によれば、小型に構成され、良好な光学性能を有し、合焦の高速化に有利な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に、本開示の一実施形態に係る撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における構成の断面図を示す。図2に、この撮像レンズの各合焦状態における構成と光束の断面図を示す。図2において、「無限遠」と付した上段には物体距離が無限遠の物体に合焦した状態を示し、「近距離」と付した下段には物体距離が21.8mm(ミリメートル)の近距離物体に合焦した状態を示す。以下では、物体距離が無限遠の物体を無限遠物体という。図2では、光束として、軸上光束2および最大画角の光束3を示す。図1および図2に示す例は後述の実施例1の撮像レンズに対応している。図1および図2では、左側が物体側、右側が像側である。以下では主に図1を参照しながら本開示の一実施形態に係る撮像レンズについて説明する。
図1では、撮像レンズが撮像装置に適用されることを想定して、撮像レンズと像面Simとの間に平行平板状の光学部材PPが配置された例を示している。光学部材PPは、各種フィルタ、および/又はカバーガラス等を想定した部材である。各種フィルタとは例えば、ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ、および特定の波長域をカットするフィルタ等である。光学部材PPは屈折力を有しない部材であり、光学部材PPを省略した構成も可能である。
この撮像レンズは、光軸Zに沿って物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とからなる。最も物体側のレンズ群を正の屈折力を有するレンズ群とすることによって、レンズ系全長の短縮化が容易になるため小型化に有利となる。
一例として、図1の第1レンズ群G1は、物体側から像側へ順に、負のレンズL11、正のレンズL12、開口絞りSt、負のレンズL13、負のレンズL14、正のレンズL15、および正のレンズL16からなる。また、一例として、図1の第2レンズ群G2はレンズL21の1枚のレンズのみからなり、図1の第3レンズ群G3は、物体側から像側へ順に、正のレンズL31、および負のレンズL32の2枚のレンズからなる。図1の例において、レンズL14とレンズL15とは互いに接合されており、レンズL31とレンズL32とは互いに接合されている。図1の開口絞りStは大きさおよび形状を示しているのではなく光軸方向の位置を示している。
この撮像レンズは、無限遠物体から最至近物体への合焦の際に、第2レンズ群G2のみが移動し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は像面Simに対して固定されている、インナーフォーカス方式のレンズ系である。以下では合焦の際に移動するレンズ群をフォーカス群という。図1に示す第2レンズ群G2の下の右方向へ向かう矢印は、第2レンズ群G2がフォーカス群であり、無限遠物体から最至近物体へ合焦する際に像側へ移動することを意味する。インナーフォーカス方式を採ることによって、合焦の際に物体距離に関係なくレンズ系全長を一定にできる。近距離物体を撮影する場合でも、遠距離物体を撮影する場合とレンズ系全長が変わらないため、近距離物体を撮影する場合に被写体とレンズ系とが干渉する懸念を減じることができる。また、インナーフォーカス方式を採ることによって、フォーカス群の小型化および軽量化が容易となるため、合焦の高速化に有利となる。
この撮像レンズは、無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とした場合、下記条件式(1)を満足するように構成される。条件式(1)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第3レンズ群G3の負の屈折力が強くなり過ぎないため、最大画角の主光線の像面Simへの入射角が大きくなるのを抑制することができる。条件式(1)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第3レンズ群G3の正の屈折力が強くなり過ぎないため、像面湾曲の抑制に有利となり、また、レンズ系全長の短縮化に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(1-1)を満足することが好ましい。
-0.5<f/f3<0.38 (1)
-0.4<f/f3<0.3 (1-1)
-0.5<f/f3<0.38 (1)
-0.4<f/f3<0.3 (1-1)
第1レンズ群G1は開口絞りStを含むことが好ましい。第1レンズ群内に開口絞りStが配置された構成にすることによって、第1レンズ群G1のレンズの外径を小さくすることが容易となり、小型化に有利となる。
第1レンズ群G1は、最も物体側から像側へ順に連続して、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、開口絞りStとを含むことが好ましい。開口絞りStより物体側に配置されるレンズの枚数を2枚のみにすることによって、開口絞りStより物体側のレンズの外径を小さくすることが容易となり、小型化に有利となる。また、開口絞りStより物体側に負レンズおよび正レンズの両方を配置することによって、諸収差の補正に有利となる。図1の例では、レンズL11が第1レンズに対応し、レンズL12が第2レンズに対応する。
第1レンズ群G1が開口絞りStを含む場合、第1レンズ群G1は、開口絞りStより像側に配置されて負レンズと正レンズとを含む接合レンズを少なくとも1組備えることが好ましい。このようにした場合は、軸上色収差の補正に有利となる。
第2レンズ群G2は、1つのレンズ成分からなることが好ましい。なお、1つのレンズ成分とは、1枚の単レンズ又は1組の接合レンズのことを意味する。フォーカス群が1枚の単レンズ又は1組の接合レンズからなるように構成することによって、フォーカス群の軽量化が容易となるため、合焦の高速化に有利となる。
第2レンズ群G2が1枚の単レンズからなる場合は、第2レンズ群G2が1組の接合レンズからなる場合に比べ、フォーカス群の軽量化がより容易となるため、合焦の高速化により有利となる。第2レンズ群G2が、1枚の正レンズと1枚の負レンズとが接合されて構成された1組の接合レンズからなる場合は、合焦の際の色収差の変動の抑制に有利となる。
第3レンズ群G3は、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとからなることが好ましい。第3レンズ群G3が負レンズのみからなる場合および第3レンズ群G3が正レンズのみからなる場合に比べて、第3レンズ群G3が負レンズおよび正レンズの両方を有することによって、倍率色収差の補正に有利となる。
第3レンズ群G3は、1つのレンズ成分からなることが好ましい。第3レンズ群G3が、1枚の正レンズと1枚の負レンズとが接合されて構成された1組の接合レンズからなる場合は、倍率色収差の補正に有利となる。第3レンズ群G3が1枚の単レンズからなる場合は、小型化に有利となる。
第3レンズ群G3の最も像側のレンズ成分は負の屈折力を有するように構成してもよい。第3レンズ群G3の最も像側に負の屈折力を有するレンズ成分を配置することによって、最も像側のレンズ成分から像面Simに入射する軸外光束を光軸Zから離れる方向に射出させることができる。これによって、最も像側のレンズ成分の径を小さくでき、また、撮像レンズを撮像装置に装着する際に使用されるマウントによって、この軸外光束が遮光されないように構成することが容易になる。
第3レンズ群G3の最も像側のレンズ面は凹面であるように構成してもよい。このようにした場合は、上記の第3レンズ群G3の最も像側に負の屈折力を有するレンズ成分を配置した場合と同様に、マウントによる遮光を避けながら、結果として、第3レンズ群G3の最も像側のレンズ成分の小径化に有利となる。
次に、条件式に関する好ましい構成について述べる。ただし、撮像レンズが満足することが好ましい条件式は、式の形式で記載された条件式に限定されず、好ましい、およびより好ましいとされた条件式の中から下限と上限とを任意に組み合わせて得られる全ての条件式を含む。
第1レンズ群G1が、最も物体側に負の屈折力を有する第1レンズを含む構成において、第1レンズのd線に対する屈折率をN1とした場合、撮像レンズは下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第1レンズに必要な負の屈折力を持たせた場合でも、第1レンズの曲率半径の絶対値が小さくなり過ぎるのを抑制することができるため、像面湾曲の補正に有利となる。条件式(2)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第1レンズの材料として低分散材料の選択が可能となり、色収差補正に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(2-1)を満足することがより好ましい。
1.6<N1<2.1 (2)
1.65<N1<2 (2-1)
1.6<N1<2.1 (2)
1.65<N1<2 (2-1)
第1レンズ群G1の物体側から2番目のレンズが正の屈折力を有する第2レンズである構成において、第2レンズのd線に対する屈折率をN2とした場合、撮像レンズは下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第2レンズの曲率半径の絶対値が小さくなり過ぎるのを抑制することができるため、第2レンズの周辺部の厚みを確保することが容易となる。条件式(3)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第2レンズの材料として低分散材料の選択が可能となり、色収差補正に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(3-1)を満足することがより好ましい。
1.6<N2<2.1 (3)
1.8<N2<2 (3-1)
1.6<N2<2.1 (3)
1.8<N2<2 (3-1)
第1レンズ群G1が、最も物体側から像側へ順に連続して、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとを含む構成において、撮像レンズは条件式(2)および(3)を同時に満足することが好ましい。また、条件式(2)および(3)を同時に満足した上で条件式(2-1)および(3-1)の少なくとも一方を満足することがより好ましい。
また、第1レンズ群G1が、最も物体側から像側へ順に連続して、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズとを含む構成において、撮像レンズは下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)では、第1レンズのd線基準のアッベ数をν1n、第2レンズのd線基準のアッベ数をν1pとしている。条件式(4)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、倍率色収差の補正が容易となる。条件式(4)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、倍率色収差の補正が過剰になることを抑制できる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(4-1)を満足することがより好ましい。
5<ν1n-ν1p<40 (4)
6<ν1n-ν1p<35 (4-1)
5<ν1n-ν1p<40 (4)
6<ν1n-ν1p<35 (4-1)
無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とした場合、撮像レンズは下記条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第2レンズ群G2の屈折力が弱くなり過ぎないため、合焦の際の第2レンズ群G2の移動量を短縮化することができ、これによって、レンズ系全長の短縮化に有利となる。条件式(5)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり過ぎないため、合焦の際の収差変動の抑制に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(5-1)を満足することがより好ましい。
0.5<|f/f2|<2 (5)
0.7<|f/f2|<1.6 (5-1)
0.5<|f/f2|<2 (5)
0.7<|f/f2|<1.6 (5-1)
第2レンズ群G2が1枚の単レンズからなり、第3レンズ群G3が1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなる構成において、撮像レンズは下記条件式(6)を満足することが好ましい。条件式(6)では、第3レンズ群G3の正レンズのd線基準のアッベ数をν3p、第3レンズ群G3の負レンズのd線基準のアッベ数をν3nとしている。条件式(6)を満足することによって、倍率色収差の良好な補正に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(6-1)を満足することがより好ましい。
5<ν3n-ν3p<38 (6)
9<ν3n-ν3p<35 (6-1)
5<ν3n-ν3p<38 (6)
9<ν3n-ν3p<35 (6-1)
第2レンズ群G2が1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、第3レンズ群G3は1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなる構成において、撮像レンズは下記条件式(7)および(8)を満足することが好ましい。条件式(7)および(8)では、第2レンズ群G2の正レンズのd線基準のアッベ数をν2p、第2レンズ群G2の負レンズのd線基準のアッベ数をν2n、第3レンズ群G3の正レンズのd線基準のアッベ数をν3p、第3レンズ群G3の負レンズのd線基準のアッベ数をν3nとしている。条件式(7)を満足することによって、合焦の際の色収差の変動の抑制に有利となる。条件式(8)を満足することによって、倍率色収差の良好な補正に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、条件式(7)および(8)を同時に満足した上で条件式(7-1)および(8-1)の少なくとも一方を満足することがより好ましい。
8<ν2n-ν2p<35 (7)
12<ν2n-ν2p<30 (7-1)
15<ν3p-ν3n<45 (8)
20<ν3p-ν3n<40 (8-1)
8<ν2n-ν2p<35 (7)
12<ν2n-ν2p<30 (7-1)
15<ν3p-ν3n<45 (8)
20<ν3p-ν3n<40 (8-1)
第1レンズ群G1が、開口絞りStと、開口絞りStより像側に配置されて負レンズと正レンズとを含む少なくとも1組の接合レンズとを備える構成において、撮像レンズは下記条件式(9)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。条件式(9)では、第1レンズ群G1の接合レンズの正レンズのd線基準のアッベ数をν1cpとしている。条件式(9)を満足することによって、色収差の補正に有利となり、特に軸上色収差の良好な補正に有利となる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(9-1)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
70<ν1cp<110 (9)
75<ν1cp<105 (9-1)
70<ν1cp<110 (9)
75<ν1cp<105 (9-1)
第1レンズ群G1が、開口絞りStと、開口絞りStより像側に配置されて負レンズと正レンズとを含む少なくとも1組の接合レンズとを備える構成において、撮像レンズは下記条件式(10)を満足する接合レンズを少なくとも1組含むことが好ましい。条件式(10)では、開口絞りStより像側に配置された第1レンズ群G1の接合レンズの互いに接合された正レンズおよび負レンズそれぞれのd線基準のアッベ数をν1cpおよびν1cnとしている。条件式(10)を満足することによって、色収差の補正に有利となり、特に軸上色収差の良好な補正に有利となる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(10-1)を満足する接合レンズを少なくとも1組含むことが好ましい。
50<ν1cp-ν1cn<85 (10)
55<ν1cp-ν1cn<83 (10-1)
50<ν1cp-ν1cn<85 (10)
55<ν1cp-ν1cn<83 (10-1)
第2レンズ群G2の最も物体側のレンズ面の曲率半径をR2f、第2レンズ群G2の最も像側のレンズ面の曲率半径をR2rとした場合、撮像レンズは下記条件式(11)を満足することが好ましい。条件式(11)は第2レンズ群G2のシェイプファクターに関する式である。条件式(11)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、合焦の際の球面収差の変動の抑制に有利となる。条件式(11)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、合焦の際の像面湾曲の変動の抑制に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(11-1)を満足することがより好ましい。
-4<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-0.5 (11)
-3.5<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-1 (11-1)
-4<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-0.5 (11)
-3.5<(R2r+R2f)/(R2r-R2f)<-1 (11-1)
第3レンズ群G3の最も物体側のレンズ面の曲率半径をR3f、第3レンズ群G3の最も像側のレンズ面の曲率半径をR3rとした場合、撮像レンズは下記条件式(12)を満足することが好ましい。条件式(12)は第3レンズ群G3のシェイプファクターに関する式である。条件式(12)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、球面収差の良好な補正に有利となる。条件式(12)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、像面湾曲の良好な補正に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(12-1)を満足することがより好ましい。
-10<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<10 (12)
-6<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<1 (12-1)
-10<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<10 (12)
-6<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<1 (12-1)
無限遠物体に合焦した状態における第2レンズ群G2の横倍率をβ2、無限遠物体に合焦した状態における第3レンズ群G3の横倍率をβ3とした場合、撮像レンズは下記条件式(13)を満足することが好ましい。条件式(13)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、フォーカス群である第2レンズ群G2の光軸方向の移動量あたりの像位置の変化量が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。条件式(13)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、合焦の際の第2レンズ群G2の移動量を短縮化することができるため、レンズ系全長の短縮化に有利となる。撮像レンズは、より良好な特性を得るためには、下記条件式(13-1)を満足することがより好ましい。
-7.5<(1-β22)×β32<-4 (13)
-6.5<(1-β22)×β32<-4.5 (13-1)
-7.5<(1-β22)×β32<-4 (13)
-6.5<(1-β22)×β32<-4.5 (13-1)
第1レンズ群G1の焦点距離をf1、第1レンズ群G1の最も像側のレンズ面を基準として基準から第1レンズ群G1の像側主点までの光軸上の距離をdHとした場合、撮像レンズは下記条件式(14)を満足することが好ましい。なお、dHの符号について、上記基準より物体側の距離の符号を負、上記基準より像側の距離の符号を正とする。一例として、図1に第1レンズ群G1の像側主点HとdHを示す。条件式(14)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、合焦の際の像面湾曲の変動の抑制に有利となる。これは以下に述べる事情による。仮に、条件式(14)の対応値が下限以下になると、第1レンズ群G1の像側主点Hはより物体側に位置することになるため第1レンズ群G1のバックフォーカスが短くなる。このことは第2レンズ群G2の物点がより物体側に位置することになる。第2レンズ群G2の像点を一定に保つためには第2レンズ群G2の屈折力を強くすることが求められる。フォーカス群である第2レンズ群G2の屈折力が強くなると合焦の際の収差変動が大きくなり、特に合焦の際の像面湾曲の変動が大きくなる。
条件式(14)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第1レンズ群内の像側のレンズの大径化を抑制することに有利となり、また、球面収差の抑制に有利となる。
0.3<dH/f1<0.7 (14)
0.35<dH/f1<0.65 (14-1)
条件式(14)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第1レンズ群内の像側のレンズの大径化を抑制することに有利となり、また、球面収差の抑制に有利となる。
0.3<dH/f1<0.7 (14)
0.35<dH/f1<0.65 (14-1)
なお、図1に示した例は一例であり、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が可能である。例えば、各レンズ群を構成するレンズの枚数は図1の例と異なる数としてもよい。
各レンズ群は、例えば、以下の構成を採ることができる。第1レンズ群G1は、物体側から像側へ順に、両凹レンズと、両凸レンズと、開口絞りStと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、像側に凸面を向けた正レンズとからなるように構成することができる。
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなるように構成することができる。あるいは、第2レンズ群G2は、両凸レンズと両凹レンズとが物体側から順に接合された接合レンズからなるように構成することができる。
第3レンズ群G3は、正レンズと負レンズとが物体側から順に接合された接合レンズからなるように構成することができる。あるいは、第3レンズ群G3は、負レンズと正レンズとが物体側から順に接合された接合レンズからなるように構成することができる。あるいは、第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなるように構成することができる。
条件式に関する構成も含め上述した好ましい構成および可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。
次に、本開示の撮像レンズの実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の撮像レンズの構成を示す断面図は図1に示しており、その図示方法と構成は上述したとおりであるので、ここでは重複説明を一部省略する。実施例1の撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とからなる。無限遠物体から最至近物体への合焦の際に、第2レンズ群G2のみが光軸Zに沿って像側へ移動し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は像面Simに対して固定されている。第1レンズ群G1は、レンズL11~レンズL16の6枚のレンズと、開口絞りStとからなる。開口絞りStはレンズL12とレンズL13の間に配置されている。第2レンズ群G2は、レンズL21のみからなる。第3レンズ群G3は、レンズL31~レンズL32の2枚のレンズからなる。以上が実施例1の撮像レンズの概要である。
[実施例1]
実施例1の撮像レンズの構成を示す断面図は図1に示しており、その図示方法と構成は上述したとおりであるので、ここでは重複説明を一部省略する。実施例1の撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とからなる。無限遠物体から最至近物体への合焦の際に、第2レンズ群G2のみが光軸Zに沿って像側へ移動し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は像面Simに対して固定されている。第1レンズ群G1は、レンズL11~レンズL16の6枚のレンズと、開口絞りStとからなる。開口絞りStはレンズL12とレンズL13の間に配置されている。第2レンズ群G2は、レンズL21のみからなる。第3レンズ群G3は、レンズL31~レンズL32の2枚のレンズからなる。以上が実施例1の撮像レンズの概要である。
実施例1の撮像レンズについて、基本レンズデータを表1に、諸元および可変面間隔を表2に、非球面係数を表3に示す。表1において、Snの欄には最も物体側の面を第1面とし像側に向かうに従い1つずつ番号を増加させた場合の面番号を示し、Rの欄には各面の曲率半径を示し、Dの欄には各面とその像側に隣接する面との光軸上の面間隔を示す。Ndの欄には各構成要素のd線に対する屈折率を示し、νdの欄には各構成要素のd線基準のアッベ数を示す。
表1では、物体側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、像側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負としている。表1には開口絞りStおよび光学部材PPも示している。開口絞りStに対応する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載している。表1のDの最下欄の値は表中の最も像側の面と像面Simとの間隔である。表1では合焦の際に間隔が変化する可変面間隔についてはDD[ ]という記号を用い、[ ]の中にこの間隔の物体側の面番号を付してDの欄に記入している。
表2に、焦点距離f、FナンバーFNo.、最大全画角2ω、および可変面間隔の各値を示す。2ωの欄の(°)は単位が度であることを意味する。焦点距離および最大全画角については、無限遠物体に合焦した状態の値を示す。その他の項目については、無限遠物体に合焦した状態の値を「無限遠」と表記した欄に示し、物体距離が21.8mm(ミリメートル)の近距離物体に合焦した状態の値を「近距離」と表記した欄に示す。なお、物体距離とは、物体から第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面までの光軸上の距離である。表2に示す値は、d線を基準とした場合の値である。
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表3において、Snの欄には非球面の面番号を示し、KAおよびAm(m=4、6、8、10、12、14、16)の欄には各非球面についての非球面係数の数値を示す。表3の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。KAおよびAmは下式で表される非球面式における非球面係数である。
Zd=C×h2/{1+(1-KA×C2×h2)1/2}+ΣAm×hm
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸Zに垂直な平面 に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸Zからレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
Zd=C×h2/{1+(1-KA×C2×h2)1/2}+ΣAm×hm
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸Zに垂直な平面 に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸Zからレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmm(ミリメートル)を用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では予め定められた桁でまるめた数値を記載している。
図3に、実施例1の撮像レンズの各収差図を示す。図3では左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。図3では「無限遠」と付した上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、「近距離」と付した下段に物体距離が21.8mm(ミリメートル)の近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。球面収差図では、d線、C線、F線、およびg線における収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、および一点鎖線で示す。非点収差図では、サジタル方向のd線における収差を実線で示し、タンジェンシャル方向のd線における収差を短破線で示す。歪曲収差図ではd線における収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、F線、およびg線における収差をそれぞれ長破線、短破線、および一点鎖線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバーを意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。図3では各図の縦軸上端に対応するFNo.とωの値を示している。
上記の実施例1に関する各データの記号、意味、記載方法、図示方法、および近距離物体の物体距離は、特に断りが無い限り以下の実施例においても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
[実施例2]
実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図を図4に示す。実施例2の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例2の撮像レンズについて、基本レンズデータを表4に、諸元および可変面間隔を表5に、非球面係数を表6に、各収差図を図5に示す。図5では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図を図4に示す。実施例2の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例2の撮像レンズについて、基本レンズデータを表4に、諸元および可変面間隔を表5に、非球面係数を表6に、各収差図を図5に示す。図5では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例3]
実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図を図6に示す。実施例3の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例3の撮像レンズについて、基本レンズデータを表7に、諸元および可変面間隔を表8に、非球面係数を表9に、各収差図を図7に示す。図7では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図を図6に示す。実施例3の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例3の撮像レンズについて、基本レンズデータを表7に、諸元および可変面間隔を表8に、非球面係数を表9に、各収差図を図7に示す。図7では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例4]
実施例4の撮像レンズの構成を示す断面図を図8に示す。実施例4の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例4の撮像レンズについて、基本レンズデータを表10に、諸元および可変面間隔を表11に、非球面係数を表12に、各収差図を図9に示す。図9では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例4の撮像レンズの構成を示す断面図を図8に示す。実施例4の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例4の撮像レンズについて、基本レンズデータを表10に、諸元および可変面間隔を表11に、非球面係数を表12に、各収差図を図9に示す。図9では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例5]
実施例5の撮像レンズの構成を示す断面図を図10に示す。実施例5の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点、および第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例5の撮像レンズについて、基本レンズデータを表13に、諸元および可変面間隔を表14に、非球面係数を表15に、各収差図を図11に示す。図11では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例5の撮像レンズの構成を示す断面図を図10に示す。実施例5の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点、および第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例5の撮像レンズについて、基本レンズデータを表13に、諸元および可変面間隔を表14に、非球面係数を表15に、各収差図を図11に示す。図11では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例6]
実施例6の撮像レンズの構成を示す断面図を図12に示す。実施例6の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例6の撮像レンズについて、基本レンズデータを表16に、諸元および可変面間隔を表17に、非球面係数を表18に、各収差図を図13に示す。図13では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例6の撮像レンズの構成を示す断面図を図12に示す。実施例6の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例6の撮像レンズについて、基本レンズデータを表16に、諸元および可変面間隔を表17に、非球面係数を表18に、各収差図を図13に示す。図13では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例7]
実施例7の撮像レンズの構成を示す断面図を図14に示す。実施例7の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例7の撮像レンズについて、基本レンズデータを表19に、諸元および可変面間隔を表20に、非球面係数を表21に、各収差図を図15に示す。図15では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例7の撮像レンズの構成を示す断面図を図14に示す。実施例7の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例7の撮像レンズについて、基本レンズデータを表19に、諸元および可変面間隔を表20に、非球面係数を表21に、各収差図を図15に示す。図15では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例8]
実施例8の撮像レンズの構成を示す断面図を図16に示す。実施例8の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例8の撮像レンズについて、基本レンズデータを表22に、諸元および可変面間隔を表23に、非球面係数を表24に、各収差図を図17に示す。図17では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例8の撮像レンズの構成を示す断面図を図16に示す。実施例8の撮像レンズは、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例8の撮像レンズについて、基本レンズデータを表22に、諸元および可変面間隔を表23に、非球面係数を表24に、各収差図を図17に示す。図17では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例9]
実施例9の撮像レンズの構成を示す断面図を図18に示す。実施例9の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点、および第3レンズ群G3がレンズL31の1枚のレンズのみからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例9の撮像レンズについて、基本レンズデータを表25に、諸元および可変面間隔を表26に、非球面係数を表27に、各収差図を図19に示す。図19では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例9の撮像レンズの構成を示す断面図を図18に示す。実施例9の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点、および第3レンズ群G3がレンズL31の1枚のレンズのみからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例9の撮像レンズについて、基本レンズデータを表25に、諸元および可変面間隔を表26に、非球面係数を表27に、各収差図を図19に示す。図19では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例10]
実施例10の撮像レンズの構成を示す断面図を図20に示す。実施例10の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例10の撮像レンズについて、基本レンズデータを表28に、諸元および可変面間隔を表29に、非球面係数を表30に、各収差図を図21に示す。図21では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例10の撮像レンズの構成を示す断面図を図20に示す。実施例10の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21~レンズL22の2枚のレンズからなる点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例10の撮像レンズについて、基本レンズデータを表28に、諸元および可変面間隔を表29に、非球面係数を表30に、各収差図を図21に示す。図21では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
[実施例11]
実施例11の撮像レンズの構成を示す断面図を図22に示す。実施例11の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例11の撮像レンズについて、基本レンズデータを表31に、諸元および可変面間隔を表32に、非球面係数を表33に、各収差図を図23に示す。図23では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
実施例11の撮像レンズの構成を示す断面図を図22に示す。実施例11の撮像レンズは、第3レンズ群G3が正の屈折力を有する点以外は、実施例1の撮像レンズの概要と同様の構成を有する。実施例11の撮像レンズについて、基本レンズデータを表31に、諸元および可変面間隔を表32に、非球面係数を表33に、各収差図を図23に示す。図23では、上段に無限遠物体に合焦した状態の各収差図を示し、下段に近距離物体に合焦した状態の各収差図を示す。
表34に実施例1~11の撮像レンズの条件式(1)~(14)の対応値を示す。実施例1~11はd線を基準波長としている。表34にはd線基準での値を示す。
実施例1~11の撮像レンズは、小型に構成されており、また、フォーカス群が1枚又は2枚のレンズからなる構成のため合焦の高速化に有利である。実施例1~11の撮像レンズは、無限遠物体に合焦した状態だけでなく近距離物体に合焦した状態においても諸収差が良好に補正されて高い光学性能を保持している。
次に、本開示の実施形態に係る撮像装置について説明する。図24および図25に本開示の一実施形態に係る撮像装置であるカメラ30の外観図を示す。図24はカメラ30を正面側から見た斜視図を示し、図25はカメラ30を背面側から見た斜視図を示す。カメラ30は、いわゆるミラーレスタイプのデジタルカメラであり、交換レンズ20を取り外し自在に装着可能である。交換レンズ20は、鏡筒内に収納された本開示の一実施形態に係る撮像レンズ1を含んで構成されている。
カメラ30はカメラボディ31を備え、カメラボディ31の上面にはシャッターボタン32、および電源ボタン33が設けられている。また、カメラボディ31の背面には、操作部34、操作部35、および表示部36が設けられている。表示部36は、撮像された画像および撮像される前の画角内にある画像を表示可能である。
カメラボディ31の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント37が設けられ、マウント37を介して交換レンズ20がカメラボディ31に装着される。
カメラボディ31内には、交換レンズ20によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。カメラ30では、シャッターボタン32を押すことにより静止画又は動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本開示の技術を説明したが、本開示の技術は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、本開示の実施形態に係る撮像装置についても、上記例に限定されず、例えば、ミラーレスタイプ以外のカメラ、フィルムカメラ、およびビデオカメラ等、種々の態様とすることができる。
1 撮像レンズ
2 軸上光束
3 最大画角の光束
20 交換レンズ
30 カメラ
31 カメラボディ
32 シャッターボタン
33 電源ボタン
34、35 操作部
36 表示部
37 マウント
dH 第1レンズ群の最も像側のレンズ面から第1レンズ群の像側主点までの光軸上の距離
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
H 第1レンズ群の像側主点
L11~L16、L21~L22、L31~L32 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸
2 軸上光束
3 最大画角の光束
20 交換レンズ
30 カメラ
31 カメラボディ
32 シャッターボタン
33 電源ボタン
34、35 操作部
36 表示部
37 マウント
dH 第1レンズ群の最も像側のレンズ面から第1レンズ群の像側主点までの光軸上の距離
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
H 第1レンズ群の像側主点
L11~L16、L21~L22、L31~L32 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸
Claims (11)
- 物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群とからなり、
合焦の際に、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は像面に対して固定されており、前記第2レンズ群が移動し、
前記第1レンズ群は、最も像側に、像側に凸面を向けた正の屈折力を有する単レンズを含み、
前記第3レンズ群は、物体側から像側へ順に、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとからなり、
無限遠物体に合焦した状態における全系の焦点距離をf、
前記第3レンズ群の焦点距離をf3とした場合、
-0.5<f/f3<0.38 (1)
で表される条件式(1)を満足する撮像レンズ。 - 前記第1レンズ群は絞りを含む請求項1に記載の撮像レンズ。
- 前記第2レンズ群の焦点距離をf2とした場合、
0.5<|f/f2|<2 (5)
で表される条件式(5)を満足する請求項1又は2に記載の撮像レンズ。 - 前記第2レンズ群は、1枚の単レンズからなり、
前記第3レンズ群の前記正レンズのd線基準のアッベ数をν3p、
前記第3レンズ群の前記負レンズのd線基準のアッベ数をν3nとした場合、
5<ν3n-ν3p<38 (6)
で表される条件式(6)を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。 - 前記第1レンズ群は、絞りと、前記絞りより像側に配置されて負レンズと正レンズとを含む少なくとも1組の接合レンズとを備え、
前記第1レンズ群の前記接合レンズの前記正レンズのd線基準のアッベ数をν1cpとした場合、
70<ν1cp<110 (9)
で表される条件式(9)を満足する正レンズを少なくとも1枚含む請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。 - 前記第1レンズ群の前記接合レンズの互いに接合された前記正レンズおよび前記負レンズそれぞれのd線基準のアッベ数をν1cpおよびν1cnとした場合、
50<ν1cp-ν1cn<85 (10)
で表される条件式(10)を満足する接合レンズを少なくとも1組含む請求項5に記載の撮像レンズ。 - 前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径をR3f、
前記第3レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径をR3rとした場合、
-10<(R3r+R3f)/(R3r-R3f)<10 (12)
で表される条件式(12)を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。 - -0.4<f/f3<0.3 (1-1)
で表される条件式(1-1)を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。 - 前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面は凸面であり、
前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面は凹面である請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。 - 前記第2レンズ群は1枚の負レンズからなる請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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