JP2023120623A - 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィラーを高配向することで厚さ方向の熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートを提供することを目的とする。【解決手段】高分子マトリクス(A)中に炭素及び窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラー(B)を含有する熱伝導性シートであって、前記熱伝導性シートの厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以上であり、かつ、前記熱伝導性フィラーの長軸方向が、前記熱伝導性シートの厚さ方向に配向している配向度が1.0以上のものである熱伝導性シート。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法に関する。
近年、電子機器の更なる高性能化に伴い、半導体素子の高密度化、および高実装化が進んでいる。これに伴い、電子機器を構成する電子部品から発生する熱量も増加し、効率よく放熱する事が重要になっている。これに対し、発熱体から生じる熱を放熱するため、一般的にヒートシンクなどの放熱体が用いられる。発熱体と放熱体の間には伝熱効率を高める目的で放熱シートを配置されることが知られている。
特に自動車の電子化が著しく、電子部品搭載個数が増加し、放熱部材の需要が増えている。放熱部材にはシートタイプやグリースタイプがあるが、実装のし易さなどからシートタイプが好んで使用されている場合が多い。また、自動運転を背景としてこのような放熱部材においては、さらなる熱伝導性の向上が要求されている。一般的に高熱伝導性を目的としてポリマー内に分散されたフィラーの充填率を高める必要があるため、2.0を超えるような比重が高くなる傾向があるが、ガソリン車の燃費、EV車の電費を向上させる軽量化を進めるうえで問題となっている。
例えば、特許文献1において、ポリマー、異方性フィラー、および充填剤を含有する熱伝導性組成物を押出機で押出すことにより、当該押出成形物を硬化させて硬化物を得る硬化工程と、当該硬化物を、超音波カッターを用いて押出し方向に対し垂直方向に所定の厚さに切断する切断工程と、を少なくとも含む熱伝導性樹脂シートの製造方法が提案されている。
また、例えば特許文献2においても、ポリマー、異方性フィラー、および充填剤を含有する熱伝導性組成物に磁場を印加して異方性熱伝導フィラーを配向させ、塊状成形体を形成し、所望のシート厚みにスライスを実行する熱伝導性シートの製造方法が提案されている。
また、例えば特許文献3においても、ポリマー、異方性フィラー、および充填剤を含有する熱伝導性組成物を異方性フィラー長径の平均値の20倍以下の厚さに圧延成形、プレス成形、押出成形又は塗工することで配向した一次シートを作製、積層した成形体をスライスする熱伝導シートの製造方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1~3には具体的な比重が示されていない。そのため、低比重な熱伝導性シートを得ることが望まれていた。
特開2012-023335号公報 特開2019-186555号公報 特開2017-126614号公報
即ち本発明は、フィラーを高配向することで厚さ方向の熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、高分子マトリクス(A)中に炭素及び窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラー(B)を含有する熱伝導性シートであって、前記熱伝導性シートの厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以上であり、かつ、前記熱伝導性フィラーの長軸方向が、前記熱伝導性シートの厚さ方向に配向している配向度が1.0以上のものである熱伝導性シートを提供する。
このような熱伝導性シートであれば熱伝導性フィラーの異方性を活かし、低充填量で高熱伝導性が得られ、かつ低比重のシートとなる。また、炭素又は窒化ホウ素は熱伝導性フィラーの中でも比重が低いことが知られており、低比重化するために最適である。
また、前記熱伝導性シートの比重が2.0未満であることが好ましい。
このようなものであれば、熱伝導性シートとして好ましいものとなる。
前記熱伝導性シート中に含まれる前記(B)成分の割合が50~90質量%であることが好ましい。
このような熱伝導性シートであれば高熱伝導化と低比重化の両立に有利である。
前記(A)成分が、オルガノポリシロキサン、ポリウレタン、ポリアクリレート、パーフルオロポリエーテルエラストマー、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる1種以上を含む硬化性ポリマー組成物であることが好ましい。
(A)成分がこのようなものであれば、(B)成分の充填性が良好なものとなる。
前記(B)成分の形状が、繊維状、鱗片状、板状、扁平状、針状又はウィスカーであることが好ましい。
このような熱伝導性フィラーであれば、熱伝導性フィラーを配向させる時に並びやすくなる。
前記(B)成分のアスペクト比が2以上であることが好ましい。
このような熱伝導性フィラーであれば上記フィラーを長手方向に配向させた場合、熱が上記フィラー間を移動する回数が減り、その結果、上記フィラー長手方向の熱伝導性が向上する。
また、本発明は、前記熱伝導性シートの製造方法であって、
(I-1)前記高分子マトリクス(A)と、前記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
(I-2)前記フィラー含有樹脂組成物を金型に充填する充填工程と、
(I-3)前記金型を超音波で振動させ脱泡及びフィラーを整列させる振動工程と、
(I-4)加熱により前記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
(I-5)前記フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を長手方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
(I-6)前記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
を含む熱伝導性シートの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記熱伝導性シートの製造方法であって、
(II-1)前記高分子マトリクス(A)と、前記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
(II-2)前記フィラー含有樹脂組成物をフィルムセパレーター上に均一厚みになるように一方向に塗布を行う塗布工程と
(II-3)加熱により前記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
(II-4)前記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物をフィルムセパレーターから剥離し、成型工程で用いる金型の大きさに合わせて断裁を行う断裁工程と、
(II-5)前記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物の断裁物を塗布方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
(II-6)前記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
を含む熱伝導性シートの製造方法を提供する。
これらのいずれかの方法により、良好な熱伝導性を示す本発明の熱伝導性シートを製造することができる。
更に、前記フィラー含有樹脂組成物として有機溶剤を含むものを用いることが好ましい。
有機溶剤を添加することで、上記フィラー含有樹脂組成物の粘度が低下するため、充填性が向上すると共に上記(B)成分を整列しやすくなり、配向度を向上させることができる。
本発明によれば熱伝導性フィラーを高配向することで厚さ方向の熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートを得る事ができる。
充填工程に用いる金型の一例を示す概略図である。 図1の断面構造を示す概略図である。 成型工程に用いる金型の一例を示す概略図である。 一般的な2mmシートを成形する金型を示す概略図である。 実施例1の熱伝導性シート1表面のSEM画像である。 実施例1の熱伝導性シート1表面のX線回析結果である。 実施例2の熱伝導性シート2表面のSEM画像である。 実施例2の熱伝導性シート2表面のX線回析結果である。 実施例3の熱伝導性シート3表面のSEM画像である。 実施例3の熱伝導性シート3表面のX線回析結果である。 実施例4の熱伝導性シート4表面のSEM画像である。 実施例4の熱伝導性シート4表面のX線回析結果である。 実施例5の熱伝導性シート5表面のSEM画像である。 実施例5の熱伝導性シート5表面のX線回析結果である。 実施例6の熱伝導性シート6表面のSEM画像である。 実施例6の熱伝導性シート6表面のX線回析結果である。 比較例1の熱伝導性シート7表面のSEM画像である。 比較例1の熱伝導性シート7表面のX線回析結果である。 比較例2の熱伝導性シート8表面のSEM画像である。 比較例2の熱伝導性シート8表面のX線回析結果である。 比較例3の熱伝導性シート9表面のSEM画像である。 比較例3の熱伝導性シート9表面のX線回析結果である。
上述のように、熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートが求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、異方性のある熱伝導性フィラーを、長軸方向が厚さ方向に配向している配向度が一定以上である熱伝導性シートであれば、15W/m・K以上となることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、高分子マトリクス(A)中に炭素又は窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラー(B)を含有する熱伝導性シートであって、前記熱伝導性シートの厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以上であり、かつ、前記熱伝導性フィラーの長軸方向が、前記熱伝導性シートの厚さ方向に配向している配向度が1.0以上のものである熱伝導性シートである。
なお、本発明において配向度とは、下記条件にて測定したピーク強度から算出した値を指す。
[配向度]
(測定装置)
BRUKER JAPAN社製 卓上型粉末X線回析装置
“D2 PHASER 2nd Generation”
(測定条件)
試料サイズ:12.7mmΦ
スキャン範囲:20-90°
ステップサイズ:0.024°
試料回転 :10rpm
電圧:30KV
電流:10mA
測定結果のピーク強度より以下のように配向度を計算する。
配向度={縦カウント和+(斜めカウント和/2)}/横カウント
縦カウント 2θ=41.0~43.0°(100面)、2θ=76.5~78.5°(110面)
斜めカウント 2θ=43.5~45.5°(101面)、2θ=81.5~83.5°(112面)
横カウント 2θ=25.5~27.5°(002面)
以下、本発明について詳細に説明する。
[熱伝導性シート]
本発明の熱伝導性シートは、高分子マトリクス中に炭素及び窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラーを含有するフィラー含有樹脂組成物を、後述する方法で成形したものである。以下詳述する。
[フィラー含有樹脂組成物]
上記フィラー含有樹脂組成物は、(A)高分子マトリクスと(B)熱伝導性フィラーを含有する樹脂組成物である。
[(A)高分子マトリクス]
本発明の(A)成分である高分子マトリクスは、特に限定されないが、(B)成分の充填性から、オルガノポリシロキサン、ポリウレタン、ポリアクリレート、パーフルオロポリエーテルエラストマー、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる1種以上の硬化性ポリマー組成物であることが好ましく、より好ましくは、柔軟性に優れるオルガノポリシロキサン、パーフルオロポリエーテルエラストマー、ポリウレタン、またはポリアクリレートであり、更に好ましくは、耐熱性、耐寒性に優れるオルガノポリシロキサンまたはパーフルオロポリエーテルエラストマーである。
[硬化性ポリマー組成物]
よって、(A)成分は硬化性オルガノポリシロキサン組成物または硬化性パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物であることが好ましい。
[硬化性オルガノポリシロキサン組成物]
以下、硬化性オルガノポリシロキサン組成物について具体的に説明する。
硬化性オルガノポリシロキサン組成物の例としては、熱硬化型オルガノポリシロキサン組成物、湿気硬化型オルガノポリシロキサン組成物、及び電子線硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。熱硬化型シリコーン樹脂としては、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物、過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物などが挙げられる。中でも付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物が好ましく、下記(A-1)~(A-3)、
(A-1)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(A-2)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(A-3)白金族金属系硬化触媒
を含有する付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物がより好ましい。
[(A-1)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
(A-1)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンであり、本発明のフィラー含有樹脂組成物(熱伝導性シリコーン硬化物を与える)の主剤となるものである。通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるのが一般的であるが、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等、物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常炭素原子数が2~8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特に好ましくはビニル基である。なお、アルケニル基は、分子中に2個以上存在することが好ましいが、得られる硬化物の柔軟性がよいものとするため、分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合して存在することが好ましい。
上記アルケニル基以外の官能基としては、1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、好ましくは炭素原子数が1~10、特には炭素原子数が1~6のものであり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基、及びフェニル基である。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基以外の官能基は全てが同一であることに限定するものではない。
このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、通常、好ましくは10~100,000mm/s、特に好ましくは5,000~100,000mm/sの範囲である。上記粘度が10mm/s以上であれば、得られる樹脂組成物の保存安定性が良好であり、また100,000mm/s以下であれば、得られる樹脂組成物の伸展性が悪くなることもない。
なお、本明細書中において、動粘度はJIS Z 8803:2011記載のキャノンフェンスケ型粘度計を用いた場合の25℃における値である。
この(A-1)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独でも、粘度が異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(A-2)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(A-2)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に平均で2個以上、好ましくは2~100個のケイ素原子に直接結合する水素原子(ヒドロシリル基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(A-1)成分の架橋剤として作用する成分である。即ち、(A-2)成分中のヒドロシリル基と(A-1)成分中のアルケニル基とが、後述する(A-3)成分の白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により付加して、架橋構造を有する3次元網目構造を与える。なお、ヒドロシリル基の数が2個未満の場合、硬化しない。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均構造式(1)で示されるものが用いられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2023120623000002
(式中、Rは独立に水素原子又は脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基であるが、1分子中に2個以上、好ましくは2~100個、より好ましくは2~10個は水素原子であり、eは1以上の整数、好ましくは10~200の整数である。)
上記一般式(1)中、Rの水素原子以外の脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、炭素原子数が1~10、特には炭素原子数が1~6のものが好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基、及びフェニル基である。また、Rは全てが同一であることを限定するものではない。
(A-2)成分の添加量は、例えば(A-2)成分由来のヒドロシリル基が(A-1)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1~5.0モルとなる量、好ましくは0.3~2.0モルとなる量、更に好ましくは0.5~1.5モルとなる量である。(A-2)成分由来のヒドロシリル基の量が(A-1)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1モル以上であれば、十分に硬化し、また硬化物の強度も十分で成形体としての形状を保持できるため、強度不足で取り扱えなくなることもない。また5.0モル以下であれば、硬化物の柔軟性が良好となり、硬化物が脆くなることもない。
[(A-3)白金族金属系硬化触媒]
(A-3)成分の白金族金属系硬化触媒は、(A-1)成分由来のアルケニル基と、(A-2)成分由来のヒドロシリル基の付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、HPtCl・nHO、HPtCl・nHO、NaHPtCl・nHO、KHPtCl・nHO、NaPtCl・nHO、KPtCl・nHO、PtCl・nHO、PtCl、NaHPtCl・nHO(但し、式中、nは0~6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム-オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
(A-3)成分の使用量は、有効量であればよく、(A-1)成分に対する白金族金属元素の質量換算で0.1~2,000ppmが好ましく、より好ましくは50~1,000ppmである。0.1ppm以上であれば十分な触媒活性が得られ、2,000ppm以下であれば付加反応を促進する効果は十分であり、コストも抑えられる。
[硬化性パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物]
また、もう一つの好ましい態様である硬化性パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物についても具体的に説明する。
硬化性パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物の例としては、熱硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物、湿気硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物、及び電子線硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマーなどが挙げられる。熱硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマーとしては、付加硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物、過酸化物硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物などが挙げられる。中でも付加硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物が好ましく、下記(A-4)~(A-6)、
(A-4)アルケニル基含有パーフルオロポリエーテル化合物、
(A-5)含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(A-6)白金族金属系硬化触媒
を含有する付加硬化型パーフルオロポリエーテルエラストマー組成物がより好ましい。
[(A-4)アルケニル基含有パーフルオロポリエーテル化合物]
(A-4)であるアルケニル基含有パーフルオロポリエーテル化合物は、アルケニル基を1分子中に2個以上有するパーフルオロポリエーテル化合物であって、本発明のフィラー含有樹脂組成物(熱伝導性パーフルオロポリエーテル硬化物を与える)の主剤となるものである。通常は主鎖部分が基本的にパーフルオロポリエーテル単位(パーフルオロオキシアルキレン単位)の繰り返しからなるのが一般的である。
中でも、下記一般式(2)
CH=CH-(X)-Rf-(X’)-CH=CH (2)
〔式中、Xは、式:-CH-、-CHO-、-CHOCH-又は-Y-NR-CO-(式中、Yは、式:-CH- 又は式:
Figure 2023120623000003
で表される2価の基であり、Rは水素原子又は1価炭化水素基である。)で表される2価の基であり、
X’は、式:-CH-、-CHO-、-CHOCH-又は-CO-NR-Y’-(式中、Y’は、式:-CH-又は式:
Figure 2023120623000004
で表される2価の基であり、Rは上記と同じである。)で表される2価の基であり、
Rfは、下記一般式(i):
-C2t[OCFCF(CF)]OCF(CFCFO[CF(CF)CFO]t’2t’-(i)
(式中、p及びqは1~150の整数であって、かつ、pとqの和の平均は2~200で
あり、rは0~6の整数であり、t及びt’は2又は3である。)、又は下記一般式(ii):
-C2t[OCFCF(CF)](OCFOCt’2t’-(ii)
(式中、uは1~200の整数、vは1~50の整数であり、t及びt’は上記と同じで
ある。)
で表される二価のパーフルオロポリエーテル基であり、zは独立に0又は1である。〕
Rfで表される二価のパーフルオロポリエーテル基の重合度(p+q)または(u+v)の下限は2以上の整数であれば特に制限はされないが、低汚染性、低残留性を備える
ために、好ましくは30以上、特に好ましくは80以上である。
が1価炭化水素基である場合、その例としては、炭素原子数1~20の1価炭化水素基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基; ビニル基、アリル基等のアルケニル基; フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基; ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
[(A-5)含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(A-5)成分である含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンは上記(A-4)成分に対して架橋剤ないし鎖長延長剤として作用する。上記含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、そのために、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、ヒドロシリル基)を2個以上、好ましくは3個以上有する。なお、(A-5)成分は、1種単独でも2種以上組み合わせても用いることができる。
該含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンは(A-4)成分との相溶性、分散性等の観点から、好ましくは1分子中にパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロオキシアルキル基およびパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる基を1種又は2種以上有することが好ましい。これらのパーフルオロ基の例としては、特に下記一般式で示されるものを挙げることができる。
・・パーフルオロアルキル基:
2g+1
(式中、gは1~20、好ましくは2~10の整数である。)
・・パーフルオロアルキレン基:
-C2g
(式中、gは上記と同じである。)
・・パーフルオロオキシアルキル基:
Figure 2023120623000005
(式中、fは2~200、好ましくは2~100の整数であり、hは1~3の整数である
。)
・・パーフルオロオキシアルキレン基:
Figure 2023120623000006
(式中、i及びjは1以上の整数、i+jの平均は2~200、好ましくは2~100で
ある。)
-(CFCFO)(CFO)CF
(式中、k及びLはおのおの1以上の整数であり、k+Lの平均は2~200、好ましく
は2~100である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とをつなぐ二価の連結
基は、アルキレン基、アリーレン基又はそれらの組み合わせ、或いはこれらの基にエーテ
ル結合、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよく、例えば、
-CHCH-,
-CHCHCH-,
-CHCHCHOCH-,
-CHCHCH-NH-CO-,
-CHCHCH-N(Ph)-CO-,
-CHCHCH-N(CH)-CO-,
-CHCHCH-O-CO-,
-Ph’-N(CH)-CO-
(Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基を表す)
等の炭素原子数2~12のものが挙げられる。
この(A-5)成分の含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、1価の含フッ素置換基、即ちパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を含有する有機基以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、炭素原子数1~20の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基; ビニル基、アリル基等のアルケニル基; フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基; ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などの非置換の炭化水素基が挙げられ、また、これらの炭化水素基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の置換炭化水素基も挙げられる。
(A-5)成分の含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常3~60、好ましくは4~30程度である。
また、(A-5)成分の含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子量は、750~3,000 、好ましくは800~2,400の範囲であることが好ましい。
(A-5)成分の配合量は、(A-4)成分を硬化して所要のゴム弾性を有する硬化物を得るのに必要な有効量である。特に本組成物中の上記(A-4)成分が有するアルケニル基の合計の1モルに対し、(A-5)成分のヒドロシリル基を0.5~5.0モル、好ましくは1.0~2.0モル供給する量である。上記配合量が十分であれば架橋度が十分になり、多すぎなければ鎖長延長が優先されないため硬化が十分になり、硬化時に発泡が起こることもなく、得られる硬化皮膜の耐熱性等が低下することが無い。
[(A-6)白金族金属系硬化触媒]
(A-6)成分の白金族金属系硬化触媒は、(A-4)成分由来のアルケニル基と、(A-5)成分由来のヒドロシリル基の付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。具体的には、上記(A-3)成分で例示したものと同じ硬化触媒を例示することができる。
(A-6)成分の使用量は、触媒としての有効量でよい。例えば(A-4)成分に対して白金族金属換算で0.1~500ppm(質量基準)を配合することが好ましい。
[(B)熱伝導性フィラー]
本発明の(B)成分である熱伝導性フィラーは、炭素及び窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラーから選択される。
上記熱伝導性フィラーの形状は特に限定されないが、例えば、球状、楕円状、板状、鱗片状、繊維状、扁平状、針状、破砕状、ウィスカーなどが挙げられる。配向したフィラーが成型体に熱伝導性を与える点からは繊維状、鱗片状、板状、扁平状、針状、ウィスカーなどの異方性を有する熱伝導性フィラーであることが好ましい。繊維状であることがより好ましい。
上記熱伝導性フィラーの大きさも必要に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、アスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)が2以上のフィラーであることが好ましく、5以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、例えば500以下とすることができる。
このような熱伝導性フィラーであれば、フィラーを長手方向に配向させた場合、熱伝導率に関して、熱がフィラー間を移動する回数が減り、その結果、フィラー長手方向の熱伝導率が向上するため好ましい。
上記熱伝導性フィラーが異方性を有する場合、その平均長軸長さと平均短軸長さは走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することができ、その値から上記アスペクト比が求められる。例えば、炭素繊維のアスペクト比は炭素繊維の「繊維の平均長さ/繊維の平均直径」の値である。
上記熱伝導性フィラーが球状などの異方性を有さない形状の場合、その平均粒径は、レーザ回折散乱法(JIS R1629:1997)により測定した粒度分布の体積基準の平均粒径(メディアン径)である(例えばマイクロトラックベル(株)製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均粒径(積算分率における50%径)の値とすることができる)。
熱伝導性フィラーは、必要に応じて異なる形状や大きさのものを組み合わせて用いてもよい。
上記(B)成分が本発明の熱伝導性シート中に含まれる割合は、50~90質量%であることが好ましく、55~85質量%であることがより好ましい。この範囲内であれば、本発明の熱伝導性シート内の熱伝導性フィラーが配向することで熱伝導性が高くなるため、好ましい。
[その他の成分]
上記フィラー含有樹脂組成物には、更に必要に応じて、例えば溶剤、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等の成分を配合することができる。
また、上記フィラー含有樹脂組成物には、上記(B)成分以外の充填材を配合してもよい。具体的はシリカ、酸化チタンなどが挙げられる。上記充填材の配合量としては、特に制限はないが、上記(A)成分100質量部に対して0~60質量部が好ましく、0~40質量部がより好ましい。
[フィラー含有樹脂組成物の製造方法]
上記フィラー含有樹脂組成物は、上記高分子マトリクス及び上記熱伝導性フィラー、更に必要に応じて上記その他の成分を、ミキサー等を用いて混合することにより製造することができる。
[熱伝導性シートの製造方法]
本発明の熱伝導性シートの製造方法としては、上記フィラー含有樹脂組成物を成形する工程や硬化する工程を含むものであるが、例えば、以下のような方法が挙げられる。
[熱伝導性シートの製造方法(I)]
本発明の熱伝導性シートの製造方法の一例としては、
(I-1)上記高分子マトリクス(A)と、上記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
(I-2)上記フィラー含有樹脂組成物を金型に充填する充填工程と、
(I-3)上記金型を超音波で振動させ脱泡及びフィラーを整列させる振動工程と、
(I-4)加熱により上記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
(I-5)上記フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を長手方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
(I-6)上記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
からフィラーを高配させることで厚さ方向の熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートを得る方法がある。
以下、上記各工程について詳述する。
準備工程(I-1)
この工程では、上記フィラー含有樹脂組成物の製造方法に従い、上記高分子マトリクス(A)と上記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する。
充填工程(I-2)
準備したフィラー含有樹脂組成物を金型に充填する。
(充填工程に用いる金型)
上記充填工程で用いる金型は、幅が5.0mm以下、深さが幅長+1.0mm以上、長さが10.0mm以上、底面形状は特に限定されないが、▽状、半円状、波状及び平面状などが挙げられる溝部を1ヵ所以上有する。
(充填方法)
充填工程において、フィラー含有樹脂組成物を金型溝部に規定量充填しても良いし、フィラー含有樹脂組成物を多量に充填したあと、スキージなどで不要分を掻き落としても良い。
フィラー含有樹脂組成物に溶剤(有機溶剤)を添加すれば、フィラー含有樹脂組成物の粘度が低下し、充填性が向上するため好ましい。また、次工程の振動工程で脱泡及び熱伝導性フィラーを沈降させる際に、フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物の長軸方向に熱伝導性フィラーの長軸方向が整列しやすくなる。
振動工程(I-3)
振動工程は、上記金型を超音波で振動させ、脱泡及び上記熱伝導性フィラーを整列させるために行う。次工程の加熱工程でフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を得るために、上記金型を超音波で振動させることで、脱泡及びフィラーを沈降、配向させ、フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物の長軸方向にフィラー長軸方向に整列させることができる。
加熱工程(I-4)
加熱工程は、上記フィラー含有樹脂組成物を加熱することにより、上記フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を得る工程である。上記フィラー含有樹脂組成物に溶剤が含まれていれば、加熱により溶剤分を揮発させる工程も含む。
成型工程(I-5)
得られたフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を長手方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成形体を得る。
(成型工程で用いる金型)
金型の内寸が幅10.0mm以上、長さ10.0mm以上、深さ10.0mm以上の凹型であり、底面形状が平面状の下型と、下型内寸より幅、長さがそれぞれ0.01~0.2mm短い上型を有することができる。上型の高さは特に制限はないが上型を加圧出来うる高さが必要である。
(充填方法)
上記加熱工程で得たフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を金型下型に下記のように充填する。
(i)金型にX軸方向に長手方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填する。
(ii)金型にY軸方向に長手方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填する。
このようにすれば、異方性フィラーなどが配向した成型体をより好ましく効率的に得ることができる。
Z軸方向に積み上げる回数は、2回以上であることが好ましく、5~3,000回がより好ましい。
(成型方法)
成型工程は、上記下型を上記上型でZ軸方向に加圧し、加熱することで上記フィラー含有紐状樹脂組成物を完全硬化させ、フィラー含有成型体を得ることができる。
加圧方法としては、大気圧から徐々に加圧していき、所望する圧力に到達することが好ましい。
上記金型を加圧する圧力は、所望する上記フィラー含有紐状樹脂組成体の形状や硬度などによって適宜選択されるが、0.1~20.0MPaが好ましく、0.5~5.0MPaがより好ましい。
上記金型を加圧する温度は、-10~40℃が好ましく、0~30℃がより好ましい。
上記フィラー含有紐状樹脂組成物の硬化条件は、上記フィラー含有紐状樹脂組成物の樹脂の種類などにより最適化される。例えば、シリコーン樹脂を用いたフィラー含有紐状樹脂組成物から得られるフィラー含有成型体の硬化条件は、以下のような条件が好ましい。
硬化温度は、50~200℃が好ましく、100~150℃がより好ましい。また、硬化時間は1分~24時間が好ましく、5分~1時間がより好ましい。
スライス工程(I-6)
スライス工程は、上記成型工程で得られたフィラー含有成型体をスライスすることで所望の厚みに熱伝導性シートを得る工程である。具体的には、下記(i)又は(ii)の工程を経る。
(i)金型にX軸方向に長手方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填したフィラー含有成型体はY-Z平面に対して平行に
(ii)金型にY軸方向に長手方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填したフィラー含有成型体はX-Z平面に対して平行に
上記成型体を所望の厚さにスライスすることにより、異方性フィラーの長手方向が厚さ方向に配向した熱伝導シートを得ることができる。
[熱伝導性シートの製造方法(II)]
また、上記製造方法とは異なる本発明の熱伝導性シートの製造方法としては、
(II-1)上記高分子マトリクス(A)と、上記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
(II-2)上記フィラー含有樹脂組成物をフィルムセパレーター上に均一厚みになるように一方向に塗布を行う塗布工程と
(II-3)加熱により上記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
(II-4)上記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物をフィルムセパレーターから剥離し、成型工程で用いる金型の大きさに合わせて断裁を行う断裁工程と、
(II-5)上記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物の断裁物を塗布方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
(II-6)上記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
からフィラーを高配向させることで厚さ方向の熱伝導性に優れ、かつ低比重である熱伝導性シートを得る方法がある。
以下、上記各工程について詳述する。
準備工程(II-1)
この工程では、上記フィラー含有樹脂組成物の製造方法に従い、上記高分子マトリクス(A)と上記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する。
塗布工程(II-2)
準備したフィラー含有樹脂組成物をフィルムセパレーター上に均一厚みになるように一方向に塗布を行う。
フィラー含有樹脂組成物から、次工程の加熱工程でフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物が剥離出来うるフィルムセパレーター上にベーカー式フィルムアプリケーター等を用い、均一厚みになるように一方向に塗布を行うことで、フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物の塗布方向にフィラー長軸方向が平行になるように整列させることができる。
加熱工程(II-3)
加熱工程は、上記フィラー含有樹脂組成物を加熱することにより、上記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を得る工程である。上記フィラー含有樹脂組成物に溶剤が含まれていれば、加熱により溶剤分を揮発させる工程も含む。
断裁工程(II-4)
断裁工程は上記加熱工程で得た上記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物をフィルムセパレーターから剥離し、成型工程で用いる金型の大きさに合わせて断裁を行う。断裁するサイズは金型内寸に対し、幅及び長さが-0.3~-1.0mmにすることで次工程の成型工程でフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物が充填しやすくなる。
成型工程(II-5)
得られたフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を塗布流れ方向が平行となるように並べて加温、加圧し、フィラー含有成形体を得る。
(成型工程で用いる金型)
上記成型工程(I-5)と同様である。
(充填方法)
上記断裁工程で得たフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を金型下型に下記のように充填する。
(i)金型にX軸方向に塗布流れ方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填する。
(ii)金型にY軸方向に塗布流れ方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填する。
このようにすれば、異方性フィラーなどが配向した成型体をより好ましく効率的に得ることができる。
Z軸方向に積み上げる回数は、2回以上であることが好ましく、5~3,000回がより好ましい。
(成型方法)
成型工程は、上記下型金型を上記上型金型でZ軸方向に加圧し、加熱することで上記フィラー含有シート状樹脂組成物を完全硬化させ、フィラー含有成型体を得ることができる。
加圧方法としては、大気圧から徐々に加圧していき、所望する圧力に到達することが好ましい。
上記金型を加圧する圧力は、所望する上記フィラー含有シート状樹脂組成体の形状や硬度などによって適宜選択されるが、0.1~20.0MPaが好ましく、0.5~5.0MPaがより好ましい。
上記金型を加圧する温度は、-10~40℃が好ましく、0~30℃がより好ましい。
上記フィラー含有シート状樹脂組成物の硬化条件は、上記フィラー含有シート状樹脂組成物の樹脂の種類などにより最適化される。例えば、シリコーン樹脂を用いたフィラー含有シート状樹脂組成物から得られるフィラー含有成型体の硬化条件は、以下のような条件が好ましい。
硬化温度は、50~200℃が好ましく、100~150℃がより好ましい。また、硬化時間は1分~24時間が好ましく、5分~1時間がより好ましい。
スライス工程(II-6)
スライス工程は、上記成型工程で得られた成型体をスライスすることで所望の厚みに熱伝導性シートを得る工程である。具体的には、下記(i)及び(ii)の工程を経る。
(i)金型にX軸方向に塗布流れ方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填した成型体はY-Z平面に対して平行に
(ii)金型にY軸方向に塗布流れ方向が平行となるよう揃えて並べ、Z軸方向に積み上げ、充填した成型体はX-Z平面に対して平行に
上記成型体を所望の厚さにスライスすることにより、異方性フィラーの長手方向が厚さ方向に配向した熱伝導シートを得ることができる。
[熱伝導性シート]
本発明の熱伝導性シートは、厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以上であり、熱伝導性シートに含まれる熱伝導性フィラーの長軸方向が、前記熱伝導性シートの厚さ方向に配向している配向度が1.0以上のものである。一般的な熱伝導性フィラー高充填系熱伝導シートの従来の最高熱伝導率が13W/m・K程度であり、本発明の熱伝導性シートは、これを上回るものである。
配向度が1.0以下であると、15W/m・K以上の良好な熱伝導率を熱伝導性シートに与えることができない。配向度の測定方法は上記の通りである。
また、熱伝導率は、JIS R 1611:2010に準拠して、レーザーフラッシュ法(LFA 447 Nanoflash ネッチ社製)を用いて測定することができる。
また、本発明の熱伝導性シートは低比重であり、比重が2.0未満になることが好ましい。比重の値は、JIS K 6249:2003に準拠し25℃における比重を測定することで求めることができる。
このような本発明の熱伝導性シートであれば、厚さ方向の熱伝導性に優れ、低比重なものとなる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、動粘度はJIS Z 8803:2011記載のキャノンフェンスケ型粘度計を用いた場合の25℃における値であり、平均繊維長、平均繊維径及びアスペクト比はSEM測定より求め、平均粒径はマイクロトラックベル社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXIIにより測定した体積基準の累積平均粒径(メディアン径)である。
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物A>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)38.2質量%、炭素繊維(平均繊維長50μm、平均繊維径10μm、アスペクト比5、比重2.2)22.6質量%、炭素繊維(平均繊維長250μm、平均繊維径10μm、アスペクト比25、比重2.2)22.6質量%、トルエン(比重0.9)16.6質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物A(比重1.3)を得た。
上記付加反応型オルガノポリシロキサン組成物の構成成分は、以下の(A-1)~(A-3)からなるものである。
(A-1)成分
下記式で表されるオルガノポリシロキサン:97.1質量%
Figure 2023120623000007
上記式中、nは25℃における動粘度を30,000mm/sとする数である。
(A-2)成分
下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:2.2質量%
Figure 2023120623000008
上記式中、o=27、p=3であり、それぞれ平均重合度である。
(A-3)成分
5%塩化白金酸2-エチルヘキサノール溶液:0.7質量%
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物B>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)31.1質量%、炭素繊維(平均繊維長50μm、平均繊維径10μm、アスペクト比5、比重2.2)23.6質量%、炭素繊維(平均繊維長250μm、平均繊維径10μm、アスペクト比25、比重2.2)23.6質量%、トルエン(比重0.9)21.7質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物B(比重1.3)を得た。
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物C>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)23.5質量%、炭素繊維(平均繊維長50μm、平均繊維径10μm、アスペクト比5、比重2.2)24.6質量%、炭素繊維(平均繊維長250μm、平均繊維径10μm、アスペクト比25、比重2.2)24.6質量%、トルエン(比重0.9)27.3質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物C(比重1.3)を得た。
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物D>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)18.5質量%、鱗片状窒化ホウ素(平均粒径30μm、アスペクト比30、比重2.2)64.9質量%、、トルエン(比重0.9)16.7質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物D(比重1.5)を得た。
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物E>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)45.8質量%、炭素繊維(平均繊維長50μm、平均繊維径10μm、アスペクト比5、比重2.2)27.1質量%、炭素繊維(平均繊維長250μm、平均繊維径10μm、アスペクト比25、比重2.2)27.1質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物E(比重1.4)を得た。
(フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aのトルエンが無い組成)
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物F>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)22.1質量%、鱗片状窒化ホウ素(平均粒径30μm、アスペクト比30、比重2.2)77.9質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物F(比重1.7)を得た。
(フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Dのトルエンが無い組成)
<金型>
以下、実施例及び比較例で用いる金型について図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の充填工程で用いる金型を示す。図2は上記充填工程で用いる金型の断面を示す。図3は成型工程で用いる金型を示す。
<実施例1>
幅1.5mm、長さ50.0mm、深さ2.5mm、底面形状が半円状の溝部を有する充填工程に用いる金型と、内寸が幅33.0mm(X軸)、長さ52.0mm(Y軸)、深さ50.0mm(Z軸)の成型工程に用いる下型と、幅32.9、長さ51.9mm、高さ40.0mmの成型工程に用いる上型を準備した。
上記充填工程に用いる金型に上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを溝部からオーバーフローするよう充填し、オーバーフローした部分をスキージで掻き落とした。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向21列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Mpaで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体1を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート1を得た。熱伝導性シート1の表面SEM画像を図5に、またX線回析結果を図6に示す。
<実施例2>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物を上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Bに変更し、実施例1と同様の製造方法で熱伝導性シート2を得た。熱伝導性シート2の表面SEM画像を図7に、またX線回析結果を図8に示す。
<実施例3>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物を上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Cに変更し、実施例1と同様の製造方法で熱伝導性シート3を得た。熱伝導性シート3の表面SEM画像を図9に、またX線回析結果を図10に示す。
<実施例4>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aをフッ素で表面処理されたフィルムセパレーター上にベーカー式フィルムアプリケーターで塗布し、80℃×10分間乾燥後、500~550μm厚のフィラー含有シート状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有シート状樹脂組成物Aを幅32.5mm、長さ51.5mmに切り分け、上記成型工程に用いる金型の下型に80枚重ねて充填し、上記成型工程に用いる上型をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Mpaで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体4を得た。
上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート4を得た。熱伝導性シート4の表面SEM画像を図11に、またX線回析結果を図12に示す。
<実施例5>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物を上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Dに変更し、実施例1と同様の製造方法で熱伝導性シート5を得た。熱伝導性シート5の表面SEM画像を図13に、またX線回析結果を図14に示す。
<実施例6>
幅2.7mm、長さ50.0mm、深さ2.5mm、底面形状が半円状の溝部を有する充填工程に用いる金型と、内寸が幅33.0mm(X軸)、長さ52.0mm(Y軸)、深さ50.0mm(Z軸)の成型工程に用いる下型と、幅32.9、長さ51.9mm、高さ40.0mmの成型工程に用いる上型を準備した。
上記充填工程に用いる金型に上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを溝部からオーバーフローするよう充填し、オーバーフローした部分をスキージで掻き落とした。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向12列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Mpaで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体6を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート6を得た。熱伝導性シート6の表面SEM画像を図15に、またX線回析結果を図16に示す。
<比較例1>
図4の下型凹部が幅50mm、長さ50mm、高さ2.0mmの金型を準備した。上記金型の下型4に前記混合物Eを充填し、上型3の上から油圧プレス機にて10MPaの圧力をかけ、110℃×30分間加熱硬化することで混合組成物を硬化させ、厚さ2mmの熱伝導性シート7を得た。
熱伝導性シート7を厚さ方向にスライスして得たシートの、表面SEM画像を図17に、またX線回析結果を図18に示す。
<比較例2>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物を上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Fに変更し、比較例1と同様の製造方法で熱伝導性シート8を得た。熱伝導性シート7の表面SEM画像を図19に、またX線回析結果を図20に示す。
<比較例3>
幅3.5mm、長さ50.0mm、深さ2.5mm、底面形状が半円状の溝部を有する充填工程に用いる金型と、内寸が幅33.0mm(X軸)、長さ52.0mm(Y軸)、深さ50.0mm(Z軸)の成型工程に用いる下型と、幅32.9、長さ51.9mm、高さ40.0mmの成型工程に用いる上型を準備した。
上記充填工程に用いる金型に上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを溝部からオーバーフローするよう充填し、オーバーフローした部分をスキージで掻き落とした。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向9列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Mpaで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体9を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート9を得た。熱伝導性シート9の表面SEM画像を図21に、またX線回析結果を図22に示す。
<評価項目>
<配向度>
実施例及び比較例で得られた各熱伝導シートを直径12.7mmの円形となるように打抜き、これを試験片としてBRUKER JAPAN社製 卓上型粉末X線回析装置 D2 PHASER 2nd Generationにてスキャン範囲:20-90°、ステップサイズ:0.024°、試料回転 :10rpm、電圧:30KV、電流:10mA
の条件で測定を行い測定結果のピーク強度より算出した結果を表1に示す。
配向度={縦カウント和+(斜めカウント和/2)}/横カウントと定義した。
縦カウント 2θ=41.0~43.0°(100面)、2θ=76.5~78.5°(110面)
斜めカウント 2θ=43.5~45.5°(101面)、2θ=81.5~83.5°(112面)
横カウント 2θ=25.5~27.5°(002面)
<熱伝導率>
実施例及び比較例で得られた各熱伝導シートを直径12.7mmの円形となるように打ち抜き、これを試験片として、JIS R 1611:2010に準拠して、レーザーフラッシュ法(LFA 447 Nanoflash ネッチ社製)を用いて熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
<比重>
実施例及び比較例で得られた各熱伝導シートをJIS K 6249:2003に準拠し25℃における比重を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2023120623000009
同じ54.2質量%の炭素繊維フィラー量である熱伝導性シート実施例1が配向度5.16、熱伝導率21.8W/m・Kに対し、実施例4は配向度1.20、熱伝導率17.2W/m・K、実施例6は配向度1.08、熱伝導率15.7W/m・Kである。さらに比較例1は配向度0.05、熱伝導率2.1W/m・K、比較例3は配向度0.94、熱伝導率14.7W/m・Kにとどまり、同じフィラー量であれば配向度が高くなると熱伝導率が高くなることを意味する。
また、異なる炭素繊維フィラー質量%の熱伝導性シートを比較すると実施例1は54.2質量%、配向度5.16、熱伝導率21.8W/m・Kに対し、実施例2は60.3質量%、配向度4.40、熱伝導率32.7W/m・K、実施例3はフィラー67.7質量%、配向度5.43、熱伝導率51.9W/m・Kとなり、同等の配向度であればフィラー質量%が高くなると熱伝導率が高くなることを意味する。
また、同じ77.9質量%の窒化ホウ素フィラー量である熱伝導性シート実施例5が配向度2.64、熱伝導率16.2W/m・Kに対し、比較例2は配向度0.08、熱伝導率1.3W/m・Kにとどまり、同じフィラー量であれば配向度が高くなると熱伝導率が高くなることを意味する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…成型工程に用いる金型の上型、 2…成型工程に用いる金型の下型、
3…比較例に用いる金型の上型、 4…比較例に用いる金型の下型。
中でも、下記一般式(2)
CH=CH-(X)-Rf-(X’)-CH=CH (2)
〔式中、Xは、式:-CH-、-CHO-、-CHOCH-又は-Y-NR-CO-(式中、Yは、式:-CH- 又は式:
Figure 2023120623000032
で表される2価の基であり、Rは水素原子又は1価炭化水素基である。)で表される2価の基であり、
X’は、式:-CH-、-CHO-、-CHOCH-又は-CO-NR-Y’-(式中、Y’は、式:-CH-又は式:
Figure 2023120623000033
で表される2価の基であり、Rは上記と同じである。)で表される2価の基であり、
Rfは、下記一般式(i):
-C2t[OCFCF(CF)]OCF(CFCFO[CF(CF)CFO]t’2t’-(i)
(式中、p及びqは1~150の整数であって、かつ、pとqの和の平均は2~200であり、rは0~6の整数であり、t及びt’は2又は3である。)、又は下記一般式(ii):
-C2t[OCFCF(CF)](OCFOCt’2t’-(ii)
(式中、uは1~200の整数、vは1~50の整数であり、t及びt’は上記と同じである。)
で表される二価のパーフルオロポリエーテル基であり、zは独立に0又は1である。〕
Rfで表される二価のパーフルオロポリエーテル基の重合度(p+q)または(u+v)の下限は2以上の整数であれば特に制限はされないが、低汚染性、低残留性を備えるために、好ましくは30以上、特に好ましくは80以上である。
該含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンは(A-4)成分との相溶性、分散性等の観点から、好ましくは1分子中にパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロオキシアルキル基およびパーフルオロオキシアルキレン基から選ばれる基を1種又は2種以上有することが好ましい。これらのパーフルオロ基の例としては、特に下記一般式で示されるものを挙げることができる。
・・パーフルオロアルキル基:
2g+1
(式中、gは1~20、好ましくは2~10の整数である。)
・・パーフルオロアルキレン基:
-C2g
(式中、gは上記と同じである。)
・・パーフルオロオキシアルキル基:
Figure 2023120623000034
(式中、fは2~200、好ましくは2~100の整数であり、hは1~3の整数である。)
・・パーフルオロオキシアルキレン基:
Figure 2023120623000035
(式中、i及びjは1以上の整数、i+jの平均は2~200、好ましくは2~100である。)
-(CFCFO)(CFO)CF
(式中、k及びLはおのおの1以上の整数であり、k+Lの平均は2~200、好ましくは2~100である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とをつなぐ二価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基又はそれらの組み合わせ、或いはこれらの基にエーテル結合、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよく、例えば、
-CHCH-,
-CHCHCH-,
-CHCHCHOCH-,
-CHCHCH-NH-CO-,
-CHCHCH-N(Ph)-CO-,
-CHCHCH-N(CH)-CO-,
-CHCHCH-O-CO-,
-Ph’-N(CH)-CO-
(Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基を表す)
等の炭素原子数2~12のものが挙げられる。
<フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物D>
付加反応型オルガノポリシロキサン組成物(比重1.0)18.5質量%、鱗片状窒化ホウ素(平均粒径30μm、アスペクト比30、比重2.2)64.9質量%、トルエン(比重0.9)16.7質量%を混合してフィラー含有オルガノポリシロキサン組成物D(比重1.5)を得た。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向21列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Maで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体1を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート1を得た。熱伝導性シート1の表面SEM画像を図5に、またX線回析結果を図6に示す。
<実施例4>
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aをフッ素で表面処理されたフィルムセパレーター上にベーカー式フィルムアプリケーターで塗布し、80℃×10分間乾燥後、500~550μm厚のフィラー含有シート状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有シート状樹脂組成物Aを幅32.5mm、長さ51.5mmに切り分け、上記成型工程に用いる金型の下型に80枚重ねて充填し、上記成型工程に用いる上型をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Maで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体4を得た。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向12列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Maで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体6を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート6を得た。熱伝導性シート6の表面SEM画像を図15に、またX線回析結果を図16に示す。
上記フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物Aを充填した充填工程に用いる金型をシャープ社製卓上型超音波洗浄機UT-106にて水温25℃、周波数37KHz、出力100%の条件で30分間振動させた後、80℃×2分間乾燥し、フィラー含有紐状樹脂組成物Aを得た。更に上記フィラー含有紐状樹脂組成物Aを上記成型工程に用いる金型の下型2にY軸方向に並べてX軸方向9列、Z軸方向40段となるように充填し、上記成型工程に用いる上型1をZ軸方向に油圧プレス機にて1.0Maで加圧した状態で、120℃×30間加熱し、フィラー含有成型体9を得た。上記フィラー含有成型体である硬化物をX-Z平面に対して平行にカッターナイフでスライスし、厚さ2mmの熱伝導性シート9を得た。熱伝導性シート9の表面SEM画像を図21に、またX線回析結果を図22に示す。

Claims (9)

  1. 高分子マトリクス(A)中に炭素及び窒化ホウ素のいずれか1種類以上を含む熱伝導性フィラー(B)を含有する熱伝導性シートであって、前記熱伝導性シートの厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以上であり、かつ、前記熱伝導性フィラーの長軸方向が、前記熱伝導性シートの厚さ方向に配向している配向度が1.0以上のものであることを特徴とする熱伝導性シート。
  2. 前記熱伝導性シートの比重が2.0未満であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 前記熱伝導性シート中に含まれる前記(B)成分の割合が50~90質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性シート。
  4. 前記(A)成分が、オルガノポリシロキサン、ポリウレタン、ポリアクリレート、パーフルオロポリエーテルエラストマー、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる1種以上を含む硬化性ポリマー組成物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性シート。
  5. 前記(B)成分の形状が、繊維状、鱗片状、板状、扁平状、針状又はウィスカーであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性シート。
  6. 前記(B)成分のアスペクト比が2以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱伝導性シート。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の前記熱伝導性シートの製造方法であって、
    (I-1)前記高分子マトリクス(A)と、前記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
    (I-2)前記フィラー含有樹脂組成物を金型に充填する充填工程と、
    (I-3)前記金型を超音波で振動させ脱泡及びフィラーを整列させる振動工程と、
    (I-4)加熱により前記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
    (I-5)前記フィラー含有紐状半硬化樹脂組成物を長手方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
    (I-6)前記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の前記熱伝導性シートの製造方法であって、
    (II-1)前記高分子マトリクス(A)と、前記熱伝導性フィラー(B)を含むフィラー含有樹脂組成物を準備する準備工程と、
    (II-2)前記フィラー含有樹脂組成物をフィルムセパレーター上に均一厚みになるように一方向に塗布を行う塗布工程と
    (II-3)加熱により前記フィラー含有樹脂組成物からフィラー含有シート状半硬化樹脂組成物を得る加熱工程と、
    (II-4)前記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物をフィルムセパレーターから剥離し、成型工程で用いる金型の大きさに合わせて断裁を行う断裁工程と、
    (II-5)前記フィラー含有シート状半硬化樹脂組成物の断裁物を塗布方向に並べて加温、加圧し、フィラー含有成型体を得る成型工程と、
    (II-6)前記フィラー含有成型体をスライスして熱伝導性シートを得るスライス工程と、
    を含むことを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  9. 更に、前記フィラー含有樹脂組成物として有機溶剤を含むものを用いることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の熱伝導性シートの製造方法。
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