JP2023172524A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】静電容量の低下を抑制しつつ、容量形成部へのクラックの到達を防止できる積層セラミックコンデンサを提供すること。【解決手段】本実施形態の積層セラミックコンデンサであって、第1の端面LS1における、第1の端面LS1に露出する複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30と複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30とに挟まれる領域を第1の領域80とし、第2の端面LS2における、第2の端面LS2に露出する複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30と複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30とに挟まれる領域を第2の領域90としたとき、第1の領域80の角部2および第2の領域90の角部2のうち少なくとも1つの角部2から内層部11と離れる方向に延出する空隙部70が存在する。【選択図】図7A

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
従来、積層セラミックコンデンサが知られている。一般的に、積層セラミックコンデンサは、導電性ペーストをセラミックの積層体の各端面に塗布した後に熱処理を施すことによって形成されることが多い。
ここで、熱処理を施した際に、積層体の線膨張係数と外部電極の線膨張係数との差によって外部電極に応力が蓄積されることがある。外部電極に応力が蓄積された積層セラミックコンデンサは、外部電極に蓄積された応力や実装基板に実装されている場合における基板のたわみ応力によってセラミック素体にクラックが発生することがある。また、実装基板に積層セラミックコンデンサを実装する際に用いられるマウンターによる衝撃においても、セラミック素体に応力が加わり、セラミック素体にクラックが発生することが考えられる。
このようなセラミック素体へのクラックの発生を抑制する技術が記載されているものとして、例えば特許文献1がある。特許文献1には、第1の複数のセラミック層の間に内部電極層を設けた有効層と第2の複数のセラミック層の間に設けられ、所定間隔で配置された複数の補強層を備えた無効層とを有した基体において、無効層に設けられた複数の補強層が、基体の側面に設けられた外部電極の端部の真下に存在することで、チップ型電子部品本体にクラックなどの発生を抑制し得る技術が開示されている。
特開2002-75780号公報
しかしながら、特許文献1のように無効層に補強層を設けるような技術では、補強層を設けることによるコストアップの問題や補強層を設ける分、互いに対向する内部電極層によって形成される容量形成部における内部電極層の積層枚数が制限されることによる容量減少の問題、有効層と補強層との間に生じる浮遊容量による容量の若干のズレなどの問題が生じることがある。
本発明の目的は、静電容量の低下を抑制しつつ、容量形成部へのクラックの到達を防止できる積層セラミックコンデンサを提供することである。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層と、を有するとともに、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記積層方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、を有する積層体と、前記内部電極層に接続される外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、前記積層体は、前記積層方向において、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層から、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層までを含み、前記複数の内部電極層が誘電体層を介して対向して配置されている内層部と、前記第1の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、前記第2の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、を有し、前記第1の端面における、該第1の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第1の領域とし、前記第2の端面における、該第2の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第2の領域としたとき、前記第1の領域の角部および前記第2の領域の角部のうち少なくとも1つの角部から前記内層部と離れる方向に延出する空隙部が存在する。
本発明によれば、静電容量の低下を抑制しつつ、容量形成部へのクラックの到達を防止できる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
第1実施形態の積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII-II線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIII-III線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIVA-IVA線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIVB-IVB線に沿った断面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体を矢印Vの方向に沿って第2の側面を見たときの矢視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体を矢印VIの方向に沿って第1の主面を見たときの矢視図である。 図5に示す積層体を矢印VIIAの方向に沿って第1の端面LS1を見たときの矢視図である。 図5に示す積層体を矢印VIIBの方向に沿って第2の端面LS2を見たときの矢視図である。 図5に示す積層体のVIII-VIII線に沿った断面図である。 図5に示す積層体のIX-IX線に沿った断面図である。 第2実施形態の積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 図10に示す積層セラミックコンデンサを矢印XIの方向に沿って第1の側面側を見たときの矢視図である。 図11に示す積層セラミックコンデンサを矢印XIIの方向に沿って第1の主面側を見たときの矢視図である。 図12に示す積層セラミックコンデンサのXIII-XIII線に沿った断面図である。 図13に示す積層セラミックコンデンサのXIV-XIV線に沿った断面図である。 図13に示す積層セラミックコンデンサのXVA-XVA線に沿った断面図である。 図13に示す積層セラミックコンデンサのXVB-XVB線に沿った断面図である。
以下、本開示の第1実施形態に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ1について説明する。図1は、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外観斜視図である。図2は、図1の積層セラミックコンデンサ1のII-II線に沿った断面図である。図3は、図2の積層セラミックコンデンサ1のIII-III線に沿った断面図である。図4Aは、図2の積層セラミックコンデンサ1のIVA-IVA線に沿った断面図である。図4Bは、図2の積層セラミックコンデンサ1のIVB-IVB線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、積層体10と、外部電極40と、を有する。
図1~図4Bには、XYZ直交座標系が示されている。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の長さ方向Lは、X方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の幅方向Wは、Y方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の積層方向Tは、Z方向と対応している。ここで、図2に示す断面はLT断面とも称される。図3に示す断面はWT断面とも称される。図4Aおよび図4Bに示す断面はLW断面とも称される。
図1~図4Bに示すように、積層体10は、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、積層方向Tに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、積層方向Tおよび長さ方向Lに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、を含む。
図1に示すように、積層体10は、略直方体形状を有している。なお、積層体10の長さ方向Lの寸法は、幅方向Wの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。積層体10の角部Eおよび稜線部には、丸みがつけられていることが好ましい。角部Eは、積層体の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体の2面が交わる部分である。なお、積層体10を構成する表面の一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体10の寸法は、特に限定されないが、積層体10の長さ方向Lの寸法をL寸法とすると、L寸法は、0.2mm以上6mm以下であることが好ましい。また、積層体10の積層方向Tの寸法をT寸法とすると、T寸法は、0.05mm以上5mm以下であることが好ましい。また、積層体10の幅方向Wの寸法をW寸法とすると、W寸法は、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
図2および図3に示すように、積層体10は、内層部11と、積層方向Tにおいて内層部11を挟み込むように配置された第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13と、を有する。
内層部11は、複数の誘電体層20と、複数の内部導体層としての複数の内部電極層30と、を含む。内層部11は、積層方向Tにおいて、最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30から最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30までを含む。内層部11では、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている。内層部11は、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
複数の誘電体層20は、誘電体材料により構成される。誘電体材料は、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、またはCaZrOなどの成分を含む誘電体セラミックであってもよい。また、誘電体材料は、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものであってもよい。誘電体材料は、主成分としてBaTiOを含む材料であることが特に好ましい。
誘電体層20の厚みは、0.2μm以上10μm以下であることが好ましい。積層される誘電体層20の枚数は、15枚以上1200枚以下であることが好ましい。なお、この誘電体層20の枚数は、内層部11の誘電体層の枚数と第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13の誘電体層の枚数との総数である。
複数の内部電極層30は、複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32を有する。複数の第1の内部電極層31は、複数の誘電体層20上に配置されている。複数の第2の内部電極層32は、複数の誘電体層20上に配置されている。複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32は、積層体10の積層方向Tに誘電体層20を介して交互に配置されている。第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、誘電体層20を挟むようにして配置されている。
複数の内部電極層30のそれぞれは、誘電体層20を介して積層方向Tに隣り合う他の内部電極層30と対向する電極対向部30Aと、電極対向部30Aから第1の端面LS1または第2の端面LS2に引き出される引き出し電極部30Bとを有する。例えば第1の内部電極層31は、第2の内部電極層32に対向する電極対向部30Aとしての第1の電極対向部31Aと、第1の電極対向部31Aから第1の端面LS1に引き出される引き出し電極部30Bとしての第1の引き出し電極部31Bとを有している。第1の引き出し電極部31Bは、第1の端面LS1に露出している。また例えば第2の内部電極層32は、第1の内部電極層31に対向する電極対向部30Aとしての第2の電極対向部32Aと、第2の電極対向部32Aから第2の端面LS2に引き出される引き出し電極部30Bとしての第2の引き出し電極部32Bとを有している。第2の引き出し電極部32Bは、第2の端面LS2に露出している。
本実施形態では、第1の電極対向部31Aと第2の電極対向部32Aが誘電体層20を介して対向することにより容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
第1の電極対向部31Aおよび第2の電極対向部32Aの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもよいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。第1の引出き出し電極部31Bおよび第2の引き出し電極部32Bの形状は、特に限定されないが、矩形形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもよいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。
第1の電極対向部31Aの幅方向Wの寸法と第1の引き出し電極部31Bの幅方向Wの寸法は、同じ寸法で形成されていてもよく、どちらか一方の寸法が小さく形成されていてもよい。第2の電極対向部32Aの幅方向Wの寸法と第2の引き出し電極部32Bの幅方向Wの寸法は、同じ寸法で形成されていてもよく、どちらか一方の寸法が狭く形成されていてもよい。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成される。合金を用いる場合、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えばAg-Pd合金等により構成されてもよい。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32のそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の枚数は、合わせて15枚以上1000枚以下であることが好ましい。
第1の主面側外層部12は、積層体10の第1の主面TS1側に位置する。第1の主面側外層部12は、第1の主面TS1と最も第1の主面TS1に近い内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20の集合体である。第1の主面側外層部12で用いられる誘電体層20は、内層部11で用いられる誘電体層20と同じものであってもよい。
第2の主面側外層部13は、積層体10の第2の主面TS2側に位置する。第2の主面側外層部13は、第2の主面TS2と最も第2の主面TS2に近い内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20の集合体である。第2の主面側外層部13で用いられる誘電体層20は、内層部11で用いられる誘電体層20と同じものであってもよい。
このように、積層体10は、積層された複数の誘電体層20と、誘電体層20上に積層された複数の内部電極層30と、を有する。すなわち、積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層20と内部電極層30とが交互に積層された積層体10を有する。
なお、積層体10は、対向電極部11Eを有する。対向電極部11Eは、第1の内部電極層31の第1の電極対向部31Aと第2の内部電極層32の第2の電極対向部32Aが対向する部分である。対向電極部11Eは、内層部11の一部として構成されている。図4Aおよび図4Bには、対向電極部11Eの幅方向Wおよび長さ方向Lの範囲が示されている。この対向電極部11Eにより、積層セラミックコンデンサ1の静電容量が形成される。なお、対向電極部11Eは、コンデンサ有効部または容量形成部ともいう。
なお、積層体10は、側面側外層部を有する。側面側外層部は、第1の側面側外層部WG1と、第2の側面側外層部WG2を有する。第1の側面側外層部WG1は、対向電極部11Eと第1の側面WS1との間に位置する誘電体層20を含む部分である。第2の側面側外層部WG2は、対向電極部11Eと第2の側面WS2との間に位置する誘電体層20を含む部分である。図3、図4Aおよび図4Bには、第1の側面側外層部WG1および第2の側面側外層部WG2の幅方向Wの範囲が示されている。なお、側面側外層部は、Wギャップまたはサイドギャップともいう。
なお、積層体10は、端面側外層部を有する。端面側外層部は、第1の端面側外層部LG1と、第2の端面側外層部LG2を有する。第1の端面側外層部LG1は、対向電極部11Eと第1の端面LS1との間に位置する誘電体層20を含む部分である。第2の端面側外層部LG2は、対向電極部11Eと第2の端面LS2との間に位置する誘電体層20を含む部分である。図2、図4Aおよび図4Bには、第1の端面側外層部LG1および第2の端面側外層部LG2の長さ方向Lの範囲が示されている。なお、端面側外層部は、Lギャップまたはエンドギャップともいう。
図2~図4Bに示すように、側面側外層部および端面側外層部が重なり合う領域には、内部電極層30の引き出し電極部30Bから内層部11と離れる方向に延出する空隙部70が存在する。空隙部70の構成については、後述する。
外部電極40は、第1の端面LS1側に配置された第1の外部電極40Aと、第2の端面LS2側に配置された第2の外部電極40Bと、を有する。
第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上に配置されている。第1の外部電極40Aは、第1の内部電極層31に接続されている。第1の外部電極40Aは、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも配置されていてもよい。本実施形態では、第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上に配置されている。第2の外部電極40Bは、第2の内部電極層32に接続されている。第2の外部電極40Bは、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも配置されていてもよい。本実施形態では、第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
前述のとおり、積層体10内においては、第1の内部電極層31の第1の電極対向部31Aと第2の内部電極層32の第2の電極対向部32Aとが誘電体層20を介して対向することにより容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層31が接続された第1の外部電極40Aと第2の内部電極層32が接続された第2の外部電極40Bとの間でコンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1の下地電極層50A上に配置された第1のめっき層60Aと、を有する。
第2の外部電極40Bは、第2の下地電極層50Bと、第2の下地電極層50B上に配置された第2のめっき層60Bと、を有する。
第1の下地電極層50Aは、第1の端面LS1上に配置されている。第1の下地電極層50Aは、第1の内部電極層31に接続されている。本実施形態においては、第1の下地電極層50Aは、第1の端面LS1上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第2の下地電極層50Bは、第2の端面LS2上に配置されている。第2の下地電極層50Bは、第2の内部電極層32に接続されている。本実施形態においては、第2の下地電極層50Bは、第2の端面LS2上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
本実施形態の第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、焼き付け層である。焼き付け層は、金属成分と、ガラス成分もしくはセラミック成分のどちらか一方を含んでいるか、その両方を含んでいることが好ましい。金属成分は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。ガラス成分は、例えば、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。セラミック成分は、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いてもよいし、異なる種のセラミック材料を用いてもよい。セラミック成分は、例えば、BaTiO、CaTiO、(Ba,Ca)TiO、SrTiO、CaZrO等から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼き付け層は、例えば、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものである。焼き付け層は、内部電極および誘電体層を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成したものでもよく、内部電極および誘電体層を有する積層チップを焼成して積層体を得た後に積層体に導電性ペーストを塗布して焼き付けたものでもよい。なお、内部電極および誘電体層を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼付け層は、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。この場合、添加するセラミック材料として、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いることが特に好ましい。焼き付け層は、複数層であってもよい。
第1の端面LS1に位置する第1の下地電極層50Aの長さ方向の厚みは、第1の下地電極層50Aの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
第2の端面LS2に位置する第2の下地電極層50Bの長さ方向の厚みは、第2の下地電極層50Bの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1または第2の主面TS2の少なくも一方の面の一部にも第1の下地電極層50Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上25μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1または第2の側面WS2の少なくも一方の面の一部にも第1の下地電極層50Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、3μm以上25μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1または第2の主面TS2の少なくも一方の面の一部にも第2の下地電極層50Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上25μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1または第2の側面WS2の少なくも一方の面の一部にも第2の下地電極層50Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、3μm以上25μm以下程度であることが好ましい。
なお、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、焼き付け層に限らない。第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、焼き付け層、導電性樹脂層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。例えば、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、薄膜層であってもよい。薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成される。薄膜層は、金属粒子が堆積された10μm以下の層である。
第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置されている。
第2のめっき層60Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置されている。
第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、それぞれ複数層により形成されていてもよい。第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造が好ましい。
第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置されている。本実施形態においては、第1のめっき層60Aは、第1のNiめっき層61Aと、第1のNiめっき層61A上に位置する第1のSnめっき層62Aと、を有する。
第2のめっき層60Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置されている。本実施形態においては、第2のめっき層60Bは、第2のNiめっき層61Bと、第2のNiめっき層61B上に位置する第2のSnめっき層62Bと、を有する。
Niめっき層は、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bが、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだによって侵食されることを防止する。また、Snめっき層は、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだの濡れ性を向上させる。これにより、積層セラミックコンデンサ1の実装を容易にする。第1のNiめっき層61A、第1のSnめっき層62A、第2のNiめっき層61B、第2のSnめっき層62Bそれぞれの厚みは、2μm以上10μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bは、例えば導電性粒子と熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂層を有していてもよい。下地電極層(第1の下地電極層50A、第2の下地電極層50B)として導電性樹脂層を設ける場合、導電性樹脂層は、焼き付け層を覆うように配置されてもよいし、焼き付け層を設けずに積層体10上に直接配置されてもよい。導電性樹脂層が焼き付け層を覆うように配置される場合、導電性樹脂層は、焼き付け層とめっき層(第1のめっき層60A、第2のめっき層60B)との間に配置される。導電性樹脂層は、焼き付け層上を完全に覆っていてもよいし、焼き付け層の一部を覆っていてもよい。
熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂層は、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ1に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層は、緩衝層として機能する。よって、導電性樹脂層は、積層セラミックコンデンサ1のクラック発生を抑制する。
導電性粒子を構成する金属は、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたは、それらを含む合金であってもよい。導電性粒子は、好ましくはAgを含む。導電性粒子は、例えばAgの金属粉である。Agは、金属の中でもっとも比抵抗が低いため、電極材料に適している。また、Agは貴金属であるため、酸化しにくく、耐候性が高い。よって、Agの金属粉は、導電性粒子として好適である。
また、導電性粒子は、金属粉の表面にAgコーティングされた金属粉であってもよい。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には、金属粉は、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金粉であることが好ましい。Agの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにするために、Agコーティングされた金属粉を用いることが好ましい。
さらに、導電性粒子は、Cu、Niに酸化防止処理を施したものであってもよい。また、導電性粒子は、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉であってもよい。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には、金属粉は、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金粉であることが好ましい。
導電性粒子の形状は、特に限定されない。導電性粒子は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる導電性粒子は、主に導電性樹脂層の通電性を確保する役割を担う。具体的には、複数の導電性粒子どうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層を構成する樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂のひとつである。また、導電性樹脂層の樹脂は、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤は、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物であってもよい。
なお、導電性樹脂層は、複数層で形成されていてもよい。導電性樹脂層の最も厚い部分の厚みは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
なお、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを設けずに、積層体10上に後述の第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bが直接配置される構成であってもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ1は、第1の内部電極層31と、第2の内部電極層32とに、直接電気的に接続されるめっき層を含む構成であってもよい。このような場合、前処理として積層体10の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
この場合においても、めっき層は、複数層であることが好ましい。下層めっき層および上層めっき層はそれぞれ、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiまたはZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含む合金を含むことが好ましい。下層めっき層は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることがより好ましい。上層めっき層は、はんだ濡れ性が良好なSnまたはAuを用いて形成されることがより好ましい。なお、例えば、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32がNiを用いて形成される場合は、下層めっき層は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき層は必要に応じて形成されればよく、外部電極40は、下層めっき層のみで構成されてもよい。また、めっき層は、上層めっき層を最外層としてもよいし、上層めっき層の表面にさらに他のめっき層を形成してもよい。
下地電極層を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、2μm以上10μm以下であることが好ましい。なお、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99体積%以上であることが好ましい。
なお、めっき層を積層体10上に直接形成する場合は、下地電極層の厚みを削減することができる。よって、下地電極層の厚みを削減した分、積層セラミックコンデンサ1の積層方向Tの寸法を低減させて、積層セラミックコンデンサ1の低背化を図ることができる。あるいは、下地電極層の厚みを削減した分、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の間に挟まれる誘電体層20の厚みを厚くし、素体厚みの向上を図ることができる。このように、めっき層を積層体10上に直接形成することで、積層セラミックコンデンサの設計自由度を向上させることができる。
なお、積層体10と外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1の長さ方向の寸法をL寸法とすると、L寸法は、0.2mm以上6mm以下であることが好ましい。また、積層セラミックコンデンサ1の高さ方向の寸法をT寸法とすると、T寸法は、0.05mm以上5mm以下であることが好ましい。また、積層セラミックコンデンサ1の幅方向の寸法をW寸法とすると、W寸法は、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
次に、空隙部70の構成について図5~図7Bを参照しながら説明する。図5は、図1に示す積層セラミックコンデンサ1の積層体10を矢印Vの方向に沿って第2の側面WS2を見たときの矢視図である。図6は、図1に示す積層セラミックコンデンサ1の積層体10を矢印VIの方向に沿って第1の主面TS1を見たときの矢視図である。図7Aは、図5に示す積層体10を矢印VIIAの方向に沿って第1の端面LS1を見たときの矢視図である。図7Bは、図5に示す積層体10を矢印VIIBの方向に沿って第2の端面LS2を見たときの矢視図である。なお、図5および図6では、誘電体層20を透過して積層体10の内部をみたときの空隙部70および内部電極層30の輪郭を破線で示している。
空隙部70は、図5~図7Bに示すように、複数の誘電体層20によって形成される側面側外層部および端面側外層部が重なり合う領域に主に存在する空間である。空隙部70の形状は特に限定されず、例えば三角平板状であってもよく、矩形平板状であってもよい。本実施形態の空隙部70は、図5~図7Bに示すように、幅方向Wおよび積層方向Tからみて三角形状であり、長さ方向Lからみて細長い棒状の空間である。即ち、積層セラミックコンデンサ1に存在する空隙部70は三角平板状の空間である。本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、この空隙部70により、誘電体層20に発生したクラックが容量形成部まで到達することを抑制している。
空隙部70は、積層体10の第1の端面LS1における第1の領域80と第2の端面LS2における第2の領域90の少なくともいずれかの領域から延出するように形成される。本実施形態では、空隙部70は第1の領域80側の4箇所と第2の領域90側の4箇所に形成される。
第1の領域80について説明する。図7Aは、仮想的な矢視図であって、積層セラミックコンデンサ1から外部電極40を除外した場合における、図5に示す積層体10の仮想的なVIIAの方向に沿って第1の端面LS1を見たときの矢視図である。本実施形態においては、複数の第1の内部電極層31として、第1の主面TS1側から順に、第1の内部電極層311,312,313,314が配置されている。なお、図7Aでは、第1の内部電極層311と第1の内部電極層314との間に第1の内部電極層312,313のみの2枚の内部電極層30のみ配置されているが、これに限らず3枚以上の第1の内部電極層31が配置されていてもよい。複数の第1の内部電極層31の長さ方向Lにおける第1の端面LS1側の端部は、積層体10の第1の端面LS1に露出するように配置されている。ここで、図7Aに示すように、第1の端面LS1における、第1の端面LS1に露出する複数の第1の内部電極層31のうち最も第1の主面TS1側に位置する第1の内部電極層311と、第1の端面LS1に露出する複数の第1の内部電極層31のうち最も第2の主面TS2側に位置する第1の内部電極層314とに挟まれる領域を第1の領域80と呼んでいる。
空隙部70は、第1の領域80の角部2から内層部11と離れる方向に延出する。第1の領域80には、4つの角部2である角部2A~2Dが存在する。図7Aにおいて角部2Aは、第1の内部電極層311における第1の主面TS1側の面に沿った辺81と、第1の内部電極層311,314それぞれの幅方向Wにおける第1の側面WS1側の端部を積層方向Tに繋いだ線である辺82とが交わる部位である。角部2Bは、辺81と、第1の内部電極層311,314それぞれの幅方向Wにおける第2の側面WS2側の端部を積層方向Tに繋いだ線である辺83とが交わる部位である。角部2Cは、第1の内部電極層314における第2の主面TS2側の面に沿った辺84と辺83とが交わる部位である。角部2Dは、辺84と辺82とが交わる部位である。
第2の領域90について説明する。図7Bは、仮想的な矢視図であって、積層セラミックコンデンサ1から外部電極40を除外した場合における、図5に示す積層体10の仮想的なVIIBの方向に沿って第2の端面LS2を見たときの矢視図である。本実施形態においては、複数の第2の内部電極層32として、第1の主面TS1側から順に、第2の内部電極層321,322,323,324が配置されている。複数の第2の内部電極層32の長さ方向Lにおける第2の端面LS2側の端部は、積層体10の第2の端面LS2に露出するように配置されている。ここで、図7Bに示すように、第2の端面LS2における、第2の端面LS2に露出する複数の第2の内部電極層32のうち最も第2の主面TS2側に位置する第2の内部電極層321と、第2の端面LS2に露出する複数の第2の内部電極層32のうち最も第2の主面TS2側に位置する第2の内部電極層324とに挟まれる領域を第2の領域90と呼んでいる。
空隙部70は、第2の領域90の角部2から内層部11と離れる方向に延出する。第2の領域90には、4つの角部2である角部2E~2Hが存在する。図7Bにおいて角部2Eは、第2の内部電極層321における第1の主面TS1側の面に沿った辺91と、第2の内部電極層321,324それぞれの幅方向Wにおける第2の側面WS2側の端部を積層方向Tに繋いだ線である辺92とが交わる部位である。角部2Fは、辺91と、第2の内部電極層321,324それぞれの幅方向Wにおける第1の側面WS1側の端部を積層方向Tに繋いだ線である辺93とが交わる部位である。角部2Gは、第2の内部電極層324における第2の主面TS2側の面に沿った辺94と辺93とが交わる部位である。角部2Hは、辺94と辺92とが交わる部位である。
空隙部70は、第1の領域80の角部2および第2の領域90の角部2のうち少なくとも1つの角部2から内層部11と離れる方向に延出する。言い換えれば、空隙部70は、第1の端面LS1における、第1の内部電極層311の幅方向Wの両端部および第1の内部電極層314の幅方向Wの両端部と、第2の端面LS2における、第2の内部電極層321の幅方向Wの両端部および第2の内部電極層324の幅方向Wの両端部とのうち少なくとも1つの端部から内層部11と離れる方向に延出する。
例えば空隙部70は、第1の領域80および第2の領域90のうち一方の領域のみの角部2から延出するように形成されてもよく、第1の領域80および第2の領域90の両方の領域の角部2から延出するように形成されてもよい。また例えば空隙部70は、第1の領域80および第2の領域90の8つの角部2のうち第1の端面LS1側の角部2A、角部2B、角部2E、角部2Fから延出するように形成されてもよく、第2の端面LS2側の角部2C、角部2D、角部2G、角部2Hから延出するように形成されてもよい。
本実施形態では、図7Aおよび図7Bに示すように、空隙部70は第1の領域80の角部2A~2Dのそれぞれと第2の領域90の角部2E~2Hのそれぞれから内層部11と離れる方向に延出するように形成される。言い換えれば、空隙部70は、第1の端面LS1における、第1の内部電極層311の幅方向Wの両端部と、第1の内部電極層314の幅方向Wの両端部のそれぞれから内層部11と離れる方向に延出する。また空隙部70は、第2の端面LS2における、第2の内部電極層321の幅方向Wの両端部と、第2の内部電極層324の幅方向Wの両端部のそれぞれから内層部11と離れる方向に延出する。
図7Aおよび図7Bに示すように、空隙部70は、該空隙部70が延出する角部2から該角部2に最も近い積層体10の角部Eに向かって延出することが好ましい。本実施形態では、例えば図7Aに示すように、角部2から延出する空隙部70は、角部2Bに最も近い角部Eである第1の端面LS1と第2の側面WS2と第1の主面TS1とが交わる部位に向かって延出する。また例えば図7Bに示すように、角部2Fから延出する空隙部70は、角部2Fに最も近い角部Eである第2の端面LS2と第1の側面WS1と第1の主面TS1とが交わる部位に向かって延出する。これにより、積層体10にかかる応力の集中を緩和し、空隙部70に沿ってクラックを伸展させることができる。
積層体10を第1の端面LS1側または第2の端面LS2側からみた場合の空隙部70の延出方向の長さ寸法d1は、例えば図7Aに示すように、空隙部70が延出する角部2Bから角部2Bに最も近い角部Eを結んだ直線距離d2の1/10以上1/2以下であることが好ましい。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度を確保しつつ、クラックが対向電極部11Eに到達することを防止できる。
また第1の端面LS1側または第2の端面LS2側からみた場合の長さ方向Lおよび空隙部70の延出方向に直交する方向の空隙部70の寸法d3は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度および耐湿信頼性を確保しつつ、クラックが対向電極部11Eに到達することを防止できる。
空隙部70は、図5および図6に示すように、第1の端面LS1または第2の端面LS2から長さ方向Lにおける電極対向部30A側に向かって延出する。図5に示すように、空隙部70は、引き出し電極部30Bに沿って形成される。
図8は、図5に示す積層セラミックコンデンサ1を第1の端面LS1と電極対向部30Aとの間に位置するVIII-VIII線に沿った断面図である。図9は、図5に示す積層セラミックコンデンサ1を第1の端面側外層部LG1と対向電極部11Eとの境界面に沿って延びるIX-IX線に沿った断面図である。図8に示す空隙部70の延出方向の長さ寸法d6は、図7Aに比べて短い。また図9に示すように、第1の端面LS1側の電極対向部30Aの端面に沿って切断した積層体10の断面には、空隙部70が存在しない。即ち、空隙部70は、引き出し電極部30Bの幅方向Wの端部に形成されているものの、電極対向部30Aには形成されていない。また空隙部70は、第1の端面LS1または第2の端面LS2から長さ方向Lにおける電極対向部30A側に向かうに従って内部電極層30の引き出し電極部30Bの幅方向Wにおける端部から内層部11と離れる方向に延出する長さ寸法d6が短くなるように形成される。
空隙部70の長さ方向Lの寸法d4は、例えば図5および図6に示すように空隙部70が形成される第1の端面LS1または第2の端面LS2から内部電極層30の電極対向部30Aまでの長さd5以下であることが好ましい。なお、寸法d4は、空隙部70における長さ方向Lに最も長い部位の寸法である。即ち、本実施形態では、空隙部70のうち内部電極層30に接する部位の長さ方向Lの寸法である。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度を確保しつつ、クラックが対向電極部11Eに到達することを防止できる。
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
誘電体層20用の誘電体シートおよび内部電極層30用の導電性ペーストが準備される。誘電体シートおよび内部電極用の導電性ペーストは、バインダおよび溶剤を含む。バインダおよび溶剤は、公知のものであってもよい。
誘電体シート上に、内部電極層30用の導電性ペーストが、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで印刷される。これにより、第1の内部電極層31のパターンが形成された誘電体シートおよび、第2の内部電極層32のパターンが形成された誘電体シートが準備される。
内部電極層のパターンが印刷されていない誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面TS1側の第1の主面側外層部12となる部分が形成される。その上に、第1の内部電極層31のパターンが印刷された誘電体シートおよび第2の内部電極層32のパターンが印刷された誘電体シートが順次積層されることにより、内層部11となる部分が形成される。この内層部11となる部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されていない誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面TS2側の第2の主面側外層部13となる部分を形成される。これにより、積層シートが作製される。このとき、第1の主面側外層部12となる部分および第2の主面側外層部13となる部分の誘電体シートにおいて、空隙部70を設けたい位置に焼成時に焼失する樹脂成分またはカーボンペーストが塗布される。この樹脂成分またはカーボンペーストが積層体10の焼成時に焼失することで空隙部70が形成される。
積層シートが静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされることにより、積層ブロックが作製される。
積層ブロックが所定のサイズにカットされることにより、積層チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みがつけられてもよい。
積層チップが焼成されることにより、積層体10が作製される。焼成温度は、誘電体層20や内部電極層30の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。なお、この積層体形成後に、積層体10の空隙部70を設けたい位置にレーザを照射することによって、空隙部70を設けることもできる。
積層体10の両端面に第1の下地電極層50Aや第2の下地電極層50Bなどの下地電極層となる導電性ペーストが塗布される。本実施形態においては、下地電極層は、焼き付け層である。ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストが、例えばディッピングなどの方法により、積層体10に塗布される。その後、焼き付け処理が行われ、下地電極層が形成される。この時の焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
なお、焼成前の積層チップと、積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼き付け層は、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。このとき、添加するセラミック材料として、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いることが特に好ましい。この場合は、焼成前の積層チップに対して、導電性ペーストが塗布され、積層チップと積層チップに塗布された導電性ペーストを同時に焼き付けられ、焼き付け層が形成された積層体10が形成される。
その後、下地電極層の表面に、めっき層が形成される。本実施形態においては、第1の下地電極層50Aの表面に、第1のめっき層60Aが形成される。また、第2の下地電極層50Bの表面に、第2のめっき層60Bが形成される。本実施形態では、めっき層として、Niめっき層およびSnめっき層が形成される。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。ただし、無電解めっきは、めっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となるため、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。Niめっき層およびSnめっき層は、例えばバレルめっきにより、順次形成される。
なお、下地電極層を薄膜層で形成する場合は、マスキングなどを行うことにより、外部電極を形成したい部分に下地電極層としての薄膜層が形成される。薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成される。薄膜層は、金属粒子が堆積された1.0μm以下の層である。
なお、下地電極層として導電性樹脂層を設ける場合、導電性樹脂層は、焼き付け層を覆うように配置されてもよいし、焼き付け層を設けずに積層体10上に直接配置されてもよい。導電性樹脂層を設ける場合は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストが焼き付け層上もしくは積層体10上に塗布され、その後、250~550℃以上の温度で熱処理される。これにより、熱硬化樹脂が熱硬化して、導電性樹脂層が形成される。この熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下であることが好ましい。
なお、下地電極層を設けずに、めっき層が積層体10の内部電極層30の露出部に直接配置されてもよい。この場合は、積層体10の第1の端面LS1および第2の端面LS2にめっき処理が施され、内部電極層30の露出部上にめっき層が形成される。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。ただし、無電解めっきは、めっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となるため、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを採用することが好ましい。また、必要に応じて、下層めっき層の表面に形成される上層めっき層を、下層めっき層と同様の工法により形成してもよい。
その後、下地電極層の表面、導電性樹脂層の表面もしくは下地めっき層の表面、上層めっき層の表面に、めっき層が形成される。本実施形態では焼き付け層上にNiめっき層およびSnめっき層が形成される。Niめっき層およびSnめっき層は、例えばバレルめっき方により、順次形成される。
このような製造工程により、積層セラミックコンデンサ1が製造される。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体層20と、誘電体層20上に積層された複数の内部電極層30と、を有するとともに、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、積層方向Tに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、積層方向Tおよび長さ方向Lに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、を有する積層体10と、内部電極層30に接続される外部電極40と、を有する積層セラミックコンデンサ1であって、積層体10は、積層方向Tにおいて、複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30から、複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30までを含み、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている内層部11と、第1の主面TS1と、複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20から形成される第1の主面側外層部12と、第2の主面TS2と、複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20から形成される第2の主面側外層部13と、を有し、第1の端面LS1における、第1の端面LS1に露出する複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30と複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30とに挟まれる領域を第1の領域80とし、第2の端面LS2における、第2の端面LS2に露出する複数の内部電極層30のうち最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30と複数の内部電極層30のうち最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30とに挟まれる領域を第2の領域90としたとき、第1の領域80の角部2および第2の領域90の角部2のうち少なくとも1つの角部2から内層部11と離れる方向に延出する空隙部70が存在する。これにより、実装後の基板のたわみや実装時のマウンターの衝撃等によって、積層セラミックコンデンサ1に応力が加わった場合であっても、隙間部70により応力の集中を緩和し、隙間部70に沿ってクラックを伸展させることができるため、対向電極部11Eにクラックが到達することを抑制できる。したがって、クラックが発生したとしてもコンデンサの特性を維持できる。また、補強層を設けないため、補強層を設けることによるコストアップの問題や補強層を設ける分、無効層を厚くすることによる容量減少の問題、有効層と補強層との間に生じる浮遊容量による容量の若干のズレの問題が生じない。よって、静電容量の低下を抑制しつつ、積層体10の容量形成部へのクラックの到達を防止できる。
(2)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の空隙部70は、空隙部70が延出する角部2から該角部2に最も近い積層体10の角部2に向かって延出する。これにより、より応力の集中を緩和し、隙間部70に沿ってクラックを伸展させることができるため、本開示の効果を顕著なものにすることができる。
(3)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の積層体10を第1の端面LS1側または第2の端面LS2側からみた場合の空隙部70の延出方向の長さ寸法d1は、空隙部70が延出する角部2から該角部2に最も近い積層体10の角部2を結んだ直線距離d2の1/10以上1/2以下である。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度を確保しつつも、本開示の効果を得ることができる。
(4)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の積層体10を第1の端面LS1側または第2の端面LS2側からみた場合の長さ方向Lおよび空隙部70の延出方向に直行する方向の空隙部70の寸法d3は、0.1μm以上1.0μm以下である。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度および耐湿信頼性を確保しつつも、本開示の効果を得ることができる。
(5)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30のそれぞれは、誘電体層20を介して積層方向Tに隣り合う内部電極層30と対向する電極対向部30Aと、電極対向部30Aから第1の端面LS1または第2の端面LS2に引き出される引き出し電極部30Bと、を有し、空隙部70の長さ方向Lの寸法d4は、該空隙部70が形成される第1の端面LS1または第2の端面LS2から電極対向部30Aまでの長さd5以下である。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度および信頼性を確保しつつも、本開示の効果を得ることができる。
(6)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の外部電極40は、第1の端面LS1上に配置される第1の外部電極40Aと、第2の端面LS2上に配置される第2の外部電極40Bと、を有する。これにより、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bでの実装が可能となり、コンデンサとして機能する。
(7)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30は、第1の端面LS1に引き出される複数の第1の内部電極層31と、第2の端面LS2に引き出される複数の第2の内部電極層32と、を有し、第1の外部電極40Aは、第1の内部電極層31に接続され、第2の外部電極40Bは、第2の内部電極層32に接続される。これにより、コンデンサとして機能する。
次に、第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。図10は、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外観斜視図である。図11は、図10に示す積層セラミックコンデンサ1を矢印XIの方向に沿って第1の側面WS1側を見たときの矢視図である。図12は、図11に示す積層セラミックコンデンサ100を矢印XIIの方向に沿って第1の主面TS1側を見たときの矢視図である。図13は、図12に示す積層セラミックコンデンサ1のXIII-XIII線に沿った断面図である。図14は、図13に示す積層セラミックコンデンサ1のXIV-XIV線に沿った断面図である。図15Aは、図13に示す積層セラミックコンデンサ1のXVA-XVA線に沿った断面図である。図15Bは、図13に示す積層セラミックコンデンサ1のXVB-XVB線に沿った断面図である。
第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、積層体10の内部の内部電極層30と、外部電極40の態様が、第1実施形態と異なる。
複数の内部電極層30は、第1の端面LS1および第2の端面LS2に引き出される複数の第1の内部電極層131と、第1の側面WS1および第2の側面WS2に引き出される複数の第2の内部電極層132とを有する。複数の第1の内部電極層131は、複数の誘電体層20上に配置されている。複数の第2の内部電極層132は、複数の誘電体層20上に配置されている。複数の第1の内部電極層131および複数の第2の内部電極層132は、積層体10の積層方向Tに誘電体層20を介して交互に配置されている。第1の内部電極層131および第2の内部電極層132は、誘電体層20を挟むようにして配置されている。
第1の内部電極層131は、図13および図15Aに示すように誘電体層20上に配置され、第1の端面LS1および第2の端面LS2に露出するように、第1の端面LS1から第2の端面LS2にわたって延びている。より具体的には、第1の内部電極層131は、第2の内部電極層132に対向する第1の電極対向部131Aと、第1の電極対向部131Aから第1の端面LS1に引き出される第1の引き出し電極部131Bと、第1の電極対向部131Aから第2の端面LS2に引き出される第2の引き出し電極部131Cと、を有している。第1の電極対向部131Aは、誘電体層20上の中央部に位置する。第1の引き出し電極部131Bは、第1の端面LS1に露出している。第2の引き出し電極部131Cは、第2の端面LS2に露出している。第1の内部電極層131は、第1の側面WS1および第2の側面WS2には露出していない。第1の内部電極層131の第1の電極対向部131Aの形状、第1の引き出し電極部131Bの形状、および第2の引き出し電極部131Cの形状は、特に限定されない。
第2の内部電極層132は、図14および図15Bに示すように誘電体層20上に配置され、第1の端面LS1および第2の端面LS2には露出せずに、第1の側面WS1および第2の側面WS2に露出するように配置されている。具体的には、第2の内部電極層132は、第1の側面WS1と第2の側面WS2との間にわたって延びている。より具体的には、第2の内部電極層132は、第1の内部電極層131に対向する第2の電極対向部132Aと、第2の電極対向部132Aから第1の側面WS1に引き出される第3の引き出し電極部132Bと、第2の電極対向部132Aから第2の側面WS2に引き出される第4の引き出し電極部132Cと、を有している。第2の電極対向部132Aは、誘電体層20上の中央部に位置する。第2の電極対向部132Aは、第1の端面LS1の方向および第2の端面LS2の方向に延びるように矩形状に形成されている。第3の引き出し電極部132Bは、第1の側面WS1に露出している。第4の引き出し電極部132Cは、第2の側面WS2に露出している。第2の内部電極層132は、第1の端面LS1および第2の端面LS2には露出していない。第2の内部電極層132の第2の電極対向部132Aの形状、第3の引き出し電極部132Bの形状、および第4の引き出し電極部132Cの形状は、特に限定されない。
本実施形態では、第1の電極対向部131Aと第2の電極対向部132Aが誘電体層20を介して対向することにより容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
外部電極40は、第1の外部電極40Aと、第2の外部電極40Bと、第3の外部電極40Cと、第4の外部電極40Dと、を有する。
第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上に配置され、第1の内部電極層131に接続される。より詳細には、第1の外部電極40Aは、第1の内部電極層131の第1の引き出し電極部131Bと接続される。本実施形態においては、第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上に配置され、第1の内部電極層131に接続される。より詳細には、第2の外部電極40Bは、第1の内部電極層131の第2の引き出し電極部131Cと接続される。本実施形態においては、第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第3の外部電極40Cは、第1の側面WS1上に配置され、第2の内部電極層132に接続される。より詳細には、第3の外部電極40Cは、第2の内部電極層132の第3の引き出し電極部132Bと接続される。本実施形態においては、第3の外部電極40Cは、第1の側面WS1から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にまで延びて配置される。
第4の外部電極40Dは、第2の側面WS2上に配置され、第2の内部電極層132に接続される。より詳細には、第4の外部電極40Dは、第2の内部電極層132の第4の引き出し電極部132Cと接続される。本実施形態においては、第4の外部電極40Dは、第2の側面WS2から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にまで延びて配置される。
なお、本実施形態の外部電極40の層構成として、例えば、第1実施形態の外部電極40と同様の各種の層構成を採用することができる。
例えば、第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1のめっき層60Aを備え、第1のめっき層60Aは、第1のNiめっき層61Aと、第1のSnめっき層62Aを備えていてもよい。第2の外部電極40Bは、第2の下地電極層50Bと、第2のめっき層60Bを備え、第2のめっき層60Bは、第2のNiめっき層61Bと、第2のSnめっき層62Bを備えていてもよい。第3の外部電極40Cは、第3の下地電極層50Cと、第3のめっき層60Cを備え、第3のめっき層60Cは、第3のNiめっき層61Cと、第3のSnめっき層62Cを備えていてもよい。第4の外部電極40Dは、第4の下地電極層50Dと、第4のめっき層60Dを備え、第4のめっき層60Dは、第4のNiめっき層61Dと、第4のSnめっき層62Dを備えていてもよい。第1の下地電極層50A、第2の下地電極層50B、第3の下地電極層50Cおよび第4の下地電極層50Dは、例えば焼き付け層であってもよい。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1には、第1実施形態の積層セラミックコンデンサ1に存在する空隙部70と同様の構成の空隙部70が存在する。
空隙部70は、第1の端面LS1における第1の領域(図示省略)および第2の端面LS2における第2の領域(図示省略)のうち少なくとも1つの角部(図示省略)から内層部11と離れる方向に延出する。
本実施形態では、第1の端面LS1における、複数の第1の内部電極層131のうち最も第1の主面TS1側に位置する第1の内部電極層131と、最も第2の主面TS2側に位置する第1の内部電極層131とに挟まれる領域を第1の領域と呼んでいる。第1の領域には、上述したように定義された4つの角部が存在する。また、第2の端面LS2における、複数の第1の内部電極層131のうち最も第1の主面TS1側に位置する第1の内部電極層131と、最も第2の主面TS2側に位置する第1の内部電極層131とに挟まれる領域を第2の領域と呼んでいる。第2の領域には、上述したように定義された4つの角部が存在する。
空隙部70は、第1の領域の角部および第2の領域の角部のうち少なくとも1つの角部から内層部11と離れる方向に延出する。本実施形態では、空隙部70は、第1の領域の角部のそれぞれと第2の領域の角部のそれぞれから内層部11に離れる方向に延出する。
また図13および図15Aに示すように、第1の端面LS1に形成される空隙部70は、第1の端面LS1から第1の電極対向部131A側に向かって引き出し電極部131Bに沿って延出する。図13~図15Aに示すように、空隙部70は、第1の端面LS1から第1の電極対向部131A側に向かうに従って、引き出し電極部131Bの幅方向Wにおける端部から内層部11と離れる方向に延出する長さ寸法が短くなるように形成される。
また図13および図15Aに示すように、第2の端面LS2に形成される空隙部70は、第2の端面LS2から第1の電極対向部131A側に向かって引き出し電極部131Cに沿って延出する。図13~図15Aに示すように、空隙部70は、第2の端面LS2から第1の電極対向部131A側に向かうに従って引き出し電極部131Cの幅方向Wにおける端部から内層部11と離れる方向に延出する長さ寸法が短くなるように形成される。
なお、本実施形態では、第3の引き出し電極部132Bや第4の引き出し電極部132Cから空隙部70が延出していないが、空隙部70が第2の引き出し電極部132Bおよび第4の引き出し電極部132Cから内層部11と離れる方向に延出する構成であってもよい。
次に、第2実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
まず、上述した第1実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法と同様の方法により、焼成され、空隙部70が設けられた積層体10を作製される。
焼成して得られた積層体10に第1の側面WS1上および第2の側面WS2上に第3の外部電極40Cの第3の下地電極層50C、第4の外部電極40Dの第4の下地電極層50Dが形成される。本実施形態においては、下地電極層は、焼き付け層である。ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストが積層体10に塗布される。その後、焼き付け処理が行われ、下地電極層が形成される。この時の焼き付け処理の温度は、700~900℃であることが好ましい。本実施形態では、下地電極層は焼き付け層で形成された。
ここで、焼き付け層の形成方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法を用いることができる。この工法の場合、導電性ペーストの押し出し量を多くすることで、第1の側面WS1上および第2の側面WS2上だけでなく、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にまで下地電極層を形成することができる。
また、ローラ転写法を用いて下地電極層を形成することもできる。ローラ転写法により、第1の側面WS1上および第2の側面WS2上だけでなく、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にまで下地電極層を形成する場合、ローラ転写の際の押し付け圧力を強くする。これにより、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にまで下地電極層を形成することが可能となる。
次に、焼成して得られた積層体10に第1の端面LS1上および第2の端面LS2上に第1の外部電極40Aの第1の下地電極層50A、第2の外部電極40Bの第2の下地電極層50Bが形成される。本実施形態においては、下地電極層は、焼き付け層である。ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストが積層体10に塗布される。その後、焼き付け処理が行われ、下地電極層が形成される。この時の焼き付け処理の温度は、700~900℃であることが好ましい。
本実施形態では、ディップ法を用いて第1の端面LS1、第2の端面LS2だけでなく、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びるように形成した。
なお、焼き付け処理に関しては、第3の外部電極の下地電極層、第4の外部電極の下地電極層、第1の外部電極の下地電極層、第2の外部電極の下地電極層を同時に焼き付けてもよいし、側面側と端面側とでそれぞれで焼き付けてもよい。
なお、下地電極層として導電性樹脂層を設ける場合、導電性樹脂層は、焼付け層の表面に形成されてもよく、焼付け層を形成せずに導電性樹脂層を単体で積層体上に直接形成されてもよい。導電性樹脂層を設ける場合は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼き付け層上もしくは積層体上に塗布され、250~550℃以上の温度で熱処理される。これにより、熱硬化樹脂が熱硬化され、導電性樹脂層が形成される。この時の熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下であることが好ましい。なお、導電性樹脂ペーストの塗布方法として、下地電極層を焼き付け層で形成する方法と同様、例えば、導電性ペーストをスリットから押し出して塗布する工法やローラ転写法を用いて形成することができる。
また、下地電極層を薄膜層で形成する場合は、マスキングなどを行うことにより、積層体の外部電極を形成したい部分に薄膜層が形成される。薄膜層は、スパッタリング法または蒸着法などの薄膜形成法により形成することができる。薄膜層で形成された下地電極層は金属粒子が堆積された1μm以下の層とする。
その後、下地電極層の表面に、めっき層が形成される。なお、めっき層は、下地電極層の表面に形成されてもよく、積層体上に直接形成されてもよい。本実施形態においては、めっき層は、下地電極層の表面に形成される。より詳細には、下地電極層上に、Niめっき層(下層めっき層)およびSnめっき層が形成される。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。但し、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、上記(1)~(7)に加えて、以下の効果を奏する。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30は、第1の端面LS1および第2の端面LS2に引き出される複数の第1の内部電極層131と、第1の側面WS1および第2の側面WS2に引き出される複数の第2の内部電極層132と、を有し、外部電極40は、第1の端面LS1上に配置され、第1の内部電極層131に接続される第1の外部電極40Aと、第2の端面LS2上に配置され、第1の内部電極層131に接続される第2の外部電極40Bと、第1の側面WS1上に配置され、第2の内部電極層132に接続される第3の外部電極40Cと、第2の側面WS2上に配置され、第2の内部電極層132に接続される第4の外部電極40Dと、を有する。これにより、ESLを小さくすることができ、高周波特性に優れたノイズ対策部品として好適に用いることができる。
本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、上記実施形態において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の積層セラミックコンデンサ1は下記のように記載することもできる。
<1>
積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層と、を有するとともに、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記積層方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、を有する積層体と、
前記内部電極層に接続される外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、
前記積層体は、
前記積層方向において、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層から、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層までを含み、前記複数の内部電極層が誘電体層を介して対向して配置されている内層部と、
前記第1の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
前記第2の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、を有し、
前記第1の端面における、該第1の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第1の領域とし、
前記第2の端面における、該第2の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第2の領域としたとき、
前記第1の領域の角部および前記第2の領域の角部のうち少なくとも1つの角部から前記内層部と離れる方向に延出する空隙部が存在する、積層セラミックコンデンサ。
<2>
前記空隙部は、該空隙部が延出する角部から該角部に最も近い前記積層体の角部に向かって延出する、<1>に記載の積層セラミックコンデンサ。
<3>
前記積層体を前記第1の端面側または前記第2の端面側からみた場合の前記空隙部の延出方向の長さ寸法は、前記空隙部が延出する角部から該角部に最も近い前記積層体の角部を結んだ直線距離の1/10以上1/2以下である、<2>に記載の積層セラミックコンデンサ。
<4>
前記積層体を前記第1の端面側または前記第2の端面側からみた場合の前記長さ方向および前記空隙部の延出方向に直行する方向の前記空隙部の寸法は、0.1μm以上1.0μm以下である、<1>から<3>のいずれか1つに記載の積層セラミックコンデンサ。
<5>
前記複数の内部電極層のそれぞれは、誘電体層を介して前記積層方向に隣り合う他の内部電極層と対向する電極対向部と、前記電極対向部から前記第1の端面または前記第2の端面に引き出される引き出し電極部と、を有し、
前記空隙部の前記長さ方向の寸法は、該空隙部が形成される前記第1の端面または前記第2の端面から前記電極対向部までの長さ以下である、<1>から<4>のいずれか1つに記載の積層セラミックコンデンサ。
<6>
前記外部電極は、前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を有する、<1>から<5>のいずれか1つに記載の積層セラミックコンデンサ。
<7>
複数の内部電極層は、前記第1の端面に引き出される複数の第1の内部電極層と、前記第2の端面に引き出される複数の第2の内部電極層と、を有し、
前記第1の外部電極は、前記第1の内部電極層に接続され、
前記第2の外部電極は、前記第2の内部電極層に接続される、<6>に記載の積層セラミックコンデンサ。
<8>
前記複数の内部電極層は、前記第1の端面および前記第2の端面に引き出される複数の第1の内部電極層と、前記第1の側面および前記第2の側面に引き出される複数の第2の内部電極層と、を有し、
前記外部電極は、前記第1の端面上に配置され、前記第1の内部電極層に接続される第1の外部電極と、前記第2の端面上に配置され、前記第1の内部電極層に接続される第2の外部電極と、前記第1の側面上に配置され、前記第2の内部電極層に接続される第3の外部電極と、前記第2の側面上に配置され、前記第2の内部電極層に接続される第4の外部電極と、を有する<1>から<4>のいずれか1つに記載の積層セラミックコンデンサ。
1 積層セラミックコンデンサ
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H 角部
10 積層体
11 内層部
12 第1の主面側外層部
13 第2の主面側外層部
20 誘電体層
30 内部電極層
40 外部電極
70 空隙部
80 第1の領域
90 第2の領域
L 長さ方向
LS1 第1の端面
LS2 第2の端面
T 積層方向
TS1 第1の主面
TS2 第2の主面
W 幅方向
WS1 第1の側面
WS2 第2の側面

Claims (8)

  1. 積層された複数の誘電体層と、前記誘電体層上に積層された複数の内部電極層と、を有するとともに、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記積層方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記積層方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、を有する積層体と、
    前記内部電極層に接続される外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体は、
    前記積層方向において、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層から、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層までを含み、前記複数の内部電極層が誘電体層を介して対向して配置されている内層部と、
    前記第1の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面と、前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、を有し、
    前記第1の端面における、該第1の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第1の領域とし、
    前記第2の端面における、該第2の端面に露出する複数の内部電極層のうち最も第1の主面側に位置する内部電極層と前記複数の内部電極層のうち最も第2の主面側に位置する内部電極層とに挟まれる領域を第2の領域としたとき、
    前記第1の領域の角部および前記第2の領域の角部のうち少なくとも1つの角部から前記内層部と離れる方向に延出する空隙部が存在する、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記空隙部は、該空隙部が延出する角部から該角部に最も近い前記積層体の角部に向かって延出する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記積層体を前記第1の端面側または前記第2の端面側からみた場合の前記空隙部の延出方向の長さ寸法は、前記空隙部が延出する角部から該角部に最も近い前記積層体の角部を結んだ直線距離の1/10以上1/2以下である、請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記積層体を前記第1の端面側または前記第2の端面側からみた場合の前記長さ方向および前記空隙部の延出方向に直行する方向の前記空隙部の寸法は、0.1μm以上1.0μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記複数の内部電極層のそれぞれは、誘電体層を介して前記積層方向に隣り合う他の内部電極層と対向する電極対向部と、前記電極対向部から前記第1の端面または前記第2の端面に引き出される引き出し電極部と、を有し、
    前記空隙部の前記長さ方向の寸法は、該空隙部が形成される前記第1の端面または前記第2の端面から前記電極対向部までの長さ以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記外部電極は、前記第1の端面上に配置される第1の外部電極と、前記第2の端面上に配置される第2の外部電極と、を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 複数の内部電極層は、前記第1の端面に引き出される複数の第1の内部電極層と、前記第2の端面に引き出される複数の第2の内部電極層と、を有し、
    前記第1の外部電極は、前記第1の内部電極層に接続され、
    前記第2の外部電極は、前記第2の内部電極層に接続される、請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記複数の内部電極層は、前記第1の端面および前記第2の端面に引き出される複数の第1の内部電極層と、前記第1の側面および前記第2の側面に引き出される複数の第2の内部電極層と、を有し、
    前記外部電極は、前記第1の端面上に配置され、前記第1の内部電極層に接続される第1の外部電極と、前記第2の端面上に配置され、前記第1の内部電極層に接続される第2の外部電極と、前記第1の側面上に配置され、前記第2の内部電極層に接続される第3の外部電極と、前記第2の側面上に配置され、前記第2の内部電極層に接続される第4の外部電極と、を有する請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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