JP2023131474A - 鉄塔解体組立装置、鉄塔解体方法、及び鉄塔組立方法 - Google Patents

鉄塔解体組立装置、鉄塔解体方法、及び鉄塔組立方法 Download PDF

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Hiroyuki Saito
悠介 星
Yusuke Hoshi
貴永 渡邊
Takahisa Watanabe
博光 高木
Hiromitsu Takagi
佑人 関
Yuto SEKI
利徳 高倉
Toshinori Takakura
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Abstract

【課題】 本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、小規模な鉄塔に見合った装置を使用して既設鉄塔の解体や新設鉄塔の組立を行うことができる技術を提供することである。【解決手段】 本願発明の鉄塔解体組立装置は、既設鉄塔の解体や新設鉄塔の組立に用いられる装置であって、柱状のマストとマスト支持手段、部材昇降手段を備えたものである。マスト支持手段は、鉄塔に取り付けられる「水平支線」と水平支線に支持される筒状の「水平支線留具」を含んで構成され、マストは、水平支線留具内にスライド可能に挿通される。荷役ロープに鉄塔の解体材や組立部品を取り付けたうえで、荷役ロープを引下げると解体材等が下方に降ろされ、荷役ロープを引上げると組立部品等が引き上げられる。【選択図】図2

Description

本願発明は、既設鉄塔の解体や新設鉄塔の組立に関する技術であり、より具体的には、比較的規模が小さい鉄塔の解体や組立に好適に利用することができる鉄塔解体組立装置とこれを用いた方法に関するものである。
送電用鉄塔は、需要者に電力を安定供給するうえで極めて重要な施設の一つであり、各地で数多くの鉄塔が利用されている。そのため、比較的新しい鉄塔もあれば、相当な期間を経過した鉄塔もあり、また老朽化に伴って継続利用が難しくなった鉄塔も少なくない。このように老朽化した鉄塔は、補修や補強が行われることもあるが、程度によっては解体して新たに建設するケースも珍しくない。
鉄塔の解体を行うにあたっては、その鉄塔を組立てたときと同じ装置(手法)を使用するとともに、組立時の手順と概ね逆の手順で行うのが一般的である。そして組立(つまり、解体)の際に採用する装置は、鉄塔の規模や施工環境に応じて計画される。例えば、搬入路が確保された平坦地や緩やかな丘陵地に建設する場合は移動式クレーンが採用され、大型機械の搬入が難しい山間部に建設する場合は鋼製台棒が、大型鉄塔を山間部に建設する場合はクライミングクレーンが採用されることが多い。
このうち台棒工法では、特許文献1にも開示されているように、全長4m程度のブームを必要長(例えば、8~18m程度)となるまで継ぎ足した「台棒」を利用する。台棒工法で使用される装置は、全体的には吊上げ能力が最大2t程度のデリック構造とされ、鋼製トラス構造やラチス構造の台棒はそのうちのブーム部分に相当する部材である。また、この台棒は鉄塔主柱材に取り付けられ、支線を操作することによって起伏する構成とされる。そして、台棒の先端(つまり、ブーム先端)から滑車を介して垂下したワイヤロープをウインチで操作することによって、ワイヤロープ下端のフックに取り付けられた吊荷を昇降させる。一般的に台棒工法は、高さが20mを超え、しかも鉄塔最下部の主柱材間隔(いわゆる根開き)が5mを超えるような鉄塔の組立(つまり、解体)に適しているとされている。
一方のクライミングクレーン工法では、特許文献2や特許文献3にも開示されているように、主にマストとブームを利用する。このマストは略鉛直に配置されたうえで鉄塔の上端部に仮固定されるものであり、マストにその一端が取り付けられたブームは起伏自在とされ、ブームの先端の滑車からはワイヤロープが垂下している。そして、このワイヤロープをウインチで操作することによって、ワイヤロープ下端のフックに取り付けられた吊荷を昇降させる。一般的にクライミングクレーン工法は、鉄塔の最小幅がクレーン装置の幅を超えるケースで採用されることから、台棒工法よりもさらに大規模な鉄塔の組立(つまり、解体)に適しているとされている。
特開2005-068864号公報 特開2017-203358号公報 特開2010-235265号公報
ところで、相当な期間を経過した鉄塔もあると説明したが、古いものでは建設から半世紀を超えるような鉄塔も見られる。そのため、このような高経年の鉄塔を建設したときの装置や工具はほとんど残っていないのが実情である。仮に、同等の装置や工具を用いて当時の組立方法の逆手順で鉄塔を撤去しようとしても、現行の安全基準に照らせば到底採用することはできない。したがって高経年の鉄塔を解体する場合、近年主流とされる手法、つまり台棒工法やクライミングクレーン工法、あるいは移動式クレーンを利用した工法を採用するよりない。
他方、高経年の鉄塔は、建設当時の技術水準を考えると理解できるように、近年の鉄塔と比較するとその高さは低く、使用される鉄塔部材も細く華奢であり、ほとんどが小規模な鉄塔とされる。すなわち、このように小規模の鉄塔であっても、台棒工法やクライミングクレーン工法を採用して解体することとなるが、鉄塔規模に対して解体装置が過大であるためコストバランスが悪く、そもそも鋼製台棒やクライミングクレーンを取り付けることができないほどに脆弱かつ小規模な鉄塔もある。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、小規模な鉄塔に見合った装置を使用して既設鉄塔の解体や新設鉄塔の組立を行うことができる技術を提供することである。
本願発明は、小規模な鉄塔であっても効率的かつ安全な解体や組立を実現するため、マストを複数の分割柱体で構成することによって個々の部材の軽量化を図る、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われたものである。
本願発明の鉄塔解体組立装置は、既設鉄塔の解体や新設鉄塔の組立に用いられる装置であって、柱状のマストと、マスト支持手段、部材昇降手段を備えたものである。このうちマストは、略鉛直(鉛直を含む)姿勢で鉄塔内に配置され、複数の分割柱体を上下に連結することで形成されるものである。またマスト支持手段は、上下に2以上の箇所に配置されてマストを支持する手段であり、部材昇降手段は、マストの頂部に配置される「荷役用滑車」と荷役用滑車に掛け回される「荷役ロープ」を有する手段である。なお、マスト支持手段は、鉄塔に取り付けられる「水平支線」と水平支線に支持される筒状の「水平支線留具」を含んで構成され、マストは、水平支線留具内にスライド可能に挿通される。そして、荷役ロープに鉄塔の解体材や組立部品を取り付けたうえで、荷役ロープを引下げると解体材等が下方に降ろされ、荷役ロープを引上げると組立部品等が引き上げられる。
本願発明の鉄塔解体組立装置は、2以上の部材昇降手段が配置されたものとすることもできる。この場合、それぞれの荷役ロープを操作することによって、2以上の解体材や組立部品をそれぞれ独立して昇降することができる。
本願発明の鉄塔解体組立装置は、1又2条以上のガイドロープをさらに備えたものとすることもできる。このガイドロープは、上端がマストの頂部に固定されるとともに下端が鉄塔(あるいは、地上)に設置された下部留具に固定されることで、張力が与えられた状態で設置される。
本願発明の鉄塔解体組立装置は、マスト昇降手段をさらに備えたものとすることもできる。このマスト昇降手段は、鉄塔の上部に設置可能な「マスト用滑車」とマスト用滑車に掛け回される「マストロープ」を有する手段である。この場合、マスト昇降手段によって上下に連結された複数の分割柱体を吊上げ、その状態のまま最下端に新たな分割柱体を連結することができる。
本願発明の鉄塔解体方法は、本願発明の鉄塔解体組立装置を用いて既設鉄塔を解体する方法であって、マスト構築工程とマスト支持工程、部分解体工程、荷降し工程を備えた方法である。このうちマスト構築工程では、上方に位置する分割柱体を吊上げたうえで最下端に分割柱体を連結しながらせり上げていくことによってマストを構築する。またマスト支持工程では、水平支線の一端を鉄塔に取り付けるとともに、その他端をマストが挿入された水平支線留具に取り付けることによってマストを支持する。部分解体工程では、最上段の水平支線よりも上方に位置する鉄塔を解体し、荷降し工程では、解体工程で生じた解体材を取り付けた荷役ロープを引下げることによって解体材を地上に降ろす。
本願発明の鉄塔解体方法は、分割柱体に水平支線留具を仮固定した状態でマストを構築する方法とすることもできる。ただし水平支線留具は、内部に分割柱体が挿入された状態で仮固定される。この場合、マスト支持工程では、水平支線を水平支線留具に取り付けた後に、分割柱体と水平支線留具の仮固定を解除する。
本願発明の鉄塔解体方法は、水平支線撤去工程とマスト引下げ工程をさらに備えた方法とすることもできる。この水平支線撤去工程では、部分解体工程で最上段の水平支線よりも上方に位置する鉄塔を解体した後に、最上段の水平支線を撤去する。また、マスト引下げ工程では、マストを吊上げたうえで最下端の分割柱体を取り外すことによってマストを短縮し、短縮されたマストを引き下げる。この場合、部分解体工程では、新たに最上段とされた水平支線よりも上方に位置する鉄塔を解体する。
本願発明の鉄塔組立方法は、本願発明の鉄塔解体組立装置を用いて新設鉄塔を組立てる方法であって、部分組立工程とマスト構築工程、マスト支持工程、荷揚げ工程を備えた方法である。このうち部分組立工程では、下方から順に鉄塔の一部を組立て、マスト構築工程では、上方に位置する分割柱体を吊上げたうえで最下端に分割柱体を連結しながらせり上げていくことによってマストを構築する。またマスト支持工程では、部分組立工程で組立てられた鉄塔に水平支線の一端を取り付けるとともに、水平支線の他端をマストが挿入された水平支線留具に取り付けることによってマストを支持する。荷揚げ工程では、部分組立工程で組立てられた鉄塔よりも上方に配置される組立部品を荷役ロープに取り付けたうえで、荷役ロープを引上げることによって組立部品を持ち上げる。そして、荷揚げ工程で持ち上げられた組立部品を組立てていくことによって、上方に向かって新設の鉄塔を完成させていく。
本願発明の鉄塔解体組立装置、鉄塔解体方法、及び鉄塔組立方法には、次のような効果がある。
(1)小規模の鉄塔の解体や組立を行うにあたって、台棒工法やクライミングクレーン工法といったいわば大規模工法の採用を回避することができる。その結果、鉄塔の解体や組立にかかるコストや施工期間を低減することができる。
(2)従来の台棒工法やクライミングクレーン工法は、相当の吊り上げ能力が求められることから使用する装置の重量も大きくなり、そのため作業者が機械に挟まれたり巻き込まれたりするなど重篤な労働災害が発生していた。これに対して本願発明は、吊り上げ能力を抑え、これにより使用する装置の軽量化を図っていることから、作業の簡易化(特に、鉄塔上の作業の容易化)、ひいては労働環境の改善や作業の安全化を実現することかできる。
(3)鋼製台棒やクライミングクレーンを設置することができないほど脆弱な鉄塔でも、本願発明によれば解体を行うことができ、搬入路の確保が難しい場所(現場)でも鉄塔の解体や組立を行うことができる。
本願発明が対象とする鉄塔の例を模式的に示す側面図。 本願発明の鉄塔解体組立装置を模式的に示す側面図。 複数の分割柱体が上下に連結することで形成されたマストを模式的に示す側面図。 (a)水平支線と水平支線留具からなるマスト支持手段を模式的に示す側面図、(b)水平支線と水平支線留具からなるマスト支持手段を模式的に示す断面図。 (a)はガイドロープの下端が下部留具に固定された鉄塔解体組立装置を模式的に示す側面図、(b)は中間留具を介したうえでガイドロープの下端が下部留具に固定された鉄塔解体組立装置を模式的に示す側面図。 ガイドロープの下端が地盤に打ち込まれたアンカーに固定された鉄塔解体組立装置を模式的に示す側面図。 回転体をガイドロープに係止するとともに、解体材を取り付けた搬送体を模式的に示す側面図。 (a)は円形の頂部留具を模式的に示す平面図と側面図、(b)は十字型の頂部留具を模式的に示す平面図と側面図、(c)は上下2段でガイドロープと荷役ロープをセットする形状の頂部留具を模式的に示す平面図と側面図。 (a)は鉄塔に設置されたマスト昇降手段を模式的に示す側面図、(b)は中間付近に設けられた係止具にマストロープが取り付けられた分割柱体を模式的に示す部分側面図。 鉄塔の作業ブロックを説明する側面図。 本願発明の鉄塔解体方法の主な工程の流れを示すフロー図。 本願発明の鉄塔解体方法の主な工程を模式的に示すステップ図。 本願発明の鉄塔組立方法の主な工程の流れを示すフロー図。 本願発明の鉄塔組立方法の主な工程を模式的に示すステップ図。
本願発明の鉄塔解体組立装置、鉄塔解体方法、及び鉄塔組立方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
図1は、本願発明が対象とする鉄塔STの例を模式的に示す側面図である。この図に示すように鉄塔STは、主柱材Maや腹材Mb、腕金材Mc、頂部材Mdなどの部材によって構成される。本願発明は、このような鉄塔STの解体や組立を効率的に実施することができる技術である。なお便宜上ここでは、既に設置されている鉄塔のことを「既設鉄塔」ということとし、新たに建設する鉄塔のことを「新設鉄塔」ということとする。また、既設鉄塔を解体するときに生じるいわば分解された部材のことを「解体材」、新設鉄塔を組立てる際に必要な部品のことを「組立部品」ということとする。
1.鉄塔解体組立装置
はじめに本願発明の鉄塔解体組立装置について説明する。なお本願発明の鉄塔解体方法は、本願発明の鉄塔解体組立装置を用いて既設鉄塔の解体を行う方法であり、本願発明の鉄塔組立方法は、本願発明の鉄塔解体組立装置を用いて新設鉄塔の組立を行う方法である。したがってまずは本願発明の鉄塔解体組立装置について説明し、その後に本願発明の鉄塔解体方法や鉄塔組立方法について説明することとする。
図2は、本願発明の鉄塔解体組立装置100を模式的に示す側面図である。この図に示すように本願発明の鉄塔解体組立装置100は、マスト110とマスト支持手段120、部材昇降手段130を含んで構成され、さらに頂部留具140や後述するガイドロープ150、搬送体160、マスト昇降手段170などを含んで構成することもできる。
以下、本願発明の鉄塔解体組立装置100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
(マスト)
図2に示すようにマスト110は、は略鉛直(鉛直を含む)の姿勢となるように鉄塔ST内に配置される柱状(管状あるいは棒状)の部材である。またマスト110は、図3に示すように複数(図では5つ)の分割柱体111が上下に連結されることで形成され、したがって上下に隣接する分割柱体111の間には連結部112が設けられる。なおマスト110を鉄塔ST内に設置するにあたっては、下端を地盤上に直接載置することもできるし、図3に示すようなマスト受具113を利用することもできる。このマスト受具113は、板状の部材と管状の部材によって構成され、板状部材を地盤上に載置したうえで管状部材内に最下端の分割柱体111の端部(下端部)を挿入することでマスト110を安定させるものである。
分割柱体111は、金属材料など比較的大きな重量の材料を用いて製作するよりも、軽量な材料製とするのが望ましい。例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)といったFRP(Fiber Reinforced Plastics)を利用して製作したり、汎用の樹脂パイプに補強用のCFRPを巻き付けて製作したりすることによって、できるだけ軽量(例えば、1本あたり10kg程度)なものにするとよい。
連結部112における分割柱体111どうしの連結は、容易に着脱できる構造にするとよい。例えば、一方の先端の口径を他方より小さい寸法とし、小径の分割柱体111を大径の分割柱体111内に挿入することによって連結することができる。この場合、上下の分割柱体111が外れないようにOPP(Oriented Poly Propylene)テープのような粘着テープで巻き付けることもできるし、双方に設けられた小孔にピンなどを挿通する構造とすることもできる。あるいは、単に上下の分割柱体111を突き合せたうえでOPPテープ等によって巻き付けた連結構造とすることもできる。
(マスト支持手段)
マスト支持手段120は、マスト110を支持する手段であって、図2に示すように上下に離れて複数箇所(図では5箇所)に配置される。またマスト支持手段120は、図4に示すように水平支線121と水平支線留具122を含んで構成される。図4は、水平支線121と水平支線留具122からなるマスト支持手段120を模式的に示す図であり、(a)はその側面図、(b)水平面で切断した断面図である。
水平支線121は、ロープ状あるいは棒状、管状の部材であり、図4に示すようにその一端が鉄塔STの一部(特に、主柱材Ma)に取り付けられ、その他端が水平支線留具122に取り付けられる。そのため水平支線121は、主柱材Maの数だけ設置することができる。例えば図4のケースでは、この鉄塔STが4本の主柱材Maを具備することから、4つの水平支線121が設置されている。
一方の水平支線留具122は、筒状の部材とされ、しかもその内径がマスト110(つまり、分割柱体111)の外径よりやや大きな寸法とされる。これにより、水平支線留具122内にマスト110(つまり、分割柱体111)をスライド可能に挿通することができる。また上記したとおり水平支線留具122が水平支線121に取り付けられ、さらに水平支線121が鉄塔STに取り付けられることから、換言すれば水平支線留具122は水平支線121を介して鉄塔STに支持されることとなる。したがって、水平支線留具122内にマスト110(つまり、分割柱体111)を挿通すると、マスト110が水平支線留具122(間接的には、鉄塔ST)に支持されるわけである。
(部材昇降手段)
部材昇降手段130は、図2に示すように荷役用滑車131と荷役ロープ132を含んで構成され、さらに荷役用補助滑車133を含んで構成することもできる。荷役用滑車131はマスト110の頂部に設けられ、荷役ロープ132はこの荷役用滑車131に掛け回される。なお荷役用滑車131を配置するにあたっては、マスト110の頂部に概ね板状の頂部留具140を設置し、この頂部留具140に荷役用滑車131を取り付けるとよい。
荷役用滑車131に掛け回された荷役ロープ132の一端(以下、便宜上「吊荷側端」という。)には解体材や組立部品(以下、総称して「吊部材」という。)が取り付けられ、その他端(以下、便宜上「操作側端」という。)では巻き取ったり(引張したり)巻き出したり(緩めたり)といった操作が行われる。そのため、荷役ロープ132の操作側端は地上まで降ろされ、例えば荷役用補助滑車133を介して概ね水平となるように配置して使用するとよい。なお、荷役ロープ132の操作側端の操作(巻取り、巻き出し)を行うにあたっては、人力による操作とすることもできるし、ハンドウィンチなどの巻取り装置を利用した操作とすることもできる。
荷役ロープ132の吊荷側端に吊部材を取り付けたうえで操作側端を操作すると、その吊荷は昇降する。例えば、既設鉄塔の解体を行う場合、荷役ロープ132の吊荷側端を引き下げることで吊荷側端に取り付けられた解体材を地上まで降ろすことができ、新設鉄塔の組立を行う場合、荷役ロープ132の吊荷側端を引き上げることで吊荷側端に取り付けられた組立部品を所定位置まで荷揚げすることができる。
また部材昇降手段130は、複数個所に配置することができ、特に鉄塔STを構成する主柱材Maの本数(例えば、4本)と同数だけ配置するとよい。この場合、マスト110の頂部(頂部留具140)には複数(例えば4つ)の荷役用滑車131が配置され、荷役用滑車131にはそれぞれ荷役用滑車131が掛け回され、さらにハンドウィンチなど利用する場合はそれぞれの操作側端にハンドウィンチなどが連結される。したがって複数の部材昇降手段130を用意したケースでは、複数の吊荷を同時あるいは別に昇降させることができ、換言すればそれぞれ部材昇降手段130が独立して吊荷を昇降させることができる。
(ガイドロープ)
解体や組立の対象となる鉄塔STの規模(特に、高さや根開き)によっては、マスト110は安定して自立することができるものの、場合によっては何らかのサポートを必要とすることもある。この場合、ガイドロープ150を張設することで、マスト110を支持する構造にするとよい。そのためガイドロープ150は、張力が与えられた状態で設置することが望ましく、その上端をマスト110の頂部(頂部留具140)に固定するとともに、引張しながらその下端を鉄塔STの下方に固定するとよい。なおガイドロープ150の下端を鉄塔STの下方に固定するにあたっては、図5(a)に示すように鉄塔STの下方に設置された下部留具151に固定することができる。また鉄塔STの規模によっては、図5(b)に示すように鉄塔STの中間付近に設置された中間留具152を介したうえで下部留具151に固定することもできる。さらに、鉄塔STに設置される下部留具151に限らず、地上(地盤)に設置される下部留具151を利用してガイドロープ150の下端を固定することもできる。例えば図6では、下部留具151としてのアンカーを地盤内に打ち込み、そのアンカー(この場合の下部留具151)にガイドロープ150の下端を固定している。もちろん、地盤に打ち込むアンカーのほか、簡易杭や、地上に配置されたウェイト、そのほか既設構造物などを下部留具151として利用することができる。
ところで、荷役ロープ132の吊荷側端に取り付けられた吊部材を昇降するときに、荷役ロープ132が鉄塔STに接近しているが故にその吊部材が鉄塔STに接触することも考えられる。この場合も、ガイドロープ150を張設するとよい。ガイドロープ150を鉄塔STから離れた位置で張設し、このガイドロープ150に沿って吊部材を昇降することで鉄塔STとの接触を回避するわけである。ガイドロープ150に沿って吊部材を昇降するにあたっては、図7に示すような搬送体160を利用することができる。この搬送体160は、滑車やローラーといった回転体161を有しており、この回転体161をガイドロープ150に係止することで、ガイドロープ150に沿って移動できるものである。したがって、荷役ロープ132の吊荷側端を例えば解体材PDに取り付け、回転体161をガイドロープ150に係止し、さらにその搬送体160に解体材PDに取り付けるとことによって、解体材PDはガイドロープ150に沿って昇降することができる。
マスト110を支持するという点では、複数方向から引張することが望ましく、したがってガイドロープ150も複数条で張設するとよい。また鉄塔STとの接触を回避するという点では、できるだけマスト110から離れた位置でガイドロープ150を張設するとよい。そのため、マスト110の頂部に設置される頂部留具140は、図8に示すような形状にするとよい。例えば図8(a)に示す頂部留具140は、円形状の板材にガイドロープ150の上端を固定する構造とされ、複数のガイドロープ150を固定することができるうえ、ガイドロープ150とマスト110との離隔を確保することができる。また図8(b)や図8(c)に示す頂部留具140は、4つのアームにそれぞれガイドロープ150の上端を固定する構造とされ、この場合も、4本のガイドロープ150を固定することができるうえ、ガイドロープ150とマスト110との離隔を確保することができる。なお、マスト110を支持する場合は複数条のガイドロープ150を張設することが望ましいが、鉄塔STとの接触を回避するという目的でのみ利用する場合は、部材昇降手段130(荷役ロープ132)の配置数と同数のガイドロープ150を張設すれば足りる。したがって、1の部材昇降手段130が配置されているケースでは、1条のガイドロープ150を張設する。
(マスト昇降手段)
既述したようにマスト110は、複数の分割柱体111が上下に連結されることで形成される。そして、マスト110を構築するにあたっては、マスト昇降手段170が利用される。このマスト昇降手段170は、図9(a)に示すようにマスト用滑車171とマストロープ172を含んで構成され、さらにマスト用補助滑車173を含んで構成することもできる。マスト用滑車171は鉄塔STの頂部に設けられ、マストロープ172はこのマスト用滑車171に掛け回される。
マスト用滑車171に掛け回されたマストロープ172の一端(以下、便宜上「マスト側端」という。)には分割柱体111が取り付けられ、その他端(以下、便宜上「操作側端」という。)では巻き取ったり(引張したり)巻き出したり(緩めたり)といった操作が行われる。そのため、マストロープ172の操作側端は地上まで降ろされ、例えばマスト用補助滑車173を介して概ね水平となるように配置して使用するとよい。なお、マストロープ172の操作側端の操作(巻取り、巻き出し)を行うにあたっては、人力による操作とすることもできるし、ハンドウィンチなどの巻取り装置を利用した操作とすることもできる。
以下、図9を参照しながら、マスト昇降手段170を用いてマスト110を構築する手順について説明する。まず、マスト用滑車171を鉄塔STの頂部に固定するなど、所定の配置となるようにマスト昇降手段170を設置する。次いで、マストロープ172のマスト側端に分割柱体111(ただし、マスト110の最上端を構成する分割柱体111)を取り付けたうえで、操作側端を巻き取ることでその分割柱体111を吊上げる。なお、完成したマスト110は鉄塔ST頂部よりもさらに上方に突出させる必要があり、そのためマストロープ172のマスト側端は分割柱体111の上端ではなく中間付近に取り付けるとよい。例えば図9(b)では、分割柱体111の中間付近に設けられた係止具114に、マストロープ172のマスト側端を取り付けている。
最上端の分割柱体111を吊上げると、その分割柱体111の直下に分割柱体111(2番目に上方に位置する分割柱体111)をセットし、上下に並んだ分割柱体111どうしを連結する。この一連の操作を繰り返していくことで、マスト110を完成させる。なお図9(a)では、上下に連結された3つの分割柱体111をマスト昇降手段170が吊上げており、その直下に4番目の分割柱体111をセットしようとしている。
マスト110を解体する手順は、概ね構築する手順を逆に進めることで行うことができる。すなわち、まずはマスト昇降手段170がマスト110(あるいは複数連結された分割柱体111)の自重を支持した状態で、最下端の分割柱体111を取り外す。そして、取り外した分割柱体111の分(高さ)だけ連結された分割柱体111を吊下ろし、マスト昇降手段170が分割柱体111の自重を支持した状態で、今回最下端とされた分割柱体111を取り外す。この一連の操作を繰り返していくことで、マスト110を解体することができる。
2.鉄塔解体方法
続いて、本願発明の鉄塔解体方法ついて図を参照しながら説明する。なお、本願発明の鉄塔解体方法は、ここまで説明した鉄塔解体組立装置100を用いて既設鉄塔の解体を行う方法である。したがって、鉄塔解体組立装置100について説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の鉄塔解体方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.鉄塔解体組立装置」で説明したものと同様である。
本願発明の鉄塔解体方法は、マスト支持手段120を境界とする複数のブロック(以下、「作業ブロック」という。)に分けて実施するとよい。例えば図10では、中間に5段のマスト支持手段120が配置されているため、上方から第1作業ブロックBL01~第6作業ブロックBL06が設定されている。一般的な鉄塔STは、部材(主柱材Maや腹材Mbなど)どうしをボルト連結することで構築されている。そのため、ボルト連結の位置を見定めたうえで作業ブロックを設定(マスト支持手段120を配置)し、ボルト連結の解除のみで解体できるようにするとよい。それでも作業ブロックを跨いだ部材が残る場合は、ガスなどを利用して部材を切断しながら解体することができる。
以下、図11と図12を参照しながら、本願発明の鉄塔解体方法の主な工程の流れについて説明する。図11は、本願発明の鉄塔解体方法の主な工程の流れを示すフロー図、図12は、本願発明の鉄塔解体方法の主な工程を模式的に示すステップ図である。なお便宜上ここでは、ガイドロープ150が張設されない鉄塔解体組立装置100を使用した例で説明する。
まず、あらかじめ鉄塔STの頂部材Mdを撤去したうえで、マスト用滑車171を鉄塔STの頂部に固定するなど、所定の配置となるようにマスト昇降手段170を設置する。次いで、マストロープ172のマスト側端に分割柱体111(ただし、マスト110の最上端を構成する分割柱体111)を取り付けたうえで、操作側端を巻き取ることでその分割柱体111を吊上げる。最上端の分割柱体111を吊上げると、その分割柱体111の直下に分割柱体111(2番目に上方に位置する分割柱体111)をセットし、上下に並んだ分割柱体111どうしを連結する。図12(a)に示すように、この一連の操作を繰り返していくことでマスト110を完成させる(図11のStep201)。
マスト110を構築する際、マスト110のうちマスト支持手段120が配置される位置には、あらかじめ水平支線留具122を仮固定しておくとよい。具体的には、分割柱体111に挿通された水平支線留具122を所定位置で分割柱体111に仮固定し、つまり水平支線留具122を具備する分割柱体111を吊上げながらマスト110を完成させるわけである。このとき、テープを利用して水平支線留具122を固定するなど、容易に取り外すことができる手法で水平支線留具122を分割柱体111に仮固定しておく。なお、ガイドロープ150が張設された鉄塔解体組立装置100(以下、特に「ガイドロープ付鉄塔解体組立装置100」という。)を使用する場合は、マスト110を構築した後にガイドロープ150を張設する。
マスト110を構築すると、マスト支持手段120によってマスト110を支持する(図11のStep202)。具体的には、水平支線121の一端を鉄塔STの一部(特に、主柱材Ma)に取り付けるとともに、その他端を水平支線留具122に取り付ける。そして、水平支線留具122に水平支線121が取り付けられると、分割柱体111と水平支線留具122との仮固定を解除する。全段のマスト支持手段120でマスト110を支持すると、図12(b)に示すように鉄塔解体組立装置100が完成する。
鉄塔解体組立装置100が完成すると、マスト用滑車171を取り外したうえで、最上部に配置されたマスト支持手段120よりも上方の作業ブロック(図10では、第1作業ブロックBL01)を部分的に解体していく(図11のStep203)。具体的には、ボルト連結の解除(あるいは、ガス切断)を行いながら主柱材Maや腹材Mbといった各部材を取り外していく。そして図12(c)に示すように、荷役ロープ132の吊荷側端に解体材PDを取り付けたうえで、荷役ロープ132の吊荷側端を引き下げ、解体材PDを地上まで降ろす(図11のStep204)。このとき、ガイドロープ付鉄塔解体組立装置100を使用するケースでは、ガイドロープ150と搬送体160を利用し、すなわちガイドロープ150に沿って解体材PDを地上まで降ろすとよい。
最上の作業ブロック(例えば、第1作業ブロックBL01)の部分解体が終わると、図12(d)に示すように最上部に配置されたマスト支持手段120を撤去する(図11のStep205)。次いで、現状の鉄塔STの最頂部にマスト用滑車171を設置し、図12(e)に示すようにマスト昇降手段170がマスト110の自重を支持した状態で最下端の分割柱体111を取り外す。さらに図12(f)に示すように短縮されたマスト110(つまり、複数連結された分割柱体111)が地上に接地するまでマスト昇降手段170によって吊下ろす(図11のStep206)。なお、ガイドロープ付鉄塔解体組立装置100を使用するケースでは、最下端の分割柱体111を取り外す前に、一旦ガイドロープ150を取り外しておくとともに、分割柱体111が吊降ろされて地上に接地すると再びガイドロープ150を張設する。
ここまで説明した一連の作業(図11のStep203~Step206)を、全ての作業ブロックに対して繰り返し行うことで既設鉄塔を解体する。
3.鉄塔組立方法
続いて、本願発明の鉄塔組立方法ついて図を参照しながら説明する。なお、本願発明の鉄塔組立方法は、ここまで説明した鉄塔解体組立装置100を用いて新設鉄塔の組立を行う方法である。したがって、鉄塔解体組立装置100や鉄塔解体方法について説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の鉄塔組立方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.鉄塔解体組立装置」や「2.鉄塔解体方法」で説明したものと同様である。
以下、図13と図14を参照しながら、本願発明の鉄塔組立方法の主な工程の流れについて説明する。図13は、本願発明の鉄塔組立方法の主な工程の流れを示すフロー図、図14は、本願発明の鉄塔組立方法の主な工程を模式的に示すステップ図である。なお便宜上ここでは、ガイドロープ150が張設されない鉄塔解体組立装置100を使用した例で説明する。
まず図14(a)に示すように、最下段の作業ブロックである「基礎ブロック(図10では、第6作業ブロックBL06)」を構築し(図13のStep301)、基礎ブロックの頂部にマスト用滑車171を固定してマスト昇降手段170を設置する。そして、マスト昇降手段170を利用して分割柱体111を吊上げながら、基礎ブロックから所定長だけ突出する程度の「基礎マスト(連結された分割柱体111)」を構築する(図13のStep302)。
基礎マストを構築すると、マスト用滑車171を取り外したうえで、マスト用滑車171を基礎ブロックよりも上方の作業ブロック(図10では、第5作業ブロックBL05)を部分的に組立てていく(図13のStep303)。具体的には、ボルトの連結(あるいは、溶接)を行いながら主柱材Maや腹材Mbといった各部材を接続していく。このとき図14(b)に示すように、荷役ロープ132の吊荷側端に組立部品PAを取り付けたうえで、荷役ロープ132の吊荷側端を引き上げ、組立部品PAを所定位置まで吊上げる。
2段目の作業ブロック(図10では、第5作業ブロックBL05)の組立が終わると、現状の鉄塔STの最頂部にマスト用滑車171を設置し、図14(c)に示すようにマスト昇降手段170が分割柱体111の自重を支持した状態で最下端に新たな分割柱体111を連結する(図13のStep304)。これにより部分的にマスト110が延伸されると、図14(d)に示すようにマスト支持手段120によってマスト110を支持する(図13のStep305)。具体的には、水平支線121の一端を鉄塔STの一部(特に、主柱材Ma)に取り付けるとともに、その他端を水平支線留具122に取り付ける。
ここまで説明した一連の作業(図13のStep303~Step305)を、全ての作業ブロックに対して繰り返し行うことで新設鉄塔を組立てる。
本願発明の鉄塔解体組立装置、鉄塔解体方法、及び鉄塔組立方法は、送電用鉄塔をはじめ種々の鉄塔の解体や組立に利用することができる。本願発明によれば、鉄塔の解体や組立を効率的かつ経済的に実施することができ、ひいては送電用鉄塔という極めて重要な社会インフラストラクチャーの長寿命化に寄与することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 本願発明の鉄塔解体組立装置
110 (鉄塔解体組立装置の)マスト
111 (マストの)分割柱体
112 (マストの)連結部
113 (マストの)マスト受具
114 (マストの)係止具
120 (鉄塔解体組立装置の)マスト支持手段
121 (マスト支持手段の)水平支線
122 (マスト支持手段の)水平支線留具
130 (鉄塔解体組立装置の)部材昇降手段
131 (部材昇降手段の)荷役用滑車
132 (部材昇降手段の)荷役ロープ
133 (部材昇降手段の)荷役用補助滑車
140 (鉄塔解体組立装置の)頂部留具
150 (鉄塔解体組立装置の)ガイドロープ
151 (ガイドロープ用の)下部留具
152 (ガイドロープ用の)中間留具
160 (鉄塔解体組立装置の)搬送体
161 (搬送体の)回転体
170 (鉄塔解体組立装置の)マスト昇降手段
171 (マスト昇降手段の)マスト用滑車
172 (マスト昇降手段の)マストロープ
173 (マスト昇降手段の)マスト用補助滑車
Ma 主柱材
Mb 腹材
Mc 腕金材
Md 頂部材
PA 組立部品
PD 解体材
ST 鉄塔

Claims (8)

  1. 既設の鉄塔の解体、又は新設の鉄塔の組立に用いられる装置であって、
    鉛直、又は略鉛直姿勢で前記鉄塔内に配置され、複数の分割柱体を上下に連結することで形成される柱状のマストと、
    上下に2以上の箇所に配置され、前記マストを支持するマスト支持手段と、
    前記マストの頂部に配置される荷役用滑車と、該荷役用滑車に掛け回される荷役ロープと、を有する部材昇降手段と、を備え、
    前記マスト支持手段は、前記鉄塔に取り付けられる水平支線と、該水平支線に支持される筒状の水平支線留具と、を含んで構成され、
    前記マストは、前記水平支線留具内にスライド可能に挿通され、
    前記荷役ロープに前記鉄塔の解体材、又は前記鉄塔の組立部品を取り付けたうえで、該荷役ロープを引下げ、かつ引上げることができる、
    ことを特徴とする鉄塔解体組立装置。
  2. 2以上の前記部材昇降手段が配置され、
    それぞれの前記荷役ロープを操作することによって、2以上の前記解体材、又は前記組立部品をそれぞれ独立して昇降することができる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄塔解体組立装置。
  3. 1条、又は2条以上のガイドロープを、さらに備え、
    前記ガイドロープは、張力が与えられた状態で、上端が前記マストの頂部に固定されるとともに、下端が前記鉄塔、又は地上に設置された下部留具に固定される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鉄塔解体組立装置。
  4. 前記鉄塔の上部に設置可能なマスト用滑車と、該マスト用滑車に掛け回されるマストロープと、を有するマスト昇降手段を、さらに備え、
    前記マスト昇降手段によって、上下に連結された複数の前記分割柱体を吊上げた状態で、最下端に新たな前記分割柱体を連結することができる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鉄塔解体組立装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の前記鉄塔解体組立装置を用いて、既設の前記鉄塔を解体する方法であって、
    上方に位置する前記分割柱体を吊上げたうえで最下端に前記分割柱体を連結しながらせり上げていくことによって、前記マストを構築するマスト構築工程と、
    前記水平支線の一端を前記鉄塔に取り付けるとともに、該水平支線の他端を前記マストが挿入された前記水平支線留具に取り付けることによって、該マストを支持するマスト支持工程と、
    最上段の前記水平支線よりも上方に位置する前記鉄塔を解体する部分解体工程と、
    前記解体工程で生じた前記解体材を前記荷役ロープに取り付けたうえで、該荷役ロープを引下げることによって、該解体材を地上に降ろす荷降し工程と、
    を備えたことを特徴とする鉄塔解体方法。
  6. 前記マスト構築工程では、前記分割柱体を前記水平支線留具に挿入するとともに該分割柱体に該水平支線留具を仮固定した状態で、前記マストを構築し、
    前記マスト支持工程では、前記水平支線を前記水平支線留具に取り付けた後に、前記分割柱体と該水平支線留具の仮固定を解除する、
    ことを特徴とする請求項5記載の鉄塔解体方法。
  7. 前記部分解体工程で最上段の前記水平支線よりも上方に位置する前記鉄塔を解体した後に、最上段の前記水平支線を撤去する水平支線撤去工程と、
    前記マストを吊上げたうえで最下端の前記分割柱体を取り外すことによって該マストを短縮し、短縮された該マストを降ろすマスト引下げ工程と、をさらに備え、
    前記部分解体工程では、新たに最上段とされた前記水平支線よりも上方に位置する前記鉄塔を解体する、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の鉄塔解体方法。
  8. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の前記鉄塔解体組立装置を用いて、新設の前記鉄塔を組立てる方法であって、
    前記鉄塔の一部を組立てる部分組立工程と、
    上方に位置する前記分割柱体を吊上げたうえで最下端に前記分割柱体を連結しながらせり上げていくことによって、前記マストを構築するマスト構築工程と、
    前記部分組立工程で組立てられた前記鉄塔に前記水平支線の一端を取り付けるとともに、該水平支線の他端を前記マストが挿入された前記水平支線留具に取り付けることによって、該マストを支持するマスト支持工程と、
    前記部分組立工程で組立てられた前記鉄塔よりも上方に配置される前記組立部品を前記荷役ロープに取り付けたうえで、該荷役ロープを引上げることによって、該組立部品を持ち上げる荷揚げ工程と、
    前記荷揚げ工程で持ち上げられた前記組立部品を組立てていくことによって、新設の前記鉄塔を完成させる、
    ことを特徴とする鉄塔組立方法。
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