JP2023129026A - 無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法 - Google Patents

無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法 Download PDF

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Taichi Koyama
達也 中辻
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Abstract

【課題】エッチングを行うことなく、適度な厚みのめっきパターンを形成可能とする無電解めっき用プライマー組成物を提供する。【解決手段】本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、液状のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤とを含み、前記液状のエポキシ樹脂(B)の質量基準の含有量は、前記フェノキシ樹脂(A)の含有量よりも多い。【選択図】図1

Description

本発明は、無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びその製造方法に関する。
近年、携帯端末機やパーソナルコンピュータ等の各種電子機器には、タッチパネルが使用されることがある。タッチパネルは、通常、透明基材と、その上にパターン状に配置された透明電極とを有する。
タッチパネル等に使用される透明電極としては、現在、ITO(Indium Thin Oxide)が主流である。しかしながら、ITOは、抵抗値が高く、大画面化への対応が困難であることや、硬くて脆く、屈曲性を有する画面への対応が困難である。これに対し、従来のITOに代表される透明電極材料に比べて抵抗値が低く、曲げや伸縮にも優れるAgやCuを配線材料とするメタルメッシュ微細配線の適用が検討されている。
メタルメッシュ微細配線は、透明基材の表面全体に金属層を形成した後、不要な部分をエッチングで除去して、所定のパターン状にする方法によって形成される(例えば特許文献1参照)。この方法は、サブトラクティブ法とも称される。なお、金属層は、種々の方法で形成されており、無電解めっき法で形成されることも知られている。
特開2013-129183号公報
しかしながら、上記のようなサブトラクティブ法では、エッチング工程により透明基材にダメージを与えやすく、透明基材のヘイズを増大させ、透明性を低下させやすい。
そこで、エッチングを行うことなく、透明基材上に所定のパターンの配線を直接形成する方法も検討されている。例えば、AgやCuのナノフィラーを含むインクを、種々の印刷法によりパターン状に描写し、ナノフィラーを焼結させて配線を形成する方法も検討されている。しかしながら、その方法では適度な厚みを有する配線を形成することは難しく、印刷~焼結の工程を複数回行う必要があり、プロセスタクトの低減が求められている。従って、エッチングを行うことなく、適度な厚みのめっきパターンを形成できること、それを可能とするためのプライマー組成物が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、エッチングを行うことなく、適度な厚みのめっきパターンを形成可能とする無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、液状のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤とを含み、前記液状のエポキシ樹脂(B)の質量基準の含有量は、前記フェノキシ樹脂(A)の含有量よりも多い。
本発明の積層体は、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に配置された、本発明の無電解めっき用プライマー組成物の硬化物を含む下地パターンと、前記下地パターン上に配置された金属めっきパターンとを含む。
本発明の積層体の製造方法は、絶縁性基材上に、本発明の無電解めっき用プライマー組成物のパターンを付与する工程と、前記プライマー組成物のパターンを硬化させて、下地パターンを形成する工程と、前記下地パターンの表面に無電解めっきを施して、金属めっきパターンを形成する工程とを含む。
本発明によれば、エッチングを行うことなく、適度な厚みのめっきパターンを形成可能とする無電解めっき用プライマー組成物、積層体及びの製造方法を提供することができる。
図1A~図1Cは、付着力コントラスト印刷法によるプライマー組成物のパターンの付与工程を示す概略模式図である。 図2A及び図2Bは、付着力コントラスト版の準備工程を示す概略模式図である。
エッチングを行わずに、所定のめっきパターンを直接形成する方法としては、絶縁性基材上に下地パターンを形成した後、当該下地パターンの表面を無電解めっき液と接触させて、金属めっきパターンを形成する方法が考えられる。
絶縁性基材上に下地パターンを形成する方法としては、種々の方法があり、その一つに付着力コントラスト印刷法がある(後述の図1参照)。付着力コントラスト印刷法では、支持体10上に付与されたプライマー組成物の塗膜30を、付着力コントラスト版20と接触させて、プライマー組成物のパターン30’を得た後(図1A及び図1B)、当該プライマー組成物のパターン30’を、絶縁性基材40上に転写する(図1C)。そして、絶縁性基材40上のプライマー組成物のパターン30’を硬化させて、下地パターンとする。
このような方法では、プライマー組成物の塗膜を、付着力コントラスト版20のパターン通りにパターニングできること(付着力コントラスト版への転写性が良好であること)が望まれる。また、絶縁性基材40上に形成されたプライマー組成物の硬化物が、無電解めっき液との反応に適した硬さを備えていることが望まれる。
本発明者らは、フェノキシ樹脂(A)と、液状のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤とを含み、且つ液状のエポキシ樹脂(B)の含有量が、フェノキシ樹脂(A)の含有量よりも多いプライマー組成物は、塗布性や、付着力コントラスト版20への転写性に優れることを見出した。また、得られるプライマー組成物の硬化物は、無電解めっき液との反応に適した硬さを備えることを見出した。
即ち、液状のエポキシ樹脂(B)は、適度に低粘度であるため、プライマー組成物の塗布性を高めるだけでなく、塗膜や硬化物に適度な柔らかさを付与しうる。一方、フェノキシ樹脂(A)は、優れた強靭性を有するため、プライマー組成物の塗膜や硬化物の膜強度を高めうる。これらをバランス良く含むプライマー組成物は、塗膜が適度な膜強度を有するため、付着力コントラスト版への転写性に優れる。また、プライマー組成物の硬化物は、硬すぎないため、パラジウム触媒存在下での無電解めっき液との反応性にも優れる。それにより、エッチングをしなくても、適度な厚みのめっきパターンを直接形成することができる。
以下、本発明のプライマー組成物の構成について詳細に説明する。
1.プライマー組成物
本発明のプライマー組成物は、フェノキシ樹脂(A)と、液状のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤とを含む。
そして、液状のエポキシ樹脂(B)の質量基準の含有量は、フェノキシ樹脂(A)の含有量よりも多い。具体的には、フェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)の含有比率A/Bは、好ましくは10/90~50/50(質量比)、より好ましくは20/80~40/60(質量比)である。
例えば、上述した付着力イントラスト印刷法では、液状のエポキシ樹脂(B)の含有比率が多すぎると、プライマー組成物の塗膜の塗膜強度が低くなりすぎて、付着力コントラスト版への転写時に層間剥離する虞がある。一方、フェノキシ樹脂(A)の含有比率が多すぎると、プライマー組成物の塗膜強度が高くなりすぎて、付着力コントラスト版に全く転写されないか、又は、全部転写される虞がある。つまり、フェノキシ樹脂(A)が多すぎても、液状のエポキシ樹脂(B)が多すぎても、付着力コントラスト版への転写性が十分でない場合がある。これに対し、A/Bが上記範囲内であると、プライマー組成物の塗膜強度が適度であるため、付着力コントラスト版への転写性に優れ、付着力コントラストパターンに沿って精度よく転写できる。
また、フェノキシ樹脂(A)の含有比率が多すぎると、プライマー組成物の硬化物が硬くなりすぎて、無電解めっき液との反応性が劣る虞がある。これに対し、A/Bが上記範囲内であると、プライマー組成物の硬化物が硬くなりすぎず、適度な柔らかさを有するため、無電解めっき液との反応性も良好となる。
フェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)の合計量は、プライマー組成物の不揮発成分に対して45~65質量%であることが好ましく、50~60質量%であることがより好ましい。合計量が、下限値以上であると、硬化性樹脂の割合が適度に多いため、プライマー組成物の塗膜強度を一層高めやすい。なお、本明細書において、不揮発成分とは、溶媒以外の組成物を構成する成分をいう。以下、各成分について、具体的に説明する。
1-1.フェノキシ樹脂(A)
フェノキシ樹脂(A)は、多官能フェノール類と多官能グリシジルエーテル(好ましくはビスフェノール類とエピクロルヒドリン)を重付加反応させて得られるポリヒドロキシポリエーテル構造を有する高分子である。
そのような構造を有するフェノキシ樹脂(A)は、上記の通り、優れた強靭性を有するため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度を高めうる。また、フェノキシ樹脂(A)は、分子中に水酸基を多く含むため、後述するメラミン樹脂(C)の存在下では、メラミン樹脂(C)と良好に反応し、架橋構造を形成するため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度をさらに高めうる。
フェノキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常、10000~200000、好ましくは20000~100000、より好ましくは30000~80000である。フェノキシ樹脂(A)のMwが一定以上であると、高い塗膜強度を有するプライマー組成物の硬化物が得られやすく、一定以下であると、プライマー組成物の粘度が増大し過ぎず、取り扱い性が損なわれにくい。フェノキシ樹脂(A)のMwは、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
フェノキシ樹脂(A)の第二級水酸基当量は、特に制限されないが、好ましくは240g/eq以上、より好ましくは250~290g/eqである。フェノキシ樹脂(A)の第二級水酸基当量が上記範囲内であると、水酸基を多く含むため、メラミン樹脂(C)と一層反応しやすいだけでなく、絶縁性基材との接着性も一層高めやすい。
フェノキシ樹脂(A)は、分子中にエポキシ基を有してもよい。フェノキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは5000g/eq以上、より好ましくは6500g/eq以上である。エポキシ当量は、JIS K7236に準じて測定することができる。
フェノキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の共重合体型フェノキシ樹脂(ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂)、ビスフェノールE型フェノキシ樹脂、ナフタレン型フェノキシ樹脂、ノボラック型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、シクロペンタジエン型フェノキシ樹脂等が挙げられる。フェノキシ樹脂(A)は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フェノキシ樹脂(A)の市販品の例には、jER4250(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ、エポキシ当量7500~8900g/eq)、YX7200B35(三菱ケミカル社製、ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:9000g/eq)、1256(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:7800g/eq)、YX6954BH35(三菱ケミカル社製、ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:13000g/eq)等が挙げられる。
1-2.液状のエポキシ樹脂(B)
液状のエポキシ樹脂(B)は、20℃で液状のエポキシ樹脂である。液状のエポキシ樹脂(B)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する2官能のエポキシ樹脂を含むことが好ましく、分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂は、例えばレゾールフェノール樹脂(D)との反応点が多いため、エポキシ基の開環により生成する水酸基も多く、接着性を特に高めやすい。液状のエポキシ樹脂(B)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、接着信頼性を高めやすくする観点では、液状のエポキシ樹脂(B)は、芳香環を有することが好ましい。
芳香環を有する液状のエポキシ樹脂(B)の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するシクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及び芳香族構造を有するブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等が含まれる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましく、分子中に3個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましい。
市販品の例には、三菱化学社製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER806」、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「630」、「630LSD」(アミノフェノール型エポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状のエポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、好ましくは5000g/eq未満であり、より好ましくは50~3000g/eq、さらに好ましくは100~1000g/eqである。エポキシ当量が上記範囲内にあると、プライマー組成物の塗布性を損なうことなく、十分な硬化が可能となる。エポキシ当量は、前述と同様の方法で測定することができる。
液状のエポキシ樹脂(B)の重量平均分子量Mwは、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。液状のエポキシ樹脂(B)のMwは、上記と同様に、GPCにより測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
1-3.硬化剤
硬化剤は、フェノキシ樹脂(A)及び/又は液状のエポキシ樹脂(B)を硬化させる成分である。
フェノキシ樹脂(A)の硬化剤の例には、フェノキシ樹脂(A)の水酸基と反応する基を有する化合物(イソシアネート類、メラミン樹脂)が含まれる。中でも、フェノキシ樹脂(A)との反応性が高く、硬化物の塗膜強度を高めやすい観点では、メラミン樹脂(C)が好ましい。液状のエポキシ樹脂(B)の硬化剤の例には、重付加型エポキシ樹脂硬化剤が含まれる。中でも、液状エポキシ樹脂(B)との反応性が高く、硬化物の接着強度を高めやすい観点では、レゾールフェノール樹脂(D)が好ましい。これらは、いずれか一方のみが含まれてもよいし、両方が含まれてもよい。
1-3-1.メラミン樹脂(C)
メラミン樹脂(C)は、フェノキシ樹脂(A)に含まれる水酸基と反応して、フェノキシ樹脂(A)を硬化させる硬化剤として機能しうる。即ち、メラミン樹脂(C)は、フェノキシ樹脂(A)と良好に反応して架橋構造を形成するため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度をさらに高めうる。
そのようなメラミン樹脂(C)は、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的若しくは完全にエーテル化した化合物又はこれらの混合物でありうる。メラミン樹脂(C)は、単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよい。
エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、及びイソブタノール等が挙げられる。即ち、メラミン樹脂(C)は、イミノ基、メチロール基、メトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基等の官能基を有する。具体的には、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂が含まれ、中でも、メチロール化メラミン樹脂が好ましい。
メラミン樹脂(C)の市販品の例には、三和ケミカル社製のニカラックMW-100LM、ニカラックMW-30、ニカラックMW-30M、ニカラックMW-22、ニカラックMW-22A、ニカラックMS-11、ニカラッックMX-750;三井サイアナミッド社製のサイメル300、サイメル301、サイメル350;三井化学社製U-VAN 703等が含まれる。メラミン樹脂(C)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
メラミン樹脂(C)は、メラミン樹脂(C)の自己縮合に加え、フェノキシ樹脂(A)に含まれる水酸基とメラミン樹脂(C)との反応(硬化反応)が進行しやすいため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度が一層向上する。
1-3-2.レゾールフェノール樹脂(D)
レゾールフェノール樹脂(D)は、液状のエポキシ樹脂(B)の重付加型エポキシ樹脂硬化剤として機能しうる。即ち、レゾールフェノール樹脂(D)が有するフェノール性OHとメチロール基の少なくとも一方が、液状のエポキシ樹脂(B)のエポキシ基と付加反応しうる。それにより、液状のエポキシ樹脂(B)を十分に硬化させることができるため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度を一層高めうる。また、エポキシ基の開環反応により水酸基を生成しうるため、絶縁性基材との接着強度や接着信頼性も一層高めうる。
レゾールフェノール樹脂(D)としては、フェノール型、クレゾール型、アルキル型、ビスフェノールA型又はこれらの共重合体が挙げられる。レゾールフェノール樹脂(D)の市販品としては、フェノライトTD-447(DIC社製、クレゾール型)等が挙げられる。
メラミン樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の合計量は、フェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)の合計量100質量部に対して50~80質量部であることが好ましく、60~70質量部であることがより好ましい。上記合計量が下限値以上であると、フェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)を十分に硬化させやすいため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度や接着強度、接着信頼性を一層高めやすい。上記合計量が上限値以下であると、硬化により硬くなりすぎないため、無電解めっき反応性の低下を一層抑制しやすい。
メラミン樹脂(C)とレゾールフェノール樹脂(D)の含有比率C/Dは、メラミン樹脂(C)/レゾールフェノール樹脂(D)=0/100~100/0(質量比)、好ましくは55/45~70/30(質量比)、より好ましくは60/40~65/35(質量比)である。メラミン樹脂(C)の含有比率が一定以上であると、フェノキシ樹脂(A)をより硬化させやすいため、プライマー組成物の硬化物の塗膜強度をより高めやすい。メラミン樹脂(C)の含有比率が一定以下であると、レゾールフェノール樹脂(D)の含有比率が適度であるため、液状のエポキシ樹脂(B)の硬化不良を生じにくく、プライマー組成物の硬化物の接着性や接着信頼性を維持しやすい。
1-4.他の成分
本発明のプライマー組成物は、必要に応じて上記以外の他の成分をさらに含んでもよい。
1-4-1.パラジウム触媒
本発明のプライマー組成物は、パラジウム触媒をさらに含んでもよい。パラジウム触媒は、好ましくはパラジウム粒子であり、無電解めっきの核剤として機能しうる。パラジウム触媒は、分散剤で分散されていてもよい。
パラジウム粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば2~10nmでありうる。パラジウム粒子の平均粒子径は、任意の10個の粒子径を透過型電子顕微鏡で測定し、それらの個数平均をとることにより(個数基準平均径として)算出することができる。
パラジウム触媒の含有量は、例えばプライマー組成物の不揮発成分に対して1~30質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。パラジウム触媒の含有量が一定量以上であると、得られるプライマー層の無電解めっき皮膜との密着性を十分に高めやすく、一定量以下であると、塗布性や分散安定性が損なわれにくい。
1-4-2.溶媒
本発明のプライマー組成物は、パラジウム触媒等を分散させる溶媒(分散媒)をさらに含んでもよい。溶媒は、パラジウム触媒やその分散体を分散可能なものが好ましく、例えば水や非プロトン性極性溶媒でありうる。
非プロトン性極性溶媒としては、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等が含まれる。
その他、メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル等の芳香族カルボン酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルカノールエステル類を含有してもよい。
1-4-3.シリカ粒子
本発明のプライマー組成物がパラジウム触媒を含む場合、プライマー組成物は、シリカ粒子をさらに含んでもよい。シリカ粒子は、主としてパラジウム触媒の安定性を高める機能を有し得る。
シリカ粒子として、未処理のシリカ粒子の他、親水性シリカ粒子、疎水性シリカ粒子を用いることができる。シリカ粒子の形状は、限定されず、球状シリカであっても、破砕シリカであってもよい。
中でも、シリカ粒子は、シリカ粒子同士の凝集を抑制しやすく、パラジウム触媒の分散安定性を一層高めやすくする観点から、疎水性シリカ粒子が好適である。疎水性シリカ粒子は、シリカ粒子に表面処理することにより得られる。シリカ粒子に対する表面処理剤としては、例えばβ-エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤やシリコーンオイル等の処理剤を用いることができる。疎水性シリカ粒子の例には、日産化学工業社製メタノールシリカ、IPA-ST、NPC-ST-30、MEK-ST、PMA-ST、MIBK-ST等のオルガノシリカゾルが含まれる。
シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは10~100nm、より好ましくは10~50nmである。平均粒子径は、動的光散乱法の測定機器を用いてキュムラント法により測定することができる。また、上記と同様に、透過型電子顕微鏡により測定し、個数基準平均径として算出することもできる。
シリカ粒子の含有量は、特に限定されないが、例えばプライマー組成物の不揮発成分に対して1~30質量%としうる。それにより、パラジウム触媒の安定性を一層高めうる。
1-5.製造方法
本発明のプライマー組成物は、任意の方法で調製することができ、例えば上記各成分を混合して得ることができる。
パラジウム触媒は、粒子状のまま添加してもよいし、分散剤で分散させた状態(分散体として)添加してもよい。
2.積層体
本発明の積層体は、絶縁性基材と、下地パターンと、金属めっきパターンとを含む。
2-1.絶縁性基材
絶縁性基材は、樹脂基材であってもよいし、ガラス等の無機基材であってもよい。中でも、屈曲性が求められる用途に使用する観点では、樹脂基材が好ましい。
樹脂基材を構成する材料の種類は、特に制限されず、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド(例えばMPI)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、環状ポリオレフィン(COC)、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン、フェノール樹脂、液晶性ポリマー(LCP)等が含まれる。中でも、ディスプレイデバイスやタッチパネル等に使用する観点では、透明基材が好ましく、透明フィルム基材がより好ましい。
絶縁性基材の厚みは、特に制限されないが、例えば12.5~50μmでありうる。
2-2.下地パターン
下地パターンは、絶縁性基材上にパターン状に配置された、本発明のプライマー組成物の硬化物を含む層である。下地パターンは、無電解めっき液との反応核となるパラジウム触媒を保持すると共に、無電解めっきパターン(金属めっきパターン)と絶縁性基材の接着性を高める機能を有する。
下地パターンの厚みは、金属めっきパターンと絶縁性基材との接着強度を確保できる程度であれば特に制限されないが、金属めっきパターンの厚みよりも薄いことが好ましい。特に、本発明のプライマー組成物の硬化物は、良好な接着強度を示すため、下地パターンの厚みを十分に薄くすることができる。具体的には、下地パターンの厚みは、例えば0.05~0.5μmでありうる。
2-3.金属めっきパターン
金属めっきパターンは、下地パターン上に配置され、当該下地パターンの表面を無電解めっき液と接触させて得られるめっき層である。金属めっきパターンは、例えば銅、白金、金、銀、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属を含む。金属めっきパターンは、銅、白金、金、銀、ニッケルからなる群より選ばれる金属を含むことが好ましく、銅又はその合金を含むことがより好ましい。
金属めっきパターンの厚みは、用途に応じて適宜設定されうるが、例えばプリント配線板に用いられる場合は、例えば0.01~50μm、好ましくは0.1~10μm、より好ましくは0.1~2μmでありうる。
本発明の積層体は、電子回路、集積回路等に使用される回路形成用基板、有機EL素子、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、RFID、タッチパネル等に使用される透明電極基板(透明電極フィルム基板を含む)に用いることができる。中でも、本発明のプライマー組成物を用いて得られる金属めっきパターンは、良好な屈曲性を有し、且つ高い導電性を有するため、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)や透明電極フィルム基板等に好適に用いることができる。
3.積層体の製造方法
本発明の積層体は、1)絶縁性基材上に、本発明のプライマー組成物のパターンを付与する工程と、2)プライマー組成物のパターンを硬化させて、下地パターンを形成する工程と、3)下地パターンの表面に無電解めっきを施して、金属めっきパターンを形成する工程とを経て製造することができる。
1)の工程(プライマー組成物のパターン付与工程)
本工程では、絶縁性基材上に、エッチングをせずに、プライマー組成物のパターンを直接形成する。この方法は、ピュアアディティブ法とも称される。
パターンの付与方法は、特に制限されず、フレキソ印刷法、グラビアオフセット法、付着力コントラスト印刷法、インクジェット法のいずれであってもよい。中でも、ファインピッチのパターンを形成しやすい観点から、付着力コントラスト印刷法が好ましい。
図1A~図1Cは、付着力コントラスト印刷法によるプライマー組成物のパターンの付与工程を示す概略模式図である。図2A及び図2Bは、図1A~図1Cで使用される付着力コントラスト版20の準備工程を示す概略模式図である。
図1に示されるように、a)支持体10上に付与されたプライマー組成物の塗膜30と付着力コントラスト版20(版)を接触させて、プライマー組成物のパターン30’を得る工程(図1A及び図1B)と、b)プライマー組成物のパターン30’を、絶縁性基材40上に転写する工程(図1C)とを経て、絶縁性基材40上に、プライマー組成物のパターン30’を直接形成することができる。
a)の工程では、プライマー組成物は、例えばスリットダイ50によって支持体10のブランケット11上に付与される。付与されたプライマー組成物は、少なくとも半乾き状態まで乾燥される(図1A参照)。
次いで、得られたプライマー組成物の塗膜30を、付着力コントラスト版20と接触させる(図1B参照)。具体的には、支持体10と、付着力コントラスト版20との間にプライマー組成物の塗膜30を挟み込み、圧力をかける。
付着力コントラスト版20は、その表面において、プライマー組成物に対する付着力が相対的に高い部分21と、相対的に低い部分22とを有する(図2B参照)。そして、支持体10上のプライマー組成物の塗膜を、付着力コントラスト版20と接触させて、プライマー組成物の塗膜30の一部を選択的に(パターン状に)取り除いて、パターン30’を形成する(図1B参照)。
付着力コントラスト版20は、例えば、シリコーンゴムシート70の表面にマスクパターン(石英クロムマスク)80を配置し、マスクパターン80を介してエキシマランプLから光を照射することによって得ることができる。本実施形態では、照射部21は、プライマー組成物の付着力が相対的に高い部分となり;非照射部22は、プライマー組成物の付着力が相対的に低い部分となる。
本発明のプライマー組成物は、上記の通り、フェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)を所定の比率で含む。それにより、付着力コントラスト版20との接触により、プライマー組成物の塗膜30のうち、付着力コントラスト版20の照射部21に対応する部分(付着力が高い部分)が取り除かれ、プライマー組成物のパターン30’が形成される(図1B参照)。
b)の工程では、得られたプライマー組成物のパターン30’を、絶縁性基材40に転写する(図1C参照)。
2)の工程(プライマー組成物の硬化工程)
次いで、絶縁性基材上に付与されたプライマー組成物のパターンを硬化させる。それにより、プライマー組成物の硬化物を含む下地パターンが得られる。
硬化は、熱硬化であることが好ましい。加熱温度は、プライマー組成物中のフェノキシ樹脂(A)や液状のエポキシ樹脂(B)の硬化反応を十分に進行させうる程度であればよく、例えば60~400℃、好ましくは80~150℃程度としうる。加熱時間は、加熱温度にもよるが、例えば0.1~60分程度、好ましくは10~30分程度としうる。
3)の工程(金属めっきパターンの形成工程)
そして、絶縁性基材上の下地パターンの表面を無電解めっき液と接触させて、無電解めっき皮膜(金属めっきパターン)を形成する。
無電解めっきを効率的に行う観点から、下地パターンの表面には、パラジウム触媒が存在することが好ましい。パラジウム触媒は、上記の通り、下地パターンを構成するプライマー組成物に予め含まれていてもよいし、下地パターンの表面を、パラジウム触媒を含む溶液と接触させる等して付与されたものでもよい。無電解めっき液との反応性を効果的に高める観点では、パラジウム触媒は、プライマー組成物に予め含まれていることが好ましい。
無電解めっき液は、上記金属と、還元剤と、水及び/又は水溶性有機溶剤とを含みうる。無電解めっきの条件は、無電解めっき液の組成に応じて設定されうる。例えば、無電解銅めっき浴の温度は、通常、25~45℃程度としうる。処理時間は、用途にもよるが、0.3~0.4μm程度の厚みの金属めっき層を形成する場合は、例えば10~20分程度としうる。
このように、本発明のプライマー組成物は適度な塗膜強度を有するため、付着力コントラスト版のパターン通りに付着力コントラスト版に転写することができる。それにより、ファインピッチの下地パターンを、絶縁性基材に直接形成することができる(上記1)の工程)。また、プライマー組成物の硬化物は硬すぎないため、パラジウム触媒存在下での無電解めっき液との反応性にも優れる。それにより、エッチングをしなくても、適度な厚みのめっきパターンを直接形成することができる(上記3)の工程)。それにより、ピュアアディティブ法によりファインピッチの金属めっきパターンを形成することができる。また、
また、本発明のプライマー組成物を用いることで、屈曲性が良好で、導電性が高い配線パターンを形成することができる。それにより、本発明の積層体は、上記の通り、屈曲性や高い導電性が要求される用途に好適に用いることができる。
なお、上記実施形態では、上記1)の工程を付着力コントラスト印刷法で行う例を示したが、これに限らず、グラフトオフセット印刷法等の他の方法で行ってもよい。その場合、本発明のプライマー組成物は適度に低粘度であるため、所定のパターン状に塗布しやすい。また、塗布されたプライマー組成物の塗膜は適度な膜強度を有するため、膜形状を保持しやすい。そのため、所定のパターン状のプライマー組成物を、絶縁性基材上に直接形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
1.プライマー組成物の材料
<材料>
(1)ベース樹脂
・jER4250(三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ、第二級水酸基当量:270g/eq、エポキシ当量7500~8900g/eq、Mw:6万)
・テイサレジン SG-80H(ナガセケムテックス社製、アクリル酸エステル・グリシジルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、エポキシ当量9100g/eq、Mw:35万、Tg:11℃)
・ウレタン変性ポリエステル共重合体(東洋紡社製、バイロンUR-3200)
(2)液状のエポキシ樹脂(B)
・jER152(三菱ケミカル社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量176~177g/eq)
(3)メラミン樹脂(C)
・U-VAN 703(三井化学社製、メラミン樹脂)
(4)レゾールフェノール樹脂(D)
・フェノライトTD-447(DIC社製、レゾール型フェノール系硬化剤、クレゾール変性タイプ)
(5)パラジウム触媒
・Pdナノパウダー(イオックス社製ML-001N、平均粒子径5nm)
(6)シリカ粒子(触媒安定剤)
・PMA-ST(日産化学社製、シリカ粒子、平均粒子径12nm)
2.プライマー組成物の作製及び評価
[実施例1~3、比較例1~6]
(プライマー組成物の調製)
表1に示される組成となるように各成分を混合して、プライマー組成物を調製した。
(プライマー組成物のパターン形成)
調製したプライマー組成物を、支持体10のブランケット11上に付与した後、室温(25℃にて1分間乾燥させた(図1A参照)。次いで、ブランケット11上に付与されたプライマー組成物の半乾き状態の塗膜30を、付着力コントラスト版20と接触させて、プライマー組成物のパターン30’を得た(図1B参照)。次いで、ブランケット11上に形成したプライマー組成物のパターン30’を、透明フィルムであるポリイミドフィルム(絶縁性基材40)上に転写した(図1C参照)。
(プライマー組成物の硬化)
透明フィルム上に転写されたプライマー組成物のパターン30’を、150℃で3分間加熱して、硬化させた。それにより、厚み0.5μmの下地パターン(プライマー組成物の硬化物の層)を得た。
(無電解めっき)
そして、下地パターンを形成した透明フィルムを無電解めっき浴に浸漬させて、無電解めっきを行った。無電解銅めっき浴は、上村工業社製スルカップPSY(Cu濃度2~3g/Lを用いた。無電解めっきは、35℃で10分間行い、めっきの厚みは0.2μmとした。
[評価]
積層体の作製工程におけるプライマー組成物の印刷性、無電解めっき反応性、メタルメッシュ配線形成性、及びめっきパターンの接着性を、以下の方法で評価した。
(1)付着力コントラスト印刷法による印刷性
透明フィルム上に転写したプライマー組成物の塗布状態を、光学顕微鏡により100mm×40mmの測定領域について観察した。そして、以下の基準に基づいて印刷性を評価した。
〇:パターン通りに印刷できている
△:印刷できていない箇所(断線箇所)が、測定領域中に5箇所以下あるが、概ねパターン通りに印刷できている
×:印刷できていない箇所(断線箇所)が、測定領域中に5箇所よりも多く、パターン通りに印刷できていない
上記評価は、プライマー組成物のブランケットへの塗布性、付着力コントラスト版への転写性、及び透明フィルムへの印刷性を総合的に評価したものである。
△以上であれば良好と判断した。
(2)無電解Cuめっき反応性
無電解めっきして得られためっき層(めっきパターン)表面のシート抵抗値を、表面抵抗計により測定した。そして、以下の基準に基づいて、無電解Cuめっき反応性を評価した。
〇:シート抵抗値が0.25Ω/□以下
△:シート抵抗値が0.25Ω/□超0.9Ω/□以下
×:シート抵抗値が0.9Ω/□超
△以上であれば、めっきパターンを均一に形成でき、無電解めっき反応性は良好と判断した。
(3)Cuメタルメッシュ配線形成性
無電解めっきして得られるめっきパターンの外観を、光学顕微鏡により100mm×40mmの測定領域について観察し、以下の基準に基づいて評価した。
○:断線箇所無し
△:断線箇所が5箇所以下
×:断線箇所が5箇所よりも多い
△以上であれば、断線箇所が少なく、配線形成性は良好と判断した。
(4)接着性
(初期接着性)
得られた積層体のめっきパターンの密着性を、90°剥離試験にて測定した。測定は、室温下で、剥離速度25mm/分の条件で行った。そして、接着強度が5N/cm以上であれば良好と判断した。
(接着信頼性)
得られた積層体を、大気オーブンにて150℃で168時間保管した。その後、上記と同様の方法及び基準で、めっきパターンの接着強度を評価した。
実施例1~3及び比較例1~6のプライマー組成物の評価結果を、表1に示す。
Figure 2023129026000002
表1に示されるように、少なくともフェノキシ樹脂(A)と液状のエポキシ樹脂(B)とを所定の比率で含む実施例1~3のプライマー組成物は、付着力コントラスト版への印刷性が高いことがわかる。また、硬化物の無電解めっき液との反応性も良好であり、解像度の高いメタルメッシュ配線を形成できることがわかる。また、めっきパターンの接着性も良好であることがわかる。
これに対し、液状のエポキシ樹脂(B)の比率が多すぎる比較例1や少なすぎる比較例2のプライマー組成物は、いずれも付着力コントラスト版への印刷性が悪く、無電解めっきによるメタルメッシュ配線形成性が悪いことがわかる。具体的には、比較例1では、液状のエポキシ樹脂(B)の比率が多いため、半乾き状態での塗膜強度が低すぎて、付着力コントラスト版への転写時に層間剥離が生じた。それにより、付着力コントラスト版のパターン通りに転写できなかった。一方、比較例2では、液状のエポキシ樹脂(B)の比率が少ないため、半乾き状態で塗膜強度が高すぎて、付着力コントラスト版にほとんど転写されず、付着力コントラストのパターン通りに転写できなかった。
また、フェノキシ樹脂(A)に代えてアクリル樹脂を用いた比較例3~6のプライマー組成物は、付着力コントラスト版への印刷性に劣ることがわかる。具体的には、比較例3のプライマー組成物は、半乾き状態の塗膜強度が高すぎて、付着力コントラスト版への転写ができなかった。比較例5のプライマー組成物は、そもそもブランケット上への塗布性に劣り、付着力コントラスト版への転写もできなかった。
本発明によれば、エッチングを行うことなく、適度な厚みのめっきパターンを形成可能とする無電解めっき用プライマー組成物を提供することができる。当該組成物を用いて得られるめっきパターンは、良好な屈曲性と導電性を有するため、特にフレキシブルプリント基板(FPC)や透明電極フィルム基板等に好適である。
10 支持体
11 ブランケット
20 付着力コントラスト版(版)
21 照射部
22 非照射部
30 プライマー組成物の塗膜
30’ プライマー組成物のパターン
40 絶縁性基材
50 スリットダイ
60 除去部
70 シリコーンゴムシート
80 マスクパターン
L エキシマランプ

Claims (11)

  1. フェノキシ樹脂(A)と、液状のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤とを含み、
    前記液状のエポキシ樹脂(B)の質量基準の含有量は、前記フェノキシ樹脂(A)の含有量よりも多い、
    無電解めっき用プライマー組成物。
  2. 前記フェノキシ樹脂(A)と前記液状のエポキシ樹脂(B)の含有比率A/Bは、20/80~40/60(質量比)である、
    請求項1に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  3. 前記液状のエポキシ樹脂(B)は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂である、
    請求項1又は2に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  4. 前記硬化剤は、メラミン樹脂(C)を含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  5. 前記硬化剤は、レゾールフェノール樹脂(D)を含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  6. パラジウム触媒をさらに含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  7. シリカ粒子をさらに含む、
    請求項6に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  8. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材上に配置された、請求項1~7のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物の硬化物を含む下地パターンと、
    前記下地パターン上に配置された金属めっきパターンと
    を含む、
    積層体。
  9. 前記絶縁性基材は、透明基材である、
    請求項8に記載の積層体。
  10. 絶縁性基材上に、請求項1~7のいずれか一項に記載の無電解めっき用プライマー組成物のパターンを付与する工程と、
    前記プライマー組成物のパターンを硬化させて、下地パターンを形成する工程と
    前記下地パターンの表面に無電解めっきを施して、金属めっきパターンを形成する工程と
    を含む、
    積層体の製造方法。
  11. 前記プライマー組成物のパターンを付与する工程は、
    支持体上に形成された前記プライマー組成物の塗膜を版と接触させて、プライマー組成物のパターンを得る工程と、
    前記プライマー組成物のパターンを、前記絶縁性基材上に転写する工程と
    を含む、
    請求項10に記載の積層体の製造方法。
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