JP2022038235A - 車載用アンテナ装置 - Google Patents

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【課題】車載用アンテナ装置が、車体外装板の所定方向からずれて車体外装板に取り付けられることを防ぐ技術を提案すること。【解決手段】アンテナ部17と、アンテナ部17の少なくとも一部を載置し、締結具による回転動作により車体外装板に締結される締結凸部32を有する金属ベース30と、を備える。締結凸部32は、締結具による回転動作前の状態において、車体外装板の所定方向に対して締結具による回転方向にオフセットした状態で金属ベース30に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
自動車の車体外装板に取り付けられる車載用アンテナ装置には、車体外装板に固定されるアンテナベースと、そのアンテナベースに対して取り付けられるアンテナカバーとで形成される内部空間に、アンテナ等を収容する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1の車載用アンテナ装置は、走行中の空気抵抗を低減するために前後に長く、前方と上部とが絞られたデザインを有している。車体ルーフに取り付けたその姿が、サメの背びれを連想させることから「シャークフィンアンテナ」タイプと呼ばれる。
車載用アンテナ装置のアンテナベースは、車体外装板に開けられた挿通孔を通して車内側に突出する締結凸部を有する。締結凸部には、爪部を有する金属製の取付部品(キャプチャーファスナーなどとも呼ばれる部品)が取り付けられている。アンテナベースと取付部品とで車体外装板を挟み、取付部品をボルトで締結凸部に締結することで車載用アンテナ装置が車体外装板に固定される。アンテナベースは取付部品を介して車体外装板と電気的にも接続されることになる。
特開2010-021856号公報
車載用アンテナ装置を取り付けるための車体外装板の取付挿通孔は、上面視において矩形を有しており、その長辺又は短辺は車体の前後方向に合わせてある。車載用アンテナ装置の締結凸部の外形寸法は、作業者が締結凸部を取付挿通孔にスムーズに挿入させることができるように、取付挿通孔の寸法よりも僅かに小さく設定されている。
締結凸部の外形寸法が取付挿通孔の寸法よりも小さく設定されているため、取付挿通孔と締結凸部との間には隙間がある。締結凸部に取付部品をボルトで締結する際に、締結凸部が共回りをする可能性がある。共回りをすると、その隙間の分だけアンテナベースの前後方向が取付挿通孔の前後方向(車両の前後方向)とずれた状態となる。アンテナベースにアンテナカバーが取り付けられて車載用アンテナ装置の外観が決定される。そのため、車載用アンテナ装置の前後方向が、車体前後方向からずれた状態になりかねない。
本発明の目的の一例は、車載用アンテナ装置が、車体外装板の所定方向からずれて取り付けられることを防ぐ技術を提案すること、である。
本発明の態様は、アンテナ部と、前記アンテナ部の少なくとも一部を載置し、締結具による回転動作により車体外装板に締結される締結部を有するベースと、を備え、前記締結部は、前記締結具による回転動作前の状態において、前記車体外装板の所定方向に対して前記締結具による回転方向にオフセットした状態で前記ベースに設けられている、車載用アンテナ装置である。
この態様によれば、締結部は、車体外装板の所定方向に対して締結具による回転方向にオフセットした状態で設けられている。その為、締結時の共回りによるずれが相殺されて、ベースが車体外装板の所定方向に対してずれない、或いはずれたとしても見た目には分からない程度に抑制される。よって、車載用アンテナ装置が、車体外装板の所定方向からずれて車体外装板に取り付けられることを防ぐことができる。
実施形態における車載用アンテナ装置の構成例を示す分解斜視図。 実施形態における金属ベースの構成例を示す下面図。 実施形態における金属ベースの取り付け時における金属ベースと取付挿通孔との相対方向関係を示す概略図(その1)。 実施形態における金属ベースの取り付け時における金属ベースと取付挿通孔との相対方向関係を示す概略図(その2)。
以下、好適な実施形態の例を説明するが、実施形態は以下の態様に限定されない。各図には共通する方向を示すための直交三軸を示す。直交三軸は、Z軸正方向を上方向とする右手系である。車載用アンテナ装置の前方(車体に取り付けたときに前方を向く側)がX軸プラス方向、左方がY軸プラス方向、上方がZ軸プラス方向である。
図1は、本実施形態の車載用アンテナ装置10の構成例を示す分解斜視図である。
車載用アンテナ装置10は、アウターケース12と、アウターパッド14と、インナーケース16と、アンテナ部17(容量装荷素子18、ヘリカル素子部19)と、基板20と、インナーパッド22と、金属ベース30と、シール40と、仮留め用ホルダー50と、ワッシャー60と、ボルト70と、を有する。ワッシャー60とボルト70とは締結具である。
アウターケース12は、車載用アンテナ装置10の外観デザインを担う電波透過性を有する合成樹脂製部品である。アウターケース12は、車載用アンテナ装置10の前後方向が車体の前後方向と一致するように取り付けられることを前提としてデザインされている。
具体的には、アウターケース12は、例えば、前後方向に長く、後方から前方へ向かって低く傾斜し、左右の側面が上方に絞られた、いわゆるシャークフィン形状を有し、下方に向けて開口する中空体としてデザインされている。
アウターパッド14は、左右よりも前後が長く、アウターパッド14の前後方向はアウターケース12の前後方向に合わせて設定されている。アウターパッド14は、中央にインナーケース16の一部を挿通可能な中央空間を有する。アウターパッド14は、中央空間にインナーケース16を通しながらインナーケース16の下方外縁部に被せられる。
インナーケース16は、アウターケース12の内部空間に容量装荷素子18を立体的に配置するための構造体となる合成樹脂製の部品である。インナーケース16は、アウターケース12の内部空間に挿入可能なサイズと形状を有する。インナーケース16は、下方に向けて開口した中空体としてデザインされ、その内部空間にアンテナ部17の一部や基板20を覆うように収容する。
基板20は、受信信号や送信信号を増幅するアンプ回路など、アンテナ部17に関連する電子部品を実装する。基板20の下面には、車体側のアンテナ接続ケーブルと電気的に接続するためのコネクタ21が突設されている。
インナーパッド22は、エラストマー(Elastomer)やゴムなどで形成された環状の弾性部材である。インナーパッド22は、インナーケース16の下端周縁部と金属ベース30との間に挟み込まれることでインナーケース16と金属ベース30との間の隙間をシールして、インナーケース16の内部空間への水の浸入を防止する。
金属ベース30は、車載用アンテナ装置10を車体に取り付けるための土台(ベース)となる金属製部品であって、車体外装板の外面に取り付けられる部品である。
金属ベース30は、左右方向よりも前後方向に長く、金属ベース30の前後方向はアウターケース12の前後方向に合わせて設定されている。金属ベース30の下面には、仮留め用ホルダー50及びワッシャー60を取り付けるための締結凸部32(締結部)が突設されている。金属ベース30は、金属のみのベース部であってもよいし、樹脂部と金属部とを有するベース部であってもよい。
仮留め用ホルダー50は、締結凸部32に装着され、金属ベース30を車体外装板に仮留めする部品である。仮留め用ホルダー50は、例えば弾性を有する合成樹脂で作られる。
ワッシャー60は、締結凸部32にボルト70で締結される部品であり、金属ベース30を車体外装板に締結する締結具である。ワッシャー60は、3つの上向きの爪部62を有する。
図2は、金属ベース30の構成例を示す下面図である。金属ベース30の下面は車体外装板の上面と対向する。なお、説明の理解を容易にするために、図2には、金属ベース30以外に、車体外装板の取付挿通孔8と、コネクタ21と、ボルト70と、を描いている。
金属ベース30は、下面に、締結凸部32と、コネクタ21を挿通させるコネクタ挿通孔34と、ワッシャー60の爪部62に対応する3つの座面36と、シール40を嵌め込むための嵌合溝38と、を有する。コネクタ挿通孔34は全体的に矩形形状を有する。締結凸部32とコネクタ挿通孔34とは、下面視において車体外装板の取付挿通孔8の内側に位置する。
締結凸部32は、下面のほぼ中央から下方に向けて突設され、その先端にボルト70用のネジ穴33を有する。締結凸部32は、車体外装板の取付挿通孔8に挿通させた際の孔断面が下面視において矩形を成しており、下面視における締結凸部32の寸法は、取付挿通孔8のそれより小さく設定されている。
締結凸部32の基準方向を前後方向Ltとすると、前後方向Ltは、金属ベース30の前後方向Lbに対してネジ穴33で交差して、車載用アンテナ装置10の取り付けにともない想定される共回りで生じ得る所定の想定共回り角度θを相殺する角度分、共回り方向Rt(図2の例では時計回り方向)へ偏位している。言い換えると、締結凸部32の前後方向Ltは、金属ベース30の前後方向Lbに対して、所定の想定共回り角度θの分だけネジ穴33を軸として共回り方向Rtへずれた関係を有する。
3つの座面36は、それぞれ締結凸部32の左方・右方・後方に設けられた平面部である。座面36は、ワッシャー60が締結凸部32に所定姿勢で締結されると、各爪部62と各座面36とは1対1の関係で車体外装板を挟んで対向関係となる。
次に、車載用アンテナ装置10の車体への取り付けについて説明する。
車体外装板の取付挿通孔8の前後方向Lsは、車体の前後方向Lcに合わせてあり、図2ではX軸と平行である。車体へ組み付けられる前の車載用アンテナ装置10では、締結凸部32の下端に、仮留め用ホルダー50とワッシャー60とがボルト70で軽く共締めされている。
図3に示すように、作業員は、締結凸部32を仮留め用ホルダー50とワッシャー60とを外さずに、金属ベース30を取付挿通孔8へ上から近づけ、金属ベース30の下面が車体外装板の上面に当たるまで押し込む。押し込み動作に際しては、締結凸部32の前後方向Ltを、取付挿通孔8の前後方向Lsに合わせて押し込む。押し込み動作により、仮留め用ホルダー50が弾性変形しながら締結凸部32が取付挿通孔8を抜けて、最終的にはコネクタ21と仮留め用ホルダー50とワッシャー60とが車内に突出した状態となる。仮留め用ホルダー50は、取付挿通孔9を抜けると一部弾性変形していた部分の変形が解かれる。仮留め用ホルダー50は、弾性変形が解かれると取付挿通孔8の周辺部に車内側から当接して金属ベース30を仮留め状態にする。なお、図3では、締結凸部32の基準方向である前後方向Ltと、取付挿通孔8の前後方向Lsとの成す角度(想定共回り角度θ)を分かり易くするために、図2に比べて大きく描いている。
次いで、作業員は、この仮留め状態からボルト70を増し締めして、ワッシャー60を完全に締結凸部32に締結させて固定作業を完了する。
図4に示すように、ボルト70の締結にともなって共回り方向Rtへ締結凸部32が共回りすると、締結凸部32が取付挿通孔8に対して想定共回り角度θ(締結凸部32と取付挿通孔8の形状及び寸法から幾何的に推定される角度)だけずれる。なお、図4では、締結凸部32の基準方向である前後方向Ltと、取付挿通孔8の前後方向Lsとの成す角度(想定共回り角度θ)を分かり易くするために、図2に比べて大きく描いている。
締結凸部32と金属ベース30とは一体であり、金属ベース30の前後方向Lbはアウターケース12の前後方向Laに合わせて有るので、この捻れによって金属ベース30からアウターケース12まで一体的に共回り方向Rtへ想定共回り角度θだけずれる。よって、共回りによるずれを相殺し、車載用アンテナ装置10の前後方向(アウターケース12の前後方向Laに同じ)と車体の前後方向Lcとを一致させることができる。
〔概括〕
上述した実施形態による本明細書の開示は、次のように概括することができる。
本開示態様は本発明の態様は、アンテナ部と、前記アンテナ部の少なくとも一部を載置し、締結具による回転動作により車体外装板に締結される締結部を有するベースと、を備え、前記締結部は、前記締結具による回転動作前の状態において、前記車体外装板の所定方向に対して前記締結具による回転方向にオフセットした状態で前記ベースに設けられている、車載用アンテナ装置である。
この態様によれば、締結部は、車体外装板の所定方向に対して締結具による回転方向にオフセットした状態で設けられている。その為、締結時の共回りによるずれが相殺されて、ベースが車体外装板の所定方向に対してずれない、或いはずれたとしても見た目には分からない程度に抑制される。よって、車載用アンテナ装置が、車体外装板の所定方向からずれて車体外装板に取り付けられることを防ぐことができる。
前記所定方向に対して前記オフセットした角度は、締結時における前記ベースの共回り角度を相殺する角度である。
これにより、車載用アンテナ装置が、車体外装板の所定方向からずれて取り付けられることをより防ぐことができる。
8…取付挿通孔
10…車載用アンテナ装置
12…アウターケース
30…金属ベース
32…締結凸部
34…コネクタ挿通孔
70…ボルト

Claims (2)

  1. アンテナ部と、
    前記アンテナ部の少なくとも一部を載置し、締結具による回転動作により車体外装板に締結される締結部を有するベースと、
    を備え、
    前記締結部は、前記締結具による回転動作前の状態において、前記車体外装板の所定方向に対して前記締結具による回転方向にオフセットした状態で前記ベースに設けられている、
    車載用アンテナ装置。
  2. 前記所定方向に対して前記オフセットした角度は、締結時における前記ベースの共回り角度を相殺する角度である、
    請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
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