JP2023129028A - 無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法 - Google Patents

無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無電解めっき液との反応性を低下させることなく、十分な塗膜強度を有するプライマー層を付与可能な無電解めっき用プライマー組成物を提供する。【解決手段】本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、前記フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25~65質量部のメラミン樹脂(B)とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法に関する。
樹脂基材等の絶縁性基材に対して金属めっきを形成する技術は、電磁波シールの導電性フィルムや、意匠性を付与することを目的とした装飾めっき、集積回路、抵抗器等の電子部品を作製する際に利用されている。特に、電子機器に使用されるプリント配線板を作製する場合、絶縁性基材上に導電性配線パターンを形成する際に、めっきを形成する技術が利用される。
その際、絶縁性基材とめっき層との間の密着性を高めるために、絶縁性基材の表面に微細な凹凸を形成するエッチング(粗化)を行うことにより、アンカー効果を付与することが検討されている。しかしながら、このエッチングは、工程を煩雑にするだけでなく、5G向けの高周波対応デバイスにおいては、表皮効果により伝送損失が増大しやすいという問題がある。
これに対し、エッチングを行わずに、絶縁性基材とめっき層とを密着させる方法が検討されている。例えば、絶縁性基材の表面に、無電解めっき触媒を含む下地層(プライマー層)を形成した後、めっき層を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2013-209643号公報
絶縁性基材の表面へのめっき層の形成は、通常、絶縁性基材の表面にプライマー層を形成した後、当該プライマー層を無電解めっき液等と接触させることにより行われる。これらの工程は、通常、ロールトゥロールで行われる。しかしながら、プライマー層の塗膜強度が十分でない場合、プライマー層の表面が凸凹になりやすいだけでなく、プライマー層が絶縁性基材から剥がれたり(デラミネーションを生じたり)、ロールとの摩擦によりプライマー層の表面に傷が付いたりすることがあった。そのため、プライマー層の塗膜強度を高めることが望まれている。特許文献1のプライマー層についても、これまで以上に塗膜強度を高めることが望まれている。
しかしながら、プライマー層の塗膜強度を高めすぎると、表面が硬くなりすぎて、無電解めっき液との反応性が低下し、めっき層を均一に形成できないことがあった。また、プライマー層の塗膜強度を高めすぎると、絶縁性基材との接着性も損なわれることがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、無電解めっき液との反応性や接着性を低下させることなく、十分な塗膜強度を有するプライマー層を付与可能な無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、前記フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25~65質量部のメラミン樹脂(B)とを含む。
本発明の積層体は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に配置された、本発明の無電解めっき用プライマー組成物の硬化物を含むプライマー層と、前記プライマー層上に配置された金属めっき層とを含む。
本発明の積層体の製造方法は、絶縁性基材の表面に、本発明の無電解めっき用プライマー組成物を付与した後、乾燥及び硬化させてプライマー層を形成する工程と、前記プライマー層上に、無電解めっきにより金属めっき層を形成する工程とを含む。
本発明によれば、無電解めっき液との反応性を低下させることなく、十分な塗膜強度を有するプライマー層を付与可能な無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びの製造方法を提供することができる。
本発明者らは、短時間でも良好に硬化反応し、高い塗膜強度の硬化物を付与しうるプライマー組成物の組成を検討したところ、フェノキシ樹脂(A)とメラミン樹脂(B)との組み合わせが良好であることを見出した。さらに、メラミン樹脂(B)の含有量を所定の範囲に調整することで、無電解めっき液との反応性や接着性も良好に維持できることを見出した。
この理由は明らかではないが、以下のように推測される。フェノキシ樹脂(A)は、強靭な構造を有するだけでなく、分子中に多くの水酸基を有する。そのため、フェノキシ樹脂(A)の水酸基が、メラミン樹脂(B)のメチロール基等と反応して、高密度な架橋構造を形成しうるため、表面硬度の高い硬化物が得られる。一方で、メラミン樹脂(B)の量が多すぎると、硬化物の表面硬度が高くなりすぎて、無電解めっき液との反応核となるパラジウム触媒が表面に露出しにくくなったり、プライマー組成物の硬化物に当該パラジウム触媒を付与した際に安定に保持させにくくなったりするため、無電解めっき液の反応性が損なわれやすい。また、硬化物が硬くなりすぎると、接着性も損なわれやすい。これに対し、メラミン樹脂(B)の含有量を適切に調整することで、適度な強度の硬化物を得ることができるため、上記のような不具合を抑制できる。そのようなプライマー組成物は、ロールトゥロールでのめっき皮膜を形成するプロセスに好適である。
さらに、上記成分に加え、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)をさらに加えることで、プライマー組成物の硬化物の接着性を一層高めることができる。即ち、レゾールフェノール樹脂(D)のメチロール水酸基又はフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂(C)のエポキシ基と反応することで、エポキシ樹脂(C)を硬化させやすいだけでなく、反応過程(開環反応)で水酸基を生成し得る。それにより、絶縁基材との接着性が効果的に高まると考えられる。
以下、本発明のプライマー組成物の構成について詳細に説明する。
1.プライマー組成物
本発明のプライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、メラミン樹脂(B)とを含む。
1-1.フェノキシ樹脂(A)
フェノキシ樹脂(A)は、多官能フェノール類と多官能グリシジルエーテル(好ましくはビスフェノール類とエピクロルヒドリン)を重付加反応させて得られるポリヒドロキシポリエーテル構造を有する高分子である。
フェノキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常、10000~200000、好ましくは20000~100000、より好ましくは30000~80000である。フェノキシ樹脂(A)のMwが一定以上であると、高い塗膜強度を有するプライマー組成物の硬化物が得られやすく、一定以下であると、プライマー組成物の粘度が増大し過ぎず、取り扱い性が損なわれにくい。フェノキシ樹脂(A)のMwは、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
フェノキシ樹脂(A)の第二級水酸基当量は、特に制限されないが、好ましくは240g/eq以上、より好ましくは250~290g/eqである。フェノキシ樹脂(A)の第二級水酸基当量が上記範囲内であると、水酸基を多く含むため、メラミン樹脂(B)と一層反応しやすいだけでなく、絶縁性基材との接着性も一層高めやすい。
フェノキシ樹脂(A)は、分子中にエポキシ基を有してもよい。フェノキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは5000g/eq以上、より好ましくは6500g/eq以上である。エポキシ当量は、JIS K7236に準じて測定することができる。
フェノキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の共重合体型フェノキシ樹脂(ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂)、ビスフェノールE型フェノキシ樹脂、ナフタレン型フェノキシ樹脂、ノボラック型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、シクロペンタジエン型フェノキシ樹脂等が挙げられる。フェノキシ樹脂(A)は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フェノキシ樹脂(A)の市販品の例には、jER4250(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ、エポキシ当量7500~8900g/eq)、YX7200B35(三菱ケミカル社製、ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:9000g/eq)、1256(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:7,800g/eq)、YX6954BH35(三菱ケミカル社製、ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:13000g/eq)等が挙げられる。
フェノキシ樹脂(A)は、分子中に水酸基を多く含むため、メラミン樹脂(B)と良好に反応(硬化反応)しうる。それにより、これらを含むプライマー組成物の硬化物は、高い塗膜強度を有する。
フェノキシ樹脂(A)の含有量は、プライマー組成物の不揮発成分に対して20~65質量%であることが好ましく、30~60質量%であることがより好ましい。フェノキシ樹脂(A)の含有量が一定以上であると、メラミン樹脂(B)と十分に硬化反応させうるため、プライマー組成物の硬化物は、高い塗膜強度を有し得る。本明細書において、不揮発成分とは、溶媒以外の組成物を構成する成分をいう。
1-2.メラミン樹脂(B)
メラミン樹脂(B)は、フェノキシ樹脂(A)に含まれる水酸基と反応して、フェノキシ樹脂(A)を硬化させる硬化剤として機能しうる。
そのようなメラミン樹脂(B)は、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的若しくは完全にエーテル化した化合物又はこれらの混合物でありうる。メラミン樹脂(B)は、単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよい。
エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、及びイソブタノール等が挙げられる。即ち、メラミン樹脂(B)は、イミノ基、メチロール基、メトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基等の官能基を有する。具体的には、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂が含まれ、中でも、メチロール化メラミン樹脂が好ましい。
メラミン樹脂(B)の市販品の例には、三和ケミカル社製のニカラックMW-100LM、ニカラックMW-30、ニカラックMW-30M、ニカラックMW-22、ニカラックMW-22A、ニカラックMS-11、ニカラッックMX-750;三井サイアナミッド社製のサイメル300、サイメル301、サイメル350;三井化学社製U-VAN 703等が含まれる。メラミン樹脂(B)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
メラミン樹脂(B)は、メラミン樹脂(B)の自己縮合に加え、フェノキシ樹脂(A)に含まれる水酸基とメラミン樹脂(B)との反応(硬化反応)が進行しやすいため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度が向上する。
メラミン樹脂(B)の含有量は、フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25~65質量部である。メラミン樹脂(B)の含有量がフェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25質量部以上であると、フェノキシ樹脂(A)とメラミン樹脂(B)とを十分に硬化反応させることができるため、プライマー組成物の硬化物は、高い塗膜強度を有し、耐擦過性に優れる。メラミン樹脂(B)の含有量がフェノキシ樹脂(A)100質量部に対して65質量部以下であると、プライマー組成物の硬化物が硬くなりすぎず、適度な柔軟性を有し得る。それにより、後工程である無電解めっき液との反応性が低下しにくく、接着性も損なわれにくい。同様の観点から、メラミン樹脂(B)の含有量は、フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して30~60質量部であることが好ましく、35~55質量部であることがより好ましい。
1-3.他の成分
本発明のプライマー組成物は、必要に応じて上記以外の他の成分をさらに含んでもよい。例えば、本発明のプライマー組成物は、接着強度や接着信頼性を一層高めやすくする観点では、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)とをさらに含むことが好ましい。
1-3-1.エポキシ樹脂(C)
エポキシ樹脂(C)は、上記フェノキシ樹脂(A)を除く、エポキシ基を有する樹脂である。エポキシ樹脂(C)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する2官能のエポキシ樹脂を含むことが好ましく、分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂は、例えばレゾールフェノール樹脂(D)との反応点が多いため、エポキシ基の開環により生成する水酸基も多く、接着性を特に高めやすい。エポキシ樹脂(C)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂(C)の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等の芳香環を有するエポキシ樹脂(芳香族エポキシ樹脂);シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂等の脂肪族エポキシ樹脂が含まれる。
中でも、接着信頼性をより高めやすくする観点では、芳香族エポキシ樹脂が好ましい。例えば、分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能の芳香族エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が含まれる。市販品の例には、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)、「157S70」(ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(C)は、液状のエポキシ樹脂であっても、固体状のエポキシ樹脂であってもよい。塗膜強度を高めやすくする観点では、固体状のエポキシ樹脂が好ましい。なお、液状とは、20℃で液状であることを意味し;固体状とは、20℃で固体状であることを意味する。
エポキシ樹脂(C)のエポキシ当量は、特に制限されないが、好ましくは5000g/eq未満である。一方、フェノキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは5000g/eq以上である。このように、フェノキシ樹脂(A)も、エポキシ樹脂(C)と同様に、分子中にエポキシ基を有し得るが、本明細書では、これらをエポキシ当量で区別することができる。
エポキシ樹脂(C)のエポキシ当量は、反応性の観点では、好ましくは50~3000g/eq、より好ましくは100~1000g/eq、さらに好ましくは140~300g/eqである。エポキシ当量が上記範囲内にあると、プライマー組成物の塗工性を損なうことなく、十分な硬化が可能となる。エポキシ当量は、前述と同様の方法で測定することができる。
エポキシ樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、1000以下であることが好ましい。エポキシ樹脂(C)のMwは、前述と同様に、GPCにより測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
1-3-2.レゾールフェノール樹脂(D)
レゾールフェノール樹脂(D)は、エポキシ樹脂(C)の重付加型エポキシ樹脂硬化剤として機能しうる。即ち、レゾールフェノール樹脂(D)が有するフェノール性OHとメチロール基の少なくとも一方が、エポキシ樹脂(C)のエポキシ基と付加反応しうる。それにより、接着信頼性の良好なプライマー組成物を付与しうる。
レゾールフェノール樹脂(D)としては、フェノール型、クレゾール型、アルキル型、ビスフェノールA型又はこれらの共重合体が挙げられる。レゾールフェノール樹脂(D)の市販品としては、フェノライトTD-447(DIC社製、クレゾール型)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計量は、フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25~85質量部であることが好ましく、30~80質量部であることがより好ましく、35~65質量部であることがさらに好ましい。上記合計量が一定以上であると、プライマー組成物の硬化物の接着強度や接着信頼性を一層高めやすい。
また、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計量は、メラミン樹脂(B)の含有量に応じて設定されてもよい。例えば、メラミン樹脂(B)の含有量が多い場合、接着性や接着信頼性を高める観点から、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計量も多くしてもよい。即ち、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計量と、メラミン樹脂(B)との含有比率は、例えば50/50~60/40である。メラミン樹脂(B)の含有比率が一定以上であると、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度を一層高めやすく、一定以下であると、プライマー組成物の硬化物の接着強度や接着信頼性が一層高めやすく、当該含有比率が一定以下であると、硬化物の塗膜強度が損なわれにくい。
レゾールフェノール樹脂(D)の含有量は、エポキシ樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計に対して40~60質量%であることが好ましい。レゾールフェノール樹脂(D)の含有量が上記範囲内であると、エポキシ樹脂(C)の硬化反応や、エポキシ樹脂(C)とフェノキシ樹脂(A)との間の反応を一層生じさせやすいため、硬化物の接着強度や接着信頼性が高まりやすい。
1-3-3.パラジウム触媒
本発明のプライマー組成物は、パラジウム触媒をさらに含んでもよい。パラジウム触媒は、好ましくはパラジウム粒子であり、無電解めっきの核剤として機能しうる。パラジウム触媒は、分散剤で分散されていてもよい。
パラジウム粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば2~10nmでありうる。パラジウム粒子の平均粒子径は、任意の10個の粒子径を透過型電子顕微鏡で測定し、それらの個数平均をとることにより(個数基準平均径として)算出することができる。
パラジウム触媒の含有量は、例えばプライマー組成物の不揮発成分に対して1~30質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。パラジウム触媒の含有量が一定量以上であると、得られるプライマー層の無電解めっき皮膜との密着性を十分に高めやすく、一定量以下であると、塗工性や分散安定性が損なわれにくい。
1-3-4.溶媒
本発明のプライマー組成物は、パラジウム触媒を分散させる溶媒(分散媒)をさらに含んでもよい。溶媒は、パラジウム触媒やその分散体を分散可能なものが好ましく、例えば水や非プロトン性極性溶媒でありうる。
非プロトン性極性溶媒としては、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等が含まれる。
その他、メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル等の芳香族カルボン酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルカノールエステル類を含有してもよい。
1-3-5.シリカ粒子
本発明のプライマー組成物がパラジウム触媒を含む場合、プライマー組成物は、シリカ粒子をさらに含むことが好ましい。シリカ粒子は、主としてパラジウム触媒の安定性を高める機能を有し得る。
シリカ粒子として、未処理のシリカ粒子の他、親水性シリカ粒子、疎水性シリカ粒子を用いることができる。シリカ粒子の形状は、限定されず、球状シリカであっても、破砕シリカであってもよい。
中でも、シリカ粒子は、シリカ粒子同士の凝集を抑制しやすく、パラジウム触媒の分散安定性を一層高めやすくする観点から、疎水性シリカ粒子が好適である。疎水性シリカ粒子は、シリカ粒子に表面処理することにより得られる。シリカ粒子に対する表面処理剤としては、例えばβ-エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤やシリコーンオイル等の処理剤を用いることができる。疎水性シリカ粒子の例には、日産化学工業社製メタノールシリカ、IPA-ST、NPC-ST-30、MEK-ST、PMA-ST、MIBK-ST等のオルガノシリカゾルが含まれる。
シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは10~100nm、より好ましくは10~50nmである。平均粒子径は、動的光散乱法の測定機器を用いてキュムラント法により測定することができる。また、上記と同様に、透過型電子顕微鏡により測定し、個数基準平均径として算出することもできる。
シリカ粒子の含有量は、特に限定されないが、例えばプライマー組成物の不揮発成分に対して1~30質量%としうる。それにより、パラジウム触媒の安定性を一層高めうる。
1-4.製造方法
本発明のプライマー組成物は、任意の方法で調製することができ、例えば上記各成分を混合して得ることができる。
パラジウム触媒は、粒子状のまま添加してもよいし、分散剤で分散させた状態(分散体として)添加してもよい。
2.積層体
本発明の積層体は、絶縁性基材と、本発明のプライマー組成物の硬化物を含むプライマー層と、金属めっき層とを含む。
(絶縁性基材)
絶縁性基材は、樹脂基材であってもよいし、セラミックスやガラス等の無機基材であってもよい。樹脂基材を構成する材料の例には、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド(例えばMPI)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、環状ポリオレフィン(COC)、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン、フェノール樹脂、液晶性ポリマー(LCP)、フッ素樹脂が含まれる。無機基材を構成するセラミックスの例には、アルミナが含まれる。
中でも、積層体がプリント配線板、特に5G等の高周波対応のデバイスに使用されるプリント配線板である場合、絶縁性基材は、低誘電率の絶縁性基材(低誘電性基材)であることがより好ましい。低誘電性基材の材料の例には、ポリイミド(MPI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、環状ポリオレフィン(COC)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、液晶性ポリマー(LCP)、フッ素樹脂等の低誘電率の樹脂やガラスが含まれ、好ましくはポリフェニレンスルファイド(PPS)でありうる。
絶縁性基材の厚みは、特に制限されないが、例えば12.5~50μmでありうる。
(プライマー層)
プライマー層は、本発明のプライマー組成物の硬化物を含む。
プライマー層の厚みは、金属めっき層と絶縁性基材との接着強度を確保できる程度であればよく、特に制限されないが、金属めっき層の厚みよりも薄いことが好ましい。特に、本発明のプライマー組成物の硬化物は、良好な接着強度を示すため、プライマー層の厚みを十分に薄くすることができる。具体的には、プライマー層の厚みは、例えば0.05~0.5μmでありうる。
(金属めっき層)
金属めっき層は、プライマー層の表面を無電解めっき液と接触させて得られる層であり、例えば銅、白金、金、銀、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属を含む。金属めっき層は、銅、白金、金、銀、ニッケルからなる群より選ばれる金属を含むことが好ましく、銅又はその合金を含むことがより好ましい。
金属めっき層の厚みは、用途に応じて適宜設定されうるが、例えばプリント配線板に用いられる場合は、例えば0.01~50μm、好ましくは0.1~10μm、より好ましくは0.1~2μmでありうる。
金属めっき層は、所定の形状にパターニングされていてもよい。パターン状に形成された金属めっき層は、例えばプリント配線板の配線パターンとして機能させることができる。
本発明の積層体は、電子回路、集積回路等に使用される回路形成用基板、有機EL素子、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、RFID、タッチパネル等に使用される透明電極、電磁波シールド材に用いることができる。中でも、高温下での耐久性が求められる用途に好適に用いることができ、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)、プリント配線板(PWB)等の一般に銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)といわれる用途に用いることが可能である。
3.積層体の製造方法
本発明の積層体は、1)絶縁性基材の表面に、本発明のプライマー組成物を付与した後、乾燥及び硬化させてプライマー層を形成する工程と、2)プライマー層の表面に無電解めっきを施して、金属めっき層を形成する工程とを経て得ることができる。
1)の工程について
絶縁性基材の表面に、本発明のプライマー組成物を付与する。
プライマー組成物を付与する方法は、特に限定されず、例えばグラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、リバースコート法、スクリーン印刷法等により行うことができる。
次いで、付与したプライマー組成物を乾燥及び硬化させて、プライマー層を得る。
乾燥及び硬化は、加熱により行うことができる。加熱温度は、プライマー組成物中のフェノキシ樹脂(A)とメラミン樹脂(B)との反応を十分に進行させうる程度であればよく、例えば60~400℃、好ましくは80~150℃程度としうる。加熱時間は、加熱温度にもよるが、例えば0.1~60分程度、好ましくは10~30分程度としうる。
2)の工程について
次いで、絶縁性基材上のプライマー層の表面を無電解めっき液と接触させて、無電解めっき皮膜(金属めっき層)を形成する。
無電解めっきを効率的に行う観点から、プライマー層の表面には、パラジウム触媒が存在することが好ましい。パラジウム触媒は、上記の通り、プライマー組成物に予め含まれていてもよいし、プライマー層の表面に、パラジウム触媒を含む溶液と接触させる等してさらに付与されてもよい。無電解めっき液との反応性を効果的に高める観点では、パラジウム触媒は、プライマー組成物に予め含まれていることが好ましい。
無電解めっき液は、上記金属と、還元剤と、水及び/又は水溶性有機溶剤とを含みうる。無電解めっきの条件は、無電解めっき液の組成に応じて設定されうる。例えば、無電解銅めっき浴の温度は、通常、25~45℃程度としうる。処理時間は、用途にもよるが、0.3~0.4μm程度の厚みの金属めっき層を形成する場合は、例えば10~20分程度としうる。
金属めっき層は、パターン状に形成してもよいし(フルアディティブ法)、プライマー層の表面全体に薄く形成してもよい(セミアディティブ法)。
例えば、金属めっき層をパターン状に形成する場合、プライマー層の表面に所望のパターンに対応しためっきレジストを形成し、めっきレジストが形成されていない部分を無電解めっきして、金属めっき層を形成する。その後、めっきレジストを薬液等で溶解除去することによって、パターン状に形成された金属めっき層(所望の導電パターン)を得ることができる(フルアディティブ法)。
或いは、金属めっき層をプライマー層の表面全体に薄く形成する場合、後述する3)の工程)において、当該金属めっき層上に、さらに第2の金属めっき層をパターン状に形成してもよい(セミアディティブ法)。
3)の工程について
上記の通り、プライマー層の表面全体に無電解めっきにより薄く形成された金属めっき層(シード層)の表面に、所望のパターンに対応しためっきレジストを形成し、めっきレジストが形成されていない部分を電解めっきして第2の金属めっき層をさらに形成してもよい。その後、めっきレジストを薬液等で溶解除去し、不要な部分をさらにエッチングして、パターン状に形成された金属めっき層(所望の導電パターン)を得ることができる。
このように、積層体としてのプリント配線板は、セミアディティブ法又はフルアディティブ法により製造することができる。それにより、ファインピッチの配線パターンを形成することができる。
これらの工程は、上記の通り、通常、ロールトゥロールで行われる。本発明のプライマー組成物は、このようなロールトゥロールによる製造プロセスにおいても、比較的短時間で十分に硬化しうる(上記1)の工程)。それにより、十分な塗膜強度を有し、ロールとの摩擦等により傷つきにくく、耐擦過性に優れたプライマー層を形成しうる。また、プライマー層は、塗膜強度が高すぎず、適度な柔らかさも有するため、無電解めっき液と接触させた時の反応性にも優れている(上記2)の工程)。それにより、金属めっき層を均一に形成することができる。
このように、本発明のプライマー組成物を用いることで、絶縁性基材の表面をエッチングしなくても、絶縁性基材と金属めっき層とを良好に接着させることができるため、表皮効果を生じにくい。従って、本発明の積層体は、高周波数向けのデバイスに使用されるようなプリント配線板(PWB)に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
1.プライマー組成物の材料
<材料>
(1)ベース樹脂
・jER4250(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ、第二級水酸基当量:270g/eq、エポキシ当量7500~8900g/eq、Mw:6万)
・テイサレジン SG-80H(ナガセケムテックス社製、アクリル酸エステル・グリシジルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、エポキシ当量9100g/eq、Mw:35万、Tg:11℃)
・ウレタン変性ポリエステル共重合体(東洋紡社製、バイロンUR-3200)
(2)メラミン樹脂
・U-VAN 703(三井化学社製、メラミン樹脂)
(3)エポキシ樹脂
・jER1031S(三菱ケミカル社製、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq、Mw:800、固体)
(4)レゾールフェノール樹脂
・フェノライトTD-447(DIC社製、レゾール型フェノール系硬化剤、クレゾール変性タイプ)
(5)パラジウム触媒
・Pdナノパウダー(イオックス社製ML-001N、平均粒子径5nm)
(6)シリカ粒子(触媒安定剤)
・PMA-ST(日産化学社製、シリカ粒子、平均粒子径12nm)
2.プライマー組成物の作製及び評価
[実施例1~3、比較例1~7]
(プライマー組成物の調製)
表1に示される組成となるように各成分を混合して、プライマー組成物を調製した。
(プライマー層の形成)
絶縁性基材として、厚み50μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムを準備した。このフィルムの片面に、表1のプライマー組成物を、バーコーターを用いて塗布し、乾燥用オーブン内で120℃、5分間乾燥させた後、さらに150℃、30分間加熱して硬化させて、厚み0.5μmのプライマー層を形成した。
(無電解めっき)
上記プライマー層を形成したフィルムを、無電解めっき浴に浸漬させて、無電解めっきを行った。無電解銅めっき浴は、上村工業社製スルカップPSY(Cu濃度2~3g/L)を用いた。また、無電解めっきは、35℃で10分間行い、めっきの厚みが0.2μmとなるように行った。
[評価]
積層体の作製工程におけるプライマー層の耐擦過性、無電解Cuめっき反応性、及びめっきの接着性を、以下の方法で評価した。
(1)耐擦過性
PPSフィルムとプライマー層の積層物を200mm×30mmの大きさにカットし、試験片とした。この試験片のプライマー層の表面硬度を、ラビングテスター(学振式摩擦試験機)にてベンコット(旭化成社の登録商標)を使用して測定した。そして、以下の基準に基づいて耐擦過性を評価した。
〇:傷は形成されない
△:傷は3本以下
×:傷が3本よりも多い
△以上であれば良好と判断した。
(2)無電解Cuめっき反応性
無電解めっきして得られためっき層表面のシート抵抗値を、表面抵抗計により測定した。そして、以下の基準に基づいて、無電解Cuめっき反応性を評価した。
〇:シート抵抗値が0.25Ω/□以下
△:シート抵抗値が0.25Ω/□超0.9Ω/□以下
×:シート抵抗値が0.9Ω/□超
△以上であれば、めっき層が均一に形成できており、無電解めっき反応性は良好と判断した。
(3)接着性
(初期接着性)
得られた積層体のめっき層の密着性を、90°剥離試験にて測定した。具体的には、室温下で、剥離速度25mm/分の条件で測定した。そして、接着強度が5N/cm以上であれば良好と判断した。
(接着信頼性)
得られた積層体を、大気オーブンにて150℃で168時間保管した。その後、上記と同様の方法及び基準で、めっき層の接着強度を評価した。
実施例1~3及び比較例1~7のプライマー組成物の評価結果を、表1に示す。
Figure 2023129028000001
表1に示されるように、少なくともフェノキシ樹脂(A)と所定量のメラミン樹脂(B)とを含む実施例1~3のプライマー組成物は、表面硬度が高いプライマー層を形成でき、且つ無電解めっき液との反応性も良好であることがわかる。また、接着性も良好であることがわかる。
これに対し、メラミン樹脂(B)の含有量が少ないか、又は含まない比較例1及び3のプライマー組成物は、硬化不良により塗膜強度が低く、耐擦過性が低いことがわかる。また、パラジウム触媒が露出しにくくなることにより、無電解めっき液との反応性も低いことがわかる。一方、メラミン樹脂(B)の含有量が多い比較例2のプライマー組成物は、塗膜強度は高いものの、塗膜が硬すぎて、無電解めっき液との反応性が低いことがわかる。
また、表1に示されるように、ベース樹脂としてアクリル樹脂を用いたプライマー組成物を用いた比較例4~5のプライマー層は、耐擦過性、無電解めっき液との反応性が低く;ポリエステルウレタン樹脂を用いた比較例6及び7のプライマー層は、接着性が低いことがわかる。
本発明によれば、無電解めっき液との反応性を低下させることなく、十分な塗膜強度を有するプライマー層を付与可能な無電解めっき用プライマー組成物を提供することができる。そのため、プリント配線板、特に5G等の高周波対応のデバイスに使用されるプリント配線板を得るための積層体に好適である。

Claims (10)

  1. フェノキシ樹脂(A)と、
    前記フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して25~65質量部のメラミン樹脂(B)とを含む、
    無電解めっき用プライマー組成物。
  2. エポキシ樹脂(C)と、
    レゾールフェノール樹脂(D)とをさらに含む、
    請求項1に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(C)と前記レゾールフェノール樹脂(D)の合計量は、前記フェノキシ樹脂(A)100質量部に対して30~80質量部である、
    請求項2に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂(C)は、分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂である、
    請求項2又は3に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(C)は、固形状のエポキシ樹脂である、
    請求項2~4のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  6. パラジウム触媒をさらに含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  7. シリカ粒子をさらに含む、
    請求項6に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  8. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材上に配置された、請求項1~7のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物の硬化物を含むプライマー層と、
    前記プライマー層上に配置された金属めっき層と
    を含む、
    積層体。
  9. 前記絶縁性基材は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、液晶性ポリマー、フッ素樹脂からなる群より選ばれる低誘電率の樹脂を含む、
    請求項8に記載の積層体。
  10. 絶縁性基材の表面に、請求項1~7のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物を付与した後、乾燥及び硬化させてプライマー層を形成する工程と、
    前記プライマー層上に、無電解めっきにより金属めっき層を形成する工程と
    を含む、
    積層体の製造方法。
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