JP5535719B2 - 簡易組立式デリック - Google Patents

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Description

この発明は、鉄塔の主柱材に高さに応じて取付け、取外しながら鉄塔を解体、組立するために用いられる簡易組立式デリックに関する。
架空送電線等を支持する鉄塔は、山地、市街地等様々な場所に設置されるが、時代の経過と共に古くなった鉄塔は建替えが要求される。また、新たに別の場所に新しい鉄塔が設置されたために不要になった古い鉄塔は解体することが要求される。このような鉄塔の新設組立時、あるいは解体時に用いられる工法として、台棒工法、鉄塔内設置せり上げクレーン工法、移動式クレーン工法等が知られている。台棒工法は、鉄塔の複数の柱体のいずれか一箇所に台棒(ブーム)の基部を取付け、地上のウインチからブーム先端の金車(滑車)にワイヤを通して台棒の傾斜角度を設定し、その状態で台棒の下面に沿って張設される吊上げワイヤをウインチで引張り、あるいは繰出してワイヤ先端の吊具(フック)で鉄塔の構成部材を昇降させ、鉄塔の解体、組立てを行なう工法である。
鉄塔内設置せり上げクレーン工法は、鉄塔内の架台簡易組立式クレーンの鉄柱上にクレーンを設置し、鉄塔の組立てに合わせてクレーンを鉄塔の主柱材にワイヤで支持しながら鉄柱をせり上げてクレーンを所定の高さとし、鉄塔の組立てを行なう工法である。又、移動式クレーン工法は、トラッククレーンを用いて鉄塔の組立てをする工法である。
台棒工法は、鉄塔の規模、構造等に拘らず柔軟に対応可能な工法であるが、台棒を支持する支線の固定部を鉄塔から数10m離れて固定するため、広い土地を必要とする。移動式クレーン工法も広い土地を必要とする。又、鉄塔内設置せり上げクレーン工法は、このような広い土地を必要としないが、鉄塔最上部付近の主柱材相互の水平間隔を大きくしなければならないという制約がある。このため、特許文献1の「鉄塔組立工法」は、鉄塔の外部に組立クレーンを設置し、鉄塔を組立てる外部式鉄塔組立工法を提案している。
上記工法に用いられるクレーンは、鉄塔の組立高さに応じて嵩上げもしくはせり上げし、嵩上げもしくはせり上げた鉄塔との間に水平支持部材を架設し、この水平支持部材に歩廊を設けた外部式鉄塔組立クレーンである。この外部式鉄塔組立クレーンは、従来の鉄塔内設置せり上げクレーン工法で用いられるクレーンが、鉄塔最上部付近の主柱材相互の水平間隔内を通過できるものでなければならないという制約を避けるため、外部設置式クレーンとしている。
しかし、従来の鉄塔内設置せり上げクレーン工法に用いられるクレーン、あるいは特許文献1による外部設置式クレーンのいずれも、組立時にはクレーンを支持する鉄柱を所定長さになるまで継ぎ足し、それぞれの長さの鉄柱上に支持されたクレーンにより鉄塔の組立作業が行なわれる。解体時には組立と反対の工程で作業が行なわれる。このため、組立時、解体時のいずれでも、鉄塔内または鉄塔外に鉄柱やマストを積上げて、その上にクレーンを搭載することとなる。従って、鉄柱やマストはウインチなどを介在させた機械式又は油圧式の装置により、積上げて延ばすことになり、装置が大がかりとなる上に、液圧配管や電気コードなどを接続する必要があり、機構も複雑になる。
一方、鉄塔内設置せり上げクレーン工法に用いられる従来のクレーン装置の他の例として、特許文献2の「クレーン装置」が公知である。このクレーン装置は、鉄塔内せり上げ方式という点で従来のせり上げクレーン装置と共通であるが、特許文献1中に記載の従来例のようにクレーンを支持するための鉄柱を積上げて基部を支持する構造ではなく、クレーンは短い支柱を油圧力などで伸縮させる形式としている点が異なる。
又、特許文献2のクレーン装置では、クレーンの鉄塔に対する所定高さ位置で水平な支持ロッドにより固定し、所定高さ位置での作業が終ると、この支持ロッドを取外すようにしている。しかし、この水平支持ロッドを取外すと、垂直な支柱が短いため、クレーンの支持が極めて不安定となり、作業の安全性の確保のための対策を必要とする。
特開平5−286694号公報 特開2005−29364号公報
この発明は、上記の問題に留意して、鉄塔等の構造物の解体、組立時に広い作業敷地を必要とせず、鉄塔の主柱材に囲まれたスペース内で前記主柱材に係止して解体、組立作業ができ、作業のためデリックの構成部材を鉄塔内で組立可能、かつシンプルな構成とすることにより経済的なコストで製作でき、作業効率のよい簡易組立式デリックを提供することを課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、荷吊り用のブーム及びこれを取付ける
架台を有するデリック本体と、前記デリック本体の下部の旋回軸を介してデリック本体に
回転自在、かつ着脱自在に接続され、デリック本体を上端で支持する支柱と、この支柱を
鉄塔の任意の高さ位置で鉄塔の主柱材に対して吊下げ保持するせり移動用吊りワイヤ、前
記主柱材に対して着脱自在の金車を経由して前記せり移動用吊りワイヤを巻き取る地上設
置のウインチ、及びサポート材を含む保持手段と、前記ブームの先端から垂らした荷重ワ
イヤを巻き取る地上設置のウインチをそれぞれ組立可能に備え、支柱は無負荷デリック本
体のせり下げ、又はせり上げのせり移動時にデリック本体を保持手段により起立姿勢を保
持可能な長さとし、鉄塔の解体、又は組立の高さに応じてデリック本体と支柱を下方、又
は上方にせり移動させて、鉄塔解体、組立てを行うようにし、さらに、前記ウインチから繰り出された前記荷重ワイヤを、前記支柱の外部に沿わせて上方に案内し、前記支柱の上端付近で支柱の内側に入り込ませ、パイプで形成された前記旋回軸の内部を通して前記ブームの先端に導く簡易組立式デリックとしたのである。
上記の構成の簡易組立式デリックによれば、鉄塔の塔内にデリックの各構成部材を組立て、鉄塔の上部へ持上げ、又は地上から少しずつ持上げて鉄塔の解体、組立をすることができる。デリックは、塔内に設置されるため、広い作業場を必要とせず、デリック本体と支柱を接続し、鉄塔の主柱材に保持手段により係合させて使用される。保持手段は、せり移動用吊りワイヤでデリックを鉄塔の任意の高さ位置に吊下げ、かつ、サポート材で保持して水平支線で振れ止めし、デリック本体と支柱を垂直起立姿勢にして保持する。
この起立姿勢での保持は、デリック本体の下部に接続された支柱がデリック本体の保持に対して十分長く設定され、この支柱を鉄塔の主柱材との間に張設されるせり移動用吊りワイヤで吊下げて所定位置に移動させ、前記主柱材との間を保持手段の主体となるサポート材でつないでデリックを固定し、支柱のバランスの取れる部分を水平支線で鉄塔の主柱材につないで、起立姿勢を保持する。この起立姿勢の保持を行って、鉄塔上部の主柱材や関連部材を解体し、デリックのブームから垂れ下がった荷重ワイヤで吊り上げて鉄塔から取り外し、地上へ降す。また、組立時には上記とは逆に地上から主柱材や関連部材をブームで吊り上げてデリックの取付け位置より上方に取付けて作業を進める。
上方、又は下方での部分解体、部分組立作業が終ると、デリック本体と支柱を保持手段のせり移動用吊りワイヤでせり移動させ、移動後の位置に保持する。この場合、サポート材と水平支線を一旦鉄塔から外し、この状態でせり移動用吊りワイヤを延ばしてデリック本体と支柱の高さ位置を変化させる。鉄塔解体の場合は、せり移動用吊りワイヤを延ばしてデリック本体と支柱を所定高さ低い位置へ、鉄塔組立の場合はせり移動用吊りワイヤの主柱材への係止位置を上方へ移動させ、その後、せり移動用吊りワイヤをウインチで巻き取ってデリック本体と支柱を所定高さ高い位置へ移動させる。
なお、デリック本体と支柱をせり移動させる際にデリックの起立状態を安定させるために介添ワイヤを地上との間に設置し、これにより起立状態を保持するとよい。所定高さ変位した位置にデリックを移動させた後に、再び保持手段によりデリックを保持して鉄塔等構造部材の解体、組立を行い、このような作業を繰り返すことにより鉄塔全体の解体、組立が行なわれる。
以上のように、この発明の簡易組立式デリックは、ブームを有するデリック本体と、その下部に接続される支柱と、これらを鉄塔の主柱材に係合、吊下げ保持する保持手段と、デリックのブーム先端から垂らした荷重ワイヤを巻き取るウインチにより構成したから、このデリックを鉄塔等の主柱材の枠内に設けることにより鉄塔等の解体、組立作業時に広い設置、作業場所を必要とせず、保持手段により鉄塔の主柱材に鉄塔上方に飛び出すようにして保持され、デリックによる吊り下げ昇降作業を可能とし、高さ位置を保持手段の操作により異なる位置へと移動することができ、このような作業を行い、簡易な構成により経済的なコストで製作できるという利点が得られる。
実施形態の簡易組立式デリックを鉄塔に吊り下げた状態の全体概略構成図 同上の簡易組立式デリックの分解模式図 ブームの(a)外観斜視図、(b)側面図 トラスポスト及び架台の(a)側面図、(b)背面図、(c)架台の拡大斜視図 支柱を分解した(a)上部支柱、(b)中間支柱、(c)下部支柱のそれぞれ外観斜視図 サポート材の(a)斜め平面図、(b)側面図 (a)デリックを鉄塔の任意の高さ位置に取付けた状態を示す図、(b)せり移動用吊りワイヤを4本使用したときのワイヤ配置の一例を示す平面図、(c)せり移動用吊りワイヤを4本使用したときのワイヤ配置の一例を示す平面図 鉄塔の分解作業の説明図(準備作業) 鉄塔の分解作業の説明図(設置作業) 鉄塔の分解作業の説明図(せり下げ作業) 鉄塔の分解作業の説明図(せり下げ作業) 鉄塔の分解作業の説明図(せり下げ作業) 鉄塔の分解作業の説明図(デリック分解作業)
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の簡易組立式デリック(以下では単にデリックとも言う)10を鉄塔Tに宙吊りした状態の全体概略正面図であり、図示の例では、鉄塔Tを解体する場合の初期状態を示している。鉄塔Tを解体する手順については後述するが、図1では鉄塔Tの頂部付近に金車(滑車)1、1を取付け、吊上げワイヤ2を地上から持上げて上記金車1、1に掛けた後、吊上げワイヤ2の先端をデリック10の支柱14に連結して全体を中間高さに吊り上げた状態を示している。吊上げワイヤ2は、地上ではウインチ3bのドラムに巻かれ、このウインチ3bによりデリック10を吊り上げる。
簡易組立式デリック10は、図2の分解正面図に示すように、荷吊り用のブーム11、このブーム11の傾きを支えるためのトラスポスト12、上記ブーム11、及びトラスポスト12を取付ける架台13を有するデリック本体Cと、このデリック本体Cを支持する支柱14と、鉄塔の主柱材に固定して支柱14を保持するサポート材15、及び後述するワイヤ類を含む保持手段Sとを備えている。
ブーム11は、図示の例では、上部、2つの中間部、下部の4つのブーム部材をボルト、ナット等の固定手段により1本に連結されたもので、組立状態ではその下部は端部アイプレートを介して架台13上の支持板13aに対し、回転自在に連結される。ブーム11を支持する架台13は、平面視四角形の台状とされ、その上面に2枚の支持板13a(図3A、図3B参照)が立設され、この支持板13aにブーム下端が軸により連結されている。又、架台13には、その上にトラスポスト12が連結固定されている。このトラスポスト12は、側面が細長い略三角状のトラス枠により形成され、背面視では細長い略長方形状とされている。
トラスポスト12の上端と高さ中間部には金車(滑車)16a、16bがブラケットを用いて取付けられ、ブーム11の先端と基端にも金車16c、16dが取付けられ、さらに架台13上には支持板13aに支持された金車16eと起伏ウインチ3cが設置されている。トラスポスト12の金車16a、16bには、ブーム11の俯仰角を設定するための起伏ワイヤWが掛け渡され、その起伏ワイヤWの先端はブーム11の先端に係止しており、同ワイヤの他端は起伏ウインチ3cのドラムに巻かれている。図示の起伏ウインチ3cは、地上から給電して駆動する動力ウインチであるが、手動ウインチでもよい。この起伏ウインチ3cは、地上に設置することも可能である。ただし、図のようにデリックの架台13上に設けると、地上から立ち上げるワイヤの数が減少してワイヤ相互の絡みの懸念が小さくなる。
ブーム11の金車16c、16d及び支持板13aに取付けた金車16eには荷を吊るす荷重ワイヤWが掛け渡される。この荷重ワイヤWの先端は、フックなどを取付けてブーム11の先端から吊り下げられる。荷重ワイヤWの他端側は金車16eを経て地上に至り、地上のウインチ3aのドラムに巻かれる。
架台13の中央には、架台13とトラスポスト12を回転させるための旋回軸13bが架台13の底から下方へ突出して設けられている。その旋回軸13bは中空のパイプで構成されており、その旋回軸13bの内側に荷重ワイヤWが通されている。
地上のウインチ3aから繰り出された荷重ワイヤWは、支柱14の外部に沿わせて上方に案内し、支柱14の上端付近で支柱14に取付けた金車16f、16gに掛けて支柱14の内側に入り込ませ、旋回軸13bの内側に通して金車16e、16d、16c経由でブーム11の先端に導いている。このように、荷重ワイヤWをブーム11の旋回中心に通すと、ブーム11の旋回に支障が出ない。また、荷重ワイヤWは、支柱14の上端付近までは支柱の外側に沿わせているので、支柱14の下側部分の接続と切り離しも支障
なく行える。
支柱14は、図4(a)では、上部支柱14a、2つの中間支柱14b、14b、下部支柱14cの4つの部分支柱を直線的に連結して形成される。上部支柱14aの上端には、架台13を回転自在に支持するヘッド部材14を有し、その直ぐ下方で互に上部支柱14aを挟んで対向する位置に一対の連結板14t、14tが設けられている。
上記一対の連結板14t、14tには、それぞれ一対のサポート材15、15が一端のアイプレート15b(図3D参照)を介して着脱自在に連結される。一対のサポート材15、15は、これもそれぞれ中間付近で2つに分割されたものを1本に連結し、端末付近には鉄塔の主柱材Tfに傾斜姿勢にして連結するための連結具15aが備えられている。上記サポート材15は、図3Dの(a)に示すように、2つの脚材15、15の上端を互いに連結し、下方は2つの連結材15as、15asにより互いに所定寸法開いた細長い略三角状に形成したものである。
図3D(a)において右上の連結材15asは、脚材15、15に固定されており、サポート材15を図1のように垂れ下がった状態にして地上のウインチ3bで吊上げた後、そのサポート材15の他端(下端)を外側に広げて鉄塔の主柱材Tfを脚材15、15間に入り込ませ、その後、他の1つの連結材15asを脚材15、15に取付けて2個の連結材15as,15asで主柱材Tfを挟む。これにより、サポート材15が傾斜姿勢で主柱材Tfに固定され、サポート材15によるデリック10の支持がなされる。
図4(a)に、サポート材15を含む保持手段Sによりデリック10を鉄塔Tの任意の高さ位置に取付けた状態を示す。デリック10をサポート材15だけで所望の高さ位置に固定すると固定の安定性が不十分になる虞があるので、図4(b)に示すように4本のせり移動用吊りワイヤWb(この例ではせり下げ用)を主柱材Tと支柱14との間に張設し、又は図4(c)に示すように、2本のせり移動用吊りワイヤWbを鉄塔の対角位置において主柱材Tと支柱14との間に張設し、さらに、主柱材Tの適宜位置から支柱14の適当な高さ位置との間に好ましくは4本の振れ止め用の水平支線Waを張設して支持をサポートするとよい。水平支線Waは、図示しない係止部材(締付具、シャックル等を含む)で一端を主柱材Tに固定し、他端は支柱14に連結する。せり移動用吊りワイヤWbは、一端を鉄塔の主柱材Tで引き留め、その主柱材Tと支柱14にそれぞれ取付けた金車16h、16i間に掛け渡して他端を地上のウインチ3bのドラムに巻込む。鉄塔側の金車のひとつは、主柱材T間に張り渡した補助水平支線Wasで支持しているが、鉄塔の関連部材があればそれで支持してもよい。
以上述べた実施形態の簡易組立式デリック10を用いて鉄塔Tを解体する作業を、図5A〜図5Eを参照して説明する。まず、解体を始める前に、図5Aに示すように、デリック10を地上から鉄塔Tの上部へ吊上げるための準備をする。地上において鉄塔T内で予めブーム11とトラスポスト12を架台13に取付け、架台13上に起伏ウインチ3cを搭載してデリック本体Cを組み立てる。そして、その下方に上部支柱14aを連結し、さらに、この上部支柱14aにサポート材15を連結してデリック10の大略部分を組立てる。荷重ワイヤWをブーム11の金車に掛け、その荷重ワイヤWの端部を金車16jに掛けてウインチ3aのドラムに巻付けておく。金車16jは、鉄塔の主柱材の基端間に支線(図示せず)を渡してその支線で引き留めるなどの方法で定位置に保持することができる。
一方、デリック10の吊上げワイヤ2は、その先端をデリック本体Cの下方において上部支柱14aに連結し、鉄塔Tの頂部に取付けた金車(滑車)1を経由して地上のウインチ3bのドラムに他端を巻込む。図5Aに示すように、デリック10は、上部支柱14a上に未完成状態で組立てられているため、吊上げワイヤ2により少しずつ持上げて上部支柱14aの下に2本の中間支柱14b、14bと下部支柱14cを順次連結する。支柱14が図4のように1本に連結されたら、吊上げワイヤ2をウインチ3bで巻き込んでデリック10の全体を鉄塔Tの上部へ引上げる。
鉄塔Tの内側にデリック10の引上げの妨げになる構造部材があれば予め取除いておき、鉄塔Tの上部では四隅の主柱材T間の距離が短いため、主柱材T間の水平連結材にブーム11の先端が当らないよう注意しながらデリック10の全体を鉄塔の上部へ引上げる。なお、ブーム11及びトラスポスト12の向きは、架台13が回転自在に支持されているため、任意の方向へ向けることができ、鉄塔の四隅の主柱材Tの対角方向に向けるとブームの引上げがしやすくて都合がよい。
図5Bに示す鉄塔上部までデリック10の全体が引上げられると、デリック10を鉄塔上部の位置で四隅の主柱材Tに対し高さ位置Hに固定する。この固定は、サポート材15と、水平方向の振れを止める水平支線Waを組み合わせた保持手段Sにより行なわれる。吊上げワイヤ2で引き上げて目標とする高さ位置Hまで吊上げ、サポート材15を停止し、この状態でせり移動用吊りワイヤWbを図4で説明した滑車16h,16i間に掛け渡し、このせり移動用吊りワイヤWbを緊張させて緩まないように適当な方法で仮止めする。
この後、吊上げワイヤ2を鉄塔Tの頂部の金車1、1から外し、2本又は4本のせり移動用吊りワイヤWbを鉄塔に取付けた金車との間に掛け渡して緊張する。せり移動用吊りワイヤWbの1本は吊上げワイヤ2を転用できる。ウインチ3bもせり移動用吊りワイヤWbの巻き取りに転用するとよい。せり移動用吊りワイヤWbの使用本数を2本とする場合、2個のドラムを並列に配置したいわゆるW ウインチを使用して図4(c)のように同一箇所で操作すると2本のせり移動用吊りワイヤWbのワイヤの巻き取り、繰り出しの調整(バランスを保つための調整)がしやすくて好ましい。
この状態でデリック10は高さ位置Hに固定される。固定後のデリック10は、ブーム11が鉄塔T上に突出し、そのブーム11の先端から垂らした荷重ワイヤWで分解された鉄塔の構造材を吊り下げて地上に降ろす。なお、デリック10の全体を引上げる際には、ブーム11を出来るだけ垂直に近い状態に起こしておく。
デリック10を最上高さ位置Hに固定し終えたら、デリック10による鉄塔Tの解体を開始する。図5Bに示すように、高さ位置Hよりも上にある、架空線支持用の2段のアームや主柱材Tを、それらを固定していたボルト、ナットを外して適宜位置で分解し、分解後の構造材を荷重ワイヤWの下端の吊り具(フックなど)で吊し、ウインチ3aから荷重ワイヤWを繰出して地上へ降す。解体作業時にブーム11を鉄塔T内で種々の方向へ回転させる場合、作業員が人手でブームを押すと架台13が旋回軸13bを介して回転することにより任意の方向へ自由に回転できる。高さ位置Hより上部の構造部材が全て解体されると、図5Cに示すように、デリック10を高さ位置Hへ降すせり移動(せり下げ、少しずつゆっくりと降すの意)の作業を行なう。
このせり移動は、まず、せり移動用吊りワイヤWbを引き留めた状態で高さ位置Hにおいて取り付けられていた水平支線Waとサポート材15を四隅の主柱材Tから外し、サポート材15を垂直にぶら下げる。その後、図5Cに示すように、ウインチ3bからせり移動用吊りワイヤWbを繰り出してデリック10の全体を図5Cに示す高さ位置Hまで降す。このとき、地上と支柱14の下端との間に介添ワイヤを張設するとデリック本体Cと支柱14の起立姿勢を保持が安定する。そのような手法も必要に応じて採用してよい。
高さ位置Hに降ろしたデリック本体Cは再び鉄塔に固定する。サポート材15の下端を再度広げて鉄塔Tの四隅の主柱材Tにそれぞれ固定し、かつ、4本の水平支線Waをそれぞれ主柱材Tに連結するとデリック本体Cの固定がなされる。なお、高さ位置H〜Hは、説明の便宜上設定した位置符号であり、デリックの固定位置はこの高さ位置に限定されるものではない。
サポート材15と水平支線Waによる高さ位置Hでのデリック本体Cの固定が完了したら、図4(a)の金車16hを一旦鉄塔から取外し、この金車を高さ位置Hに対応した位置に移して鉄塔Tに再度取付ける。そして、各せり移動用吊りワイヤWbを緊張する。こうして、デリック10の固定を安定させ、高さ位置Hにおいてその位置よりも上側の構造要素を解体する。この場合、まず高さ位置Hよりも上側の主柱材Tを、デリック本体Cを人手で旋回させながら各4つの面材ごとに外すことにより、四隅が主柱材Tで囲まれている鉄塔であっても少しずつ解体することができる。高さ位置Hよりも上側の構造要素が解体されたら、次に、高さ位置HとHの間の構造要素を同じ手順で解体する。
さらに、鉄塔を高さ位置HからHまで解体するため、高さ位置HからHへデリック10全体を降したのと同じ手順でデリック10の全体を、図5Dに示すように、高さ位置Hまで降し、既述の方法でデリック本体Cの固定を行った後、高さ位置HからHの鉄塔構造を同様の手順で解体する。高さ位置Hまでの解体が終ると、さらにデリック10を降す際に、支柱14の下端が地面に当るため、予め支柱14の下部支柱14c、2つの中間支柱14bを上部支柱14aから分離する。この分離は、荷重ワイヤWが中間支柱と下部支柱の内部に通されていないので、荷重ワイヤWをつけ替えずに実施することができる。
作業の終段には、図5Eに示すように、デリック本体Cを地上に設置した状態で使用する。このとき、デリック本体Cは地上に届いた上部支柱14aで支持されるため、サポート材15は撤去され、代りに好ましくは4本の倒れ止め用の斜地支線Wcとこれも好ましくは4本の水平支線Waを張設する。この状態でデリック10を使用した解体作業を上記と同一手順で実施する。
以上により鉄塔の大部分が撤去される。従って、この後は、図5Fに示すようにデリック10の解体、撤去を行なう。まずブーム11を水平に倒して解体する{図5F(a)}。次いで、トラスポスト12と架台13を解体する{図5F(b)}。そして最後に、残っている上部支柱14aと倒れ止め用の斜地支線Wcと水平支線Waを撤去する{図5F(c)}。また、高さ位置Hで残る主柱材T及びその下方に埋め込まれている鉄塔基礎部(図示せず)は他の方法で撤去する。
なお、上記の説明は、鉄塔の解体作業を例に挙げて行ったが、鉄塔の組立も、解体作業と反対の手順でデリックを操作して作業を行うこができる。又、デリック10は、運搬する際には図2の状態に分解することができ、さらに、ブーム11、支柱14、サポート材15もさらに複数個に分解して搬送することができる。
このほか、実施形態のデリック10は、高さ30m程度の中規模の鉄塔(大規模の鉄塔は高さ100m程度のものがある)を解体、組立する作業用のもので、吊り荷重(定格)は約0.5トン程度である。但し、吊り荷重はこの範囲に限定されるものではなく、構造材の強度、サイズ等を変更することで吊り荷重の変動に対応することができる。
この発明の簡易組立式デリックは、鉄塔の主柱材内に設置して送電用鉄塔などを解体又は組立するのに広く利用できる。
1 金車(滑車)
2 吊上げワイヤ
3a,3b ウインチ
3c 起伏ウインチ
10 簡易組立式デリック
11 ブーム
12 トラスポスト
13 架台
13b 旋回軸
14 支柱
15 サポート材
16a〜16J 金車
S 保持手段
T 鉄塔
鉄塔の主柱材
C デリック本体
Wa 振れ止め用の水平支線
Was 補助水平支線
Wb せり移動用吊りワイヤ
〜H 高さ位置
起伏ワイヤ
荷重ワイヤ

Claims (6)

  1. 荷吊り用のブーム(11)及びこれを取付ける架台(13)を有するデリック本体(C
    )と、前記デリック本体(C)の下部の旋回軸(13b)を介してデリック本体(C)に回転自在、かつ着脱自在に接続され、デリック本体(C)を上端で支持する支柱(14)と、この支柱(14)を鉄塔(T)の任意の高さ位置で鉄塔の主柱材(T)に対して吊下げ保持するせり移動用吊りワイヤ(Wb)、前記主柱材(T)に対して着脱自在の金車を経由して前記せり移動用吊りワイヤ(Wb)を巻き取る地上設置のウインチ(3b)、及びサポート材(15)を含む保持手段(S)と、前記ブーム(11)の先端から垂らした荷重ワイヤ(W)を巻き取る地上設置のウインチ(3a)をそれぞれ組立可能に備え、支柱(14)は無負荷のデリック本体(C)のせり下げ、又はせり上げのせり移動時にデリック本体(C)を保持手段(S)により起立姿勢を保持可能な長さとし、鉄塔(T)の解体、又は組立の高さに応じてデリック本体(C)と支柱(14)を下方、又は上方に移動させて、鉄塔(T)の解体、組立てを行うようにし、さらに、前記ウインチ(3a)から繰り出された前記荷重ワイヤ(W )を、前記支柱(14)の外部に沿わせて上方に案内し、前記支柱(14)の上端付近で支柱の内側に入り込ませ、パイプで形成された前記旋回軸(13b)の内部を通して前記ブーム(11)の先端に導くようにした簡易組立式デリック。
  2. 前記デリック本体(C)の架台(13)上にトラスポスト(12)と起伏ウインチ(3
    c)を設け、前記ブーム(11)の先端からトラスポスト(12)の上端に設けた金車(
    16a)を経て導かれる起伏ワイヤ(W)を前記起伏ウインチ(3c)で巻取ってブー
    ム(11)の俯仰角を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の簡易組立式
    デリック。
  3. 前記支柱(14)が、鉄塔(T)の解体、組立時の高さに応じて長さを調整可能とする
    ために複数の支柱部材を分離可能に連結したものから成ることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の簡易組立式デリック。
  4. 前記保持手段(S)が、一端を前記支柱(14)の上端に回転自在に接続し、他端を斜
    め下方において鉄塔の前記主柱材(T)に着脱自在に接続するサポート材(15)と、
    前記支柱(14)に取付けた金車(16i)とその金車よりも上方で前記主柱材(T
    に取付けた金車(16h)との間に掛け渡すせり移動用吊りワイヤ(Wb)と、前記金車
    (16i)よりも下方において前記支柱(14)と前記主柱材(T)との間に張設して
    支柱(14)の下端側を振れ止めする水平支線(Wa)とから成ることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の簡易組立式デリック。
  5. 前記せり移動用吊りワイヤ(Wb)を、前記鉄塔(T)の解体、組立時の高さに応じて
    前記主柱材(T)に着脱自在に取付ける金車を経て地上のウインチ(3b)で巻取るよ
    うに設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の簡易組立式デリック。
  6. 前記デリック(10)のせり移動時に、デリック本体(C)と支柱(14)の起立姿勢
    を保持するための介添ワイヤを地上と前記支柱(14)との間に張設したことを特徴とす
    る請求項1乃至のいずれかに記載の簡易組立式デリック。
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