JP4105312B2 - シートのリクライニング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートボトムの後部に傾倒可能に連結されたシートバックと、シートボトムとの連結部分に装着されてシートバックの傾倒角度を調節するように構成されたシートのリクライニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平8−214978号公報に記載されたようなシートのリクライニング装置(リクライナ)が知られている。このリクライナは、シートボトムの後端部に突設されたロアアームと、シートバックの下端部に突設され、かつ、上記ロアアームに操作軸回りに回動自在に連結されたたアッパアームとからなる基本構成を有している。これら両アーム間にはラチェット構造が介設され、このラチェット構造は、アッパアームに形成された内歯ラチェットと、ロアアームに上記内歯ラチェットに対応して膨設された一対の膨出部と、これら一対の膨出部間に形成されたガイド溝と、このガイド溝に案内されて互いに反対方向に移動可能に嵌め込まれた一対の爪歯部材とからなっている。
【0003】
上記爪歯部材は、上記内歯ラチェット内で操作軸を中心とした点対称位置に設けられ、操作レバーの操作でこの操作軸を軸心回りに正逆回動することにより、内歯ラチェットに噛合した噛合位置と、内歯ラチェットに対する噛合が解除された解除位置との間で位置変更し得るようになっている。そして、爪歯部材を噛合位置に位置設定することにより、シートバックは、操作軸回りの回動が阻止されて所定の傾倒姿勢が維持される一方、爪歯部材を解除位置に位置設定することにより、シートバックは、それを操作軸回りに回すことで傾斜姿勢を変更し得る状態になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の上記のようなリクライナにあっては、上記操作レバーは、所定の付勢手段によって爪歯部材が内歯ラチェットに噛合する方向に付勢されているため、シートバックの傾倒姿勢を変更するときには、その操作中に亘って操作レバーを付勢手段の付勢力に抗して操作していなければならない。単にシートバックの傾倒角度を調節するためだけの場合は、操作レバーは極めて短い時間で操作されるため、付勢手段の付勢力に抗した操作レバーの操作が苦になることはないが、シートバックの傾倒操作の内には、後部シートへの乗降のために前部シートのシートバックを継続して前倒しなければならないときがあり、このような場合には、例えば起立姿勢に設定されたシートバックを略90°も前に倒さなければならない。従って、この前倒操作の間中、操作レバーを付勢手段の付勢力に抗して操作位置に設定する必要があり、非常に面倒であるという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、シートバックの前倒操作を容易に行い得るシートのリクライニング装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のシートのリクライニング装置は、シートボトムと、所定の範囲内で傾倒するようにシートボトムに連結されたシートバックとの連結部分に配設され、操作レバーの操作によって上記範囲内で任意に設定されたシートバックの傾倒姿勢のロックおよびロック解除を行うように構成されたリクライニングシートにおける操作レバーの付勢構造であって、シートボトムに固定された第1ブラケットと、シートバックに固定された第2ブラケットとが設けられ、上記第1ブラケットと第2ブラケットとは、いずれか一方に凹設された凹部に、他方に凸設された凸部を嵌め合わせることによって相互に相対回動可能に結合され、上記凹部の内周面には内歯ラチェットが形成され、上記凸部は、互いに平行でかつ互いに対向した摺接面を有する一対の片割れ凸部によって形成され、上記各片割れ凸部の摺接面間に摺接状態で移動可能に嵌装され、かつ、互いに反対側の先端面に上記内歯ラチェットに噛合する爪歯の形成された一対のロックギヤが設けられ、カム軸回りに回動して上記一対のロックギヤを互いに逆方向に移動させるカムが設けられ、上記第1および第2ブラケットは、それぞれ相対回動の中心部分に穿設された中心孔を有し、上記カム軸はこの中心孔に挿入されており、上記爪歯が上記内歯ラチェットに噛合したロック位置と上記爪歯の上記内歯ラチェットに対する噛合が解除されたロック解除位置との間で上記カム軸を回動操作する操作レバーが設けられ、この操作レバーは、付勢手段の付勢力によってロック位置に位置するように付勢され、上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある上記操作レバーを保持するロック解除保持手段が設けられ、上記操作レバーは、上記第1ブラケットに上記カム軸と平行に設けられた支持軸回りに回動自在に軸支され、操作レバーと上記カム軸との間には操作レバーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクアームが介設され、上記第2ブラケットには、上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバーに設けられた係止突片と干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するように突設された、カム軸と同心の上記ロック解除保持手段としての円弧突起が突設されていることを特徴とするものである。
【0007】
このリクライニング装置によれば、普段は一対のロックギヤの爪歯が内歯ラチェットに噛合されていることにより、シートバックは、カム軸回りの回動がロックされ、設定された所定の傾倒姿勢が維持された状態になっている。そして、操作レバーの操作によってカム軸を所定方向に回動することにより、カム軸と一体のカムが所定方向に回動し、この回動によって一対のロックギヤがガイド部材に案内されつつ互いに接近する方向に移動し、これによって各ロックギヤの爪歯の内歯ラチェットに対する噛合が解除されるため、第1ブラケットと第2ブラケットとはカム軸回りに相対回動が可能な状態になり、第2ブラケットと一体のシートバックは、それを回動操作することにより所望の傾倒姿勢になる。
【0008】
ついで、所望のシートバックの傾倒姿勢が選択された状態で把持していた操作レバーを離すことにより、操作レバーは付勢手段の付勢力によってロック位置に移行し、これによって一対のロックギヤがガイド部材に案内されつつ互いに離間する方向に移動して爪歯が内歯ラチェットに噛合するため、第2ブラケットのカム軸回りの回動がロックされ、第2ブラケットと一体のシートバックの傾倒姿勢が保持される。
【0009】
そして、シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバーの位相を保持するロック解除保持手段が設けられているため、例えばシートバックが前倒姿勢になる範囲で機能するようにロック解除保持手段を設けておくことにより、シートバックを前倒させるに際して把持していた操作レバーから手を離しても、操作レバーのロック解除状態が維持される。従って、シートが前席である場合、搭乗者の後席に対する乗降のためにシートバックを前倒操作するときに、付勢手段の付勢力に抗して操作レバーをロック解除位置に操作し続ける必要はなく、その分シートバックの前倒操作が容易になる。
【0010】
なお、操作手段のロック解除位置は、シートバックが前倒しになる範囲に設定することに限定されるものではなく、例えばシートバックが後倒したリクライニング姿勢の所定範囲をロック解除位置として採用してもよい。こうすることによって、シートバックのリクライニング姿勢を所定の複数段の間で段階的に切り換え得るようになる。
【0011】
そして、操作レバーは、第1ブラケットに上記カム軸に平行に設けられた支持軸回りに回動自在に軸支され、操作レバーとカム軸との間には操作レバーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクアームが介設され、第2ブラケットには、シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバーと干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するように突設された、カム軸と同心のロック解除保持手段としての円弧突起が突設されている。
【0012】
従って、操作レバーをロック解除位置に操作することにより、操作レバーの操作がリンクアームを介してカム軸に伝達されて爪歯の内歯ラチェットに対する噛合が解除され、これによってシートバックはカム軸回りに回動可能になる。そして、この状態でシートバックを所定の範囲内に向けて傾倒して第2ブラケットを回動させることにより、第2ブラケットの円弧突起と操作レバーとが互いに干渉し、これによってロック解除位置にある操作レバーの支持軸回りの回動が阻止されるため、操作レバーはそれから手を離してもロック解除位置が維持される。
【0013】
このように、操作レバーを第1ブラケットに支持軸回りに回動し得るように軸支するとともに操作レバーの回動をリンクアームを介してカム軸に伝達する一方、第2ブラケットに操作レバーのロック解除位置を維持する円弧突起を設けることにより、シートバックの所定回動範囲では操作レバーから手を離した状態でシートバックの回動動作を行い得るようにする、いわゆるロック解除維持構造を簡単なものにすることが可能であり、リクライナの製造コストを安価に抑える上で有効である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のリクライナが適用されたリクライニングシートの一実施形態を示す側面視の説明図である。この図に示すように、自動車用のシートSは、着座席であるシートボトムS1と、このシートボトムS1の後方(図1の右方)端部に立設された背凭れであるシートバックS2とからなっている。シートボトムS1の後端部とシートバックS2の下端部との間には、幅方向(図1の紙面に直交する方向)一対のリクライナ1が設けられており、このリクライナ1を操作することによってシートバックS2を、前に倒れた前倒姿勢と、後ろに倒れた後倒姿勢との間で所望の傾倒姿勢に姿勢変更し得るようになっている。因に、図1におけるシートバックS2は、前倒姿勢と後倒姿勢の中間である起立姿勢に設定されている。
【0015】
図2は、リクライナ1の一実施形態を示す一部切欠き分解斜視図であり、図3は、その組立斜視図である。また図4は、図3のP線視図であり、図5は、図4の一部破断図である。また図6は、図3のQ−Q線断面図である。なお、図2および図3において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。また、図2および図3においては、シートSの右方位置に設置されるリクライナ1を示している。
【0016】
これらの図に示すように、リクライナ1は、シートボトムS1に固定された第1ブラケット2と、シートバックS2に上記第1ブラケット2に対向して固定された第2ブラケット3と、これらブラケット2,3間に介設される一対のロックギヤ4と、カム軸6回りに正逆共回りして上記一対のロックギヤ4を離接する方向に移動させるカム5と、上記カム軸6を軸心回りに正逆回動操作する操作レバー7とを備えた基本構成を有している。
【0017】
上記第1ブラケット2は、上部が半円状を呈しているとともに下部が方形を呈した金属製の板状体によって形成され、半円状の曲率中心部分に上記カム軸6を挿通する挿通孔21が穿設されているとともに、第1ブラケット2の右方の面には、前後方向一対のガイド部材22が右方に向けて膨設されている。各ガイド部材22は、挿通孔21を中心とした円弧状に形成され、かつ、挿通孔21に対して点対称に形状設定されている。
【0018】
そして、各ガイド部材22の対向面には、それぞれ上下方向に延びるガイド凹部23が凹設されているとともに、前方のガイド部材22のガイド凹部23の上部および後方のガイド部材22のガイド凹部23の下部には上下寸法の大きい長尺突起22aが、また前方のガイド凹部23の下部および後方のガイド凹部23の上部には上下寸法の小さい短尺突起22bがそれぞれ形成されている。
【0019】
前後のガイド凹部23間にはロックギヤ4およびカム5を収容する収容空間24が形成されている。また、互いに対向した前後の長尺突起22aおよび短尺突起22bの対向面は互いに平行に形成されているとともに、対向面間に各ロックギヤ4の一部(後述する爪歯部41)を摺接状態で嵌装する上下一対の嵌装溝25が形成されている。これら嵌装溝25は、挿通孔21を挟んで上下で対向配置されているとともに、溝幅寸法が同一に設定されている。
【0020】
また、各ガイド部材22の右側面には、ガイド部材22の外周面と同心の円弧状の回転ガイド凸状22cがそれぞれ設けられ、この回転ガイド凸状22cが後述する第2ブラケット3の回転ガイド溝31aに摺接状態で嵌入されるようになっている。
【0021】
上記第2ブラケット3は、下方が半円形状に形成されているとともに上方が矩形状に形成された板状体から形成されている。かかる第2ブラケット3の右側面には、半円形状部分の曲率中心を中心とした円形膨出部31が膨設されているとともに、この円形膨出部31の中心部分には上記第1ブラケット2の挿通孔21に対向した挿通孔21と同径の貫通孔32が穿設されている。
【0022】
そして、挿通孔21および貫通孔32をカム軸6より大径に寸法設定することにより、カム軸6がこれら挿通孔21および貫通孔32に遊嵌され、これによってカム軸6の軸心と、第1および第2ブラケットとの相対回動の中心とが、たとえば寸法誤差によって心ずれした状態になっていてもカム軸6の回動が可能であり、一対のロックギヤ4に対するカム軸6の回動操作が常に確実に行われるとともに、一対のロックギヤ4の一方のみが内歯ラチェット34に噛合する、いわゆる片効き状態の発生を有効に防止し得るようになっている。
【0023】
また、円形膨出部31の左側部には、第2ブラケット3の板状部分が円形に刳抜かれた状態の装着凹部33が設けられている。この装着凹部33の内径寸法は、上記一対のガイド部材22の曲率半径より僅かに大きく寸法設定されている。これによって第1ブラケット2と第2ブラケット3とを合わせた状態で、各ガイド部材22は、それらの円弧外周面が装着凹部33の内周面に摺接しながら装着凹部33内に装着されるようになっている。
【0024】
かかる装着凹部33の内周面には、径方向に切り込まれることによって形成された内歯からなる内歯ラチェット34が設けられ、第1ブラケット2と第2ブラケット3とは、ガイド部材22が装着凹部33に装着されることによって、ガイド凹部23の円弧外周面が内歯ラチェット34の歯の頂部に摺接した状態で挿通孔21の中心回りに相対回動し得るようになっている。
【0025】
また、円形膨出部31の左側面には、上記回転ガイド凸状22cに対応した円弧状の回転ガイド溝31aが凹設され、回転ガイド凸状22cが回転ガイド溝31aに嵌め込まれることによって第1ブラケット2と第2ブラケット3との相対回動がより安定して行われるようになっている。
【0026】
かかる装着凹部33の内周面には、径方向に切り込まれることによって形成された内歯からなる内歯ラチェット34が全周長に亘って設けられ、第1ブラケット2と第2ブラケット3とは、回転ガイド凸状22cが回転ガイド溝31aに嵌まり込んだ状態で挿通孔21の中心回りに相対回動し得るようになっている。そして、内歯ラチェット34が、回転ガイド溝31aより径寸法の大きい装着凹部33の内周面に形成されていることによって、ロックピッチ(内歯ラチェットの1枚の歯と隣の歯との間の中心角)を小さい角度にすることが可能になり、より小さいピッチで第1ブラケット2と第2ブラケット3との相対回動をロックすることが可能になり、結果としてより精密にロック位置を位置決めすることができるようになっている。
【0027】
かかる第2ブラケット3の上縁部には、前後端部にそれぞれ取付け孔35が穿設され、これらの取付け孔35を介してボルト止めされることにより第2ブラケット3がシートバックS2に固定されるようになっている。また、第2ブラケット3は、前後の取付け孔35間に穿設された前後方向一対の係止孔36を有している。これらの係止孔36は、スペーサ37を介して上部押え板38をねじ止めするためのものであり、スペーサ37および上部押え板38にはそれぞれ係止孔36に対応した孔が穿設されている。
【0028】
そして、第2ブラケット3の左面上部にスペーサ37および上部押え板38を積層した状態でそれぞれに係止孔36に通したボルトBを挿通した後、ナットNで締結することにより、上部押え板38がスペーサ37を介して第2ブラケット3に固定されることになる。上記スペーサ37の厚み寸法は、第1ブラケット2の厚み寸法より僅かに大きく寸法設定されている。
【0029】
また、上記第1ブラケット2の下縁部には、前後端部にそれぞれ取付け孔26が穿設され、これらの取付け孔26を介してボルト止めされることにより第1ブラケット2がシートボトムS1に固定されるようになっている。また、第1ブラケット2には、前後の取付け孔26間に穿設された前後方向一対の係止孔27が穿設されている。これらの係止孔27は、断面視でジグザグ状を呈した下部押え板28をねじ止めするためのものである。
【0030】
上記下部押え板28は、上縁部に円形膨出部31の周面に摺接するように円弧縁部の形成された円弧押え部28aと、この円弧押え部28aの下縁部から第2ブラケット3の厚み寸法より僅かに大きい段差部を介して下方に向けて延設された平板部28bとからなっている。平板部28bには、上記係止孔27に対応した孔が穿設されている。
【0031】
従って、第1ブラケット2のガイド部材22を第2ブラケット3の装着凹部33に嵌め込んだ状態でスペーサ37を介して上部押え板38を第2ブラケット3にボルト止めするとともに、下部押え板28を第1ブラケット2にボルト止めすることにより、図3および図5に示すように、上部押え板38の下縁部と第2ブラケット3との間に第1ブラケット2の上縁部が挾持されるとともに、下部押え板28の上縁部と第1ブラケット2との間に第2ブラケット3の下縁部が挾持された状態で第1ブラケット2と第2ブラケット3とが相対回動可能に互いに結合されるようになっている。
【0032】
上記ロックギヤ4は、図4に示すように、第1ブラケット2に膨設された一対のガイド部材22の長尺突起22aと短尺突起22bとの間の嵌装溝25に摺接状態で上下動可能に嵌め込まれる爪歯部41と、この爪歯部41の側縁部から第1ブラケット2の挿通孔21を迂回してガイド凹部23に嵌まり込むように延設された足部42とからなっている。爪歯部41は、先端縁に形成された第2ブラケット3の内歯ラチェット34に噛合する爪歯41aを有しており、ガイド部材22が装着凹部33に嵌め込まれた状態で爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合することにより第1ブラケット2と第2ブラケット3との相対回動が規制されるようになっている。
【0033】
上記足部42は、外側の縁部がガイド凹部23の内縁部に摺接するように形状設定されているとともに、長さ寸法がガイド凹部23の上下寸法より距離dだけ短く寸法設定され、これによってガイド凹部23内で距離d(図4)だけ上下動し得るようになっている。上記距離dは、上記爪歯41aの歯の深さ寸法より若干大きめに設定され、ロックギヤ4が挿通孔21から径方向に外方に向けて移動することによって爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合する一方、ロックギヤ4が挿通孔21の方向に向けて移動することにより爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除されるようになっている。
【0034】
かかるロックギヤ4は、足部42の先端側に第1ブラケット2の上下方向に延びる中心線に向かって突設された係合部43を有しているとともに、爪歯部41の上記足部42と反対側の縁部が第1ブラケット2の横方向に延びる中心線に向かって突出した三角形状の突出部44を有している。そして、突出部44の先端から係合部43にかけてカム5の一部(後述する扇状突起52)を収容する湾曲凹部45が形成されている。
【0035】
また、係合部43および突出部44の上下方向に延びる縁部は、それぞれ長尺突起22aおよび短尺突起22bの対向縁面と面一状態になるとともに、挿通孔21を中心とした点対称状態で一対のロックギヤ4を前後のガイド凹部23に嵌め込むことによって、前後のロックギヤ4の係合部43と上記突出部44とが互いに当接し合い、これによって各ロックギヤ4の収容空間24(図2)への装着状態が安定するようになっている。
【0036】
上記カム5は、所定径寸法のカム本体51と、このカム本体51の互いに対向した縁部から外方に向かって突設された扇形の一対の扇状突起52とからなっている。カム本体51の中心部分には、カム軸6が軸心回りに共回り可能に嵌入される小判孔53が穿設されている。上記扇状突起52は、中心角が略90°に角度設定されている一方、上記湾曲凹部45は、その内壁面に扇状突起52の両端角部が摺接しながらカム5がカム軸6回りに共回りし得るように形状設定されている。
【0037】
一方、上記湾曲凹部45は、突出部44の先端から爪歯41aの方向に向かって斜めに形成された傾斜部45a(図4)と、この傾斜部45aと上記係合部43との間に形成された湾曲部45bとから構成されている。そして、カム5をカム軸6回りに時計方向に回動させることにより、扇状突起52の一方の角部52aが各ロックギヤ4の係合部43を押圧して爪歯部41が互いに接近する方向に移動し、これによって爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除される一方、カム5をカム軸6回りに反時計方向に回動させることにより、扇状突起52の他方の角部52bが各ロックギヤ4の傾斜部45aを押圧して爪歯部41が互いに離反する方向に移動し、これによって爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合するように傾斜部45aおよび湾曲部45bの形状が設定されている。
【0038】
上記カム軸6は、上記カム5の小判孔53に摺接状態で嵌入される断面視が小判形状の軸本体61と、この軸本体61の右端位置に形成された軸頭部62と、上記軸本体61の軸心に沿うように左端面から螺設されたねじ孔63に螺着される抜止めねじ64とを備えて構成されている。軸本体61は第1および第2ブラケット2,3の挿通孔21および貫通孔32に摺接状態で嵌入し得るように外径寸法が設定されている。
【0039】
そして、軸本体61を後述するリンクアームの小判孔を介して第2ブラケット3の貫通孔32に嵌入した状態でカム5の小判孔53を軸本体61に外嵌することにより、カム5がカム軸6に軸心回りに共回り可能に装着されるようになっている。この状態でロックギヤ4の装着された第1ブラケット2の挿通孔21を軸本体61に外嵌し、抜止めねじ64をねじ孔63に螺着して締結することにより、カム5が第1ブラケット2の収容空間24にカム軸6と共回り可能に装着された状態になるようにしている。
【0040】
上記操作レバー7は、前後方向に延びるレバー本体71と、このレバー本体71の基端側(後端側)に形成された逆三角形状の装着部72と、この装着部72と上記カム軸6とをリンクするリンクアーム73とからなっている。装着部72は下端位置に回動中心となる回動中心孔72aを有している一方、上記第1ブラケット2の前後方向の略中央部下部位置には回動中心孔72aに対応した装着孔29が穿設され、装着部72を第1ブラケット2の右面下部に積層した状態で回動中心孔72aおよび装着孔29に回動中心軸74を挿通してナットで締結することにより、操作レバー7が回動中心軸74回りに回動自在に第1ブラケット2に取り付けられるようになっている。
【0041】
上記リンクアーム73は、直状のアーム本体73aと、このアーム本体73aの上方端部から左方に向かって突設された筒状スペーサ73bとからなっている。筒状スペーサ73bには、カム軸6の軸本体61が嵌入される小判孔73cが穿設されており、この小判孔73cに軸本体61を差し通すことによって第2ブラケット3の貫通孔32、カム5の円弧孔53および第1ブラケット2の挿通孔21に嵌挿されたカム軸6はリンクアーム73を軸心回りに回動することによってリンクアーム73と共回りするようになっている。
【0042】
また、アーム本体73aの下端部にはリンク孔73dが穿設されている一方、装着部72の上部の前方部分には先下がりに延びる(前方に向かって下方に傾斜した)長孔72bが穿設されている。この長孔72bおよび上記リンク孔73dにリンク軸(支持軸)75を差し通して両者を連結することにより、操作レバー7の回動中心軸74回りの時計方向への回動操作でリンクアーム73はカム軸6回りに時計方向に回動するとともに、操作レバー7の逆操作でリンクアーム73も逆方向(反時計方向)に回動するようになっている。
【0043】
また、装着部72の後方上縁部には筒状スペーサ73bの長さ寸法と略同一の幅寸法を備えた係止突片76が左方に向けて突設されている一方、第2ブラケット3の円形膨出部31には右面の下部前方部分に貫通孔32の中心と同心の円弧状ストッパ(円弧突起)39が突設されている。そして、この円弧状ストッパ39と上記係止突片76とは、シートバックS2が後倒姿勢に設定された状態では相互に干渉しないが、操作レバー7をロック解除位置に操作してシートバックS2を前倒させた状態で互いに干渉し合い、これによってシートバックS2が前倒姿勢に設定された状態では、操作レバー7のロック解除位置が保持されるように相互の位置関係および相互の寸法が設定されている。
【0044】
また、第1ブラケット2とレバー本体71との間にはコイルばね77が介設され、操作レバー7は、このコイルばね77の付勢力によって常に回動中心軸74回りに反時計方向に向かう力を受け、常時は爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合したロック位置に位置設定されるようになっている。
【0045】
図7および図8は、本発明の作用を説明するための説明図である。そして、図7はリクライナ1の内部におけるカム5とロックギヤ4との関連動作を示すものであり、図8はリクライナ1の外部における操作レバー7の操作と第2ブラケット3の傾倒状態との関連を示すものである。また、図7および図8において、(イ)はシートバックS2の回動がロックされた状態、(ロ)はシートバックS2の回動ロックが解除された状態をそれぞれ示している。
【0046】
まず、図7および図8の(イ)に示す状態では、第2ブラケット3が直立姿勢に設定され、操作レバー7の係止突片76は第2ブラケット3の円弧状ストッパ39と干渉しない状態になっている(図8の(イ))。従って、操作レバー7は、コイルばね77の付勢力によりカム軸6回りに反時計方向に向かう付勢力を受け、これによるカム5のカム軸6回りの共回りによって各扇状突起52が各ロックギヤ4の対応した傾斜部45aをそれぞれ離間方向に押圧し(図7の(イ))、この押圧によってロックギヤ4の爪歯部41の爪歯41aが第2ブラケット3の内歯ラチェット34に噛合した状態になっている。そして、爪歯41aの内歯ラチェット34への噛合によって第2ブラケット3はカム軸6回りの回動が規制(ロック)されており、設定されたシートバックS2(図1)の姿勢が保持された状態になっている。
【0047】
ついで、シートSの着座者が操作レバー7を把持して上方に向けて操作すると、この操作レバー7の回動中心軸74回りの回動が、装着部72の長孔72bに嵌挿されたリンク軸75を介してリンクアーム73に伝達され、リンクアーム73はカム軸6回りに時計方向に回動し、これによってカム軸6が時計方向に回動する(図8の(ロ))。この回動によるカム5のカム軸6との共回りによって各扇状突起52の一方の端部による各ロックギヤ傾斜部45aに対する押圧が解除されるとともに、扇状突起52の他方の端部の係合部43に対する押圧によって各ロックギヤ4はそれぞれカム軸6の方向に移動し、これによって、図7の(ロ)に示すように、爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除される。この解除によって、図7の(ロ)に二点鎖線で示すように、第2ブラケット3はカム軸6回りに任意に正逆回動することができ、これによってシートバックS2の傾倒姿勢を任意に設定することが可能になる。
【0048】
ついで、シートバックS2を所望の後倒姿勢に設定した後に、把持していた操作レバー7を離すと、操作レバー7は、コイルばね77の付勢力によってカム軸6回りに反時計方向にカム軸6と共回りして爪歯41aは内歯ラチェット34に噛合し、リクライナ1は、図7の(イ)に示す、シートバックS2の傾倒姿勢維持状態に復帰する。
【0049】
そして、本発明においては、操作レバー7を把持して上方に引き、ロック解除位置に位置設定した後にシートバックS2を前に倒して第2ブラケット3を前倒させると、図8の(ロ)に示すように、操作レバー7の係止突片76が第2ブラケット3の円弧状ストッパ39に干渉し、これによってロック解除位置に位置した操作レバー7は、回動中心軸74回りの反時計方向への回動が阻止された状態になっている。従って、この状態ではレバー本体71を把持している手を離しても、操作レバー7は、コイルばね77の付勢力に抗して回動中心軸74回りに回動しないため、爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除された状態(図7の(ロ))が維持され、これによって操作レバー7の操作を継続することなくシートバックS2がシートボトムS1上に折り畳まれた状態になるまで前倒操作を続けることが可能になる。
【0050】
以上詳述したように、本発明のリクライナ1は、シートボトムS1に固定された第1ブラケット2と、シートバックS2に固定され、かつ、カム軸6回りに回動自在に第1ブラケット2に連結された第2ブラケット3とを備えて基本構成されている。そして、第2ブラケット3にはカム軸6を中心とした内歯のラチェット34が形成されているとともに、第1ブラケット2にはこの内歯ラチェット34に円弧周面が摺接状態で嵌め込まれ、かつ、カム軸6に対して点対称に形状設定された互いに離間配置の一対の円弧形状のガイド部材22が設けられている。各ガイド部材22間には、カム軸6に軸心回りに共回り可能に取り付けられたカム5と、このカム5の回動動作によって互いに逆方向に移動するように形状設定され、かつ、互いに離間した状態で内歯ラチェット34に噛合する爪歯41aを備えた一対のロックギヤ4とが装着されている。また、爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合したロック位置と爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除されたロック解除位置との間でカム軸6を回動操作する操作レバー7が設けられ、この操作レバー7は、コイルばね77の付勢力によってロック位置に位置するように付勢されている。そして、第2ブラケット3には、シートバックS2が所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバー7を保持する円弧状ストッパ39が設けられている。
【0051】
従って、普段は一対のロックギヤ4の爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合されていることにより、シートバックS2は、カム軸6回りの回動がロックされ、設定された所定の傾倒姿勢が維持された状態になっている。そして、操作レバー7の操作によってカム軸6を所定方向に回動することにより、カム軸6と一体のカム5が所定方向に回動し、この回動によって一対のロックギヤ4がガイド部材22に案内されつつ互いに接近する方向に移動し、これによって各ロックギヤ4の爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除されるため、第1ブラケット2と第2ブラケット3とはカム軸6回りに相対回動が可能な状態になり、第2ブラケット3と一体のシートバックS2は、それを回動操作することにより所望の傾倒姿勢になる。
【0052】
ついで、所望のシートバックS2の傾倒姿勢が選択された状態で把持していた操作レバー7を離すことにより、操作レバー7はコイルばね77の付勢力によってロック位置に移行し、これによって一対のロックギヤ4がガイド部材22に案内されつつ互いに離間する方向に移動して爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合するため、第2ブラケット3のカム軸6回りの回動がロックされ、第2ブラケット3と一体のシートバックS2の傾倒姿勢が保持される。
【0053】
そして、シートバックS2が所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバー7の位相を保持する円弧状ストッパ39が設けられているため、例えばシートバックS2が前倒姿勢になる範囲で機能するように円弧状ストッパ39を設けておくことにより、シートバックS2を前倒させるに際して把持していた操作レバー7から手を離しても、操作レバー7のロック解除状態が維持される。従って、シートが前席である場合、搭乗者の後席に対する乗降のためにシートバックS2を前倒操作するときに、コイルばね77の付勢力に抗して操作レバー7をロック解除位置に操作し続ける必要はなく、その分シートバックS2の前倒操作が容易になる。
【0054】
また、操作レバー7を、第1ブラケット2にカム軸6に平行に設けられたリンク軸75回りに回動自在に軸支し、操作レバー7とカム軸6との間には操作レバー7の回動操作に連動してカム軸6を回動させるリンクアーム73を介設することにより、操作レバー7をロック解除位置に操作することにより、操作レバー7の操作がリンクアーム73を介してカム軸6に伝達されて爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除され、これによってシートバックS2はカム軸6回りに回動可能になる。そして、この状態でシートバックS2を所定の範囲内に向けて傾倒して第2ブラケット3を回動させることにより、第2ブラケット3の円弧状ストッパ39と操作レバー7とが互いに干渉し、これによってロック解除位置にある操作レバー7のリンク軸75回りの回動が阻止されるため、操作レバー7はそれから手を離してもロック解除位置が維持される。
【0055】
このように、操作レバー7を第1ブラケット2にリンク軸75回りに回動し得るように軸支するとともに操作レバー7の回動をリンクアーム73を介してカム軸6に伝達する一方、第2ブラケット3に操作レバー7のロック解除位置を維持する円弧状ストッパ39を設けることにより、シートバックS2の所定回動範囲では操作レバー7から手を離した状態でシートバックS2の回動動作を行い得るようにする、いわゆるロック解除維持構造を簡単なものにすることが可能であり、リクライナの製造コストを安価に抑える上で有効である。
【0056】
図9は、リクライナの第2実施形態を示す一部切欠き分解斜視図である。第1実施形態のリクライナ1においては、第1ブラケット2のガイド部材22に設けられたガイド凸条22cが第2ブラケット3のガイド溝31aに嵌まり込むようにしているが、こうする代わりに、第2実施形態のリクライナ1aにおいては、第2ブラケット3aに内歯ラチェット34の設けられた第1周面34aと、ガイド部材22の外周面が摺接する第2周面34bとを同心で設け、第1周面34aの径寸法と第2周面34bの径寸法と略同一に設定するか、あるいは第1周面34aの径寸法を第2周面34bの径寸法より若干より大きく設定している。こうすることによって第1ブラケット2aのガイド部材22および第2ブラケット3aの円形膨出部31に、第1実施形態で採用されているようなガイド凸条22cおよびガイド溝31aを設ける必要がなくなり、第1および第2ブラケット2a,3aをよりシンプルな構造のものにすることができる。
【0057】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0058】
(1)上記の実施形態においては、レバー本体71の回動中心軸74回りの回動と、リンクアーム73のカム軸6回りの回動とが同一方向になるように構成されているが、本発明は、レバー本体71とリンクアーム73の回動方向を同一にすることに限定されるものではなく、互いに逆方向に回動するようにレバー本体71とリンクアーム73とをリンクしてもよい。但し、こうするためには、ガイド部材22、ロックギヤ4およびカム5の配置を、上記実施形態の配置に対して前後で逆にする必要がある。
【0059】
(2)また、操作レバー7のロック解除位置は、シートバックS2が前倒しになる範囲に設定することに限定されるものではなく、例えばシートバックS2が後倒したリクライニング姿勢の所定範囲をロック解除位置として採用してもよい。こうすることによって、シートバックS2のリクライニング姿勢を所定の複数段の間で段階的に切り換え得ることができる。
【0060】
(3)上記の実施形態においては、円弧状ストッパ39を第2ブラケット3に一体的に設けたが、これを別体として第2ブラケッ3にねじ止めその他で着脱自在に取り付けるようにすれば、操作レバー7のロック解除範囲を容易に変更することができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のシートのリクライニング装置によれば、付勢手段の付勢力によってロック位置に位置するように付勢された操作レバーは、シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除保持手段によって設定されたロック解除位置を保持するようにしているため、例えばシートバックが前倒姿勢になる範囲で機能するようにロック解除保持手段を設けておくことにより、シートバックを前倒させるに際して把持していた操作レバーから手を離しても、操作レバーのロック解除状態を維持することができる。従って、シートが前席である場合、搭乗者の後席に対する乗降のためにシートバックを前倒操作するときに、付勢手段の付勢力に抗して操作レバーをロック解除位置に操作し続ける必要はなく、その分シートバックの前倒操作を容易に行うことができる。
【0062】
また、操作レバーを、第1ブラケットにカム軸に平行に設けられた支持軸回りに回動自在に軸支し、操作レバーとカム軸との間に操作レバーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクアームを介設し、第2ブラケットには、シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバーと干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するように突設されたカム軸と同心の円弧突起を突設したため、操作レバーをロック解除位置に操作することにより、操作レバーの操作がリンクアームを介してカム軸に伝達されて爪歯の内歯ラチェットに対する噛合が解除され、これによってシートバックをカム軸回りに回動可能にすることができる。
【0063】
そして、この状態でシートバックを所定の範囲内に向けて傾倒して第2ブラケットを回動させることにより、第2ブラケットの円弧突起と操作レバーとが互いに干渉し、これによってロック解除位置にある操作レバーの支持軸回りの回動が阻止されるため、操作レバーはそれから手を離してもロック解除位置を維持することができる。
【0064】
このように、操作レバーを第1ブラケットに支持軸回りに回動し得るように軸支するとともに操作レバーの回動をリンクアームを介してカム軸に伝達する一方、第2ブラケットに操作レバーのロック解除位置を維持する円弧突起を設けることにより、シートバックの所定回動範囲では操作レバーから手を離した状態でシートバックの回動動作を行い得るようにする、いわゆるロック解除維持機構を簡単な構造のものにすることができ、リクライナの製造コストを安価に抑える上で好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリクライナが適用されるリクライニングシートの一実施形態を示す側面視の説明図である。
【図2】 リクライナの一実施形態を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図3】 図2のリクライナの組立斜視図である。
【図4】 図3のP線視図である。
【図5】 図4の一部断面図である。
【図6】 図3のQ−Q線断面図である。
【図7】 (イ)および(ロ)は、本発明の作用を説明するための説明図であり、リクライナの内部におけるカムとロックギヤとの関連動作を示すものである。
【図8】 (イ)および(ロ)は、本発明の作用を説明するための説明図であり、リクライナの外部における第2ブラケットの傾倒状態と操作レバーの操作可能範囲との関連を示すものである。
【図9】 リクライナの第2実施形態を示す一部切欠き分解斜視図である。
【符号の説明】
S シート
S1 シートボトム
S2 シートバック
1 リクライナ
2 第1ブラケット
22 ガイド部材
22c 回転ガイド凸状
3 第2ブラケット
31a 回転ガイド溝
34 内歯ラチェット
39 円弧状ストッパ(円弧突起)
4 ロックギヤ
41a 爪歯
5 カム
6 カム軸
7 操作レバー
76 係止突片
77 コイルばね

Claims (1)

  1. シートボトムと、所定の範囲内で傾倒するようにシートボトムに連結されたシートバックとの連結部分に配設され、操作レバーの操作によって上記範囲内で任意に設定されたシートバックの傾倒姿勢のロックおよびロック解除を行うように構成されたリクライニングシートにおける操作レバーの付勢構造であって、シートボトムに固定された第1ブラケットと、シートバックに固定された第2ブラケットとが設けられ、上記第1ブラケットと第2ブラケットとは、いずれか一方に凹設された凹部に、他方に凸設された凸部を嵌め合わせることによって相互に相対回動可能に結合され、上記凹部の内周面には内歯ラチェットが形成され、上記凸部は、互いに平行でかつ互いに対向した摺接面を有する一対の片割れ凸部によって形成され、上記各片割れ凸部の摺接面間に摺接状態で移動可能に嵌装され、かつ、互いに反対側の先端面に上記内歯ラチェットに噛合する爪歯の形成された一対のロックギヤが設けられ、カム軸回りに回動して上記一対のロックギヤを互いに逆方向に移動させるカムが設けられ、上記第1および第2ブラケットは、それぞれ相対回動の中心部分に穿設された中心孔を有し、上記カム軸はこの中心孔に挿入されており、上記爪歯が上記内歯ラチェットに噛合したロック位置と上記爪歯の上記内歯ラチェットに対する噛合が解除されたロック解除位置との間で上記カム軸を回動操作する操作レバーが設けられ、この操作レバーは、付勢手段の付勢力によってロック位置に位置するように付勢され、上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある上記操作レバーを保持するロック解除保持手段が設けられ、上記操作レバーは、上記第1ブラケットに上記カム軸と平行に設けられた支持軸回りに回動自在に軸支され、操作レバーと上記カム軸との間には操作レバーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクアームが介設され、上記第2ブラケットには、上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバーに設けられた係止突片と干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するように突設された、カム軸と同心の上記ロック解除保持手段としての円弧突起が突設されていることを特徴とするシートのリクライニング装置。
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