JP2023146415A - リチウムイオン電池負極用活物質およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量を実現するリチウムイオン電池負極用活物質を簡便な工程により製造する技術を提供すること。【解決手段】Si粉末とSiO2粉末とを原料とし、助剤としてシリコーンオイルを用い、メカニカルミリング処理によってSi層とSiO2層とを複合化し、リチウムイオン電池負極用活物質として用いる微粉末を得ることを特徴とするリチウムイオン電池負極用活物質製造方法。【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン電池負極用活物質およびその製造方法に関し、特に、高容量長寿命の活物質を得る技術に関する。
リチウムイオン電池は、スマートフォンや電気自動車向け等に、近年大量に生産されており、その性能向上は様々な側面から研究されている。電極に関しては、負極の場合、銅箔に活物質として黒鉛系微粒子を塗布固着させたものがよく用いられている。
活物質としての黒鉛は、電池製造設計の評価指標の一つである、比容量の理論値が372mAh/gである。
一方、比容量の理論値が黒鉛より大きなものとしてSiが知られており、その値は4200mAh/gである。
ただし、Siは、充電時に移動してくるLiと合金を形成する際、体積が約3倍に大きくなり、放電時では元の体積に戻るため、Si微粒子にクラックが入り、容量低下すなわち寿命が十全に確保できなくなってくる、という問題点がある。
そのため、
1)Si表面への保護層の形成(文献1)
2)体積の膨張収縮を緩衝する空孔を導入したSiの採用(文献2,3)
3)体積の膨張収縮を緩和するSiO層を混在させたSiの採用(文献4~7)
等が研究され、黒鉛系活物質の代替としてのSi系活物質が期待されている。
しかしながら、従来の負極用活物質では次の問題点があった。
(1)の技術は、活物質素材の表面洗浄(前処理)、薬液浸漬、薬液除去(後処理)、といった薬液を用いた多段階の処理が必要で、保護層の形成だけでも製造が複雑化ひいては高コストを招来してしまう、という問題点があった。
(2)の技術では、SiとMgの合金から、MgのみをBi溶湯中に溶出除去するため、MgとBiを廃棄する必要があるなど、環境負荷が大きく、結局のところ著しい高コスト化を招来してしまう、という問題点があった。
(3)の技術では、出発物質にSiOを採用し、昇華・凝集をおこなって、熱処理によりSi-SiOへの複合化(不均一化)を図るものであるため、組成比が固定化してしまい、要求物性に基づいた配合比を設計できないという原理的な問題点があった。また、真空、高温、低温環境を実現する特殊装置ないし複数装置が必要であるという問題点もあった。
特開2011-14298号 特許第5678353号 特許第5830419号 国際公開WO2013/133920号 特許第6451916号 特開2019-133920号 特開2020-24950号
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、高容量を実現するリチウムイオン電池負極用活物質を簡便な工程により製造する技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、Si粉末とSiO粉末とを原料とし、助剤としてシリコーンオイルを用い、メカニカルミリング処理によってSi層とSiO層とを複合化し、リチウムイオン電池負極用活物質として用いる微粉末を得ることを特徴とするリチウムイオン電池負極用活物質製造方法である。
請求項2に記載の発明は、粉砕容器および/または粉砕メディアをメノウ製としてメカニカルミリング処理をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池負極用活物質製造方法である。
請求項3に記載の発明は、Si粉末とSiO粉末との重量比を100-x:xとして、5≦x≦50とすることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池負極用活物質製造方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の方法により、微粉末表面にはエーテル基を有する保護層が形成されたものであることを特徴とするリチウムイオン電池負極用活物質。
メカニカルミリング処理の例としては、ボールミルによる粉砕処理を挙げることができる。
シリコーンオイルは、メカニカルミリング処理により、微粉末表面にエーテル基を有する保護層が形成されるものを用いる。代表的には、側鎖にエーテル基を有する変性シリコーンオイルを助剤として用いる例を挙げることができる。
本発明によれば、高容量を実現するリチウムイオン電池負極用活物質を簡便な工程により製造する技術を提供できる(請求項1)。
また、不純物の混入を抑制し高品質な活物資を製造する技術を提供することができる(請求項2)。
また、要求物性に従った組成設計を実現する製造技術を提供できる(請求項3)。
また、Liとの親和性の高めたリチウムイオン電池負極用活物質を提供できる(請求項4)。
本発明の活物質の製造工程における、メカニカルミリングの処理時間に対する活物質の結晶子サイズの変化を示した表である。 本発明の活物質の製造工程における、メカニカルミリングの処理時間に対する活物質のX線回折の強度変化を示したグラフである。 メカノケミカル反応の様子を示した概念模式図である。 本発明の活物質に、シリコーンオイル由来の官能基信号が検出されたことを示す赤外分光スペクトルのグラフである。 ステンレス製の容器およびメディアを用いた場合の、メカニカルミリングの処理時間に対する活物質のXRDパターンの変化を示したグラフである。 本発明の活物質の放電曲線を示したグラフである。 原料のSi粉末とSiO粉末の配合比を変えた結果を示した表である。
以降では、リチウムイオン電池負極用活物質を単に活物質と称し、その製造方法を説明する。
まず、原料として、Si粉末(富士フイルム和光純薬工業製、品番198-05455、純度98%0.9gと、SiO粉末(高純度化学研究所製、品番69608E)0.1gとを、ボールミル容器にいれた(Si:SiO質量比=90:10)。
次に、助剤としてシリコーンオイル(信越化学工業社製、品番KF-640)を5g滴下した。
次に、所定時間ボールミル処理(フリッチュジャパン社製、型番P-6)をおこなった(メカニカルミリング処理をおこなった)。なお、ボールミル容器およびメディアはいずれもメノウ(SiO)製であり、容器は内径40.5mmの容積45mLの円筒(ただし側面と底面との接合部分はなだらかに連接されている)であり、メディアは直径5mm重さ約0.19gの球形のものを105個(計約20g)用いた。
処理時間に対する結晶子サイズの変化の結果を図1に示す。ここでは、実験室系であることを考慮し、比較的長時間の最大16日までの変化を示している。
図から明らかなように、結晶子径が85.7nmであったものが、23.4nmまで時間と共に微細化されることが確認できた。
次に、処理時間に対するX線回折の強度変化を測定した。結果を図2に示す。
処理時間に従って、パターン強度が一様に小さくなっていることが確認できる。これはSi結晶とSiO結晶がそれぞれ微細化していることを示す。
ここで、ボールミル中では容器とメディアとの間で、粉末は常時圧延されまた折り畳まれる。従って、微粉末は、混合微粉末でなく、メカニカルアロイングが進行し、Si層とSiO層とが複合化した微粉末が形成される(1つの微粉末中に、Si結晶層とSiO結晶層がいり混ざった状態となっていく)。
このため、充放電にともなう、SiのLiと結合または離脱による膨張または収縮は、介在するSiO層により緩衝されることとなり、活物質としての劣化を低減可能となる。
また、メカニカルミリング処理により、微粉末表面には保護層が形成される。すなわち、微結晶表面にはそれぞれOH基が存在しているが、これが、メカニカルミリング処理に基づくメカノケミカル反応により、シリコーンオイル中のSiと結合し、更にメカノケミカル反応が進むことによって、エーテル基を伴う保護層が形成されていく。反応は必ずしも一様でないため、保護層形成の一例について、これを模式的に図3に示す。
エーテル基はLiイオンと親和性が高く、充電時にはまず保護層にLiイオンが取り込まれ、均質化した状態から保護層内部のSiにLiが浸潤していくようになる(放電時は逆)。すなわち、保護層がバッファ層の役割を担い、この点からも、クラック発生等が抑制され、活物質としての劣化を低減可能となる。
なお、微粉末を赤外分光で分析した結果を図4に示す。実際にシリコーンオイル由来の官能基信号が検出され、表面に保護層が形成されていることが確認できた。
また、別途、ステンレス製の同形の容器およびメディアを用いたメカニカルミリング処理をおこなった。結果を図5に示す。
処理時間に従ってパターン強度が小さくなっていく点は図2と同じであるが、FeSiと比定できる、当初はなかったパターンが観測されるようになった。これは、容器もしくはメディアの影響と考えられる。このような不純物は活物質としては要求特性に影響を与えるなど性能劣化にもつながる。翻って、本発明は、原料と事実上同一組成からなる容器およびメディアを用いることによりコンタミ(汚染ないし不純物混入)を避け、品質のよい活物質をえることができる方法といえる。
次に、充放電試験をおこなった。試験方法は以下の通りである。
負極活物質粉末:アセチレンブラック(StreamChemicals,Inc.製、品番06-0025):10CLPAH(富士フイルム和光純薬工業製、品番359-41142)=80:5:15の質量比になるように混合し、さらにイソプロピルアルコールと水とを混合してスラリーとした。このスラリーを集電体金属箔(銅箔)に塗布し、乾燥後に直径16mmの円形に打ち抜き、プレスして負極とした。
アルゴンガス雰囲気のグローブボックスの中で、この負極を作用極、金属リチウム(直径16mm)を対極とし、セパレーターをこれらの間に挟み、電池評価用2極セル(イーシーフロンティア製、型番SB2A-S)を組み立てた。
このとき、1,2-ジメトキシエタン(富士フイルム和光純薬工業製、品番046-21785):炭酸プロピレン(富士フイルム和光純薬工業製、品番161-25205):炭酸エチレン(富士フイルム和光純薬工業製、品番059-08495)=30:10:60の質量比の混合溶媒に、1mol/dmの濃度になるようにトリフルオロスルホン酸リチウム(富士フイルム和光純薬工業製、品番128-03792)を溶解させた液を電解液として注入した。
充電は、1/20Cレートの電流で電圧が0.01Vになるまで定電流充電を行い、その後、0.01Vの定電圧で0.032mAになるまで定電圧充電した。
放電は、1/20Cレートの電流で電圧が2Vになるまで定電流放電を行い、その後、2Vの定電圧で0.032mAになるまで定電圧放電した。
結果を図6に示す。なお、比較例として、同量のSiとSiO粉末を乳鉢で混合しただけの試料の放電曲線もプロットした。
図に示した様に、本発明の活物質は、1064mAh/gの放電容量を有し、比較例も鑑みると、適正な助剤を用いたメカニカルミリング処理により、10倍以上の性能向上が見られた。黒鉛系活物質と比較しても、2.5倍の放電容量である。
本発明によれば、以上の様に、黒鉛系活物質より大容量であって、ワンポットにて製造可能な、リチウムイオン電池負極用活物質を得ることができる。
なお、本発明は、上記の例に限定されない。
たとえば、電池の要求仕様により、膨張収縮の緩衝層となるSiOの相対比率を適宜変更できる。具体的には、Si粉末とSiO粉末との重量比を100-x:xとして、5≦x≦60、好ましくは、5≦x≦50とすることができる。これらの実施例をまとめて図7に示した
また、コンタミが生じないのであれば、容器またはメディアに、メノウその他の天然ケイ石を用いることができ、人工石英を採用してもよい。
本発明により、高容量で長寿命なリチウムイオン電池を製造でき、たとえば、家庭の太陽光発電パネル用のリチウムイオン電池などにも利用することができる。

Claims (4)

  1. Si粉末とSiO粉末とを原料とし、助剤としてシリコーンオイルを用い、メカニカルミリング処理によってSi層とSiO層とを複合化し、リチウムイオン電池負極用活物質として用いる微粉末を得ることを特徴とするリチウムイオン電池負極用活物質製造方法。
  2. 粉砕容器および/または粉砕メディアをメノウ製としてメカニカルミリング処理をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池負極用活物質製造方法。
  3. Si粉末とSiO粉末との重量比を100-x:xとして、5≦x≦50とすることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池負極用活物質製造方法。
  4. 請求項1、2または3に記載の方法により、微粉末表面にはエーテル基を有する保護層が形成されたものであることを特徴とするリチウムイオン電池負極用活物質。
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