JP2023129973A - メタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物を含む組成物および該組成物で表面処理された物品 - Google Patents

メタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物を含む組成物および該組成物で表面処理された物品 Download PDF

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Abstract

【課題】水溶液にしたときの安定性に優れる、重合性基含有有機ケイ素化合物を含む組成物を提供すること。【解決手段】下記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物及び下記式(2)で表される有機ケイ素化合物を含む組成物。TIFF2023129973000011.tif55104(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、R2は、メチル基またはエチル基を表し、Meは、メチル基を表し、m1及びm2は、1~3の整数を表し、n1及びn2は、1~12の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物を含む組成物および該組成物で表面処理された物品に関し、さらに詳述すると、分子中にメタクリルアミド基およびオルガノオキシシリル基を含有する有機ケイ素化合物を含む組成物および該組成物で表面処理された物品に関する。
加水分解性シリル基と有機反応基を有する有機ケイ素化合物は、加水分解性シリル基の加水分解によって生成するシラノール基が、無機材料表面の水酸基と共有結合を形成し、さらに有機基が有機材料と反応することにより、通常では結びつきにくい有機材料と無機材料とを結びつけることを可能にする。これにより、有機-無機複合材料に、耐熱性、耐水性、耐候性、機械的強度の向上、密着性、分散性、疎水性、防錆性等の特性を付与することができる。
これらの特性を利用し、上記有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、樹脂添加剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤および高分子変性剤等の幅広い分野、用途に用いられる。
上記有機ケイ素化合物の中でも、従来、3-メタクリロイルプロピルトリメトキシシランに代表される重合性基含有有機ケイ素化合物は、ガラスクロス等のガラス製品や無機フィラーの表面処理剤、組成物の接着助剤等として広く使用されてきた。
例えば、特許文献1には、3-メタクリロイルプロピルトリメトキシシランで処理されたガラスクロスを用いることでプリプレグの特性を改善できることが報告されている。また、特許文献2には、3-メタクリロイルプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカ粒子を用いることで熱硬化性樹脂の特性を向上させることができることが報告されている。
このようなガラスクロスや無機フィラーの表面処理には、ギ酸や酢酸のような酸で酸性に調整された水に所定の有機ケイ素化合物を1%前後溶解させた水溶液を使用することが一般的である。この際、アルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合物を水に溶解させると、アルコキシシリル基が水溶液中で加水分解された後に、徐々に分子間の縮合が進み、分子量が大きくなり、水に不溶な成分が析出する。3-メタクリロイルプロピルトリメトキシシランに代表される重合性基含有有機ケイ素化合物も、同様に、水溶液にした際の安定性が低く、表面処理溶液としてのポットライフが短いことが課題であった。
国際公開第2020/194772号 国際公開第2019/103086号
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、水溶液にしたときの安定性に優れる、重合性基および加水分解性シリル基含有有機ケイ素化合物を含む組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、メタクリルアミド基およびオルガノオキシ基含有有機ケイ素化合物と、メタクリル酸エステル部位を有する特定の有機ケイ素化合物とを含む水溶液が安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物および下記式(2)で表される有機ケイ素化合物を含む組成物、
Figure 2023129973000001
(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、R2は、メチル基またはエチル基を表し、Meは、メチル基を表し、m1およびm2は、1~3の整数を表し、n1およびn2は、1~12の整数を表す。)
2. 上記式(1)および上記式(2)において、R1が、メチル基であり、n1およびn2が、3である1記載の組成物、
3. 上記式(2)で表される有機ケイ素化合物の含有量が、上記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物100質量部あたり0.01~20質量部である1または2記載の組成物、
4. さらに、水を含み、上記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物と、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物とが前記水に溶解している1~3のいずれかに記載の組成物、
5. 前記水が、酸性に調整された水である4記載の組成物、
6. 1~5のいずれかに記載の組成物で表面処理された物品
を提供する。
本発明のメタクリルアミド基およびオルガノオキシ基含有有機ケイ素化合物を含む組成物は、水溶液とした際の安定性に優れる。また、本発明の組成物で表面処理した物品は、強度に優れる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る組成物は、下記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物(以下、化合物(1)という。)および下記式(2)で表される有機ケイ素化合物(以下、化合物(2)という。)を含有し、水溶液とした際の安定性に優れるものである。
Figure 2023129973000002
式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~10、好ましくは炭素数6~8のアリール基を表し、R2は、メチル基またはエチル基を表し、Meは、メチル基を表し、m1およびm2は、1~3の整数を表し、n1およびn2は、1~12の整数を表す。
1の炭素数1~10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
炭素数6~10のアリール基の具体例としては、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル基等が挙げられる。
これらの中でも、R1としては、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
m1およびm2は、1~3の整数を表すが、2または3が好ましく、n1およびn2は、1~12の整数を表すが、原料調達の観点から、1~8の整数が好ましく、1~4の整数がより好ましく、3がさらに好ましい。
したがって、化合物(1)としては、R1がメチル基であり、n1が3であるものが特に好ましく、化合物(2)としては、R1がメチル基であり、n2が3であるものが特に好ましい。
化合物(1)の具体例としては、メタクリルアミドメチルトリメトキシシラン、メタクリルアミドメチルメチルジメトキシシラン、メタクリルアミドメチルトリエトキシシラン、メタクリルアミドメチルメチルジエトキシシラン、3-メタクリルアミドプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルアミドプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルアミドプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルアミドプロピルメチルジエトキシシラン、4-メタクリルアミドブチルトリメトキシシラン、4-メタクリルアミドブチルメチルジメトキシシラン、4-メタクリルアミドブチルトリエトキシシラン、4-メタクリルアミドブチルメチルジエトキシシラン、8-メタクリルアミドオクチルトリメトキシシラン、8-メタクリルアミドオクチルメチルジメトキシシラン、8-メタクリルアミドオクチルトリエトキシシラン、8-メタクリルアミドオクチルメチルジエトキシシラン、12-メタクリルアミドドデシルトリメトキシシラン、12-メタクリルアミドドデシルメチルジメトキシシラン、12-メタクリルアミドドデシルトリエトキシシラン、12-メタクリルアミドドデシルメチルジエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記式で表される化合物が好ましく、製造や水溶液調製の観点から、化合物(1-1)および化合物(1-3)が特に好ましい。なお、下記式中、Meは、メチル基、Etは、エチル基を表す。
Figure 2023129973000003
化合物(1)の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法を採用することができる。例えば、特許第3561501号公報に記載されている方法に従って、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステルと3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキルアルコキシシランとを重合禁止剤およびアミド化触媒の存在下、100~200℃程度の温度で反応させることで得ることができる。
一方、化合物(2)は、化合物(1)と水との相溶化剤として作用し、水溶性に優れる組成物を与えることができるものである。
化合物(2)の具体例としては、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-メトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-エトキシカルボニル-2-メチル)エチル-3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記式で表される化合物が好ましく、製造や水溶液調製の観点から、化合物(2-1)および化合物(2-3)が特に好ましい。なお、下記式中、Meは、メチル基、Etは、エチル基を表す。
Figure 2023129973000004
化合物(2)の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法を採用することができる。例えば、特許第5494233号公報に記載されている方法に従って、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステルと3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキルアルコキシシランとをメタノール等の反応溶媒中で0~200℃程度の温度で反応させることで得ることができる。
組成物中の化合物(2)の含有量は、化合物(1)100質量部あたり、0.01~20質量部が好ましく、0.1~15質量部がより好ましく、0.5~13質量部がさらに好ましい。
本発明の組成物は、水を含んでいてもよく、この場合、組成物中において化合物(1)および化合物(2)は水に溶解している。
水を含む場合、組成物中の化合物(1)および化合物(2)の含有量は、合計で0.01~10質量%が好ましく、0.05~5質量%がより好ましく、0.1~1質量%がより好ましい。
水を含む組成物(以下、「水溶液」という場合もある。)は、予め調製した化合物(1)および化合物(2)の混合物(水を含まない組成物)と、水とを混合し、化合物(1)および化合物(2)を水に溶解して調製することができる。
この場合、化合物(1)および化合物(2)の混合物を水に添加しても、水を当該混合物に添加してもよいが、水中に当該混合物を添加する方法が好ましく、水中に当該混合物を滴下する方法がより好ましい。
添加温度は、10~50℃が好ましく、15~40℃がより好ましい。
また、水を含む組成物は、化合物(1)および化合物(2)を別々に水に溶解させて得ることもできる。この場合、まず化合物(1)を水に添加し、その後、化合物(2)を添加してもよいし、先に化合物(2)を水に添加し、その後、化合物(1)を添加してもよい。また、化合物(1)と水との混合物と、化合物(2)と水との混合物を別々に調製した後、これらを混合して、化合物(1)および化合物(2)を含む水溶液(組成物)を得ることもできる。いずれの場合も、化合物(1)または化合物(2)を水に添加してもよいし、水を化合物(1)または化合物(2)に添加してもよい。添加温度は、上記と同じである。
本発明の組成物は、化合物(1)、化合物(2)および水の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶媒を含んでいてもよい。
前記有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、水との相溶性に優れる有機溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などが挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、上記の有機溶媒を使用しない場合、安定性の観点から、酸性に調整された水を使用することが好ましい。酸性に調整するための酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸、塩酸等の無機酸などが挙げられる。酸を使用する場合、その添加量は、組成物全体の0.001~0.5質量%が好ましく、0.01~0.1質量%がより好ましい。なお、酸を用いる場合、予め酸と水とを混合して酸性に調整した水を用いても、本発明の組成物に酸を添加して酸性に調整してもよい。
本発明の組成物には、基材との密着性、接着性向上のために、化合物(1)および化合物(2)以外のアルコキシ基含有有機ケイ素化合物、シラザン化合物等を添加することができる。
アルコキシ基含有有機ケイ素化合物の具体例としては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
シラザン化合物の具体例としては、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,3,5,5,5-オクタメチルトリシラザン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5-トリメチルトリビニルシクロトリシラザン等が挙げられる。これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
アルコキシ基含有有機ケイ素化合物およびシラザン構造含有化合物を添加する場合、その添加量は、化合物(1)および化合物(2)の合計量に対して、それぞれ0.01~0.2モル当量が好ましい。
また、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤を添加することができる。添加剤の具体例としては、水溶性樹脂、硬化触媒、生成する硬化被膜の引張特性を調整する物性調整剤、貯蔵安定性改良剤、界面活性剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、滑剤、顔料等が挙げられる。
本発明の組成物を基材表面に適用し、加熱乾燥することにより、本発明の組成物で表面処理された物品を得ることができる。
基材としては、特に限定されるものではないが、無機材料が好ましく、シリカ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、マイカ等の無機フィラー;モノフィラメント、合撚糸、バルキー加工糸、ステープルファイバー、不織布、テープ、ネット等の各種繊維;ガラスストランド、ガラスヤーン、ガラスロービング、チョップドストランド、ミルドファイバー、ガラスクロス等のガラス繊維および;陶磁器、セメント、ほうろう、ファインセラミックス等のセラミックス;鉄、アルミニウム、銅、銀、金、マグネシウム等の金属材料;これらの材料を用いた各種物品などが挙げられる。
これらの中でも、オルガノオキシシリル基の反応性の観点から、シリカ等の無機フィラー、ガラス繊維およびガラス繊維製品が特に好ましい。基材が無機フィラーやガラス繊維である場合、マトリクス樹脂と混合することによりプリプレグ化することが可能である。本発明の組成物を用いて得られるプリプレグは、強度に優れるため、プリント配線基板に好適に使用できる。なお、プリプレグのマトリックス樹脂としては、従来公知のものが用いられ、例えば、熱硬化性のシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を基材表面に適用する方法としては、特に限定されるものではないが、材料の形状などによって最適な方法を適宜選択することができる。具体的には、直接基材へ適用する場合の方法としては、フローコート法(浸漬法)、スピンコート法等が挙げられる。また、基材となる無機フィラーと分散媒体の樹脂とからなるコンパウンドに、本発明の組成物を添加、混合することによる混練処理を行うこともできる。
本発明の組成物を各種基材に適用した後、加熱乾燥し、溶媒の除去と同時に、組成物中の有機ケイ素化合物に含まれるアルコキシ基と基材表面の反応基とを化学反応させることが好ましい。
加熱条件としては、特に制限されるものではなく、加熱温度は、基材の耐熱性により適宜調整すればよいが、好ましくは60~180℃、より好ましくは80~150℃であり、加熱時間も、特に制限されるものではなく、使用される基材の種類、本発明の組成物の使用量等によって適宜調整すればよいが、好ましくは1分~2時間、より好ましくは5分~1時間である。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、下記式中、Meはメチル基、Etはエチル基を表す。
[1]有機ケイ素化合物の合成
[合成例1]
特許第3561501号公報を参考に、下式で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物(1-1)を得た。
Figure 2023129973000005
[合成例2]
特許第3561501号公報を参考に、下式で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物(1-3)を得た。
Figure 2023129973000006
[合成例3]
特許第5494233号公報を参考に、下式で表される有機ケイ素化合物(2-1)を得た。
Figure 2023129973000007
[2]組成物の製造
[実施例1-1~1-4]
表1に示す配合割合で、上記合成例で得た化合物を混合して組成物を得た。
Figure 2023129973000008
[3]水溶液の製造
[実施例2-1~2-4、比較例2-1~2-3]
表2に示す配合割合に従い、25℃条件下で、0.05質量%酢酸水に実施例1-1~1-4で得られた各組成物、合成例1,2で得られた化合物または比較成分を滴下し、水溶液を製造した。
得られた水溶液について、下記の評価を行った。結果を表2に併せて示す。
〔水溶液の安定性〕
得られた水溶液を25℃の環境に1日、14日、28日静置した後の外観を目視で確認し、下記基準に従って評価した。
〇:完全に溶解しており、均一な水溶液となっている。
×:不溶物が析出している。
〔表面処理ガラスクロスの引張強さ〕
得られた水溶液にEガラスクロス(厚さ:95μm、単位面積当たりの質量:107g/m2)を浸漬し、取り出した後、110℃で10分間加熱乾燥して表面処理ガラスクロスを得た。JIS R 3420:2013(ガラス繊維一般試験方法)に準拠し、上記で得られた表面処理ガラスクロスの引張強さの測定を行った。なお、未処理のガラスクロスの引張強さは、150N/25mmであった。
Figure 2023129973000009

・KBM-503(3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
表2に示されるように、実施例2-1~2-4の水溶液は、安定性に優れ、また、実施例2-1~2-4の水溶液により処理されたガラスクロスは、引張強さに優れていた。
一方、化合物(2)を含まない比較例2-1~2-3の水溶液は、安定性に劣り、時間経過と共に不溶物が析出する結果となった。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物および下記式(2)で表される有機ケイ素化合物を含む組成物。
    Figure 2023129973000010
    (式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、R2は、メチル基またはエチル基を表し、Meは、メチル基を表し、m1およびm2は、1~3の整数を表し、n1およびn2は、1~12の整数を表す。)
  2. 上記式(1)および上記式(2)において、R1が、メチル基であり、n1およびn2が、3である請求項1記載の組成物。
  3. 上記式(2)で表される有機ケイ素化合物の含有量が、上記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物100質量部あたり0.01~20質量部である請求項1または2記載の組成物。
  4. さらに、水を含み、上記式(1)で表されるメタクリルアミド基含有有機ケイ素化合物と、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物とが前記水に溶解している請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 前記水が、酸性に調整された水である請求項4記載の組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項記載の組成物で表面処理された物品。
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