JP2023110636A - 低誘電基板材 - Google Patents

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【課題】加工性に優れる低誘電基板材を提供すること。【解決手段】低誘電基板材1は、金属層2と、厚み方向における金属層2の一方面に配置される多孔質樹脂層3とを備える。多孔質樹脂層3は、多孔質樹脂層3を厚み方向に4等分したときに、金属層2から離れる方向に向かって順に位置する第1領域31と、第2領域32と、第3領域33と、第4領域34とを含む。第1領域31は、樹脂マトリクス35中に互いに独立する複数の閉セル30を有し、第1領域31における複数の閉セル30のアスペクト比ARの平均は、0.80以上、1.20以下である。アスペクト比ARの平均は、断面視において、厚み方向における閉セル30の長さL2に対する、厚み方向に直交する方向における閉セル30の長さL1の比(L1/L2)である。【選択図】 図1

Description

本発明は、低誘電基板材に関する。
金属層と、厚み方向における金属層の一方面に配置される多孔質樹脂層とを備える低誘電基板材が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
低誘電基板材は、例えば、フレキシブル配線板などに加工される。
特開2019-123851号公報
低誘電基板材には、優れた加工性が要求される。しかし、特許文献1の低誘電基板材では、上記した物性を要求するには、限界がある。
本発明は、加工性に優れる低誘電基板材を提供する。
本発明(1)は、金属層と、厚み方向における前記金属層の一方面に配置される多孔質樹脂層とを備え、前記多孔質樹脂層は、前記多孔質樹脂層を厚み方向に4等分したときに、前記金属層から離れる方向に向かって順に位置する第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域とを含み、少なくとも前記第1領域は、樹脂マトリクス中に互いに独立する複数の閉セルを有し、前記第1領域における複数の前記閉セルのアスペクト比の平均であって、断面視において、厚み方向における前記閉セルの長さL2に対する、前記厚み方向に直交する方向における前記閉セルの長さL1の比であるアスペクト比(L1/L2)の平均は、0.80以上、1.20以下である、低誘電基板材を含む。
本発明の低誘電基板材は、加工性に優れる。
図1は、本発明の低誘電基板材の一実施形態の断面図である。 低誘電基板材の変形例の断面図である。 実施例1の低誘電基板材のSEM写真の画像処理図である。 実施例2の低誘電基板材のSEM写真の画像処理図である。 比較例1の低誘電基板材のSEM写真の画像処理図である。 比較例2の低誘電基板材のSEM写真の画像処理図である。
1. 低誘電基板材1
本発明の低誘電基板材の一実施形態を、図1を参照して説明する。
低誘電基板材1は、厚みを有する。低誘電基板材1は、面方向に延びる。面方向は、厚み方向に直交する。低誘電基板材1は、板形状を有する。低誘電基板材1は、可撓性を有する。低誘電基板材1の厚みは、特に限定されない。低誘電基板材1の厚みは、例えば、5μm以上、例えば、2,000μm以下である。
1.1 低誘電基板材1の層構成
低誘電基板材1は、金属層2と、多孔質樹脂層3と、スキン層4とを、厚み方向の一方側に向かって順に備える。すなわち、低誘電基板材1は、金属層2と、厚み方向における金属層2の一方面に配置される多孔質樹脂層3と、厚み方向における多孔質樹脂層3の一方面に配置されるスキン層4とを備える。本実施形態では、好ましくは、低誘電基板材1は、金属層2と、多孔質樹脂層3と、スキン層4とのみを備える。
1.2 金属層2
金属層2は、厚み方向における低誘電基板材1の他端部に配置される。金属層2は、厚み方向における低誘電基板材1の他方面を形成する。金属層2は、面方向に延びる。具体的には、金属層2は、金属フィルムである。金属としては、例えば、銅、鉄、銀、金、アルミニウム、ニッケル、および、それらの合金(ステンレス、青銅)が挙げられる。金属として、好ましくは、銅が挙げられる。金属層2の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
1.3 多孔質樹脂層3
多孔質樹脂層3は、厚み方向における金属層2の一方面に接触する。多孔質樹脂層3は、厚みを有する。多孔質樹脂層3は、面方向に延びる。多孔質樹脂層3は、厚み方向全体にわたって、樹脂マトリクス中に互いに独立する複数の閉セル30を有する。閉セル30は、樹脂マトリクスによって完全に覆われており、隣接するセルに連通しない。また、閉セル30は、その内部が、金属層2またはスキン層4に面される開放セルではない。
多孔質樹脂層3は、多孔質樹脂層3を厚み方向に4等分したときに、第1領域31と、第2領域32と、第3領域33と、第4領域34とを、金属層2から離れる方向に向かって順に含む。多孔質樹脂層3において、第1領域31と、第2領域32と、第3領域33と、第4領域34とは、厚み方向の一方側に順に向かって位置する。
1.3.1 第1領域31
第1領域31は、厚み方向において多孔質樹脂層3の最他方側に位置する。第1領域31は、厚み方向における金属層2の一方面に接触する。第1領域31は、上記した閉セル30を有する。
第1領域31における複数の閉セル30のアスペクト比の平均は、0.80以上、1.20以下である。
第1領域における複数の閉セル30のアスペクト比ARの平均が0.80未満、または、1.20超過であれば、低誘電基板材1の加工性が低下する。加工性は、完全硬化前(後述)の前駆体フィルムを加熱により硬化すること、さらには、低誘電基板材1をプレスすることによっても、物性が変動しにくい性質を含む。物性は、多孔質樹脂層3の厚み、誘電率および/または誘電正接を含む。
上記したアスペクト比ARは、多孔質樹脂層3を断面で見たときに、厚み方向における閉セル30の長さL2に対する、直交方向における閉セルの長さL1の比である。直交方向は、厚み方向に直交しており、図1における左右方向に相当する。
第1領域における複数の閉セル30のアスペクト比ARの平均は、好ましくは、0.85以上、より好ましくは、0.90以上、さらに好ましくは、0.95以上であり、また、好ましくは、1.15以下、より好ましくは、1.10以下、さらに好ましくは、1.05以下である。第1領域における複数の閉セル30のアスペクト比ARの平均が上記した上限以下、または、上記した下限以上であれば、低誘電基板材1の加工性をより一層向上できる。
閉セル30のセルの長手方向長さの平均は、例えば、1μm以上、100μm以下である。なお、閉セル30のセルの長手方向長さの平均は、アスペクト比ARの平均が1であれば、セル径に相当する。
なお、第1領域31は、閉セル30の他に、上記した開放セルを含んでもよい。
1.3.2 第2領域32~第4領域34
第2領域32と第3領域33と第4領域34とのそれぞれは、上記した第1領域31と同様の構成を有する。ただし、第2領域32と第3領域33と第4領域34とのそれぞれにおける複数の閉セル30のアスペクト比ARの平均は、例えば、0.80以上、1.20以下である。
後述する製造方法の観点から、第1領域31~第4領域34中、第1領域31のアスペクト比ARの平均が1.0から離れやすい傾向にある。しかし、本発明のように、第1領域31~第4領域34において、第1領域31についてアスペクト比ARの平均が0.80以上、1.20以下であることによって、第2領域32~第4領域34のそれぞれにおけるアスペクト比ARの平均も、自ずと0.80以上、1.20以下となる。
また、第2領域32~第4領域34における閉セル30のセルの長手方向長さの平均は、例えば、第1領域31のそれと同一またそれよりも大きい。
1.3.3 多孔質樹脂層3の材料
多孔質樹脂層3の材料は、樹脂である。樹脂は、限定されない。具体的には、樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレー0.ト樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む)、および、液晶ポリマー(LCP)が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。上記した樹脂のうち、好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド樹脂の物性および製造方法を含む詳細は、例えば、WO2018/186486号、および、特開2020-172667号公報に記載されている。なお、ポリイミド樹脂は、単にポリイミドと称呼することがある。
1.3.4 多孔質樹脂層3における他の物性
多孔質樹脂層3を、450℃、1時間、加熱した後の質量減少率は、例えば、3.0質量%以下、好ましくは、2.0質量%以下、より好ましくは、1.8質量%以下であり、また、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1.5質量%以上である。
多孔質樹脂層3の質量減少率が上記した上限以下であれば、加熱および/またはプレスにおける多孔質樹脂層3の誘電率および/または誘電正接の変動を抑制できる。多孔質樹脂層3の質量減少率の測定方法は、後の実施例で記載される。
多孔質樹脂層3がポリイミドからなる場合には、多孔質樹脂層3のイミド化率は、例えば、0.920以上、好ましくは、0.950以上である。
多孔質樹脂層3のイミド化率が上記した下限以上であれば、熱加工時における多孔質樹脂層3の誘電率および/または誘電正接の変動を抑制できる。多孔質樹脂層3のイミド化率の測定方法は、後の実施例で記載される。
多孔質樹脂層3の空孔率は、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上、より好ましくは、70%以上である。なお、多孔質樹脂層3の空孔率は、例えば、100%未満、さらには、99%以下である。多孔質樹脂層3がポリイミドからなる場合には、空孔率は下記式から求められる。
空孔率(%)=(1-多孔質樹脂層3の比重/ポリイミドの比重)×100
多孔質樹脂層3の周波数10GHzにおける誘電率は、例えば、1.63以下、また、例えば、1.55以上である。多孔質樹脂層3の誘電率は、共振器法により、測定される。
多孔質樹脂層3の周波数10GHzにおける誘電正接は、例えば、0.006以下、好ましくは、0.005以下、より好ましくは、0.004以下、さらに好ましくは、0.003以下であり、また、例えば、0.002以上である。多孔質樹脂層3の誘電正接は、共振器法により、測定される。
多孔質樹脂層3の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、1,000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
1.4 スキン層4
スキン層4は、厚み方向における低誘電基板材1の一端部に配置される。スキン層4は、厚み方向における低誘電基板材1の一方面を形成する。スキン層4は、面方向に延びる。スキン層4は、厚み方向における多孔質樹脂層3の一方面に接触する。例えば、スキン層4は、多孔質樹脂層3の樹脂と同一の樹脂からなる緻密膜である。スキン層4の厚みは、例えば、1μm以上、また、例えば、50μm以下である。スキン層4の空孔率は、0.1%以下、さらには、0%である。
1.5 低誘電基板材1の製造方法
低誘電基板材1の製造方法を説明する。
まず、金属層2を準備する。
次いで、上記した樹脂の前駆体と、多孔化剤と、核剤と、溶媒とを含むワニスを調製し、次いで、ワニスを、厚み方向における金属層2の一方面に塗布して塗膜を形成する。ワニスにおける多孔化剤、核剤および溶媒の、種類および配合割合等は、例えば、WO2018/186486号に記載されている。
樹脂がポリイミドである場合を説明する。ポリイミドの前駆体は、例えば、ジアミン成分と、酸二無水物成分との反応生成物である。ジアミン成分としては、例えば、芳香族ジアミン、および、脂肪族ジアミンが挙げられる。ジアミン成分として、好ましくは、上記した上限以下の引張弾性率を得る観点から、芳香族ジアミンが挙げられる。
また、ジアミン成分と、酸二無水物成分とは、それぞれ、単独使用または併用することができる。具体的には、ジアミン成分として、好ましくは、芳香族ジアミンの単独使用が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、第1ジアミン、第2ジアミン、および、第3ジアミンが挙げられる。
第1ジアミンは、単数の芳香環を含有する。第1ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジメチルベンゼンジアミン、および、エチルメチルベンゼンジアミンが挙げられる。好ましくは、フェニレンジアミンが挙げられる。フェニレンジアミンとしては、例えば、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、および、p-フェニレンジアミンが挙げられる。フェニレンジアミンとして、好ましくは、p-フェニレンジアミンが挙げられる。p-フェニレンジアミンは、PDAと略称される場合がある。
第2ジアミンは、複数の芳香環と、それらの間に配置されるエーテル結合とを含有する。第2ジアミンとしては、例えば、オキシジアニリンが挙げられる。オキシジアニリンとしては、例えば、3,4’-オキシジアニリン、および、4,4’-オキシジアニリンが挙げられる。好ましくは、4,4’-オキシジアニリン(別名:4,4-ジアミノジフェニルエーテル)が挙げられる。4,4’-オキシジアニリンは、ODAと略称される場合がある。
第3ジアミンは、複数の芳香環と、それらの間に配置されるエステル結合とを含有する。第3ジアミンとしては、例えば、アミノフェニルアミノベンゾエートが挙げられ、好ましくは、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエートが挙げられる。4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエートは、APABと略称される場合がある。
なお、芳香族ジアミンとして、第1ジアミンから第3ジアミンの他に、例えば、4,4’-メチレンジアニリン、4,4’-ジメチレンジアニリン、4,4’-トリメチレンジアニリン、および、ビス(4-アミノフェニル)スルホンも挙げられる。
上記したジアミン成分は、単独使用でき、また、それらを併用できる。ジアミン成分として、好ましくは、第1ジアミン、第2ジアミン、および、第3ジアミンの組合せが挙げられる。より好ましくは、p-フェニレンジアミン(PDA)、4,4’-オキシジアニリン(ODA)、および、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート(APAB)の組合せが挙げられる。
ジアミン成分における第1ジアミンのモル分率は、例えば、10モル%以上、好ましくは、20モル%以上であり、また、例えば、70モル%以下、好ましくは、65モル%以下である。ジアミン成分における第2ジアミンのモル分率は、例えば、5モル%以上、好ましくは、10モル%以上であり、また、例えば、40モル%以下、好ましくは、30モル%以下である。ジアミン成分における第3ジアミンのモル分率は、例えば、5モル%以上、例えば、10モル%以上であり、また、例えば、40モル%以下、好ましくは、30モル%以下である。
また、第1ジアミンと第2ジアミンとの合計100モル部に対する第3ジアミンのモル部は、例えば、5モル部以上、好ましくは、10モル部以上、より好ましくは、20モル部以上であり、また、例えば、100モル部以下、好ましくは、50モル部以下、より好ましくは、30モル部以下である。
酸二無水物成分は、限定されない。酸二無水物成分は、例えば、芳香環を含む酸二無水物を含有する。芳香環を含む酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、および、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらは、単独使用または併用できる。芳香環を含む酸二無水物として、好ましくは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’-3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および、3,3’,4,4’-ジフェニルエ-テルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物として、好ましくは、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。なお、3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、BPDAと略称される場合がある。
ジアミン成分と酸二無水物成分との割合は、ジアミン成分のアミノ基(-NH)のモル量と、酸二無水物成分の酸無水物基(-CO-O-CO-)のモル量が、例えば、等量となるように、調整される。
ポリイミドの前駆体を調製するには、上記したジアミン成分と、上記した酸二無水物成分と、溶媒とを配合して、ワニスを調製し、かかるワニスを加熱して、前駆体溶液を調製する。続いて、前駆体溶液に核剤および多孔化剤を配合して、多孔前駆体溶液を調製する。
その後、多孔前駆体溶液を、厚み方向における金属層2の他方面に塗布して、塗膜を形成する。
その後、塗膜を加熱により乾燥することにより、前駆体フィルムを形成する。上記した加熱によって、溶媒の除去が進行しつつ、核剤を核とした、ポリイミド前駆体と多孔化剤との相分離構造を有する前駆体フィルムが調製される。また、塗膜の加熱によって、厚み方向における前駆体フィルムの一方面にスキン層4が形成される。加熱時間は、例えば、160℃以下である。加熱時間は、例えば、1000秒以下である。
その後、例えば、超臨界二酸化炭素を溶媒として用いる超臨界抽出法により、多孔化剤を前駆体フィルムから抽出する(引き抜く、あるいは、除去する)。これによって、硬化前の多孔質樹脂層3が形成される。
その後、前駆体フィルムを加熱により硬化させる。つまり、前駆体フィルムのイミド化を進行させる。温度は、例えば、340℃以上、好ましくは、350℃以上、より好ましくは、360℃以上であり、また、例えば、410℃以下、好ましくは、390℃以下、より好ましくは、380℃以下、さらに好ましくは、370℃以下である。温度が上記した下限以上であれば、多孔質樹脂層3の質量減少率を低減して、イミド化率を適度に高めながら、上記したアスペクト比ARの平均を有する多孔質樹脂層3を形成できる。温度が上記した上限以下であれば、上記したアスペクト比ARの平均を有する多孔質樹脂層3を形成できる。
これによって、硬化後のポリイミドからなる多孔質樹脂層3を形成する。
以上によって、低誘電基板材1を製造する。
1.6 低誘電基板材1の用途
低誘電基板材1の用途は、限定されない。低誘電基板材1は、例えば、フレキシブル配線板に加工される。その際、低誘電基板材1は、例えば、厚み方向にプレスされる。
また、プレスの前または後には、金属層2は、例えば、エッチングされて、パターンニングされる。
2. 一実施形態の作用効果
この低誘電基板材1では、第1領域31における複数の閉セル30のアスペクト比の平均は、0.80以上、1.20以下であるので、加工性に優れる。
具体的には、低誘電基板材1の加工時のプレス前後における多孔質樹脂層3の厚みの変動を抑制でき、さらには、多孔質樹脂層3の誘電率および/または誘電正接の変動を抑制できる。
3.変形例
以下の変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
3.1 第1変形例
加熱(硬化)前の前駆体フィルムを多孔質樹脂層3として取り扱うこともできる。
上記した前駆体フィルムを多孔質樹脂層3として備える低誘電基板材1は、その後の加熱(硬化)による厚みの変動を抑制できる。
3.2 第2変形例
第1変形例では、図2に示すように、低誘電基板材1は、スキン層4を備えず、別の金属層5をさらに備えることができる。別の金属層5は、厚み方向における低誘電基板材1の他端部に配置される。
多孔質樹脂層3において、別の金属層5は、多孔質樹脂層3の一方面に配置される。具体的には、別の金属層5は、多孔質樹脂層3の一方面に接触する。別の金属層5は、面方向に延びる。別の金属層5は、金属層2と同一の構成を有する。
4等分された領域のうちの2つの領域であって、金属層2に隣接する領域、および、別の金属層5に隣接する領域(仮想線)のそれぞれのアスペクト比ARの平均を算出し、それらのうち低い方の平均を、第1領域31のアスペクト比ARの平均と定義できる。図2中、金属層2に隣接する領域が第1領域31とされる場合を括弧外に記載する。図2中、第2金属層4に隣接する領域が第1領域31とされる場合を括弧内に記載する。
3.3 他の変形例
図示しないが、低誘電基板材1は、金属層2と、多孔質樹脂層3とを備え、スキン層4および別の金属層5を備えない。
図示しないが、低誘電基板材1は、金属層2と、多孔質樹脂層3と、スキン層4と、別の金属層5とを備える。
図示しないが、スキン層4は、厚み方向における多孔質樹脂層3の一方面および他方面に配置されてもよい。
図示しないが、接着剤層が、厚み方向における多孔質樹脂層3の一方面および他方面に配置されてもよい。
図示しないが、スキン層4は、厚み方向における多孔質樹脂層3の一方面または他方面に配置されてもよい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1. 低誘電基板材1の製造
実施例1
p-フェニレンジアミン(PDA)(第1ジアミン)0.66モルと、4,4’-オキシジアニリン(ODA)(第2ジアミン)0.22モルと、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート(APAB)(第3ジアミン)0.22モルとをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)で溶解し、ジアミン成分溶液を調製した。続いて、ジアミン成分溶液に3,3’-4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)1.00モルを加え、80℃にて攪拌した。攪拌を止め、放冷して、ポリイミド前駆体溶液を調製した。ポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は、13質量%であった。
ポリイミド前駆体溶液100質量部に対して、多孔化剤としての重量平均分子量が400のポリオキシエチレンジメチルエーテル(日油製 グレード:MM400)150質量部と、核剤としての粒径1μm以下のPTFE粉末3質量部とを添加し、それらを攪拌して透明な均一溶液を得た。得られた溶液にイミド化触媒として2-メチルイミダゾール4質量部を添加し、ワニスを調製した。ワニスを銅フィルムからなる金属層2へ塗布して、塗膜を形成し、120~160℃で540秒間、加熱して乾燥することによって、NMPを除去した。これにより、厚み50μm程度のポリイミド前駆体フィルムを、厚み方向における金属層2の一方面に作製した。
その後、超臨界二酸化炭素を溶媒として用いる超臨界抽出法により、多孔化剤の抽出除去、残存NMPの相分離、および、空孔(閉セル)形成を促進した。これにより、空孔を有する前駆体フィルムを得た。続いて、前駆体フィルムを360℃で加熱して、イミド化した。これによって、低誘電基板材1を得た。
実施例2、比較例1、および、比較例2
実施例1と同様にして、低誘電基板材1を得た。但し、イミド化時の加熱温度は、表1に記載の通り、変更した。
2. 評価
各実施例および各比較例の低誘電基板材1に関し、下記の事項を評価した。その結果を表1に記載する。
2.1 多孔質樹脂層3の質量減少率
多孔質樹脂層3 2mgを採取して、サンプルを得た。サンプルを450℃、1時間、加熱した。加熱後のサンプル質量減少率を下記式に基づいて求めた。
[加熱前のサンプルの質量-加熱後のサンプルの質量]/(加熱後のサンプルの質量)×100
2.2 多孔質樹脂層3のイミド化率
下記の装置および方法によって、赤外吸収分光法(IR)により得られるピークの強度比として、多孔質樹脂層3のイミド化率を算出した。
装置:Nicolet IR-200
測定条件:ATR , 積算回数128回 , 分解能 2cm-1
イミド化強度比:1773 cm-1、および、3064 cm-1の強度比から、を測定した。続いて、比較例2の多孔質樹脂層3(420℃加熱品)を完全硬化品とし、比較例2のイミド化強度比を基準(すなわち、1)として、実施例1、実施例2および比較例1のそれぞれのイミド率を算出した。
2.3 第1領域31における閉セル30のアスペクト比ARの平均
下記の装置および条件によって、低誘電基板材1の断面SEM観察を実施して、SEM画像を取得した。SEM画像において、第1領域31において観察されるすべて閉セル30のアスペクト比ARを求め、それらの平均を求めた。
SEM装置:SU8020、日立社製
測定条件:加速電圧2.0 kV
観察倍率:×750
2.4 多孔質樹脂層3の厚み
多孔質樹脂層3の厚みを、厚み計(HKT-1200、フジワーク社製)を用いて測定した。
2.5 多孔質樹脂層3の厚みの変動
低誘電基板材1を、450℃で、1時間加熱した。加熱後の低誘電基板材1の厚みを求めた。そして、加熱後の低誘電基板材1の厚みの変動を求めた。
続いて、加熱後の低誘電基板材1を、5MPaで、5分間プレスした。プレス後の低誘電基板材1の厚みを求めた。そして、プレス後の低誘電基板材1の厚みの変動を求めた。
2.6 多孔質樹脂層3の誘電率および誘電正接
10GHzにおける多孔質樹脂層3の誘電率および誘電正接のそれぞれを、下記の装置および方法により、求めた。
装置:PNAネットワークアナライザー(アジレント・テクノロジー社製)
Split Post 誘電体共振器(SPDR)法により、求めた。
1 低誘電基板材
2 金属層
3 多孔質樹脂層
5 金属層

Claims (1)

  1. 金属層と、厚み方向における前記金属層の一方面に配置される多孔質樹脂層とを備え、
    前記多孔質樹脂層は、前記多孔質樹脂層を厚み方向に4等分したときに、前記金属層から離れる方向に向かって順に位置する第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域とを含み、
    少なくとも前記第1領域は、樹脂マトリクス中に互いに独立する複数の閉セルを有し、
    前記第1領域における複数の前記閉セルのアスペクト比であって、断面視において、厚み方向における前記閉セルの長さL2に対する、前記厚み方向に直交する方向における前記閉セルの長さL1の比であるアスペクト比(L1/L2)の平均は、0.80以上、1.20以下である、低誘電基板材。
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