JP2023088755A - 油圧式ダンパ - Google Patents

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Takayuki Suzuki
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Abstract

【課題】 安定した減衰特性を得ることが可能な油圧式ダンパを提供する。【解決手段】 第1リリーフ弁23の流出側の流路35(第2圧力室9)と、第2リリーフ弁17の流出側の流路39(第1圧力室7)には、方向切換え弁31が接続される。方向切換え弁31は、流路35(第2圧力室9)と流路39(第1圧力室7)との間で低圧側が開き、流路35(第2圧力室9)又は流路39(第1圧力室7)のいずれか低圧側とアキュムレータ11とが接続するように切り替え可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物等に用いられる油圧式ダンパに関するものである。
従来、地震や風等による建築物の揺れを低減させるために油圧式ダンパが用いられている。油圧式ダンパは、油の流体抵抗を利用して、建築物の揺れに対する抵抗力(減衰力)を発生させ、建築物の揺れを吸収して耐震性、居住性を向上させる。即ち、油圧式ダンパのシリンダ内に充填された作動油が、油圧弁を通過する際の流体抵抗により減衰力を発生させて建築物の揺れを吸収するものである。
このような油圧式ダンパとしては、例えば、複数のチェック弁を用いることで、シリンダ内のピストンがいずれの方向に移動しても減衰力が発生する調圧弁を装備する油圧式ダンパがある(例えば特許文献1)。
特開2004-36677号公報
図5は、従来の油圧式ダンパ100の構成を示す図である。図5に示すように、油圧式ダンパ100は、主に、シリンダ103、ピストン105、調圧弁113、アキュムレータ111等からなる油圧回路から構成される。
シリンダ103内は、ピストン105によって、第1圧力室107と第2圧力室109とに区分される。第1圧力室107と第2圧力室109には、作動油が充填される。第1圧力室107は流路を介して第2チェック弁117の流入側および第4チェック弁121の流出側と接続され、第2圧力室109は流路を介して第1チェック弁115の流入側および第3チェック弁119の流出側と接続される。
また、第1チェック弁115及び第2チェック弁117の流出側と、第3チェック弁119及び第4チェック弁121の流入側との間に、調圧弁113が接続される。調圧弁113は、第1チェック弁115及び第2チェック弁117の流出側から第3チェック弁119及び第4チェック弁121の流入側への作動油の流体抵抗により減衰力を発生させる。なお、調圧弁113の流出側には、絞り弁127を介してアキュムレータ111が接続される。
また、第1圧力室107と第2圧力室109との間には、第1リリーフ弁123と第2リリーフ弁125が接続される。第1リリーフ弁123は、第1圧力室107側の圧力が所定以上となると、第1圧力室107から第2圧力室109への作動油の流れを許容し、第2リリーフ弁125は、第2圧力室109側の圧力が所定以上となると、第2圧力室109から第1圧力室107への作動油の流れを許容する。
ピストン105が図中左側へ移動して、第1圧力室107の方が第2圧力室109よりも高圧となると、第2チェック弁117が開き、第1圧力室107からの作動油が、調圧弁113を通り、第3チェック弁119を介して第2圧力室109側へ流出する。また、ピストン105が図中右側へ移動して、第2圧力室109の方が第1圧力室107よりも高圧となると、第1チェック弁115が開き、第2圧力室109からの作動油が、調圧弁113を通り、第4チェック弁21を介して第1圧力室107側へ流出する。
このように、一つの調圧弁113によって、ピストン105がいずれの方向に移動しても減衰力を発生させることができる。このため、一つの調圧弁113を調整することで、いずれの方向に対しても等しい減衰特性を得ることができる。
なお、第1リリーフ弁123は、第1圧力室107内の作動油の圧力が一定値を超えると開き、作動油が第1圧力室107側から第2圧力室109側に流れることを許容する。また、第2リリーフ弁125は、第2圧力室109内の作動油の圧力が一定値を超えると開き、作動油が第2圧力室109側から第1圧力室107側に流れることを許容する。このようにすることで、2段階の減衰特性を発揮させることができる。
一方、調圧弁113や各リリーフ弁を通過する際、作動油は温度が上昇する。例えば、調圧弁113の流入側(図中Y部)に対して、流出側(図中Z部)は温度が上昇する傾向がある。作動油は温度が上昇すると体積が膨張する。このため、本来低圧側となる圧力室の圧力が想定よりも高くなり、二つの圧力室の圧力差が小さくなるため、設計した減衰特性が得られない場合がある。
通常、このような体積変動はアキュムレータ111で吸収可能である。油圧式ダンパ100においても、調圧弁113の流出側にアキュムレータ111が接続されるため、温度上昇に伴う体積増加が生じても、アキュムレータ111に過剰な作動油を流入させることができる。
しかし、減衰力を発揮する調圧弁113とアキュムレータ111とを直接接続すると、油圧式ダンパ100が動作した際に、回路からアキュムレータ111への作動油の過度の流れ込みが生じる恐れがある。このため、本来一方の圧力室から他方の圧力室に流れる作動油が、アキュムレータ111に流れ込んでしまうために、他方の圧力室の油の不足の要因となる。このため、調圧弁113とアキュムレータ111との間には絞り弁127が設けられ、アキュムレータ111への急激な作動油の流入等が抑制される。
しかし、ピストン105の移動速度等に応じて、Z部の圧力変動は一定ではない。このため、状況により、絞り弁127の絞りが弱いと、絞り弁127の効果が小さくなり、また、絞りが強すぎると、却って体積変動に追従しきれずに減衰特性が悪化する恐れがある。このように、絞り弁127の設計は簡単ではない。
また、前述したように、ピストン5の移動速度が一定値を超え、第1圧力室107又は第2圧力室109の圧力が所定圧力以上となると、第1リリーフ弁123又は第2リリーフ弁125が開き、作動油が流れるが、この場合でも、流出側の温度上昇による体積膨張が生じる。例えば、第1圧力室107が高圧側の際には、第1リリーフ弁123を通過する際に、流出側(図中X部)で温度上昇に伴う体積膨張が生じる。
この場合、第1リリーフ弁123の流入側(図中W部)と比較して、流出側のX部は低圧側となるため、第2リリーフ弁125は閉じており、また、X部と比較してY部が高圧側となるため、第1チェック弁115が開くことはない。また、第3チェック弁119は、Z部側からX部側への作動油の流れのみを許容する。このため、X部の作動油がアキュムレータ111へ流れる流路が閉ざされており、X部側の体積膨張分をアキュムレータ111で吸収することができない。
同様に、第2圧力室109が高圧側の際には、第2リリーフ弁125を通過する際に、流出側のW部で温度上昇に伴う体積膨張が生じる。この場合も、第2リリーフ弁125の流入側のX部と比較して、流出側のW部は低圧側となるため、第1リリーフ弁123は閉じており、また、W部と比較してY部が高圧側となるため、第2チェック弁117が開くことはない。また、第4チェック弁121は、Z部側からW部側への作動油の流れのみを許容する。このため、W部の作動油がアキュムレータ111へ流れる流路が閉ざされており、W部側の体積膨張分をアキュムレータ111で吸収することができない。
このように、特に2段階の減衰特性を有する油圧式ダンパ100では、調圧弁やリリーフ弁を通過した後の作動油の温度上昇に伴う体積膨張を効率よく吸収して、精度の良い減衰特性を確保することが困難である。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、安定した減衰特性を得ることが可能な油圧式ダンパを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための本発明は、シリンダと、前記シリンダを第1圧力室と第2圧力室とに区分し、前記シリンダ内に移動可能に設けられたピストンと、流入側が前記第2圧力室、流出側が第1流路に接続される第1チェック弁と、流入側が前記第1圧力室、流出側が前記第1流路に接続される第2チェック弁と、流入側が前記第1流路、流出側が第2流路に接続され、前記第1流路から前記第2流路へ通過する作動油に流体抵抗を発生させる調圧弁と、流入側が前記第2流路、流出側が前記第2圧力室に接続される第3チェック弁と、流入側が前記第2流路、流出側が前記第1圧力室に接続される第4チェック弁と、流入側が前記第1圧力室、流出側が前記第2圧力室に接続され、前記第1圧力室から前記第2圧力室へのみ作動油の流れを許容する第1リリーフ弁と、流入側が前記第2圧力室、流出側が前記第1圧力室に接続され、前記第2圧力室から前記第1圧力室へのみ作動油の流れを許容する第2リリーフ弁と、前記第1圧力室と、前記第2圧力室とに接続され、低圧側が開く方向切換え弁と、前記方向切換え弁と接続されるアキュムレータと、を具備することを特徴とする油圧式ダンパである。
前記第1圧力室及び前記第2圧力室と、前記方向切換え弁との間には、それぞれ絞り弁が設けられてもよい。
前記方向切換え弁は、前記第1圧力室と前記第2圧力室の圧力差が所定以下の場合に、弾性部材によって中立状態が保持されてもよい。
本発明によれば、第1圧力室及び第2圧力室(すなわち、調圧弁、第1リリーフ弁及び第2リリーフ弁の流出側)が、低圧側が開く方向切換え弁を介してアキュムレータと接続されているため、各弁を通過した際の温度上昇によって作動油の体積が変化しても、確実にアキュムレータによって体積変化を吸収することができる。このため、体積変化に伴う減衰特性の変動を抑制し、安定した減衰特性を得ることができる。
また、第1圧力室及び第2圧力室と、方向切換え弁との間に、それぞれ絞り弁を設けることで、油圧式ダンパが動作を開始した際や、方向が切り替わった直後において、急激な圧力変化の衝撃がアキュムレータへ直接付与されることを抑制することができる。
また、方向切換え弁が、第1圧力室と第2圧力室の圧力差が所定以下の場合に、弾性部材によって中立状態が保持されれば、油圧式ダンパの停止状態における温度変化等に対して、第1圧力室と第2圧力室のいずれの体積変化もアキュムレータで吸収することができる。
本発明によれば、安定した減衰特性を得ることが可能な油圧式ダンパを提供することができる。
油圧式ダンパ1の油圧回路図。 油圧式ダンパ1の油圧回路図。 方向切換え弁31の構造を示す図。 油圧式ダンパ1aの油圧回路図。 油圧式ダンパ100の油圧回路図。
以下、本発明の実施の形態にかかる油圧式ダンパについて説明する。図1に示すように、油圧式ダンパ1は、主に、シリンダ3、ピストン5等と、調圧弁13、アキュムレータ11等からなる油圧回路から構成される。
円筒状のシリンダ3内には、ピストン5が移動可能に設けられる。ピストン5の両側には、円柱状のピストンロッドが設けられる。シリンダ3及びピストンロッドの端部には図示を省略したジョイントが連結され、建築物のブレースや基台に固定される。
シリンダ3内は、ピストン5によって、第1圧力室7と第2圧力室9とに区分される。第1圧力室7と、第2圧力室9には作動油が充填される。なお、シリンダ3、ピストン5等は金属で構成される。
第1圧力室7と第2圧力室9との間には、流路を介して第1チェック弁15、第2チェック弁17、第3チェック弁19、第4チェック弁21が接続される。第1チェック弁15は、流入側(流路16)が第2圧力室9に接続され、流出側が第1流路である流路27に接続される。第2チェック弁17は、流入側(流路18)が第1圧力室7に接続され、流出側が流路27に接続される
流路27は、調圧弁13を介して第2流路である流路29に接続される。すなわち、調圧弁13は、流入側が流路27であり、流出側が流路29となる。調圧弁13は、流路27から流路29へ通過する作動油に流体抵抗を発生させる。
第3チェック弁19は、流入側が流路29であり、流出側が流路20を介して第2圧力室9に接続される。また、第4チェック弁21は、流入側が流路29であり、流出側が流路22を介して第1圧力室7に接続される。
また、第1圧力室7と第2圧力室9との間には、流路を介して第1リリーフ弁23と第2リリーフ弁25が接続される。第1リリーフ弁23は、流入側(流路33)が第1圧力室7と接続され、流出側(流路35)が第2圧力室9に接続される。第1リリーフ弁23は、第1圧力室7から第2圧力室9へのみ作動油の流れを許容する。また、第2リリーフ弁25は、流入側(流路37)が第2圧力室9と接続され、流出側(流路39)が第1圧力室7に接続される。第2リリーフ弁25は、第2圧力室9から第1圧力室7へのみ作動油の流れを許容する。
第1リリーフ弁23の流出側の流路35(第2圧力室9)と、第2リリーフ弁25の流出側の流路39(第1圧力室7)には、方向切換え弁31が接続される。方向切換え弁31は、流路35(第2圧力室9)と流路39(第1圧力室7)との間で低圧側が開き、流路35(第2圧力室9)又は流路39(第1圧力室7)のいずれか低圧側とアキュムレータ11とが接続するように切り替え可能である。
次に、図1及び図2を用いて、油圧式ダンパ1の動作について詳細に説明する。図1は、建築物に地震・風などの力が働き、ピストン5にA方向の外力が働く場合を示す。ピストン5がA方向に移動すると、第2圧力室9に充填された作動油が圧縮される。第2圧力室9で圧縮された作動油は、流路16を介して第1チェック弁15から流路27に流入する(図中矢印B方向)。この際、第2チェック弁17および第3チェック弁19は閉じている。
第1チェック弁15から流路27に流入した作動油は、調圧弁13に流入する。所定圧力以上の作動油が調圧弁13に流入すると、作動油は調圧弁13を介して流路29に流出する。調圧弁13から流出した作動油は、第4チェック弁21から流路22を介して第1圧力室7へ流入する(図中矢印C方向)。なお、調圧弁13通過後の作動油の圧力よりも第2圧力室9の方が高圧なので、第3チェック弁19が開くことはない。
このように、ピストン5が、A方向に移動する速度に対し、調圧弁13に収装するばね等を調整することで、ピストン5にはA方向の力を打ち消す方向に、減衰力が発生する。すなわち、調圧弁13を調整することで、油圧式ダンパ1の減衰力を調整することができる。
ここで、第1圧力室7よりも第2圧力室9の方が高圧であるため、方向切換え弁31は、低圧側の第1圧力室7とアキュムレータ11とを接続する(図中E)。前述したように、調圧弁13を通過する際に、作動油は温度が上昇する。このため作動油の体積が膨張する。調圧弁13を通過して流路29及び第4チェック弁21を介して、流路22(第1圧力室7)へ流出した作動油は、方向切換え弁31を介してアキュムレータ11とつながっているため、作動油の体積変化をアキュムレータ11によって吸収することができる。
また、ピストン5のA方向への移動速度が一定値を超え、第2圧力室9の圧力が所定圧力以上となると、第2リリーフ弁25が開き、作動油が第2圧力室9から第1圧力室7へ流れる(図中矢印D)。すなわち、ピストン5に生じる減衰力が一定値を超えると、第2リリーフ弁25が開いて、速度上昇に対する減衰力の上昇を抑制する。すなわち、油圧式ダンパ1は、2段階の減衰特性を有する。
この場合でも、第2リリーフ弁25を通過する際に、作動油は温度が上昇して体積が膨張する。しかし、第2リリーフ弁25の流出側の流路39(第1圧力室)は、方向切換え弁31を介してアキュムレータ11とつながっているため、作動油の体積変化をアキュムレータ11によって吸収することができる。
次に、建築物に働く地震や風などの力の方向が、反転した場合について説明する。図2は、建築物に地震・風などの力が働き、ピストン5にF方向の外力が働く場合を示す。
ピストン5がF方向に移動すると、第1圧力室7に充填された作動油が圧縮される。第1圧力室7で圧縮された作動油は、流路18を介して第2チェック弁17から流路27に流入する(図中矢印G方向)。この際、第1チェック弁15および第4チェック弁21は閉じている。
第2チェック弁17から流路27に流入した作動油は、調圧弁13に流入する。所定圧力以上の作動油が調圧弁13に流入すると、作動油は調圧弁13を介して流路29に流出する。調圧弁13から流出した作動油は、第3チェック弁19から流路20を介して第2圧力室9へ流入する(図中矢印H方向)。なお、調圧弁13通過後の作動油の圧力よりも第1圧力室7の方が高圧なので、第4チェック弁21が開くことはない。
このように、ピストン5が、F方向に移動する速度に対し、調圧弁13に収装するばね等を調整することで、ピストン5にはF方向の力を打ち消す方向に、減衰力が発生する。すなわち、一つの調圧弁13を調整することで、油圧式ダンパ1のいずれの方向に対する減衰力も調整することができる。
ここで、第2圧力室9よりも第1圧力室7の方が高圧であるため、方向切換え弁31は、低圧側の第2圧力室9とアキュムレータ11とを接続する(図中J)。前述したように、調圧弁13を通過する際に、作動油は温度が上昇する。このため作動油の体積が膨張する。調圧弁13を通過して流路29及び第3チェック弁19を介して、流路20(第2圧力室9)へ流出した作動油は、方向切換え弁31を介してアキュムレータ11とつながっているため、作動油の体積変化をアキュムレータ11によって吸収することができる。
また、ピストン5のF方向への移動速度が一定値を超え、第1圧力室7の圧力が所定圧力以上となると、第1リリーフ弁23が開き、作動油が第1圧力室7から第2圧力室9へ流れる(図中矢印I)。すなわち、ピストン5に生じる減衰力が一定値を超えると、第1リリーフ弁23が開いて、速度上昇に対する減衰力の上昇を抑制する。
この場合でも、第1リリーフ弁23を通過する際に、作動油は温度が上昇して体積が膨張する。しかし、第1リリーフ弁23の流出側の流路35(第2圧力室9)は、方向切換え弁31を介してアキュムレータ11とつながっているため、作動油の体積変化をアキュムレータ11によって吸収することができる。
なお、ピストン5の移動が停止すると、第1圧力室7と第2圧力室9との圧力差がなくなるため、作動油の移動が停止する。ここで、作動油の移動が停止した状態において、方向切換え弁31は、第1圧力室7側と第2圧力室9側の両方に開くことが望ましい。
図3は、方向切換え弁31の構造を示す概念図である。方向切換え弁31は、例えば、一対の弁体41a、41bが連結されており、一対の弁座43a、43bの外側から、いずれかの弁座43a、43bと接触可能に配置される。それぞれの弁体41a、41bが収容された油室には作動油の流入出ポート(図中K、L)が設けられ、さらに一対の弁座43a、43b同士の間に、作動油の流入出ポート(図中M)が設けられる。
例えば、K側がL側に対して高圧側となると、弁体41aは弁体41bとともに図中右側に移動して図中左側の弁座43aと接触する。この状態では、K側が閉じられるため、L側とM側とが連通する。逆に、L側がK側に対して高圧側となると、弁体41bは弁体41aとともに図中左側に移動して図中右側の弁座43bと接触する。この状態では、L側が閉じられるため、K側とM側とが連通する。
ここで、必要に応じて、それぞれの弁体41a、41bに対して弾性部材45が配置される。一対の弾性部材45同士の力の釣り合う状態では、いずれの弁体41a、41bも弁座43a、43bと接触しない。
例えば、第1リリーフ弁23の流出側(第2圧力室9)をポートLとし、第2リリーフ弁の流出側(第1圧力室7)をポートKとすると、この圧力差が所定以下の場合には、弾性部材45によって中立状態(すなわち、ポートK、Lのいずれも開いた状態)が保持される。この状態では、全てのポートK、L、Mがつながっているため、第1圧力室7、第2圧力室9及びアキュムレータ11が方向切換え弁31を介してつながっている。
このようにすることで、油圧式ダンパ1が停止した状態における作動油の体積変化等をアキュムレータ11で吸収することができる。例えば、弾性部材45を用いない場合には、油圧式ダンパの動作が停止した際に、方向切換え弁31は、最後に開いたポートとアキュムレータ11とがつながった状態で保持される。この状態では、環境温度の変化や作動油の漏れなどの影響で最後に高圧側であった側の圧力室等における作動油の体積変化をアキュムレータ11で吸収することができない。
これに対し、油圧式ダンパ1の停止状態において、第1圧力室7と第2圧力室9の両方をアキュムレータ11とつなげた状態とすることで、油圧式ダンパ1の停止状態でも、いずれの油圧室における作動油の体積変動も、確実にアキュムレータ11で吸収することができる。このため、その後、再度油圧式ダンパ1が動作を開始した際に、初期から安定した減衰特性を得ることができる。
以上、本実施形態によれば、調圧弁13による減衰力と、第1リリーフ弁23及び第2リリーフ弁25を加えた減衰力の2段階での減衰特性を確保することができる。また、調圧弁13、第1リリーフ弁23及び第2リリーフ弁25の低圧となる流出側(すなわち低圧側の油圧室)が、方向切換え弁31を介してアキュムレータ11と接続される。このため、各弁を通過した後の作動油の体積変動を確実にアキュムレータで吸収することができる。このため、安定した減衰特性を得ることができる。
また、方向切換え弁31は、油圧式ダンパ1の停止時には、第1圧力室7と第2圧力室9のいずれもアキュムレータ11と接続されるため、油圧式ダンパ1の停止時における作動油の体積変化も、アキュムレータ11で吸収可能である。このため、作動初期から安定した減衰特性を得ることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図4は、油圧式ダンパ1aの構成を示す回路図である。なお、以下の説明において、油圧式ダンパ1と同様の機能を奏する構成については、図1等と同一の符号を付して、重複した説明を省略する。油圧式ダンパ1aは、油圧式ダンパ1と略同様の構成であるが、第1圧力室7及び第2圧力室9と、方向切換え弁31との間に、それぞれ絞り弁47が設けられる点で異なる。
前述したように、調圧弁13から流路29を介して流出した流路22又は流路20の作動油の内、温度上昇による体積増加分は、アキュムレータ11へ流入可能である。一方、各圧力室と方向切換え弁31とがつながっているため、方向切換え弁31へは、作動油の圧力変動による衝撃がかかるおそれがある。このため、方向切換え弁31等の破損の恐れがある。
これに対し、方向切換え弁31への流入部には、絞り弁47が設けられるため、各圧力室から方向切換え弁31への作動油の流入には、抵抗が付与される。したがって、方向切換え弁31へかかる作動油による衝撃を抑制することができる。
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、絞り弁47によって、方向切換え弁31への作動油による衝撃を抑制することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a……油圧式ダンパ
3………シリンダ
5………ピストン
7………第1圧力室
9………第2圧力室
11………アキュムレータ
13………調圧弁
15………第1チェック弁
16、18、20、22、27、29、33、35、37、39………流路
17………第2チェック弁
19………第3チェック弁
21………第4チェック弁
23………第1リリーフ弁
25………第2リリーフ弁
31………方向切換え弁
41a、41b………弁体
43a、43b………弁座
45………弾性部材
47………絞り弁
100……油圧式ダンパ
103………シリンダ
105………ピストン
107………第1圧力室
109………第2圧力室
101………アキュムレータ
103………調圧弁
105………第1チェック弁
117………第2チェック弁
119………第3チェック弁
121………第4チェック弁
123………第1リリーフ弁
125………第2リリーフ弁
127………絞り弁

Claims (3)

  1. シリンダと、
    前記シリンダを第1圧力室と第2圧力室とに区分し、前記シリンダ内に移動可能に設けられたピストンと、
    流入側が前記第2圧力室、流出側が第1流路に接続される第1チェック弁と、
    流入側が前記第1圧力室、流出側が前記第1流路に接続される第2チェック弁と、
    流入側が前記第1流路、流出側が第2流路に接続され、前記第1流路から前記第2流路へ通過する作動油に流体抵抗を発生させる調圧弁と、
    流入側が前記第2流路、流出側が前記第2圧力室に接続される第3チェック弁と、
    流入側が前記第2流路、流出側が前記第1圧力室に接続される第4チェック弁と、
    流入側が前記第1圧力室、流出側が前記第2圧力室に接続され、前記第1圧力室から前記第2圧力室へのみ作動油の流れを許容する第1リリーフ弁と、
    流入側が前記第2圧力室、流出側が前記第1圧力室に接続され、前記第2圧力室から前記第1圧力室へのみ作動油の流れを許容する第2リリーフ弁と、
    前記第1圧力室と、前記第2圧力室とに接続され、低圧側が開く方向切換え弁と、
    前記方向切換え弁と接続されるアキュムレータと、
    を具備することを特徴とする油圧式ダンパ。
  2. 前記第1圧力室及び前記第2圧力室と、前記方向切換え弁との間には、それぞれ絞り弁が設けられることを特徴とする請求項1記載の油圧式ダンパ。
  3. 前記方向切換え弁は、前記第1圧力室と前記第2圧力室の圧力差が所定以下の場合に、弾性部材によって中立状態が保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧式ダンパ。
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