JP2022077451A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

Figure 2022077451000001
【課題】積層体の端面をバレル研磨することなく、積層セラミックコンデンサ内部電極層と外部電極との接続を十分に確保しうる積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】本発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層体と、積層体の両端面に第1及び第2の外部電極とを備える。積層体内には、第1の内部電極層と第2の内部電極層とが配置される。第1の内部電極層の第1の端面側の領域から第1の端面に向かって第1の内部電極層が形成されていない第1の領域を有し、第2の内部電極層の第1の端面側の領域から第1の端面に向かって第2の内部電極層が形成されていない第2の領域を有する。第1の外部電極は、第1の領域内に第1の延長部と、第1の延長部と第1の内部電極層との間に第1の相互拡散部とを有し、第2の外部電極は、第2の領域内に第2の延長部と、第2の延長部と第2の内部電極層との間に第2の相互拡散部とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
一般に、積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムなどの誘電体セラミックスからなるセラミック焼結体(積層体)を用いて構成され、セラミック焼結体の内部には、セラミック層を介して重なり合うように複数の内部電極が形成されている。また、セラミック焼結体の一方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成され、他方端面上には、内部電極に電気的に接続されるように外部電極が形成されている(たとえば、特許文献1を参照)。
ここで、上記の積層セラミックコンデンサを製造する過程において、内部電極を有するチタン酸バリウムなどの誘電体セラミックスからなるセラミック焼結体を焼結する際に、内部電極の収縮率と誘電体の収縮率の差により、内部電極がセラミック焼結体の端面から露出せずに、セラミック焼結体の表面からセラミック焼結体の内部に内部電極が後退した状態となってしまう場合がある。この場合、内部電極と外部電極との接続性が十分に確保できず、積層セラミックコンデンサの信頼性を十分に確保できない場合がある。
特開平8-306580号公報 特開平7-235442号公報
そこで、特許文献2に記載されているように、セラミック素体の端面をバレルなどで研磨する工程を用いて、内部電極をセラミック素体(積層体)の端面から露出させる技術が開示さている。これにより、仮に内部電極がセラミック素体の端面から露出せずに、セラミック素体の表面からセラミック素体の内部に内部電極が後退した状態となってしまう場合であっても、内部電極と外部電極との接続を確保することが可能となる。
しかしながら、特許文献2の技術を用いることでバレル研磨が必要となるためコスト増に繋がるだけでなく、バレル工程では、内部電極と誘電体層のバレル研磨状態にバラツキが生じることがあるため、外部電極との接続性が不安定になることがあった。
また、バレル研磨処理時にセラミック素体にクラックやカケが発生する場合があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、積層体の端面をバレル研磨することなく、積層セラミックコンデンサ内部電極層と外部電極との接続を十分に確保しうる積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層を含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、複数の誘電体層上に配置され、積層体内部に位置する第1の内部電極層と、複数の誘電体層上に配置され、積層体内部に位置する第2の内部電極層と、第1の端面上から第1の主面および第2の主面、ならびに第1の側面および第2の側面の一部に配置される第1の外部電極と、第2の端面上から第1の主面および第2の主面、ならびに第1の側面および第2の側面の一部に配置される第2の外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサであって、積層体は、第1の内部電極層の第1の端面側の端部の領域から第1の端面に向かって、第1の内部電極層が形成されていない第1の領域を有し、積層体は、第2の内部電極層の第2の端面側の端部の領域から第2の端面に向かって、第2の内部電極層が形成されていない第2の領域を有し、第1の外部電極は、第1の外部電極の金属が第1の領域内に入り込む第1の延長部を有しており、第1の延長部と第1の内部電極層の第1の端面側の端部との間において、第1の内部電極層の金属と第1の外部電極の金属とが相互に拡散する第1の相互拡散部をさらに有し、第2の外部電極は、第2の外部電極の金属が第2の領域内に入り込む第2の延長部を有しており、第2の延長部と第2の内部電極層の第2の端面側の端部との間において、第2の内部電極層の金属と第2の外部電極の金属とが相互に拡散する第2の相互拡散部をさらに有する、積層セラミックコンデンサである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサによれば、第1の外部電極は、第1の外部電極の金属が第1の領域内に入り込む第1の延長部を有しており、第1の延長部と第1の内部電極層の第1の端面側の端部との間において、第1の内部電極層の金属と第1の外部電極の金属とが相互に拡散する第1の相互拡散部を有し、第2の外部電極は、第2の外部電極の金属が第2の領域内に入り込む第2の延長部を有しており、第2の延長部と第2の内部電極層の第2の端面側の端部との間において、第2の内部電極層の金属と第2の外部電極の金属とが相互に拡散する第2の相互拡散部をさらに有するので、第1の内部電極層と第1の外部電極および第2の内部電極層と第2の外部電極との接続性を十分に確保することが可能となるだけでなく、通常、接合強度が弱くなるはずの第1の内部電極層と第1の外部電極との間および第2の内部電極層と第2の外部電極との間において強度を確保できるため、積層セラミックコンデンサを基板に実装した際に生じる基板曲げなどの応力に対して、従来の積層セラミックコンデンサよりも強度を向上させることができる。
この発明によれば、積層体の端面をバレル研磨することなく、積層セラミックコンデンサ内部電極層と外部電極との接続を十分に確保しうる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 図1の線II-IIにおける断面図である。 図1の線III-IIIにおける断面図である。 図2における外部電極およびその近傍の拡大図である。 図2の線V-Vにおける断面図である。 図2における線VI-VIにおける断面図である。 (a)~(c)は、この発明の実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法における工程を模式的に示した模式断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II-IIにおける断面図であり、図3は、図1の線III-IIIにおける断面図である。図4は、図2における外部電極およびその近傍の拡大図である。図5は、図2の線V-Vにおける断面図であり、図6は、図2における線VI-VIにおける断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12および外部電極24を含む。
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、高さ方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。さらに、積層体12の長さ方向zの寸法は、幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
誘電体層14の枚数は、外層も含み、100枚以上1500枚以下であることが好ましい。
積層体12は、第1の主面12aと第2の主面12bとを結ぶ積層方向において、内部電極層16同士が対向する有効層部15aと、最も第1の主面12aに近い内部電極層16と第1の主面12aとの間に位置する第1の外層部15bと、最も第2の主面12bに近い内部電極層16と第2の主面12bとの間に位置する第2の外層部15cと、を有する。
第1の外層部15bは、積層体12の第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数枚の誘電体層14の集合体である。
第2の外層部15cは、積層体12の第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数枚の誘電体層14の集合体である。
第1の外層部15bと第2の外層部15cに挟まれた領域が有効層部15aである。
積層体12の寸法は、特に限定されない。
誘電体層14は、たとえば、セラミック材料として、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
焼成後の誘電体層14の厚みは、0.3μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
積層体12は、図2および図3に示すように、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の積層方向に沿って誘電体層14を介して等間隔に交互に配置されるように埋設されている。第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bは、実装面に対して平行になるように配置されていてもよく、垂直になるように配置されていてもよい。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部18aを有する。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bを有する。
積層体12において、第1の内部電極層16aの第1の端面12e側の端部の領域から第1の端面12eに向かって、第1の内部電極層16aが形成されていない第1の領域20aが配置される。
積層体12において、第2の内部電極層16bの第2の端面12f側の端部の領域から第2の端面12fに向かって、第2の内部電極層16bが形成されていない第2の領域20bが配置される。
第1の領域20aの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さA1は、第1の内部電極層16aの厚みt1以上である。また、第1の領域20aの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さA1は、第1の端面12e上に配置される外部電極24の最表面から第1の主面12aに設けられる外部電極24の先端までの長さe11または第1の端面12e上に配置される外部電極24の最表面から第2の主面12bに設けられる外部電極24の先端までの長さe12との関係では、e11≧A1およびe12≧A1であることが好ましい。
第2の領域20bの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さA2は、第2の内部電極層16bの厚みt2以上である。また、第2の領域20bの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さA2は、第2の端面12f上に配置される外部電極24の最表面から第1の主面12aに設けられる外部電極24の先端までの長さe21または第2の端面12f上に配置される外部電極24の最表面から第2の主面12bに設けられる外部電極24の先端までの長さe22との関係では、e21≧A2およびe22≧A2であることが好ましい。
第1の領域20aおよび第2の領域20bにおける第1の主面12aと第2の主面12bとを結ぶ方向における幅は、内部電極層16の厚みの大きさと同等である。
第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、コーナー部が丸められていたり、コーナー部が斜めに(テーパー状)形成されていたりしてもよい。また、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bの形状は、第1の端面12e側に向かうにつれて、あるいは、第2の端面12f側に向かうにつれて、傾斜がついているテーパー状であってもよい。
積層体12は、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(Wギャップ)22aを含む。さらに、積層体12は、第1の内部電極層16aの形成されていない第1の領域20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの形成されていない第2の領域20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(Lギャップ)22bを含む。
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag-Pd合金などの、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料を含有している。内部電極層16は、さらに、誘電体層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.1μm以上3.0μm以下であることが好ましい。また、内部電極層16の枚数は、100枚以上1400枚以下であることが好ましい。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aに接続され、第1の端面12eの表面に配置されている。また、第1の外部電極24aは、第1の端面12eから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。
第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bに接続され、第2の端面12fの表面に配置されている。また、第2の外部電極24bは、第2の端面12fから延伸して第1の主面12aの一部および第2の主面12bの一部、ならびに第1の側面12cの一部および第2の側面12dの一部にも配置される。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極部18bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極24aは、第1の外部電極24aの金属が第1の領域20a内に入り込むことで配置される第1の延長部26aを有する。第1の領域20a内において、第1の延長部26aと第1の内部電極層16aの第1の端面12e側の端部との間において、第1の相互拡散部28aを有する。第1の相互拡散部28aは、第1の内部電極層16aの金属と第1の外部電極24aの金属とが相互に拡散することにより形成された部分である。
第2の外部電極24bは、第2の外部電極24bの金属が第2の領域20b内に入り込むことで配置される第2の延長部26bを有する。第2の領域20b内において、第2の延長部26bと第2の内部電極層16bの第2の端面12f側の端部との間において、第2の相互拡散部28bを有する。第2の相互拡散部28bは、第2の内部電極層16bの金属と第2の外部電極24bの金属とが相互に拡散することにより形成された部分である。
第1の延長部26aは、第1の内部電極層16aの第1の端面12e側の端部から第1の端面12eに向かって第1の内部電極層16aが形成されていない第1の領域20a内に配置される第1の外部電極24aの一部である。従って、第1の延長部26aは、第1の領域20a内に第1の外部電極24aの金属が入り込んでいる部分である。
第2の延長部26bは、第2の内部電極層16bの第2の端面12f側の端部から第2の端面12fに向かって第2の内部電極層16bが形成されていない第2の領域20b内に配置される第2の外部電極24bの一部である。従って、第2の延長部26bは、第2の領域20b内に第2の外部電極24bの金属が入り込んでいる部分である。
第1の延長部26aを有することにより、積層セラミックコンデンサ10を基板に実装した際に生じる基板曲げなどの応力に対して、従来の積層セラミックコンデンサよりも強度を向上させることができる。これは、第1の外部電極24aの金属が第1の領域20a内に入り込んで第1の延長部26aを配置させるアンカー効果により積層体12に対する第1の外部電極24aの剥離を防止でき、さらに、第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aとの接続性が十分に確保することができ、通常、接合強度が弱くなるはずの第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aとの間における接合硬度を確保できるためである。
また、第2の延長部26bを有することにより、積層セラミックコンデンサ10を基板に実装した際に生じる基板曲げなどの応力に対して、従来の積層セラミックコンデンサよりも強度を向上させることができる。これは、第2の外部電極24bの金属が第2の領域20b内に入り込んで第2の延長部26bを配置させるアンカー効果により積層体12に対する第2の外部電極24bの剥離を防止でき、さらに、第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bとの接続性が十分に確保することができ、通常、接合強度が弱くなるはずの第1の内部電極層16aと第2の外部電極24bとの間における接合硬度を確保できるためである。
第1の延長部26aの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さl1は、第1の内部電極層16aの厚みt1以上であり、第1の端面12e上に配置される第1の外部電極24aの最表面から第1の主面12aに設けられる第1の外部電極24aの先端までの長さe11または第1の端面12e上に配置される第1の外部電極24aの最表面から第2の主面12bに設けられる第1の外部電極24aの先端までの長さe12以下であることが好ましい。すなわち、t1<l1<e11、t1<l1<e12であることが好ましい。これにより、第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aとの接続性より強化することができる。
より具体的には、第1の延長部26aの長さl1は、第1の内部電極層16aの厚みt1に対して100%以上2000%以下であることが好ましい。
第1の内部電極層16aの厚みt1、第1の延長部26aの長さl1、第1の端面12e上に配置される第1の外部電極24aの最表面から第1の主面12aに設けられる第1の外部電極24aの先端までの長さe11または第1の端面12e上に配置される第1の外部電極24aの最表面から第2の主面12bに設けられる第1の外部電極24aの先端までの長さe12のそれぞれの長さは、積層セラミックコンデンサ10の第1の側面12cまたは第2の側面12dとほぼ平行になるように積層セラミックコンデンサ10の1/2W寸法位置となるまで研磨を行い露出し、その後、その露出された研磨面(LT面)において、マイクロスコープを用いて、測定される。
第2の延長部26bの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さl2は、第2の内部電極層16bの厚みt2以上であり、第2の端面12f上に配置される第2の外部電極24bの最表面から第1の主面12aに設けられる第2の外部電極24bの先端までの長さe21または第2の端面12f上に配置される第2の外部電極24bの最表面から第2の主面12bに設けられる第2の外部電極24bの先端までの長さe22以下であることが好ましい。すなわち、t2<l2<e21、t2<l2<e22であることが好ましい。これにより、第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bとの接続性より強化することができる。
より具体的には、第2の延長部26bの長さl2は、第2の内部電極層16bの厚みt2に対して100%以上2000%以下であることが好ましい。
第2の内部電極層16bの厚みt2、第2の延長部26bの長さl2、第2の端面12f上に配置される第2の外部電極24bの最表面から第1の主面12aに設けられる第2の外部電極24bの先端までの長さe21または第2の端面12f上に配置される第2の外部電極24bの最表面から第2の主面12bに設けられる第2の外部電極24bの先端までの長さe22のそれぞれの長さは、積層セラミックコンデンサ10の第1の側面12cまたは第2の側面12dとほぼ平行になるように積層セラミックコンデンサ10の1/2W寸法位置となるまで研磨を行い露出し、その後、その露出された研磨面(LT面)において、マイクロスコープを用いて、測定される。
第1の延長部26aおよび第2の延長部26bは、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。第1の延長部26aおよび第2の延長部26bは、ガラス成分を含んでいてもよい。ガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
第1の延長部26aおよび第2の延長部26bに含まれるガラス成分の含有量は、10体積%以下であることが好ましい。
第1の相互拡散部28aは、第1の延長部26aと第1の内部電極層16aの第1の端面12e側の端部との間において、第1の内部電極層16aの金属と第1の外部電極24aの金属とが相互に拡散することにより形成された部分である。
第2の相互拡散部28bは、第2の延長部26bと第2の内部電極層16bの第2の端面12f側の端部との間において、第2の内部電極層16bの金属と第2の外部電極24bの金属とが相互に拡散することにより形成された部分である。
第1の相互拡散部28aを有することにより、バレル工程を必要とせず、外部電極ペースト中の微粒金属粒子が焼成によって第1の内部電極層16aに到達し、第1の内部電極層16aの金属と第1の外部電極24aの金属とが相互拡散しつつ、第1の内部電極層16aが形成されていない第1の領域20a内に第1の外部電極24aの金属が入り込むため、第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aとの接続性を十分に確保することが可能となる。
また、第2の相互拡散部28bを有することにより、バレル工程を必要とせず、外部電極ペースト中の微粒金属粒子が焼成によって第2の内部電極層16bに到達し、第2の内部電極層16bの金属と第2の外部電極24bの金属とが相互拡散しつつ、第2の内部電極層16bが形成されていない第2の領域20b内に第2の外部電極24bの金属が入り込むため、第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bとの接続性を十分に確保することが可能となる。
第1の相互拡散部28aの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さm1は、第1の内部電極層16aの厚みt1以上であることが好ましい。より具体的には、第1の相互拡散部28aの長さm1は、第1の内部電極層16aの厚みt1に対して、100%以上1000%以下であることが好ましい。
第2の相互拡散部28bの第1の端面12eと第2の端面12fとを結ぶ方向の長さm2は、第2の内部電極層16bの厚みt2以上であることが好ましい。より具体的には、第2の相互拡散部28bの長さm2は、第2の内部電極層16bの厚みt2に対して、100%以上1000%以下であることが好ましい。
第1の相互拡散部28aおよび第2の相互拡散部28bの金属は、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等を含む。第1の相互拡散部28aおよび第2の相互拡散部28bはガラス成分を含んでいてもよい。ガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
第1の相互拡散部28aおよび第2の相互拡散部28bは、WDXやEDXなどの組成分析により内部電極層16の金属(たとえば、Niなど)と外部電極24の金属(たとえば、Cuなど)の存在分布において、CuとNiの元素が同一の領域に存在している部分を相互拡散部とし、当該領域が積層体12の両端面12e、12fからどれだけ入り込んでいるかにより検出することができる。なお、相互拡散部におけるCuとNiの元素の両元素は、多量側の元素と少量側の元素との比は、9:1~1:9である。
外部電極24は、金属成分及びガラス成分を含む下地電極層30と、下地電極層30の表面に形成されるめっき層32とを含む。
下地電極層30は、第1の下地電極層30aおよび第2の下地電極層30bを有する。
第1の下地電極層30aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
第2の下地電極層30bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
なお、第1の下地電極層30aは、積層体12の第1の端面12eの表面のみに配置されてもよいし、第2の下地電極層30bは、積層体12の第2の端面12fの表面にのみ配置されてもよい。
次に、下地電極層30は焼付け層からなる。
焼付け層は、ガラス成分と金属成分とを含む。焼付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層の金属成分としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラス成分及び金属成分を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼付けたものであり、焼成前の内部電極層16及び誘電体層14を有する積層チップ焼成して積層体12を得た後に、積層体12に導電性ペーストを塗布して焼付けられる。焼付け層に含まれるガラス成分の含有量は、10体積%以下であることが好ましい。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する第1および第2の下地電極層30a、30bの高さ方向xの中央部における第1および第2の焼付け層の厚みは、例えば、15μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に下地電極層30を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d上に位置する第1および第2の下地電極層30a、30bである長さ方向zの中央部における第1および第2の焼付け層の厚みは、例えば、5μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
なお、焼付け層として形成された下地電極層30の表面に導電性樹脂層が形成されてもよい。
導電性樹脂層は、焼付け層の表面に焼付け層を覆うように配置される。導電性樹脂層は、下地電極層30を完全に覆っていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。また、導電性樹脂層は、複数層であってもよい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、めっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサへのクラックを防止することができる。
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、またはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCuやNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。特に、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgの導電性金属粉を用いることは、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いため、好ましい。なお、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgコーティングされた金属を用いることは、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるため、好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、たとえば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
導電性樹脂層の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
第1の端面12eおよび第2の端面12fに位置する下地電極層30の高さ方向xの中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、たとえば、10μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層30を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する下地電極層30である長さ方向zの中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、3μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
めっき層32は、第1のめっき層32aと、第2のめっき層32bとを有している。
続いて、下地電極層30の上に配され得るめっき層32である第1のめっき層32a及び第2のめっき層32bについて、図2及び図3を参照して説明する。
第1のめっき層32a及び第2のめっき層32bとしては、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1のめっき層32aは、第1の下地電極層30aを覆うように配置されている。
第2のめっき層32bは、第2の下地電極層30bを覆うように配置されている。
めっき層32は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層32は、Niめっき層とNiめっき層の表面に形成されるSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層30の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田によって下地電極層30が侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層32の一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極4bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zのL寸法が0.2mm以上10.0mm以下、幅方向yのW寸法が0.1mm以上10.0mm以下、高さ方向xのT寸法が0.1mm以上10.0mm以下である。なお、長さ方向zのL寸法は、幅方向yのW寸法よりも必ずしも長いとは限らない。また、積層セラミックコンデンサ10の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、第1の外部電極24aは、第1の外部電極24aの金属が第1の領域20a内に入り込む第1の延長部26aを有しており、第1の延長部26aと第1の内部電極層16aの第1の端面12e側の端部との間において、第1の内部電極層16aの金属と第1の外部電極24aの金属とが相互に拡散する第1の相互拡散部28aを有し、第2の外部電極24bは、第2の外部電極24bの金属が第2の領域20b内に入り込む第2の延長部26bを有しており、第2の延長部26bと第2の内部電極層16bの第2の端面12f側の端部との間において、第2の内部電極層16bの金属と第2の外部電極24bの金属とが相互に拡散する第2の相互拡散部28bをさらに有するので、第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aおよび第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bとの接続性を十分に確保することが可能となるだけでなく、通常、接合強度が弱くなるはずの第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aとの間および第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bとの間において強度を確保できるため、積層セラミックコンデンサ10を基板に実装した際に生じる基板曲げなどの応力に対して、従来の積層セラミックコンデンサよりも強度を向上させることができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
誘電体グリーンシートおよび内部電極層を形成するための内部電極用導電性ペーストが準備される。なお、誘電体グリーンシートおよび内部電極用導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
そして、誘電体グリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法により、所定のパターンで内部電極用導電性ペーストが印刷され、内部電極パターンが形成される。
この際、第1の内部電極層の第1の端面側の端部の領域から第1の端面に向かって第1の内部電極層が形成されていない第1の領域と、第2の内部電極層の第2の端面側の端部の領域から第2の端面に向かって第2の内部電極層が形成されていない第2の領域を形成する方法としては、印刷版のパターンを変更して、第1の領域と第2の領域とを形成した部分の内部電極用の導電性ペーストが濡れ広がりを制御する。この時、内部電極用の導電性ペーストが濡れ広がった部分には、内部電極用の導電性ペースト中の金属成分が少ない状態となるようにする。
なお、第1の領域と第2の領域の第1の端面と第2の端面とを結ぶ方向の長さは、内部電極用の導電性ペーストの粘度を適宜変更することで制御することができる。より具体的には、内部電極用の導電性ペースト中の樹脂成分の種類と、内部電極用の導電性ペースト中の金属粉の大きさ(粒径)と、金属粉をペースト中に含有させる割合を変更することで、内部電極用の導電性ペーストの粘度を制御する。
次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用誘電体グリーンシートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが印刷された誘電体グリーンシートが順次積層され、その上に、外層用誘電体グリーンシートが所定枚数積層され、積層体シートが作製される。
続いて、この積層体シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされて、積層体ブロックを作製する。
その後、積層体ブロックが所定の形状寸法に切断され、生の積層体チップが切り出される。続いて、切り出された生の積層体チップが焼成され、積層体が作製される。なお、生の積層体チップの焼成温度は、誘電体や内部電極用導電性ペーストの材料に依存するが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
このとき、図7(a)に示すように、焼成を行うことによって、内部電極用の導電性ペーストが濡れ広がった部分の内部電極用の導電性ペーストが収縮することにより、第1の内部電極層の第1の端面側の端部の領域から第1の端面に向かって、第1の内部電極層が形成されていない第1の領域が形成され、第2の内部電極層の第2の端面側の端部の領域から第2の端面に向かって、第2の内部電極層が形成されていない第2の領域が形成される。
続いて、積層体12に外部電極24が形成される。
まず、下地電極層30が形成される。
積層体の両端面に外部電極用の導電性ペーストが塗布される。ガラス成分と金属とを含む外部電極用の導電性ペーストは、たとえば、ディッピングなどの方法により行われる。
このとき、図7(b)に示すように、第1の領域20a内に外部電極用の導電性ペーストが入り込み、第2の領域20b内に外部電極用の導電性ペーストが入り込む。
続いて、積層体の両端面に外部電極用の導電性ペーストが塗布された状態で焼付けられ、外部電極の下地電極層30として焼付け層が形成される。焼付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
この外部電極用の導電性ペーストを焼き付ける熱処理の際に、図7(c)に示すように、第1の領域20a内において、第1の内部電極層16aと第1の領域20a内に入り込んでいる導電性ペーストに含有される金属との間で、それぞれの金属がお互いに合金化されることで第1の相互拡散部28aが形成される。同様に、第2の領域20b内において、第2の内部電極層16bと第2の領域20b内に入り込んでいる導電性ペーストに含有される金属との間で、それぞれの金属がお互いに合金化されることで第2の相互拡散部28bが形成される。
このように、異種金属が合金により接合されるため、第1の相互拡散部28aを介して第1の内部電極層16aと第1の外部電極24aの第1の延長部26aとの接合強度が向上し、第2の相互拡散部28bを介して第2の内部電極層16bと第2の外部電極24bの第2の延長部26bとの接合強度が向上する。
なお、本発明において用いられる外部電極用の導電性ペーストの金属の粒径は、名部電極層の厚み以下の粒径のものを使用し、金属の粒径はより小さいものを使用することが好ましい。また、積層体に外部電極用の導電性ペーストを塗布する工法は特に限定しないが、第1の領域および第2の領域内に外部電極用の導電性ペーストを減圧下で塗布するまたは加圧下で塗布することで、第1の領域および第2の領域内に外部電極用の導電性ペーストを流入させることができる。
これにより、積層体の両端面に内部電極層が露出されてない場合に、内部電極層と外部電極とを接触させるために行われる、積層体の両端面に対するバレル研磨等の処理が不要となるため、コストを削減できるだけでなく、バレル研磨による積層体に対するクラックや、カケが発生することを抑制することができる。
なお、必要に応じて、下地電極層30の表面に導電性樹脂層が形成されてもよい。導電性樹脂層を形成する場合は、以下の方法で形成することができる。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属成分を含む導電性樹脂ペーストを焼付け層上に塗布し、250℃以上550℃以下の温度で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させることにより形成される。このときの熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
その後、必要に応じて、下地電極層30である焼付け層の表面にめっきを施し、めっき層32が形成される。めっき層32は、Niめっき層とNiめっき層の表面に形成されるSnめっき層の2層構造であることが好ましい。めっき層32の形成方法としては、電解めっき法、もしくは無電解めっき法などによって形成される。また、めっき層32は、複数層に形成されることが好ましい。
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
この実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法では、内部電極層を積層体の両端面に露出させるためのバレル研磨が不要となるためコストを削減できるだけでなく、バレル研磨による積層体に対するクラックや、カケが発生することを抑制することができる。
なお、以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
15a 有効層部
15b 第1の外層部
15c 第2の外層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の領域
20b 第2の領域
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26a 第1の延長部
26b 第2の延長部
28a 第1の相互拡散部
28b 第2の相互拡散部
30 下地電極層
30a 第1の下地電極層
30b 第2の下地電極層
32 めっき層
32a 第1のめっき層
32b 第2のめっき層
x 高さ方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (4)

  1. 積層された複数の誘電体層を含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    前記複数の誘電体層上に配置され、前記積層体内部に位置する第1の内部電極層と、
    前記複数の誘電体層上に配置され、前記積層体内部に位置する第2の内部電極層と、
    前記第1の端面上から前記第1の主面および前記第2の主面、ならびに前記第1の側面および前記第2の側面の一部に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の端面上から前記第1の主面および前記第2の主面、ならびに前記第1の側面および前記第2の側面の一部に配置される第2の外部電極と、
    を有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体は、前記第1の内部電極層の前記第1の端面側の端部の領域から前記第1の端面に向かって、第1の内部電極層が形成されていない第1の領域を有し、
    前記積層体は、前記第2の内部電極層の前記第2の端面側の端部の領域から前記第2の端面に向かって、第2の内部電極層が形成されていない第2の領域を有し、
    前記第1の外部電極は、前記第1の外部電極の金属が前記第1の領域内に入り込む第1の延長部を有しており、前記第1の延長部と前記第1の内部電極層の前記第1の端面側の端部との間において、前記第1の内部電極層の金属と前記第1の外部電極の金属とが相互に拡散する第1の相互拡散部をさらに有し、
    前記第2の外部電極は、前記第2の外部電極の金属が前記第2の領域内に入り込む第2の延長部を有しており、前記第2の延長部と前記第2の内部電極層の前記第2の端面側の端部との間において、前記第2の内部電極層の金属と前記第2の外部電極の金属とが相互に拡散する第2の相互拡散部をさらに有する、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の内部電極層の前記第1の主面と第2の主面とを結ぶ方向の厚みをt1とし、前記第1の外部電極の第1の延長部の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ方向の長さをl1とし、前記第1の端面上に配置される前記第1の外部電極の最表面から前記第1の主面に設けられる第1の外部電極の先端までの長さe11または前記第1の端面上に配置される前記第1の外部電極の最表面から前記第2の主面に設けられる前記第1の外部電極の先端までの長さをe12としたとき、t1<l1<e11、t1<l1<e12である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第2の内部電極層の前記第1の主面と第2の主面とを結ぶ方向の厚みをt2とし、前記第2の外部電極の第2の延長部の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ方向の長さをl2とし、前記第2の端面上に配置される前記第2の外部電極の最表面から前記第1の主面に設けられる第2の外部電極の先端までの長さe21または前記第2の端面上に配置される前記第2の外部電極の最表面から前記第2の主面に設けられる前記第2の外部電極の先端までの長さをe22としたとき、t2<l2<e21、t2<l2<e22である、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1の外部電極および前記第2の外部電極ならびに前記第1の延長部および前記第2の延長部に含まれるガラス成分の含有量は、10体積%以下である、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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