JP2023030236A - シュリンクフィルム - Google Patents

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JP2023030236A JP2021135263A JP2021135263A JP2023030236A JP 2023030236 A JP2023030236 A JP 2023030236A JP 2021135263 A JP2021135263 A JP 2021135263A JP 2021135263 A JP2021135263 A JP 2021135263A JP 2023030236 A JP2023030236 A JP 2023030236A
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Keisuke Masuko
悠太 小林
Yuta Kobayashi
哲哉 佐井
Tetsuya Sai
将希 畑
Masaki Hata
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Abstract

【課題】隠蔽性、熱収縮性を備え、表刷り印刷フィルムにおいても、密着性、耐熱性、等の諸物性に加え、高い光沢性を発現できるシュリンクフィルムの提供。【解決手段】上記課題は、バインダー樹脂およびイソシアネート硬化剤を含有するオーバーコート層(A)と、印刷層(B)と、シュリンク性基材(C)を含んでなるシュリンクラベルであって、オーバーコート層(A)の前記バインダー樹脂は、ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂全体の30質量%以上含有し、前記ポリエステル系樹脂は、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂全体の50質量%以上含有し、前記バインダー樹脂と前記イソシアネート硬化剤のいずれか、または両方が、芳香族基、脂環族基およびピラノース基から選ばれる少なくとも一種の環状構造を有するシュリンクフィルムによって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、オーバーコート層、印刷層、シュリンク性基材より構成されたシュリンクフィルムに関する。
近年、ゴミとして廃棄、投機されたボトルやパッケージ等のプラスチック製品が海に流れ込み、長い月日を経て分解され、マイクロプラスチックと呼ばれる小さな破片となることが報告されている。海洋生物がマイクロプラスチックを摂取することで、食物連鎖を通じて人への有害化学物質の体内蓄積が懸念されている。
プラスチック製ボトルの場合、基材としてポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンが多く使用されている。これらの基材は内容物の保護、意匠性、あるいは製品情報付与の観点から着色及び印刷が施されているため、マテリアルリサイクルには適していない。そのため、ボトルではなく、シュリンクフィルムに着色や印刷を施し、透明ボトル胴部にシュリンクラベルとして巻くことが提案されている(例えば、特許文献1)。
フィルム基材への印刷はフィルムの表面に直接印刷を行なう表刷り印刷と、インキをフィルムの裏面に印刷する裏刷り印刷に大別される。表刷り印刷フィルムは、最表面に印刷インキ層を形成するため、フィルム基材を着色することができるが、フィルム基材と比較し、光沢感が劣り、耐擦傷性や耐熱性でも劣る場合が多い(特許文献2)。一方、裏刷り印刷フィルムでは、フィルム基材自体の諸物性が有効に活かされる事から、最外層が印刷層である表刷り印刷に比べて、高い光沢性や耐擦傷性が容易に得られるという特徴がある。しかし、この方法は、基材へ印刷インキを印刷したのち当該印刷層上に別のフィルムを貼り付けなければならず、工程として手間がかかるうえフィルム基材と印刷層の密着性、デラミネーション(浮き)など当該工程を経るがゆえの物性において不充分な場合が多く、また接着剤やラミネート工程などが必要であるためコスト的にも課題がある。また、フィルム基材への貼り付けを行わない場合、内容物を保護するための隠蔽性を付与するのが困難であった。
そこで、表刷り印刷によるフィルムでも高い光沢感や耐熱性を付与するために、表刷り印刷層の表面に、更にオーバーコート剤により保護層を形成する方法も検討が行われている。この方法によればラミネート積層体のように複雑な製造工程を経ることなくラミネート積層体と同程度に光沢感や耐擦傷性を付与することが期待できる。しかしながら従来のオーバーコート剤としては、ウレタン樹脂系からなるコート剤(特許文献3)や、アクリル樹脂系からなるコート剤(特許文献4)、アミド樹脂系からなるコート剤(特許文献5)、ポリ乳酸系のオーバーコート剤(特許文献6)等が提案されているが、いずれもラミネート積層体に比べて、光沢感や耐熱性等において改善の余地を有するものであった。
実開昭56-167382号公報 特開2019-119824号公報 特開2018-145283号公報 特許第5828196号公報 特開2016-079306号公報 特開2003-147265号公報
本発明は、隠蔽性、熱収縮性を備え、表刷り印刷フィルムにおいても、密着性、耐熱性等の諸物性に加え、高い光沢性を発現できるシュリンクフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、オーバーコート層(A)と、印刷層(B)と、シュリンク性基材(C)とを含んでなるシュリンクフィルムであって、
オーバーコート層(A)は、バインダー樹脂およびイソシアネート硬化剤を含有するオーバーコート剤より形成されてなり、
前記バインダー樹脂は、ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂全体の30質量%以上含有し、前記ポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂全体の50質量%以上含有し、
前記バインダー樹脂と前記イソシアネート硬化剤とのいずれか、または両方が、芳香環、脂環および複素環から選ばれる少なくとも一種の環状構造を含有することを特徴とするシュリンクフィルム。
また本発明は、環状構造の含有量が、オーバーコート剤の固形分総質量中、7~50質量%である、上記シュリンクフィルムに関する。
また本発明は、ポリエステル系樹脂のエステル結合濃度は、0.5mmol/g~12.0mmol/gである、上記シュリンフィルムに関する。
また本発明は、イソシアネート硬化剤は、アダクト型イソシアネート化合物および/またはビウレット型イソシアネート化合物を含有する、上記シュリンクフィルムに関する。
また本発明は、バインダー樹脂は、さらにセルロース系樹脂または塩化ビニル共重合樹脂を含有し、ポリエステル系樹脂と前記セルロース系樹脂または塩化ビニル共重合樹脂の質量比が、90:10~30:70である、上記シュリンクフィルムに関する。
また本発明は、印刷層(B)は、白色層、黒色層のいずれか又は両方の層がベタ印刷されている層を含む請求項1~5記載のシュリンクフィルムに関する。
また本発明は、印刷層及びオーバーコート層を施した後のシュリンクフィルムの400~700nmの平均透過率が15%以下であり、60°光沢度が20以上である、上記シュリンクフィルムに関する。
本発明により、隠蔽性、熱収縮性を備え、表刷り印刷フィルムにおいても、密着性、耐熱性等の諸物性に加え、高い光沢性を発現できるシュリンクフィルムを提供することができる。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する実施形態または要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<オーバーコート層(A)>
本発明は、オーバーコート層と印刷層とシュリンク性基材から構成されるシュリンクフィルムに関する。当該オーバーコート層は、オーバーコート剤より形成されてなり、当該オーバーコート剤は、ポリエステル系樹脂を含むバインダー樹脂とイソシアネート硬化剤を含む。オーバーコート剤中のポリエステル系樹脂は柔軟性と密着性を付与し、イソシアネート硬化剤は耐熱性や耐擦傷性を付与する。なお、光沢度および密着性を良好とするため、バインダー樹脂および/またはイソシアネート硬化剤が、環状構造基を有しており、当該環状構造基は、芳香族基、脂環族基、および複素環基からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。環状構造基の含有量は、オーバーコート剤中の固形分総質量中7~50質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがなお好ましく、15~40質量%であることが更に好ましい。なお、固形分とは、オーバーコート剤の不揮発成分の総質量をいう。
(環状構造基の含有量)
環状構造基の含有量は、以下の式により算出することができる。
環状構造の含有率(%)=原料中の環状構造基を構成する原子の原子量の合計/原料全原子の原子量の合計
ここで、原料とはバインダー樹脂やイソシアネート系硬化剤等のオーバーコート剤を構成する化合物を指し、環状構造を構成する全原子とは、芳香環や脂環や複素環といった環状構造そのものを構成する炭素原子あるいは複素原子と、それら原子に直接結合する水素原子とを意味し、水素原子以外の、メチル基やニトロ基といった環状構造に置換もしくは隣接した基の原子は含まないものと定義する。
例えば、イソシアネート硬化剤のキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト化合物(XDI-TMPアダクト、C36H35N6O9)である場合、全体分子量695.7に対して、芳香族基である環状構造(C6H4=76.1)は3箇所あり、それらの合計である分子量は228.3なので、環状構造の含有率は228.3/695.7=33%となる。オーバーコート剤の固形分総質量中、環状構造の含有量は、各分子の環状構造の含有率と、のオーバーコート剤の固形分に占める当該分子の比率とをかけ合わせて得られる。
本発明のオーバーコート剤は表刷り用としての使用が好ましい。本発明において、表刷りとは、シュリンク性基材に印刷した場合、基材上に印刷インキ(印刷層)、オーバーコート剤(オーバーコート層)の順で印刷され、印刷された面、すなわちオーバーコート層側からみて印刷模様が確認できる場合を表刷りとする。つまり、オーバーコート剤からなるオーバーコート層が本発明のシュリンクフィルムにおいて最外層となる。以下、本発明のオーバーコート剤を構成する各材料について説明する。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂とはオーバーコート剤に含まれる主成分の樹脂をいい、バインダー樹脂全量中にポリエステル系樹脂を30質量%以上含み、50質量%以上であることが好ましい。バインダー樹脂は上記環状構造を有することが好ましく、当該環状構造は芳香環(芳香族環状構造)や脂環(脂環族環状構造)、複素環(ピラノース環状構造など)から選ばれる。当該該環状構造はバインダー樹脂総質量中に5~60質量%含まれることが好ましく、20~50質量%含まれることがなお好ましい。
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂総質量中に50質量%以上含有していれば特に制限はなく、公知の方法により適宜製造される。ポリエステル系樹脂は、上記同様に芳香環、脂環、複素環から選ばれる少なくとも一種の環状構造を有することが好ましい。当該環状構造は芳香環および/または脂環であることが好ましい。ポリエステル系樹脂中の環状構造の含有量は1~80質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましい。ポリエステル系樹脂は、例えば、多価アルコールとカルボン酸とを公知のエステル化重合反応を用いて反応させてなるポリエステル樹脂や以下に記載のアルキド樹脂などが挙げられる。当該ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂総質量中に50質量%以上含有していれば、さらに、アクリル変性、あるいはイソシアネート変性されて、一般的にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂に分類されるものも含まれる。
なお、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位とは、二塩基酸に由来する構成単位と多価アルコールに由来する構成単位とが直接結合している構造単位一体を指す。
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は500~100,000であることが好ましく、2,000~50,000であることがより好ましい。密着性や耐ブロッキング性、およびインキの印刷工程における作業効率、印刷適性などが良好となるためである。
多価アルコールのうち脂環族アルコールとしては、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどが挙げられる。なお、単官能アルコールである、シクロヘキサノール、シクロヘキサンエタノール、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、メントール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-2-ブテン-1-オール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、2-(tert-ブチル)シクロヘキサノールなども併用することができる。多価アルコールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多価アルコールのうち芳香族アルコールとしては、1,4-ベンゼンジメタノール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多塩基酸のうち脂環族二塩基酸としては、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,1-シクロペンタン二酢酸、デカヒドロ-1,4-ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
多塩基酸のうち芳香族多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2-フェニレン二酢酸、1,3-フェニレン二酢酸、1,4-フェニレン二酢酸、4-(カルボキシメチル)安息香酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
なお、上記ポリエステル樹脂には環状構造を有しない多価アルコールや、環状構造を有しない多塩基酸も使用できる。
脂環状構造を持たない多価アルコールとしては、以下の例に限定されないが、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどが挙げられる。
環状構造を持たない多塩基酸としては、以下の例に限定されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸などが挙げられる。なお、必要に応じてギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、リノール酸などの一塩基酸を併用してもよい。
さらに、酸無水物類を使用してもよく、例えば、無水コハク酸、メチル無水コハク酸物、2,2-ジメチル無水コハク酸、ブチル無水コハク酸、イソブチル無水コハク酸、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、フェニル無水コハク酸、無水グルタル酸、3-アリル無水グルタル酸、2,4-ジメチル無水グルタル酸、2,4-ジエチル無水グルタル酸、ブチル無水グルタル酸、ヘキシル無水グルタル酸、無水マレイン酸、2-メチル無水マレイン酸、2,3-ジメチル無水マレイン酸、ブチル無水マレイン酸、ペンチル無水マレイン酸、ヘキシル無水マレイン酸、オクチル無水マレイン酸、デシル無水マレイン酸、ドデシル無水マレイン酸、2,3-ジクロロ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、2,3-ジフェニル無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、4-メチル無水フタル酸、ダイマー酸、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水ヘッド酸、ビフェニルジカルボン酸無水物、無水ハイミック酸、エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、メチル-3,6-エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、1-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ-1,3-ジオキソ-4,5-イソベンゾフランジカルボン酸無水物等が挙げられる。
(アルキド樹脂)
アルキド樹脂は、カルボン酸化合物,及び脂肪酸(又は動植物油)と、アルコール化合物の縮重合(縮合重合)によって合成されるアルキド樹脂や、動植物油またはその脂肪酸モノエステルと、カルボン酸化合物との反応後、アルコール化合物をエステル化反応させてなるアルキド樹脂などが挙げられる。いずれも油脂を変性したアルキド樹脂に該当する。
本発明に使用するアルキド樹脂は水酸基価5~200mgKOH/gであることが好ましく、20~150mgKOH/gであることがなお好ましい。アルキド樹脂の重量平均分子量としては500~100,000であることが好ましく、2,000~50,000であることがなお好ましい。アルキド樹脂中の環状構造の含有量は1~80質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましい。
アルキド樹脂に使用される上記カルボン酸化合物としては、二塩基酸などの多塩基酸が好ましく、当該二塩基酸としては、上記芳香族カルボン酸(無水物含む)、脂環族カルボン
酸(無水物含む)、が好適に挙げられる。中でも芳香族カルボン酸(無水物含む)である
ことが好ましく、当該化合物としては無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸などが好適である。
アルキド樹脂に使用される上記アルコール化合物としては、脂環族アルコール、芳香族アルコールおよび環状構造を有しないアルコールが好適に挙げられ、上記同様のものが好適に使用できる。中でも、環状構造を有しないアルコールの使用が好ましく、当該アルコールとしては、二価のアルコール化合物としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネペンチルグリコールなどが好適に挙げられ、三価以上のアルコール化合物として(モノまたはジまたはトリ)グリセリン、(モノまたはジまたはトリ)トリメチロ-ルエタン、(モノまたはジまたはトリ)トリメチロ-ルプロパン、(モノまたはジまたはトリ)トリメチロ-ルアルカン、(モノまたはジまたはトリ)ペンタエリスリト-ル、ソルビトール等の脂肪族多価アルコール等が例示される。
上記動植物油としては、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。
上記脂肪酸としては、混合脂肪酸であってよく、脂肪酸としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などが好適に挙げられる。
上記脂肪酸モノエステルは、上記脂肪酸とアルコールにより形成されるアルキルエステルが挙げられ、当該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、などのアルカノールが好適に挙げられる。
(エステル結合濃度)
本発明における実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂はエステル結合濃度0.5mmol/g~12.0mmol/gが好ましく、4.0mmol/g~10.5mmol/gであることがより好ましい。密着性や耐ブロッキング性、有機溶剤への溶解性などが良好となるためである。ここでいうエステル結合濃度は、以下の式(1)で算出される数値である。
式(1)
エステル結合濃度(mmol/g)=ポリエステル系樹脂の有するエステル結合の総モル数(mmol)/ポリエステル系樹脂の固形分総質量(g)
上記のように、エステル結合濃度は、ポリエステル系樹脂総量に対するエステル結合のモル数を表しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合は、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合した繰り返し単位がテレフタル酸の分子量166およびエチレングリコールの分子量62より、脱水分を差し引き、繰り返し単位分子量192(166+62-2×18=192)のうちエステル結合が2mol含まれるので、エステル結合密度は2/192=0.0104mol/g=10.4mmol/gと計算される。
<セルロース系樹脂>
本発明のオーバーコート剤には、光沢や耐熱性を向上させるために、セルロース系樹脂を併用することが好ましい。具体的には、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、上記アルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロースが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000~300,000のものが好ましく、10,000~200,000がより好ましく、10,000~100,000であることが更に好ましい。また、ガラス転移温度が100℃~160℃であるものが好ましい。
(ニトロセルロース)
ニトロセルロースは、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましく、重量平均分子量としては上記同様の範囲であることが好ましく。また、平均重合度35~480、更には50~200の範囲のものが好ましい。平均重合度が50以上の場合、インキ被膜の強度が向上し、耐摩擦性、耐もみ性が向上するため好ましい。又、平均重合度が200以下の場合、溶剤への溶解性、インキの低温安定性、併用樹脂との相溶性が向上するため好ましい。また、窒素分は10.5~12.5質量%であることが好ましい。
なお一実施形態において、バインダー樹脂は、上記ポリエステル系樹脂とセルロース系樹脂を含むことが好ましい。この場合においてポリエステル系樹脂とセルロース系樹脂との使用比率は、質量比90:10~30:70であることが好ましく、質量比70:30~40:60であることがなお好ましい。上記ポリエステル系樹脂はアルキド樹脂を含むことが好ましい。セルロース系樹脂はニトロセルロースを含むことが好ましい。バインダー樹脂は、ポリエステル系樹脂とセルロース系樹脂とを70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがなお好ましい。
<併用樹脂><塩化ビニル共重合樹脂>
本発明の実施形態においてバインダー樹脂は、上記ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂以外にもその他樹脂を併用する場合も好適であり、例としては、以下に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂などの塩化ビニル共重合樹脂、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
<イソシアネート硬化剤>
本発明のオーバーコート剤には、耐熱性向上のために、イソシアネート硬化剤を使用する。光沢向上のため、イソシアネート硬化剤は環状構造を有するものが好ましい。具体的には、イソシアネート硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物および変性イソシアネート化合物を好適に利用できる。変性イソシアネート化合物とは、具体的には、2量体のアロファネート型イソシアネート化合物、3量体のビウレット型イソシアネート化合物、アダクト型イソシアネート化合物、およびイソシアヌレート型イソシアネート化合物などが好適である。当該ビウレット型イソシアネート化合物とは尿素が2量化した構造を有するイソシアネート化合物である。また、イソシアヌレート型イソシアネート化合物とはポリイソシアネート化合物の環状3量体であるイソシアネート化合物をいう。アダクト型イソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物と多価アルコールとの付加体をいい、例えば、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応物などが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネートが好ましく、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、及び、α,α,α′,α′-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートが好適である。変性イソシアネート化合物のうち具体的な市販の製品としては、例えば、デュラネート24A-100、22A-75P、TPA-100、TKA-100、P301-75E(旭化成社製)、タケネートD-160N、D-170N、D-110N、D-101(三井化学製)、デスモジュールN3200、N3600、Z4470BA、L75(C)(コベストロ社製)等が例示できる。イソシアネート硬化剤中に環状構造は5~50質量%含むことが好ましく、20~40質量%含むことがなお好ましい。当該環状構造は、脂環族基および/または芳香族基を有するものが好ましい。イソシアネート硬化剤は、JISK6806に規定されるイソシアネート基(NCO)含有量が、3~30%(質量%)であることが好ましく、5~25%であることがなお好ましい。
イソシアネート硬化剤はバインダー樹脂の架橋性官能基(水酸基やアミノ基等)1当量に対して0.2~8当量配合するのが好ましく、より好ましくは0.8~3当量である。また、バインダー樹脂とイソシアネート硬化剤の使用比率は、質量比95:5~10:90で含むことが好ましく、質量比90:10~20:80で含むことがなお好ましい。この範囲であれば十分な架橋密度が得られ、耐熱性が良好となる。オーバーコート剤を塗布後、反応性を高めるためにエージングを行うことが好ましい。ここで、エージングとは一定の温度湿度状態で数時間から数日間保存することをいう。エージングは、通常のイソシアネート硬化剤の条件でよく、例えば室温で1~10日、40℃で1~3日である。
<添加剤>
本発明に用いられるオーバーコート剤は、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、オーバーコート剤の製造においては、必要に応じて添加剤、例えば湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、キレート架橋剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤などを使用することができる。
<有機溶剤>
本発明のオーバーコート剤は、液状媒体として有機溶剤を含むこと(有機溶剤系オーバーコート剤)が好ましい。以下に限定されるものではないが、使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用しても良い。中でも、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。更に好ましくはエステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤からなる有機溶剤が好ましい。この場合オーバーコート剤100質量%中、6質量%以下の量でグリコールエーテル系有機溶剤を含んでよい。なお、本発明のオーバーコート剤は、液状媒体として水を含んでいても良いが、その含有量は液状媒体100質量%中0.1~5質量%が好ましい。ただしこれらに限定されない。
(オーバーコート剤の製造)
オーバーコート剤の製造は、特に限定はなく、攪拌羽根、回転翼等を供えた攪拌機に、バインダー樹脂と有機溶剤の溶解ないし分散させたバインダー樹脂溶液、溶剤を仕込み、混合、攪拌すればよい。撹拌速度としては特に制限されることはなく、50~300rpmで行うことが可能である。オーバーコート剤の取り扱い、塗布性等の向上のために、さらに溶剤を適宜追加することもできる。イソシアネート硬化剤は最初に仕込むことも可能だが、保存条件、イソシアネート硬化剤の種類によっては使用直前に混合することが好ましい。オーバーコート剤は、印刷方式等により使用されるため粘度としては20~200mPa・sであることが好ましい。
(オーバーコート剤の塗布・印刷)
本発明のオーバーコート剤は、印刷インキにより形成された印刷層上に塗布され、シュリンクフィルムとなる。
本発明のオーバーコート剤は公知の印刷方式で塗布できる。例えば、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式、マイクログラビア印刷方式等が挙げられ、好ましくはグラビア印刷方式である。グラビア印刷方式は円筒状のシリンダー表面に彫られた画線部となる凹部にオーバーコート剤が入り、ドクターと呼ばれる金属板で非画線部のオーバーコート剤を掻き取った後、シリンダーの凹部に残ったオーバーコート剤を印刷フィルム上に転移させて塗布層を形成する方式である。凹部の深さで塗布されるオーバーコート剤量を制御できる。印刷フィルムへの塗布は、塗布後の乾燥性、塗膜の光沢、耐擦り傷性、耐高温熱水性等の膜物性を考慮して、複数回塗布することもできる。オーバーコート剤の使用形態として塗布量、塗布回数を適宜選択することができる。本発明のオーバーコート剤により形成された透明保護層の厚みは0.5~10μmが好ましく、更に好ましくは1~6μmである。
塗布されたオーバーコート剤の乾燥温度は40~80℃で行なうことが好ましい。得られたオーバーコート層を、必要に応じて室温~40℃で1~10日程度エージングすることにより、強靱な透明保護機能を有するオーバーコート層を有するシュリンクフィルムとなる。
<印刷層(B)>
印刷層は、印刷インキより形成されてなる。
印刷インキはバインダー樹脂、顔料、溶剤、必要に応じて添加剤からなる印刷インキであることが好ましい。以下に限定されるものではないが、印刷インキを構成するバインダー樹脂として、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを含む印刷インキであることが好ましい。中でも、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する印刷インキであることがなお好ましい。特にウレタン樹脂を含有する印刷インキはフィルム基材への密着性が良好なことから更に好ましい。
上記ウレタン樹脂は、公知の方法、例えば、特開昭62-153366号公報、特開昭62-153367号公報、特開平1-236289号公報、特開平2-64173号公報、特開平2-64174号公報、特開平2-64175号公報などに開示されている方法により得ることができる。具体的には、ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られたプレポリマーを、適当な溶剤中で鎖伸長剤および/又は反応停止剤と反応させる二段法、あるいはポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)反応停止剤を溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。
本発明の印刷層は少なくとも白色層、黒色層のいずれか又は両方の層がベタ印刷されることで、隠蔽性に寄与する。
白色層に用いられる印刷インキは少なくとも色材、添加剤、有機溶剤からなり、色材全体に対して、白色顔料を50重量%以上含むものである。見た目は、純白でなくてもよい。
黒色層は少なくとも色材、添加剤、有機溶剤を配合してなる。黒色顔料を配合することで、微量においても高い隠蔽性を得ることができる。色材全体に対して、黒色顔料を50重量%を超えて含むものである。見た目は、黒でなくてもよく、灰色などであってもよい。
印刷層は、白色層およびまたは黒色層以外に有彩色の色材を含む1つまたは複数の有彩色層を有することができる。
黒色顔料の配合量は有彩色層の印刷色に影響を与えない限り特に限定されないが、白色層においては白色顔料100質量%に対して黒色顔料1質量%以下が好ましい。
なお、本発明において、印刷層を有する「シュリンクフィルム」を、「印刷物」ともいう。
印刷インキは、添加剤を含むことができ、添加剤としては顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、トラッピング剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。
印刷インキは、色材を含み、色材として、顔料、染料を用いることができる。
顔料としては、一般に印刷インキや塗料で使用できるカラーインデックスに記載のC.I.ピグメントを任意に使用することができる。例えば、酸化チタン、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などの有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。更に有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレート顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などを挙げることができる。これらの顔料の含有量としては、印刷インキ中に0.5~50重量%使用することができる。
印刷インキに使用される有機溶剤としては、上記オーバーコート剤に使用できるものと同様のものが利用でき、公知のアルコール系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、エステル系有機溶剤、脂肪族炭化水素系有機溶剤、および脂環族炭化水素系有機溶剤を使用することができる。ウレタン樹脂、併用樹脂の溶解性や印刷時の乾燥性などを考慮して、混合して使用することが好ましい。
印刷インキは、溶剤を用いることができる。溶剤として、水、有機溶剤が挙げられる。
印刷インキは、顔料を樹脂、溶剤等を用いて分散する公知の方法により製造することができる。例えば、顔料をウレタン樹脂、併用樹脂、分散剤等により溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて樹脂、添加剤などを配合する方法で得られる。
<シュリンク性基材(C)>
本発明に用いられるシュリンク性基材は、フィルム状のプラスチック基材が使用できる。プラスチック基材としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンその他のポリオレフィン基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸その他のポリエステル基材、ポリスチレン基材、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート基材、ポリアミド基材、ポリ塩化ビニル基材、ポリ塩化ビニリデンの各種基材、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものがある。中でも、収縮過程(昇温過程)で温度ムラが生じても、収縮ムラやシワの少ない、均一な仕上りが得られる点でポリエステル系樹脂又はスチレン系樹脂が好ましい。
上記プラスチック基材としては、(1)単一種からなるプラスチック基材、(2)複数種のプラスチック基材を多層化した多層プラスチック基材が挙げられる。本発明においては、収縮温度、収縮率の均一性の観点から単層プラスチック基材であることが好ましい。
シュリンク性基材は、プラスチック製ボトルを用いる場合、内容物の劣化を防ぐために、隠蔽性を高めることを要求される場合には、400~700nmの平均透過率が小さくなるように、酸化チタンなどの光吸収性の物質を配合することが好ましい。

シュリンク性基材には平均粒子径0.15~0.35μmの酸化チタンを配合することが好ましい。0.15~0.35μmの範囲にあることで、可視領域における高い反射効果が得られ、隠蔽性に寄与する。好ましくは0.18~0.28μmである。酸化チタンの結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型、およびブルカイト型が使用できるが、ルチル型、アナターゼ型が好ましい。ルチル型は、他のタイプと比較して、屈折率が高く、反射効率が高いため、より隠蔽性を上げることができる。なお、平均粒子径は、走査電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍~一万倍)から観察できる粒子径(例えば20個程度)を平均したものである。酸化チタンの粒子形状は、球状、楕円状、棒状、繊維状等公知の粒子形状を使用できる。ここでアスペクト比が1.5以上の粒子は長径の平均を平均一次粒子径とする。
酸化チタンは金属酸化物及び/又は有機物で形成した被覆層を有することができる。これらの被覆層が存在することで、触媒活性による樹脂の劣化を抑制し、かつ、樹脂への分散が向上するため、低濃度でも高い隠蔽性を付与することができる。
酸化チタンの金属酸化物被覆層にはアルミ、ケイ素、ジルコニウムの酸化物が好ましく、含水酸化物であっても良い。含水酸化物としては、含水アルミナ(Al・nHO)、含水シリカ(SiO・nHO)、ジルコニウムの含水酸化物(ZrO・nHO)である。
酸化チタンの金属酸化物被覆層は、表面被覆する前の二酸化チタン100重量%に対して、アルミ酸化物0.2~4質量%で被覆することが好ましい。また、ケイ素酸化物又はジルコニウム酸化物は、表面被覆する前の二酸化チタン100質量%に対して、それぞれ0.1~3質量%で被覆することが好ましい。
有機物の被覆層は酸化チタンの分散に寄与し、例えば多価アルコール、有機ケイ素化合物、アミン、アミノ酸、脂肪酸、カルボン酸塩、金属石鹸、およびワックス等が挙げられる。これらの中でも、多価アルコール、有機ケイ素化合物が好ましい。有機物は1種または2種以上を使用できる。有機物を使用した表面被覆量は、処理前の二酸化チタン100重量%に対して0.1~3重量%が好ましく、さらに好ましくは、0.1~1.5重量%である。
本発明で用いることができる多価アルコールとして、具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンエトキシレート、ペンタエリスリトール等が挙げられ、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ましい。
本発明で用いることができる有機ケイ素化合物として、例えば、オルガノシラン、オルガノポリシロキサン、オルガノシラザンが挙げられる。具体的には、オルガノシランとしてはアミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、またはそれらの加水分解生成物が挙げられる。
オルガノポリシロキサンとしてはジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン、側鎖または両末端アミノ変性ポリシロキサン、側鎖または両末端または片末端エポキシ変性ポリシロキサン、両末端または片末端メタクリル変性ポリシロキサン、側鎖または両末端カルボキシル変性ポリシロキサン、側鎖または両末端または片末端カルビノール変性ポリシロキサン、両末端フェノール変性ポリシロキサン、側鎖または両末端メルカプト変性ポリシロキサン、両末端または側鎖ポリエーテル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル変性ポリシロキサン、側鎖メチルスチリル変性ポリシロキサン、側鎖高級カルボン酸エステル変性ポリシロキサン、側鎖フルオロアルキル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル・カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖アミノ・両末端カルビノール変性ポリシロキサン、またはそれらの共重合体が挙げられる。
オルガノシラザンとしてはヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。

二酸化チタンに対する被覆層の形成方法を説明する。
金属酸化物の被覆層を形成する方法は、公知の方法を使用できる。例えば、アルミ酸化物で被覆する場合、酸化チタン粒子を分散させた水性スラリーにアルミ化合物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpH4~9に調整することで被覆層を形成できる。その後、必要に応じて濾過、洗浄、乾燥を行っても良い。pHの調整に用いる酸性酸化物としては、硫酸、塩酸等の無機酸、または酢酸、ギ酸等の有機酸を用いることができる。また、塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の公知の化合物を用いることができる。水性スラリー中の二酸化チタン粒子の不揮発分濃度は、50~800g/lが好ましく、100~600g/lがより好ましい。所定の不揮発分濃度にすることで均一な厚みの被覆層が得やすくなる。
アルミ化合物は、例えばアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、および硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナ、含水アルミナ等が挙げられる。
ケイ素酸化物またはジルコニウム酸化物で被覆する場合は、ケイ素化合物またはジルコニウム化合物を使用して、アルミ酸化物と同様の方法でケイ素酸化物またはアルミ酸化物の被覆層を形成できる。また、複数の金属酸化物で被覆層を形成する場合、アルミ化合物を含む混合物で被覆層を形成できる。また、各化合物を順次使用して被覆層を形成しても良く被覆層を形成する順序は、制限を受けない。これらの被覆方法の中でも、ケイ素酸化物またはジルコニウム酸化物の被覆層の形成後にアルミ酸化物が最外層になるように被覆層を形成することが樹脂との分散性の観点からより好ましい。さらに、酸化チタンの被覆層を形成する際に脱水、乾燥、粉砕などの工程が容易になり歩留まりがより向上する。なお本発明では、無機酸化物で形成した被覆層が、例えば、アルミ酸化物の被覆層、ケイ素酸化物の被覆層、ジルコニウム酸化物の被覆層と3層を有する場合であっても良い。
前記ケイ素化合物は、例えばケイ酸ナトリウムなどの水溶性ケイ酸アルカリ金属塩が挙げられる。またジルコニウム化合物としては、例えば硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
前記ジルコニウム化合物は、例えば硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
有機物の被覆層を形成する方法は、(1)第一の被覆層を有する二酸化チタンを水性スラリーから固液分離し、乾燥した後、前記有機ケイ素化合物と気相中で接触させることにより、被覆層を形成する方法(以下、気相法という)。または、(2)酸化チタンと前記有機ケイ素化合物を水性スラリー中で接触させることで形成する方法(以下、液相法という)が好ましい。
前記気相法は、例えば流体エネルギー粉砕機、衝撃粉砕機等の乾式粉砕機や、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機等を用い、酸化チタンと前記有機ケイ素化合物を攪拌、混合することで実施できる。

前記液相法は、第一の被覆層を形成した後、続けて、当該水性スラリーに前記有機ケイ素化合物を添加し、攪拌、混合することで実施できる。
本発明のシュリンク性基材は、必要に応じて顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を配合したものや、基材の表面をコロナ処理あるいは低温プラズマ処理したものなども使用することができる。なお前記添加剤は、1種または2種以上使用できる。
顔料としては、一般にプラスチック練り込み用で使用できるカラーインデックスに記載のC.I.ピグメントを任意に使用することができる。例えば、酸化チタン、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などの有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。更に有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレート顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などを挙げることができる。これらの顔料の含有量としては、シュリンク性基材中、0.5~50重量%使用することができる。特に、隠蔽性及び製膜性の観点から酸化チタンを7~25質量%使用するのが好ましい。
帯電防止剤は、シュリンク性基材へのほこり付着防止のために用いられる。例えば高級脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N-ビス-2-ヒドロキシルエチル-アルキルアミン、脂肪酸コリンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、リン酸エステル及びその塩、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ソルビタン部分エステルが挙げられる。帯電防止材は、シュリンク性基材中、0.1~1質量%使用できる。
紫外線吸収剤は、耐候性を向上させるために用いられる。例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物等が好ましい。具体的には、例えば2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3、5-ジメチルフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノールなどが挙げられる。これらの中でも耐熱性の観点からベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物が好ましい。
紫外線吸収剤は、シュリンク性基材中、0.01~1質量%使用できる。
酸化防止剤は、高温雰囲気で樹脂の分解を抑制するために用いられる。例えばモノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、高分子型フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が好ましい。具体的は、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、3,9-ビス〔{1,1-ジメチル-2-{β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10-テトラオキサスピロ〕5,5-ウンデカン、1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-{メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’-ビス-4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-tert-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナスレン-10-オキサイド、10-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、10-デシロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-tert-メチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤は、シュリンク性基材中、0.01~0.5質量%使用できる
アンチブロッキング剤は、シュリンクフィルムを容器に巻く際に、容器との摩擦を低減し、装着し易くするために用いられる。具体的には、アクリルビーズ、シリコンビーズ、スチレンビーズ等の有機ビーズやシリカ、アルミノケイ酸塩等の無機物が挙げられる。
アンチブロッキング剤は、シュリンク性基材中、0.01~1質量%使用できる。
<シュリンクフィルム>
本発明のシュリンクフィルムは、シュリンク性基材上に、印刷インキ層と、オーバーコート剤を順に印刷してなる。上述したように、シュリンク性基材としては、ポリエステル系樹脂又はスチレン系樹脂の単層フィルムを用いることがシュリンク性の観点で好ましい。
このようにして得られたシュリンクフィルムは、医薬品、食品、トイレタリー用品等の容器包装材料として幅広く利用する事ができる。
<400~700nmの平均透過率>
本発明の平均透過率は分光光度計を用いて波長400~700nmの透過率の平均値を算出した値をいう。分光光度計には、例えば島津サイエンス社製UV-VIS-NIR SPECTROPHOTOMETER UV3150を用いて測定することができる。
<60°光沢度>
本発明でいう光沢度とは、JISZ8741によって測定された値をいい、入射角60°における測定値をいう。光沢度の測定には、例えばBYK-Gardner社製Micro-TRI-grossmeterを用いて、入射角60°、受光角60°の測定条件を用いて測定することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、質量部および質量%を表わす。
(分子量および分子量分布)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製Shodex LF-404 2本
昭和電工社製Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
(水酸基価)
以下において、JISK0070(1992)に記載の方法に従って水酸基価を測定した。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、島津製作所社製のDSC-TA60(示差走査熱量計)により測定した。バインダー樹脂組成物を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートの吸熱ピークを読み取った。このときのピーク温度をガラス転移温度とした。
<印刷インキ用ポリウレタン樹脂の合成>
[合成例1](ウレタン樹脂PU1溶液の作製)
アジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとの反応により得られる数平均分子量1,000のポリエステルポリオール(PMPA)150部、数平均分子量700のポリプロピレングリコール(PPG700)を50部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)103.4部、および酢酸エチル(EA)75.8部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(IPDA)44.6部、EA/イソプロパノール(IPA)=50/50(質量比)の混合溶剤736.2部を混合したものに、上記末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価9.5mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、重量平均分子量50,000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
<オーバーコート剤用樹脂の調整>
[合成例2](ポリエステル樹脂A溶液の作製)
無水フタル酸258.7部、ヤシ油脂肪酸86.1部、ひまし油86.1部、トリメチロールプロパン291.2部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160~240℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。240℃で1時間以上反応し、酸価が15以下になったら反応缶を徐々に1~2トールまで減圧し、所定の粘度に達した時、酢酸エチル(EA)で固形分73%になるように調整して取り出した。得られたポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は、GPC測定の結果3,300、ガラス転移温度は、DSC測定の結果53℃であった。又、水酸基価は109.0mgKOH/g、酸価は0.2mgKOH/gであった。ポリエステル樹脂Aは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂A全体の55質量%含有する。
[合成例3](ポリエステル樹脂B溶液の作製)
テレフタル酸312.5部、イソフタル酸312.5部、エチレングリコール140.1部、ネオペンチルグリコール234.9部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160~240℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。240℃で1時間以上反応し、酸価が15以下になったら反応缶を徐々に1~2トールまで減圧し、所定の粘度に達した時、反応を停止し取り出した。得られたポリエステル樹脂Bの重量平均分子量は、GPC測定の結果7,000、ガラス転移温度は、DSC測定の結果53℃であった。又、水酸基価は37.4mgKOH/g、酸価は0.2mgKOH/gであった。ポリエステル樹脂Bは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂B全体の100質量%含有する。
[合成例4](ポリエステル樹脂C溶液の作製)
テレフタル酸289.8部、イソフタル酸260.8部、セバシン酸35.3部、エチレングリコール90.9部、ネオペンチルグリコール209.1部、ブチルエチルプロパンジオール114.1部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160~240℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。240℃で1時間以上反応し、酸価が15以下になったら反応缶を徐々に1~2トールまで減圧し、所定の粘度に達した時、反応を停止し取り出した。得られたポリエステル樹脂Cの重量平均分子量は、GPC測定の結果26,000、ガラス転移温度はDSC測定の結果48℃であった。又、水酸基価は10.2mgKOH/g、酸価は0.2mgKOH/gであった。ポリエステル樹脂Cは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂C全体の100質量%含有する。
[合成例5](ポリエステル樹脂D溶液の作製)
テレフタル酸286.2部、イソフタル酸200.3部、セバシン酸104.5部、エチレングリコール89.8部、ネオペンチルグリコール206.5部、ブチルエチルプロパンジオール112.7部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160~240℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。240℃で1時間以上反応し、酸価が15以下になったら反応缶を徐々に1~2トールまで減圧し、所定の粘度に達した時、反応を停止し取り出した。得られたポリエステル樹脂Dの重量平均分子量は、GPC測定の結果23,000、ガラス転移温度は、DSC測定の結果30℃であった。又、水酸基価は10.2mgKOH/g、酸価は0.2mgKOH/gであった。ポリエステル樹脂Dは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂D全体の100質量%含有する。
[調整例6](ポリエステル樹脂E)
クラレポリオール社製P-5010(3-メチル-1,5-ペンタンジオールとアジピン酸の共重合体であるポリエステル樹脂、数平均分子量5,000、水酸基価23mgKOH/g)。ポリエステル樹脂Eは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂E全体の100質量%含有する。
[合成例7](ポリエステル樹脂F)
DL-ラクチド100部、L-ラクチド100部、イセチオン酸ナトリウム0.2部、開環重合触媒としてオクチル酸錫0.5部を四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180℃で2時間加熱し、開環重合させ、固形分100%、水酸基価2.5mgKOH/g、重量平均分子量59,000のポリエステル樹脂Fを得た。ポリエステル樹脂Fは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位を含有しない。
[合成例8](ポリエステル樹脂G溶液の作製)
無水フタル酸190.1部、ヒマシ油207.9部、エチレングリコール38.6部、ペンタエリスリトール63.4部、酢酸エチル500.0部を反応缶に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら160~240℃まで徐々に加熱し、エステル化反応を行なった。195℃で1時間以上反応し、酸価が15以下になったら反応缶を徐々に1~2トールまで減圧し、所定の粘度に達した時、酢酸エチル(EA)で固形分50%になるように調整して取り出し、ポリエステル樹脂Gを得た。ポリエステル樹脂Gは芳香族環構造を6質量%有し、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂G全体の100質量%含有する。
[合成例9](アクリル樹脂溶液の作製)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸ブチル40部、メタクリル酸10部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル50部、酢酸エチル(EA)を40部、イソプロピルアルコール(IPA)を40部仕込み、90℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1部とEAを15部加えて4時間重合反応を行い、さらにAIBNを0.1部とEAを3部加えて2時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
得られたアクリル樹脂溶液にIPAを加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、重量平均分子量30,000、酸価65mgKOH/g、水酸基価216mgKOH/gのアクリル樹脂溶液を得た。
[合成例10](ウレタン樹脂PU2溶液の作製)
PPG700を200部、IPDIを127部、およびEAを81.8部を窒素気流下にて80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでIPDAを49.5部、2-エタノールアミン3部、EA/IPA=50/50(質量比)の混合溶剤803.9部を混合したものに、得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30% 、アミン価3.5mgKOH/g、水酸基価7.3mgKOH/g、重量平均分子量40,000のポリウレタン樹脂溶液PU2を得た。
[調整例11](セルロース樹脂溶液の作製)
ニトロセルロース(DHX3-5、Nobel NC.CO.、Ltd)30部を、酢酸エチル49部とイソプロピルアルコール21部に混合溶解させて、固形分30%のニトロセルロース樹脂溶液を得た。ピラノース環構造を32質量%有する。
[調整例12](塩化ビニル共重合樹脂溶液の作製)
塩化ビニル共重合樹脂(ソルバインTAO、日信化学社製)30部を、酢酸エチル70部に混合溶解させて、固形分30%の塩化ビニル共重合樹脂溶液を得た。
<印刷インキの製造>
[製造例1](黒色印刷インキR1の製造)
バインダー樹脂として、ウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)32部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学社製、ソルバインTAO、固形分30%、EA溶液)3部、塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製、370M、塩素含有率30%、固形分50%)を1.0部、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス320P、平均粒子径2.5μm、固形分40%の分散体)を2部、黒色顔料(カーボンブラック)を10部、メチルエチルケトン(MEK)/酢酸n-プロピル(NPAC)/IPA=40/40/20(質量比)の溶液52部を混合し、アイガーミルで15分間分散し、印刷インキR1を得た。
[製造例2](白色印刷インキR2の製造)
バインダー樹脂として、ウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)25部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学社製、ソルバインTAO、固形分30%、EA溶液)5部、塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製、370M、塩素含有率30%、固形分50%)を1.0部、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス320P、平均粒子径2.5μm、固形分40%の分散体)を2部、白色顔料(テイカ社製、チタニックスJR-808、酸化チタン)を30部、メチルエチルケトン(MEK)/酢酸n-プロピル(NPAC)/IPA=40/40/20(質量比)の溶液37部を混合し、アイガーミルで15分間分散し、印刷インキR2を得た。
Figure 2023030236000001
<オーバーコート剤の作製>
[OC製造例1](オーバーコート剤S1の作製)
ポリエステル樹脂A溶液7.8部、セルロース樹脂溶液(セルロース樹脂)28.6部、XDI-TMPアダクト(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト三井化学社製、タケネートD-110N、固形分33%)20.8部、TEGO450(EVONIC社製、TEGO Glide 450、ポリエーテルシロキサンコポリマー)を0.1部、EA42.7部を混合し、ディスパーで30分撹拌を行うことで、固形分30%のオーバーコート剤S1を得た。ポリエステル樹脂Aは、二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル樹脂A全体の77質量%含有する。
[OC製造例2~22、比較OC製造例1~7](オーバーコート剤S2~S22、SS1~SS7の作製)
表2および表3に示した原料及び配合比率を使用した以外は、OC製造例1と同様の手法により、オーバーコート剤S2~S22、SS1~SS7を得た。
Figure 2023030236000002
Figure 2023030236000003
以下に、表2および表3中の原料の略称および詳細を示す。
・XDI(キシリレンジイソシアネート)-TMP(トリメチロールプロパン)アダクト体:三井化学社製、タケネートD-110N、固形分33%、NCO含有量12%
・TDI(トルエンジイソシアネート)-TMPアダクト体:住化バイエルウレタン社製、デスモジュールL75(C)、固形分75%、NCO含有量13%
・HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)-TMPアダクト体:旭化成ケミカルズ社製、デュラネートP301-75E、固形分75%、NCO含有量13%
・HDI-ビウレット体、旭化成ケミカルズ社製、デュラネート24A-100、固形分100%、NCO含有量23.5%
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
なお上記において合成したポリエステル系樹脂および使用したポリエステル系樹脂のエステル結合濃度は以下であった。
・ポリエステル樹脂A:エステル結合濃度5.6mmol/g
・ポリエステル樹脂B:エステル結合濃度9.4mmol/g
・ポリエステル樹脂C:エステル結合濃度8.7mmol/g
・ポリエステル樹脂D:エステル結合濃度8.5mmol/g
・ポリエステル樹脂E:エステル結合濃度8.8mmol/g
・ポリエステル樹脂F:エステル結合濃度13.9mmol/g
・ポリエステル樹脂G:エステル結合濃度7.1mmol/g
<シュリンク性基材の作製 シュリンク基材1~17>
シュリンク性基材は、表4に示す平均粒子径及び純度の酸化チタン50質量%配合されたマスターバッチとポリエチレンテレフタレートを用いてT-ダイ押出機により、290℃成形において、厚み50μmのシートを作製した。マスターバッチはシート成形する際に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂と同一の樹脂を用いて、二軸押出機により280℃成形において作製した。
Figure 2023030236000004
[実施例1]<印刷インキR2、オーバーコート剤S1を用いたシュリンクフィルムの作成>
印刷インキR2及びオーバーコート剤S1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で粘度15秒になるように希釈した。作製した厚み50μmのポリエステルフィルムに対し、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈した印刷インキR2を塗布し、印刷フィルムを得た。
次に、上記で作製した印刷フィルムの印刷面に、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈したオーバーコート剤S1を塗布し、シュリンク性基材/印刷層/透明保護層の構成であるシュリンクフィルムを得た。
[実施例2~39] 上記製造例、実施例または比較例で得られた各印刷インキ、オーバーコート剤についても、表5に示した印刷インキ、オーバーコート剤を使用した以外は、上記シュリンクフィルムの作製と同様の手順で、同様の印刷構成を有するシュリンクフィルムをそれぞれ作製した。
<特性評価>
上記実施例および比較例において得られたオーバーコート剤、それらの印刷物を用いて以下に記載の評価を行った。評価結果については表5に示した。
<光沢>
上記実施例および比較例で作製したシュリンクフィルムの透明保護層側より、BYK-Gardner社製Micro-TRI-grossmeterを用いて、入射角60°、受光角60°の光沢値を測定した。評価基準を下記に示す。
A(優):光沢値が22以上である。
B(可):光沢値が13以上、22未満である。
C(不可):光沢値が13未満である。
A,Bは実用上問題がない範囲である。
<密着性(耐テープ接着性)>
上記実施例および比較例で作製したシュリンクフィルムを、ニチバン社製セロハンテープ(12mm幅)を透明保護層上に貼り、急激に引き剥がした時の印刷層または透明保護層の剥離程度を評価した。評価基準を下記に示す。
A(優):印刷層または透明保護層が全く剥離しない。
B(可):50%未満の面積の印刷層または透明保護層が剥離する。
C(不可):50%以上の面積の印刷層または透明保護層が剥離する。
A,Bは実用上問題がない範囲である。
<耐熱性>
上記実施例および比較例で作製したシュリンクフィルムを、それぞれ3cm×13cmの大きさに切り、同じ大きさに切ったアルミ箔(厚さ30μm)の艶面と印刷物の印刷された面とを重ねあわせた。センチネル社製ヒートシーラーを用いて、2×9.8N/cm2の圧力で、120℃1秒間アルミ箔を押圧し、アルミ箔を剥がしたときの印刷層または透明保護層の剥がれ具合を目視で判定した。評価基準を下記に示す。
A(優):シールバー温度160℃で全く剥離しないもの。
B(可):シールバー温度120℃で剥離しないが、160℃で剥離するもの。
C(不可):シールバー温度120℃で剥離するもの。
A,Bは実用上問題がない範囲である。
Figure 2023030236000005
<参考例1:印刷インキの表刷り印刷物のみの評価>
印刷インキR3を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で15秒になるように希釈した。
作製したシュリンク性基材厚み50μmのポリエステルフィルムに対し、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、乾燥器温度50℃の条件下で、希釈した印刷インキR3を塗布し、表刷り構成の印刷物A1を得た。
表刷り構成の印刷物A1につき上記と同様の評価を行ったところ、光沢:C、密着性:A
、耐熱性:Cであった。
上記の評価結果より、本発明で規定するオーバーコート剤を用いることで、実施例においては、透明保護層の光沢を向上させ、更に良好な密着性、耐熱性を発現するシュリンクフィルムが得られることが示された。
一方で、比較例1はイソシアネート硬化剤を配合しておらず、密着性、耐熱性に劣った。比較例2はポリエステル樹脂の配合がバインダー樹脂全体の30質量%未満であり光沢、耐熱性が劣る結果であった。比較実施例3は環構造を含んでおらず、光沢が劣る結果であった。比較例4は二塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂全体の50質量%以上含まず、塗膜が脆いため、光沢、密着性、耐熱性が劣る結果であった。比較例5はポリエステル樹脂を含んでおらず、耐熱性が劣る結果であった。比較例6はアクリル樹脂系バインダーでポリエステル樹脂を含んでおらず、耐熱性、密着性が劣る結果であった。比較例7はポリエステル樹脂を含んでおらず、光沢および耐熱性が劣る結果であった。

Claims (7)

  1. オーバーコート層(A)と、印刷層(B)と、シュリンク性基材(C)とを含んでなるシュリンクフィルムであって、
    オーバーコート層(A)は、バインダー樹脂およびイソシアネート硬化剤を含有するオーバーコート剤より形成されてなり、
    前記バインダー樹脂は、ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂全体の30質量%以上含有し、前記ポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとに由来する構成単位をポリエステル系樹脂全体の50質量%以上含有し、
    前記バインダー樹脂と前記イソシアネート硬化剤とのいずれか、または両方が、芳香環、脂環および複素環から選ばれる少なくとも一種の環状構造を含有することを特徴とするシュリンクフィルム。
  2. 環状構造の含有量が、オーバーコート剤の固形分総質量中、7~50質量%である、請求項1に記載のシュリンクフィルム。
  3. ポリエステル系樹脂のエステル結合濃度は、0.5mmol/g~12.0mmol/gである、請求項1または2に記載のシュリンフィルム。
  4. イソシアネート硬化剤は、アダクト型イソシアネート化合物および/またはビウレット型イソシアネート化合物を含有する、請求項1~3いずれかに記載のシュリンクフィルム。
  5. バインダー樹脂は、さらにセルロース系樹脂または塩化ビニル共重合樹脂を含有し、ポリエステル系樹脂と前記セルロース系樹脂または塩化ビニル共重合樹脂の質量比が、90:10~30:70である、請求項1~4いずれかに記載のシュリンクフィルム。
  6. 印刷層(B)は、白色層、黒色層のいずれか又は両方の層がベタ印刷されている層を含む請求項1~5いずれかに記載のシュリンクフィルム。
  7. 印刷層及びオーバーコート層を施した後のシュリンクフィルムの400~700nmの平均透過率が15%以下であり、60°光沢度が20以上である、請求項1~6いずれかに記載のシュリンクフィルム。
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