JP2002101993A - シートのリクライナ構造 - Google Patents

シートのリクライナ構造

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JP2002101993A
JP2002101993A JP2000298204A JP2000298204A JP2002101993A JP 2002101993 A JP2002101993 A JP 2002101993A JP 2000298204 A JP2000298204 A JP 2000298204A JP 2000298204 A JP2000298204 A JP 2000298204A JP 2002101993 A JP2002101993 A JP 2002101993A
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bracket
teeth
locking teeth
angle
seat
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JP2000298204A
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Mitsuhiro Yamashita
光宏 山下
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Delta Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Delta Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートバックに凭れ掛かった状態でロック解
除が行われても異音が発生しないようにする。 【解決手段】 シートボトムに固定された第1ブラケッ
トと、シートバックに固定されて第1ブラケットに回動
中心回りに相対回動可能に連結された第2ブラケット
と、第1および第2ブラケット間で操作桿の操作により
径方向に移動する、先端に係止歯を備えたロックプレー
トとが備えられ、第1ブラケットにはロックプレートの
径方向以外への移動を規制する規制手段が設けられてい
る一方、第2ブラケットには上記ロックプレート先端の
係止歯46と噛合する内歯34が設けられてなるシート
のリクライナ構造において、係止歯46は、最前方位置
にある前方係止歯461の前方傾斜面が、圧力角に所定
角度の抜き角を加えることによって角度設定されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートバックに凭
れ掛かった状態での操作によっても異音の発生を抑止し
得るように改良されたシートのリクライナ構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シートボトムとシートバックとの
間に介設されたシートのリクライナ構造が知られてい
る。このリクライナ構造は、シートボトムに固定された
第1ブラケットと、シートバックに固定され、かつ、第
1ブラケットに回動中心回りに相対回動可能に連結され
た第2ブラケットとの間に介設されている。
【0003】そして、かかるリクライナ構造は、第1ブ
ラケットと第2ブラケットとの間に形成され、かつ、上
記回動中心と同心の支持軸回りに共回り可能に固定され
たカムを有している。このカムは、支持軸の正逆回動に
よって先端面に係止歯を備えたロックプレートを第1お
よび第2ブラケット間で径方向に正逆移動させるもので
ある。また、第1ブラケットには、径方向に延びる互い
に平行な対向壁を備えた案内溝が設けられ、上記ロック
プレートが上記カムの回動で案内溝内を正逆移動するこ
とによって係止歯が案内溝から出没するようになってい
る。
【0004】一方、第2ブラケットには、上記回転中心
と同心の円弧軌跡に沿って内歯が形成されている。これ
によって上記カムの回動でロックプレートが案内溝から
外方に突出し、その係止歯が内歯に噛合することによっ
て第1ブラケットと第2ブラケットとの相対回動が規制
される一方、カムの逆回動で係止歯の内歯に対する噛合
が解除されることにより、第1ブラケットと第2ブラケ
ットとが相対回動し得るようになる。
【0005】従って、上記支持軸に操作桿を取り付け、
この操作桿の操作で支持軸を正逆回動することにより、
係止歯を内歯に噛合させてシートバックの傾倒位置をロ
ックすることができるとともに、上記噛合を解除して傾
倒位置の変更を行うことが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のようなリクライナ構造においては、シートへの着座者
がシートバックに凭れ掛かった状態で、操作桿の操作に
よりカムを介してロックプレートを第1ブラケットの中
心方向に引き入れるロック解除操作を行うと、上記凭れ
掛かりで後方に向かって押圧していた内歯の係止歯に対
する噛合が突然解除され、この解除時に「バキン」とい
う異音が発生するという問題点を有していた。
【0007】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決するためになされたものであり、シートバックに凭れ
掛かった状態で操作桿の操作によりロック解除が行われ
ても異音の発生を抑止することができるシートのリクラ
イナ構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シートボトムおよびシートバックのいずれか一方に固定
された第1ブラケットと、他方に固定されて第1ブラケ
ットに回動中心回りに相対回動可能に連結された第2ブ
ラケットと、第1および第2ブラケット間で操作桿の操
作により径方向に移動する、先端に係止歯を備えたロッ
クプレートとが備えられ、第1ブラケットにはロックプ
レートの径方向以外への移動を規制する規制手段が設け
られている一方、第2ブラケットには上記ロックプレー
ト先端の係止歯と噛合する内歯が設けられてなるシート
のリクライナ構造において、上記係止歯は、最前方位置
にあるものの前方傾斜面が、圧力角に所定角度の抜き角
を加えることによって角度設定されていることを特徴と
するものである。
【0009】この発明によれば、シートに座った着座者
がシートバックに凭れ掛かった状態で、操作桿の操作に
よりロックプレートを第1ブラケットの回動中心方向に
引き込むことにより、ロックプレートの係止歯に当止し
てシートバックの後倒を阻止している内歯の当止状態が
解除され、これによってシートバックは着座者の背圧で
一旦回動中心回りに後倒する。
【0010】そして、係止歯は、前方傾斜面が圧力角に
所定の抜き角を加えることによって角度設定されている
ため、回動中心に向けて引き入れられることにより係止
歯が内歯から離間するに際し、内歯は、係止歯が圧力角
のみによって形成されている場合に比較して急激な速度
変化のない衝撃の少ない状態で係止歯から外れ、これに
よって係止歯に対する係止解除が緩やかに行われ、圧力
角のみによって最前方位置の係止歯が形成されている場
合に係止解除時に異音が発生するという従来の不都合が
解消される。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記抜き角は、上記圧力角の0.2倍以上
で0.5倍以下であることを特徴とするものである。
【0012】この発明によれば、抜き角が圧力角の0.
2〜0.5倍の角度に設定されていることにより、最前
方位置の係止歯は、内歯からの力を受け止めて第2ブラ
ケットの回動を阻止するという機能を確保した上で異音
の発生を有効に防止することができる。
【0013】これに対し、抜き角が圧力角の0.2倍未
満であると、角度が小さすぎることによって内歯が緩や
かに係止歯から外れるという抜き角の作用を充分に得る
ことができず、適正な異音発生防止効果が得られない。
また、抜き角が圧力角の0.5倍を越えると、抜き角が
大きすぎることによって係止歯の歯丈が短くなってしま
い、これによって内歯が係止歯の抜き角面を滑ってしま
うことがあり、係止歯による内歯の係止が確実に行い得
なくなるような不都合が生じる場合がある。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のリクライナ構造
が適用されるリクライニングシートの一実施形態を示す
側面視の説明図である。この図に示すように、自動車用
のシートSは、シートボトムS1と、シートバックS2
とからなり、シートボトムS1とシートバックS2と
は、一対のリクライナ1で前後傾倒自在に連結されてい
る。
【0015】図2は、リクライナ1の一実施形態を示す
一部切欠き分解斜視図であり、図3はその組立斜視図で
ある。これらの図に示すように、リクライナ1は、シー
トボトムS1に固定された第1ブラケット2と、シート
バックS2に上記第1ブラケット2に対向して固定され
る第2ブラケット3と、これらブラケット2,3間に介
設される一対のロックプレート4と、カム軸6回りに正
逆共回りして上記一対のロックプレート4を離接する方
向に移動させるカム5と、上記カム軸6を軸心回りに正
逆回動操作する操作レバー7と、この操作レバー7を抜
け止めして保持する保持プレート8とを備えた基本構成
を有している。
【0016】上記第1ブラケット2は、上部が半円状で
下部が下広がりに形成され、半円状の曲率中心部分に上
記カム軸6を挿通する挿通孔21が穿設されているとと
もに、左方の面には、前後方向一対のガイド部材22が
幅方向の内方(図2の左方)に向けて押し起こしで膨設
されている。各ガイド部材22は、挿通孔21を中心と
した円弧状に形成され、かつ、挿通孔21に対して点対
称に形状設定されている。
【0017】図4は、図2のX線視の斜視図であり、上
記各ガイド部材22の対向面には、それぞれ上下方向に
延びるガイド凹部23が凹設されているとともに、この
ガイド凹部23の凹設によって各ガイド部材22の上下
部には互いに対向する方向に突出したガイド突起22a
が形成されている。
【0018】そして、対向したガイド凹部23間にはロ
ックプレート4およびカム5を収容する収容空間24が
形成されているとともに、ガイド突起22aの対向面間
に各ロックプレート4の一部(後述する係止歯プレート
41)を摺接状態で嵌装する上下一対の案内溝25が形
成されている。
【0019】また、各ガイド部材22の表面には、ガイ
ド部材22の外周面と同心の円弧状のガイド凸条22b
がそれぞれ設けられ、これらのガイド凸条22bが後述
する第2ブラケット3の円形ガイド溝31aに摺接状態
で嵌入されるようになっている。
【0020】上記第2ブラケット3は、図2に示すよう
に、下方が半円形状に形成されているとともに上方が略
矩形状に形成されている。かかる第2ブラケット3の左
側面には、半円形状部分の曲率中心を中心とした押し起
こしによる円形膨出部31が膨設されているとともに、
この円形膨出部31の中心部分には上記第1ブラケット
2の挿通孔21に対向した貫通孔32が穿設されてい
る。
【0021】また、円形膨出部31の右側には装着凹部
33が凹設されている。この装着凹部33の内径寸法
は、上記一対のガイド部材22の曲率半径より僅かに大
きく寸法設定されて、第1ブラケット2と第2ブラケッ
ト3とを合わせた状態で、各ガイド部材22は、それら
の円弧外周面が装着凹部33の内周面に摺接しながら装
着凹部33に嵌め込まれるようになっている。
【0022】また、装着凹部33の右側面には、上記ガ
イド凸条22bに対応した上記貫通孔32と同心の円形
ガイド溝31aが凹設され、ガイド凸条22bが円形ガ
イド溝31aに嵌め込まれることによって第1ブラケッ
ト2と第2ブラケット3との相対回動がより安定して行
われるようになっている。かかる装着凹部33の内周面
には、径方向に切り込まれることによって形成された内
歯34が上下で対向して設けられている。
【0023】かかる第2ブラケット3の上縁部には、前
後端部にそれぞれ取付け孔が穿設され、これらの取付け
孔を介してボルト止めされることにより第2ブラケット
3がシートバックS2に固定されるようになっている。
また、第2ブラケット3は、前後の取付け孔間に第1ブ
ラケット2の方向に向かって突設された位置決め突起を
有している。これらの位置決め突起は、第1ブラケット
2が第2ブラケット3から外れないように押さえる押え
板35の装着位置を位置決めするためのものである。
【0024】そして、第2ブラケット3に第1ブラケッ
ト2を積層した状態で押え板35を第2ブラケット3に
固定することにより、押え板35が第1ブラケット2の
回動を許容しながらその上部を押さえた状態になり、こ
れによって第1ブラケット2の上部が第2ブラケット3
から離間するのを防止するようにしている。
【0025】また、上記第1ブラケット2の下縁部にも
前後端部にそれぞれ取付け孔が穿設され、これらの取付
け孔を介してボルト止めされることにより第1ブラケッ
ト2がシートボトムS1に固定されるようになってい
る。
【0026】図5は、ロックプレート4の一実施形態を
示す正面図であり、(イ)はロックプレート4の係止歯
46が案内溝25から外部に突出した状態、(ロ)は係
止歯46が案内溝25内に没入した状態をそれぞれ示し
ている。図5に示すように、ロックプレート4は、第1
ブラケット2の案内溝25に上下動可能に嵌め込まれる
係止歯プレート41と、この係止歯プレート41の基端
側に一体に連設された鈎形プレート42とからなってい
る。
【0027】上記係止歯プレート41は、先端縁に形成
された第2ブラケット3の内歯34(図2)に噛合する
係止歯46を有しており、ガイド部材22が装着凹部3
3に嵌め込まれた状態で係止歯46が内歯34に噛合す
ることにより第1ブラケット2と第2ブラケット3との
相対回動が規制されるようになっている。
【0028】上記鈎形プレート42は、外方の側縁部が
ガイド凹部23の内縁部に摺接するとともに、内方の縁
部がカム5の外周面に摺接するように形状設定され、係
止歯プレート41の基端部に一体に結合された横方向に
延びる横プレート43と、この横プレート43の時計方
向の端部から係止歯プレート41と反対方向に延びた縦
プレート44とからなっている。縦プレート44の長さ
寸法は、ガイド凹部23の上下寸法より距離dだけ短く
寸法設定され、これによって縦プレート44はガイド凹
部23内で距離dだけ上下動し得るようになっている。
【0029】上記距離dは、係止歯46の歯丈寸法より
若干大きめに設定され、鈎形プレート42が挿通孔21
から径方向に外方に向けて移動することによって係止歯
プレート41の係止歯46が内歯34に噛合する一方、
鈎形プレート42が挿通孔21の方向に向けて移動する
ことにより、係止歯46の内歯34に対する噛合が解除
されるようになっている。
【0030】また、横プレート43と縦プレート44と
は略直角に結合され、これら横プレート43および縦プ
レート44の各内側部分にカム5を収容する湾曲凹部4
5が形成されている。また、横プレート43の両端部に
は、ガイド部材22のガイド突起22aに当接する当接
突片43aが設けられ、これらの当接突片43aがガイ
ド突起22aに当接することにより係止歯プレート41
の荷重を受けた方向に向かう傾倒が阻止され、これによ
って常に係止歯46が内歯34に対して確実に噛合され
るようにしている。
【0031】また、縦プレート44の略中央位置にはカ
ム5に向かって突設された係合突起44aが設けられ、
この係合突起44aが回動するカム5と干渉することに
よって係止歯プレート41が案内溝25内に没入するよ
うになっている。
【0032】また、一対のロックプレート4は、それら
が挿通孔21の孔心を中心とした収容空間24の点対称
位置に装着された状態で、一方の縦プレート44の先端
部が他方の横プレート43の側端面に当接するように形
状設定されており、これによって各ロックプレート4の
収容空間24への装着状態が安定するようになってい
る。
【0033】上記カム5は、略楕円形状を呈したカム本
体51と、このカム本体51の点対称位置の縁部から外
方に向かって突設された一対の押圧突起52とからなっ
ている。カム本体51の中心部分にはカム軸6が挿通さ
れる六角孔53が穿設されている。一方、カム軸6は、
図3に示すように、シートボトムS1を横断して左右の
リクライナ1間に架橋され操作レバー7の操作が両リク
ライナ1に及ぶようにしている。具体的には、カム軸6
は、上記六角孔53に摺接内嵌されるように寸法設定さ
れ、操作レバー7の操作で一方のリクライナ1のカム5
を回動操作することにより、このカム5の回動がカム軸
6を介して他方のリクライナ1のカム5に伝達され、他
方のカム5が一方のカム5と軸心回りに同期回動するよ
うになっている。
【0034】上記一対の押圧突起52は、図5に示すよ
うに、各ロックプレート4の縦プレート44にそれぞれ
突設された係合突起44aに対応して設けられ、図5の
(イ)に示す状態のカム5がカム軸6回りに時計方向に
回動することによって押圧突起52が係合突起44aを
押圧し、これによって、図5の(ロ)に示すように、ロ
ックプレート4は係止歯46が案内溝25内に没入した
ロック解除位置に位置するようになっている。
【0035】図6は、本発明に係るロックプレート4の
係止歯46の一実施形態を示す説明図であり、図7は、
図6のA部の部分拡大図である。なお、図6において
は、説明が容易になるように、係止歯46および内歯3
4を実際よりも誇張して示している。図6に示すよう
に、係止歯46が第1ブラケット2の案内溝25から外
部に突出した状態では、第2ブラケット3の内歯34の
基準ピッチ円E2の中心Oと、ロックプレート4の係止
歯46の基準ピッチ円E1の中心O1とは互いに一致し
ている。係止歯46の基準ピッチ円E1の径寸法R1
は、第1ブラケット2のガイド部材22の径寸法R0よ
り若干大き目に寸法設定されているとともに、内歯34
の基準ピッチ円E2の径寸法R2は係止歯46の径寸法
R1より若干大き目に寸法設定されている。そして、係
止歯46は、そのピッチ数が内歯34のピッチ数と同一
になるようにピッチ設定されているため、第1ブラケッ
ト2の案内溝25から外部に突出した状態で内歯34に
噛合し、これによって第2ブラケット3のカム軸6回り
の回動が規制された状態になっている。
【0036】本発明においては、上記のような係止歯4
6において、最前方位置(図6の左方)の係止歯46
(前方係止歯461)と最後方位置(図6の右方)の係
止歯46(後方係止歯463)とに挟まれた中間位置の
係止歯46(中間係止歯462)は、図7に示すよう
に、通常の圧力角αを備えて形成されているのに対し、
前方係止歯461については、前方の傾斜角が上記圧力
角αに抜き角βを加えたものになっている。これによっ
て前方係止歯461の前方の傾斜面には、係止歯46の
基準ピッチ円E1の接線方向に対する傾斜角度θ1が中
間係止歯462のそれより小さい緩傾斜部47が形成さ
れている。
【0037】従って、係止歯46が案内溝25から外部
に突出した状態では、中間係止歯462は、図7に示す
ように、歯の前後の傾斜面が第2ブラケット3の隣接し
た内歯34の各傾斜面に面接触(側面視では線接触)で
密着した状態になっているのに対し、前方係止歯461
は、前方(図7の左方)の傾斜面が前方の内歯34の後
方傾斜面に点Pにおいて線接触(側面視では点接触)し
ており、これによって点Pより上方位置においては、内
歯34の後方傾斜面と前方係止歯461の前方傾斜面
(緩傾斜部47)との間に隙間Cが形成された状態にな
っている。
【0038】また、後方係止歯463についても、歯の
後方の傾斜面に上記と同じ角度(β)の抜き角が設定さ
れた緩傾斜部47(図6)が形成されている。後方係止
歯463にも抜き角βを備えた緩傾斜部47が設けられ
ているのは、同一形状のロックプレート4が、図5に示
すように上下逆転させて下部側のものとしても使用され
るため、この場合、上部に位置した後方係止歯463が
下部に位置したロックプレート4の前方係止歯になる。
この下部に位置したロックプレート4の前方係止歯にも
異音発生防止の機能を担わせるために、図6に示す後方
係止歯463にも緩傾斜部47を設けている。
【0039】その他、第1ブラケット2をシートバック
S2取り付けるとともに、第2ブラケット3をシートボ
トムS1に取り付ける場合もあり、このような場合に
は、上方のロックプレート4については図6に示す後方
係止歯463が逆転して前方係止歯になるため、図6に
示す後方係止歯463にも緩傾斜部47を形成させてお
く必要がある。すなわち部品(ロックプレート4)の互
換性および汎用性を高めるとともに、部品点数の削減の
ために係止歯46の前端部のものおよび後端部のものに
抜き角βを設定して緩傾斜部47を設けているのであ
る。
【0040】そして、前方係止歯461と内歯34との
間に形成された、抜き角βを設けることによる上記隙間
Cが、第2ブラケット3のロック解除に際して極めて重
要な作用を発揮するのである。以下、緩傾斜部47が設
けられていない係止歯46との対比において、緩傾斜部
47の作用について説明する。
【0041】図8は、シートSに座った着座者がシート
バックS2に凭れ掛った状態における内歯34と係止歯
46との相対位置関係を示す説明図である。図8には、
前方係止歯461に緩傾斜部47が形成された本発明に
係るロックプレート4を描いているが、この位置関係に
ついては、前方係止歯461に緩傾斜部47が形成され
ていない係止歯46の場合であっても同様である。
【0042】そして、シートS(図1)の着座者がシー
トバックS2に凭れ掛かると、シートバックS2と一体
の第2ブラケット3(図3)には後方に向かう力が掛か
るため、僅かではあるが内歯34の基準ピッチ円E2の
中心Oは、今まで一致していたロックプレート4の中心
O1から僅かではあるが距離tだけ後方にずれ、これに
よって内歯34の基準ピッチ円E2が係止歯46の基準
ピッチ円E1に対して後方(図8の右方)にずれた状態
になる。
【0043】このずれによって、前方係止歯461の直
前方の内歯34は、点P1において前方係止歯461の
緩傾斜部47に当接した状態になっているのに対し、前
方から2つ目以降の係止歯46(中間係止歯462およ
び後方係止歯463)については、各係止歯46の前方
傾斜面と内歯34の後方傾斜面との間に僅かな隙間C1
が形成された状態になっている。しかも、これらの隙間
C1は後方に向かうに従って大きくなっている。
【0044】従って、着座者がシートバックS2の背凭
れに凭れ掛かることにより第2ブラケット3を介して内
歯34からロックプレート4に加えられる後方に向かっ
た力は、点P1で前方係止歯461のみによって受けら
れた状態になっている。この状態を拡大して示したのが
図9であり、(イ)は、前方係止歯461に本発明に係
る緩傾斜部47を備えた実施例であり、(ロ)は、前方
係止歯461に緩傾斜部47が設けられていない比較例
である。なお、これらの図において、実線でロックプレ
ート4が下降する前のロックプレート4と第2ブラケッ
ト3との相対位置関係を示すとともに、二点鎖線で示す
ロックプレート4と実線で示す第2ブラケット3とでロ
ックプレート4が下降しつつあるときの両者の相対位置
関係を示している。
【0045】まず、図9の(イ)に示す実施例の場合
は、ロックプレート4が下降しつつあるとき、この下降
に従って第2ブラケット3が力F(着座者がシートバッ
クS2に凭れ掛かることにより生じる力)により後方
(図9の右方)に向けて移動するが、このときの第2ブ
ラケット3の後方に向かう移動速度V1は、ロックプレ
ート4の下降速度をVとし、緩傾斜部47の傾斜角度を
θ1(θ1=90°−(α+β)とした場合、 V1=V/tanθ1 となる。従って、内歯34が前方係止歯461から外れ
て力Fのみで移動するときの内歯34の加速度とこの加
速度を打ち消すように作用する抵抗との平衡によって決
まる内歯34の後方に向かう移動速度V0と、ロックプ
レート4が下降中の第2ブラケット3の後方に向かう移
動速度V1との差V1Sは、 V1S=V0−V1=V0−V/tanθ1 となる。
【0046】つぎに、図9の(ロ)に示す比較例の場
合、ロックプレート4の下降速度およびロックプレート
4が受ける力をそれぞれ上記同様のVおよびFとすると
ともに、最前方の係止歯46の前面の傾斜角度をθ
2(θ2=90°−α)とした場合、ロックプレート4の
下降時に第2ブラケット3が後方に向かう速度V2は、 V2=V/tanθ2 となり、V0との速度差V2Sは、 V2S=V0−V2=V0−V/tanθ2 となる。
【0047】そして、両速度差を比較してみると、 V1S−V2S=(V0−V/tanθ1)−(V0−V/t
anθ2)=V/tanθ2−V/tanθ1<0(∵θ2
>θ1) このことは、第2ブラケット3がロックプレート4によ
る係止から外れて力Fによる速度V0に到達するまでの
速度差は、実施例の方が比較例より小さく、従って、実
施例の方が上記係止から外れるときのショックが比較例
より小さいことを示している。すなわち、本発明は、前
方係止歯461の前方傾斜面を、圧力角αに抜き角β加
えて緩傾斜部47を形成することにより、第2ブラケッ
ト3の内歯34が係止歯46から外れるときの衝撃が従
来に比べて少なくて済むため、この衝撃の少なさによっ
て異音の発生を少なくすることができるのである。
【0048】そして、本発明においては、圧力角αは、
20°〜35°の範囲内の所定の角度に設定されるとと
もに、抜き角βは圧力角αの0.2倍以上で、かつ、
0.5倍以下に角度設定されている。
【0049】抜き角βが圧力角αの0.2〜0.5倍の
角度に設定されるのは以下の理由による。すなわち、抜
き角βが圧力角αの0.2倍未満であると、角度が小さ
すぎることによって内歯34が緩やかに前方係止歯46
1から外れるという抜き角βの作用が充分に発揮され
ず、適正な異音発生防止効果を得ることができないから
である。また、抜き角βが圧力角αの0.5倍を越える
と、抜き角βが大きすぎることによって前方係止歯46
1の歯丈が短くなってしまい、これによって内歯34が
前方係止歯461の抜き角面を滑ってしまうことがあ
り、前方係止歯461による内歯34の係止が確実に行
い得なくなるような不都合が生じるからである。そし
て、抜き角βを圧力角αの0.2〜0.5倍の角度範囲
内に設定することにより、前方係止歯461は、内歯3
4からの力を受け止めて第2ブラケットの回動を阻止す
るという機能を確実に果した上で、異音の発生を有効に
防止することができるのである。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、係止歯の
前方傾斜面を、圧力角に所定の抜き角を加えることによ
って角度設定したため、内歯は、回動中心に向けて引き
入れられることにより係止歯から離間するに際し、係止
歯が圧力角のみによって形成されている場合に比較して
急激な速度変化のない衝撃の少ない状態で係止歯から外
れ、これによって係止歯に対する係止解除が緩やかに行
われ、圧力角のみによって最前方位置の係止歯が形成さ
れている場合に係止解除時に異音が発生するという従来
の不都合を解消することができる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、抜き角が圧
力角の0.2〜0.5倍の角度に設定されているため、
かかる抜き角の角度設定は適正であり、最前方位置の係
止歯が内歯からの力を受け止めて第2ブラケットの回動
を阻止するという機能を確保した上で係止解除時の異音
の発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリクライナ構造が適用されるリクライ
ニングシートの一実施形態を示す側面視の説明図であ
る。
【図2】リクライナの一実施形態を示す一部切欠き分解
斜視図である。
【図3】図2に示すリクライナの組立て斜視図である。
【図4】図2のX線視の斜視図である。
【図5】ロックプレートの一実施形態を示す正面図であ
り、(イ)はロックプレートの係止歯が案内溝から外部
に突出した状態、(ロ)は係止歯が案内溝内に没入した
状態をそれぞれ示している。
【図6】本発明に係るロックプレートの係止歯の一実施
形態を示す説明図である。
【図7】図6のA部の部分拡大図である。
【図8】シートに座った着座者がシートバックに凭れ掛
った状態における内歯と係止歯との相対位置関係を示す
説明図である。
【図9】図8の部分拡大図であり、(イ)は、前方係止
歯に本発明に係る緩傾斜部を備えた実施例であり、
(ロ)は、前方係止歯に緩傾斜部が設けられていない比
較例である。
【符号の説明】
1 リクライナ 7 操作レバー 8 保持プレート 2 第1ブラケット 21 挿通孔 22 ガイド部材 22a ガイド突起 22b ガイド凸条 23 ガイド凹部 24 収容空間 25 案内溝 3 第2ブラケット 31a 円形ガイド溝 31 円形膨出部 32 貫通孔 33 装着凹部 34 内歯 35 板 4 ロックプレート 41 係止歯プレート 42 鈎形プレート 43 横プレート 43a 当接突片 44 縦プレート 44a 係合突起 45 湾曲凹部 46 係止歯 461 前方係止歯 462 中間係止歯 463 後方係止歯 47 緩傾斜部 5 カム 51 カム本体 52 押圧突起 53 六角孔 6 カム軸 C,C1 隙間 E1,E2 基準ピッチ円 O 内歯の基準ピッチ円の中心 O1 係止歯の基準ピッチ円の中心 S シート S1 シートボトム S2 シートバック α 圧力角 β 抜き角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートボトムおよびシートバックのいず
    れか一方に固定された第1ブラケットと、他方に固定さ
    れて第1ブラケットに回動中心回りに相対回動可能に連
    結された第2ブラケットと、第1および第2ブラケット
    間で操作桿の操作により径方向に移動する、先端に係止
    歯を備えたロックプレートとが備えられ、第1ブラケッ
    トにはロックプレートの径方向以外への移動を規制する
    規制手段が設けられている一方、第2ブラケットには上
    記ロックプレート先端の係止歯と噛合する内歯が設けら
    れてなるシートのリクライナ構造において、上記係止歯
    は、最前方位置にあるものの前方傾斜面が、圧力角に所
    定角度の抜き角を加えることによって角度設定されてい
    ることを特徴とするシートのリクライナ構造。
  2. 【請求項2】 上記抜き角は、上記圧力角の0.2倍以
    上で0.5倍以下であることを特徴とする請求項1記載
    のシートのリクライナ構造。
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