JP2023134042A - 白色樹脂組成物、シュリンク性白色基材、及びシュリンクラベル - Google Patents

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皓 胡
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Abstract

【課題】隠蔽性、強靭性および印刷密着性に優れた白色樹脂組成物、容器を着色することなく、内容物保護や意匠性付与を可能とするシュリンク性白色基材、及びシュリンクラベルを提供すること。【解決手段】オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルにおける、前記シュリンク性白色基材を形成するために用いられる白色樹脂組成物であって、二酸化チタン(A)と熱可塑性樹脂を含み、二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%であり、熱可塑性樹脂は、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である、白色樹脂組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とを備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルにおける、前記シュリンク性白色基材を形成するために用いられる白色樹脂組成物に関する。また、本発明は、前記白色樹脂組成物により形成されるシュリンク性白色基材、及びシュリンクラベルに関する。
プラスチック製ボトルは、基材としてポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンが多く使用されている。これらの基材は内容物の保護、意匠性、あるいは製品情報付与の観点から着色及び印刷が施されているため、マテリアルリサイクルには適していない。そのため、ボトルではなく、シュリンクラベルに着色や印刷を施し、透明ボトル胴部にラベルを巻いて用いられていることが多くなっている。
なお、シュリンクラベルは、シュリンク性基材の表面に印刷を行ない、外側に印刷層がある表刷り印刷フィルムと、シュリンク性基材の裏面に印刷を行い、内面に印刷層がある裏刷り印刷フィルムに大別される。
シュリンクラベルが表刷り印刷フィルムである場合、最表面側に印刷層を形成するため、シュリンク性基材を着色することができ、高い隠蔽性を付与することが可能となる。しかし、隠蔽性付与に用いられる二酸化チタン顔料の濃度や純度によっては、隠蔽性不足やシュリンク性基材の強靭性低下が生じる場合がある。
一方、シュリンクラベルが裏刷り印刷フィルムである場合は、シュリンク性基材自体の諸物性が有効に活かされることから、最外層が印刷層である表刷り印刷に比べて、高い強靭性が容易に得られるという特徴がある。しかし、この方法では、シュリンク性基材が無色透明である必要があるため、内容物を保護するための隠蔽性付与が困難であった。
そこで、表刷り印刷フィルムであっても高い強靭性とするために、印刷層の表面に、オーバーコート剤により保護層を形成する方法の検討が行われている(例えば、特許文献1)。また、高い隠蔽性を付与するために、シュリンク性基材に二酸化チタンを配合する方法が検討されている(例えば、特許文献2)。しかし、二酸化チタンが安定に分散されたシュリンク性基材とすることは難しく、とくに二酸化チタンの含有量を多くして隠蔽性を高くしようとしても、印刷時に表面凹凸が生じ、印刷抜けが発生するという問題がおこる。そのため、充分な隠蔽性を有し、かつ強靭性と柔軟性をも満足するシュリンクラベルとすることはできていない。
そこで、充分な隠蔽性を有し、印刷時の印刷抜けを抑制するため、白色基材の上に無色透明基材を設け、オーバーコート層/印刷層/無色透明基材/白色基材とする場合や、オーバーコート層/印刷層/ラミネート層/白色基材とする方法等も検討されている。
特開2018-145283号公報 特開2002-285020号公報
しかしながら、これらのような、シュリンク性白色基材と印刷層の間にさらに無色透明基材等を有する場合には、シュリンク性白色基材に配合される色材の核剤効果で結晶化温度が変わり、白色基材と無色透明基材またはラミネート層とのシュリンク性に違いが生じ、シュリンクムラにより均一な厚みが得られず、フィルムシワを招くことがある。
そこで本発明は、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクフィルムにおけるシュリンク性白色基材を形成するために用いられ、隠蔽性に優れるだけでなく、かつ優れた強靭性および印刷密着性をも備える白色樹脂組成物を提供する。また、前記白色樹脂組成物により形成されることで、容器を着色することなく、内容物保護や意匠性付与を可能とするシュリンク性基材、並びにシュリンクムラおよびフィルムシワが抑制されたシュリンクラベルを提供する。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材を備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルにおける、前記シュリンク性白色基材を形成するために用いられる白色樹脂組成物であって、二酸化チタン(A)と熱可塑性樹脂を含み、二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%であり、熱可塑性樹脂は、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である、白色樹脂組成物に関する。
また、本発明は、二酸化チタン(A)が、カールフィッシャー法における、100℃の水分量と260℃の水分量の差が2500ppm以下である、前記白色樹脂組成物に関する。
また、本発明は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を10~170重量部含む、前記白色樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記白色樹脂組成物から形成してなるシュリンク性白色基材に関する。
また、本発明は波長400~700nmの平均透過率が10~30%である、前記シュリンク性白色基材に関する。
また、本発明は、オーバーコート層と、印刷層と、前記シュリンク性白色基材とを備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルに関する。
また、本発明は、波長400~700nmの平均透過率が10%未満である、前記シュリンクラベルに関する。
本発明により、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクフィルムにおける、シュリンク性白色基材を形成するために用いられ、隠蔽性に優れるだけでなく、かつ優れた強靭性と印刷密着性をも備える白色樹脂組成物を提供することができる。また、前記白色樹脂組成物により形成されることで、容器を着色することなく、内容物保護や意匠性付与を可能とするシュリンク性基材、並びにシュリンクムラおよびフィルムシワが抑制されたシュリンクラベルを提供することができる。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する実施形態または要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
なお、本明細書で「フィルム」、および「シート」は同義である。また、本発明の「シュリンクラベル」を、「印刷物」という場合がある。
また、本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
《白色樹脂組成物》
本発明の白色樹脂組成物は、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルにおける、前記シュリンク性白色基材を形成するために用いられる。
白色樹脂組成物は、少なくとも二酸化チタン(A)と、熱可塑性樹脂を含み、二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%であり、熱可塑性樹脂は、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である。結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高い熱可塑性樹脂であることで、シュリンク時の熱風ヒーターにより、局所的な結晶化を抑制し、均一なシュリンク性が付与できる。それにより、シュリンクムラおよびフィルムシワが抑制されたシュリンクラベルとすることができる。
さらに、隠蔽性だけでなく、かつ優れた強靭性と印刷密着性を備える白色樹脂組成物とすることができ、容器を着色することなく、内容物保護や意匠性付与を可能とするシュリンクフィルムを提供することができる。
<二酸化チタン(A)>
本発明の白色樹脂組成物は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%である二酸化チタン(A)を含む。二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径が、0.13~0.28μmであることが重要である。この範囲にあることで、可視領域における高い反射効果が得られ、隠蔽性に寄与する。好ましくは0.15~0.25μmである。
なお、平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍~一万倍)から観察できる一次粒子径(例えば20個程度)を平均したものである。
二酸化チタン(A)の粒子形状は、球状、楕円状、棒状、繊維状等公知の粒子形状を使用できる。ここでアスペクト比が1.5以上の粒子は長径の平均を平均一次粒子径とする。
二酸化チタン(A)の結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型、およびブルカイト型のいずれも使用できるが、ルチル型、またはアナターゼ型が好ましい。本発明の白色樹脂組成物においては、隠蔽性の点でアナターゼ型が好ましい。
二酸化チタン(A)の純度は、95~99.9%であることが重要であり、純度は高いほど好ましく、96.5~99.9%がより好ましい。なお、純度の高い二酸化チタンとは、表面処理が少ない二酸化チタンであり、純度の低下は表面処理量や吸着水が主要因である。この範囲にあることで、隠蔽性が高く、表面処理による水分や揮発成分が少ないため、加工時の水分気化による再凝集が抑制され、良好な分散が得られる。そのため、樹脂組成物中の二酸化チタン(A)の含有量が少ない場合でも高い隠蔽性が得られ、かつ、高添加時おいても強靭性、柔軟性を維持することができる。また、二酸化チタンは製法により、数~数十ppmの鉄、マンガン、銅、ニオブ等の不純物が含まれ、色相が黄味になる恐れがあるが、本発明ではシュリンク性白色基材の上に印刷層を設けるため、前記不純物の量に影響を受けず、限定する必要はない。
なお、二酸化チタン純度は、二酸化チタン(A)中の二酸化チタンの含有率を表し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置により求めることができる。
また、二酸化チタン(A)は、カールフィッシャー法における、100℃の水分量と260℃の水分量差(ΔKF)が2500ppm以下であることが好ましく、より好ましくは2200ppm以下である。
ΔKF=260℃の水分量-100℃の水分量
2500ppm以下であることで、加工時における二酸化チタン吸着水の揮発、発泡の抑制により、高分散が可能となり、隠蔽性が高くなるために好ましい。また、印刷抜け、クラック抑制にも寄与することができる。
100℃の水分量は、500~3000ppm程度であることが好ましく、260℃の水分量は、1500~6000ppm程度であることが好ましい。
二酸化チタンの結晶表面は原子の規則的結合が切断されているため、結晶内部の原子と比較し不安定であり、結晶表面はチタン元素とヒドロキシ基が化学結合している。このヒドロキシ基に水分子が水素結合により吸着しているが、この吸着水の除去には260℃程度までの加温が必要となる。そのため、二酸化チタンの搬送、保管時における吸着水とは異なる、100℃カールフィッシャー法による吸湿による水分量を、吸着水及び前記吸着水とは異なる吸湿による、260℃カールフィッシャー法による水分量から差し引くことで、二酸化チタンとの水素結合による物理的吸着水分が求められ、分散の影響度を計ることが可能となる。
なお、水分量は、カールフィッシャー法水分測定装置(平沼産業製)を用い、JIS K7251に準拠して測定し、求めることができる。なお、前記吸着水の除去の観点からシュリンク性白色基材を生産する前に、予め白色樹脂組成物の生産時に260℃以上の熱をかける工程を設けることが好ましい。
二酸化チタン(A)は、表面被覆層を有する二酸化チタンであってもよい。
例えば、二酸化チタン(A)は、無機酸化物及び/又は有機物で形成した被覆層を有することができる。これらの被覆層が存在することで、光触媒活性による樹脂の劣化を抑制し、長期間外光に曝される環境下においても、耐光性に優れた白色基材を得ることが可能となる。
なお、このように被覆後の二酸化チタンである場合、被覆層を有する二酸化チタンが、二酸化チタン(A)に該当する。
二酸化チタンの無機酸化物被覆層にはアルミ、ケイ素、ジルコニウムの酸化物が好ましく、含水酸化物であってもよい。含水酸化物としては、含水アルミナ(Al・nHO)、含水シリカ(SiO・nHO)、ジルコニウムの含水酸化物(ZrO・nHO)である。
二酸化チタンに無機酸化物を被覆する場合、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、アルミ酸化物0.1~2重量部で被覆することが好ましい。また、ケイ素酸化物又はジルコニウム酸化物は、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、それぞれ0.1~2重量部で被覆することが好ましい。
有機物の被覆層は二酸化チタンの分散に寄与し、例えば多価アルコール、有機ケイ素化合物、アミン、アミノ酸、脂肪酸、カルボン酸塩、金属石鹸、およびワックス等が挙げられる。これらの中でも、多価アルコール、有機ケイ素化合物が好ましい。有機物を使用した表面被覆量は、処理前の二酸化チタン100重量部に対して0.1~3重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.1~1.5重量部である。
本発明で用いることができる多価アルコールとして、具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンエトキシレート、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明で用いることができる有機ケイ素化合物として、例えば、オルガノシラン、オルガノポリシロキサン、オルガノシラザンが挙げられる。
具体的には、オルガノシランとしてはアミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、またはそれらの加水分解生成物が挙げられる。
オルガノポリシロキサンとしてはジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン、側鎖または両末端アミノ変性ポリシロキサン、側鎖または両末端または片末端エポキシ変性ポリシロキサン、両末端または片末端メタクリル変性ポリシロキサン、側鎖または両末端カルボキシル変性ポリシロキサン、側鎖または両末端または片末端カルビノール変性ポリシロキサン、両末端フェノール変性ポリシロキサン、側鎖または両末端メルカプト変性ポリシロキサン、両末端または側鎖ポリエーテル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル変性ポリシロキサン、側鎖メチルスチリル変性ポリシロキサン、側鎖高級カルボン酸エステル変性ポリシロキサン、側鎖フルオロアルキル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル・カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖アミノ・両末端カルビノール変性ポリシロキサン、またはそれらの共重合体が挙げられる。
オルガノシラザンとしてはヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。
二酸化チタンに対する被覆層の形成方法を説明する。
無機酸化物の被覆層を形成する方法は、公知の方法を使用できる。例えば、アルミ酸化物で被覆する場合、酸化チタン粒子を分散させた水性スラリーにアルミ化合物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpH4~9に調整することで被覆層を形成できる。その後、必要に応じて濾過、洗浄、乾燥を行ってもよい。pHの調整に用いる酸性酸化物としては、硫酸、塩酸等の無機酸、または酢酸、ギ酸等の有機酸を用いることができる。また、塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の公知の化合物を用いることができる。水性スラリー中の二酸化チタン粒子の不揮発分濃度は、50~800g/lが好ましく、100~600g/lがより好ましい。所定の不揮発分濃度にすることで均一な厚みの被覆層が得やすくなる。
アルミ化合物は、例えばアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、および硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナ、含水アルミナ等が挙げられる。
ケイ素酸化物またはジルコニウム酸化物で被覆する場合は、ケイ素化合物またはジルコニウム化合物を使用して、アルミ酸化物と同様の方法でケイ素酸化物またはアルミ酸化物の被覆層を形成できる。また、複数の無機酸化物で被覆層を形成する場合、アルミ化合物を含む混合物で被覆層を形成できる。また、各化合物を順次使用して被覆層を形成しても良く被覆層を形成する順序は、制限を受けない。これらの被覆方法の中でも、ケイ素酸化物またはジルコニウム酸化物の被覆層の形成後にアルミ酸化物が最外層になるように被覆層を形成することが樹脂との分散性の観点からより好ましい。さらに、二酸化チタンの被覆層を形成する際に脱水、乾燥、粉砕などの工程が容易になり歩留まりがより向上する。なお本発明では、無機酸化物で形成した被覆層が、例えば、アルミ酸化物の被覆層、ケイ素酸化物の被覆層、ジルコニウム酸化物の被覆層と3層を有する場合であってもよい。
前記ケイ素化合物は、例えばケイ酸ナトリウムなどの水溶性ケイ酸アルカリ金属塩が挙げられる。またジルコニウム化合物としては、例えば硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
前記ジルコニウム化合物は、例えば硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
有機物の被覆層を形成する方法は、(1)第一の被覆層を有する二酸化チタンを水性スラリーから固液分離し、乾燥した後、前記有機ケイ素化合物と気相中で接触させることにより、被覆層を形成する方法(以下、気相法という)。または、(2)二酸化チタンと前記有機ケイ素化合物を水性スラリー中で接触させることで形成する方法(以下、液相法という)が好ましい。
前記気相法は、例えば流体エネルギー粉砕機、衝撃粉砕機等の乾式粉砕機や、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機等を用い、酸化チタンと前記有機ケイ素化合物を攪拌、混合することで実施できる。
前記液相法は、第一の被覆層を形成した後、続けて、当該水性スラリーに前記有機ケイ素化合物を添加し、攪拌、混合することで実施できる。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂とは、適当な温度に加熱すると軟化して可塑性をもち、冷却すると固化する樹脂であり、本発明の白色樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である。
二種以上の熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂それぞれの結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃の範囲にある必要はなく、用いる熱可塑性樹脂をブレンドしたときの結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃の範囲にあればよい。
収縮性に優れ、シュリンクムラをより効果的に抑制する観点からは、熱可塑性樹脂に用いるそれぞれの樹脂の結晶化温度、およびガラス転移温度が上記関係を満たすことがより好適である。すなわち、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃の範囲にある熱可塑性樹脂が主成分であることが好ましい。
なお、主成分とは、熱可塑性樹脂を構成する成分の中で、最も含有量が多い熱可塑性樹脂のことをいい、実質的に熱可塑性樹脂の100重量%が、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃の範囲にある熱可塑性樹脂であることが好ましい。
二種以上の熱可塑性樹脂を含む場合、白色樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂のうち、熱可塑性樹脂全体100重量%中、80重量%以上が、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃の範囲にある熱可塑性樹脂であることが好ましい。より好ましくは85重量%以上である。また、他の熱可塑性樹脂は、20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。この範囲であることで、より収縮性に優れ、シュリンクムラが少ないシュリンク性白色基材とできるために好ましい。
熱可塑性樹脂の、より好ましいガラス転移温度の範囲は、70~105℃である。また、結晶化温度はガラス転移温度より60℃以上高く、65℃以上高いことが好ましい。なお、結晶化温度は140℃以上であることが好ましく、145℃以上であることがより好ましい。この範囲にあることでより均一なシュリンク性が得られる。また、結晶化温度は200℃以下が好ましい。
この範囲であることで、シュリンクムラ抑制がより向上できる。
なお、結晶化温度、ガラス転移温度、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。結晶化温度は結晶性樹脂において、溶融状態から冷却する際に、結晶が生成する温度であり、ガラス転移温度は樹脂鎖の運動が停止する温度である。また、融解温度は樹脂が溶融する温度である。
これら温度を示差走査熱量測定で求める場合、窒素雰囲気下、室温40℃から300℃まで、5℃/分で昇温すると、ガラス転移に伴う熱容量変化をベースラインの吸熱シフトとして捉えることができる。このベースラインの延長線と最大傾斜の接線との交点からガラス転移温度を求めることができる。また、ガラス転移温度よりも高温側に見られる吸熱ピークが融解温度となり、融解温度発生後に、300℃から40℃まで5℃/分で降温した際に見られる発熱ピークが結晶化温度である。なお、非晶性の樹脂では、融解温度及び結晶化温度は検出されない。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド、またはこれらの複合材料が挙げられる。
これらのなかでも、収縮過程(昇温過程)で温度ムラが生じても、シュリンクムラやシワの少ない、均一な仕上りが得られる点でポリエステル系樹脂が好ましい。
シュリンク均一性の観点から、ポリエステル系樹脂を熱可塑性樹脂100重量%中、60重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。
ポリエステル系樹脂は、分子の主鎖にエステル結合を有する樹脂であり、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、ジオール(2価アルコールまたは2価フェノール)とから合成した重縮合物;、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、環状エーテル化合物とから合成した重縮合物;、環状エーテル化合物の開環重合物等が挙げられ、これら1種類のジカルボン酸と1種類のジオールでの重合体によるホモポリマーであっても、複種類でのコポリマーであってもよい。また、これらの混合なでによるポリマーブレンドでもよい。
なお、ジカルボン酸の誘導体とは酸無水物、エステル化物である。ジカルボン酸は、脂肪族および芳香族の2種類のジカルボン酸があるところ、耐熱性が向上する点から、芳香族ジカルボン酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシルフェニル酢酸、m-フェニレンジグリゴール酸、p-フェニレンジグリコール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニル-p,p′-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4′-ジ酢酸、ジフェニルメタン-p,p′-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-m,m′-ジカルボン酸、スチルベンジルカルボン酸、ジフェニルブタン-p,p′-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4′-ジカルボン酸、ナフタリン-1,4-ジカルボン酸、ナフタリン-1,5-ジカルボン酸、ナフタリン-2,6-ジカルボン酸、ナフタリン-2,7-ジカルボン酸、p-カルボキシフェノキシ酢酸、p-カルボキシフェノキシブチル酸、1,2-ジフェノキシプロパン-p,p′-ジカルボン酸、1,5-ジフェノキシペンタン-p,p′-ジカルボン酸、1,6-ジフェノキシヘキサン-p,p′-ジカルボン酸、p-(p-カルボキシフェノキシ)安息香酸、1,2-ビス(2-メトキシフェノキシ)-エタン-p,p′-ジカルボン酸、1,3-ビス(2-メトキシフェノキシ)プロパン-p,p′-ジカルボン酸、1,4-ビス(2-メトキシフェノキシ)ブタン-p,p′-ジカルボン酸、1,5-ビス(2-メトキシフェノキシ)-3-オキシペンタン-p,p′-ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、コルク酸、マゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
2価アルコールは、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、cis-2-ブテン-1,4-ジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
2価フェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
環状エーテル化合物は、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
<任意成分>
本発明の白色樹脂組成物はさらに、必要に応じて顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を配合することができる。
顔料は、一般にプラスチック練り込み用で使用できるカラーインデックスに記載のC.I.ピグメント等を、本発明の効果を損なわない範囲で任意に使用することができる。例えば、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などの有色顔料、および、二酸化チタン(A)以外の二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。更に有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレート顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などを挙げることができる。これらの顔料を用いる場合、含有率としては、白色樹脂組成物100重量%中、0.01~0.5重量%使用することができる。特に、隠蔽性及び製膜性の観点から顔料を0.01~0.2重量%使用することが好ましい。
このときの配合率は、二酸化チタン(A)のみを含有する樹脂組成物から成形した基材である場合と比較して、L表色系でΔL*が3以下である範囲での添加が好ましい。この範囲内であれば、白色度の点で、白色樹脂組成物として用いることができ、他の印刷層に影響を与えることもない。
なお、L値は倉敷紡績(株) 製AUCOLOR T2光源:D-65で測色できる。
帯電防止剤は、形成したシュリンク性白色基材へのほこり付着防止のために用いることができる。例えば高級脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N-ビス-2-ヒドロキシルエチル-アルキルアミン、脂肪酸コリンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、リン酸エステル及びその塩、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ソルビタン部分エステルが挙げられる。
帯電防止剤を用いる場合、含有率は、白色樹脂組成物100重量%中、0.1~1重量%使用できる。
紫外線吸収剤は、耐候性を向上させるために用いることができる。例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物等が好ましい。具体的には、例えば2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3、5-ジメチルフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノールなどが挙げられる。これらの中でも耐熱性の観点からベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物が好ましい。
紫外線吸収剤を用いる場合、含有率は、白色樹脂組成物100重量%中、0.01~1重量%使用できる。
酸化防止剤は、高温雰囲気で樹脂の分解を抑制するために用いることができる。例えばモノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、高分子型フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が好ましい。具体的は、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、3,9-ビス〔{1,1-ジメチル-2-{β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10-テトラオキサスピロ〕5,5-ウンデカン、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-{メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’-ビス-4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナスレン-10-オキサイド、10-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、10-デシロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-tert-メチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤を用いる場合、含有率は、白色樹脂組成物100重量%中、0.01~0.5重量%使用できる
アンチブロッキング剤は、シュリンクフィルムを容器に巻く際に、容器との摩擦を低減し、装着し易くするために用いることができる。具体的には、アクリルビーズ、シリコンビーズ、スチレンビーズ等の有機ビーズやシリカ、アルミノケイ酸塩等の無機物が挙げられる。
アンチブロッキング剤を用いる場合、含有率は、白色樹脂組成物100重量%中、0.01~1重量%使用できる。
<白色樹脂組成物の製造>
白色樹脂組成物の製造方法は、二酸化チタン(A)と熱可塑性樹脂と、必要に応じて任意成分を混合、または溶融混合することで製造することができる。
本発明の白色樹脂組成物は、二酸化チタン(A)を比較的高濃度に含有し、成形時に熱可塑性樹脂で希釈されるマスターバッチであってもよいし、二酸化チタン(A)の濃度が比較的低く、熱可塑性樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであってもよい。マスターバッチを用いてシュリンク性白色基材を製造することは、二酸化チタン(A)の分散やハンドリングの面から好ましい。
白色樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を10~170重量部含むことが好ましい。
本発明の白色樹脂組成物は、二酸化チタン(A)と、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である熱可塑性樹脂を含むことにより、二酸化チタンの含有量が多い場合であっても、印刷時に表面凹凸が生じ、印刷抜けが発生することを抑制することができる。
マスターバッチの場合、熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を70~250重量部含むことが好ましく、100~170重量部であることがより好ましい。この範囲にあることで、二酸化チタン(A)の分散及び希釈樹脂に混ぜた際にマスターバッチが均一に混ざり、シュリンク性基材中の二酸化チタン(A)の含有率が、低添加量である場合でも、隠蔽性を付与できる。また、本発明の白色樹脂組成物は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%である二酸化チタン(A)と、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である、熱可塑性樹とを組み合わせて用いることにより、二酸化チタン(A)を高濃度に含むマスターバッチを使用しても、高い強靭性、柔軟性を保つことが可能となり、シュリンク性白色基材として、優れた効果を有する。
マスターバッチを用いる場合、マスターバッチのベース樹脂と、シュリンクフィルムを形成する際の希釈樹脂が共に、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である熱可塑性樹脂であることが好ましい。両方の樹脂がこのような樹脂である場合、延伸フィルムとした際の追従性がより良好となり、シュリンクムラも、より抑制することができるためである。なお、ベース樹脂または希釈樹脂は、同じ樹脂であっても、異なる樹脂であってもよいが、相溶性の観点から、同じ樹脂であることが好ましい。
コンパウンドの場合、熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を10~30重量部含むことが好ましく、10~20重量部であることがより好ましい。この範囲にあることで、隠蔽性と柔軟性、強靭性が得られやすい。
《シュリンク性白色基材》
シュリンク性白色基材は、本発明の白色樹脂組成物を用いて形成され、オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とを備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルに用いられる。
シュリンク性白色基材は、表面をコロナ処理あるいは低温プラズマ処理して使用してもよい。
シュリンク性白色基材は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を10~30重量部含むことが好ましく、10~20重量部であることがより好ましい。この範囲にあることで、隠蔽性と柔軟性、強靭性が得られやすい。
シュリンク性白色基材は波長400~700nmの平均透過率が30%以下であることが好ましく、10~30%であることがより好ましく、10~25%であることがさらに好ましく、10~20%がとくに好ましい。30%であることにより、印刷層を付与することでの隠蔽性がより良好とできる。また、10%以上であることで、強靭性や柔軟性が得られやすい。
なお、平均透過率は分光光度計を用いて波長400~700nmの透過率の平均値を算出して求めることができる。分光光度計には、例えば島津サイエンス社製UV-VIS-NIR SPECTROPHOTOMETER UV3150を用いて測定することができる。
また、シュリンク性白色基材の厚みに制限はないが、シュリンクラベルにする際のハンドリング性、収縮性、引っ掻き耐性などの観点から20~100μm、より好ましくは30~70μmである。
本発明のシュリンク性白色基材の製造は、例えば、まず白色樹脂組成物を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成する。その未延伸フィルムを横一軸延伸又は縦横二軸延伸して熱処理することによって得ることができる。積層する場合は、複数の押出機やフィードブロック、マルチマニホールドを用いる方法がとれる。また、未延伸フィルムは押出後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂をリップから回転体上にキャストして急冷固化することにより未配向の樹脂シートを得ることができる。得られた未延伸フィルムは、必要によりロールで60~120℃で加熱された後、1.1~1.8倍にロールの速度差を用いて縦延伸される。得られた縦延伸後のフィルムは、必要により80~130℃で予熱した後、横方向(押出方向に対して直交する方向)にテンター等で3~7倍以下に延伸する。延伸温度は、通常65℃以上120℃以下程度である。また、横延伸後は、延伸温度より1℃~30℃高い温度で、熱処理することが好ましい。熱処理は、延伸後のフィルムの緊張状態を緩和するために行われ、熱処理時の温度で熱収縮率の調整を行い、また自然収縮率を減少させることに効果がある。
《シュリンクラベル》
シュリンクラベルは、少なくとも、オーバーコート層と、印刷層と、本発明の白色樹脂組成物から形成されてなる前述のシュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有する。
印刷層としては、白ベタ印刷層であることが、隠蔽性及び他の印刷層への色相阻害の抑制の観点から好ましく、すなわち、オーバーコート層と、白ベタ印刷層と、本発明の白色樹脂組成物から形成されてなるシュリンク性白色基材とを、この順で備えることが好ましい。
本発明の白色樹脂組成物を用いて形成したシュリンク性白色基材上に直接印刷層を備えることで、表面凹凸による印刷抜けや高い印刷密着性が得られ、さらにシュリンクムラおよびフィルムシワが抑制されたシュリンクラベルとすることができる。
また、シュリンクラベルは、必要に応じて、白ベタ印刷層とオーバーコート層の間に、灰色層、有彩色の色材を含む1つまたは複数の有彩色層等を有していてもよい。また、層間に接着剤層を有していてもよく、接着剤層は、脱離を促進するために、脱離性を有する接着剤層であってもよい。
本発明のシュリンクラベルは波長400~700nmの平均透過率が10%未満であることが好ましく、7%以下がより好ましい。平均透過率が10%未満であれば、内容物保護の観点で遮光性がより優れるものといえる。本発明のシュリンクラベルの厚みは制限されないが、厚みが30~120μmであることが好ましい。この範囲であることで、隠蔽性、強靭性をより満たすことができる。
本発明のシュリンクラベルは、医薬品、食品、トイレタリー用品等の容器包装材料として幅広く利用することができる。
容器へ包装する際のシュリンクラベルの加熱収縮は、スチームヒーター、熱風ヒーター等の公知のヒーターを用いて行うことができる。スチームヒーターを用いる場合は、75~110℃に設定したスチームヒーター(トンネル)内を3~20秒程度通過させて収縮させることが好ましい。
<オーバーコート層>
オーバーコート層は、例えば、オーバーコート剤により形成することができる。
本明細書において、表刷りとは、シュリンク性白色基材に印刷した場合、シュリンク性白色基材上に印刷インキ(白ベタ印刷層または他の印刷層)、オーバーコート剤(オーバーコート層)の順で印刷され、印刷された面、すなわちオーバーコート層側からみて印刷模様が確認できる場合のことである。つまり、オーバーコート剤からなるオーバーコート層が本発明のシュリンクラベルにおいて最外層となる。以下、本発明のオーバーコート剤を構成する各材料について説明する。
オーバーコート剤は、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂とロジン変性マレイン酸樹脂より構成されるもの、又はポリエステル系樹脂を含むバインダー樹脂とイソシアネート硬化剤を含むもの、等を用いることができる。柔軟性、耐スクラッチ性の観点から好ましくは、ポリエステル系樹脂とイソシアネート硬化剤を含むオーバーコート剤であることが好ましい。なお、オーバーコート剤中のポリエステル系樹脂は柔軟性と密着性を付与し、イソシアネート硬化剤は耐熱性や耐擦傷性を付与するために、好適に用いられる。
オーバーコート剤に用いられるポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位を含有していれば特に制限はなく、公知の方法により適宜製造される。ポリエステル系樹脂は、芳香環、脂環、複素環から選ばれる少なくとも一種の環状構造を有することが好ましい。当該環状構造は芳香環および/または脂環であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、例えば、多価アルコールとカルボン酸とを公知のエステル化重合反応を用いて反応させてなるポリエステル樹脂や以下に記載のアルキド樹脂などが挙げられる。当該ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂総重量中に50重量%以上含有していれば、さらに、アクリル変性、あるいはイソシアネート変性されて、一般的にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂に分類されるものも含まれる。
なお、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位とは、二塩基酸に由来する構成単位と多価アルコールに由来する構成単位とが直接結合している構造単位一体を指す。
本発明のオーバーコート剤には、光沢や耐熱性を向上させるために、セルロース系樹脂を併用することが好ましい。具体的には、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、上記アルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。
なお一実施形態において、バインダー樹脂は、上記ポリエステル系樹脂とセルロース系樹脂を含むことが好ましい。上記ポリエステル系樹脂はアルキド樹脂を含むことが好ましい。セルロース系樹脂はニトロセルロースを含むことが好ましい。
また、バインダー樹脂は、上記ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂以外にもその他樹脂を併用する場合も好適であり、例としては、以下に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂などの塩化ビニル塩化ビニル共重合樹脂、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。
本発明のオーバーコート剤には、耐熱性向上のために、イソシアネート硬化剤を使用することができる。光沢向上のため、イソシアネート硬化剤は環状構造を有するものが好ましい。
具体的には、イソシアネート硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物および変性イソシアネート化合物を好適に利用できる。変性イソシアネート化合物とは、具体的には、2量体のアロファネート型イソシアネート化合物、3量体のビウレット型イソシアネート化合物、アダクト型イソシアネート化合物、およびイソシアヌレート型イソシアネート化合物などが好適である。当該ビウレット型イソシアネート化合物とは尿素が2量化した構造を有するイソシアネート化合物である。また、イソシアヌレート型イソシアネート化合物とはポリイソシアネート化合物の環状3量体であるイソシアネート化合物をいう。アダクト型イソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物と多価アルコールとの付加体をいい、例えば、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応物などが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネートが好ましく、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、及び、α,α,α′,α′-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートが好適である。
本発明に用いられるオーバーコート剤は、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、オーバーコート剤の製造においては、必要に応じて添加剤、例えば湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、キレート架橋剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤などを使用することができる。
本発明のオーバーコート剤は、液状媒体として有機溶剤を含むこと(有機溶剤系オーバーコート剤)が好ましい。以下に限定されるものではないが、使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用してもよい。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくはエステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤からなる有機溶剤が好ましい。
オーバーコート剤の製造は、特に限定はなく、攪拌羽根、回転翼等を供えた攪拌機に、バインダー樹脂と有機溶剤の溶解ないし分散させたバインダー樹脂溶液、溶剤を仕込み、混合、攪拌すればよい。
本発明のオーバーコート剤は、印刷インキにより形成された印刷層上に塗布される。
本発明のオーバーコート剤は公知の印刷方式で塗布できる。例えば、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式、マイクログラビア印刷方式等が挙げられ、好ましくはグラビア印刷方式である。グラビア印刷方式は円筒状のシリンダー表面に彫られた画線部となる凹部にオーバーコート剤が入り、ドクターと呼ばれる金属板で非画線部のオーバーコート剤を掻き取った後、シリンダーの凹部に残ったオーバーコート剤を印刷フィルム上に転移させて塗布層を形成する方式である。凹部の深さで塗布されるオーバーコート剤量を制御できる。印刷フィルムへの塗布は、塗布後の乾燥性、塗膜の光沢、耐擦り傷性、耐高温熱水性等の膜物性を考慮して、複数回塗布することもできる。オーバーコート剤の使用形態として塗布量、塗布回数を適宜選択することができる。本発明のオーバーコート剤により形成されたオーバーコート層の厚みは0.5~10μmが好ましく、更に好ましくは1~6μmである。
塗布されたオーバーコート剤の乾燥温度は40~80℃で行なうことが好ましい。得られたオーバーコート層を、必要に応じて室温~40℃で1~10日程度エージングすることにより、より強靱なオーバーコート層を有するシュリンクラベルとなる。
<印刷層>
印刷層は、印刷インキにより、シュリンク性白色基材に印刷することで得られる層であり、好ましくは、シュリンク性白色基材に直接白ベタ印刷層を有するシュリンクラベルであることが、隠蔽性及び他の印刷層への色相に影響が少ないために好ましい。
[白ベタ印刷層]
白ベタ印刷層は、白色の印刷インキをベタ印刷すること等で得られる層であり、隠蔽性に寄与する。白ベタ印刷層が、シュリンク性白色基材に直接形成されることが好ましい。白色の印刷インキは、例えば白色顔料、バインダー樹脂、必要に応じて添加剤、有機溶剤等を用いて製造できる。
白色顔料としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等を挙げることができる。
なお、隠蔽性を上げるため、白ベタ印刷層に用いる白色顔料100重量部に対して、1重量部以下でカーボンブラックを配合すると印刷層への色相影響を抑制しつつ、隠蔽性を上げることができるために好ましい。
印刷インキを構成するバインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などが挙げられる。なかでも、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する印刷インキであることが好ましい。特にウレタン樹脂を含有する印刷インキはフィルム基材への密着性が良好なことからより好ましい。
上記ウレタン樹脂は、公知の方法により得ることができる。具体的には、ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られたプレポリマーを、適当な溶剤中で鎖伸長剤および/又は反応停止剤と反応させる二段法、あるいはポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)反応停止剤を溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。
印刷インキは、添加剤を含むことができ、添加剤としては顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、トラッピング剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。
印刷インキは、溶剤を用いることができる。溶剤として、水、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、上記オーバーコート剤に使用できるものと同様のものが利用でき、公知のアルコール系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、エステル系有機溶剤、脂肪族炭化水素系有機溶剤、および脂環族炭化水素系有機溶剤を使用することができる。ウレタン樹脂、併用樹脂の溶解性や印刷時の乾燥性などを考慮して、混合して使用することが好ましい。
印刷インキは、顔料を樹脂、溶剤等を用いて分散する公知の方法により製造することができる。例えば、顔料をウレタン樹脂、併用樹脂、分散剤等により溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて樹脂、添加剤などを配合する方法で得られる。
[他の印刷層]
白ベタ層以外の、他の印刷層は、白ベタ層と同じく印刷インキにより印刷して形成される。
印刷インキは、例えば顔料、バインダー樹脂、必要に応じて添加剤、有機溶剤等を用いて製造できる。色材以外は、白ベタ層用の印刷インキに記載したものと同じものを用いることができる。
色材として、顔料、染料を用いることができる。顔料としては、一般に印刷インキや塗料で使用できるカラーインデックスに記載のC.I.ピグメントを任意に使用することができる。例えば、酸化チタン、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などの有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。更に有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレート顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などを挙げることができる。これらの顔料の含有率としては、印刷インキ中に0.5~50重量%使用することができる。
<接着剤層>
接着剤層を有する場合、接着剤層を形成する接着剤としては、一般的に、ポリオール主剤及びポリイソシアネート硬化剤の混合物からなる2液型ウレタン接着剤等が用いられ、接着剤層は、該接着剤の硬化物である。
ポリオール主剤は、水酸基を2つ以上有する化合物であればよく、公知のポリオールから選択することができる。ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
ポリオール主剤は、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよいし、酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したものや、ジイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい。
ポリイソシアネート硬化剤は、イソシアネート基を2つ以上有する化合物であればよく、公知のポリイソシアネートから選択することができる。ポリイソシアネート硬化剤としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、又は脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、変性された変性体であってもよい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。
なお、二酸化チタンの平均一次粒子径、純度、および水分量と、樹脂のガラス転移温度、結晶化温度、重量平均分子量、水酸基価、およびアミン価とは次の方法で測定した。
<二酸化チタンの平均一次粒子径>
平均粒子径は、二酸化チタンを走査電子顕微鏡の拡大画像(千倍)から観察できる粒子径(20個)を平均したものである。なお、表面被覆を施した二酸化チタンである場合、被覆後の二酸化チタンの平均一次粒子径である。
<二酸化チタンの純度>
純度は、二酸化チタンをエネルギー分散型蛍光X線分析装置により求めた数値である。なお、表面被覆を施した二酸化チタンである場合、被覆層を有する二酸化チタンが含有する二酸化チタンの含有率である。
<二酸化チタンの水分量>
水分量は、カールフィッシャー法水分測定装置(平沼産業製)を用いて260℃および100℃における含水量をJIS K7251に準拠して測定した。
<ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度、融解温度の測定>
ガラス転移温度、結晶化温度、融解温度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。アルミニウムパンに試料約10mgを秤量してDSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパンとした。)、窒素雰囲気下、40℃から300℃まで20℃/分で昇温し、得られたDSCチャートのベースラインの吸熱シフトからガラス転移温度を算出し、さらに高温側の吸熱ピークから融解温度を求めた。その後、300℃から40℃まで5℃/分で降温し、得られたDSCチャートの発熱ピークから結晶化温度を求めた。
<重量平均分子量Mwの測定>
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製Shodex LF-404 2本
昭和電工社製Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
<水酸基価の測定>
以下において、JISK0070に記載の方法に従って水酸基価を測定した。
<アミン価の測定>
以下において、JISK7237に記載の方法に従ってアミン価を測定した。
<オーバーコート剤の作製>
ポリエステル樹脂A溶液(ポリエステルA)(ひまし油、トリメチロールプロパン、無水フタル酸を構成成分として含む、重量平均分子量3300 水酸基価109mgKOH/gの油脂変性アルキド樹脂、芳香族基の含有量11重量%、固形分73%、酢酸エチル(EA)溶液)7.8部、セルロース樹脂溶液(セルロース樹脂)(固形分30%、EA/イソプロパノール(IPA)溶液)28.6部、XDI-TMPアダクト(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト三井化学社製、タケネートD-110N、固形分33%)20.8部、TEGO450(EVONIC社製、TEGO Glide 450、ポリエーテルシロキサンコポリマー)を0.1部、EA42.7部を混合し、ディスパーで30分撹拌を行うことで、固形分30%のオーバーコート剤OC1を得た。ポリエステル樹脂Aは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂A全体の77重量%含有する。
<印刷インキ用ポリウレタン樹脂の合成>
アジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られる数平均分子量1,000のポリエステルポリオール(PMPA)150部、数平均分子量700のポリプロピレングリコール(PPG700)を50部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)103.4部、およびEA75.8部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(IPDA)44.6部、EA/IPA=50/50(重量比)の混合溶剤736.2部を混合したものに、上記末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価9.5mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、重量平均分子量50,000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
<印刷インキP1の製造>
バインダー樹脂として、ウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)32部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学社製、ソルバインTAO、固形分30%、EA溶液)3部、塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製、370M、塩素含有率30%、固形分50%)を1.0部、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス320P、平均粒子径2.5μm、固形分40%の分散体)を2部、藍顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)を10部、メチルエチルケトン(MEK)/酢酸n-プロピル(NPAC)/イソプロパノール(IPA)=40/40/20(重量比)の溶液52部を混合し、アイガーミルで15分間分散し、印刷インキP1を得た。
<印刷インキP2の製造>
表1に示した原料及び配合比率に変更した以外は、印刷インキP1の製造例と同様の手法により、印刷インキP2を得た。なお、二酸化チタンにはテイカ製チタニックスJR-805を使用した。
Figure 2023134042000001
<二酸化チタン(A-1)の製造>
ルチル型二酸化チタン粒子(純度99.7%、平均一次粒子径0.23μm)を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタン100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl換算で1.3重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することでアルミニウム酸化物の第一の被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥し、ジェットミルで粉砕しながら、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してメチルトリエトキシシラン0.5重量部を添加して混合することで第二の被覆層を形成した。これによりアルミニウムの含水酸化物及び有機ケイ素化合物を使用した表面被覆層を有する平均一次粒子径0.25μm、純度97.6%の二酸化チタン(A-1)を得た。
<二酸化チタン(A-3)の製造>
ルチル型二酸化チタン粒子(純度99.3%、平均一次粒子径0.20μm)を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO換算で0.6重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面処理する前の二酸化チタン100重量部に対して、硫酸ジルコニウム酸化物をZrO換算で0.3部、アルミン酸ナトリウムをAl換算で0.6重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することでアルミニウム酸化物とジルコニウム酸化物の被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥し、ジェットミルで粉砕しながら、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサンを1.0重量部添加し、混合して被覆することでアルミニウムの含水酸化物、ケイ素の含水酸化物、ジルコニウムの含水酸化物及び有機ケイ素化合物を使用した表面被覆層を有する平均一次粒子径が0.22μm、純度96.5%の二酸化チタン(A-3)を得た。
<二酸化チタン(A-4)の製造>
アナターゼ型二酸化チタン粒子(純度99.9%、平均一次粒子径0.18μm)を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO換算で0.3重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面被覆する前の二酸化チタンの100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl換算で0.6重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することでアルミニウム酸化物の被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥し、ジェットミルで粉砕しながら、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し混合することで第三の被覆層を形成した。これによりアルミニウムの含水酸化物、ケイ素の含水酸化物及び有機ケイ素化合物を使用した表面被覆層を有する平均一次粒子径0.18μm、純度98.8%の二酸化チタン(A-4)を得た。
<二酸化チタン(A-2、A’-1、2)の製造>
表面被覆層の種類によって、二酸化チタン(A-1)、または(A-4)の製造と同様の方法にて二酸化チタンに表面被覆を行い、表2に示す被覆層を有する二酸化チタンを作製し、各々の性状を測定した。
なお、二酸化チタン(A-2)、(A’-1)、(A’-2)の製造に用いた元の二酸化チタンの純度及び平均一次粒子径は下記である。
(A-2)純度99.8%、平均一次粒子径0.18μm
(A’-1)純度99.2%、平均一次粒子径0.29μm
(A’-2)純度99.3%、平均一次粒子径0.24μm
なお、表面被覆していないA-5には堺化学工業製二酸化チタンSA-1を用いた。
Figure 2023134042000002
<熱可塑性樹脂>
樹脂-1;ポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温度Tg:79℃、結晶化温度:163℃、融解温度:252℃)
樹脂-2;ポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温度Tg:72℃、結晶化温度:147℃、融解温度:232℃)
樹脂-3;ポリエチレンテレフタレート(ガラス転移温度Tg:71℃、結晶化温度:140℃、融解温度:222℃)
樹脂-4;ポリエチレンイソフタレートテレフタレート(ガラス転移温度Tg:70℃、結晶化温度:135℃、融解温度219℃)
樹脂-5;ポリカーボネート(ガラス転移温度Tg:149℃、結晶化温度:無し、融解温度:無し)
樹脂-6;ポリプロピレン(ガラス転移温度Tg:0℃、結晶化温度:124℃、融解温度:161℃)
樹脂-7;ポリ乳酸(ガラス転移温度Tg:60℃、結晶化温度:112℃、融解温度:170℃)
[実施例1]
<マスターバッチの製造>
樹脂-1(ポリエチレンテレフタレート、ガラス転移点Tg:79℃、結晶化温度:163℃、融解温度:252℃)100重量部と二酸化チタン(A-1)100重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所製)を用いて280℃で溶融混練を行い、ペレタイザーを使用して、二酸化チタン(A-1)が50重量%、樹脂-1が50重量%のペレット状のマスターバッチMB1を得た。なお、この時の二軸押出機先端から出てくる溶融した樹脂組成物の実測温度は288℃であった。
[実施例2~10、比較例1~6]
表3、4に示す組成、および配合比(重量%)とした以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチMB2~MB16を得た。
Figure 2023134042000003
Figure 2023134042000004
[実施例11]
<シュリンク性白色基材の製造>
得られたマスターバッチMB1を30重量部と、樹脂-1(ポリエチレンテレフタレート、ガラス転移点Tg:79℃、結晶化温度:163℃、融解温度:252℃)70重量部を単層Tダイフィルム成形機(東洋精機社製)を用いて温度290℃にて押出し成形し、表面温度30℃に冷却した金属ロールに接触させて急冷することにより、未延伸フィルムを得た。
次いで、未延伸フィルムをテンターへ導き、予熱ゾーンで100℃に加熱し、80℃の設定温度の延伸ゾーンで幅方向に5倍延伸した。続いて83℃で5秒間熱処理を行って、その後冷却した。両縁部を裁断除去して幅500mmでロール状に巻き取ることによって、厚さ60μmのシュリンク性白色基材S1を得た。シュリンク性白色基材S1は、二酸化チタン(A-1)が15重量%、樹脂-1が85重量%である。
[実施例12~23、比較例7~14]
表5、6に示す組成、および配合比(重量%)とした以外は、実施例1と同様にしてシュリンク性白色基材S2~S21を得た。
Figure 2023134042000005
Figure 2023134042000006
[実施例24]
<シュリンクラベルの製造>
印刷インキP2及びオーバーコート剤OC1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(重量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で粘度15秒になるように希釈した。
作製した厚み50μmのシュリンク性白色基材S1に対し、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈した印刷インキP2を塗布し、白ベタ印刷層を有する印刷フィルムを得た。
次に、上記で作製した印刷フィルムの白ベタ印刷層面に、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈したオーバーコート剤OC1を塗布し、シュリンク性白色基材/白ベタ印刷層/オーバーコート層の構成であるシュリンクラベルを得た。
[実施例25~28、30~33、35~38、比較例15、17~23]
表7に示す印刷インキ、およびシュリンク性白色基材を用いた以外は、実施例24と同様にしてシュリンクラベルを得た。
[実施例29]
<シュリンクラベルの製造>
印刷インキP1、P2及びオーバーコート剤OC1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(重量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で粘度15秒になるように希釈した。
作製した厚み60μmのシュリンク性白色基材S5に対し、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈した印刷インキP2を塗布し、白ベタ印刷層を有する印刷フィルムを得た。
次に、上記で作製した印刷フィルムの白ベタ印刷面に、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈した印刷インキP1を塗布し、藍ベタ印刷層を有する印刷フィルムを得た。
次に、上記で作製した印刷フィルムの藍ベタ印刷面に、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈したオーバーコート剤OC1を塗布し、シュリンク性白色基材/白ベタ印刷層/藍ベタ印刷層/オーバーコート層の構成であるシュリンクラベルを得た。
[実施例34、比較例16]
表7に示す印刷インキ、およびシュリンク性白色基材を用いた以外は、実施例29と同様にしてシュリンクラベルを得た。
実施例および比較例で得られたシュリンク性白色基材およびシュリンクラベルを以下の基準で評価した。結果を表7に示す。
<平均透過率>
得られたシュリンク性基材およびシュリンクラベルについて、平均透過率は分光光度計を用いて波長400~700nmの透過率の平均値を算出した。分光光度計には、島津サイエンス社製UV-VIS-NIR SPECTROPHOTOMETER UV3150を用いた。
<隠蔽性>
得られたシュリンクラベルを石英セルの受光側に張り付け、蛍光光度計(日立ハイテク社製)を用いて、300nmから500nmまで20nm刻みで各波長の光を1時間当て続けた。次いで、紫外可視分光光度計により、光照射前後の300~600nmのスペクトルを測定した。測定試料には、ビタミンA、B2、B12、B6、K1の1×10-4mol/Lのエタノール溶液5種類を用いた。隠蔽性の判定は照射前後で紫外可視スペクトルの変化率を下記の基準で行った。
[評価基準]
◎:試験前後で5種類全てのビタミン溶液における各波長の変化率が2%以下であり、ビタミンの劣化が見られず、実用上非常に優れる。
○:試験前後でビタミン溶液における各波長での変化率が2%を超えるものがあるが、
試験前後で5種類全てのビタミン溶液における各波長での変化率が4%以下であり、ビタミンの劣化が見られず、実用上優れる。
△:試験前後でビタミン溶液における各波長での変化率が4%を超えるものがあるが、
試験前後で5種類全てのビタミン溶液における各波長での変化率が6%以下であり、僅かにビタミンの劣化が見られ、実用範囲内。
×:試験前後でビタミン溶液における各波長での変化率が6%を超えるものがあり、明らかなビタミンの劣化が見られ、実用不可。
<密着性>
得られたシュリンクラベルのオーバーコート層に、ニチバン社製セロハンテープ(登録商標)(12mm幅)を貼り、急激に引き剥がした際の印刷層の剥離程度を評価した。密着性の判定は下記の基準で行った。
[評価基準]
○:印刷層の剥離面積が20%未満であり、実用上優れる。
△:印刷層の剥離面積が20%以上40%未満であり、実用範囲内。
×:印刷層の剥離面積が40%以上であり、実用不可。
<強靭性>
シュリンク性白色基材を得る前の未延伸フィルムを200mm×30mmの大きさに切断し、温度83℃、相対湿度50%環境下、耐光試験機(フェードメーター)で50時間照射した後、引張試験測定をN=10で行った。サンプルは状態調節として、試験前に23℃、相対湿度50%の環境下で6時間静置後行った。強靭性は引張伸び率400%時のフィルム破断有無により下記の基準で評価した。
[評価基準]
○:破断したフィルム試験片がなく、実用上優れる。
△:破断したフィルム試験片が1つあり、実用範囲内。
×:破断したフィルム試験片が2つ以上あり、実用不可。
<シュリンク均一性>
シュリンクラベルを用いて直径7cm、高さ15cmの筒状にした後、直径5cmの円柱に被せた。次いで、各試料につきN=20で100℃に設定した熱風ヒーター内を15秒通過させ、シュリンク均一性を目視にて下記の基準で評価した。
[評価基準]
○:シュリンクムラが無く、隠蔽性も均一であり、実用上優れる。
△:シュリンクムラは無いが、隠蔽性の異なる箇所があり、実用範囲内。
×:シュリンクムラがあり、隠蔽性の異なる箇所もあり、実用不可。
Figure 2023134042000007
表7の結果より、実施例24~38は比較例と比較し、全ての評価項目において実用上優れる又は実用範囲内であり、シュリンクラベルとして使用でき、ボトルを着色することなく、内容物の劣化を抑制しうる結果が確認できた。

Claims (7)

  1. オーバーコート層と、印刷層と、シュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベルにおける、
    前記シュリンク性白色基材を形成するために用いられる白色樹脂組成物であって、
    二酸化チタン(A)と熱可塑性樹脂を含み、
    二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径0.13~0.28μm、かつ純度95~99.9%であり、
    熱可塑性樹脂は、結晶化温度がガラス転移温度より60℃以上高く、かつガラス転移温度が65~110℃である、
    白色樹脂組成物。
  2. 二酸化チタン(A)は、カールフィッシャー法における、100℃の水分量と260℃の水分量の差が2500ppm以下である、請求項1記載の白色樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、二酸化チタン(A)を10~170重量部含む、請求項1または2記載の白色樹脂組成物。
  4. 請求項1~3いずれか1項記載の白色樹脂組成物から形成してなるシュリンク性白色基材。
  5. 波長400~700nmの平均透過率が10~30%である、請求項4記載のシュリンク性白色基材。
  6. オーバーコート層と、印刷層と、請求項4または5記載のシュリンク性白色基材とをこの順で備え、シュリンク性白色基材に直接印刷層を有するシュリンクラベル。
  7. 波長400~700nmの平均透過率が10%未満である、請求項6記載のシュリンクラベル。

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