JP2023160322A - 車両用シート及び車両用シートの製造方法 - Google Patents

車両用シート及び車両用シートの製造方法 Download PDF

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風太 田中
Futa Tanaka
崇弘 大西
Takahiro Onishi
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Abstract

Figure 2023160322000001
【課題】連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図り得る構成を提供する。
【解決手段】第1リクライニングユニット21aのシャフト24a及び第2リクライニングユニット21bのシャフト24bは、連結部材22の底面22bに対して平面状の外面27aにて一部が接触する傾斜状態で対向して一対の連結片22cが溶接固定されるように形成され、溶接固定時にシャフト24a,24bの回動中心が所定の回動軸線L上に位置して底面22bに対して外面27aが所定の傾斜角度θ2となるように配置される。
【選択図】図10

Description

本発明は、シートクッションに対してシートバックを傾動させる一対のリクライニングユニットを備える車両用シート及びその製造方法に関するものである。
従来、シートクッションに対してシートバックを傾動させる一対のリクライニングユニットを備える車両用シートとして、下記特許文献1に開示される乗物用シートが知られている。この乗物用シートは、左右反転した構成となる右側リクライニングユニット及び左側リクライニングユニットとコネクティングロッド(長尺状の連結部材)とを備え、右側リクライニングユニットのヒンジピン(シャフト)と、左側リクライニングユニットのヒンジピンとがコネクティングロッドによって連結されることで、右側リクライニングユニット及び左側リクライニングユニットが同期してロックオフ等するように構成されている。
特開2018-094990号公報
ところで、左右のリクライニングユニットのそれぞれのシャフトと長尺状の連結部材とを連結する作業工程では、それぞれのシャフトを所定の回動位置(例えば、ロックオフ方向へ回動させた位置)まで回動させて、それぞれの回動中心軸が一致するように保持した状態で、各部材を連結する溶接作業等が行われる。シャフトの回動位置を合わせることなく連結すると、左右のリクライニングユニットでのロックオフのタイミングがズレてしまうからである。
しかしながら、上述のようにシャフトの回動位置を合わせて溶接するような作業工程では、それぞれのシャフトの回動位置を合わせるための治具など、設備が煩雑になり、生産タクトの向上を図り難いという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図り得る構成を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の発明は、
シートクッション及びシートバックと、
前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
を備える車両用シートであって、
前記連結部材は、底面が平面状の本体部と前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片とを備え、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて一部が接触する傾斜状態で対向して前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
ロック用部材と、
前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
をそれぞれ備えて、
回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
前記シャフトは、溶接固定時に前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置して前記底面に対して前記対向面が所定の傾斜角度となるように配置されることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、
シートクッション及びシートバックと、
前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
を備える車両用シートであって、
前記連結部材は、底面が平面状の本体部と、前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片と、前記底面に設けられる突起と、を備え、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて所定の隙間を介して対向した状態で前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
ロック用部材と、
前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
をそれぞれ備えて、
回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
溶接固定時に前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように配置され、
前記突起は、前記底面のうち溶接固定時に前記対向面を押し回す位置に設けられることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、
シートクッション及びシートバックと、
前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
を備える車両用シートの製造方法であって、
前記連結部材は、底面が平面状の本体部と前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片とを備え、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて一部が接触する傾斜状態で対向して前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
ロック用部材と、
前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
をそれぞれ備えて、
回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
それぞれの前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを配置するステップと、
前記底面に対して前記対向面が所定の傾斜角度となるように前記連結部材を前記シャフトに押し付けるステップと、
前記連結部材を前記シャフトに押し付けた状態で前記一対の連結片を前記シャフトに溶接固定するステップと、
を備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、
シートクッション及びシートバックと、
前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
を備える車両用シートの製造方法であって、
前記連結部材は、底面が平面状の本体部と、前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片と、前記底面に設けられる突起と、を備え、
前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて所定の隙間を介して対向した状態で前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
ロック用部材と、
前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
をそれぞれ備えて、
回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
それぞれの前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを配置するステップと、
前記突起が前記対向面を押し回すように前記連結部材を前記シャフトに押し付けるステップと、
前記連結部材を前記シャフトに押し付けた状態で前記一対の連結片を前記シャフトに溶接固定するステップと、
を備えることを特徴とする。
請求項1の発明では、一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材は、底面が平面状の本体部と本体部の両端部にて底面を介して対向するように本体部に連なる一対の連結片とを備えるように構成される。一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットのシャフトは、連結部材の底面に対して平面状の対向面にて一部が接触する傾斜状態で対向して一対の連結片が溶接固定されるように形成され、溶接固定時にシャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置して底面に対して対向面が所定の傾斜角度となるように配置される。
これにより、溶接固定前に連結部材をシャフトに押し付けることで、シャフトの対向面の接触部位が連結部材の底面によって押し下げられるようにして、シャフトがロック用部材を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材における一対の連結片をそれぞれシャフトに溶接するだけで、両シャフトの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図ることができる。
請求項2の発明では、一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材は、底面が平面状の本体部と、本体部の両端部にて底面を介して対向するように本体部に連なる一対の連結片と、底面に設けられる突起と、を備えるように構成される。一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットは、溶接固定時にシャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように配置される。突起は、底面のうち溶接固定時に対向面を押し回す位置に設けられる。
これにより、溶接固定前に連結部材をシャフトに押し付けることで、底面に設けられる突起によってシャフトの対向面の接触部位が押し下げられるようにして、シャフトがロック用部材を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材における一対の連結片をそれぞれシャフトに溶接するだけで、両シャフトの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図ることができる。
請求項3の発明では、一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材は、底面が平面状の本体部と本体部の両端部にて底面を介して対向するように本体部に連なる一対の連結片とを備えるように構成される。そして、それぞれのシャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを配置し、底面に対して対向面が所定の傾斜角度となるように連結部材をシャフトに押し付けた状態で一対の連結片をシャフトに溶接固定する。
これにより、連結部材をシャフトに押し付けた際に、シャフトの対向面の接触部位が連結部材の底面によって押し下げられるようにして、シャフトがロック用部材を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材の一対の連結片をシャフトに溶接するだけで、両シャフトの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図ることができる。
請求項4の発明では、一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材は、底面が平面状の本体部と、本体部の両端部にて底面を介して対向するように本体部に連なる一対の連結片と、底面に設けられる突起と、を備えるように構成される。そして、それぞれのシャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットを配置し、突起が対向面を押し回すように連結部材をシャフトに押し付けた状態で一対の連結片をシャフトに溶接固定する。
これにより、連結部材をシャフトに押し付けた際に、底面に設けられる突起によってシャフトの対向面の接触部位が押し下げられるようにして、シャフトがロック用部材を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材の一対の連結片をシャフトに溶接するだけで、両シャフトの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニットの同期性の向上を図ることができる。
本発明の車両用シートの構成概要を示す側面図である。 リクライニング装置の分解斜視図である。 リクライニング装置の側面図である。 図4(A)は、図3に示すX1-X1線相当の切断面から第2リクライニングユニットを見た図であり、図4(B)は、図4(A)のシャフト近傍を拡大して示す図である。 第1リクライニングユニットの断面図である。 図5に示すX2-X2線相当の切断面による断面図である。 図5に示すX3-X3線相当の切断面による断面図である。 第1リクライニングユニットのシャフトの斜視図である。 図8のシャフトを連結部材側から見た図である。 第1実施形態において溶接前後でのシャフトと連結部材との位置関係を説明する説明図であり、図10(A)は、シャフトが連結部材から押圧される前の状態を示し、図10(B)は、シャフトが連結部材から押圧されて溶接された状態を示す。 第2実施形態に係る車両用シートにおけるシャフトの斜視図である。 図11のシャフトを連結部材側から見た図である。 第2実施形態において溶接前後でのシャフトと連結部材との位置関係を説明する説明図であり、図13(A)は、シャフトが連結部材から押圧される前の状態を示し、図13(B)は、シャフトが連結部材から押圧されて溶接された状態を示す。 第3実施形態に係る車両用シートの要部となるリクライニングユニットの断面図である。
以下、本発明に係る車両用シートの一実施形態について図を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の車両用シート10は、シートクッション11及びシートバック12とリクライニング装置20とを主な構成要素とし、シートクッション11にはシートブラケット(下側ブラケット)11aが、シートバック12にはシートバックブラケット(上側ブラケット)12aがそれぞれ固定されている。
下側ブラケット11a及び上側ブラケット12aは、リクライニング装置20の左右一対のラウンドリクライニングユニットの相対回動する部位にそれぞれ固定されることで、互いに相対回動可能に連結されている。これにより、シートクッション11に対するシートバック12の傾動角度の調整が可能となる。
図1~図3に示すように、リクライニング装置20は、左右一対のラウンドリクライニングユニット(以下、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bともいう)と、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材22と、手動操作用のリクライニング操作レバー23とを備えている。なお、便宜上、図2及び図3では、リクライニング操作レバー23の図示を省略している。また、第1リクライニングユニット21aは、「一方のリクライニングユニット」の一例に相当し、第2リクライニングユニット21bは、「他方のリクライニングユニット」の一例に相当し得る。
第1リクライニングユニット21aのシャフト24aと第2リクライニングユニット21bのシャフト24bとが連結部材22によって同期回動するように連結され、シャフト24aにリクライニング操作レバー23が組み付けられている。このため、リクライニング操作レバー23の操作に応じて、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bが同期するように動作する。
具体的には、リクライニング操作レバー23を上方に引くとリクライニング装置20がアンロック状態となりシートバック12の傾動角度の調整が可能となる。ここで、シートバック12を後方に倒した図1にて示す角度Aの範囲は、リクライニング操作レバー23から手指を離すとその時の角度位置にシートバック12がロックされる傾度調整範囲であり、シートバック12を前方に倒した図1にて示す角度Bの範囲は、リクライニング操作レバー23から手指を離してもアンロックの状態が持続するロックフリー状態に対応する自由回動範囲である。図1から判るように、シートバック12は、シートクッション11と接する前倒しの位置からシートクッション11とフラットになる後倒しの位置まで回動可能である。
第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bは、基本的に対照形状であるため、第1リクライニングユニット21aを例に説明する。
図2、図3及び図5に示すように、第1リクライニングユニット21aは、略円板状のベースプレート30と略お椀形状のギヤプレート40を重ね合わせてカバーブラケット50を組み付けることで、ベースプレート30及びギヤプレート40が相対回動可能に保持されるとともに軸方向への相対移動が抑制されるように構成されている。
ベースプレート30とギヤプレート40の間にはキャビティ(空間)Cが形成される。このキャビティC内には、図5~図7に示すように、一対の第1ロックギヤ61と一対の第2ロックギヤ62の計4枚のロックギヤ、中央のカム70、2つの付勢部材80及び略円板状のカムレバー90等のロック、アンロックのための部材が配設されている。なお、便宜上、図6及び図7では、ギヤプレート40は内歯41近傍のみ図示して、カバーブラケット50の図示を省略している。
ベースプレート30は、外部側の側面に複数の突起が形成されており、これら各突起を下側ブラケット11aの係合穴に係合させることで、当該下側ブラケット11aに取り付けられる。また、ベースプレート30には、ギヤプレート40側の側面に、各ロックギヤ61,62を半径方向に案内するための案内面が形成されている。なお、ベースプレート30は、シートクッション11に取り付けられる「第1のプレート」の一例に相当し得る。
ギヤプレート40の内周面には、全周にわたって内歯41が形成されている。ギヤプレート40は、その背面(軸方向他側の面)に複数の突起が形成されており、これら各突起を上側ブラケット12aの係合穴に係合させることで、当該上側ブラケット12aに取り付けられる。
また、ギヤプレート40の内周面には、内歯41と同軸的に形成された円弧状段部が180°間隔に2つ配置されている。当該円弧状段部は、上述したロックフリー状態を実現するためのもので、第1ロックギヤ61の突起61c(後述する)が内周側から当接する角度範囲が上記自由回動範囲に対応するように形成されている。なお、ギヤプレート40は、シートバック12に取り付けられる「第2のプレート」の一例に相当し得る。
図6に示すように、両第1ロックギヤ61及び両第2ロックギヤ62の外周側には、ギヤプレート40の内歯41と噛合可能な外歯61a、62aがそれぞれ形成されている。各ロックギヤ61,62は、ベースプレート30の各案内面を利用して半径方向に摺動可能にガイドされるように組み付けられている。また、両第1ロックギヤ61のギヤプレート40側には、当該第1ロックギヤ61の半径方向移動を制御するために利用する突起61b,61cがそれぞれ形成されている。また、両第2ロックギヤ62のギヤプレート40側には、当該第2ロックギヤ62の半径方向移動を制御するために利用する突起62bがそれぞれ形成されている。
可動ガイド37は、一方端から他方端に向かって漸次幅が狭くなるよう楔状に形成されており、第1ロックギヤ61とベースプレート30の案内面との間にて摺動可能にそれぞれ配置されている。両可動ガイド37には付勢部材80の一端を係合するための係合穴37aが形成されており、この係合穴37aに付勢部材80の一端を係合することで、当該付勢部材80によって両可動ガイド37がベースプレート30の内方向へとそれぞれ付勢されている。これにより、当該可動ガイド37は第1ロックギヤ61とベースプレート30の案内面との間に常に食い込んだ状態となり、これら第1ロックギヤ61とベースプレート30の案内面と可動ガイド37とが相互に緊合して(堅く合わさって)、各部材間における回動方向の隙間が消滅する。そのため、シートバック12の前後方向におけるガタが解消されることとなる。
ベースプレート30の中央には、中心に嵌合用となる略十字状の貫通孔71が形成される板状のカム70が、回動可能に配設されている。カム70は、ロック解除方向への回動時に各ロックギヤ61,62に対して半径方向内側から当接することで外歯61a,62aをギヤプレート40の内歯41に噛合させるように形成されている。また、カム70には、両付勢部材80の他端がそれぞれ係合する2つの係合穴73とカムレバー90を組み付けるための2つの円柱状の突起74とが形成されている。
図7に示すように、カム70は、2つの付勢部材80とそれぞれ係合することにより、ロック方向(図6及び図7にて時計方向)に強く付勢されている。これにより、カム70は、外周側のカム面にて各ロックギヤ61、62の内側端面に当接することで、上記両付勢部材80によるロック方向の付勢力により各ロックギヤ61、62を半径方向外側に強く付勢することとなる。
カム70の貫通孔71には、シャフト24aの嵌合部26が挿入され、このシャフト24aを回動させることにより両付勢部材80の付勢力に抗してカム70をロック解除方向(図6及び図7にて反時計方向)に回動させることができるようになっている。なお、カム70は、「ロック用部材」の一例に相当し得る。
図7に示すように、カムレバー90には、カム70の両突起74にそれぞれ嵌合する貫通孔91と、2つのカム孔92及び2つのカム孔93とが設けられている。カムレバー90は、これら両貫通孔91と両突起74とをそれぞれ嵌合させ、両カム孔92に突起61bをそれぞれ挿通させ、両カム孔93に突起62bをそれぞれ挿通させた状態で、カム70のギヤプレート40側に組み付けられている。
これにより、カムレバー90がカム70とともにロック解除方向に回動すると、カム孔92の内周縁が第1ロックギヤ61の突起61bにそれぞれ当接するとともにカム孔93の内周縁が両第2ロックギヤ62の突起62bにそれぞれ当接する。さらにカムレバー90がロック解除方向に回動すると、これら突起61b、突起62bが各カム孔92、93の内周縁により半径方向内側に付勢されて、各ロックギヤ61、62が半径方向内側に連動して移動することで、外歯61a,62aとギヤプレート40の内歯41との噛合が解除される。すなわち、カム70及びカムレバー90の回動状態に応じて、ロック状態及びロック解除状態が制御される。なお、カムレバー90は、付勢部材の付勢力に抗してカム70を回転駆動することで外歯61a,62aと内歯41との噛合を解除可能な「解除部材」の一例に相当し得る。
図8及び図9に示すように、シャフト24aは、大径部25、嵌合部26、支持部27を有するように形成されている。大径部25は、嵌合部26がカム70の貫通孔71に嵌合する際に、ベースプレート30から外部に露出するように形成されており、その端面にはリクライニング操作レバー23を組み付けるためのねじ穴25aが形成されている。嵌合部26は、カム70の貫通孔71に対して回動中心が一致して嵌合するように、断面略十字状に形成されている。
支持部27は、嵌合部26がカム70の貫通孔71に嵌合する際に、ギヤプレート40から外部に露出するように形成されている。支持部27は、断面長辺側にて対向する一対の外面27aと断面短辺側にて対向する一対の外面27bとにより断面略矩形状に形成されている。特に、図9に示すように、本実施形態では、支持部27は、外面27aに沿う平面が、嵌合部26の断面形状に基づく十字線の一方を含む面(以下、単に、基準面Sともいう)に対して、ロック解除方向に鋭角となる角度θ1で形成されている。
第2リクライニングユニット21bは、第1リクライニングユニット21aと基本的に対照形状に形成される。シャフト24bは、シャフト24aと同形状であってリクライニング操作レバー23が組み付けられないため、そのねじ穴25aに雄ねじ部28が螺合されている。
連結部材22は、底面22bが平面状の本体部22aと本体部22aの両端部にて底面22bを介して対向するように本体部22aに連なる一対の連結片22cとを備えるように、断面略U字状に形成されている。連結部材22は、両端部が第1リクライニングユニット21aのギヤプレート40から露出するシャフト24aの支持部27と第2リクライニングユニット21bのギヤプレート40から露出するシャフト24bの支持部27とにそれぞれ溶接固定される。
特に、本実施形態では、連結部材22は、図4(B)に示すように、底面22bに対して外面27aにて一部が接触して所定の傾斜角度θ2となる傾斜状態で対向した状態で、一対の連結片22cが支持部27に溶接固定される(図4(B)の符号W参照)。この溶接固定状態では、支持部27は、連結部材22からロック方向に回動する押圧力を受けている。このような連結部材22の溶接固定によって、シャフト24aとシャフト24bとが同期回転するように連結されることで、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bでのロックタイミングとロック解除タイミングとが同期される。なお、外面27aは、「対向面」の一例に相当し得る。
このように構成されることで、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bでは、回動するシャフト24a,24bによってロック用部材となるカム70が押し回されて相対回動可能な状態になったベースプレート30とギヤプレート40とがシャフト24a,24bの回動に応じて当該シャフト24a,24bの回動中心を基準にそれぞれ相対回動する。これにより、シートバック12がシートクッション11に対して傾動する。
ここで、両支持部27を利用して連結部材22を溶接する製造工程(ステップ)について、図10(A)(B)を参照して説明する。
まず、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを、それぞれのシャフト24a,24bの回動中心が所定の回動軸線L(図3参照)上に位置するように、下側ブラケット11a及び上側ブラケット12aの対応部位に組み付ける。その際、図10(A)に示すように、シャフト24aの基準面Sとシャフト24bの基準面Sとが、後述する連結部材22からの押圧方向Fに対して略直交となるように(例えば、基準面Sが水平面に沿うように)、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを配置する(第1ステップ)。
次に、底面22bが基準面Sに対して平行であって外面27aの縁部が底面22bに略線状に接触するように、連結部材22をシャフト24a,24bに位置決めする。この位置決め状態(底面22bが外面27aを押圧していない状態)では、図10(A)から分かるように、底面22bに対する外面27aの傾斜角度が上述した角度θ1にほぼ等しくなる。そして、上述した位置決め状態から押圧方向F(図10(A)参照)に沿って連結部材22を支持部27に押し付ける(第2ステップ)。
これにより、図10(B)に示すように、押し付けた分だけ両支持部27がそれぞれロック方向に回動するため、第1リクライニングユニット21aのシャフト24aと第2リクライニングユニット21bのシャフト24bとがそれぞれロック位置まで回動してその回動が止まる。この回動状態では、底面22bに対する外面27aの傾斜角度が角度θ1から小さくなって上述した所定の傾斜角度θ2になる。
このように両シャフト24a,24bの回動が停止するまで連結部材22を支持部27に押し付けた状態で、一対の連結片22cをシャフト24a,24bのそれぞれの支持部27に溶接固定する(第3ステップ)。
このように、連結部材22を両シャフト24a,24bに押し付けた状態で一対の連結片22cを両支持部27に溶接するので、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bの同期を目的とする両シャフト24a,24bの回動位置調整用の治具等を要することなく、溶接作業を実施することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート10では、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材22は、底面22bが平面状の本体部22aと本体部22aの両端部にて底面22bを介して対向するように本体部22aに連なる一対の連結片22cとを備えるように構成される。第1リクライニングユニット21aのシャフト24a及び第2リクライニングユニット21bのシャフト24bは、連結部材22の底面22bに対して平面状の外面27aにて一部が接触する傾斜状態で対向して一対の連結片22cが溶接固定されるように形成され、溶接固定時にシャフト24a,24bの回動中心が所定の回動軸線L上に位置して底面22bに対して外面27aが所定の傾斜角度θ2となるように配置される。
これにより、溶接固定前に連結部材22をシャフト24a,24bに押し付けることで、シャフト24a,24bの外面27aの接触部位が連結部材22の底面22bによって押し下げられるようにして、シャフト24a,24bがカム70等を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材22における一対の連結片22cをそれぞれシャフト24a,24bに溶接するだけで、両シャフト24a,24bの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット21a,21bの同期性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る車両用シート10の製造方法としては、それぞれのシャフト24a,24bの回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを配置し、底面22bに対して外面27aが所定の傾斜角度θ2となるように連結部材22をシャフト24a,24bに押し付けた状態で一対の連結片22cをシャフト24a,24bに溶接固定する。
これにより、連結部材22をシャフト24a,24bに押し付けた際に、シャフト24a,24bの外面27aの接触部位が連結部材22の底面22bによって押し下げられるようにして、シャフト24a,24bがカム70等を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材22の一対の連結片22cをシャフト24a,24bに溶接するだけで、両シャフト24a,24bの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット21a,21bの同期性の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用シートについて説明する。
本第2実施形態では、溶接固定時に連結部材によってシャフトを押し回すための連結部材及びシャフトの形状が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、上記第1実施形態に対して、シャフト24a,24bと連結部材22とに代えて、シャフト110a,110bと連結部材120とが採用される。図11及び図12に示すように、シャフト110a,110bは、シャフト24aに対して、支持部27の外面27aに沿う平面が基準面Sに対して平行となるように形成されている。このため、シャフト110a,110bは、連結部材120の底面22bに対して外面27aにて所定の隙間を介して対向した状態で一対の連結片22cが溶接固定される。
図13(A)(B)に示すように、連結部材120は、上述した本体部22a及び一対の連結片22cに加えて、底面22bの長手方向両端部にそれぞれ突起として設けられるエンボス121を備えている。エンボス121は、溶接固定時に底面22bを外面27aに近づけた際に、外面27aをロック方向に押し回す位置に形成されている。
本実施形態において両シャフト110a,110bに連結部材120を溶接する製造工程(ステップ)では、第1リクライニングユニット21aに組み付けられたシャフト110aと第2リクライニングユニット21bのシャフト110bとのそれぞれの回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように、下側ブラケット11a及び上側ブラケット12aの対応部位に組み付ける。その際、図13(A)に示すように、シャフト110aの基準面Sとシャフト110bの基準面Sとが連結部材120からの押圧方向Fに対して略直交となるように(外面27aが押圧方向Fに対して略直交となるように)、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを配置する(第1ステップ)。
次に、底面22bが基準面Sに対して平行であってエンボス121が外面27aに接触するように、連結部材120をシャフト110a,110bに位置決めする。この位置決め状態(エンボス121が外面27aを押圧していない状態)では、図13(A)から分かるように、支持部27は、連結部材120の底面22bに対して外面27aにて所定の隙間を介して略平行な状態で対向している。そして、上述した位置決め状態から、エンボス121が外面27aを押し回すように、押圧方向F(図13(A)参照)に沿って連結部材120を支持部27に押し付ける(第2ステップ)。
これにより、図13(B)に示すように、押し付けた分だけ両支持部27がそれぞれロック方向に回動するため、第1リクライニングユニット21aのシャフト110aと第2リクライニングユニット21bのシャフト110bとがそれぞれロック位置まで回動してその回動が止まる。
このように両シャフト110a,110bの回動が停止するまで連結部材120を支持部27に押し付けた状態で、一対の連結片22cをシャフト110a,110bのそれぞれの支持部27に溶接固定する(第3ステップ)。
このように、連結部材22を両シャフト24a,24bに押し付けた状態で一対の連結片22cを両支持部27に溶接するので、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bの同期を目的とする両シャフト24a,24bの回動位置調整用の治具等を要することなく、溶接作業を実施することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート10では、第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材120は、底面22bが平面状の本体部22aと、本体部22aの両端部にて底面22bを介して対向するように本体部22aに連なる一対の連結片22cと、底面22bに設けられるエンボス(突起)121と、を備えるように構成される。第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bは、溶接固定時にシャフト110a,110bの回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように配置される。エンボス121は、底面22bのうち溶接固定時に外面27aを押し回す位置に設けられる。
これにより、溶接固定前に連結部材120をシャフト110a,110bに押し付けることで、底面22bに設けられるエンボス121によってシャフト110a,110bの外面27aの接触部位が押し下げられるようにして、シャフト110a,110bがカム70等を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材120における一対の連結片22cをそれぞれシャフト110a,110bに溶接するだけで、両シャフト110a,110bの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット21a,21bの同期性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る車両用シート10の製造方法としては、それぞれのシャフト110a,110bの回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように第1リクライニングユニット21a及び第2リクライニングユニット21bを配置し、エンボス121が外面27aを押し回すように連結部材120をシャフト110a,110bに押し付けた状態で一対の連結片22cをシャフト110a,110bに溶接固定する。
これにより、連結部材120をシャフト110a,110bに押し付けた際に、底面22bに設けられるエンボス121によってシャフト110a,110bの外面27aの接触部位が押し下げられるようにして、シャフト110a,110bがカム70等を押し回すための位置まで回動した状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材120の一対の連結片22cをシャフト110a,110bに溶接するだけで、両シャフト110a,110bの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット21a,21bの同期性の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る車両用シートについて説明する。
本第3実施形態では、両リクライニングユニットの構造を変更している点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係る第1リクライニングユニット(一方のリクライニングユニット)221a及び第2リクライニングユニット(他方のリクライニングユニット)221bは、モータの駆動力を利用して動作するもので、上記第1実施形態と同様に、それぞれのシャフトは、連結部材22の底面22bに対して外面27aにて一部が接触する傾斜状態で対向して一対の連結片22cが溶接固定されるように形成され、溶接固定時にシャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置して底面22bに対して外面27aが所定の傾斜角度となるように配置される。
具体的には、第1リクライニングユニット221aは、下側ブラケット11aに取り付けられる外歯歯車230と、上側ブラケット12aに取り付けられる内歯歯車240と、シャフト250と、ロック用部材として機能するU字ブッシュ261、一対のくさび状カム262、スプリング263と、プレートカバー270及びシャフトカバー(図示略)等とを備えるように構成されている。
外歯歯車230には、外周面に外歯231が形成され、中央に略円筒状のボス部232が形成されている。なお、外歯歯車230は、シートクッション11に取り付けられる「第1のプレート」の一例に相当し得る。
内歯歯車240は、内周面に内歯241が形成される円筒部と、中央に略円筒状のボス部242が形成される側板部とを備えるように構成されている。内歯241は、外歯231に対して偏心して噛合するため、当該外歯231よりも歯数が多くなるように形成されている。内歯歯車240のボス部242の内方には樹脂ベアリング243が嵌め込まれており、この樹脂ベアリング243によって形成されるボス部242の内周面と外歯歯車230のボス部232の外周面との間にU字ブッシュ261や一対のくさび状カム262が配置されている。なお、内歯歯車240は、シートバック12に取り付けられる「第2のプレート」の一例に相当し得る。
シャフト250は、上述のような位置関係にて外部に露出する支持部27と、内面にセレーションが形成されて外歯歯車230のボス部232の内周面に対して同軸的に嵌合するU本体部251と、U本体部251が嵌合したボス部232の外周面の一部を覆うU字部252とを備えるように構成されている。U字部252は、回動方向の両端面にて、内歯歯車240のボス部242の内周側に組み込まれたU字ブッシュ261の回動方向の両端面に当接し、シートバック12を前傾させる回動方向(前傾回動方向)に回動する際に一方のくさび状カム262を押し回し、シートバック12を後傾させる回動方向(後傾回動方向)に回動する際に他方のくさび状カム262を押し回すように形成されている。
くさび状カム262は、先端側ほど径方向の厚さが薄くなるようにくさび状に形成されている。くさび状カム262は、先端側の端面にてU字部252の回動方向の端面に対向するようにして外歯歯車230のボス部232の外周面とU字ブッシュ261との間に介在し、スプリング263によって基端側から付勢されることでボス部232の外周面とU字ブッシュ261との双方に押圧されるように配置されている。
一対のくさび状カム262が上述のようにそれぞれ押圧されることで、外歯歯車230に対して内歯歯車240が偏心し、外歯231の一部が内歯241に噛合する。このような偏心状態で後述するようにして外歯歯車230が内歯歯車240に対して相対回動することで、外歯231と内歯241との噛合位置が変化するようにして外歯歯車230が内歯歯車240の歯車軸を中心に公転する。また、スプリング263によって一対のくさび状カム262が互いに離反するようにしてボス部232の外周面とU字ブッシュ261との双方にそれぞれ押圧された状態では、一対のくさび状カム262が所定の介在位置に介在して外歯歯車230と内歯歯車240との相対回動が規制される。
プレートカバー270は、内歯歯車240に対する外歯歯車230の軸方向のズレを抑制するように内歯歯車240に組み付けられる。シャフトカバーは、内歯歯車240に対するシャフト250の軸方向のズレを抑制するように内歯歯車240に組み付けられる。
このように構成される第1リクライニングユニット221aは、外歯歯車230の側面に形成される複数の突出部を利用して下側ブラケット11aに溶接固定され、内歯歯車240の側面に形成される複数の突出部を利用して上側ブラケット12aに溶接固定される。
第2リクライニングユニット221bは、第1リクライニングユニット221aと基本的に対照形状に形成される。
連結部材22は、両端部が第1リクライニングユニット221aの露出するシャフト250の支持部27と第2リクライニングユニット21bの露出するシャフト250の支持部27とにそれぞれ溶接固定される。このような連結部材22の溶接固定によって、両シャフト250が同期回転するように連結される。
このように構成されることで、第1リクライニングユニット221a及び第2リクライニングユニット221bでは、両シャフト250が回動しない場合には、一対のくさび状カム262によって外歯歯車230と内歯歯車240との相対回動が規制されることで、シートクッション11に対するシートバック12の傾動角度が維持される。
前傾させる操作に応じてモータが駆動して両シャフト250が前傾回動方向に回動する場合には、U字部252によって2つのくさび状カム262のうち回動方向とは逆方向となる一方のくさび状カム262がスプリング263の付勢力に抗して押し回されることで、一方のくさび状カム262での上記押圧状態が解除される。これにより、内歯歯車240に対して相対回動になった外歯歯車230がシャフト250とともに前傾回動方向に回動することで、シートバック12がシートクッション11に対して前傾する。
一方、後傾させる操作に応じてモータが駆動して両シャフト250が後傾回動方向に回動する場合には、U字部252によって2つのくさび状カム262のうち回動方向とは逆方向となる他方のくさび状カム262がスプリング263の付勢力に抗して押し回されることで、他方のくさび状カム262での上記押圧状態が解除される。これにより、内歯歯車240に対して相対回動になった外歯歯車230がシャフト250とともに後傾回動方向に回動することで、シートバック12がシートクッション11に対して後傾する。
本実施形態において両支持部27を利用して連結部材22を溶接する製造工程では、上記第1実施形態と同様に、それぞれのシャフト250の回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように第1リクライニングユニット221a及び第2リクライニングユニット221bを配置し、底面22bに対して外面27aが所定の傾斜角度となるように連結部材22をシャフト250に押し付けた状態で一対の連結片22cをシャフト250に溶接固定する。これにより、連結部材22を両シャフト250に押し付けた際に、両シャフト250の外面27aの接触部位が連結部材22の底面22bによって押し下げられるようにして、U字部252がくさび状カム262を押圧する回動位置までシャフト250が回動してさらに回動しない状態(ロック用部材となるくさび状カム262を押し回すための位置まで回動した状態)になる。このため、上述のように押し付けた連結部材22の一対の連結片22cを両シャフト250に溶接するだけで、両シャフト250の回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット221a,221bの同期性の向上を図ることができる。
本実施形態の特徴的構成を上記第2実施形態の構成に適用してもよい。すなわち、両支持部27を利用して連結部材120を溶接する製造工程では、上記第2実施形態と同様に、それぞれのシャフトの回動中心が所定の回動軸線L上に位置するように第1リクライニングユニット221a及び第2リクライニングユニット221bを配置し、エンボス121が外面27aを押し回すように連結部材120をシャフトに押し付けた状態で一対の連結片22cをシャフトに溶接固定する。これにより、連結部材120をシャフトに押し付けた際に、底面22bに設けられるエンボス121によってシャフトの外面27aの接触部位が押し下げられるようにして、U字部252がくさび状カム262を押圧する回動位置までシャフトが回動してさらに回動しない状態になる。このため、上述のように押し付けた連結部材120の一対の連結片22cをシャフトに溶接するだけで、両シャフトの回動位置を合わせるように溶接固定できるので、連結作業を煩雑にすることなく両リクライニングユニット221a,221bの同期性の向上を図ることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)長尺状の連結部材22は、本体部22a及び一対の連結片22cにより略U字状に形成されることに限らず、例えば、シャフト24a,24bに溶接される端部のみが一対の連結片22cを備えて中央部が他の形状(例えば、本体部22aのみの平板状や四角環状)となるように形成されてもよい。連結部材120も同様に形成することができる。
(2)本発明は、ベースプレート30が下側ブラケット11aに取り付けられてギヤプレート40が上側ブラケット12aに取り付けられるリクライニング装置20を有する車両用シート10に適用されることに限らず、ベースプレートが上側ブラケット12aに取り付けられてギヤプレートが下側ブラケット11aに取り付けられるリクライニング装置を有する車両用シートに適用されてもよい。
(3)上記第1実施形態等では、シャフト24a,24bを除くリクライニングユニット21a,21bに代えて、例えば、基本構成が同じである特開2018-114095号公報に開示されるリクライニングユニットや特開2013-163474号公報に開示されるリクライニングユニットなど、ベースプレートに対して半径方向に摺動可能にガイドされるロックギヤの外歯とギヤプレートの内歯との噛合をカムの回動によって制御するリクライニングユニットを採用してもよい。上記第2実施形態等についても同様である。
(4)上記第3実施形態等では、シャフトを除くリクライニングユニット221a,221bに代えて、例えば、基本構成が同じである特開2021-146833号公報に開示されるリクライニングユニットや特開2021-83659号公報に開示されるリクライニングユニットなど、2つのプレートを偏心させることで一部の外歯と内歯とを噛合させ、シャフトが回動しない場合に2つのプレートの相対回動を規制し、シャフトの回動によってカムを押し回すことで2つのプレートを相対回動可能な状態に制御するリクライニングユニットを採用してもよい。
10…車両用シート
11…シートクッション
12…シートバック
20…リクライニング装置
21a,221a…第1リクライニングユニット(一方のリクライニングユニット)
21b,221b…第2リクライニングユニット(他方のリクライニングユニット)
22…連結部材
22a…本体部
22b…底面
22c…連結片
24a,24b,110a,110b,250…シャフト
26…嵌合部
27…支持部
27a…外面(対向面)
30…ベースプレート(第1のプレート)
40…ギヤプレート(第2のプレート)
41…内歯
61…第1ロックギヤ
61a…外歯
62…第2ロックギヤ
62a…外歯
70…カム(ロック用部材)
80…付勢部材
90…カムレバー
120…連結部材
121…エンボス(突起)
230…外歯歯車(第1のプレート)
240…内歯歯車(第2のプレート)
262…くさび状カム(ロック用部材)
L…回動軸線

Claims (4)

  1. シートクッション及びシートバックと、
    前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
    を備える車両用シートであって、
    前記連結部材は、底面が平面状の本体部と前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片とを備え、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
    前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて一部が接触する傾斜状態で対向して前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
    ロック用部材と、
    前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
    前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
    をそれぞれ備えて、
    回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
    前記シャフトは、溶接固定時に前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置して前記底面に対して前記対向面が所定の傾斜角度となるように配置されることを特徴とする車両用シート。
  2. シートクッション及びシートバックと、
    前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
    を備える車両用シートであって、
    前記連結部材は、底面が平面状の本体部と、前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片と、前記底面に設けられる突起と、を備え、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
    前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて所定の隙間を介して対向した状態で前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
    ロック用部材と、
    前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
    前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
    をそれぞれ備えて、
    回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
    溶接固定時に前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように配置され、
    前記突起は、前記底面のうち溶接固定時に前記対向面を押し回す位置に設けられることを特徴とする車両用シート。
  3. シートクッション及びシートバックと、
    前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
    を備える車両用シートの製造方法であって、
    前記連結部材は、底面が平面状の本体部と前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片とを備え、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
    前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて一部が接触する傾斜状態で対向して前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
    ロック用部材と、
    前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
    前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
    をそれぞれ備えて、
    回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
    それぞれの前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを配置するステップと、
    前記底面に対して前記対向面が所定の傾斜角度となるように前記連結部材を前記シャフトに押し付けるステップと、
    前記連結部材を前記シャフトに押し付けた状態で前記一対の連結片を前記シャフトに溶接固定するステップと、
    を備えることを特徴とする車両用シートの製造方法。
  4. シートクッション及びシートバックと、
    前記シートクッションに対する前記シートバックの傾動を制御する一方のリクライニングユニット及び他方のリクライニングユニットと、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを同期回動するように連結するための長尺状の連結部材と、
    を備える車両用シートの製造方法であって、
    前記連結部材は、底面が平面状の本体部と、前記本体部の両端部にて前記底面を介して対向するように前記本体部に連なる一対の連結片と、前記底面に設けられる突起と、を備え、
    前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットは、
    前記連結部材の前記底面に対して平面状の対向面にて所定の隙間を介して対向した状態で前記一対の連結片が溶接固定されるシャフトと、
    ロック用部材と、
    前記シートクッションに取り付けられる第1のプレートと、
    前記シートバックに取り付けられる第2のプレートと、
    をそれぞれ備えて、
    回動する前記シャフトによって前記ロック用部材が押し回されて相対回動可能な状態になった前記第1のプレートと前記第2のプレートとが前記シャフトの回動に応じて当該シャフトの回動中心を基準に相対回動することで、前記シートバックが前記シートクッションに対して傾動し、
    それぞれの前記シャフトの回動中心が所定の回動軸線上に位置するように前記一方のリクライニングユニット及び前記他方のリクライニングユニットを配置するステップと、
    前記突起が前記対向面を押し回すように前記連結部材を前記シャフトに押し付けるステップと、
    前記連結部材を前記シャフトに押し付けた状態で前記一対の連結片を前記シャフトに溶接固定するステップと、
    を備えることを特徴とする車両用シートの製造方法。
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