JP2023098311A - 物体検知装置の車体への取付構造 - Google Patents

Abstract

【課題】物体検知装置による物体の検知精度の向上を図ることができると共に、物体検知装置の耐久性の向上を図ることができる物体検知装置の車体への取付構造を提供する。【解決手段】物体を検知する物体検知装置であるレーダー装置の車体への取付構造であって、車体側に取り付けられて、レーダー装置（４０）の少なくとも一部を覆うカバー部材（６０）を備え、カバー部材（６０）は、レーダー装置（４０）から見て該レーダー装置（４０）による物体の検知方向である第一の方向側に配置され、カバー部材（６０）から第一の方向とは反対の方向である第二の方向に向かって延びるリブ（７１～７４）を備え、レーダー装置（４０）は、リブ（７１～７４）に固定されている。【選択図】図１

Description

本発明は、車両周辺の物体を検知するレーダー装置などの物体検知装置の車体への取付構造に関する。

近年、物体を検知する物体検知装置であるレーダー装置を車両に搭載し、当該レーダー装置で車両の前方の障害物を検知することで車両の衝突回避及び衝突時の衝撃緩和に寄与する技術の開発が進められている。このようなレーダー装置の車両への搭載例として、例えば、特許文献１に開示された技術が知られている。

特許文献１には、車両に搭載されたヘッドライトの灯体ハウジングから下方に延びる取付部材に物体検知装置であるレーダーを取り付け、当該レーダーの前面にカバーが設けられた構造が開示されている。

特開２０２０―０３８１８１号公報

しかしながら、特許文献１に記載の従来構造では、レーダー装置がヘッドライトの灯室の下側に突出した位置に配置されていることで、レーダー装置のレイアウト構成に制限が生じるなどし、レーダー装置の検知精度を十分に高めることができないおそれがある。また、レーダー装置へのアクセスが容易でないと、レーダー装置の交換やメンテンナンスに手間や時間がかかるおそれもある。さらに、レーダー装置の一部が覆われていないと、車体の下側からの雨水などの浸水によってレーダー装置が被水する懸念がある。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、物体検知装置による物体の検知精度の向上を図ることができると共に、物体検知装置の耐久性の向上を図ることができる物体検知装置の車体への取付構造を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明に係る物体検知装置の車体への取付構造は、物体を検知する物体検知装置の車体への取付構造であって、車体側に取り付けられて、物体検知装置（４０）の少なくとも一部を覆うカバー部材（６０）を備え、カバー部材（６０）は、物体検知装置（４０）から見て該物体検知装置（４０）による物体の検知方向である第一の方向側に配置され、カバー部材（６０）から第一の方向とは反対の方向である第二の方向に向かって延びるリブ（７１～７４）を備え、物体検知装置（４０）は、リブ（７１～７４）に固定されていることを特徴とする。

本発明にかかる物体検知装置の車体への取付構造によれば、簡単な構成でありながら、カバー部材を介して物体検知装置が車体側に支持されることで物体検知装置の位置決めを容易かつ精度良く行うことができると共に、カバー部材によって物体検知装置の少なくとも一部が覆われていることより、外部からの被水などから物体検知装置を保護することができる。したがって、物体検知装置による物体の検知精度の向上を図ることができると共に、物体検知装置の耐久性の向上を図ることができる。

また、この物体検知装置の車体への取付構造では、リブ（７１～７４）の第二の方向側の端部（７１ａ～７４ａ）が、車体側の部品（１０）に直接又は他の部材（８０）を介して当接するようにしてもよい。

この構成によれば、リブの第二の方向側の端部が、車体側の部品に直接又は他の部材を介して当接することで、簡単な構成で、カバー部材及び物体検知装置の取付状態を安定させることができると共に、物体検知装置の位置決めの精度をより高めることができる。

また、この物体検知装置の車体への取付構造では、リブ（７１～７４）の端部（７１ａ～７４ａ）は、他の部材（８０）を介して車体側の部品（１０）に当接し、当該他の部材（８０）は、車体側の部品（１０）とカバー部材（６０）との間の緩衝作用を有する緩衝部材であってよい。

この構成によれば、カバー部材のリブが緩衝部材を介して車体側の部品に当接するので、車両の走行により車体に加わる振動がカバー部材のリブを介して物体検知装置に伝わることを効果的に抑制することができる。したがって、物体検知装置による物体の検知の精度をより高めることが可能となる。

また、この物体検知装置の車体への取付構造では、物体検知装置（４０）は、その一端側にリブ（７１）に係止される係止部（４２）を備え、その他端側にリブ（７２）に締結具（４５）で締結固定される締結部（４３，４３）を備えてもよい。

この構成によれば、物体検知装置の一端側に設けた係止部をリブに係止して、その状態で、物体検知装置の他端側に設けた締結部を締結具によってリブに締結固定することで物体検知装置のカバー部材への取り付けを行うことができるので、カバー部材への物体検知装置の取り付け及び取り外し作業の容易化を図ることができると共に、締結具の数を少なく抑えることで部品点数の削減を図ることができる。

また、この物体検知装置の車体への取付構造では、カバー部材（６０）は、車体に搭載されたヘッドライトユニット（１）の光源（５）を収容してなるハウジング（１０）に取り付けられており、リブ（７１～７４）は、当該ハウジング（１０）に直接又は他の部材（８０）を介して当接していてよい。

なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。

本発明にかかる物体検知装置の車体への取付構造によれば、簡単な構成で、物体検知装置による物体の検知精度の向上を図ることができると共に、物体検知装置の耐久性の向上を図ることができる。

本発明の一実施形態にかかる物体検知装置の取付構造を備えた車両用ヘッドライトユニットの構成部品を示す概略の分解斜視図である。 レーダー装置を取り付けたカバー部材の背面図である。 図２のＸ－Ｘ矢視に対応する位置の断面図である。 図２のＹ－Ｙ矢視に対応する位置の断面図である。 レーダー装置を取り付けカバー部材の平面視の概略断面図である。 レーダー装置を示す図で、（ａ）は背面図、（ｂ）は、（ａ）のＡ－Ａ矢視断面図である。

以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明で前方というときは、後述する車体（車両）の前進方向である前側の方向（向き）を示し、後方というときは、車体（車両）の後進方向である後側の方向（向き）を示すものとする。また、左、右というときはそれぞれ車体（車両）の前進方向（前側）を向いた状態での左、右を示すものとする。

図１は、本発明の一実施形態にかかる物体検知装置の取付構造を備えた車両用ヘッドライトユニットの構成部品を示す概略の分解斜視図である。同図に示すヘッドライトユニット１は、車体の前端に設置した左側のヘッドライトユニットである。なお、右側のヘッドライトユニットは、図１に示す左側のヘッドライトユニット１と左右対称な構成であるため、その図示及び説明は省略する。

図１に示すヘッドライトユニット１は、光源５などヘッドライトの構成部品を収容してなるハウジング１０と、ハウジング１０の前面１０ａにカバー部材６０を介して取り付けたレーダー装置（物体検知装置）４０とを備える。以下、このヘッドライトユニット１が備えるレーダー装置４０の取付構造について詳細に説明する。

図２は、レーダー装置を取り付けたカバー部材の背面図である。図３は、図２のＸ－Ｘ矢視に対応する位置の断面図、図４は、図２のＹ－Ｙ矢視に対応する位置の断面図、図５は、レーダー装置を取り付けたカバー部材の平面視の概略断面図である。これらの図に示すように、ヘッドライトユニット１が備えるレーダー装置４０の取付構造は、ヘッドライトユニット１のハウジング１０に取り付けられて、レーダー装置４０の少なくとも一部を覆うカバー部材６０を備えている。カバー部材６０は、レーダー装置４０から見て前方側に配置されている。また、カバー部材６０には、該カバー部材６０から後方に向かって延びるリブ７１～７４が形成されており、レーダー装置４０は、当該リブ７１～７４に固定されている。なお、図５に示す点線Ｌは、レーダー装置４０による物体の検知が可能な範囲を示すラインである。レーダー装置４０は、点線Ｌよりも車両の前方側にある物体を検知することが可能である。

カバー部材６０は、外形が略矩形状で略平板状の部材であって、合成樹脂製の成型品である。カバー部材６０は、ハウジング１０の左側部分の前面１０ａに取り付けられる部材で、該カバー部材６０の背面６０ｂ（ハウジング１０側の面）には、レーダー装置４０の上下左右の四辺それぞれに対応する４つのリブ７１～７４が形成されている。リブ７１～７４はいずれもカバー部材６０の背面６０ｂから後方に突出する薄板状の突出片である。そして、上側のリブ７１には、後述するレーダー装置４０の係止片４２を挿入して係止させるための貫通孔（被係止部）７１ｂが設けられている。また、下側のリブ７２には、後述するレーダー装置４０の締結片４３を締結するためのネジ４５を取り付ける取付部７２ｂが形成されている。上記のリブ７１～７４で囲まれた内側の部分にカバー部材６０の背面６０ｂ側からレーダー装置４０を取り付けることができる。

また、カバー部材６０の下端部には、その面が下方に向かって延びる下端辺６５が設けられており、当該下端辺６５には、後述するボルト６６を挿通する貫通孔６５ａが形成されている。

上記構成のカバー部材６０は、ハウジング１０の前面１０ａに被せて取り付けられる。カバー部材６０がハウジング１０の前面１０ａに取り付けられることで、ハウジング１０の前面１０ａの一部がカバー部材６０で覆われた（塞がれた）状態となる。これにより、ハウジング１０の前面１０ａとカバー部材６０との間にレーダー装置４０が設置される空間が画成される。

ここで、カバー部材６０に対するレーダー装置４０の取付構造の詳細について説明する。図６は、レーダー装置４０を示す図で、（ａ）は背面図、（ｂ）は、（ａ）のＡ－Ａ矢視断面図である。なお、同図（ｂ）の断面図では、レーダー装置４０の内部構造の図示は省略している。同図に示すように、レーダー装置４０は、略矩形状（長方形状）の外形で所定の厚み寸法を有する箱型の本体部４１と、該本体部４１の上下の端辺うち、上側の端辺４１ａに設けた係止片（係止部）４２と、下側の端辺４１ｂに設けたボルト（締結具）４５（図３参照）を締結するための一対の締結片４３，４３とを備える。係止片４２は、本体部４１の上側の端辺４１ａの中央の一か所に形成されて上方向に突出する舌片状の突起である。一方、締結片４３，４３は、本体部４１の下側の端辺４１ｂにおける左右の端部近傍それぞれの二か所に形成されて下方向に突出する舌片状の突起である。締結片４３，４３には、ボルト４５を挿通するための貫通孔４３ａ，４３ａが設けられている。また、レーダー装置４０の本体部４１の左側の端辺４１ｄ（端面）には、配線５２が繋がれたコネクタ５１（図１及び図３参照）を取り付けて接続するための接続部４６が設けられている。

既述のように、レーダー装置４０は、カバー部材６０の背面６０ｂに設けたリブ７１～７４に取り付ける。この際、まずレーダー装置４０の係止片４２をリブ７１に設けた貫通孔７１ｂに挿入して取り付けることで、係止片４２をリブ７１に係止する。この状態で、係止片４２を支点としてレーダー装置４０の本体部４１をカバー部材６０の背面６０ｂに向けて回動させることで、リブ７１～７４で四辺を囲まれた内側の部分にレーダー装置４０の本体部４１を配置する。これにより、レーダー装置４０の締結片４３に設けた貫通孔４３ａ，４３ａがカバー部材６０のリブ７２に設けた取付部７２ｂに一致するので、貫通孔４３ａに挿通したボルト４５を取付部７２ｂに締結することで締結片４３，４３をリブ７２にボルト４５の締結で固定する。こうして、レーダー装置４０の本体部４１がカバー部材６０の背面６０ｂに取り付けられる。その状態でレーダー装置４０の接続部４６にコネクタ５１を取りけることでレーダー装置４０に配線５２を接続する。

なお、交換やメンテナンスの際には、上記とは逆の手順でレーダー装置４０をカバー部材６０から取り外す。すなわち、まずカバー部材６０をヘッドライトユニット１のハウジング１０から取り外すことでカバー部材６０の背面６０ｂ側にアクセスする。そして、ボルト４５を取り外して、係止片４２を支点としてレーダー装置４０の本体部４１をリブ７１～７４から取り出す向きに回動させる。その後、リブ７１の貫通孔７１ｂに挿入されている係止片４２を取り外すことで、レーダー装置４０をカバー部材６０の背面６０ｂから取り外す。

上記の手順でレーダー装置４０を取り付けたカバー部材６０は、ヘッドライトユニット１のハウジング１０の前面１０ａに取り付けられる。この取り付けは、カバー部材６０の下端辺６５がハウジング１０の前面１０ａにボルト６６の締結で固定されるようになっている。なお、図示は省略するが、カバー部材６０の上端辺には、ヘッドライトユニット１のハウジング１０に係止される係止部が設けられている。当該係止部が係止された状態でボルト６６の締結による固定がなされることで、カバー部材６０がハウジング１０に固定されるようになっている。

また、カバー部材６０がハウジング１０に固定された状態で、リブ７１～７４の先端部（後方側の端部）７１ａ～７４ａとハウジング１０の前面１０ａとの間には、緩衝作用を有する緩衝部材８０が取り付けられている。この緩衝部材８０は、柔軟性又は可撓性（伸縮性）を有するゴム材や合成樹脂材などからなる部材で、リブ７１～７４の先端部７１ａ～７４ａとハウジング１０の前面１０ａとの間に挟持された状態で取り付けられている。すなわち、カバー部材６０がハウジング１０に固定された状態で、カバー部材６０のリブ７１～７４の先端部（後方側の端部）７１ａ～７４ａがハウジング１０の前面１０ａに緩衝部材８０を介して当接している。

本実施形態のヘッドライトユニット１が備えるレーダー装置４０の取付構造は、車体側に取り付けられて、レーダー装置４０の少なくとも一部を覆うカバー部材６０を備え、カバー部材６０は、レーダー装置４０から見て前方側（レーダー装置４０による物体の検知方向である第一の方向側）に配置され、カバー部材６０から後方（第一の方向とは反対の方向である第二の方向）に向かって延びるリブ７１～７４を備え、レーダー装置４０は、これらリブ７１～７４に固定されている。

本実施形態の取付構造によれば、比較的に簡単な構成でありながら、カバー部材６０を介してレーダー装置４０が支持されることでレーダー装置４０の位置決めを容易かつ精度良く行うことができると共に、カバー部材６０でレーダー装置４０の前方が覆われていることにより、外部からの被水などからレーダー装置４０を保護することができる。したがって、レーダー装置４０による物体の検知精度の向上を図ることができると共に、レーダー装置４０の耐久性の向上を図ることができる。

また、本実施形態のレーダー装置４０の取付構造では、リブ７１～７４の先端部（後方側の端部）７１ａ～７４ａが、車体側の部品であるヘッドライトユニット１のハウジング１０に緩衝部材（他の部材）８０を介して当接している。

この構成によれば、簡単な構成で、カバー部材６０及びレーダー装置４０の取付状態を安定させることができると共に、レーダー装置４０の位置決めの精度をより高めることができる。

また、この構成によれば、カバー部材６０のリブ７１～７４が緩衝部材８０を介して車体側の部品であるヘッドライトユニット１のハウジング１０に当接するので、車両の走行により車体に加わる振動がカバー部材６０のリブ７１～７４を介してレーダー装置４０に伝わることを効果的に抑制することができる。したがって、レーダー装置４０による物体の検知の精度をより高めることが可能となる。

また、本実施形態のレーダー装置４０の取付構造では、レーダー装置４０は、その一端側にリブ７１に係止される係止片（係止部）４２を備え、その他端側にリブ７２にボルト（締結具）４５で締結固定される締結片（締結部）４３，４３を備えている。

この構成によれば、レーダー装置４０の一端側に設けた係止片４２をリブ７１に係止して、その状態で、レーダー装置４０の他端側に設けた締結片４３，４３をボルト４５によってリブ７２に締結固定することでレーダー装置４０のカバー部材６０への取り付けを行うことができるので、カバー部材６０へのレーダー装置４０の取り付け及び取り外し作業の容易化を図ることができると共に、ボルト４５など締結具の数を少なく抑えることで部品点数の削減を図ることができる。

以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、カバー部材６０が車体に搭載されたヘッドライトユニット１のハウジング１０に取り付けられている場合を示したが、本発明の取付構造が備えるカバー部材は、車体に搭載される部品（車体側の部品）であれば、ヘッドライトユニットのハウジング以外の部品に取り付けるものであってもよい。また、上記実施形態では、カバー部材のリブの先端部が緩衝部材（他の部材）を介して車体側の部品であるヘッドライトユニットのハウジングに当接している場合を示したが、これ以外にも、本発明の取付構造では、カバー部材のリブの先端部が車体側の部品に他の部材を介さず直接当接している構成であってもよい。

１ ヘッドライトユニット
５ 光源
１０ ハウジング（車体側の部品）
１０ａ 前面
４０ レーダー装置（物体検知装置）
４１ 本体部
４１ａ～４１ｄ 端辺
４２ 係止片（係止部）
４３ 締結片（締結部）
４３ａ 貫通孔
４５ ボルト（締結具）
４６ 接続部
５１ コネクタ
５２ 配線
６０ カバー部材
６０ｂ 背面
６５ 下端辺
６５ａ 貫通孔
６６ ボルト（締結具）
７１～７４ リブ
７１ａ～７４ａ 先端部（第二の方向（後方）側の端部）
７１ｂ 貫通孔
７２ｂ 取付部
８０ 緩衝部材（他の部材）

Claims (5)

1. 物体を検知する物体検知装置の車体への取付構造であって、
   前記車体側に取り付けられて、前記物体検知装置の少なくとも一部を覆うカバー部材を備え、
   前記カバー部材は、前記物体検知装置から見て該物体検知装置による物体の検知方向である第一の方向側に配置され、
   前記カバー部材から前記第一の方向とは反対の方向である第二の方向に向かって延びるリブを備え、
   前記物体検知装置は、前記リブに固定されている
   ことを特徴とする物体検知装置の車体への取付構造。
2. 前記リブの前記第二の方向側の端部が、前記車体側の部品に直接又は他の部材を介して当接する
   ことを特徴とする請求項１に記載の物体検知装置の車体への取付構造。
3. 前記リブの前記端部は、他の部材を介して前記車体側の部品に当接し、
   前記他の部材は、前記車体側の部品と前記カバー部材との間の緩衝作用を有する緩衝部材である
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載の物体検知装置の車体への取付構造。
4. 前記物体検知装置は、その一端側に前記リブに係止される係止部を備え、その他端側に前記リブに締結具で締結固定される締結部を備える
   ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の物体検知装置の車体への取付構造。
5. 前記カバー部材は、前記車体に搭載されたヘッドライトユニットの光源を収容してなるハウジングに取り付けられており、
   前記リブは、前記ハウジングに直接又は前記他の部材を介して当接している
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の物体検知装置の車体への取付構造。

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