JP2006325918A - シートリクライニング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リクライニングハンドル25によってシートバックのシートクッションに対する傾動を規制するロック状態とアンロック状態とに切換可能なリクライニングロック機構と、傾動前の角度を記憶してシートバックを傾動可能とするリクライニングメモリ機構と、メモリ操作ハンドル37の操作に応じてリクライニングメモリ機構のメモリ作動位置とメモリ解除位置とに回動されるレリーズレバー33と、リクライニングハンドル25と同軸一体に回動する第1規制レバー50と、レリーズレバー33に対し一方向への相対的離反回動には相対回動可能とされ他方向への相対的離反回動には一体的回動され、常時は一体的回動状態に付勢保持された第2規制レバー51とを有する。
【選択図】 図2
Description
このようなリクライニングメモリ機能を有するシートリクライニング装置において、リクライニングメモリ用の操作部材を操作してからリクライニングロック解除用の操作部材を操作すると、リクライニングメモリが正常に機能しなくなってしまうおそれがあった。具体的には、シートバックとシートクッションの双方に対して相対回動可能なラチェットが設けられており、リクライニングロック機構はシートクッションに対するラチェットの相対回動を規制(ロック状態)及び許容(アンロック状態)し、リクライニングメモリ機構はシートバックに対するラチェットの相対回動を規制(メモリ解除状態)及び許容(メモリ作動状態)する。ここで、リクライニングメモリ機構をメモリ作動状態にし、リクライニングロック機構をアンロック状態にすると、ラチェットはシートクッションとシートバックの両方に対して回動可能になってしまい、その角度位置に狂いが生じるおそれがある。
そこで、先に、本出願人らによって、上記不具合を安価かつ簡単な構造で防ぐことのできる技術を提案した(特願2005−127621号)。その内容は、リクライニングロック機構とリクライニングメモリ機構を有するシートリクライニング装置において、リクライニングメモリの作動時にはリクライニングロックの解除操作が行えないように規制する構成である。このシートリクライニング装置では、アンロック操作ハンドルと同軸一体に回動する第1の回動規制部材と、メモリ操作部材の操作に応じて回動するメモリ操作レバーと同軸一体に回動する第2の回動規制部材と、を有する。そして、上記メモリ操作部材の解除操作を行うと、第2の回動規制部材は、回動し、第1の回動規制部材と係合する位置に進出する。これにより、リクライニングロックの解除操作が行えないように規制している。
なお、上記技術に関連する技術が、例えば下記特許文献1に開示されている。
すなわち、上記構成のシートリクライニング装置によれば、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材とを係合させることにより、リクライニングロックの解除操作を規制することができる。そして、この場合には、メモリ操作部材の解除操作を止めることにより、第1の回動規制部材を第2の回動規制部材と係合しない位置まで回動させて退避させることができる。しかしながら、例えばメモリ操作部材の操作とアンロック操作ハンドルの操作とが連続的に行われる等、何らかのきっかけにより、上記操作の過程で第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転した位置関係となってしまう場合があった。このような場合、メモリ操作部材の解除操作を止めても、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材とが係合し、メモリ操作部材を逆転する前の位置状態に戻せなくなる不具合を生じることがあった。
先ず、第1の発明は、シートクッションに対して傾動可能なシートバックと、シートバックの傾動を規制するロック状態と規制解除するアンロック状態とに切換可能なリクライニングロック機構と、リクライニングロック機構とは独立して、傾動前の角度を記憶してシートバックを傾動可能とさせるメモリ作動操作とメモリ作動状態を解除するメモリ解除操作とが可能なリクライニングメモリ機構と、回動操作によってリクライニングロック機構をアンロック状態にさせるアンロック操作ハンドルと、アンロック操作ハンドルの回動軸と平行な回動軸で軸支され、メモリ操作部材の操作に応じてリクライニングメモリ機構のメモリ作動位置とメモリ解除位置とに回動されるメモリ制御レバーと、アンロック操作ハンドルと同軸一体に回動する第1の回動規制部材と、メモリ制御レバーの回動軸と同軸若しくは平行な回動軸で軸支され、メモリ制御レバーに対する一方向への相対的離反回動には相対回動可能とされるが、他方向への相対的離反回動には一体的回動されており、常時は付勢手段により一体的回動状態に付勢保持されており、メモリ操作部材によるリクライニングメモリ機構のメモリ作動位置とするための操作時は他方向への相対的離反回動方向とされている第2の回動規制部材と、を有し、メモリ制御レバーがメモリ作動位置にあるときには、第2の回動規制部材が第1の回動規制部材との係合位置に進出してアンロック操作ハンドルのアンロック回動操作を規制し、メモリ制御レバーがメモリ解除位置にあるときには、第2の回動規制部材が第1の回動規制部材との係合位置から退避してアンロック操作ハンドルのアンロック回動操作を許す構成とされており、メモリ操作部材及びアンロック操作ハンドルの操作状態により第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転した位置関係にあるとき、メモリ制御レバーをメモリ作動位置からメモリ解除位置に向けて回動させるべくメモリ操作部材を操作することにより、第2の回動規制部材のメモリ制御レバーに対する回動は一方向への相対的離反回動となって相対回動し、第1の回動規制部材との逆転された係合状態を回避し、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が正常な位置関係状態に戻されるものである。
この第1の発明によれば、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転した位置関係にあるときには、メモリ制御レバーをメモリ作動位置からメモリ解除位置に向けて回動させるべくメモリ操作部材を操作することにより、第2の回動規制部材は、一方向に相対回動し、第1の回動規制部材との係合が回避される。これにより、メモリ操作部材は、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転する前の正常な位置関係状態に戻される。
この第2の発明によれば、リクライニングロック機構は、アンロック操作ハンドルの操作状態により、シートクッションに対するラチェットの相対回動を規制する状態と許容する状態とに切り換えられる。また、リクライニングメモリ機構は、メモリ操作部材の操作状態により、シートバックに対するラチェットの相対回動を規制する状態と許容する状態とに切り換えられる。詳しくは、メモリ制御レバーがメモリ解除位置のときには、ポールとラチェットとが係合して上記相対回動が規制される。また、メモリ作動位置のときには、ポールとラチェットとの係合が解除されて上記相対回動が許容される。
先ず、第1の発明によれば、簡単かつ安価な構造によって、第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転した場合の位置関係を、逆転する前の正常な状態に簡単に戻すことができる。これにより、アンロック操作ハンドルとメモリ操作部材との操作の過程で生じる不具合を解消することができる。
更に、第2の発明によれば、簡単かつ安価な構造によって、リクライニングロック機構とは独立してシートバック傾動前の角度を記憶する機能を果たすリクライニングメモリ機構を構成することができる。
また、図6及び図9に良く示されるように、第2規制レバー51の固定アーム51bの先端部はレリーズレバー33と連結される連結部51dとされている。連結部51dは図で見て略逆U字形の係合孔として形成されており、一端が、図示の場合は下端が開口された状態として形成されている。この一端が開口された係合孔の連結部51dには、レリーズレバー33に一体的に形成された固定ピン33Yが嵌合可能状態として配置されている。したがって、図で見て、連結部51dに固定ピン33Yが嵌合した状態から、第2規制レバー51の固定アーム51bがレリーズレバー33に対する反時計回り方向の相対的回動に対しては一体的に回動するが、逆に、時計回り方向の相対的回動に対しては離反して回動可能とされている。すなわち、連結部51dと固定ピン33Yとの連結は、一方向への両者の相対的離反回動に対しては離反が可能とされるが、他方向への相対的離反回動に対しては一体的回動とされている。
また、第2規制レバー51とレリーズレバー33との間には、第2規制レバー51をレリーズレバー33に対して反時計回り方向に回動付勢するスパイラルスプリング(付勢手段:図示省略)が連結されている。この回動付勢力により、第2規制レバー51は、固定ピン33Yと当接する位置に弾性的に保持される。これにより、図3ないし図6に示すように、レリーズレバー33の時計回り方向への回動に対しては、第2規制レバー51とレリーズレバー33とが相対回動不能に一体的とされ、回動軸33Xを中心として同軸一体となって回動する。また、第2規制レバー51は、図9に示すように、レリーズレバー33に対する時計回り方向への回動に対しては、スパイラルスプリングの付勢力に抗して、レリーズレバー33から独立して回動軸33Xを中心として相対的に回動可能とされている。
また、図8に示すように、何らかのきっかけによって、上記操作の過程で第1規制レバー50と第2規制レバー51との相対的位置関係が逆転した位置関係となってしまった場合には、メモリ操作ハンドル37によるメモリ操作ワイヤ35の牽引を解除することにより、両者の相対的位置関係が逆転する前の正常な位置関係状態に戻される。すなわち、先ず、図9の実線に示すように、メモリ操作ワイヤ35の牽引を解除してレリーズレバー33が反時計回り方向に回動されると、第2規制レバー51は、スパイラルスプリングの付勢力によって、レリーズレバー33と一体に反時計回り方向に回動する。また、アンロック操作位置にあるリクライニングハンドル25がロック方向(図中の反時計回り方向)に回動操作されることにより、第1規制レバー50も反時計回り方向に回動する。そして、この両者の回動に伴って回動規制アーム51cが折返係合部50cと当接すると、第2規制レバー51は、同図の仮想線に示すように、第1規制レバー50に押動されながらレリーズレバー33に対して相対的に時計回り方向に回動する。この第2規制レバー51とレリーズレバー33との相対的変位に伴って、回動規制アーム51cと折返係合部50cとの係合が回避される。そして、レリーズレバー33の反時計回り方向への回動に伴って、第2規制レバー51の姿勢位置が漸次変化し、回動規制アーム51cが折返係合部50cの形状を乗り越えると、第2規制レバー51は、再び、スパイラルスプリングの付勢力によって図6に示す位置状態(第2規制レバー51と固定ピン33Yとが当接する位置状態)に戻される。
更に、簡単かつ安価な構造によって、第1規制レバー50と第2規制レバー51との相対的位置関係が逆転した場合の位置関係を、逆転する前の正常な位置関係状態に簡単に戻すことのできる構成とすることができる。これにより、リクライニングハンドル25とメモリ操作ハンドル37との操作の過程で生じる不具合を解消することができる。
例えば、図示実施形態では第1規制レバー50を独立した部材としているが、リクライニングロック機構の構成部材と干渉しないことを前提として、第1規制レバー50に相当する回動規制部材をリクライニングハンドル25に相当するアンロック操作ハンドルと一体に形成することも可能である。
また、第2規制レバー51に当接する固定ピン33Yが連結部51に挿入されるかたちで組み付けられた構成を示したが、第2規制レバーに相当する回動規制部材とレリーズレバーに相当するメモリ制御レバーとを当接させるための構成は特に限定されるものではない。例えば、回動規制部材及びメモリ制御レバーの一方に突出部が形成されており、この突出部が他方の一部に当接する構成であってもよい。
12 シートクッション
13 シートバック
13X シートバック回動中心軸
13A 起立位置
13B 最大後傾位置
13C 前傾位置
14 床面
15 シートクッションフレーム
16 シートバックフレーム
19 ヒンジピン
19a ヒンジカム
20 ロックプレート
21 ロアアーム
22 スライドポール
23 スライドカム
24 スパイラルスプリング(ロック付勢ばね)
25 リクライニングハンドル(アンロック操作ハンドル)
26 リターンスプリング
30 ラチェット
30a メモリ凹部
32 ポール
32a メモリ突起
32b 連動ピン
32c カム面
33 レリーズレバー(メモリ制御レバー)
33a ピン挿入孔
33b サブアーム
33c ばね掛けアーム
33d ワイヤ接続アーム
33X 回動軸
33Y 固定ピン
34 引張ばね
35 メモリ操作ワイヤ
37 メモリ操作ハンドル(メモリ操作部材)
37a ワイヤ接続部
37X 回動軸
38 ブラケット
39 引張ばね
40 操作ワイヤ
50 第1規制レバー(第1の回動規制部材)
50a 固定孔
50b 回動規制アーム
50c 折返係合部
51 第2規制レバー(第2の回動規制部材)
51a 回動軸孔
51b 固定アーム
51c 回動規制アーム
51d 連結部
RE 回動軌跡
T 矢印
M 矢印
Claims (2)
- シートクッションに対して傾動可能なシートバックと、
該シートバックの傾動を規制するロック状態と規制解除するアンロック状態とに切換可能なリクライニングロック機構と、
該リクライニングロック機構とは独立して、傾動前の角度を記憶してシートバックを傾動可能とさせるメモリ作動操作と該メモリ作動状態を解除するメモリ解除操作とが可能なリクライニングメモリ機構と、
回動操作によって前記リクライニングロック機構をアンロック状態にさせるアンロック操作ハンドルと、
該アンロック操作ハンドルの回動軸と平行な回動軸で軸支され、メモリ操作部材の操作に応じて前記リクライニングメモリ機構のメモリ作動位置とメモリ解除位置とに回動されるメモリ制御レバーと、
前記アンロック操作ハンドルと同軸一体に回動する第1の回動規制部材と、
前記メモリ制御レバーの回動軸と同軸若しくは平行な回動軸で軸支され、前記メモリ制御レバーに対する一方向への相対的離反回動には相対回動可能とされるが、他方向への相対的離反回動には一体的回動されており、常時は付勢手段により該一体的回動状態に付勢保持されており、前記メモリ操作部材による前記リクライニングメモリ機構のメモリ作動位置とするための操作時は前記他方向への相対的離反回動方向とされている第2の回動規制部材と、
を有し、
前記メモリ制御レバーがメモリ作動位置にあるときには、第2の回動規制部材が第1の回動規制部材との係合位置に進出してアンロック操作ハンドルのアンロック回動操作を規制し、メモリ制御レバーがメモリ解除位置にあるときには、前記第2の回動規制部材が第1の回動規制部材との係合位置から退避してアンロック操作ハンドルのアンロック回動操作を許す構成とされており、
前記メモリ操作部材及びアンロック操作ハンドルの操作状態により前記第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が逆転した位置関係にあるとき、前記メモリ制御レバーをメモリ作動位置からメモリ解除位置に向けて回動させるべくメモリ操作部材を操作することにより、前記第2の回動規制部材の前記メモリ制御レバーに対する回動は前記一方向への相対的離反回動となって相対回動し、前記第1の回動規制部材との逆転された係合状態を回避し、前記第1の回動規制部材と第2の回動規制部材との相対的位置関係が正常な位置関係状態に戻されることを特徴とするシートリクライニング装置。 - 請求項1に記載のシートリクライニング装置であって、
シートクッションとシートバックのそれぞれに対してシートバックの傾動中心と同軸で相対回動可能に接続するラチェットを備え、
リクライニングロック機構は、シートクッションに対するラチェットの相対回動を規制し、かつ前記アンロック操作ハンドルのアンロック操作によって該規制を解除し、
リクライニングメモリ機構は、シートバック側に軸支され、ラチェットに係脱してシートバックに対する該ラチェットの相対回動を規制及び許容するポールを備え、
メモリ制御レバーは、前記メモリ解除位置でポールとラチェットを係合させ、メモリ作動位置で該係合を解除させることを特徴とするシートリクライニング装置。
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