JP2023155643A - タンパク質食材の品質改良剤、並びにこれを用いたタンパク質食材の品質改良方法及びタンパク質食材の製造方法 - Google Patents

タンパク質食材の品質改良剤、並びにこれを用いたタンパク質食材の品質改良方法及びタンパク質食材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タンパク質食材の結着性などの物性を改善し、且つ、臭みを低減し、食感や呈味を改善すること。【解決手段】メチルセルロース及びアルカリ剤を含む、タンパク質食材の品質改良剤、当該品質改良剤にアスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸又はその塩を含むタンパク質食材の品質改良剤、並びにこれらの品質改良剤に、更に酵母、澱粉及びこんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含むタンパク質食材の品質改良剤が開示される。【選択図】図1

Description

本開示は、タンパク質食材の品質改良剤、当該タンパク質食材の品質改良剤を使用したタンパク質食材の品質改良方法及びタンパク質食材の製造方法に関する。特に、本開示は、メチルセルロース及びアルカリ剤を少なくとも含むタンパク質食材の品質改良剤と、当該タンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の結着性、臭気及び呈味の改良方法、及び当該タンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の製造方法に関する。
近年、世界人口の増加に伴い、タンパク質の消費の増加が予想されており、畜肉に代わる新たなタンパク質源として植物由来の食肉様食品が注目を浴びている。
特に、最近では、大豆などの植物由来タンパク質を粒状、フレーク状、ボール状、粉末状に加工した加工食品が広く提供されている。一方でこれら植物由来のタンパク質加工食品は、原料由来の特有の臭みや畜肉とは異なる物性を有する。このため、既存の畜肉加工食品向けの品質改良剤を、植物由来のタンパク質加工食品に添加して、品質の改良を試みても、植物に由来する独特の臭みの低減、植物由来のタンパク質加工食品の食感の改善、植物由来のタンパク質加工食品の製造上の物性の改善は不十分であった。
植物由来のタンパク質加工食品の特有の臭みを低減することを開示した文献としては、例えば、特開2020-512821号公報(特許文献1)がある。この文献では、酵母抽出物、脂肪酸、約300~約10,000ダルトンの分子量を有するペプチド材料、及び少なくとも1種の遊離アミノ酸が硫黄を含有する、少なくとも2種の遊離アミノ酸を含む、肉代替品のためのフレーバー改変剤が記載されている。
食感などを改善した植物性タンパク質加工食品に関しては、例えば、特開1996-233712号公報(特許文献2)がある。この文献は、植物性タンパク及び油脂を主原料とし、これらにトランスグルタミナーゼを作用させた歯ごたえのある畜肉様食感をもった植物性タンパク加工食品が記載されている。
また、食感を改善したタンパク質含有食品に関連する文献として、例えば、特許第6728682号(特許文献3)がある。この文献には、タンパク質を含有する食品原料を酸化還元酵素及び金属含有酵母で処理することを含む改質されたタンパク質含有食品の製造方法が記載されている。
上記特許文献1、特許文献2、及び特許文献3では、植物由来のタンパク加工食品を製造する際、当該加工食品の結着性が不十分であった。このため、植物由来のタンパク質加工食品を、既存の畜肉加工用の製造ラインなどで製造するのには適していなかった。
また、畜肉様加工食品を製造する方法を記載するものとして、例えば、特許第6753216号(特許文献4)がある。この文献は、分離大豆タンパク素材と水、油脂を混合し、均質化した後に、この混合物にメチルセルロースを0.1~5重量%添加し、更に均質化させる製造方法を記載している。
メチルセルロースをタンパク質材料の改質に使用する場合、メチルセルロースは分散性が低く、タンパク質食材を含む食品の製造では、取り扱いが難しいという課題があった。
また、畜肉などのタンパク質食材の品質を改善する添加剤として、酵素を含む改質剤も開示されている。例えば、特開2001-000148号公報(特許文献5)には、軟らかく、ジューシー感のある畜肉加工食品を歩留まりよく製造することが可能な畜肉用品質改良剤及びこれを用いた畜肉加工食品の製造法及び得られる畜肉加工食品が開示されている。この文献には、膨張剤と食物繊維及び/又はグルコン酸塩とが有効成分として含有されること、食物繊維がグアーガム酵素分解物、水溶性大豆繊維、難消化性デキストリン及び水溶性ヘミセルロースからなる群から選択される少なくとも1種であることが開示されている。
上記開示に加え、畜肉食品の肉色及び獣臭を改善するために、酵母エキスを用いる技術が提案されている(例えば、特開2003-284528号公報(特許文献6)参照)。
しかしながら、これらの提案では、畜肉の獣臭などの好ましくない品質の改善については、記載があるものの、植物由来のタンパク質加工食品の臭みに関する記載はない。
また、アルカリ剤及び酵母処理物を含む肉類及び魚介類の品質向上剤及びこれを用いた肉類及び魚介類の品質向上方法も開示されている(例えば、特開2016-202067号公報(特許文献7)参照)。この文献は、酵母処理物がアルカリ臭・アルカリ味の発生を抑制若しくは防止することを開示している。
特開2020-512821号公報 特開1996-233712号公報 特許第6728682号 特許第6753216号 特開2001-000148号公報 特開2003-284528号公報 特開2016-202067号公報 特許第3831850号 特許第3702709号
R. Yoshinaka, M. Shiraishi and S. Ikeda: Bull. Japan. Soc. Sci. Fish., 38, 511-515 (1972)
植物由来のタンパク質食材は、原料由来の特有の臭みや、畜肉とは異なる物性を有するため、既存の畜肉加工食品向けの品質改良剤を植物由来のタンパク質食材に添加したとしても臭みの低減、食感の改善等が不十分であった。加えて、植物由来のタンパク質、畜肉などのタンパク質食材の食感の改善にはメチルセルロース等のゲル化剤が利用されるが、これらのゲル化剤は分散性が低く、タンパク質食材への添加に制限があり、タンパク質食材の結着性などの物性の改善を十分に行えないという問題があった。また、メチルセルロースは、独特の風味、香りなどがあり、タンパク質食材を含む食品に悪影響を与えることがあった。
本開示は、メチルセルロースをタンパク質食材の改質材として利用する場合の分散性を改善することを目的とする。更に、本開示は、植物由来のタンパク質食材、畜肉などの植物性及び動物性タンパク質食材に使用したときに、当該食材の結着性などの物性を改善し、且つ、タンパク質食材やメチルセルロースの臭みを低減し、呈味や食感を改善できるタンパク質食材の品質改良剤を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様は、タンパク質食材の品質改良剤である。第1の態様における第1の品質改良剤は、
(a)メチルセルロース、及び
(b)アルカリ剤
を含む。
第1の態様における第2の品質改良剤は、
(a)メチルセルロース、
(b)アルカリ剤、並びに
(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩
を含む。
第1の態様における第3の品質改良剤は、上記第1の品質改良剤に、(d)酵母を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
第1の態様における第4の品質改良剤は、上記第2の品質改良剤に、(d)酵母を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
第1の態様における第5の品質改良剤は、上記第1の品質改良剤に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
第1の態様における第6の品質改良剤は、上記第2の品質改良剤に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
第1の態様における第7の品質改良剤は、上記第3の品質改良剤に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
第1の態様における第8の品質改良剤は、上記第4の品質改良剤に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含むタンパク質食材の品質改良剤である。
本開示の第2の態様は、上記のいずれかのタンパク質食材の品質改良剤により、タンパク質食材の品質を改良する方法である。この方法は、
(1)上記のいずれかのタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
(2)工程(1)で得た前記タンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する工程と
を含む。
上記の改良方法では、前記タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類であることが好ましい。
本開示の第3の態様は、上記のいずれかのタンパク質食材の品質改良剤を用いた、タンパク質食材の製造方法である。この製造方法は、
(1)上記のいずれかのタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
(2)工程(1)で得た前記タンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する工程と
を含む。
上記の製造方法では、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類であることが好ましい。
本開示の第4の態様は、上記のタンパク質食材の品質改良剤及びタンパク質食材を含む食品である。
上記の本開示のタンパク質食材を含む食品では、タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類であることが好ましい。
本開示の品質改良剤は、植物由来のタンパク質食材、畜肉などのタンパク質食材に使用したときに、当該食材の結着性などの物性を改善し、且つ、臭みを低減し、食感や呈味を改善することができる。
本開示の一実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。 本開示の別の実施形態の品質改良剤の物性測定の結果を示すグラフである。
本開示は、多様なタンパク質食材に対して、結着性を含む物性などの品質の改良が可能であり、適した呈味を提供でき、タンパク質食材に由来する臭気、風味等を改善できる、タンパク質食材の品質改良剤(本明細書において、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を、単に品質改良剤とも称する)に関する。更に、本開示は、当該品質改良剤を使用したタンパク質食材の改良方法、並びに、当該品質改良剤を含むタンパク質食材の製造方法に関する。また、本開示は、本開示の品質改良剤及びタンパク質食材を含む食品に関する。本開示において、呈味は、タンパク質食材、食品又は加工品の甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などの味覚をいう。また、本開示において、風味は、タンパク質食材、食品又は加工品の香り及び味をいう。
以下に本開示を具体的に説明する。
1. タンパク質食材の品質改良剤
本開示の第1の態様は、タンパク質食材の品質改良剤である。
<第1の品質改良剤>
本開示の第1の品質改良剤は、(a)メチルセルロース、及び(b)アルカリ剤を含む。本開示の一実施形態では、タンパク質食材の品質改良剤は溶媒を含むことができ、溶液の形態とすることができる。溶媒は水であることが好ましい。別の実施形態では、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は粉末の形態である。
本発明者らは、植物由来のタンパク質食材、畜肉等のタンパク質食材を使用した食品を作る際に、これらのタンパク質食材に上記成分(a)及び(b)を添加することで、メチルセルロースの溶媒に対する分散性を高め、広範囲な濃度のメチルセルロースを使用可能にし、その結着作用を高め、タンパク質食材の結着性を改善できることを見出した。
(a)メチルセルロース
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、メチルセルロースを含む。メチルセルロースは、タンパク質食材の結着性を改善できるものであれば特に限定されない。メチルセルロースは、市販品を使用することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤におけるメチルセルロースの含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.3重量%~2重量%、好ましくは0.5重量%~2重量%、より好ましくは0.6重量%~1.3重量%、更により好ましくは0.7重量%~1.3重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.3重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、メチルセルロースの含有量は、10重量%~50重量%、好ましくは、20重量%~40重量%、より好ましくは25~30重量%である。
(b)アルカリ剤
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、アルカリ剤を含有する。
アルカリ剤は、植物由来のタンパク質食材、肉類又は魚介類、好ましくは植物由来のタンパク質食材に使用しうるものであれば特に限定されない。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。本開示では、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム又は炭酸カリウムが好ましく、炭酸ナトリウムがより好ましい。
アルカリ剤は、一般の市販品を用いることができる。アルカリ剤は、上記の無機化合物を単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせてもよく、又はそれらを含む調味料でもよい。また、アルカリ剤は、上記の無機化合物と他の成分を含む製剤の形態でもよい。
アルカリ剤は、メチルセルロースと共に使用することで、メチルセルロースの溶媒に対する分散性を改善し、食材の結着性を向上させることができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤におけるアルカリ剤の含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.3重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%、より好ましくは0.5重量%~1.0重量%、更により好ましくは0.6重量%~1.0重量%、最も好ましくは0.7重量%~1.0重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、アルカリ剤の含有量は、10重量%~50重量%、好ましくは、10重量%~30重量%である。
<第2の品質改良剤>
本開示の第2の品質改良剤は、(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、並びに(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩を含む。
本開示の第2の品質改良剤の(a)メチルセルロース及び(b)アルカリ剤は、第1のタンパク質食材の品質改良剤で説明したとおりである。
(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩
本開示の第2のタンパク質食材の品質改良剤は、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼを含む。本開示の品質改良剤において、アスコルビン酸オキシダーゼは、タンパク質食材等の食品に添加できるものであれば特に限定されず、アスコルビン酸オキシダーゼを含む製剤など、広く市販品を使用することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤では、アスコルビン酸オキシダーゼは、使用に際して1~50U/g、好ましくは5~40U/g、より好ましくは15~30U/gの活性値を有するように配合されることが好ましい。また、一般には濃度1~5%程度のものとして得ることができる。
本開示の第2の品質改良剤は、アスコルビン酸オキシダーゼと組み合わせて、(c-2)アスコルビン酸又はその塩を含む。アスコルビン酸は、タンパク質食材等の食品に使用できるものであれば特に限定されない。市販品を広く使用することができる。
アスコルビン酸の塩としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム等を挙げることができる。アスコルビン酸塩は、タンパク質食材等の食品に使用できるものであれば特に限定されない。市販品を広く使用することができる。
アスコルビン酸又はその塩は、単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせることもできる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤では、成分(a)及び(b)に、成分(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩を含むことで、タンパク質食材の物性を改善できると考えられる。本開示の品質改良剤をタンパク質食材に添加した場合、食材中でデヒドロ-L-アスコルビン酸(DAsA)が生成し、その結果、タンパク質食材の物性を改善できることができると考えられる(例えば、特許第3831850号(特許文献9)及び特許第3702709号(特許文献10)に畜肉の肉質の改善が記載されている。)。また、デヒドロ-L-アスコルビン酸(DAsA)は、畜肉の保水性及び弾力性の改良を僅かながら示すことが開示されている(例えば、R. Yoshinaka, M. Shiraishi and S. Ikeda: Bull. Japan. Soc. Sci. Fish., 38, 511-515 (1972)(非特許文献1)参照)。本開示の品質改良剤は、タンパク質食材の結着性、並びに臭気及び呈味等を改善することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤におけるアスコルビン酸オキシダーゼの含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.05重量%~0.5重量%、好ましくは0.1重量%~0.5重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、アスコルビン酸オキシダーゼの含有量は、0.5重量%~10重量%、好ましくは、1重量%~6重量%である。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤におけるアスコルビン酸又はその塩の含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.05重量%~1.0重量%、好ましくは0.1重量%~1.0重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、アスコルビン酸又はその塩の含有量は、1重量%~50重量%、好ましくは、2重量%~40重量%、より好ましくは3~30重量%である。
<第3及び第4の品質改良剤>
本開示の第3のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第1の品質改良剤(成分(a)及び(b))に、(d)酵母を更に含む品質改良剤である。第3の品質改良剤のように、酵母を更に含むことにより、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、結着性及び呈味の改善、臭気の抑制又は防止を実現できる。
本開示の第4のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第2の品質改良剤(成分(a)、b)、(c-1)及び(c-2))に、(d)酵母を更に含む品質改良剤である。第4の品質改良剤のように、酵母を更に含むことにより、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、結着性及び呈味の改善、臭気の抑制又は防止を実現できる。
本開示の第3及び第4のタンパク質食材の品質改良剤の成分(a)、(b)、(c-1)及び(c-2)は、第1及び第2のタンパク質食材の品質改良剤で説明したとおりである。
(d)酵母
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は(d)酵母を含む。酵母は、本開示の上記成分(a)及び(b)と共に、(a)、(b)及び(e)と共に、或いは、(a)、(b)、(e)及び(f)と共に使用することで、タンパク質食材の結着性、食感など、並びにタンパク質食材、メチルセルロース等に由来する特有の臭気及び呈味を改善することができる。本開示では、酵母はこのような目的を実現できるものであれば特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酵母は、肉類又は魚介類などの食品、好ましくは畜肉に使用しうるものであれば、特に限定されない。酵母の例としては、乾燥酵母、酵母粉砕物(乾燥酵母粉末等)、酵母エキス(自己消化物、酵素処理物等)、酵母菌体の有機酸抽出物などが挙げられる。乾燥酵母などの酵母菌体粉末、酵母菌体の細胞壁を含む酵母粉砕物は、特にタンパク質食材の結着性、食感などを改善でき、且つ、タンパク質食材、メチルセルロース等に由来する特有の臭気及び呈味を改善することができる。酵母は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酵母は例えば、以下の菌株から得られるものを挙げることができる。例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ミコトルラ(Mycotorula)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、キャンディダ(Candida)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、ピキア(Pichia)属などの菌株である。具体的な菌株の例としては、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces carlsbergensis、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces rouxii、Torulopsis utilis、Torulopsis candida、Mycotorula japonica、Mycotorula lipolytica、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora fermentati、Candida sake、Candida tropicalis、Candida utilis、Hansenula anomala、Hansenula suaveolens、Saccharomycopsis fibligera、Saccharomyces lipolytica、Rhodotorula rubra、Pichia farinosaなどが挙げられる。
特に、本開示では、酵母は例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)等を好適に用いることができる。より好ましくは、本開示の品質改良剤では、酵母は、サッカロミセス・セレビシエを使用することができる。本開示では、酵母は粉末状又は液状の何れの形態であってもよいが、本開示の品質改良剤の結着性及び呈味の改善、臭気の抑制又は防止の観点から、乾燥酵母、酵母粉砕物(乾燥酵母粉末等)が好ましい。
酵母は、その細胞壁がβ-グルカンやマンナンなどの糖鎖で構成されており、これらの糖鎖はタンパク質食材に使用される食材の水分及び油分を乳化させ、タンパク質食材の結着性を向上させうる。また、成分こそ特定されていないが、酵母細胞壁はタンパク質食材に使用した場合、タンパク質食材自体又はメチルセルロースに由来する臭気低減させ、呈味を改善することができる。また、酵母は、アルカリ剤と共に使用することで食材の結着性を更に向上させることができる。
酵母は、市販品を使用してもよいし、酵母から調製したものを使用してもよい。酵母の種類は、一種類でもよく又は複数種類を組み合わせて使用してもよい。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤における酵母の含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.3重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%、より好ましくは0.6重量~1.3重量%、更により好ましくは0.7重量%~1.3重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.3重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、酵母の含有量は、1重量%~50重量%、好ましくは、1重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~30重量%である。
<第5及び第6の品質改良剤>
本開示の第5のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第1の品質改良剤(成分(a)及び(b))に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む品質改良剤である。第5の品質改良剤では、これらを更に含むことにより、結着性及び呈味の改善、臭気の抑制又は防止を実現できる。
本開示の第6のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第2の品質改良剤(成分(a)、b)、(c-1)及び(c-2))に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む品質改良剤である。第6の品質改良剤は、これらを更に含むことにより、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、結着性及び呈味の改善、臭気の抑制又は防止を実現できる。
(e)澱粉
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は(e)澱粉を含む。澱粉は、本開示の上記成分(a)及び(b)と共に、(a)、(b)及び(d)と共に、或いは、(a)、(b)、(d)及び(f)と共に使用することで、タンパク質食材の結着性を更に強化することができる。本開示では、澱粉はこのような目的を実現できるものであれば特に限定されず、何れの起源のものであってもよい。例えば、トウモロコシ、小麦、米、豆類(例えば、ソラマメ、緑豆、小豆など)、イモ類(例えば、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカなど)、野草類(例えば、カタクリ、ワラビ、葛など)を起源とする澱粉を例として挙げることができる。本開示の品質改良剤では、例えば、架橋澱粉、リン酸化澱粉等の加工澱粉を使用することもできる。澱粉は、市販品を広く使用することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤における澱粉の含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.1重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%、より好ましくは0.6重量~1.3重量%、更により好ましくは0.7重量%~1.3重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.3重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、澱粉の含有量は、5重量%~50重量%、好ましくは、10重量%~40重量%である。
(f)こんにゃく粉
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は(f)こんにゃく粉を含む。こんにゃく粉は、本開示の上記成分(a)及び(b)と共に、(a)、(b)及び(d)と共に、或いは、(a)、(b)、(d)及び(e)と共に使用することで、タンパク質食材の結着性を更に強化することができる。本開示では、こんにゃく粉はこのような目的を実現できるものであれば特に限定されず、広く市販されているこんにゃく粉を使用することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤におけるこんにゃく粉の含有量は、タンパク質食材の品質改良剤の全重量(溶媒を含む)を基準として0.4重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%、より好ましくは0.6重量~4重量%、更により好ましくは0.7重量%~2重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.5重量%である。また、溶媒を含まないタンパク質食材の品質改良剤を基準(固形分)にした場合、こんにゃく粉の含有量は、1重量%~20重量%、好ましくは、5重量%~15重量%である。
<第7及び第8の品質改良剤>
本開示の第7のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第3の品質改良剤(成分(a)、(b)、及び(d)酵母)に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む品質改良剤である。
第7の品質改良剤の各成分は、上記第1~第6の品質改良剤で説明した成分のとおりである。また、各成分の含有量も、上記第1~第6の品質改良剤で説明した成分のとおりである。
本開示の第8のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第4の品質改良剤(成分(a)、(b)、(c-1)、(c-2)及び(d)酵母)に、(e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む品質改良剤である。
第8の品質改良剤の各成分は、上記第1~第6の本開示の品質改良剤で説明した成分のとおりである。また、各成分の含有量も、上記第1~第6の本開示の品質改良剤で説明した成分のとおりである。
本開示の第5から第8の品質改良剤では、本開示の第1から第4の品質改良剤に、(e)及び(f)からなる群から選択される少なくとも1種の成分を使用することで、タンパク質食材の結着性、食感など、並びにタンパク質食材、メチルセルロース等に由来する特有の臭気及び呈味を改善することができる。また、成分(e)及び(f)は、本開示の品質改良剤において、結着性を更に高めることができる。
本開示において、タンパク質食材の品質改良剤の成分(a)、(b)、(c-1)、(c-2)、(d)、(e)及び(f)は、いかなる性状を有していてもよい。具体的には、品質改良剤の成分は、固体形態、液体形態(溶液、懸濁液を含む)等のいずれの形態であってよい。
<タンパク質食材の品質改良剤の調製方法>
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上記第1から第5のタンパク質食材の品質改良剤に応じた各成分を、水などの溶媒中に溶解又は分散し、混合することにより調製することができる。得られた溶液は、特にpHが中性からアルカリ域となるように調整されることが好ましく、更にpHが弱アルカリ域となるように調整されることがより好ましい。本開示の品質改良剤のpHの調整には、食品に使用できるpH調整剤を制限なく好適に使用できる。pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸及び酒石酸等の有機酸、食品に使用できる各種バッファー剤等を挙げることができる。即ち、本開示の第1から第5の品質改良剤は、これらの品質改良剤の構成成分に、クエン酸、乳酸及び酒石酸等の有機酸、各種バッファー剤等を、中性~アルカリ性の水溶液、好ましくは弱アルカリ性(例えばpH7~9)の水溶液とすることができる量添加し、当該範囲のpHの水溶液として調製することができる。本開示の品質改良剤は、pHをこの範囲とすることで重曹味のようなアルカリ臭を抑え、食品の味を改善することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、粉末状の上記各成分を使用し、他の成分と混合することで粉末として調製することもできる。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上述のように調製した溶液状の品質改良剤を準備し、得られた溶液を噴霧乾燥等により乾燥して粉末として調製することもできる。粉末のタンパク質食材の品質改良剤は、使用に際してそのまま食材に添加することができ、或いは、粉末の品質改良剤を水などに溶解し、水溶液(処理液)として食材に添加すればよい。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤を粉末として使用する場合は、タンパク質食材の品質改良剤は、使用するタンパク質食材に対して0.05重量%~15重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%の濃度で使用することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤には、食感を調整する目的で種々の追加の添加剤を含んでいてもよい。例えば、本開示の品質改良剤には調味料を混合することができる。調味料は特に限定されない。タンパク質食材に一般的に使用できるものであれば制限なく使用できる。また、調味料の濃度は、本開示の品質改良剤を使用した製品の風味などに影響しない範囲であればよい。他の添加剤としては、ジューシーさ、しなやかさ、歯ごたえ、弾力といった食感を調整するために、乳化剤、乳タンパク、ゼラチン及び卵白から選ばれる少なくとも1つの成分を添加することができる。ここで、乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチン等を挙げることができる。その他の添加剤成分としては、ショ糖、ぶどう糖、果糖、各種糖アルコール等の糖類;澱粉や穀粉;ステビア、アスパルテーム等の甘味料;デキストリン;有機酸やその塩、グリシンやDL-アラニン等の制菌作用がある成分;調味及び/又は呈味成分;香料;色素;フェルラ酸、茶抽出物等を挙げることができる。これらの添加剤は、添加剤の使用目的に応じて適宜選択することができる。
これらの追加の添加剤は、上述した第1から第5の各タンパク質食材の品質改良剤の各成分を混合する際に一緒に混合してもよく、別々に混合してもよい。追加の添加剤の添加量は特に限定されない。添加剤の使用目的に応じて適宜選択することができる。
上述のように構成される本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、これを添加する食材に対して結着効果、即ちタンパク質含有食材同士を密着させる効果、並びに、当該食材及びメチルセルロース等の特有の臭気を改善し、及び食材の呈味を改善する効果を示す。
2. タンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の品質(例えば、結着性、臭気、呈味など)を改良する方法
本開示の第2の態様は、上記本開示のタンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の品質を改良する方法である。本開示の改良方法は、以下の工程を含む。
(1)本開示のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
(2)工程(1)で提供された前記タンパク質食材の品質改良剤でタンパク質食材を混合する工程。
<工程(1)>
工程(1)は、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程である。この工程における品質改良剤は、上述したタンパク質食材の品質改良剤の調製方法で説明した手順に従って調製することができる。本工程(1)は、上記のタンパク質食材の品質改良剤の調製手順に従った本開示の品質改良剤の調製工程を含んだ工程としてもよく、又は上記の本開示の品質改良剤の調製手順若しくはその他の手順に従って予め調製した品質改良剤を提供する工程であってもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で提供されたタンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する。
タンパク質食材を混合する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、工程(1)のタンパク質食材の品質改良剤が溶液である場合には、この溶液にタンパク質食材を加えて混合する方法などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。別のタンパク質食材の処理方法としては、粉末のタンパク質食材の品質改良剤を用いる場合、直接タンパク質食材に添加して混合する方法などがある。
より具体的には、本開示において、本開示の品質改良剤が溶液状の場合、これをタンパク質食材に添加して、手こね、単純混合、三本ロール機、サイレントカッターなどの切断混合機等により混合又は粉砕・切断混合する方法がある。
このように処理することでタンパク質食材に結着効果、並びに臭気及び呈味の改善効果を実現することができる。
また、本開示の品質改良剤が粉末状の場合、本開示の品質改良剤をタンパク質食材に直接混合することができる。混合は、例えば、手こね、単純混合、三本ロール機、サイレントカッターなどの切断混合機等による混合又は粉砕・切断混合方法などを挙げることができる。このようにしてタンパク質食材に結着効果、並びに臭気及び呈味の改善効果を実現することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤を添加しうるタンパク質食材の種類は、特に限定されず、食品として利用できる如何なるものも使用することができる。例えば、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は植物由来の食材などに使用することができる。植物由来のタンパク質食材としては、イネ属植物、コムギ属植物、オオムギ属植物及びカラスムギ属植物等の種子の穀類、大豆、ソラマメ、エンドウマメ、ヒヨコマメ等の豆類などを挙げることができる。本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上記植物由来のタンパク質食材に加え、畜肉、獣肉などの動物性タンパク質食材に使用することができる。畜肉としては、牛肉、豚肉、羊肉、馬肉及び鶏肉を挙げることができる。獣肉としては、鹿肉、猪肉、熊肉や鯨肉等の肉類が含まれる。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上記の植物由来のタンパク質食材、畜肉及び肉類に加えて、魚介肉にも使用することができる。魚介肉としては、すけとうだら、ほっけ、あじ、まいわし、きんときだい、いとよりだい、しろぐち、たちうお、はも、ほしざめ、よしきりざめ、れんこだい及びくろかじき等の魚類、いか、えび及びかに等の甲殻類、ほたて等の貝類を挙げることができる。本開示では、タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材が特に好ましい。
上記のタンパク質食材は、上述した具体的な食材を単独又は複数種類を組み合わせて使用することができる。
本開示では、植物由来の食材、畜肉又は魚介類等の動物性タンパク質食材は、上述した食材を細かく切断する、あるいは磨り潰すなどした粉砕材料であることが好ましい。本開示の品質改良剤は、当該粉砕材料に対して優れた結着効果を示し、優れた食感の食品を製造することができる。また、結着効果に加え、食材特有の臭気及び呈味を改善することができる。更に、本開示の品質改良剤は、メチルセルロース(本開示の成分(a))に起因する臭気を低減することができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤を食材と混合する場合の含有量は、メチルセルロースの使用制限量に抵触しない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本開示では、タンパク質食材の品質改良剤の添加量(溶媒を含まない)は、食材(畜肉)1kgあたり、0.2%~6%、好ましくは0.5%~6%、より好ましくは1~6%の重量割合である。なお、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を溶液として畜肉に添加する場合、前記重量割合となるように、本開示の第1から第5のタンパク質食材の品質改良剤の各成分を含む溶液を調製して、タンパク質食材に添加すればよい。
3. タンパク質食材の品質改良剤を含むタンパク質食材の製造方法
本開示の第3の態様は、上記本開示のタンパク質食材の品質改良剤を用いる、タンパク質食材の製造方法である。本開示の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)本開示のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
(2)工程(1)で提供された前記タンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する工程。
<工程(1)>
工程(1)は、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程である。この工程におけるタンパク質食材の品質改良剤は、上述したタンパク質食材の品質改良剤の調製方法で説明した手順に従って調製することができる。本工程(1)は、上記のタンパク質食材の品質改良剤の調製手順に従ったタンパク質食材の品質改良剤の調製工程を含んだ工程としてもよく、又は上記のタンパク質食材の品質改良剤の調製手順若しくはその他の手順に従って予め調製した本開示の品質改良剤を提供する工程であってもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で提供されたタンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する。
タンパク質食材を本開示のタンパク質食材の品質改良剤と混合する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本工程は、上述したタンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の品質を改良する方法(第2の態様)の工程(2)と同様の手順を用いることができる。
本開示の製造方法では、更に追加の工程を含むことができる。
追加の工程としては、本開示の効果を損なわない限り制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、冷凍されているタンパク質食材を解凍する解凍工程などが挙げられる。別の工程としては、工程(2)の後に得られた混合後のタンパク質食材を冷凍処理、加熱処理、煮込む、焼く、蒸す等の各種の調理工程などを挙げることができる。これらの工程は、当分野で周知の方法を適用することができる。
本開示の品質改良剤を利用して製造する食品は特に限定されないが、例えば、植物由来のタンパク質食材を食材として用いた場合、当該タンパク質食材を畜肉等の代替品として利用した食品、例えば、代替ハム、代替ソーセージ、代替ミートボール、代替ナゲットなどを挙げることができる。より具体的には、例えば大豆ハム、大豆ソーセージ、大豆ミートボール、大豆ナゲットなどを挙げることができる。上記の畜肉、魚介類などを原料とする食品の場合は、例えば、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボール、サラミ及びナゲット等の畜肉を利用した食品、蒸しかまぼこ、焼きかまぼこ、ちくわ、はんぺん、つみれ、さつま揚げ及びフィッシュソーセージ等の魚介類を利用した食品などを挙げることができる。
本開示のタンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の製造方法によれば、上述した食品の結着性を向上させ、優れた食感を実現するとともに、臭気及び呈味を改善することができる。より具体的には、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を用いたタンパク質食材の製造方法によれば、上述した食材同士の結着効果を高めることに起因する、歯ごたえ及び弾力性が高くなるといった、独特の食感を達成することができる。なお、食品の歯ごたえは、食品の硬さで評価することができる。食品の硬さは、例えば、トレーニングを積んだパネラー(例えば6名)によって食材の硬さを評点法官能検査により評価することができる。
更に、本開示は、上記のタンパク質食材の品質改良剤及びタンパク質食材を含む食品を包含する(本開示の第4の態様)。本開示の食品は、上述した本開示のタンパク質食材の製造方法等により製造することができる。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤及びタンパク質食材を含む食品は、少なくとも本開示のタンパク質食材の品質改良剤と、上述したタンパク質食材とから構成される。
本開示では、より具体的なタンパク質食材の品質改良剤及びタンパク質食材を含む食品として、上述した植物由来のタンパク質食材を用いた、畜肉等の代替肉を包含する。本開示の代替肉には、上述したタンパク質食材の品質改良剤と、植物由来のタンパク質食材から構成したものが含まれる。本開示において、代替肉は、上記の畜肉、獣肉、魚介類等に代わる代替食品をいう。これらは、上記のタンパク質食材の製造方法により製造することができる。
実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、実施例1~34及び比較例1~8は、異なるタンパク質食材を使用して、本開示の品質改良剤を試験した例を示す。具体的には、実施例1~24及び比較例1~6は、植物由来のタンパク質をタンパク質食材として使用した実施例であり、実施例25~29及び比較例7は、魚肉由来のタンパク質をタンパク質食材として使用した例であり、実施例30~34及び比較例8は、畜肉をタンパク質食材として使用した例である。
以下の実施例において、実施例35~39は、実施例1におけるメチルセルロースの含有量を変化させた場合の本開示の品質改良剤の例を示す。
以下の実施例において、実施例40~43は、実施例2において、更にこんにゃく粉を加えた場合の本開示の品質改良剤の例を示し、実施例44は、本開示の品質改良剤において成分(a)~(f)の全てを用いた実施例を示す。
以下の実施例において、実施例45~50は、メチルセルロースの分散性を検討した実施例を示す。
実施例において使用した原材料及び機器を以下に示す。
<使用食材>
・大豆タンパク質
粒状大豆タンパク質
品名:ニューコミテックスA-300I(日清オイリオグループ社製)
粉末大豆タンパク質
品名:Isolated Soy Protein(Gushen Biological Technology Group 社製)
・エンドウタンパク質
粒状エンドウタンパク質
品名:粒状エンドウタンパク75%-2(烟台▲東▼蛋白科技有限公司社製)
粉末エンドウタンパク質
品名:Empro E86 HV(エンドウタンパク)(サンブライト 社製)
・米タンパク質
粉末米タンパク質
品名:米タンパク80%
・ソラマメタンパク質
粉末ソラマメタンパク質
品名:Pea Protein Isolate
・食用油
品名:キャノーラ油(日清オイリオグループ社製)
・オニオンソテー
<各種原料>
・酵素(アスコルビン酸オキシダーゼ)
品名:ASO-D10FD(長瀬ケムテックス社製)
・L-アスコルビン酸ナトリウム
品名:L-アスコルビン酸ナトリウム(SHANDONG LUWEI PHARMACEUTICAL 社製)
・メチルセルロース
品名:VIVAPUR A4M(J.RETTENMAIER & Sohne 社製)
・アルカリ剤(キティー社製)
・炭酸ナトリウム(NaCO3)(成分(b)アルカリ剤に相当)
品名:ソーダ灰(住友商事ケミカル社製)
・酵母粉末
品名:Goldcell CW(バイオリジン社製)
・澱粉
品名:松谷ハイビスカス(松谷化学工業社製)
・こんにゃく粉
品名:ウルトラマンナンG5(伊那食品工業社製)
<機器>
・オーブン
スチームコンベクションオーブン(ニチワ電気社製)
・テクスチャーアナライザ
テクスチャーアナライザEZ-S型(島津製作所社製)
・IHコンロ
以下の実施例において、各数値のパーセンテージは重量%である。
(A) 実施例1~20及び比較例1~2
以下の実施例1~20及び比較例1~2は、大豆タンパク質を用いて、本開示のタンパク質食材の品質改良剤(第1の態様の第1から第8の品質改良剤)を試験した結果を示す。
<タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製>
表1に示す試験品の配合組成に従い、タンパク質食材、本開示のタンパク質食材の品質改良剤、その他の材料を混合し、タンパク質食材の品質改良剤(4%水溶液)を含む試験品(本開示の品質改良剤を含むタンパク質食材)を調製した。試験品の調製は以下の手順A-1.~A-5.に従った。
Figure 2023155643000002
<試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))の調製>
A-1. 上記表1のAの粒状大豆タンパク質に水を加え、配合物Aを調製した。
A-2. 上記表1のBを混合し、配合物Bを調製した。
A-3. 配合物A及び配合物Bを混合し、混合物を調製した。
A-4. 手順A-3.の混合物から型を使用して調理前のタンパク質食材を得て、このタンパク質食材の表面をフライパンで焼いた(片面あたり1分30秒)。
A-5. 手順A-4.で得られた、焼いたタンパク質食材をスチームコンベクションオーブンで加熱し(150℃で10分)、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品。本明細書において、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を含む食品を意味する。)を調製した。
<タンパク質食材の品質改良剤の調製>
第1の態様で説明した、本開示のタンパク質食材の品質改良剤の各成分、及びその他の添加剤は、以下に示す実施例1~20及び比較例1~2の各成分の組成に従って、各原材料を混合し、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を得た。得られた品質改良剤を水に溶解又は分散して本開示の品質改良剤の水溶液(4%水溶液)(処理液)を調製した。得られた処理液を上記表1の配合物B中のタンパク質食材の品質改良剤として使用した。
上記手順で得られた試験品(本開示のタンパク質食材の品質改良剤を含む食品。以下、単に調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)とも称する)について物性測定及び官能検査を実施した。
<調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)の評価>
(ア)官能検査
官能検査は、トレーニングを積んだパネラー6名によって調理済みのタンパク質食材のジューシー感、硬さ、弾力、味、香り、及び総合的な評価についての評点法官能検査を行うことで実施した。この評点法官能検査では、原則として、比較例1(添加剤を除く有効成分としてメチルセルロース(成分(a))のみを使用)のタンパク質食材の試験品の「ジューシー感」、「硬さ」、「弾力」、「味」、「香り」及び「総合評価」を4.0とした上で、各実施例及び比較例1以外の比較例の試験品に関する「ジューシー感」、「硬さ」、「弾力」、「味」、「香り」及び「総合評価」について1(非常に悪い)~4(普通)~7(非常に良い)で評価した。
調理済のタンパク質食材(試験品)について、ジューシー感は、パサついた食感を非常に悪い(1点)とし、パサつきのないジューシー感のある食感を非常によい(7点)とした。硬さは、軟らかい食感を非常に悪い(1点)とし、硬い食感を非常に良い(7点)とした。弾力については、弾力のない食感を非常に悪い(1点)とし、弾力を有する食感を非常に良い(7点)とした。味は、美味しくない、食べにくい食味(食べ物の味)を非常に悪い(1点)とし、美味しい、食べやすい食味を非常によい(7点)とした。香りは、臭みがある風味を非常に悪い(1点)とし、臭みがない風味を非常によい(7点)とした。
調理済のタンパク質食材(試験品)について、硬さは、試験品を変形させるのに必要な力であり、試験品の柔軟性の評価(調理済みのタンパク質食材を食べたときの歯ごたえを示す指標)となりうる。
調理済のタンパク質食材(試験品)について、弾力は調理済みタンパク質食材(試験品)を食べたときの弾力感を示す指標となる。
また、本実施例における総合評価とは、ジューシー感、硬さ、弾力、味、及び香りを加味した全体の食感がタンパク質食材として好ましいかどうかに関する評価であり、ジューシー感、硬さ、弾力、味、及び香りについて総合的に評価したものである。
調理済のタンパク質食材(試験品)の物性評価として、テクスチャーアナライザにより、硬さを評価した。硬さの測定は、以下の手順に従った。まず、調理済みのタンパク質食材を含む円形の食品(パテ)を4等分に切断し、テクスチャーアナライザに設置した。次いで、底部が円形で直径13mmのプランジャーを10mm/秒で降下させ、試験品に負荷を加えた。負荷は、試験片にプランジャーの下降を2回繰返して(負荷→除荷→負荷→除荷)圧縮を加えた。試験品の圧縮時の負荷値(2回負荷を加えた際の最大荷重値)を測定し、硬さとして記録した。この試験を4回行った。結果を複数回(n=4)の測定結果の平均により求めた。
(実施例1、比較例1)
メチルセルロース及びアルカリ剤を含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材(パテ)の調製
本実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース及び(b)アルカリ剤を含むタンパク質食材の品質改良剤の例(本開示の第1の品質改良剤)を示す。本実施例の品質改良剤を、以下の表2に示す実施例及び比較例の組成に従って調製した。
Figure 2023155643000003
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表2の実施例1及び比較例1の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例1及び比較例1の官能検査の評価結果を表3に示した。
Figure 2023155643000004
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例1及び比較例1の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表4に示す。また、図1に物性評価の測定結果をグラフに示した。図1には、後述する実施例2及び比較例2の結果を併せて示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000005
表3及び表4に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。具体的には、本開示の成分(a)及び(b)を必須成分とする、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、官能検査及び物性評価で、比較例1よりも優れた値を示した。このことから、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、優れた結着性を示すことが明らかとなった。また、食感、呈味などもメチルセルロース単体と同程度か良好な結果を示した。
また、本実施例では、メチルセルロースとアルカリ剤を併用することで、メチルセルロースの分散性が向上し、タンパク質食材の結着性を向上したものと考えられる。
(実施例2、比較例2)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸ナトリウムを含む本開示の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムを含む品質改良剤(本開示の第2の品質改良剤)の例を示す。本実施例の品質改良剤を、以下の表5に示す実施例2及び比較例2の組成に従って調製した。
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、下記表5に示した組成を有するタンパク質食材の品質改良剤を調製した。なお、表5には、上記比較例1の組成も併せて示した。
Figure 2023155643000006
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表5の実施例2及び比較例2の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。なお、表5には、上記比較例1の組成も併せて示した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例2及び比較例2の官能検査の評価結果を表6に示した。また、表6には、上記の比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2023155643000007
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例2及び比較例2の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表7に示す。また、図1に物性評価の測定結果をグラフに示した。図1には、上記実施例1及び比較例1の結果を併せて示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000008
表6及び表7に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。具体的には、本開示の成分(a)、(b)、(c-1)及び(c-2)を必須成分とする、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、官能検査及び物性評価で、比較例1及び比較例2よりも優れた値を示した。このことから、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、優れた結着性を示し、且つ食感、呈味などの改善を実現できる。
また、本実施例では、メチルセルロースと、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸塩とを本開示の品質改良剤の成分として使用することで、メチルセルロースの分散性が向上してタンパク質食材の結着性を向上させ、且つ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸塩を併用することにより、更に結着性が向上したものと考えられる。更に、本開示の成分(a)、(b)、(c-1)及び(c-2)を必須成分とすることで、タンパク質食材の食感、呈味なども更に改善されたものと考えられる。
(実施例2~5)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸ナトリウムを含む本開示の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムを含む品質改良剤の例(本開示の第2の品質改良剤)において、(c-1)及び(c-2)の含有量を評価した例である。本実施例の品質改良剤を、以下の表8に示す実施例2~実施例5の組成に従って調製した。
Figure 2023155643000009
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表8の実施例2~5のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(試験品)を作製した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例2~5の官能検査の評価結果を表9に示した。また、表9には、上記の比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2023155643000010
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例2~5の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表10に示す。また、図2に物性評価の測定結果をグラフに示した。また、表10には、上記の比較例1の結果も併せて示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000011
表9及び表10に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示の品質改良剤は、上記組成を含む範囲で優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(実施例6~9)
メチルセルロース及びアルカリ剤を含む本開示の第1の品質改良剤に、酵母、澱粉、及びこんにゃく粉を添加した場合の本開示のタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
以下の実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース及び(b)アルカリ剤を含む品質改良剤(第1の品質改良剤)の例において、成分(d)酵母、(e)澱粉及び(f)こんにゃく粉を更に添加した場合(本開示の第1、第3及び第5の品質改良剤)の例である。本実施例の品質改良剤を、以下の表11に示す実施例6~実施例9の組成に従って調製した。なお、表11には、実施例1及び比較例1の組成も併せて示した。
Figure 2023155643000012
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表11の実施例1、6~9、及び比較例1のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。なお、本実施例では、比較例1及び実施例1の組成の試験品を実施例6~9と一緒に新たに作成し、比較対照とした。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例6~9の官能検査の評価結果を表12に示した。また、表12には、一緒に調製した比較例1と実施例1の結果も併せて示した。
Figure 2023155643000013
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例2及び比較例2の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表13に示す。また、図3に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000014
表12及び表13に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示の品質改良剤(第1の品質改良剤)は、酵母、澱粉、又はこんにゃく粉を含有することで更に優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(実施例2、実施例10~12)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸ナトリウムを含む本開示の第2の品質改良剤に、酵母、澱粉及びこんにゃく粉を添加した場合の本開示のタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムを含む品質改良剤の例(第2の品質改良剤)において、成分(d)酵母、(e)澱粉及び(f)こんにゃく粉を更に添加した場合(本開示の第1、第2、第4及び第6の品質改良剤)の例である。本実施例の品質改良剤を、以下の表14に示す実施例10~実施例12の組成に従って調製した。なお、表14には、実施例1、実施例2及び比較例1の組成も併せて示した。
Figure 2023155643000015
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表14の実施例1、2、10~12、及び比較例1のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。なお、本実施例では、比較例1、実施例1及び実施例2の組成の試験品を実施例10~12と一緒に新たに作製し、比較対照とした。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例10~12の官能検査の評価結果を表15に示した。また、表15には、一緒に調製した比較例1、実施例1、及び実施例2の結果も併せて示した。
Figure 2023155643000016
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例2及び比較例2の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表13に示す。また、図4に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000017
表15及び表16に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示の第2の品質改良剤は、酵母、澱粉、又はこんにゃく粉を含有することで更に優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(実施例13~16)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸ナトリウムに酵母を加えた本開示の品質改良剤、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
以下の実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムと、(d)酵母を含む品質改良剤(本開示の第4の品質改良剤)の例において、(d)酵母の含有量を評価した例である。本実施例の品質改良剤を、以下の表17に示す実施例実施例10、実施例13~実施例16の組成に従って調製した。なお、表17には、実施例1及び実施例2の組成も併せて示した。
Figure 2023155643000018
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表17の実施例1、実施例2及び実施例10~16のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。なお、本実施例では、実施例1及び実施例2の組成の試験品を実施例10、実施例13~16と一緒に新たに作製し、比較対照とした。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例10及び実施例13~16の官能検査の評価結果を表18に示した。また、表18には、上記の実施例1及び実施例2の結果も併せて示した。なお、本実施例において、官能評価の基準は、比較例1ではなく、実施例1とした。
Figure 2023155643000019
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例1、実施例2及び実施例10~16の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表19に示す。また、図5に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000020
表18及び表19に示したとおり、本開示の第2の品質改良剤は、実施例1及び実施例2の品質改良剤と比較しても、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示の品質改良剤は、酵母を添加することで優れた結着性、食感、呈味等を示した。特に、本実施例では、酵母を本開示の品質改良剤に添加し、上記組成を含む範囲で優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(実施例17~20)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ及びアスコルビン酸ナトリウムに澱粉を加えた本開示の品質改良剤、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムと、(e)澱粉を含む品質改良剤(本開示の第6の品質改良剤)の例において、(e)澱粉の含有量を評価した例である。本実施例の品質改良剤を、以下の表20に示す実施例実施例17~20の組成に従って調製した。なお、表20には、実施例1及び実施例2の組成も併せて示した。
Figure 2023155643000021
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表20の実施例1、実施例2、及び実施例17~20のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。なお、本実施例では、実施例1及び実施例2の組成の試験品を実施例17~20と一緒に新たに作製し、比較対照とした。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例17~20の官能検査の評価結果を表21に示した。また、表21には、上記の実施例1及び実施例2の結果も併せて示した。なお、本実施例において、官能評価の基準は、比較例1ではなく、実施例1とした。
Figure 2023155643000022
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例2及び比較例2の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表19に示す。また、図6に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000023
表21及び表22に示したとおり、本開示の第2の品質改良剤は、実施例1の品質改良剤と比較しても、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示の品質改良剤は、澱粉を添加することで実施例1の品質改良剤に比較しても改善された結着性、食感、呈味等を示した。特に、本実施例では、澱粉を本開示の品質改良剤に添加し、上記組成を含む範囲で優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(B) <実施例21~24及び比較例3~4>
以下の実施例及び比較例は、実施例1~20及び比較例1~2と異なる粉末タンパク質を用いて本開示のタンパク質食材の品質改良剤を試験した結果を示す。
<タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製>
表23に示す試験品の配合組成に従い、タンパク質食材、本開示のタンパク質食材の品質改良剤、その他の材料を混合し、タンパク質食材の品質改良剤(4%水溶液)を含む試験品(本開示の品質改良剤を含むタンパク質食材)を調製した。試験品の調製は以下の手順B-1.~B-5.に従った。
Figure 2023155643000024
<試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))の調製>
B-1. 上記表1のAの粒状タンパク質に水を加え、配合物Aを調製した。粒状タンパク質には、大豆タンパク質又はエンドウタンパク質を使用した。
B-2. 上記表1のBを混合し、配合物Bを調製した。粉末タンパク質には、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、米タンパク質、又はソラマメタンパク質を使用した。
B-3. 配合物A及び配合物Bを混合し、混合物を調製した。
B-4. 手順B-3.の混合物から型を使用して調理前のタンパク質食材を得て、このタンパク質食材の表面をフライパンで焼いた(片面あたり1分30秒)。
B-5. 手順B-4.で得られた、焼いたタンパク質食材をスチームコンベクションオーブンで加熱し(150℃で10分)、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を調製した。
<タンパク質食材の品質改良剤の調製>
第1の態様で説明した、本開示のタンパク質食材の品質改良剤の各成分、及びその他の添加剤は、以下に示す実施例21~24及び比較例3~4の各成分の組成に従って、各原材料を混合し、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を得た。得られた品質改良剤を水に溶解又は分散して本開示の品質改良剤の水溶液(4%水溶液)(処理液)を調製した。得られた処理液を上記表23の配合物B中のタンパク質食材の品質改良剤として使用した。
上記B-1.~B-5.の手順で得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
(実施例21、比較例3)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ、及びアスコルビン酸ナトリウムを含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、粒状エンドウタンパク質を粒状タンパク質として、及び、粉末大豆タンパク質を粉末タンパク質として使用し、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムを含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第2の品質改良剤)を用いた例を示す。本実施例の品質改良剤は、以下の表24に示す実施例及び比較例の組成に従って調製した。なお、本実施例では、上記(A)の実施例2及び比較例1の組成の品質改良剤を用いた例を併せて示した。
Figure 2023155643000025
上記B-1.~B-5.の手順に従い、表24の実施例21及び比較例3の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。また、上記実施例2及び比較例1と同じ手順で試験品を作製し、併せて試験した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例21及び比較例3、並びに実施例2及び比較例1の官能検査の評価結果を表25に示した。
Figure 2023155643000026
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例21及び比較例3の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表26に示す。また、図7に物性評価の測定結果をグラフに示した。図7には、実施例21及び比較例3と一緒に作製した実施例2及び比較例1の結果を併せて示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000027
粒状エンドウタンパク質を粒状タンパク質として、及び、粉末大豆タンパク質を粉末タンパク質として使用した本実施例においても、上記(A)の実施例2と同様の結果が得られた。本開示のタンパク質食材の品質改良剤は大豆タンパク質以外の植物タンパク質を含む食材に対しても有効であることが分かった。
(実施例22~24及び比較例4~5)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ、及びアスコルビン酸ナトリウムを含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、粒状大豆タンパク質を粒状タンパク質として、及び、粉末大豆タンパク質、粉末エンドウタンパク質、粉末米タンパク質又は粉末ソラマメタンパク質を粉末タンパク質として使用し、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸ナトリウムを含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第2の品質改良剤)を用いた例を示す(表27参照)。本実施例の品質改良剤を、以下の表28に示す実施例及び比較例の組成に従って調製した。
Figure 2023155643000028
Figure 2023155643000029
上記タンパク質食材の品質改良剤の調製に従って表28の実施例22~24及び比較例4~6の品質改良剤を調製し、B-1.~B-5.の手順に従い、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。また、上記表28の実施例2及び比較例1の組成で、上記実施例22~24及び比較例4~6と同じ手順で試験品を作製し、併せて試験した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例2、実施例22~24、比較例1、比較例4~6の官能検査の評価結果を表29に示した。なお、比較例4~6は、それぞれ実施例22~24に対応した比較例であり、官能検査では、比較例4~6を基準(基準=4.0)として、実施例22~24をそれぞれ評価した。
Figure 2023155643000030
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例22~24及び比較例4~6の試験品、並びに実施例2及び比較例1について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表30に示す。また、図8に物性評価の測定結果をグラフに示した。図8には、実施例22~24及び比較例4~6と一緒に作製した実施例2及び比較例1の結果を併せて示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000031
表29及び表30に示すとおり、上記表27に示すタンパク質食材を使用した本実施例においても、上記(A)の実施例2と同様の結果が得られた。本開示のタンパク質食材の品質改良剤は大豆タンパク質以外の植物タンパク質を含む食材に対しても有効であることが分かった。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、従来の品質改良剤(比較例4~6)と比較して優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(C) <実施例25~29及び比較例7>
以下の実施例及び比較例は、タンパク質食材として魚肉すり身を用いて本開示のタンパク質食材の品質改良剤を試験した結果を示す。
<タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製>
本実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。
・魚肉(すり身)
品名:冷凍魚肉すり身(輸入社:東海澱粉株式会社)
・食塩
品名:精選特級塩うず塩 微粒(鳴門塩業社製)
・澱粉
品名:片栗粉(雪和食品社製)
表31に示す試験品の配合組成に従い、上記の材料を使用して、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を混合し、タンパク質食材の品質改良剤を含む試験品(本開示の品質改良剤とタンパク質食材を含む調理済みタンパク質食材)を調製した。試験品の調製は以下の手順C-1.~C-5.に従った。
Figure 2023155643000032
<試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))の調製>
C-1. 上記表31のAの魚肉すり身を緩慢解凍した。
C-2. 手順C-1の解凍した魚肉すり身をフードプロセッサーで荒ずりした。
C-3. 手順C-2の荒ずりした魚肉すり身にBの食塩、澱粉及び氷水と、Cの本開示の品質改良剤を入れ、フードプロセッサーにて塩ずりした。
C-4. 手順C-3の塩ずりした魚肉すり身をフードプロセッサーで5分程度摺り上げした。
C-5. 手順C-4.の摺り上げた魚肉すり身を円形に成型して、フライヤーを使用し、160℃度で12分間揚げた。
<タンパク質食材の品質改良剤の調製>
第1の態様で説明した、本開示のタンパク質食材の品質改良剤の各成分、及びその他の添加剤は、以下に示す実施例25~29及び比較例7の各成分の組成に従って、各原材料を混合し、本開示のタンパク質食材の品質改良剤を得た。得られた処理液を上記表31の配合物Cのタンパク質食材の品質改良剤として使用した。
上記C-1.~C-5.の手順で得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
(実施例25~29、比較例7)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ、アスコルビン酸ナトリウム、酵母及び澱粉を含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、魚肉すり身をタンパク質食材として使用し、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ、(c-2)アスコルビン酸ナトリウム、(d)酵母及び(e)澱粉を含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第8の品質改良剤)を用いた例を示す。本実施例の品質改良剤を、以下の表32に示す実施例及び比較例の組成に従って調製した。
Figure 2023155643000033
上記「タンパク質食材の品質改良剤の調製」に従い、表32の実施例25~29及び比較例7の品質改良剤を調製し、上記C-1.~c-5.の手順に従い、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例25~29及び比較例7の官能検査の評価結果を表33に示した。なお、本実施例では、比較例7の官能評価の値を4.0とした場合の官能検査の結果を示した。
Figure 2023155643000034
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例25~29及び比較例7の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表34に示す。また、図9に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000035
表33及び表34に示すとおり、上記表32に示す動物性タンパク質食材を使用した本実施例においても、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は優れた結果を示した。本実施例で示されるとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、大豆タンパク質などの植物タンパク質以外の食材に対しても有効であることが分かった。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、従来の品質改良剤(比較例7)と比較して、優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(D) <実施例30~34及び比較例8>
以下の実施例及び比較例は、畜肉(豚挽肉)を用いて本開示のタンパク質食材の品質改良剤を試験した結果を示す。
<タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製>
本実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。
・豚挽肉
品名:豚肉(国産・赤身のみ)
・食塩
品名:精選特級塩うず塩 微粒(鳴門塩業社製)
表35に示す配合割合に従い、比較例及び本開示のタンパク質食材の品質改良剤を調製し、畜肉(タンパク質食材)と混合して、本開示の品質改良剤を含む試験品(本開示の品質改良剤を含むタンパク質食材)を調製した。具体的な試験品の調製は以下の手順D-1.~D-4.に従った。
D-1. 表35に示す配合割合に従いタンパク質食材の品質改良剤を調製した。
D-2. D-1.で調製した品質改良剤の4%水溶液を調製し、豚挽肉の量に対して30%の液量を添加して40秒こねた。
D-3. こねた肉を型に一定量詰めた。
D-4. D-3.で得た肉をスチームコンベクションオーブン(ニチワ電気社製)を用いて温度250℃、加湿90%において12分焼成した。
上記手順で得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
(実施例30~34及び比較例8)
メチルセルロース、アルカリ剤、アスコルビン酸オキシダーゼ、アスコルビン酸ナトリウム、酵母粉末及び澱粉を含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
本実施例は、粒状大豆タンパク質を粒状タンパク質として、及び、粉末大豆タンパク質、粉末エンドウタンパク質、粉末米タンパク質又は粉末ソラマメタンパク質を粉末タンパク質として使用し、本開示の成分(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ、(c-2)アスコルビン酸ナトリウム、(d)酵母及び/又は(f)澱粉を含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第8の品質改良剤)を用いた例を示す(表35参照)。本実施例の品質改良剤を、以下の表35に示す実施例及び比較例の組成に従って調製した。
Figure 2023155643000036
上記「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表35の実施例30~34及び比較例8の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例30~34及び比較例8の官能検査の評価結果を表36に示した。
Figure 2023155643000037
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例30~34及び比較例8の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表37に示す。また、図10に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000038
表36及び表37に示すとおり、豚挽肉のような動物性タンパク質食材を使用した本実施例においても、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は優れた結果を示した。本実施例で示されるとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、大豆タンパク質などの植物タンパク質以外の食材に対しても有効であることが分かった。また、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、従来の品質改良剤(比較例8)と比較して、同等の又は優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(E) <実施例1、実施例35~38及び比較例1>
以下の実施例1、実施例35~38は、上述の実施例1におけるメチルセルロースの含有量を変化させた場合の本開示の品質改良剤(本開示の第1の品質改良剤)の例を示す。また、比較例1の品質改良剤も併せて示す。
上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明した手順で得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
メチルセルロース及びアルカリ剤を含むタンパク質食材の品質改良剤と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
以下の実施例では、実施例1、実施例35~38及び比較例1の品質改良剤を、以下の表38に示す組成に従って調製した。なお、実施例1及び比較例1の品質改良剤は、実施例35~38と一緒に調製したものである。
Figure 2023155643000039
上記(A)で説明した「タンパク質食材の品質改良剤及び試験品の調製」に従い、表38の実施例1、35~38及び比較例1の品質改良剤を調製し、調理済みタンパク質食材(パテ)(試験品)を作製した。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例1、35~38及び比較例1の官能検査の評価結果を表39に示した。
Figure 2023155643000040
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例1及び比較例1の試験品について、硬さ(破断時の最大荷重(N/cm2))をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表40に示す。また、図11に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000041
表39及び表40に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、比較例1の従来の改良剤に比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。また、上記組成範囲のメチルセルロースを用いた本開示の品質改良剤は、実施例1と同程度の優れた結果を示した。特に、本実施例では、上記組成を含む範囲で優れた結着性、食感、呈味等を示し、本開示のタンパク質食材の品質改良剤が上記の範囲において有効であることが分かる。
(F) <実施例1、実施例2、実施例12及び実施例39~43>
以下の実施例39~42は、実施例2において、更に(f)こんにゃく粉を加えた場合の本開示の品質改良剤の例(本開示の第6の品質改良剤)を示し、実施例43は、本開示の品質改良剤において成分(a)~(f)の全てを用いた実施例(本開示の第8の品質改良剤)を示す。なお、以下の例では、実施例1、実施例2及び実施例12の組成を有する本開示のタンパク質食材の品質改良剤を一緒に調製し、実施例39~43と共に、評価した。
(実施例1、実施例2、実施例12及び実施例39~42)
(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ、(c-2)アスコルビン酸ナトリウム、及び(f)こんにゃく粉を含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第6の品質改良剤)と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
以下の実施例では、実施例1、実施例2、実施例12及び実施例39~42の品質改良剤を、以下の表41に示す組成に従って調製した。各品質改良剤の調製は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明した手順に従って行った。なお、実施例1及び比較例1の品質改良剤は、実施例35~38と一緒に調製したものである。
Figure 2023155643000042
実施例1、実施例2、実施例12、及び実施例39~42の試験品は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明した手順で調製した。得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例1、実施例2、実施例12、及び実施例39~42の官能検査の評価結果を表42に示した。なお、本官能検査では、実施例1の評価を基準(基準=4.0)にして、他の実施例を評価した。
Figure 2023155643000043
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例1実施例2、実施例12、及び実施例39~42の試験品について、硬さ(N/cm2)をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表43に示す。また、図12に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000044
表42及び表43に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、実施例1及び実施例2と比較して、各官能評価及び物性評価でこれらに劣らない結果を示した。特に、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上記組成を含む範囲で結着性、食感、呈味等において有用性を示し、本開示のタンパク質食材の品質改良剤が上記の範囲において有効であることが示された。
(実施例43)
(a)メチルセルロース、(b)アルカリ剤、(c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ、(c-2)アスコルビン酸ナトリウム、(d)酵母粉末、(e)澱粉及び(f)こんにゃく粉を含むタンパク質食材の品質改良剤(本開示の第8の品質改良剤)と、これを使用した調理済みタンパク質食材の調製
以下の実施例では、実施例1及び実施例43の品質改良剤を、以下の表44に示す組成に従って調製した。なお、実施例1の品質改良剤は、実施例43と一緒に調製したものである。
Figure 2023155643000045
実施例1及び実施例43の試験品は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明した手順で調製した。得られた試験品(調理済みタンパク質食材(パテ))について物性測定及び官能検査を実施した。物性測定及び官能検査は、上記(A)の実施例1~20及び比較例1~2で説明したものと同じである。
<評価結果>
(i)官能検査の結果
実施例1及び実施例43の官能検査の評価結果を表45に示した。なお、本官能検査では、実施例1の評価を基準(基準=4.0)にして、他の実施例を評価した。
Figure 2023155643000046
(ii)物性評価(硬さ)の結果
実施例1及び比較例1の試験品について、硬さ(破断時の最大荷重(N/cm2))をテクスチャーアナライザにより測定した。結果を表46に示す。また、図13に物性評価の測定結果をグラフに示した。なお、硬さは、数値が大きい方が好ましい。
Figure 2023155643000047
表45及び表46に示したとおり、本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、実施例1と比較して、各官能評価及び物性評価で優れた結果を示した。本開示のタンパク質食材の品質改良剤は、上記成分(a)~(f)を含有することで、有用性を示した。本開示の品質改良剤は、上記成分(a)~(f)を含有することで優れた結着性、食感、呈味等を示した。
(G) <実施例45~49>
以下の実施例45~50は、メチルセルロースの分散性を検討した例を示す。これらの実施例は、本開示の第1の態様の第1の品質改良剤を例示し、そのメチルセルロースの分散性を検討するものに相当する。
(実施例44及び比較例9)
水又はアルカリ溶液(炭酸ナトリウム溶液)に対するメチルセルロースの分散性を以下の手順で評価した。
G-1. 約pH12になるように炭酸ナトリウム(NaCO3)水溶液を作成した。
G-2. メチルセルロースを、水又は上記G-1.のアルカリ水溶液に対して1%となる量で、50mlの水又は50mlのアルカリ水溶液に入れ、スターラーで攪拌しながら完全に分散する時間を測定した。結果を表47に示した。
Figure 2023155643000048
(実施例45~実施例49)
メチルセルロースの分散性について、アルカリ溶液(炭酸ナトリウム水溶液)のpH依存性を以下の手順で評価した。
G-3. pH約8、約9、約10、約11及び約12の炭酸ナトリウム水溶液を作成した。
G-4. メチルセルロースを、上記G-3.の各pHを有するアルカリ水溶液に対して0.5%となる量で、50mlのアルカリ水溶液に入れ、スターラーで攪拌しながら完全に分散する時間を測定した。但し、攪拌時間は最長5分間とした。結果を表48に示した。
Figure 2023155643000049
表47及び表48に示されるように、メチルセルロースとアルカリ剤を含む品質改良剤では、メチルセルロースの分散性が向上する。特に、pHが高いほど分散に要する時間は短くなった。

Claims (15)

  1. (a)メチルセルロース、及び
    (b)アルカリ剤
    を含む、タンパク質食材の品質改良剤。
  2. (a)メチルセルロース、
    (b)アルカリ剤、並びに
    (c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩
    を含む、タンパク質食材の品質改良剤。
  3. (a)メチルセルロース、
    (b)アルカリ剤、及び
    (d)酵母
    を含む、タンパク質食材の品質改良剤。
  4. (a)メチルセルロース、
    (b)アルカリ剤、
    (c-1)アスコルビン酸オキシダーゼ及び(c-2)アスコルビン酸又はその塩、並びに
    (d)酵母
    を含む、タンパク質食材の品質改良剤。
  5. (e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む、請求項1に記載のタンパク質食材の品質改良剤。
  6. (e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む、請求項2に記載のタンパク質食材の品質改良剤。
  7. (e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む、請求項3に記載のタンパク質食材の品質改良剤。
  8. (e)澱粉又は(f)こんにゃく粉から選択される1又は複数の成分を更に含む、請求項4に記載のタンパク質食材の品質改良剤。
  9. 前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カリウムからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質食材の品質改良剤。
  10. (1)請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
    (2)工程(1)で得た前記タンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する工程と
    を含む、タンパク質食材の品質を改良する方法。
  11. 前記タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類である、請求項10記載のタンパク質食材の品質を改良する方法。
  12. (1)請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質食材の品質改良剤を提供する工程と、
    (2)工程(1)で得た前記タンパク質食材の品質改良剤とタンパク質食材を混合する工程と
    を含む、タンパク質食材の製造方法。
  13. 前記タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類である、請求項12記載のタンパク質食材の製造方法。
  14. 請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質食材の品質改良剤、及びタンパク質食材を含む食品。
  15. 前記タンパク質食材は、植物由来のタンパク質食材、又は畜肉若しくは魚介類である、請求項14に記載の食品。
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