JP2023102917A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転部材によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに向かって円滑に流すことができる動力伝達装置を提供すること。【解決手段】変速機1の変速機ケース3は、底壁4Uと、底壁4Uから上方に延びる隔壁4Wとを有し、底部に潤滑油Oが貯留される変速機ケース3と、左端部11bが隔壁4Wに回転自在に支持されたデフケース11を有し、変速機ケース3の底部に貯留される潤滑油Oを掻き上げるファイナルドリブンギヤ12と、隔壁4Wに連続するように配置され、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンク19とを備えており、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられる潤滑油の流れに対してキャッチタンク19の上流側に位置し、隔壁4Wに対して連続するように延びる閉塞板30をキャッチタンク19と一体に設けている。【選択図】図3
Description
本発明は、動力伝達装置に関する。
従来、動力伝達装置の潤滑装置として、特許文献1に記載される動力分配装置の潤滑装置が知られている。
この動力分配装置の潤滑装置は、ケーシングの内部に、動力分配装置によって跳ね上げられた潤滑油を収集する収集樋が設けられている。
また、動力分配装置の潤滑装置は、第1ギヤと第2ギヤとを連結するチェーンの収集部を区画してチェーンの駆動により流動する潤滑油を整流する第1整流壁部を有する整流板を備えている。
整流板はブラケットを利用してケーシングに固定されており、このブラケットには収集樋が一体に取付けられている。これにより、整流板と収集樋を共通のブラケットにて固定することができ、部品点数を少なくできる。
しかしながら、従来の動力分配装置の潤滑装置は、整流板と収集樋が別々に機能を発揮するだけで関連付けされておらず、流れる潤滑油に関し、整流板が収集樋に対して効果的に働いていない。
具体的には、整流板が潤滑油を収集樋に円滑に流す機能を有していない。また、近年では、稼働時に循環する潤滑油の量を減らして撹拌抵抗を減少させる目的で潤滑油を貯留するキャッチタンクを設ける動力伝達装置が増えており、稼働開始時の早期にキャッチタンクへ潤滑油を送り込むことが望まれている。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、回転部材によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに向かって円滑に流すことができる動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、底壁と、前記底壁から上方に延びる縦壁とを有し、底部に潤滑油が貯留されるケース部材と、一端部が前記縦壁に回転自在に支持された回転軸を有し、前記底部に貯留される潤滑油を掻き上げる回転部材と、前記縦壁に連続するように配置され、前記回転部材によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンクとを備えた動力伝達装置であって、前記回転部材によって掻き上げられる潤滑油の流れに対して前記キャッチタンクの上流側に位置し、前記縦壁に対して連続するように延びる整流部材を前記キャッチタンクと一体に設けたことを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、回転部材によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに向かって円滑に流し、早期にキャッチタンクを潤滑油で満たして撹拌抵抗を減少させることができる。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達装置は、底壁と、底壁から上方に延びる縦壁とを有し、底部に潤滑油が貯留されるケース部材と、一端部が縦壁に回転自在に支持された回転軸を有し、底部に貯留される潤滑油を掻き上げる回転部材と、縦壁に連続するように配置され、回転部材によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンクとを備えた動力伝達装置であって、回転部材によって掻き上げられる潤滑油の流れに対してキャッチタンクの上流側に位置し、縦壁に対して連続するように延びる整流部材をキャッチタンクと一体に設けている。
これにより、本発明の一実施の形態に係る動力伝達装置は、回転部材によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに向かって円滑に流すことができ、早期にキャッチタンクを潤滑油で満たして撹拌抵抗を減少させることができる。
以下、本発明の一実施例に係る動力伝達装置について、図面を用いて説明する。
図1から図7は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を示す図である。図1から図7において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の動力伝達装置を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
図1から図7は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を示す図である。図1から図7において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の動力伝達装置を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
まず、構成を説明する。
図1において、車両には変速機1が設置されており、変速機1にはエンジン2が連結されている。変速機1とエンジン2は、車両の図示しないエンジンルームに設置されている。
図1において、車両には変速機1が設置されており、変速機1にはエンジン2が連結されている。変速機1とエンジン2は、車両の図示しないエンジンルームに設置されている。
変速機1は、変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、左側を構成するレフトケース4および右側を構成するライトケース5を有する。レフトケース4とライトケース5は、ボルト41によって連結されている。この締結により、ライトケース5は、その隔壁5Wおよび膨出壁部5Aにてレフトケース4の右端部の開口を閉じている。
ライトケース5の右端部には図示しないボルトによってエンジン2が連結されている。本実施例の変速機1は、動力伝達装置を構成し、変速機ケース3は、ケース部材を構成する。
図2に示すように、レフトケース4の内部には変速機構6が設置されている。変速機構6は車幅方向に延びる入力軸7を有し、入力軸7はレフトケース4とライトケース5に架設されており、ライトケース5を貫通する入力軸7にはエンジン2の動力が伝達される。
変速機構6は、入力軸7と平行に延びてレフトケース4とライトケース5に架設されるカウンタ軸8およびリバース軸9を有する。入力軸7には1速入力ギヤ7A、リバース入力ギヤ7R、2速入力ギヤ7B、3速入力ギヤ7C、4速入力ギヤ7D、5速入力ギヤ7Eおよび6速入力ギヤ7Fが設けられている。
1速入力ギヤ7A、リバース入力ギヤ7Rおよび2速入力ギヤ7Bは、入力軸7と固定されて入力軸7と一体で回転し、入力ギヤ7C、7D、7E、7Fは、入力軸7と相対回転自在となっている。
カウンタ軸8には1速カウンタギヤ8A、2速カウンタギヤ8B、3速カウンタギヤ8C、4速カウンタギヤ8D、5速カウンタギヤ8E、6速カウンタギヤ8F、リバースカウンタギヤ8Rおよびファイナルドライブギヤ8Gが設けられている。
リバースカウンタギヤ8R、ファイナルドライブギヤ8Gおよび3速カウンタギヤ8Cから6速カウンタギヤ8Fは、カウンタ軸8に固定されてカウンタ軸8と一体で回転し、1速カウンタギヤ8Aおよび2速カウンタギヤ8Bは、カウンタ軸8と相対回転自在となっている。
カウンタギヤ8Aからカウンタギヤ8Fは、入力ギヤ7Aから入力ギヤ7Fに噛み合っており、ファイナルドライブギヤ8Gは、ディファレンシャル装置10のファイナルドリブンギヤ12に噛み合っている。
リバース軸9にリバースアイドラギヤ9A、9Bが設けられている。リバースアイドラギヤ9Aは、リバース軸9に固定されてリバース軸9と一体で回転し、リバースアイドラギヤ9Bは、リバース軸9と相対回転自在となっている。
リバースアイドラギヤ9Aは、リバース入力ギヤ7Rに噛み合っており、リバースアイドラギヤ9Bは、リバースカウンタギヤ8Rに噛み合っている。
入力軸7、カウンタ軸8およびリバース軸9にはそれぞれ変速用の同期装置31A、31B、31C、31Dが設置されている。
同期装置31Aは、3速入力ギヤ7Cと4速入力ギヤ7Dの間に設置されている。同期装置31Aは、図示しない内周スプラインを有し、入力軸7の軸方向に移動自在に設けられたスリーブ31aと、スリーブ31aの内方に位置して入力軸7と一体回転自在に設けられ、スリーブ31aの内周スプラインに嵌合する外周スプラインを有する図示しないハブとを有する。
3速入力ギヤ7Cには外周スプラインが形成されたドグ7cが設けられており、ドグ7cは、3速入力ギヤ7Cと一体で回転する。4速入力ギヤ7Dには外周スプラインが形成されたドグ7dが設けられており、ドグ7dは、4速入力ギヤ7Dと一体で回転する。
スリーブ31aにはシフト機構の3速-4速用のシフトフォーク34A(図3参照)が嵌合されており、3速-4速用のシフトフォーク34Aによってスリーブ31aが3速入力ギヤ7C側に移動されると、スリーブ31aの内周スプラインがドグ7cの外周スプラインに嵌合する。
これにより、3速入力ギヤ7Cがスリーブ31aを介して入力軸7に連結され、入力軸7の回転が3速入力ギヤ7Cから3速カウンタギヤ8Cを介してカウンタ軸8に伝達される。
これにより、エンジン2の動力は、入力軸7、3速入力ギヤ7C、3速カウンタギヤ8Cからカウンタ軸8に伝達された後、ファイナルドライブギヤ8Gからファイナルドリブンギヤ12に伝達される。
ディファレンシャル装置10に伝達されたエンジン2の動力は、左右の図示しないドライブシャフトを介して図示しない左右の駆動前輪に伝達される。
同期装置31B、31C、31Dは、同期装置31Aと同様の構成と機能を有しており、詳しい説明は省略する。
同期装置31C、31Dのスリーブにはシフトフォーク34B、34C(図3参照)が嵌合されており、同期装置31Bのスリーブには図示しないシフトフォークが嵌合されている。
そして、これらシフトフォーク34A、34B、34Cおよび図示しないシフトフォークは、複数のシフトヨーク群34Yの中でシフトフォーク34A、34B、34Cおよび図示しないシフトフォークに対応するシフトヨークを介してシフトアンドセレクト軸36(図5参照)によって操作される。
図2に示すように、ディファレンシャル装置10は、ライトケース5に設けられた膨出壁部5Aとレフトケース4に収容されている。膨出壁部5Aは、ライトケース5の隔壁5Wから右方に膨出している。
すなわち、ライトケース5の隔壁5Wは、膨出壁部5Aの膨出方向の先端よりもレフトケース4側に位置している。隔壁5Wは、隔壁を構成しており、レフトケース4の内部とライトケース5の内部は、隔壁5Wによって仕切られている。
図2、図3に示すように,レフトケース4は、底壁4Uと、底壁4Uから上方に延びる隔壁4Wと、底壁4Uから上方に延び、かつ、隔壁4Wの前端部から左方に延びる中間壁4Nと、底壁4Uから上方に延び、かつ中間壁4Nの左端部から前方に延びる左側壁4Lと、底壁4Uから上方に延び、かつ、左側壁4Lの前端からライトケース5に向かって延びる前壁4Fとを有する。
図1に示すように、中間壁4Nと隔壁4Wは、リブ42によって連結されており、中間壁4Nと隔壁4Wは、リブ42によって補強され、剛性が高められている。
図3に示すように、レフトケース4は、上壁4Vと後壁4Rを有する。上壁4Vは、前壁4Fの上端部と、隔壁4Wの上端部と、中間壁4Nの上端部と、左側壁4Lの上端部とを連結している。
後壁4Rは、後述するファイナルドリブンギヤ12の外周縁に沿って底壁4Uの後端部4rから上方に湾曲して延びており、上端部が上壁4Vの後端部に連結されている。後壁4Rは、湾曲壁部4Qと傾斜壁部4Sとを有し、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cに沿って左右方向に延びて左端は隔壁4Wと直交するように接続されている。
後壁4Rは、底壁4Uの後端部4rから上方にファイナルドリブンギヤ12の外形に沿って湾曲する湾曲壁部4Qと、この湾曲壁部4Qよりも上方の部分であって、湾曲壁部4Qに連絡された下端部4fから斜め方向に直線状に延びて上端部4gが後壁4Rの後端部に連結される傾斜壁部4Sとを有する。本実施例の左側壁4L、中間壁4Nおよび隔壁4Wは、縦壁を構成し、後壁4Rは、壁部を構成する。
図2に示すように、ディファレンシャル装置10は、デフケース11と、デフケース11の外周部に取付けられ、デフケース11と一体で回転するファイナルドリブンギヤ12とを有する。
デフケース11の内部には図示しない差動歯車機構が収容されている。ディファレンシャル装置10は、ファイナルドライブギヤ8Gからファイナルドリブンギヤ12に動力が伝達されると、デフケース11がファイナルドリブンギヤ12と一体で回転する。
このとき、変速機構6に入力されたエンジン2の動力(回転速度)は、変速機構6で変速され、差動歯車機構から左右の図示しないドライブシャフトおよび図示しない駆動前輪に差動回転可能に伝達される。
ファイナルドリブンギヤ12は、差動歯車機構に対してデフケース11の回転中心軸Cの方向の左端部11b側に設置されている。
そして、ファイナルドリブンギヤ12は、レフトケース4の隔壁4Wに接近するように、レフトケース4の内部空間に入り込んで配置され、回転中心軸Cの延びる方向の位置で、ファイナルドリブンギヤ12の位置と湾曲壁部4Qおよび傾斜壁部4Sとの位置が重なるように配置されている。
ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cとデフケース11の回転中心軸Cは、同一であり、回転中心軸Cの方向は、車幅方向である。また、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cは、各軸7、8、9の軸方向と平行である。
図2に示すように、レフトケース4の隔壁4Wは、回転中心軸Cに略直行する面に形成されており、ファイナルドリブンギヤ12の回転面に略平行で、ファイナルドリブンギヤ12に沿ってファイナルドリブンギヤ12に近接配置されている。
隔壁4Wには軸受17Aが嵌り込む軸受支持部4aが形成されている。デフケース11の左端部11bは、軸受17Aを介して軸受支持部4aに回転自在に支持されている。
また、隔壁4Wには図示しないオイルシールが設けられている。隔壁4Wには左側のドライブシャフトが貫通されるように図示しない開口が形成されており、オイルシールは、開口部と左側のドライブシャフトの間に設置されている。
本実施例のデフケース11は、回転部材の回転軸を構成し、ファイナルドリブンギヤ12は、回転部材を構成する。デフケース11の左端部11bは、回転軸の一端部を構成し、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向は、回転部材の回転中心軸の方向を構成している。
図2に示すように、ライトケース5の膨出壁部5Aには軸受17Bが嵌り込む軸受支持部5aが形成されている。デフケース11の右端部11aは、軸受17Bを介して膨出壁部5Aの軸受支持部5aに回転自在に支持されている。
このようにデフケース11は、レフトケース4とライトケース5に回転自在に支持されており、ファイナルドリブンギヤ12は、デフケース11と一体で回転中心軸Cを中心に回転する。
図3に示すように、レフトケース4とライトケース5の底部、すなわち、変速機ケース3の底部には潤滑油Oが貯留されており、車両が停止した状態で潤滑油Oの油面は、軸受支持部4aの下端部と上端部との間に位置している。
変速機ケース3の内部の上部空間には、レフトケース4とライトケース5の両方の上部空間内に位置するようにキャッチタンク19が設置されている。キャッチタンク19は、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cに対してファイナルドリブンギヤ12から前方(水平方向)に離れ、かつ、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cよりも上方に設置されている。
すなわち、キャッチタンク19は、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cに対して前方斜め上方に設置されている。詳細には、図3に示すように回転中心軸Cの軸方向から見て、キャッチタンク19は、回転中心軸Cよりも前方でファイナルドリブンギヤ12の前端よりも後方に設置されていて、ファイナルドリブンギヤ12の前半部の上方に配置されている。
図6、図7に示すように、キャッチタンク19は、潤滑油貯留部20と、潤滑油貯留部よりも容積が小さい潤滑油導入部21とを有する。
潤滑油貯留部20は、底壁20A、前壁20B、後壁20C、左側壁20Dおよび右側壁20Eを有する。
図2に示すように、底壁20Aは、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向に延びており、潤滑油貯留部20もファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向に延びて十分な容量を確保している。
図6、図7に示すように、前壁20Bは底壁20Aの前端部から上方に延びており、後壁20Cは底壁20Aの後端部から上方に延びている。
左側壁20Dは、底壁20Aの左端部から上方に延びており、前壁20Bの左端部と後壁20Cの左端部とに連絡されている。
右側壁20Eは、底壁20Aの右端部から上方に延びており、前壁20Bの右端部と後壁20Cの右端部とに連絡されている。ただし、右側壁20Eの上端縁は、前壁20Bや後壁20Cの上端縁よりも低く形成されている。
潤滑油導入部21は、底壁21A、前壁21B、後壁21Cおよび右側壁21Dを有する。
底壁21Aは、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向に延びている。図6に示すように、底壁21Aは、底壁20Aよりも上方に位置しており、底壁21Aの左端部が右側壁20Eの上端縁に連絡されている。つまり、底壁21Aは、潤滑油貯留部20の右側壁20Eによって底壁20Aと連絡されている。
前壁21Bは、底壁21Aの前端部から上方に延びており、潤滑油貯留部20の前壁20Bに連続するように形成されている。
後壁21Cは、底壁21Aの後端部から上方に延びており、潤滑油貯留部20の後壁20Cに連続するように形成されている。
右側壁21Dは、底壁21Aの右端部から上方に延びており、前壁21Bの右端部と後壁21Cの右端部とに連絡されている。
キャッチタンク19は、前壁20B、21B、後壁20C、21C、左側壁20Dおよび右側壁21Dの上端部19aによって囲まれる上方部分が開口しており、この開口は潤滑油が導入される開口部19bに形成されている。
なお、上端部19aに関し、後壁21Cは右側壁21Dよりも低く形成され、前壁21Bは右側壁21Dよりも高く形成されており、後方から流れてくる潤滑油を潤滑油導入部21に捕捉し易い形状となっている。
図2に示すように、潤滑油貯留部20の底壁20Aと潤滑油導入部21の底壁21Aは、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向に延びており、前後方向の長さに対して左右方向の長さが大きく形成されている。
キャッチタンク19の潤滑油導入部21は、ファイナルドリブンギヤ12の上方を覆うように左右方向の位置がファイナルドリブンギヤ12の左右方向の位置と重なるように配置されており、潤滑油導入部21は、隔壁4Wに対してライトケース5側に突出している。
ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油は、潤滑油導入部21に導入された後、潤滑油導入部21から潤滑油貯留部20に流れて潤滑油貯留部20に貯留される。
具体的には、図3に示すように、後壁4Rと隔壁4Wの上部は、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油が流れる流路18を構成しており、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油O1をキャッチタンク19に案内する。
そして、後壁4Rと隔壁4Wに沿った流路18を流れる潤滑油は、隔壁4Wに対してライトケース5側に突出して流路18の前方に突出配置されている潤滑油導入部21に導入される。つまり、潤滑油貯留部20は、隔壁4Wに対して左側壁4L側に位置し、中間壁4Nによって後方が覆われているので、潤滑油貯留部20にはファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油および流路18を流れる潤滑油が直接導入されない。
図5に示すように、隔壁4Wには浅溝4uが形成されており、浅溝4uは、隔壁4Wからファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向(左方)に僅かだけ窪んでいる。
レフトケース5は、ダイカストで作られており、部品取付用のボス等の形状と型形状の制約および鋳巣対策の肉盗み等が必要となり、隔壁4Wには凹部4hが形成されている。凹部4hは、浅溝4uからファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向(左方)に深く窪んでいる。
すなわち、浅溝4uは、凹部4hの周囲に形成されて、隔壁4Wの壁面と凹部4hの間に配置されている。更に詳細には、浅溝4uは、凹部4hに対してファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられる潤滑油の流れる方向の上流側に位置している。
凹部4hは、流路18に面した隔壁4Wに形成されている。すなわち、凹部4hは、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられる潤滑油の流れに対してキャッチタンク19の上流側に位置している。
図4、図6に示すように、キャッチタンク19には閉塞板30が設けられている。本実施例の閉塞板30は、整流部材を構成する。閉塞板30は、キャッチタンク19の潤滑油貯留部20の後壁20Cと右側壁20Eから後方に延びる横板部30Aと、後壁20Cの上側の部分から後方に延び、かつ、横板部30Aから上方に延びる縦板部30Bとを有する。
詳細には、閉塞板30は薄板状の形状で、横板部30Aの板面は、右側壁20Eの面に連続するように右側壁20Eの後端縁から後方に延びている。そして、縦板部30Bは、横板部30Aの板面を上方に広げるように横板部30Aの上縁から上方に延びて横板部30Aと後壁20Cを接続している。また、図3に示すように、横板部30Aは、軸方向から見てファイナルドリブンギヤ12と重なる位置に配置されている。
閉塞板30は、凹部4hの流路18側(右側)に配置され、凹部4hの開口を塞いでいる。閉塞板30の板面は隔壁4Wの壁面に連続するように配置されており、閉塞板30の板面が隔壁4Wに連続することにより、隔壁4Wの一部を構成している。
レフトケース4に取付けられた状態で、閉塞板30は、浅溝4uに接触するようにして隔壁4Wに取付けられている。すなわち、閉塞板30は浅溝4uの内部に配置されており、浅溝4uは閉塞板30よりも大きく形成されている。
閉塞板30の板厚は、浅溝4uの深さと同程度の厚さに形成されている。これにより、閉塞板30の板面は隔壁4Wの壁面に連続することになり、閉塞板30の板面は隔壁4Wの壁面とは同一平面を構成している。
図6、図7に示すように、潤滑油貯留部20の左側壁20Dにはピン22が設けられている。ピン22は、左側壁20Dから左側であってレフトケース4の壁に向かって突出しており(図2参照)、左側壁20Dから先端に向かうに従って先細り形状に形成されている。
図2に示すように、中間壁4Nと上壁4Vの連絡部には上下方向に長軸を有する長円形状の止め穴4bが形成されており、ピン22は止め穴4bに嵌合される。
ピン22は、先細り形状に形成されているので、ピン22を止め穴4bに容易に嵌合できるとともに、ピン22を止め穴4bに嵌合したときに、ピン22が止め穴4bの長軸に沿って上下方向に移動自在となる。
図6、図7に示すように、潤滑油貯留部20の前壁20Bには突出片20Jが設けられており、突出片20Jは、前壁20Bの上端部19aから上方に延びている。
突出片20Jには押圧板部23aが設けられており、押圧板部23aは、突出片20Jから前方に突出している。押圧板部23aにはブラッシュクリップ23bが設けられており、ブラッシュクリップ23bは押圧板部23aから左方に突出している。
図6に示すように、横板部30Aの下端部にはブラッシュクリップ30aが設けられており、ブラッシュクリップ30aは、横板部30Aの下端部から左方に突出している。
縦板部30Bの上端部にはブラッシュクリップ30bが設けられており、ブラッシュクリップ30bは、縦板部30Bの上端部から左方に突出している。
図5に示すように、凹部4hの周囲および上方に広がる浅溝4uの部位であって、凹部4hの上部と下部の浅溝4uの部位には嵌合穴4i、4jが形成されている。嵌合穴4i、4jは、凹部4hの上部と下部に分けて形成されており、上下に離れて設置されている。すなわち、凹部4hの周辺の隔壁4Wには嵌合穴4i、4jが形成されている。
嵌合穴4iにはブラッシュクリップ30aが嵌合されており、嵌合穴4jにはブラッシュクリップ30bが嵌合されている。これにより、閉塞板30は、隔壁4Wの浅溝4uに取付けられている。
本実施例のブラッシュクリップ30a、30bは、取付部を構成し、嵌合穴4i、4jは、被取付部を構成する。
図3に示すように、レフトケース4の上壁4Vの後端縁にはレフトケース4の内部に膨らむ膨出部4vが形成されており、膨出部4vは左側壁4Lからライトケース5側に膨出している。膨出部4vには止め穴4eが形成されており、ブラッシュクリップ23bは、膨出部4vの止め穴4eに嵌合されている。
図6、図7に示すように、キャッチタンク19の潤滑油貯留部20の後壁20Cの左端部で、かつ、ピン22の近傍には当て板25が設けられており、当て板25は、後壁20Cの左端部から右斜め後方に延びている。
当て板25は、延びる方向の先端25aが後壁20Cに近接および離隔自在となるように弾性変形可能となっている。
図6に示すように、キャッチタンク19の潤滑油導入部21の右側壁21Dには当て板26が設けられており、当て板26は、右側壁21Dから前斜め右方に延びている。
当て板26は、延びる方向の先端26aが右側壁21Dに近接および離隔自在となるように弾性変形可能となっている。
ピン22が止め穴4bに嵌合された状態において、当て板25は、レフトケース4の中間壁4Nに当接し、レフトケース4の中間壁4Nと後壁20Cの間で撓んだ状態(すなわち、当て板25の先端25aが後壁20Cに近接した状態)に弾性変形される。
これにより、ピン22が止め穴4bに強く押し付けられ、ガタツキが抑制されるとともに、キャッチタンク19の姿勢が安定する。
組み立てられた状態において、当て板26は、ライトケース5の隔壁5Wに当接し、右側壁21Dとライトケース5の隔壁5Wの間で撓んだ状態(すなわち、当て板26の先端26aが右側壁21Dに近接した状態)に弾性変形されている。
これにより、ブラッシュクリップ23bが止め穴4eに嵌合されるとともに、ブラッシュクリップ30a、30bが嵌合穴4i、4jに嵌合された状態で、当て板26の弾性力によってブラッシュクリップ23b、30a、30bが止め穴4e、嵌合穴4i、4jに強く押し付けられて抜け出しが抑制され、ライトケース5の隔壁5Wに支えられてキャッチタンク19の姿勢が安定される。
図7に示すように、潤滑油貯留部20の底壁20Aには排出孔20aが形成されており、潤滑油貯留部20に貯留された潤滑油は、排出孔20aから排出される。前壁20Bには排出孔20bが形成されており、排出孔20bは、3速カウンタギヤ8Cの後斜め上方に位置している(図2参照)。排出孔20bから排出された潤滑油は、3速カウンタギヤ8Cに供給される。
図3に示すように、レフトケース4の隔壁4Wには溝部4dが形成されている。溝部4dは、軸受支持部4aに連通する連通部4qからキャッチタンク19に向かって延び、延びる方向の先端が開口している。
キャッチタンク19の排出孔20aは、溝部4dの開口端の近傍に設置されており、排出孔20aから排出される潤滑油は、溝部4dに導入される。
これにより、溝部4dを通して軸受支持部4aに潤滑油が導入され、軸受17Aが潤滑油によって潤滑される。
図2に示すように、レフトケース4にはオイルガター27が収容されている。オイルガター27は、入力軸7よりも前方において、リバースアイドラギヤ9Aの上方に位置している。
オイルガター27は、リバースアイドラギヤ9Aの上方から左方に延びるオイルガター本体27Aと、オイルガター本体27Aの左端部から後方に折れ曲がり、軸受17Cまで延びる潤滑油導入部27Bとを有する。
入力軸7の左端部は、軸受17Cを介してレフトケース4の左側壁4Lに形成された図示しない軸受支持部に回転自在に支持されている。
カウンタ軸8の左端部は、軸受17Dを介してレフトケース4の左側壁4Lに形成された軸受支持部4cに回転自在に支持されている(図2参照)。
レフトケース4の左側壁4Lには、入力軸7の左端部を支持する軸受支持部とカウンタ軸8の左端部を支持する軸受支持部を連通する図示しない溝部が形成されている。
オイルガター27のオイルガター本体27Aには、リバースアイドラギヤ9Aによって掻き上げられた潤滑油が導入される。
オイルガター本体27Aに導入された潤滑油は、オイルガター本体27Aから潤滑油導入部27Bに流れ、潤滑油導入部27Bから軸受17Cを支持する軸受支持部に潤滑油が導入される。これにより、軸受17Cが潤滑油によって潤滑される。
オイルガター本体27Aに導入された潤滑油は、オイルガター本体27Aから潤滑油導入部27Bに流れ、潤滑油導入部27Bから軸受17Cを支持する軸受支持部に潤滑油が導入される。これにより、軸受17Cが潤滑油によって潤滑される。
また、軸受17Cを支持する軸受支持部から溝部を介して軸受17Dを支持する軸受支持部4cに潤滑油が導入される。これにより、軸受17Dが潤滑油によって潤滑される。
図3に示すように、傾斜壁部4Sの傾斜方向の上端部4gは、キャッチタンク19の真上に位置しており、傾斜壁部4Sの傾斜方向の下端部4fは、キャッチタンク19から後方(水平方向)に離れ、かつ、キャッチタンク19よりも下方に位置している。
閉塞板30の前端縁が接続するキャッチタンク19の潤滑油導入部21の後壁21Cは、傾斜壁部4Sに面しており、後壁21Cの下端に対し後壁21Cの上端が傾斜壁部4Sに接近するように配置されている。
また、後壁21Cは、流路18を流れる潤滑油の流れ(ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油の流れ)に対向しており、ファイナルドリブンギヤ12に連れ回る潤滑油をはぎ取るように働いている。
傾斜壁部4Sと後壁21Cとファイナルドリブンギヤ12によって、ファイナルドリブンギヤ12の上方に三角形状の空間が形成されている。
潤滑油貯留部20の後壁20Cと潤滑油導入部21の後壁21Cは、上端部19aに開口部19bの一部が形成される対向壁を構成している。閉塞板30の上端部30cは、変速機1の高さ方向で後壁21Cの上端部19aよりも上方に位置している(図4参照)。
次に、本実施例の変速機1の効果を説明する。
本実施例の変速機ケース3は、底壁4Uと、底壁4Uから上方に延びる隔壁4Wとを有し、底部に潤滑油Oが貯留される変速機ケース3と、左端部11bが隔壁4Wに回転自在に支持されたデフケース11を有し、変速機ケース3の底部に貯留される潤滑油Oを掻き上げるファイナルドリブンギヤ12と、隔壁4Wに連続するように配置され、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンク19とを備えている。
本実施例の変速機ケース3は、底壁4Uと、底壁4Uから上方に延びる隔壁4Wとを有し、底部に潤滑油Oが貯留される変速機ケース3と、左端部11bが隔壁4Wに回転自在に支持されたデフケース11を有し、変速機ケース3の底部に貯留される潤滑油Oを掻き上げるファイナルドリブンギヤ12と、隔壁4Wに連続するように配置され、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンク19とを備えている。
これに加えて、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられる潤滑油の流れに対してキャッチタンク19の上流側に位置し、隔壁4Wに対して連続するように延びる閉塞板30をキャッチタンク19と一体に設けている。
このため、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を隔壁4Wと閉塞板30に沿った流路18にてキャッチタンク19に向かって円滑に流すことができ、より多くの潤滑油をキャッチタンク19に送り込むことができる。
したがって、変速機ケース3の底面に貯留される潤滑油Oの油面を早期に低くして、潤滑油Oに浸かる各軸8、9の攪拌抵抗を低減できる。この結果、変速機1の動力伝達効率を向上させることができ、エンジン2の燃費を向上できる。
一方、本実施例の変速機ケース3の隔壁4Wは凹部4hを有し、凹部4hは、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられる潤滑油の流れに対してキャッチタンク19の上流側に位置し、潤滑油の流れに面するように流路18に向けて開口し、隔壁4Wに対してファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向に窪んでいる。
このため、凹部4hが剥き出しの状態で凹部4hの開口が露出している状態にあると、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油O1(図3参照)が凹部4hの開口箇所で渦を作り、凹部4hの開口から流れ出る潤滑油にて潤滑油の流れを妨げてしまう。
このため、キャッチタンク19に到達するファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油の量が少なくなり、キャッチタンク19に充分な量の潤滑油を貯留できず、潤滑油Oの油面を低下させることが困難となる。この結果、潤滑油Oに浸かる各軸8、9のギヤの攪拌抵抗が増大してしまう。
本実施例の変速機1は、キャッチタンク19と一体の閉塞板30が凹部4hを塞いでいる。
これにより、キャッチタンク19に対して潤滑油の流れの上流側においてファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油が凹部4hに入り込むことを防止して、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油の流れが乱れてキャッチタンク19の上流側で滞留することを抑制できる。
このため、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を隔壁4Wと閉塞板30に沿った流路18にてキャッチタンク19に向かって円滑に流すことができ、より多くの潤滑油をキャッチタンク19に送り込むことができる。
したがって、変速機ケース3の底面に貯留される潤滑油Oの油面を早期に低くして、潤滑油Oに浸かる各軸8、9の攪拌抵抗を低減できる。この結果、変速機1の動力伝達効率を向上させることができ、エンジン2の燃費を向上できる。
また、閉塞板30は、その板面が隔壁4Wの壁面に連続して、その内面が略同一面となるように配置されているので、閉塞板30が隔壁4Wからライトケース5側に突出することを防止でき、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油が閉塞板30に衝突することを防止できる。
このため、潤滑油の流れが乱れてキャッチタンク19の上流側で滞留することをより効果的に抑制し、キャッチタンク19に向かって潤滑油を円滑に流すことができ、より多くの潤滑油をキャッチタンク19に送り込むことができる。
また、閉塞板30をキャッチタンク19と一体に設けているので、部品点数が増大することを防止できるとともに、レフトケース4に対するキャッチタンク19の組付け作業の作業性を向上できる。
また、本実施例の変速機1によれば、凹部4hの周辺の隔壁4Wの浅溝4uに嵌合穴4i、4jが設けられており、閉塞板30に嵌合穴4i、4jに差込固定されるブラッシュクリップ30a、30bが設けられている。さらに、嵌合穴4i、4jは、凹部4hの上部と下部に分けて形成されている。
これにより、閉塞板30によって凹部4hを塞いだ状態で閉塞板30を隔壁4Wに固定でき、閉塞板30によって凹部4hを確実に塞ぐことができる。
また、ブラッシュクリップ30a、30bによって閉塞板30を隔壁4Wに取付けることより、閉塞板30を利用してキャッチタンク19を隔壁4Wに取付けることができる。
このため、キャッチタンク19の本体部分に形成するブラッシュクリップ23bの数を低減でき、キャッチタンク19の製造コストを低減できる。つまり、キャッチタンク19の本体部分にブラッシュクリップ23bに1つ設けるだけで済む。
つまり、閉塞板30を隔壁4Wに強固に取付けて凹部4hを確実に塞ぐためのブラッシュクリップ30a、30bを利用して、キャッチタンク19を隔壁4Wに取付けることができる。
また、本実施例の変速機1によれば、キャッチタンク19の上端部19aに、潤滑油が導入される開口部19bを有する。
変速機ケース3は、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cと直交する方向の底壁4Uの後端部4rから上方に延びる後壁4Rを有し、後壁4Rは、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンク19に向かって斜め方向に案内する傾斜壁部4Sを有する。
傾斜壁部4Sの傾斜方向の上端部4gは、キャッチタンク19の真上に位置しており、傾斜壁部4Sの傾斜方向の下端部4fは、キャッチタンク19からファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cの方向と直交する方向に離れ、かつ、キャッチタンク19よりも下方に位置している。
これによって、キャッチタンク19によって掻き上げられた潤滑油を傾斜壁部4Sに沿ってキャッチタンク19に指向させることができ、より多くの潤滑油をキャッチタンク19に円滑で、かつ効率よく送り込むことができる。このため、潤滑油Oに浸かる各軸8、9のギヤの攪拌抵抗をより効果的に低減できる。
また、本実施例の変速機1によれば、キャッチタンク19は、ファイナルドリブンギヤ12の回転中心軸Cと直交する方向で傾斜壁部4Sに対向し、上端部に開口部19bの一部が形成される潤滑油導入部21の後壁21Cとを有する。
後壁21Cは、潤滑油の流れに対して斜めに配置され、潤滑油の流れを上方に指向させて後壁21Cの上端部19aを乗り越えさせるように働く。
これに加えて、潤滑油貯留部20の後壁20Cに閉塞板30が設けられており、閉塞板30の上端部30cは、変速機1の高さ方向で潤滑油導入部21の後壁21Cの上端部19aよりも上方に位置している。
これにより、潤滑油の流れる方向でキャッチタンク19の上流側の近傍に凹部4hが形成される場合に、凹部4hを閉塞板30によって塞ぐことができる。
このため、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油が潤滑油導入部21に導入される直前で凹部4hに入り込むことを防止でき、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油の流れが乱れてキャッチタンク19の上流側で滞留することをより効果的に抑制できる。
この結果、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられた潤滑油を隔壁4Wと閉塞板30に沿ってキャッチタンク19に向かって円滑に流すことができ、より多くの潤滑油をキャッチタンク19に送り込むことができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...変速機(動力伝達装置)、3...変速機ケース(ケース部材)、4f...下端部(傾斜壁部の下端部)、4g...上端部(傾斜壁部の上端部)、4h...凹部、4i,4j...嵌合穴(被取付部)、4L...左側壁(縦壁)、4N...中間壁(縦壁)、4R...後壁(壁部)、4r...後端部(底壁の一端部)、4S...傾斜壁部、4U...底壁、4W...隔壁(縦壁)、11...デフケース(回転軸)、11b...左端部(回転軸の一端部)、12...ファイナルドリブンギヤ(回転部材)、19...キャッチタンク、19a...上端部(対向壁の上端部)、19b...開口部、21C...後壁(対向壁)、30...閉塞板(整流部材)、30a,30b...ブラッシュクリップ(取付部)、O...潤滑油
Claims (5)
- 底壁と、前記底壁から上方に延びる縦壁とを有し、底部に潤滑油が貯留されるケース部材と、
一端部が前記縦壁に回転自在に支持された回転軸を有し、前記底部に貯留される潤滑油を掻き上げる回転部材と、
前記縦壁に連続するように配置され、前記回転部材によって掻き上げられた潤滑油を受け止めて貯留するキャッチタンクとを備えた動力伝達装置であって、
前記回転部材によって掻き上げられる潤滑油の流れに対して前記キャッチタンクの上流側に位置し、前記縦壁に対して連続するように延びる整流部材を前記キャッチタンクと一体に設けたことを特徴とする動力伝達装置。 - 前記縦壁は凹部を有し、
前記凹部は、前記回転部材によって掻き上げられる潤滑油の流れに対して前記キャッチタンクの上流側に位置し、前記縦壁に対して前記回転部材の回転中心軸の方向に窪んでおり、
前記キャッチタンクと一体の整流部材が前記凹部を塞ぐ閉塞板であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記凹部の周辺の前記縦壁に被取付部が設けられており、
前記整流部材に、前記被取付部に取付けられる取付部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記キャッチタンクの上端部に潤滑油が導入される開口部が設けられており、
前記ケース部材は、前記回転部材の回転中心軸と直交する方向の前記底壁の一端部から上方に延びる壁部を有し、
前記壁部は、前記回転部材によって掻き上げられた潤滑油を前記キャッチタンクに向かって斜め方向に案内する傾斜壁部を有し、
前記傾斜壁部の上端部は、前記キャッチタンクの真上に位置しており、
前記傾斜壁部の下端部は、前記キャッチタンクから前記回転部材の回転中心軸の方向と直交する方向に離れ、かつ、前記キャッチタンクよりも下方に位置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。 - 前記キャッチタンクは、前記回転部材の回転中心軸と直交する方向で前記傾斜壁部に対向し、上端部に前記開口部の一部が形成される対向壁を有し、
前記対向壁に前記整流部材が設けられており、
前記整流部材の上端部は、前記動力伝達装置の高さ方向で前記対向壁の上端部よりも上方に位置していることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022003671A JP2023102917A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 動力伝達装置 |
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JP2022003671A JP2023102917A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 動力伝達装置 |
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JP2023102917A true JP2023102917A (ja) | 2023-07-26 |
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Family Applications (1)
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JP2022003671A Pending JP2023102917A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 動力伝達装置 |
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-
2022
- 2022-01-13 JP JP2022003671A patent/JP2023102917A/ja active Pending
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