JP2023154359A - 貫通型積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通型積層セラミックコンデンサの積層体と外部電極との接合強度と耐湿信頼性を向上させる。【解決手段】貫通型積層セラミックコンデンサ10において、第1の内部電極層及び第2の内部電極層を有する。第2の内部電極層は、第2の対向電極部26bと、第3の引出電極部28cと、第4の引出電極部28dと、を有する。第3の引出電極部の両側に、第3の引出電極部と第2の対向電極部とから離間した第1のダミー電極29a1、29a2と、第4の引出電極部の両側に、第4の引出電極部と第2の対向電極部とから離間した第2のダミー電極29b1、29b2と、を有する。各ダミー電極は、夫々第3の外部電極30c又は第4の外部電極30dに覆われており、各ダミー電極と外部電極との界面には、夫々ダミー電極を構成する金属と外部電極を構成する金属とで構成される第1の合金層40a1、40a2及び第2の合金層40b1、40b2が、配置される。【選択図】図8

Description

この発明は、貫通型積層セラミックコンデンサに関する。
一般に、積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムなどの誘電体セラミックスからなるセラミック焼結体を用いて構成され、セラミック焼結体の内部には、セラミック層を介して重なり合うように複数の内部電極が形成されている。また、セラミック焼結体の一方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成され、他方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開平8-3065802号公報 特開平9-55335号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極と外部電極とは、金属結合によって強固に接続されているものの、セラミック焼結体上に形成された外部電極とセラミック焼結体との接合に関しては、機械的接合強度が弱いことが一般的に知られている。そのため、外部からの衝撃により、セラミック焼結体と外部電極との間に隙間が生じやすく、その隙間から水分などが浸入して積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が低下するといった問題が考えられる。
なお、セラミック焼結体と外部電極との間の隙間から水分などが浸入して積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が低下する問題は、特許文献2に記載されるような貫通型積層セラミックコンデンサのアース電極に接続される外部電極側において顕著に生じる課題である。これは、内部電極および外部電極の形状上、積層体の側面上ではアース電極の端部からアース電極に接続される外部電極の先端までの距離が短くなる傾向にあるためである。
それゆえに、この発明の主たる目的は、貫通型積層セラミックコンデンサの積層体と外部電極との接合強度を向上させ、かつ耐湿信頼性を向上しうる貫通型積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明にかかる貫通型積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、前記積層方向および前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する積層体と、第1の端面上に配置される第1の外部電極と、第2の端面上に配置される第2の外部電極と、第1の側面上に配置される第3の外部電極と、第2の側面上に配置される第4の外部電極と、を備える貫通型積層セラミックコンデンサであって、複数の内部電極層は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを有し、第1の内部電極層は、第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、第1の対向電極部から延び、第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、第1の対向電極部から延び、第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、を有し、第2の内部電極層は、第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、第2の対向電極部から延び、第1の側面に引き出される第3の引出電極部と、第2の対向電極部から延び、第2の側面に引き出される第4の引出電極部と、を有し、第3の引出電極部が配置される誘電体層上には、第3の引出電極部の両側において、第3の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第1のダミー電極と、第4の引出電極部が配置される誘電体層上には、第4の引出電極部の両側において、第4の引出電極部から離間し、かつ第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第2のダミー電極と、を有し、第1のダミー電極は、第3の外部電極に覆われており、第1のダミー電極と第3の外部電極との界面には、第1のダミー電極を構成する金属と第3の外部電極を構成する金属とにより構成される第1の合金層が配置され、第2のダミー電極は、第4の外部電極に覆われており、第2のダミー電極と第4の外部電極との界面には、第2のダミー電極を構成する金属と第4の外部電極を構成する金属とにより構成される第2の合金層が配置される、貫通型積層セラミックコンデンサである。
この発明にかかる貫通型積層セラミックコンデンサでは、第3の引出電極部が配置される誘電体層上には、第3の引出電極部の両側において、第3の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第1のダミー電極と、第4の引出電極部が配置される誘電体層上には、第4の引出電極部の両側において、第4の引出電極部から離間し、かつ第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第2のダミー電極と、を有している。これにより、積層体の第1の側面において、第3の外部電極が、第3の引出電極部のみならず、一対の第1のダミー電極とも金属接合されるので、積層体と第3の外部電極との機械的接合強度を向上させることができる。また、積層体の第2の側面において、第4の外部電極が、第4の引出電極部のみならず、一対の第2のダミー電極とも金属接合されるので、積層体と第4の外部電極との機械的接合強度を向上させることができる。
また、この発明にかかる貫通型積層セラミックコンデンサは、第1のダミー電極は、第3の外部電極に覆われており、第1のダミー電極と第3の外部電極との界面には、第1のダミー電極を構成する金属と第3の外部電極を構成する金属とにより構成される第1の合金層が配置され、第2のダミー電極は、第4の外部電極に覆われており、第2のダミー電極と第4の外部電極との界面には、第2のダミー電極を構成する金属と第4の外部電極を構成する金属とにより構成される第2の合金層が配置される。これにより、第1のダミー電極と第3の外部電極とをより強固に接合することができ、第2のダミー電極と第4の外部電極とをより強固に接合することができる。
以上より、本発明にかかる貫通型積層セラミックコンデンサによれば、積層体と第3の外部電極との接合強度および積層体と第4の外部電極との接合強度を向上させることができるため、外部からの衝撃により積層体と第3の外部電極との間および積層体と第4の外部電極との間に隙間が生じにくくなり、貫通型積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性の低下を抑制することができる。また、仮に、積層体と第3の外部電極の端縁、および積層体と第4の外部電極の端縁から水分が浸入したとしても、第1のダミー電極および第2のダミー電極が配置されるところまでで、水分の浸入を防止することができることから、貫通型積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性を低下させることを抑制することができる。
この発明によれば、貫通型積層セラミックコンデンサの積層体と外部電極との接合強度を向上させ、かつ耐湿信頼性を向上しうる貫通型積層セラミックコンデンサを提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す正面図である。 図2の線IV-IVにおける断面図である。 図2の線V-Vにおける断面図である。 図2の線VI-VIにおける断面図である。 図4の線VII-VIIにおける断面図である。 (a)は図4の線VIII-VIIIにおける断面図であり、(b)は(a)に示すR部の拡大図である。 本発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの他の例の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサのさらに他の例の構成を示す断面図である。
1.貫通型積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す上面図である。図3は、この発明の実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサの一例を示す正面図である。図4は、図2の線IV-IVにおける断面図である。図5は、図2の線V-Vにおける断面図である。図6は、図2の線VI-VIにおける断面図である。図7は、図4の線VII-VIIにおける断面図である。図8(a)は図4の線VIII-VIIIにおける断面図であり、図8(b)は(a)に示すR部の拡大図である。
図1に示すように、貫通型積層セラミックコンデンサ10は、積層体12と、外部電極30とを含む。
(1)積層体
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と、誘電体層14上に積層された複数の内部電極層16とを有する。誘電体層14と内部電極層16は、高さ方向xに積層される。
積層体12は、略直方体形状を有する。なお、積層体12の長さ方向zの寸法は、幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、高さ方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。誘電体層14と内部電極層16は、高さ方向xに積層される。
積層体12は、単数もしくは複数枚の誘電体層14とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層16から構成される内層部18を有する。内層部18は、高さ方向xにおいて、最も第1の主面12a側に位置する内部電極層16から最も第2の主面12b側に位置する内部電極層16までを含む。内部電極層16は、第1の端面12eおよび第2の端面12fに引き出される第1の内部電極層16aと第1の側面12cおよび第2の側面12dに引き出される第2の内部電極層16bを有し、内層部18では、複数枚の第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bが誘電体層14を介して対向している。内層部18は、静電容量を発生させ、実質的にコンデンサとして機能する部分である。
積層体12は、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の主面側外層部20aを有する。
同様に、積層体12は、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の主面側外層部20bを有する。
また、積層体12は、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面12c側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の側面側外層部22aを有する。
同様に、積層体12は、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12dと第2の側面12d側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の側面側外層部22bを有する。
さらに、積層体12は、第1の端面12e側に位置し、第1の端面12eと第1の端面12e側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第1の端面側外層部24aを有する。
同様に、積層体12は、第2の端面12f側に位置し、第2の端面12fと第2の端面12f側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14から形成される第2の端面側外層部24bを有する。
第1の主面側外層部20aは、第1の主面12a側に位置する。第1の主面側外層部20aは、第1の主面12aと第1の主面12aに最も近い内部電極層16との間に位置する複数の誘電体層14の集合体である。第1の主面側外層部20aで用いられる誘電体層14は、内層部18で用いられる誘電体層14と同じものであってもよい。
第2の主面側外層部20bは、第2の主面12b側に位置する。第2の主面側外層部20bは、第2の主面12bと第2の主面12bに最も近い内部電極層16との間に位置する複数の誘電体層14の集合体である。第2の主面側外層部20bで用いられる誘電体層14は、内層部18で用いられる誘電体層14と同じものであってもよい。
積層体12は、対向電極部19を有する。対向電極部19は、後述する第1の内部電極層16aの第1の対向電極部26aと後述する第2の内部電極層16bの第2の対向電極部26bとが対向する部分である。対向電極部19は、内層部18の一部として構成されている。なお、対向電極部19は、コンデンサ有効部ともいう。
第1の側面側外層部22aは、対向電極部19と第1の側面12cとの間に位置する誘電体層14を含む部分である。
第2の側面側外層部22bは、対向電極部19と第2の側面12dとの間に位置する誘電体層14を含む部分である。
なお、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bは、Wギャップまたはサイドギャップともいう。
第1の端面側外層部24aは、対向電極部19と第1の端面12eとの間に位置する誘電体層14を含む部分である。
第2の端面側外層部24bは、対向電極部19と第2の端面12fとの間に位置する誘電体層14を含む部分である。
なお、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bは、Lギャップまたはエンドギャップともいう。
積層体12の寸法は、特に限定されない。
誘電体層14は、たとえば、セラミック材料として、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
焼成後の誘電体層14の厚みは、0.50μm以上10μm以下であることが好ましい。積層される誘電体層14の枚数は、15枚以上300枚以下であることが好ましい。なお、この誘電体層14の枚数は、内層部18の誘電体層14の枚数と、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bの誘電体層14の枚数との総数である。
積層体12は、複数の内部電極層16として、複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の高さ方向xに沿って誘電体層14を挟んで等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
図7に示すように、第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと誘電体層14を介して対向する第1の対向電極部26aと、第1の対向電極部26aから積層体12の第1の端面12eの表面に引き出される第1の引出電極部28aおよび第1の対向電極部26aから積層体12の第2の端面12fの表面に引き出される第2の引出電極部28bとを備える。具体的には、第1の引出電極部28aは、積層体12の第1の端面12eの表面に露出し、第2の引出電極部28bは、積層体12の第2の端面12fの表面に露出している。したがって、第1の内部電極層16aは、積層体12の第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面には露出していない。
第1の対向電極部26aの形状、ならびに第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bの形状は、特に限定されないが、短矩形であることが好ましい。もっとも、第1の対向電極部26aの形状、ならびに第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bのコーナー部は丸められていてもよい。
また、第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bの幅方向yの長さは、第1の対向電極部26aの幅方向yの長さと同じ長さで形成されていてもよく、第1の対向電極部26aの幅方向yの長さよりも短い長さで形成されていてもよい。
また、第1の引出電極部28aの形状は、第1の端面12eに向かってその幅方向yの長さが狭くなるようなテーパ形状であってもよく、第2の引出電極部28bの形状は、第2の端面12fに向かってその長さ方向zの長さが狭くなるようなテーパ形状であってもよい。
図8に示すように、第2の内部電極層16bは、略十字形状であり、第1の内部電極層16aと誘電体層14を介して対向する第2の対向電極部26b、第2の対向電極部26bから積層体12の第1の側面12cの表面に引き出される第3の引出電極部28cおよび第2の対向電極部26bから積層体12の第2の側面12dの表面に引き出される第4の引出電極部28dを備える。具体的には、第3の引出電極部28cは、積層体12の第1の側面12cの表面に露出し、第4の引出電極部28dは、積層体12の第2の側面12dの表面に露出している。したがって、第2の内部電極層16bは、積層体12の第1の端面12eの表面および第2の端面12fの表面には露出していない。
第2の対向電極部26bの形状、ならびに第3の引出電極部28cおよび第4の引出電極部28dの形状は、特に限定されないが、短矩形であることが好ましい。もっとも、第2の対向電極部26bの形状、ならびに第3の引出電極部28cおよび第4の引出電極部28dのコーナー部は丸められていてもよい。
第2の対向電極部26bの第1の端面12e側の辺と第2の端面12f側の辺とを結ぶ長さ方向zの寸法Aと、第3の引出電極部28cおよび第4の引出電極部28dの第1の端面12e側の辺と第2の端面12f側の辺とを結ぶ長さ方向zの寸法Bとの関係は、それぞれA≧Bとなることが好ましい。
また、第3の引出電極部28cの形状は、第1の側面12cに向かってその長さ方向zの長さが狭くなるようなテーパ形状であってもよく、第4の引出電極部28dの形状は、第2の側面12dに向かってその長さ方向zの長さが狭くなるようなテーパ形状であってもよい。
第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bは、誘電体層14を介して、交互に積層されていてもよく、第1の内部電極層16aが配置された誘電体層14が複数枚積層されたのち、第2の内部電極層16bが配置された誘電体層14が積層されていてもよい。このように、実現したい容量値に応じて、内部電極層16の積層パターンを変更することができる。
第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bの枚数は、合わせて10枚以上295枚以下であることが好ましい。
第1の内部電極層16aの厚みは、0.4μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
第2の内部電極層16bの厚みは、0.4μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
積層体12は、さらに、第2の内部電極層16bが配置される誘電体層14上にダミー電極29を有する。
ダミー電極29は、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と、一対の第2のダミー電極29b1,29b2とを有する。
一方の第1のダミー電極29a1は、第2の内部電極層16bの第3の引出電極部28cの第1の端面12e側において、第3の引出電極部28cから離間し、かつ、第2の対向電極部26bからも離間して設けられる。
他方の第1のダミー電極29a2は、第2の内部電極層16bの第3の引出電極部28cの第2の端面12f側において、第3の引出電極部28cから離間し、かつ、第2の対向電極部26bからも離間して設けられる。
すなわち、一対の第1のダミー電極29a1,29a2は、第3の引出電極部28cの両側において、第3の引出電極部28cから離間し、かつ第2の対向電極部26bから離間して設けられる。
一対の第1のダミー電極29a1,29a2は、後述される第3の外部電極30cに覆われている。言い換えると、一対の第1のダミー電極29a1,29a2は、第3の外部電極30cと接合されている。これにより、第1の側面12c側の積層体12と第3の外部電極30cとの間の部分において、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と第3の外部電極30cとの金属接合により、強固に接合することが可能となる。
一方の第2のダミー電極29b1は、第2の内部電極層16bの第4の引出電極部28dの第1の端面12e側において、第4の引出電極部28dから離間し、かつ、第2の対向電極部26bからも離間して設けられる。
他方の第2のダミー電極29b2は、第2の内部電極層16bの第4の引出電極部28dの第2の端面12f側において、第4の引出電極部28dから離間し、かつ、第2の対向電極部26bからも離間して設けられる。
すなわち、一対の第2のダミー電極29b1,29b2は、第3の引出電極部28cの両側において、第3の引出電極部28cから離間し、かつ第2の対向電極部26bから離間して設けられる。
一対の第2のダミー電極29b1,29b2は、後述される第4の外部電極30dに覆われている。言い換えると、一対の第2のダミー電極29b1,29b2は、第4の外部電極30dと接合されている。これにより、第2の側面12d側の積層体12と第4の外部電極30dとの間の部分において、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と第4の外部電極30dとの金属接合により、強固に接合することが可能となる。
一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1は、20μm以上270μm以下であることが好ましい。これにより、一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2と第3の外部電極30cとの接合強度を向上させることができる。
一方、一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1が20μmよりも小さい場合、一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2と第3の外部電極30cとの接合強度が弱くなり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。また、一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1が270μmよりも大きい場合、一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2を第3の外部電極30cで覆うことが困難となり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。
一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1は、20μm以上270μm以下であることが好ましい。これにより、一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2と第4の外部電極30dとの接合強度を向上させることができる。
一方、一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1が20μmよりも小さい場合、一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2と第4の外部電極30dとの接合強度が弱くなり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。また、一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法l1が270μmよりも大きい場合、一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2を第4の外部電極30dで覆うことが困難となり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。
一方の第1のダミー電極29a1および他方の第1のダミー電極29a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法、および一方の第2のダミー電極29b1および他方の第2のダミー電極29b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法は、以下に説明する方法により測定される。
すなわち、まず、貫通型積層セラミックコンデンサ10の断面を露出させる。具体的には、貫通型積層セラミックコンデンサ10の1/2Tの位置となるまで第1の主面12aまたは第2の主面12bと略平行になるように研磨を行い、LW断面を露出させる。次に、露出させたLW断面において、一対の第1のダミー電極29a1,29a2の第1の側面12cと第2の側面12dを結ぶ幅方向yの寸法の1/2の位置における一対の第1のダミー電極29a1,29a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法について、マイクロスコープを用いて測定することができる。同様に、露出させたLW断面において、一対の第2のダミー電極29b1,29b2の第1の側面12cと第2の側面12dを結ぶ幅方向yの寸法の1/2の位置における一対の第2のダミー電極29b1,29b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zのそれぞれの寸法について、マイクロスコープを用いて測定することができる。
第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2は、20μm以上270μm以下であることが好ましい。これにより、第3の外部電極30cと一方の第1のダミー電極29a1との間、および第3の外部電極30cと他方の第1のダミー電極29a2との間に対して所望の距離を確保することができ、水分の浸入を防止することができる。
一方、第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2が20μmよりも小さい場合、第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の距離が短くなり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。また、第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2が270μmよりも大きい場合、一対の第1のダミー電極29a1,29a2を第3の外部電極30cで覆うことが難しくなり、水分の浸入を防止することができない可能性がある。
第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第2のダミー電極29b2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2は、20μm以上270μm以下であることが好ましい。これにより、第4の外部電極30dと一方の第2のダミー電極29b1との間、および第4の外部電極30dと他方の第2のダミー電極29b2との間に対して所望の距離を確保することができ、水分の浸入を防止することができる。
一方、第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第2のダミー電極29b2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2が20μmよりも小さい場合、第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第1のダミー電極29a2との間の距離が短くなり、水分の浸入を十分に防止することができない可能性がある。また、第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第2のダミー電極29b2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法l2が270μmよりも大きい場合、一対の第2のダミー電極29b1,29b2を第4の外部電極30dで覆うことが難しくなり、水分の浸入を防止することができない可能性がある。
第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法、ならびに第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第2のダミー電極29b2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法は、以下に説明する方法により測定される。
すなわち、まず、貫通型積層セラミックコンデンサ10の断面を露出させる。具体的には、貫通型積層セラミックコンデンサ10の1/2Tの位置となるまで、第1の主面12aまたは第2の主面12bと略平行になるように研磨を行い、LW断面を露出させる。次に、露出させたLW断面において、第3の引出電極部28cと一方の第1のダミー電極29a1の間、および第3の引出電極部28cと他方の第1のダミー電極29a2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法、ならびに第4の引出電極部28dと一方の第2のダミー電極29b1の間、および第4の引出電極部28dと他方の第2のダミー電極29b2との間の第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの寸法を、積層体12の第1の側面12cおよび第2の側面12dに沿って、それぞれマイクロスコープを用いて測定することができる。
一対の第1のダミー電極29a1,29a2と、一対の第2のダミー電極29b1,29b2を構成する金属は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金等のそれらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。なかでも、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と、一対の第2のダミー電極29b1,29b2を構成する金属は、Niであることが好ましい。これにより、下地電極層32の材料がCuの場合、後述する合金層が形成され易く、より耐湿信頼性が向上する。
(2)外部電極
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側、ならびに第1の側面12c側および第2の側面12d側には、外部電極30が配置される。
外部電極30は、下地電極層32を含む。また、下地電極層32の表面には、下地電極層32を覆うように配置される下層めっき層34と、下層めっき層34の表面に配置される上層めっき層36を含むことが好ましい。
外部電極30は、第1の外部電極30a、第2の外部電極30b、第3の外部電極30cおよび第4の外部電極30dを有する。
第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aに接続され、第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の外部電極30aは、積層体12の第1の端面12eから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部28aと電気的に接続される。
第2の外部電極30bは、第1の内部電極層16aに接続され、第2の端面12fの表面に配置されている。また、第2の外部電極30bは、積層体12の第2の端面12fから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第2の外部電極30bは、第1の内部電極層16aの第2の引出電極部28bと電気的に接続される。
第3の外部電極30cは、第2の内部電極層16bに接続され、第1の側面12cの表面に配置されている。また、第3の外部電極30cは、積層体12の第1の側面12cから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にも配置される。この場合、第3の外部電極30cは、第2の内部電極層16bの第3の引出電極部28cと電気的に接続される。
また、第3の外部電極30cは、一対の第1のダミー電極29a1,29a2を覆うように配置される。言い換えると、第3の外部電極30cは、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と接合されている。これにより、従来構造では、機械的接合強度の弱い第1の側面12c側の積層体12と第3の外部電極30cとの間の部分において、第3の外部電極30cと一対の第1のダミー電極29a1,29a2とを金属接合により強固に接合することができる。
第4の外部電極30dは、第2の内部電極層16bに接続され、第2の側面12dの表面に配置されている。また、第4の外部電極30dは、積層体12の第2の側面12dから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にも配置される。この場合、第4の外部電極30dは、第2の内部電極層16bの第4の引出電極部28dと電気的に接続される。
また、第4の外部電極30dは、一対の第2のダミー電極29b1,29b2を覆うように配置される。言い換えると、第4の外部電極30dは、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と接合されている。これにより、従来構造では、機械的接合強度の弱い第2の側面12d側の積層体12と第4の外部電極30dとの間の部分において、第4の外部電極30dと一対の第2のダミー電極29b1,29b2とを金属接合により強固に接合することができる。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部26aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部26bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bと第2の内部電極層16bが接続された第3の外部電極30cおよび第4の外部電極30dとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
下地電極層32は、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。
以下、下地電極層32を上記の焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層とした場合の各構成について説明する。
下地電極層32は、第1の下地電極層32a、第2の下地電極層32b、第3の下地電極層32cおよび第4の下地電極層32dを有する。
第1の下地電極層32aは、第1の内部電極層16aに接続され、第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の下地電極層32aは、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第1の下地電極層32aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部28aと電気的に接続される。
第2の下地電極層32bは、第1の内部電極層16aに接続され、第2の端面12fの表面に配置されている。また、第2の下地電極層32bは、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。この場合、第2の下地電極層32bは、第1の内部電極層16aの第2の引出電極部28bと電気的に接続される。
第3の下地電極層32cは、第2の内部電極層16bに接続され、第1の側面12cの表面に配置されている。また、第3の下地電極層32cは、第1の側面12cから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にも配置される。この場合、第3の下地電極層32cは、第2の内部電極層16bの第3の引出電極部28cと電気的に接続される。
第4の下地電極層32dは、第2の内部電極層16bに接続され、第2の側面12dの表面に配置されている。また、第4の下地電極層32dは、第2の側面12dから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にも配置される。この場合、第4の下地電極層32dは、第2の内部電極層16bの第4の引出電極部28dと電気的に接続される。
(焼付け層の場合)
焼付け層は、ガラス成分と金属成分とを含む。焼付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層の金属成分としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラス成分および金属成分を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼付けたものである。焼付け層は、内部電極層16および誘電体層14を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成したものでもよく、内部電極層16および誘電体層14を有する積層チップを焼成して積層体12を得た後に、積層体12に導電性ペーストを塗布して焼付けたものでもよい。なお、焼付け層を内部電極層16および誘電体層14を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼付け層は、ガラス成分の代わりに誘電体材料を添加したものを焼き付けて焼付け層を形成することが好ましい。
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層32aの高さ方向xの中央部における第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの厚みは、たとえば、3μm以上70μm以下程度であることが好ましい。
第2の端面12fに位置する第2の下地電極層32bの高さ方向xの中央部における第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの厚みは、たとえば、3μm以上70μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面12aおよび第2の主面12bの一部に位置する第1の下地電極層32aの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの中央部における第1の主面12aおよび第2の主面12bを結ぶ高さ方向xの厚みは、たとえば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12bの一部に位置する第2の下地電極層32bの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの中央部における第1の主面12aおよび第2の主面12bを結ぶ高さ方向xの厚みは、たとえば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面12cおよび第2の側面12dの一部に位置する第1の下地電極層32aの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの中央部における第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yの厚みは、たとえば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の側面12cおよび第2の側面12dの一部に位置する第2の下地電極層32bの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zの中央部における第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yの厚みは、たとえば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
(導電性樹脂層の場合)
下地電極層32として導電性樹脂層を設ける場合、導電性樹脂層は、焼付け層上に焼付け層を覆うように配置される。
導電性樹脂層は、金属および熱硬化性樹脂を含む。
導電性樹脂層は、下地電極層上を完全に覆っていてもよいし、下地電極層の一部を覆っていてもよい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、貫通型積層セラミックコンデンサ10に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、貫通型積層セラミックコンデンサ10へのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたは、それらを含む合金を使用することができる。
また、金属粉の表面にAgコーティングされた金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。導電性金属にAgの導電性金属粉を用いる理由としては、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いためである。また、上記のAgの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるためである。
さらに、導電性樹脂層に含まれる金属としては、Cu、Niに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。
なお、導電性樹脂層に含まれる金属としては、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉を使用することもできる。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には金属粉としてAg、Cu、Ni、Sn、Bi又はそれらの合金粉を用いることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラー同士が接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層に含まれる金属は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は最も適切な樹脂の一つである。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物を使用することができる。
導電性樹脂層は、複数層であってもよい。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する積層体12の高さ方向x中央部に位置する導電性樹脂層の厚みは、例えば、10μm以上150μm以下程度であることが好ましい。
(薄膜層の場合)
下地電極層32を薄膜層で形成する場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
下層めっき層34および上層めっき層36は、それぞれ、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。なお、めっき層は、下層めっき層34のみでもよいし、上層めっき層36のみでもよい。
下層めっき層34は、第1の下層めっき層34a、第2の下層めっき層34b、第3の下層めっき層34cおよび第4の下層めっき層34dを有する。
第1の下層めっき層34aは、第1の下地電極層32aの表面を覆うように配置されている。
第2の下層めっき層34bは、第2の下地電極層32bの表面を覆うように配置されている。
第3の下層めっき層34cは、第3の下地電極層32cの表面を覆うように配置されている。
第4の下層めっき層34dは、第4の下地電極層32dの表面を覆うように配置されている。
上層めっき層36は、第1の上層めっき層36a、第2の上層めっき層36b、第3の上層めっき層36cおよび第4の上層めっき層36dを含む。
第1の上層めっき層36aは、第1の下層めっき層34aの表面を覆うように配置される。
第2の上層めっき層36bは、第2の下層めっき層34bの表面を覆うように配置される。
第3の上層めっき層36cは、第3の下層めっき層34cの表面を覆うように配置される。
第4の上層めっき層36dは、第4の下層めっき層34dの表面を覆うように配置される。
これにより、下層めっき層34の表面に上層めっき層36が配置されることで、貫通型積層セラミックコンデンサ10の信頼性や、実装性を向上させることができる。
好ましくは、下層めっき層34はNiめっき層とし、上層めっき層36はSnめっき層とした2層構造である。Niめっき層は、貫通型積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、下地電極層32が半田によって浸食されることを防止することができ、Snめっき層は、貫通型積層セラミックコンデンサ10を実装する際の半田の濡れ性を向上させ、貫通型積層セラミックコンデンサ10を実装基板に容易に実装させることができる。このように、上層めっき層36を複数層により形成することで、貫通型積層セラミックコンデンサ10の信頼性や実装性を効率的により向上させることができる。
下層めっき層34および上層めっき層36一層あたりの各厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
(3)合金層
積層体12の第1の側面12c側において、一方の第1のダミー電極29a1は、第3の下地電極層32cを含む第3の外部電極30cに覆われており、一方の第1のダミー電極29a1と第3の下地電極層32cとの界面には、第1の合金層40a1が配置される。また、他方の第1のダミー電極29a2は、第3の下地電極層32cを含む第3の外部電極30cに覆われており、他方の第1のダミー電極29a2と第3の下地電極層32cとの界面には、第1の合金層40a2が配置される。第1の合金層40a1,40a2は、第1のダミー電極29a1,29a2を構成する金属と、第3の下地電極層32cを構成する金属との合金により形成される。これにより、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と第3の下地電極層32cを含む第3の外部電極30cとをより強固に接合することができる。
なお、第1の合金層40a1,40a2は、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と第3の下地電極層32cのどちらか一方、または両方に配置されていてもよい。
積層体12の第2の側面12d側において、一方の第2のダミー電極29b1は、第4の下地電極層32dを含む第4の外部電極30dに覆われており、一方の第2のダミー電極29b1と第4の下地電極層32dとの界面には、第2の合金層40b1が配置される。また、他方の第2のダミー電極29b2は、第4の下地電極層32dを含む第4の外部電極30dに覆われており、他方の第2のダミー電極29b2と第4の下地電極層32dとの界面には、第2の合金層40b2が配置される。第2の合金層40b1,40b2は、第2のダミー電極29b1,29b2を構成する金属と、第4の下地電極層32dを構成する金属との合金により形成される。これにより、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と第4の下地電極層32dを含む第4の外部電極30dとをより強固に接合することができる。
なお、第2の合金層40b1,40b2は、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と第4の下地電極層32dのどちらか一方、または両方に配置されていてもよい。
第1の合金層40a1,40a2の第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)は、0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。これにより、第1の合金層40a1,40a2と、第3の下地電極層32cとの接合強度を向上させることができる。
また、第2の合金層40b1,40b2の第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)は、0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。これにより、第2の合金層40b1,40b2と、第4の下地電極層32dとの接合強度を向上させることができる。
第1の合金層40a1,40a2の第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)、および第2の合金層40b1,40b2の第1の側面12cと第2の側面12dとを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)は、以下に説明する方法により測定される。
すなわち、まず、貫通型積層セラミックコンデンサ10の断面を露出させる。具体的には、貫通型積層セラミックコンデンサ10の1/2Tの位置となるまで、第1の主面12aまたは第2の主面12bと略平行になるように研磨を行い、LW断面を露出させる。次に、露出させたLW断面において、第1の合金層40a1,40a2の第1の側面12cと第2の側面12dを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)を、第1の合金層40a1,40a2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zの1/2Lの位置においてマイクロスコープを用いて測定することができる。また、露出させたLW断面において、第2の合金層40b1,40b2の第1の側面12cと第2の側面12dを結ぶ幅方向yの寸法(厚み)を、第2の合金層40b1,40b2の第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ長さ方向zの1/2Lの位置においてマイクロスコープを用いて測定することができる。
なお、合金層は、図9に示すように、さらに、第3の引出電極部28cと第3の下地電極層32cとの界面に配置されてもよい。具体的には、積層体12の第1の側面12c側において、一方の第1のダミー電極29a1は、第3の下地電極層32cに覆われており、一方の第1のダミー電極29a1と第3の下地電極層32cとの界面には、第1の合金層40a1が配置されており、他方の第1のダミー電極29a2は、第3の下地電極層32cに覆われており、他方の第1のダミー電極29a2と第3の下地電極層32cとの界面には、第1の合金層40a2が配置される。さらに、第3の引出電極部28cは、第3の下地電極層32cに覆われており、第3の引出電極部28cと第3の下地電極層32cとの界面には、第3の合金層42aが配置される。これにより、第3の引出電極部28cと第3の下地電極層32cとの間においても、第3の合金層42aによって金属結合することが可能となり、より強固に積層体12と第3の外部電極30cとの接合強度を向上させることができる。そのため、外部からの衝撃により、積層体12と第3の外部電極30cとの間に隙間が生じにくくなり、貫通型積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性の低下をより抑制することができる。
同様に、合金層は、図9に示すように、さらに、第4の引出電極部28dと第4の下地電極層32dとの界面に配置されてもよい。具体的には、積層体12の第2の側面12d側において、一方の第2のダミー電極29b1は、第4の下地電極層32dに覆われており、一方の第2のダミー電極29b1と第4の下地電極層32dとの界面には、第2の合金層40b1が配置されており、他方の第2のダミー電極29b2は、第4の下地電極層32dに覆われており、他方の第2のダミー電極29b2と第4の下地電極層32dとの界面には、第2の合金層40b2が配置される。さらに、第4の引出電極部28dは、第4の下地電極層32dに覆われており、第4の引出電極部28dと第4の下地電極層32dとの界面には、第4の合金層42bが配置される。
これにより、第4の引出電極部28dと第4の下地電極層32dとの間においても、第4の合金層42bによって金属結合することが可能となり、より強固に積層体12と第4の外部電極30dとの接合強度を向上させることができる。そのため、外部からの衝撃により、積層体12と第4の外部電極30dとの間に隙間が生じにくくなり、貫通型積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性の低下をより抑制することができる。
また、合金層は、図10に示すように、積層体12の第1の側面12c側において、第1の合金層40a1,40a2と第3の合金層42aとは連続して配置されてもよい。同様に、合金層は、図10に示すように、積層体12の第2の側面12d側において、第2の合金層40b1,40b2と第4の合金層42bとは連続して配置されてもよい。
これにより、積層体12と第3の下地電極層32cとの接合強度をさらに強固にすることができ、積層体12と第4の下地電極層32dとの接合強度をさらに強固にすることができる。そのため、外部からの衝撃により、積層体12と第3の外部電極30cとの間、および積層体12と第4の外部電極30dとの間に隙間がより生じにくくなり、貫通型積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性の低下をさらに抑制することができる。
なお、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成してもよい。
以下、図示はしていないが、下地電極層32を設けずにめっき層を設ける構造について説明する。
第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dのいずれかまたはそれぞれは、下地電極層32が設けられず、めっき層が積層体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、貫通型積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aと、第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。このような場合、前処理として積層体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
なお、下地電極層32を設けずに積層体12上に直接めっき層を形成する場合は、下地電極層32の厚みを削減した分を低背化、すなわち、薄型化または積層体12の厚み、すなわち内層部18の厚みに転化できるため、薄型チップの設計自由度を向上させることができる。
めっき層は、積層体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi又はZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
さらに、下層めっき電極は、半田バリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、半田濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。
また、たとえば、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと合金層を形成しやすいCuを用いて形成されることが好ましい。これにより、NiとCuの合金層によって、内部電極層16と下層めっき電極間の隙間が生じにくくなり、より水分の浸入を防止する効果を得ることができる。
なお、上層めっき電極は必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。めっき層は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
ここで、下地電極層32を設けずにめっき層だけで外部電極30を形成する場合、下地電極層32を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
さらに、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
積層体12、第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dを含む貫通型積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dを含む貫通型積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dを含む貫通型積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
貫通型積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zのL寸法が1.0mm以上3.2mm以下、幅方向yのW寸法が0.5mm以上2.5mm以下、高さ方向xのT寸法が0.3mm以上2.5mm以下である。なお、貫通型積層セラミックコンデンサ10の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
図1に示す貫通型積層セラミックコンデンサ10は、第3の引出電極部28cの両側において、第3の引出電極部28cから離間し、かつ第2の対向電極部26bからも離間にして設けられる一対の第1のダミー電極29a1,29a2を有しており、第4の引出電極部28dの両側において、第4の引出電極部28dから離間し、かつ第2の対向電極部26bからも離間して設けられる一対の第2のダミー電極29b1,29b2を有している。これにより、積層体12の第1の側面12cにおいて、第3の外部電極30cが、第3の引出電極部28cのみならず、一対の第1のダミー電極29a1,29a2とも金属接合されるので、積層体12と第3の外部電極30cとの機械的接合強度を向上させることができる。また、積層体12の第2の側面12dにおいて、第4の外部電極30dが、第4の引出電極部28dのみならず、一対の第2のダミー電極29b1,29b2とも金属接合されるので、積層体12と第4の外部電極30dとの機械的接合強度を向上させることができる。
また、図1に示す貫通型積層セラミックコンデンサ10は、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と第3の下地電極層32cとの界面には、第1のダミー電極29a1,29a2の金属と第3の下地電極層32cを構成する金属とを含む第1の合金層40a1,40a2が配置され、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と第4の下地電極層32dとの界面には、第2のダミー電極29b1,29b2の金属と第4の下地電極層32dを構成する金属とを含む第2の合金層40b1,40b2が配置される。これにより、一対の第1のダミー電極29a1,29a2と第3の外部電極30cとをより強固に接合することができ、一対の第2のダミー電極29b1,29b2と第4の外部電極30dとをより強固に接合することができる。
以上より、図1の貫通型積層セラミックコンデンサ10によれば、積層体12と第3の外部電極30cとの接合強度および積層体12と第4の外部電極30dとの接合強度を向上させることができるため、外部からの衝撃により積層体12と第3の外部電極30cとの間および積層体12と第4の外部電極30dとの間に隙間が生じにくくなり、貫通型積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性の低下を抑制することができる。また、仮に、積層体12と第3の外部電極30cの端縁、および積層体12と第4の外部電極30dの端縁から水分が浸入したとしても、第1のダミー電極29a1,29a2および第2のダミー電極29b1,29b2が配置されるところまでで、水分の浸入を防止することができることから、貫通型積層セラミックコンデンサ10の耐湿信頼性を低下させることを抑制することができる。
2.貫通型積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、貫通型積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、誘電体層用の誘電体シートおよび内部電極層用の導電性ペーストが準備される。誘電体シートおよび内部電極層用の導電性ペーストは、バインダおよび溶剤を含む。バインダおよび溶剤は、公知のものであってよい。
そして、誘電体シート上に、内部電極層用の導電性ペーストが、たとえば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで印刷される。これにより、第1の内部電極層のパターンが形成された誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが形成された誘電体シートが準備される。
なお、ここで用いられる印刷版のパターンの大きさや配置などを変更することにより、第1のダミー電極および第2のダミー電極の第1の端面と第2の端面とを結ぶ長さ方向zの寸法をコントロールすることができ、また、第3の引出電極部と第1のダミー電極との間の第1の端面と第2の端面とを結ぶ長さ方向zの寸法や、第4の引出電極部と第2のダミー電極との間の第1の端面と第2の端面とを結ぶ長さ方向zの寸法をコントロールすることができる。
続いて、内部電極層のパターンが印刷されていない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面側の第2の主面側外層部となる部分が形成される。そして、第2の主面側外層部となる部分の上に第1の内部電極層のパターンが印刷された誘電体シート、および第2の内部電極層のパターンが印刷された誘電体シートを本発明の構造となるように順次積層されることにより、内層部となる部分が形成される。その後、さらにこの内層部となる部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されてない外層用の誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面側の第1の主面側外層部となる部分が形成される。これにより、積層シートが作製される。
次に、積層シートが静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされることにより、積層ブロックが作製される。
そして、積層ブロックを所定のサイズにカットされることにより、積層チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
続いて、積層チップが焼成されることにより、積層体12が作製される。焼成温度は、誘電体層や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
続いて、焼成して得られた積層体12の第1の側面12c上に第3の外部電極30cの第3の下地電極層32cが形成され、積層体12の第2の側面12d上に第4の外部電極30dの第4の下地電極層32dが形成される。
下地電極層32として焼付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属成分とを含む導電性ペーストを塗布し、その後、焼付け処理を行い、下地電極層32として焼付け層が形成される。このときの焼付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
ここで、焼付け層の形成方法としては、様々な方法を用いることができる。たとえば、導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法を用いることができる。この工法の場合、導電性ペーストの押し出し量を多くすることで、第1の側面12c上および第2の側面12d上だけでなく、第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にまで下地電極層32を形成することができる。
また、ローラー転写法を用いて形成することもできる。ローラー転写法の場合、第1の側面12c上および第2の側面12d上だけでなく、第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にまで下地電極層32を形成するとき、ローラー転写の際の押し付け圧力を強くすることで第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部にまで下地電極層32を形成することが可能となる。
さらに、その後、合金層を形成するための熱処理を行うことで、第1の合金層40a1,40a2および第2の合金層40b1,40b2を形成することができる。合金層を形成する際の熱処理の雰囲気は、Niの平衡酸素分圧以下の雰囲気で熱処理を行う。このときの熱処理の温度は、600℃以上800℃以下であることが好ましい。また、このときの熱処理の時間は、形成したい第1の合金層40a1,40a2および第2の合金層40b1,40b2の厚みや幅に合わせて調整する。すなわち、第1の合金層40a1,40a2および第2の合金層40b1,40b2の厚みや幅は、熱処理の最高温度や熱処理時間を変化させることで調整することができる。
図8に示すような、第1の合金層40a1,40a2および第2の合金層40b1,40b2の形成された構造を得る場合、より具体的には、第1の合金層40a1,40a2を形成したい第1のダミー電極29a1,29a2上のみに、第1のダミー電極29a1,29a2の幅と同等かそれよりも少し広い幅で、下地電極層用の導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法により、導電性ペーストを塗布する。同様に、第2の合金層40b1,40b2を形成した第2のダミー電極29b1,29b2上のみに、第2のダミー電極29b1,29b2の幅と同等かそれよりも少し広い幅で、下地電極層用の導電性ペーストをスリットから押し出して塗布することにより、導電性ペーストを塗布する。その後、焼付け処理を行い、合金層を形成し、熱処理を行う。これにより、第1のダミー電極29a1,29a2と第3の下地電極層32cとの界面において、第1のダミー電極29a1,29a2を構成する金属と第3の外部電極30cの下地電極層を構成する金属との第1の合金層40a1,40a2が形成される。また、第2のダミー電極29b1,29b2を構成する金属と第4の下地電極層32dとの界面において、第2のダミー電極29b1,29b2を構成する金属と第4の外部電極30dの下地電極層を構成する金属との第2の合金層40b1,40b2が形成される。
その後、さらに、下地電極層用の導電性ペーストを、第1の合金層40a1,40a2だけでなく、第2の内部電極層16bの第3の引出電極部28c、および積層体12の表面を覆うように塗布し、焼付け処理を行い、第3の下地電極層32cが形成される。
また、同様に、下地電極層用の導電性ペーストを、第2の合金層40b1,40b2だけでなく、第2の内部電極層16bの第4の引出電極部28d、および積層体12の表面を覆うように塗布し、焼付け処理を行い、第4の下地電極層32dが形成される。
なお、図9に示すような、構造とするためには、第1のダミー電極29a1,29a2上と第3の引出電極部28c上にそれぞれ下地電極層用の導電性ペーストをスリットから押し出して塗布して、合金層を形成するための熱処理を行う。このとき、所望の第1の合金層40a1,40a2および第3の合金層42aを形成するために、熱処理の時間が調整される。
また、同様に、図9に示すような、構造とするためには、第2のダミー電極29b1,29b2上と第4の引出電極部28d上にそれぞれ下地電極層用の導電性ペーストをスリットから押し出して塗布して、合金層を形成するための熱処理を行う。このとき、所望の第2の合金層40b1,40b2および第4の合金層42bを形成するために、熱処理の時間が調整される。
また、図10に示すような、構造とするためには、第1のダミー電極29a1,29a2上と第3の引出電極部28c上にそれぞれ下地電極層用の導電性ペーストをスリットから押し出して塗布して、合金層を形成するための熱処理を行う。このとき、所望の第1の合金層40a1,40a2および第3の合金層42aを形成するために、熱処理の時間をより第1の合金層40a1,40a2のみを形成する場合と比較して長く熱処理される。
また、同様に、図10に示すような、構造とするためには、第2のダミー電極上と第4の引出電極部28d上にそれぞれ導電性ペーストをスリットから押し出して塗布して、合金層を形成するための熱処理を行う。このとき、所望の第2の合金層40b1,40b2および第4の合金層42bを形成するために、熱処理の時間をより第2の合金層40b1,40b2のみを形成する場合と比較して長く熱処理される。
次に、焼成して得られた積層体12の第1の端面12e上に第1の外部電極30aの第1の下地電極層32aが形成され、積層体12の第2の端面12f上に第2の外部電極30bの第2の下地電極層32bが形成される。
第3の外部電極30cおよび第4の外部電極30dの各下地電極層32の形成時と同様、下地電極層32として焼付け層を形成する場合には、ガラス成分と金属成分とを含む導電性ペーストを塗布し、その後、焼付け処理を行い、下地電極層32として焼付け層が形成される。このときの焼付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
また、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bの下地電極層32として焼付け層の形成方法としては、下地電極層用の導電性ペーストをディップ工法により、第1の端面12e、第2の端面12fだけでなく、第1の主面12aの一部、第2の主面12bの一部、第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にまで延びるように形成される。
なお、焼付け処理に関しては、第3の外部電極30cの第3の下地電極層32c、第4の外部電極30dの第4の下地電極層32d、第1の外部電極30aの第1の下地電極層32aおよび第2の外部電極30bの第2の下地電極層32bを同時に焼付けてもよいし、第3の外部電極30cの第3の下地電極層32cおよび第4の外部電極30dの第4の下地電極層32dと、第1の外部電極30aの第1の下地電極層32aおよび第2の外部電極30bの第2の下地電極層32bとを、それぞれ別々に焼付けてもよい。
(導電性樹脂層)
なお、下地電極層32を導電性樹脂層で形成する場合は、以下の方法で導電性樹脂層を形成することができる。なお、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成される。
導電性樹脂層の形成方法としては、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上もしくは積層体12上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させ、導電性樹脂層を形成する。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
なお、導電性樹脂ペーストの塗布方法としては、下地電極層32を焼付け層で形成する方法と同様、たとえば、導電性樹脂ペーストをスリットから押し出して塗布する工法やローラー転写法を用いて形成することができる。
(薄膜層)
また、下地電極層32を薄膜層で形成する場合は、マスキングなどを行い、外部電極30を形成したいところにスパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により下地電極層を形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層は金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
(めっき電極)
さらに、下地電極層32を設けずにめっき層だけでめっき電極として外部電極を形成してもよい。その場合は、以下の方法で形成することができる。
第1の外部電極30aないし第4の外部電極30dのいずれかまたはそれぞれは、下地電極層32を設けずに、めっき層が積層体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、貫通型積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aと、第2の内部電極層16bに直接電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極を同様に形成してもよい。
続いて、必要に応じて、下地電極層32の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下層めっき電極の表面、上層めっき電極の表面に、めっき層が形成される。
より詳細には、本実施の形態では焼付け層である下地電極層32上に下層めっき層34としてNiめっき層が形成され、上層めっき層36としてSnめっき層が形成される。Niめっき層およびSnめっき層は、たとえばバレルめっき法により、順次形成される。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。ただし、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。
上述のようにして、本実施の形態にかかる貫通型積層セラミックコンデンサ10が製造される。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
<1>
積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、前記積層方向および前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する積層体と、
前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
前記第1の側面上に配置される第3の外部電極と、
前記第2の側面上に配置される第4の外部電極と、
を備える貫通型積層セラミックコンデンサであって、
前記複数の内部電極層は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを有し、
前記第1の内部電極層は、前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、を有し、
前記第2の内部電極層は、前記第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第1の側面に引き出される第3の引出電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第2の側面に引き出される第4の引出電極部と、を有し、
前記第3の引出電極部が配置される誘電体層上には、前記第3の引出電極部の両側において、前記第3の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第1のダミー電極と、
前記第4の引出電極部が配置される誘電体層上には、前記第4の引出電極部の両側において、前記第4の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第2のダミー電極と、を有し、
前記第1のダミー電極は、前記第3の外部電極に覆われており、前記第1のダミー電極と前記第3の外部電極との界面には、前記第1のダミー電極を構成する金属と前記第3の外部電極を構成する金属とにより構成される第1の合金層が配置され、
前記第2のダミー電極は、前記第4の外部電極に覆われており、前記第2のダミー電極と前記第4の外部電極との界面には、前記第2のダミー電極を構成する金属と前記第4の外部電極を構成する金属とにより構成される第2の合金層が配置される、貫通型積層セラミックコンデンサ。
<2>
前記第1のダミー電極の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下であり、
前記第2のダミー電極の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下である、<1>に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<3>
前記第1の引出電極部と前記第1のダミー電極との間の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下であり、
前記第2の引出電極部と前記第2のダミー電極との間の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下である、<1>または<2>に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<4>
前記第1のダミー電極を構成する金属および前記第2のダミー電極を構成する金属は、Niである、<1>ないし<3>のいずれかに記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<5>
前記第3の外部電極を構成する金属および前記第4の外部電極を構成する金属は、Cuである、<1>ないし<4>のいずれかに記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<6>
前記第1の合金層および前記第2の合金層の前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ前記幅方向の寸法は、0.5μm以上2μm以下である、<1>ないし<5>のいずれかに記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<7>
前記第2の内部電極層の前記第3の引出電極部と、前記第3の外部電極との界面には、前記第1の引出電極部を構成する金属と前記第3の外部電極を構成する第3の合金層が配置されており、
前記第2の内部電極層の前記第4の引出電極部と、前記第4の外部電極との界面には、前記第3の引出電極部を構成する金属と前記第4の外部電極を構成する第4の合金層が配置される、<1>ないし<6>のいずれかに記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
<8>
前記第1の合金層と前記第3の合金層とは連続して配置されており、
前記第2の合金層と前記第4の合金層とは連続して配置される、<7>に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
10 貫通型積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18 内層部
19 対向電極部
20a 第1の主面側外層部
20b 第2の主面側外層部
22a 第1の側面側外層部
22b 第2の側面側外層部
24a 第1の端面側外層部
24b 第2の端面側外層部
26a 第1の対向電極部
26b 第2の対向電極部
28a 第1の引出電極部
28b 第2の引出電極部
28c 第3の引出電極部
28d 第4の引出電極部
29a1、29a2 第1のダミー電極
29b1、29b2 第2のダミー電極
30 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
30c 第3の外部電極
30d 第4の外部電極
32 下地電極層
32a 第1の下地電極層
32b 第2の下地電極層
32c 第3の下地電極層
32d 第4の下地電極層
34 上層めっき層
34a 第1の下層めっき層
34b 第2の下層めっき層
34c 第3の下層めっき層
34d 第4の下層めっき層
36 上層めっき層
36a 第1の上層めっき層
36b 第2の上層めっき層
36c 第3の上層めっき層
36d 第4の上層めっき層
40a1、40a2 第1の合金層
40b1、40b2 第2の合金層
42a 第3の合金層
42b 第4の合金層
x 高さ方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (8)

  1. 積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、前記積層方向および前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有する積層体と、
    前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、
    前記第1の側面上に配置される第3の外部電極と、
    前記第2の側面上に配置される第4の外部電極と、
    を備える貫通型積層セラミックコンデンサであって、
    前記複数の内部電極層は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを有し、
    前記第1の内部電極層は、前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第1の端面に引き出される第1の引出電極部と、前記第1の対向電極部から延び、前記第2の端面に引き出される第2の引出電極部と、を有し、
    前記第2の内部電極層は、前記第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第1の側面に引き出される第3の引出電極部と、前記第2の対向電極部から延び、前記第2の側面に引き出される第4の引出電極部と、を有し、
    前記第3の引出電極部が配置される誘電体層上には、前記第3の引出電極部の両側において、前記第3の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第1のダミー電極と、
    前記第4の引出電極部が配置される誘電体層上には、前記第4の引出電極部の両側において、前記第4の引出電極部から離間し、かつ前記第2の対向電極部から離間して設けられる一対の第2のダミー電極と、を有し、
    前記第1のダミー電極は、前記第3の外部電極に覆われており、前記第1のダミー電極と前記第3の外部電極との界面には、前記第1のダミー電極を構成する金属と前記第3の外部電極を構成する金属とにより構成される第1の合金層が配置され、
    前記第2のダミー電極は、前記第4の外部電極に覆われており、前記第2のダミー電極と前記第4の外部電極との界面には、前記第2のダミー電極を構成する金属と前記第4の外部電極を構成する金属とにより構成される第2の合金層が配置される、貫通型積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1のダミー電極の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下であり、
    前記第2のダミー電極の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下である、請求項1に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の引出電極部と前記第1のダミー電極との間の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下であり、
    前記第2の引出電極部と前記第2のダミー電極との間の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ長さ方向の寸法は、20μm以上270μm以下である、請求項1または請求項2に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1のダミー電極を構成する金属および前記第2のダミー電極を構成する金属は、Niである、請求項1または請求項2に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記第3の外部電極を構成する金属および前記第4の外部電極を構成する金属は、Cuである、請求項4に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記第1の合金層および前記第2の合金層の前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ前記幅方向の寸法は、0.5μm以上2μm以下である、請求項1または請求項2に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記第2の内部電極層の前記第3の引出電極部と、前記第3の外部電極との界面には、前記第1の引出電極部を構成する金属と前記第3の外部電極を構成する第3の合金層が配置されており、
    前記第2の内部電極層の前記第4の引出電極部と、前記第4の外部電極との界面には、前記第3の引出電極部を構成する金属と前記第4の外部電極を構成する第4の合金層が配置される、請求項1または請求項2に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記第1の合金層と前記第3の合金層とは連続して配置されており、
    前記第2の合金層と前記第4の合金層とは連続して配置される、請求項7に記載の貫通型積層セラミックコンデンサ。
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