JP2933360B2 - 減衰力可変型緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器

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JP2933360B2 JP19267090A JP19267090A JP2933360B2 JP 2933360 B2 JP2933360 B2 JP 2933360B2 JP 19267090 A JP19267090 A JP 19267090A JP 19267090 A JP19267090 A JP 19267090A JP 2933360 B2 JP2933360 B2 JP 2933360B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、減衰力可変型緩衝器に関し、特に、振動周
波数に感応して減衰力特性を自動的に変化させる周波数
感応タイプのものに関する。
(従来の技術) 従来、周波数感応タイプの減衰力可変型緩衝器とし
て、例えば、実公昭63−27157号公報に記載されている
ようなものが知られている。
この従来の減衰力可変型緩衝器は、ピストンで画成さ
れた2室間を連通する伸側連通路と、該伸側連通路に形
成された伸側減衰バルブと、該伸側減衰バルブの撓み特
性を変化させるべく摺動穴内に摺動自在に設けられたデ
ィスクバルブと、該ディスクバルブの上端面側に形成さ
れチェック弁及び絞りを介して伸側連通路と連通する伸
側受圧室とが設けられたものである。
即ち、ピストンの伸行程において、その振動周波数が
一定値未満である時は、伸側受圧室の流体圧が上昇して
ディスクバルブを下方へ摺動させ、この摺動で、伸側減
衰バルブの撓み強度を増大させて高減衰力特性とすると
共に、その振動周波数が一定値以上である時は、絞りに
よる高周波カット作用で伸側受圧室の流体圧上昇を阻止
し、これにより、伸側減衰バルブの撓み強度を低い状態
に保持させて低減衰力特性とするようにしたものであっ
た。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の減衰力可変型緩衝器
にあっては、ピストン速度が速くなるにつれて、絞りの
上流側の上方室の流体圧力が増加するため、絞りの開口
面積が一定であると、受圧室側の圧力も上方室の液圧に
比例して増加することから、第7図に示すように、ピス
トン速度が速くなるにつれて、高周波入力時の絞りによ
る高周波カット作用に基づく減衰力低減(以後これをハ
イカット作用という)ができなくなり、このため、ハイ
カット作用が生じる周波数の値が高くなり、所望のハイ
カット作用が得られないという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題に着目して成され
たもので、ピストン速度に影響されることなく、低ピス
トン速度域から高ピストン速度域まで所定の周波数以上
で低減衰力とすることができる減衰力可変型緩衝器を提
供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 上述のような目的を達成するために、本発明の減衰力
可変型緩衝器では、ピストンのストロークに伴う前記画
成された室間の流体の流通により減衰力を発生する手段
であって、前記画成された室に連通された受圧室の液圧
を受圧することで摺動して前記画成された室を結ぶ流路
の断面積を絞って発生減衰力特性を変更する可動部材を
有した減衰力発生手段と、前記画成された室と受圧室と
の間に設けられ、ピストンのストローク周波数が所定の
周波数未満の低周波数では画成された室の上昇圧力を受
圧室に伝達して前記可動部材を摺動させ、一方、ピスト
ンのストローク周波数が所定の周波数以上の高周波数で
は画成された室の上昇圧力が受圧室に伝達するのキャン
セルするカット用絞りと、を有した減衰力可変型緩衝器
において、前記カット用絞りとして、前記画成された室
の流体圧力を受圧した時には絞り面積を減少させる側に
変位することにより前記画成された室から受圧室への圧
力伝達を抑え、前記キャンセル機能を高めるカット用可
変絞りを用いた構成とした。
(作 用) ピストンの行程時には、液圧差に基づきバルブボディ
により画成された一方の室から他方の室へ流体が流通
し、これにより減衰力発生手段において減衰力が発生す
る。
そして、減衰力発生手段に設けられた可動部材が受圧
室の液圧を受圧して摺動し、この摺動に対応して自動的
に減衰力特性の変更が成される。この場合、例えば、画
成された両室の液圧差が大きいと摺動量が大きくなって
両液室間の流路断面積を絞り高減衰力特性とするような
変更を行うことができる。
また、このように可動部材の摺動により減衰力特性を
変更することができるが、この減衰力特性の変更は、緩
衝器のストローク周波数に応じてキャンセルされる。
緩衝器が所定の周波数未満の低周波数でストロークす
る時は、画成された室の流体圧力がカット用可変絞りを
通過して受圧室に伝達され、可動部材で受圧される。従
って、可動部材の摺動が成されて減衰力特性の変更が成
される。
一方、緩衝器が所定の周波数以上の高周波数でストロ
ークした時は、カット用可変絞りによる高周波カット作
用により受圧室への液圧の伝達が規制され、可動部材で
は画成された室の流体圧力の受圧が成されなくなる。従
って、可動部材の摺動が成されず、減衰力特性の変更は
成されない。
ところで、緩衝器のストローク速度が高速になるにつ
れて、緩衝器内の画成された室の流体圧力が高くなる。
そして、このように流体圧力が上昇した時には、カッ
ト用可変絞りの受圧部が、この流体圧力を受圧してカッ
ト用可変絞りの絞り面積を減少させる側に変位する。
従って、この絞り面積の減少により緩衝器内の室の流
体圧力が受圧室に伝達し難くなり、受圧室の圧力上昇の
防止を図ることができ、これによりハイカット作用を確
保することができる。
即ち、流体圧力が上昇すると単位面積当たりの流体の
流通量が増加して液圧伝達性が上昇する。一方、カット
用可変絞りの絞り面積が減少すると液圧伝達性が低下す
る。よって、絞り面積の減少により流体圧力の上昇に伴
なう液圧伝達性の変化を相殺して、カット用可変絞りに
おいて一定の液圧伝達性を得て、これにより一定したハ
イカット作用を得ることができるものである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成について説明する。
第1図は、本発明実施例の減衰力可変型緩衝器の主要
部であるピストン部分を示す断面図(左半断面図は高周
波入力時の状態・右半断面図は低周波入力時の状態)で
あって、図中1は円筒状のシリンダを示している。この
シリンダ1は、摺動自在に装填されたピストン(バルブ
ボディ)2によって、上部室Aと下部室Bとに画成さ
れ、両室A,Bには油等の流体が充填されている。
前記ピストン2はピストンロッド3の先端小径部3aに
取り付けられている。
尚、前記ピストンロッド3の軸芯部には、上部室Aと
下部室Bとを連通する流路3bが穿設されている。
そして、ピストン2は、前記ピストンロッド3の先端
小径部3aに対し、リテーナ4a,ワッシャ5a,圧側高減衰バ
ルブ6,ピストン2,伸側1段目減衰バルブ(減衰力発生手
段)7,ワッシャ5b,リテーナ4b,伸側2段目減衰バルブ
(減衰力発生手段)8,ワッシャ5c,カラー9,スプリング
シート10,スプリングSを順次装着し、最後にナット11
で締結して取り付けられている。
さらに詳述すると、上部室A側であるピストン2の上
端面には、内外二重に内側環状溝2aと外側環状溝2bが形
成されており、そして、この両環状溝2a,2bは、ピスト
ン2に上下方向に穿設された複数個の伸側連通路2c及び
圧側連通路2dによりそれぞれ下部室Bに連通されてい
る。
前記圧側連通路2dの外側環状溝2bには前記圧側高減衰
バルブ6が当接され、この圧側高減衰バルブ6により圧
側連通路2dが開閉可能となっている。尚、伸側連通路2c
の内側環状溝2aは、圧側高減衰バルブ6の内周部に形成
された連通穴2kにより上部室A側に開放された状態とな
っている。
前記伸側連通路2cの下端部には内側環状溝2eが形成さ
れると共に、その周部には第1シート面2fが形成され、
この第1シート面2fには、前記伸側1段目減衰バルブ7
が当接されていて、この伸側1段目減衰バルブ7により
伸側連通路2cが開閉可能となっている。
また、前記第1シート面2fの外周には外側環状溝2gが
形成され、さらにその外周でかつ前記第1シート面2fよ
り下方位置には、第2シート面2hが形成され、この第2
シート面2hには、前記伸側2段目減衰バルブ8が当接さ
れていて、この伸側2段目減衰バルブ8により伸側連通
路2cが開閉可能となっている。
そして、この伸側2段目減衰バルブ8の第2シート面
2h位置にはスプリングシート10を介してスプリングSの
セット荷重が付与されている。
また、前記ナット11の下部には、内部に前記流路3bと
連通した大径穴11aを有する円筒状のハウジング部11bが
一体に設けられており、このハウジング部11bの大径穴1
1a内には、上方から順に、リテーナ12,ワッシャ13,伸側
チェックプレート14,伸側オリフィスプレート15,伸側シ
ートプレート16,スプールボディ17,圧側シートプレート
18,圧側オリフィスプレート19,圧側チェックプレート2
0,ワッシャ30,リテーナ21,スタッド22,ワッシャ23a,圧
側低減衰バルブ24,サブバルブボディ25,伸側低減衰バル
ブ26,ワッシャ23b,カラー27,リテーナ28が装着されてい
る。
さらに詳述すると、前記スプールボディ17は、その軸
心部にスプール穴17aが形成された円筒状に形成され、
また、外周面中途部には、大径穴11aとの間をシールす
るシールリング29を装着した環状突出部17bが形成され
ている。
前記リテーナ12は、薄手の板素材の中央部に中央孔12
aが形成されると共に、外周部には、周方向等間隔のも
とに形成された切欠き部12bによってその中途部からそ
れぞれ下向きに折曲された複数本の脚片部12cが形成さ
れた構造となっている。
前記伸側チェックプレート14は、第3図に示すよう
に、可撓性を有する薄手の板素材にその一部を残した切
欠環状孔14aを形成することによって、環状の外周固定
部14bと、中央の円形弁部14cと、両者間を連通する連結
部14dとが形成された構造となっている。
前記伸側オリフィスプレート15は、第4図に示すよう
に、薄手の板素材の中央部に、前記圧側チェックプレー
ト14の弁部14cより小径の中央孔15aが形成され、該中央
孔15aの外周で前記圧側チェックプレート14の切欠環状
孔14aと対向する位置にはその周方向に沿って円弧状の
長欠15bが形成され、さらに、該長穴15bの中間部と中央
孔15a間が細幅の切欠き部15cで連結された構造となって
いる。
第1図に戻り前記伸側シートプレート16は、厚手の板
素材の中央部に、前記圧側オリフィスプレート15の中央
孔15aよりは小径の中央孔16aが形成された構造となって
いる(第2図参照)。
また、前記ワッシャ13と伸側チェックプレート14と伸
側オリフィスプレート15と伸側シートプレート16は、ス
プールボディ17と同径に形成されると共に、リテーナ12
とスプールボディ17の上部開口端面との間でその外周部
を挟持固定した状態で設けられている。そして、リテー
ナ12は、その脚片部12cの先端部がハウジング部11bとス
プールボディ17との間に形成された上部環状空間17c内
に挿入した状態で設けられている。
即ち、第2図に示すように、伸側オリフィスプレート
15における中央孔15aの開口縁上面で弁部14cが当接する
シート面a1を形成すると共に、切欠き部15cの開口幅w
(第4図参照)と伸側オリフィスプレート15の厚みh1
で形成される開口部と、弁部14cの中央部が下方へ撓む
ことで絞られる開口部即ち弁部14cの下面と伸側シート
プレート16における中央孔16a(孔径φd)の上端開口
縁部との間(h2)で形成される環状開口部とで伸側可変
絞りb1(第5図参照)を形成している。つまり、この伸
側可変絞りb1は、伸側オリフィスプレート15の厚みと切
欠き部15cの幅とで最大絞り断面積(w×h1)が決定さ
れ、環状開口部の断面積で可変絞り断面積(φd×π×
h2)が決定されるようになっている(第4図及び第5図
参照)。
次に、第1図に戻り、前記リテーナ21、圧側シートプ
レート18、圧側オリフィスプレート19、及び、圧側チェ
ックプレート20は、上述のリテーナ12、伸側シートプレ
ート16、伸側オリフィスプレート15、及び、伸側チェッ
クプレート14とそれぞれ同一形状であって、リテーナ21
だけは、リテーナ12と表裏逆方向に組み付けられてい
る。即ち、図中、18aは中央孔、19aは中央孔、19bは長
穴、19cは切欠き部、20aは切欠環状溝、20bは外周固定
部、20cは弁部、21aは中央孔、21bは切欠き部、21cは脚
片部、a2はシート面、b2は圧側可変絞りを示す。
前記スタッド22は、前記大径穴11aより小径の大径部2
2eの下端中央部に、その軸心部に貫通孔22bを穿設した
小径部22cが形成されている。
そして、上述の圧側シートプレート18、圧側オリフィ
スプレート19、及び、圧側チェックプレート20が、前記
スプールボディ17の下部開口端面とリテーナ21との間で
その外周部を挟持した状態で設けられている。
前記スタッド22の小径部22cには、上部から順に前記
ワッシャ23a,圧側低減衰バルブ24,サブバルブボディ25,
伸側低減衰バルブ26,ワッシャ23b,カラー27,リテーナ28
が装着されている。
そして、ハウジング部11bの下端開口縁部をリテーナ2
8の下面側にカシメることによって、上記各部材がナッ
ト11の大径穴11a内に全て組み込まれている。
さらに詳述すると、前記サブバルブボディ25の上面に
は一部切欠環状溝25aが形成され、さらにその外周に
は、シート面25bが形成され、このシート面25bには、前
記圧側低減衰バルブ24が当接されている。
そして、前記環状溝25aは、サブバルブボディ25に穿
設された圧側流路25c及びリテーナ28に穿設された連通
孔28aによって下部室Bと連通されている。
一方、サブバルブボディ25の下面には一部切欠環状溝
25dが形成され、さらにその外周には、シート面25eが形
成され、このシート面25eには、前記伸側低減衰バルブ2
6が当接されている。
そして、前記環状溝25dは、サブバルブボディ25に穿
設された伸側流路25fによって大径穴11aと連通されてい
る。
尚、前記リテーナ21は、その脚片部12cの先端部をハ
ウジング部11bとスプールボディ17との間に形成された
下部環状空間17d内に挿入した状態で設けられている。
前記スプールボディ17には、環状突出部17bを挟んで
上下に上部環状空間17cとスプール穴17a間を連通する複
数の伸側ポート17e及び下部環状空間17dとスプール穴17
a間を連通する複数の圧側ポート17fが形成されている。
前記スプール穴17a内には、その上下両面側に伸側受
圧室D1及び圧側受圧室D2を画成して可動部材としてのス
プール31が上下方向摺動可能に設けられている。このス
プール31は、断面が略H字状に形成され、上端の伸側受
圧面31aと伸側シートプレート16間及び下端の圧側受圧
面31bと圧側シートプレート18間にセンタリングスプリ
ング32,33が介装され、この両センタリングスプリング3
2,33によりスプール31が中立位置に保持されるように付
勢されている。
また、スプール31の外周面には、スプール31の中立位
置で前記伸側ポート17eと圧側ポート17fを連通する環状
溝31cが形成されており、この環状溝31cの上縁側と伸側
ポート17eとで減衰力可変手段としての伸側可変絞り34
が形成され、また、環状溝31cの下縁側と圧側ポート17f
とで減衰力可変手段としての圧側可変絞り35が形成され
ている。
従って、伸側受圧室D1には、流路3b,中央孔12a,切欠
環状孔14a,伸側可変絞りb1,中央孔15a,中央孔16aを経由
して上部室A側の流体圧が伝達可能となっている。
一方、圧側受圧室D2には、連通孔28a,中央孔21a,切欠
環状孔20a,圧側可変絞りb2,中央孔19a,中央孔18aを経由
して下部室B側の流体圧が伝達可能となっている。
以上の構成のこの実施例では、上部室Aと下部室Bと
の間で流体の流通が成される連通路が都合3経路形成さ
れている。
まず、第1の連通路Iは、内側環状溝2aと伸側連通路
2c内側環状溝2eと外側環状溝2gを順に辿る経路である。
次に第2の連通路IIは、圧側連通路2dから外側環状溝
2bを順に辿る経路である。
そして、第3の連通路IIIは、流路3bと切欠き部12bと
上部環状空間17cと伸側ポート17eと環状溝31cと圧側ポ
ート17fと下部環状空間17dと切欠き部22bと伸側流路25f
と一部切欠環状溝25dと連通孔28aとを順に辿るか、また
は、連通孔28aから圧側流路25cと一部切欠環状溝25aを
通り、以上を逆に辿る経路である。
次に、実施例の作用について説明する。
(イ)伸行程時 即ち、ピストン2の伸行程が成されると、上部室A内
の流体は連通路I及び連通路IIIの2つの径路を通って
下部室B内に流通可能である。
この場合、伸縮可変絞り34が開かれて連通路IIIが流
通可能な場合には、流体が連通路IIIを通り伸側低減衰
バルブ26を開弁して流通し、一方、伸側可変絞り34が閉
じられて連通路IIIの流通が不可能な場合には、流体は
連通路Iを通り、伸側1段目減衰バルブ7を開弁し、さ
らにスプリングSの開弁力に抗して伸側2段目減衰バル
ブ8を開弁して下部室Bに流通する。
尚、以上2つの経路の内、連通路III側は、スプール3
1の摺動によって伸側可変絞り34の開度を変化させるこ
とができ、これにより、減衰力レンジを低減衰力から高
減衰力まで連続的に無段階に変化させることができる。
即ち、低減衰力レンジとなるのは、連通路III側が開
かれている場合である。
この場合、ピストン2の低速作動域では、流体は連通
路IIIを円滑に流通し、伸側可変絞り34で速度2乗特性
の減衰力が生じると共に、それと直列に伸側低減衰バル
ブ26で速度2乗特性とは変化率が対称的に変化する速度
2/3乗特性の減衰力が生じ、ピストン速度に1次比例の
直線的な減衰力特性となる。
一方、高速作動域では、流体が連通路I側を流通し、
伸側1段目減衰バルブ7と伸側2段目減衰バルブ8と
で、速度2/3乗特性の減衰力が直列に生じ、この場合、
ピストン速度の上昇に伴ない変化率が低下する2/3乗特
性の変化率の低下が抑えられピストン速度に1次比例の
直線的な特性になる。
また、高速衰力レンジとなるのは、スプール31が下方
へ摺動して、連通路III側(伸側可変絞り34)の流路面
積が狭くなった時である。
この場合、伸側1段目減衰バルブ7と伸側2段目減衰
バルブ8とで速度2/3乗特性の減衰力が直列に生じるも
ので、直線的な減衰力特性が得られる。
以上のような減衰力レンジの切り換えは、言い換える
と、前記スプール31の摺動は、流体圧の振動周波数に対
応して成される。
a)低周波入力時 上部流体室A側の流体圧の振動周波数が所定値未満
(低周波)である時は、伸側絞りa1及びカット用可変絞
りとしての伸側可変絞りb1を円滑に通過して伸側受圧室
D1側へ流体圧が伝達されるので、伸側受圧室D1の流体圧
が上昇して両受圧室D1,D2間に流体圧の差が生じ、これ
により、第1図の右半断面図に示すように、スプール31
を下方へ摺動させるので、伸側可変絞り34が閉じられて
連通路IIIの流通が規制され、これにより、高減衰力レ
ンジとなる。
b)高周波入力時 即ち、上部流体室A側の流体圧の振動周波数が所定値
以上(高周波)である時は、カット用絞りとしての伸側
可変絞りb1の絞り作用による高周波カット作用で、伸側
受圧室D1側への流体圧の伝達量が少ないため、両受圧室
D1,D2間に流体圧の差が生じ難く、このため、第1図の
左半断面図に示すように、スプール31は、センタリング
スプリング32,33の付勢力で中立位置に保持されたまま
で、連通路IIIが流通可能となっており、これにより、
低減衰力レンジとなる。
c)ピストン高速作動時 ピストン2の作動が高速になるにつれて、上部流体室
A側の流体圧力が高くなるため、上部流体室A側の流体
圧の振動周波数が一定値以上(高周波)の時であって
も、伸側可変絞りb1における単位面積当たりの流体の流
通可能量が増加し、これにより、伸側受圧室D1側への流
体圧の伝達量を増大させるように作用するが、一方で、
第5図に示すように、弁部14cの上面に作用する上部流
体室A側の流体圧力が上昇することで、その中央部が下
方へ撓んで伸側シートプレート16における中央孔16aの
上端開口縁部との間隔h2を減少させ、これにより、伸縮
可変絞りb1の開口面積が逆比例的に減少するため、前記
流体圧力の上昇に基づく単位面積当たりの流通可能量の
増加分がこの開口面積の減少分で相殺される。
従って、第6図に示すように、ピストン2の作動が高
速になっても、スプール31の摺動を防止して所望のハイ
カット作用(即ち、所望の周波数でのハイカット作用)
を得ることができる。
(ロ)圧行程時 ピストン2の圧行程が成されると、下部室B内の流体
は連通路II及び連通路IIIを通り上部室Aへ流通可能で
ある。
この場合、圧側可変絞り35が開かれて連通路IIIの流
路断面積が大きな場合には、流体が連通路IIIを通り、
圧側低減衰バルブ24を開弁して流通し、また、圧側可変
絞り35が閉じられて連通路IIIの流通が不可能な場合に
は、流体は連通路IIを通り、圧側高減衰バルブ6を開弁
して上部室Aに流通する。
尚、以上2つの経路の内、連通路III側は、上述の伸
行程時と同様に、スプール31の摺動によって圧側可変絞
り35の開度を変化させることができ、これにより、減衰
力レンジを低減衰力から高減衰力まで連続的に無段階に
変化させることができる。
即ち、低減衰力レンジとなるのは、連通路III側が開
かれている場合である。
この場合、ピストン2の低速作動域では、流体は連通
路IIIを流通し、圧側可変絞り35で速度2乗特性の減衰
力が生じると共に、それと直列に圧側低減衰バルブ24で
速度2乗特性とは変化率が対称的に変化する速度2/3乗
特性の減衰力が生じ、ピストン速度に1次比例の直線的
な減衰力特性となる。
一方、高速作動域では、流体が圧側連通路2d側を流通
し、圧側高減衰バルブ6で速度2/3乗特性の減衰力が生
じる。
また、高減衰力レンジとなるのは連通路IIIが閉じて
いる時である。
この場合、圧側高減衰バルブ6で速度2/3乗特性の減
衰力が直列に生じる。
以上のような減衰力レンジの切り換え(前記スプール
31の摺動)は、伸行程と同様に流体圧の振動周波数に対
応して成される。
a)低周波入力時 下部流体室B側の流体圧の振動周波数が所定値未満
(低周波)である時は、圧側可変絞りb2を円滑に流通し
て圧側受圧室D2側へ流体圧が伝達されるので、圧側受圧
室D2の流体圧が上昇して両受圧室D1,D2間に流体圧の差
が生じ、これにより、スプール31を上方へ摺動させるの
で、圧側可変絞り35が狭まり、連通路IIIの開度が小さ
く高減衰力レンジとなる。
b)高周波入力時 下部室B側の流体圧の振動周波数が所定値以上(高周
波)である時は、圧側可変絞りb2の絞り作用による高周
波カット作用で、圧側受圧室D2側への流体圧の伝達量が
少ないため、両受圧室D1,D2間に流体圧の差が生じ難
く、このため、スプール31は、センタリングスプリング
32,33の付勢力で中立位置に保持されたままで、連通路I
IIの開度が大きく、低減衰力レンジとなる。
c)ピストン高速作動時 ピストン2の作動が高速になるにつれて、下部流体室
B側の流体圧力が高くなるため、下部流体室B側の流体
圧の振動周波数が所定値以上(高周波)の時であって
も、圧側可変絞りb2における単位面積当たりの流体の流
通可能量が増加し、これにより、圧側受圧室D2側への流
体圧の伝達量を増大させるように作用するが、一方で、
弁部20cの上面に作用する下部流体室B側の流体圧力が
上昇することで、その中央部が上方へ撓んで圧側シート
プレート18における中央孔18aの上端開口縁部との間隔
を減少させ、これにより、圧側可変絞りb2の開口面積が
逆比例的に減少するため、前記流体圧力の上昇に基づく
単位面積当たりの流通可能量の増加分がこの開口面積の
減少分で相殺される。
従って、ピストン2の作動が高速になっても、スプー
ル31の摺動を防止して所望のハイカット作用を得ること
ができる。
以上説明してきたように、実施例の減衰力可変型緩衝
器では、低ピストン速度域から高ピストン速度域まで、
所望のハイカット作用を得ることができるという特徴を
有している。
また、伸・圧両行程の減衰力特性を振動周波数に感応
して自動的に変化させるための減衰力可変構造がすべて
ピストン2側に一括して組み込まれているので、ベース
側は標準タイプの構造のものを使用でき、さらに、前記
減衰力可変構造内、伸・圧両高減衰バルブ以外の構成要
素が、ピストンロッド3にピストン2を締結するナット
11内にすべて組み込まれているので、その組み立て作業
が簡略化されると共に、ピストン2自体も標準タイプの
構造のものを使用でき、従って、標準タイプとの部品の
共用と組み立て作業の簡略化が可能となってコストを低
減化できるという特徴を有している。
また、1つの連通路IIIを伸側と圧側とで共用するこ
とによって構造が簡略化され、これにより、装置をコン
パクト化できるという特徴を有している。
また、低減衰力レンジでは、伸行程時においても圧行
程時においても、低速作動域から高速作動域までの作動
全域において、ピストン速度に対して直線的な減衰力特
性が得られるので、操縦安定性の向上と乗り心地向上と
を両立することができるという特徴を有している。
さらに、極低速作動域の減衰力特性の設定に関し、低
速作動域にあっては、低減衰力レンジの場合、可変絞り
34(35)の特性(速度2乗特性)と、低減衰バルブ26
(24)の特性(速度2/3乗特性)とで決定されるので、
この場合は、減衰バルブのみで設定するのに比べ、設定
自由度が高いし、しかも、このバルブの特性と可変絞り
特性とは対称的で、両特性の変化率が平均化されるの
で、より設定が容易となる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があ
っても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、可動部材として、スプールを用
いたが、ダイヤフラムやベローズ等であってもよい。
また、実施例では、高減衰バルブが設けられた連通路
に対し、低減衰バルブが設けられた連通路側の流路断面
積側を可変絞りで変化させることで発生減衰力を変化さ
せるようにした場合を示したが、減衰力発生手段及び発
生減衰力の具体的可変構造は任意であり、その他に、例
えば、減衰バルブの撓み特性を変化させることで発生減
衰力を変化させるようにしてもよい。
また、実施例では、可変絞りの可変構造として、チェ
ックプレート弁部の撓みによる開口面積の絞り作用を利
用するものを示したが、スプールの摺動によるもの等で
あってもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の減衰力可変型緩衝
器にあっては、画成された室と受圧室との間にカット用
可変絞りを設け、このカット用可変絞りに、画成された
室の流体圧力を受圧して絞り面積を減少させる側に変位
する受圧部を設けた手段としたため、ストローク速度の
上昇に伴なう流体圧力上昇が受圧室へ伝達するのを抑制
して、カット用可変絞りにおいて一定した高周波カット
作用を得ることができ、これにより、低ピストン速度域
から高ピストン速度域まで、所望のハイカット作用が得
られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の減衰力可変型緩衝器の要部であ
るピストン部分を示す断面図、第2図は第1図E部の拡
大図、第3図はチェックプレートを示す平面図、第4図
はオリフィスプレートを示す平面図、第5図はチェック
プレートの作動を示す要部の断面図、第6図は周波数に
対する減衰力特性図、第7図は従来例の周波数に対する
減衰力特性図である。 A……上部室 B……下部室 b1……伸側第2可変絞り(カット用可変絞り) b2……圧側第2可変絞り(カット用可変絞り) 2……ピストン(バルブボディ) 6……圧側高減衰バルブ(減衰力発生手段) 7……伸側1段目減衰バルブ(減衰力発生手段) 8……伸側2段目減衰バルブ(減衰力発生手段) 14……伸側チェックプレート(受圧部) 20……圧側チェックプレート(受圧部) 24……圧側低減衰バルブ(減衰力発生手段) 26……伸側低減衰バルブ(減衰力発生手段) 31……スプール(可部材動) 34……伸側可変絞り(減衰力発生手段) 35……圧側可変絞り(減衰力発生手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緩衝器内を2室に画成したバルブボディ
    と、 ピストンのストロークに伴う前記画成された室間の流体
    の流通により減衰力を発生する手段であって、前記画成
    された室に連通された受圧室の液圧を受圧することで摺
    動して前記画成された室を結ぶ流路の断面積を絞って発
    生減衰力特性を変更する可動部材を有した減衰力発生手
    段と、 前記画成された室と受圧室との間に設けられ、ピストン
    のストローク周波数が所定の周波数未満の低周波数では
    画成された室の上昇圧力を受圧室に伝達して前記可動部
    材を摺動させ、一方、ピストンのストローク周波数が所
    定の周波数以上の高周波数では画成された室の上昇圧力
    が受圧室に伝達するのキャンセルするカット用絞りと、 を有した減衰力可変型緩衝器において、 前記カット用絞りとして、前記画成された室の流体圧力
    を受圧した時には絞り面積を減少させる側に変位するこ
    とにより前記画成された室から受圧室への圧力伝達を抑
    え、前記キャンセル機能を高めるカット用可変絞りを用
    いたことを特徴とする減衰力可変型緩衝器。
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