JPH083729Y2 - 減衰力可変型液圧緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型液圧緩衝器

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JPH083729Y2
JPH083729Y2 JP14437989U JP14437989U JPH083729Y2 JP H083729 Y2 JPH083729 Y2 JP H083729Y2 JP 14437989 U JP14437989 U JP 14437989U JP 14437989 U JP14437989 U JP 14437989U JP H083729 Y2 JPH083729 Y2 JP H083729Y2
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pressure
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隆之 古屋
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、振動周波数に感応して減衰力特性を自動的
に変化させる液圧緩衝器に関する。
(従来の技術) 従来の減衰力可変型液圧緩衝器としては、例えば、特
開昭61−109933号公報に記載されているようなものが知
られている。
この従来の減衰力可変型液圧緩衝器は、流体が充填さ
れたシリンダ内を上部液室と下部液室とに画成して設け
られたピストンと、両室を連通して形成された伸側連通
路及びこの伸側連通路と並列に形成された圧側連通路
と、前記伸側連通路に設けられた伸側減衰バルブ及び圧
側連通路に設けられた圧側減衰バルブと、伸側減衰バル
ブの撓み特性を変化させるべく摺動穴内に摺動自在に設
けられたプッシュバルブと、摺動穴内の上部にプッシュ
バルブとも間にスプリングを介して摺動自在に設けられ
たスプールと、スプールの上端面側に形成され絞りを介
して伸側連通路と連通する受圧室と、前記絞りが形成さ
れ受圧室側から伸側連通路方向への流出を許容するチェ
ック弁を備えた構造となっていた。
即ち、ピストンの伸行程において、その振動周波数が
一定値以下である時は、受圧室内の液圧が上昇してスプ
ールを下方へ摺動させ、この摺動でプッシュバルブを押
圧するスプリングのセット荷重を増加させることによ
り、伸側減衰バルブの撓み強度を増大させて高い減衰力
を発生させると共に、その振動周波数が一定値以上であ
る時は、絞りによる高周波カット作用で受圧室の液圧上
昇を阻止し、これにより、伸側減衰バルブの撓み強度を
低い状態に保持させて低い減衰力を発生させるようにし
たものであった。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の減衰力可変型液圧緩
衝器にあっては、スプールに加わる下方への押圧力に対
し、その反力はスプリングの反発力のみであるため、ス
プールの作動に対して減衰力が働かず、このため、減衰
力特性が急激に変動して操縦安定性及び乗り心地を悪化
させると共に、音や振動発生の原因となる等の問題があ
った。
本考案は、上述のような従来の問題に着目して成され
たもので、減衰力特性の急激な変動を防止することがで
きる減衰力可変型液圧緩衝器を提供することを目的とし
ている。
(課題を解決するための手段) 上述のような目的を達成するために、本考案の減衰力
可変型液圧緩衝器では、流体が充填された室内を第1の
室と第2の室とに画成して設けられたバルブボディと、
両室を連通して並列に形成された伸側連通路,圧側連通
路と、前記伸側連通路にもしくは、該伸側連通路と独立
して設けられた伸側減衰バルブ及び前記圧側連通路にも
しくは、該圧側連通路と独立して設けられた圧側減衰バ
ルブと、前記伸側連通路と圧側連通路の途中に伸側可変
絞りと圧側可変絞りをそれぞれ形成し、かつ、摺動に基
づき該可変絞りの絞り開度を変更可能に設けられたスプ
ールと、該スプールの両端受圧面側に形成され第1絞り
を介して第1の室と連通する第1受圧室及び第2絞りを
介して第2の室と連通する第2受圧室と、前記第1絞り
と並列に設けられ第1の室側から第1受圧室方向への流
入を許容する第1チェック弁及び第2絞りと並列に設け
られ第2の室側から第2受圧室方向への流入を許容する
第2チェック弁と、前記伸側・圧側両可変絞りの開度が
大きくなるスプール中立位置にスプールを付勢する付勢
手段とを設けた。
(作用) 本考案の減衰力可変型液圧緩衝器では、ピストンがス
トロークすると、一方の室内の流体が他方の室に流通す
る。
即ち、伸行程が成された場合、第1の室内の流体は伸
側連通路を通って第2の室内に流通可能となっている。
この場合、伸側可変絞りの絞り開度が大きく連通路の
流量が多い場合には、低い減衰力が発生し、また、伸側
可変絞りの絞り開度が狭められて連通路の流通が抑制さ
れるにつれて、伸側減衰バルブの通過流量が増加(伸側
減衰バルブが伸側連通路と独立している場合)、もしく
は減少(伸側減衰バルブが伸側連通路に設けられている
場合)することで、高い減衰力が発生する。
次に、圧行程が成された場合、第2の室内の流体は圧
側連通路を通って第1の室内に流通となっている。
この場合、圧側可変絞りの絞り開度が大きく圧側連通
路の流量が多い場合には、低い減衰力が発生し、また、
圧側可変絞りの絞り開度が狭められて圧側連通路の流通
が抑制されるにつれて、圧側減衰バルブの通過流量が増
加(圧側減衰バルブが圧側連通路と独立している場合)
もしくは減少(圧側減衰バルブが圧側連通路に設けられ
ている場合)することで高い減衰力が発生する。
この伸側,圧側両可変絞りの絞り量は、スプールの摺
動により変更される。そして、このスプールの摺動は、
ピストンのストロークで上昇した一方の室側の流体圧
が、第1若しくは第2チェック弁を押し開いて第1若し
くは第2受圧室に伝達されることによって成されるもの
で、その摺動量は、流体圧の振動周波数の大きさ、即ち
第1若しくは第2受圧室に流体圧が伝達されている時間
の長さに応じて変化する。
つまり、一方の受圧室に一方の室の流体圧が伝達され
ることで、スプールに他方向への押圧力が作用するが、
スプールが摺動するためには他方の受圧室内の流体が他
方の室へ流出する必要があり、この流出スピードは絞り
によって減速されるので、スプールの摺動量は流体圧の
伝達時間に比例して増減する。
即ち、一方の室側の振動周波数が所定以上の高周波数
である時は、第1若しくは第2受圧室に流体圧が伝達さ
れている時間が短いことからスプールの摺動はなく、こ
のため、スプールは付勢手段により中立位置に配置され
たままで両可変絞りは開放状態に維持されており、この
ため、低減衰力レンジとなっている。
これに対し、振動周波数が所定以下の低周波である時
は、第1若しくは第2受圧室に流体圧が伝達されている
時間が長くなることから、スプールが大きく摺動して両
可変絞りが閉じられ、これにより高減衰力レンジとな
る。
尚、この際、振動周波数に応じて各可変絞りの絞り開度
が連続的に無段階に変化し、これにより、減衰力レンジ
も連続的に無段階に変化する。
このように、本考案の減衰力可変型液圧緩衝器では、
スプールの摺動が摺動しようとする側の絞りによる絞り
作用によってダンピングされるので、減衰力特性の急激
な変動や振動の発生が防止される。
また、伸・圧両行程の減衰力レンジの切り換えが1つ
のスプールで行なえるので、構造が簡略化されると共
に、液圧緩衝器の基本長を短くすることができる。
また、伸側連通路と圧側連通路、及び伸側可変絞りと
圧側可変絞りとがそれぞれ独立しているので、伸行程側
と圧行程側とで、減衰力レンジの高低が逆になるように
設定する等、スプールが中立位置からストロークしたと
きの減衰力レンジを伸側と圧側とで独立して設定するこ
とができ、減衰力設定の自由度が高くなる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成について説明する。
第1図は、本考案第1実施例の減衰力可変型液圧緩衝
器の主要部を示す断面図であって、図中1は円筒状のシ
リンダを示している。このシリンダ1は、摺動自在に装
填されたピストン(バルブボディ)2によって、上部室
Aと下部室Bとに画成され、両室A,Bには油等の流体が
充填されている。
前記ピストン2はスタッド4の先端小径部4aに取り付
けられ、このスタッド4の基端大径部4b側は、ピストン
ロッド3の先端部に螺合することによって連結されてい
る。
尚、前記スタッド4には、その軸芯部に貫通穴4dが穿
設されている。
そして、前記スタッド4の先端小径部4aには、カラー
130,ワッシャ6d,チェックプレート140,チェックボディ1
50,ワッシャ6a,圧側減衰バルブ8,圧側シート部材200,ピ
ストンボディ210,伸側シート部材220,伸側減衰バルブ9,
ワッシャ6b,リテーナ10を順次装着し、最後にナット11
で締結して取り付けられている。
さらに詳述すると、前記チェックボディ150は、その
上面にシート面151を形成するための環状溝152が形成さ
れ、この環状溝152は、連通溝153と第1ポート41を介し
て貫通穴4dと連通されている。
また、上部室A側である圧側シート部材200の上端面
には、内外二重に圧側内側溝201と圧側外側溝202が形成
されており、その外周には、それぞれ前記圧側減衰バル
ブ8が当接する内側シート面203と外側シート面204が形
成されている。
そして、前記圧側内側溝201は、圧側シート部材200及
びピストンボディ210に穿設された複数個の圧側連通路2
fにより下部室Bに連通され、さらに、この圧側内側溝2
01は、圧側連通溝205とスタッド4の先端小径部4aに形
成された第2ポート42を介して貫通穴4dと連通されてい
る。
一方、下部室B側である伸側シート部材220の下端面
には、内外二重に伸側内側溝2jと伸側外側溝2kが形成さ
れており、両溝2j,2kは、ほぼ環状に形成され、その外
周には、それぞれ内側シート面2mと外側シート面2nが形
成されている。
そして、前記伸側内側溝2jは、伸側シート部材とピス
トンボディ210に穿設された複数個の伸側連通路2pによ
り上部室Aに連通され、さらに、この伸側内側溝2jは、
伸側シート部材202に形成された伸側連通溝2r,2sとスタ
ッド4の先端小径部4aに形成された第3ポート43,43を
介して貫通穴4dと連通されている。
また、前記スタッド4における先端小径部4aの先端部
にはナット14が螺合され、このナット14の下端大径穴に
はチェックボディ14aが設けられている。そして、この
チェックボディ14aの上端面には環状のシート面14bが突
出状に形成され、このシート面14bにはスプリング14fで
押圧付勢されたチェックプレート14dが当接されてい
る。また、このシート面14bの内側と下部室Bとが連通
孔14cで連通され、シート面14bの外側とスタッド4の貫
通穴4dとが連通孔14eで連通されている。
そして、前記シート面14bにはコンスタントオリフィ
ス(絞り)15が形成されている。
前記スタッド4における大径穴4cの内底部にはチェッ
クボディ16aが装着されており、このチェックボディ16a
の下端面には環状のシート面16bが突出状に形成され、
このシート面16bにはチェックプレート16cが当接されて
いる。このチェックプレート16cはシート面16bより外側
位置に一部切欠環状の連通穴16dが穿設されると共に、
その外周部がチェックボディ16aとカバー16eの環状突出
部相互間に挟持された状態で固定されている。
また、チェックボディ16aに形成された連通孔16fとピス
トンロッド3に形成された油路3aによってシート面16b
の内側と上部室Aとが連通され、また、カバー16eに形
成された連通孔16gによってカバー16eの上面側と貫通穴
4dとが連通されている。
そして、前記シート面16bにはコンスタントオリフィス
(第1絞り)17形成されている。
さらに、前記ピストンロッド3の貫通穴4d内にはスプ
ール18が、前記カバー16eとナット14との間において摺
動自在に設けられており、このスプール18の上下両側に
第1受圧室C及び第2受圧室Dが形成されている。
そして、第1受圧室C側は、連通孔16gと連通穴16dと
コンスタントオリフィス(第1絞り)17と連通孔16fと
油路3aによって上部室Aに連通されている。
また、第2受圧室D側は、連通孔14eとコンスタント
オリフィス(第2絞り)15と連通孔14cによって下部室
Bに連通されている。
前記、スプール18は、一対のセンタリングスプリング
(付勢手段)20,21で中立位置に戻るように付勢される
と共に、その外周面には、中立位置において第1ポート
41と第2ポート42とを連通する圧側環状溝18a及び第3
ポート43,43相互間を連通する伸側環状溝18bが形成され
ている。そして、第2ポート42と圧側環状溝18aとの間
で圧側可変絞り30が形成され、また、第3ポート43,43
と伸側環状溝18bとの間で伸側可変絞り31が形成されて
いる。
尚、前記圧側環状溝18aは、その開口幅を上方向へ幅
広に形成すると共に、伸側環状溝18bの開口幅を下方向
へ幅広に形成されている。
以上説明したように、本考案実施例では、伸側連通路
2p,伸側内側溝2j,伸側外側溝2kにより、伸側第1連通路
IIIを構成している。
また、伸側連通路2p,伸側内側溝2j,伸側連通溝2r,第3
ポート43,伸側環状溝18b,第3ポート43,伸側連通溝2s,
伸側外側溝2kにより、伸側第2連通路IVを構成してい
る。
また、圧側連通路2f,圧側内側溝201,圧側外側溝202によ
り、圧側第1連通路Iを構成している。
また、圧側連通路2f,圧側内側溝201,圧側連通溝205,第
2ポート42,圧側環状溝18a,第1ポート41,連通溝153,環
状溝152により、圧側第2連通路IIを構成している。
尚、図において、Gはシリンダ1の外周にリザーバ室
Eを形成する外筒、Fは下部室Bとリザーバ室Eとの間
を画成するベースである。
次に、この実施例の作用を説明する。
(イ)伸行程時 ピストン2の伸行程時には、上部室Aの液圧上昇に伴
ない、上部室Aの流体が下部室Bに流入するが、その流
通可能な経路としては前記伸側第1連通路IIIと伸側第
2連通路IVの2つの経路が存在する。
まず、伸側第1連通路III側では、上部室Aから伸側
内側溝2jに流入し、そこから、内側シート面2mの位置で
伸側減衰バルブ9を開弁して伸側外側溝2kに流入し、そ
こからさらに、外側シート面2nの位置で伸側減衰バルブ
9を開弁して下部室Bに流通する。
次に、伸側第2連通路IV側では、上部室Aからこの伸
側第2連通路IVを経て伸側外側溝2kに流入し、そこから
外側シート面2nの位置で伸側減衰バルブ9を開弁して下
部室Bに流通する。
尚、以上2つの経路の内、伸側第2連通路IV側は、ス
プール18の摺動によって伸側可変絞り31の開度を変化さ
せることができる。
従って、この伸側第2連通路IV側の開度が大きい場合
には、伸側可変絞り31での速度2乗特性の減衰力と、伸
側減衰バルブ9における外側シート面2nの位置での速度
2/3乗特性の減衰力とが直列に生じるもので、この場合
は、低減衰力レンジとなる。
また、スプール18が下方へ摺動して伸側第2連通路IV
側の開度が狭くなった場合は、伸側減衰バルブ9におけ
る内外両シート面2m,2nの位置で速度2/3乗特性の減衰力
が直列に生じるもので、この場合は、高減衰力レンジの
特性となる。
そして、この伸側可変絞り31の絞り量は、スプール18
の摺動により変更される。そして、このスプール18の摺
動は、ピストン2のストロークで上昇した上部室A側の
流体圧が、第1チェック弁16cを押し開いて第1受圧室
Cに伝達されることによって成されるもので、その摺動
量は、流体圧の振動周波数の大きさ、即ち第1受圧室C
に流体圧が伝達されている時間の長さに応じて変化す
る。
つまり、第1受圧室Cに上部室Aの流体圧が伝達され
ることで、スプール18に下方向への押圧力が作用する
が、スプール18が摺動するためには他方の第2受圧室D
内の流体が下部室Bへ流出する必要があり、この流出ス
ピードはコンスタントオリフィス(第2絞り)15の絞り
作用によって減速されるので、スプール18の摺動量は第
1受圧室Cに対する流体圧の伝達時間に比例して増減す
る。
即ち、上部室A側の振動周波数が所定以上の高周波数
である時は、第1受圧室Cに流体圧が伝達されている時
間が短いことからスプール18の摺動はなく、このため、
スプール18はセンタリングスプリング20,21により中立
位置に配置されたままで伸側可変絞り31は開放状態に維
持されて伸側第2通路IVが流通可能となっており、これ
により、低減衰力レンジとなっている。
これに対し、振動周波数が所定以下の低周波である時
は、第1受圧室Cに流体圧が伝達されている時間が長く
なることから、スプール18が大きく摺動して伸側可変絞
り31の開度が狭められ、伸側第2連通路IVの流通が制限
されて高減衰力レンジとなる。
尚、この際、振動周波数に応じて伸側可変絞り31の絞
り開度が連続的に無段階に変化し、これにより、減衰力
レンジも連続的に無段階に変化する。
また、以上のように、スプール18の摺動が摺動しよう
とする側のコンスタントオリフィス(第2絞り)15によ
る絞り作用によってダンピングされるので、減衰力特性
の急激な変動や振動の発生が防止される。
(ロ)圧行程時 即ち、ピストン2の圧行程時における流体の流通可能
な経路としては前記圧側第1連通路Iと圧側第2連通路
IIの2つの経路が存在する。
まず、圧側第1連通路I側では、下部室Bから圧側内
側溝201に流入し、そこから内側シート面203の位置で圧
側減衰バルブ8を開弁して外側溝202に流入し、そこか
らさらに外側シート面204の位置で圧側減衰バルブ8を
開弁して上部室Aに流通する。
次に、圧側第2連通路II側では、下部室Bからこの圧
側第2連通路IIを経て環状溝152に流入し、そこからシ
ート面151の位置でチェックプレート140を開弁して上部
室Aに流通する。
尚、以上2つの経路の内、圧側第2連通路IIは、スプ
ール18の摺動によって圧側可変絞り30の開度を変化させ
ることができる。
従って、この圧側第2連通路IIが流通可能な場合に
は、圧側可変絞り30部分での2乗特性の減衰力が生じる
もので、この場合は、低減衰力レンジとなる。
また、スプール18が上方へ摺動して圧側第2連通路II
が狭められた場合は、圧側減衰バルブ8における内外両
シート面203,204の位置で速度2/3乗特性の減衰力が直列
に生じるもので、この場合、高減衰力レンジの特性とな
る。
そして、この圧側可変絞り30の絞り量は、スプール18
の摺動により変更される。そして、このスプール18の摺
動は、ピストン2のストロークで上昇した下部室B側の
流体圧が、第2チェック弁14dを押し開いて第2受圧室
Dに伝達されることによって成されるもので、その摺動
量は、流体圧の振動周波数の大きさ、即ち第2受圧室D
に流体圧が伝達されている時間の長さに応じて変化す
る。
つまり、第2受圧室Dに下部室Bの流体圧が伝達され
ることで、スプール18に上方向への押圧力が作用する
が、スプール18が摺動するためには他方の第1受圧室C
内の流体が上部室Aへ流出する必要があり、この流出ス
ピードはコンスタントオリフィス(第1絞り)17の絞り
作用によって減速されるので、スプール18の摺動量は第
2受圧室Dに対する流体圧の伝達時間に比例して増減す
る。
即ち、下部室B側の振動周波数が所定以上の高周波数
である時は、第2受圧室Dに流体圧が伝達されている時
間が短いことからスプール18の摺動はなく、このため、
スプール18はセンタリングスプリング20,21により中立
位置に配置されたままで圧側可変絞り30は開放状態に維
持されて圧側第2連通路IIが流通可能となっており、こ
れにより、低減衰力レンジとなっている。
これに対し、振動周波数が所定以下の低周波である時
は、第2圧室Dに流体圧が伝達されている時間が長くな
ることから、スプール18が大きく摺動して圧側可変絞り
30が狭められ、圧側第2連通路IIの流通が制限されて高
減衰力レンジとなる。
尚、この際、振動周波数に応じて圧側可変絞り30の絞
り開度が連続的に無段階に変化し、これにより、減衰力
レンジも連続的に無段階に変化する。
また、以上のように、スプール18の摺動が摺動しよう
とする側のコンスタントオリフィス(第1絞り)17によ
る絞り作用によってダンピングされるので、減衰力特性
の急激な変動や振動の発生が防止される。
以上説明してきたように、実施例の減衰力可変型液圧
緩衝器では、スプール18の摺動が摺動方向側のコンスタ
ントオリフィス(第1若しくは第2絞り)17,15による
絞り作用によってダンピングされるので、スプール18の
振動やこの振動による音の発生が防止されると共に、減
衰力特性の急激な変動が防止されるので、操縦安定性及
び乗り心地の向上が図れるようになるという特徴を有し
ている。
また、この実施例では、伸・圧両行程の減衰力レンジ
の切り換えが1つのスプールで行なえるので、構造が簡
略化されると共に、液圧緩衝器の基本長を短くすること
ができるという特徴を有している。
また、実施例では、伸側・圧側の各減衰バルブが当接
するシート面を内外2重に形成したため、直線的な線形
の減衰力特性が得られ、乗り心地と操縦安定性の両立を
図ることができるという特徴を有している。
また、この実施例では、一方の行程側の減衰力が高減
衰力に制御されている場合でも、その逆行程側の減衰力
は低減衰力に維持されるので、逆行程で入力された高周
波成分を低減衰力で受け止めてばね上への伝達力を低減
でき、これにより乗り心地を向上させることができる。
以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、
本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があ
っても本考案に含まれる。
例えば、実施例では、バルブボディとしてピストンを
示したが、例えば、シリンダ内の室とシリンダ外のリザ
ーバ室とを画成するベース等、他のものにも適用でき
る。
(考案の効果) 以上説明してきたように、本考案の減衰力可変型液圧
緩衝器では、スプールの摺動が摺動方向側の絞りよる絞
り作用によってダンピングされるので、スプールの振動
やこの振動による音の発生が防止されると共に、減衰力
特性の急激な変動が防止されるので、操縦安定性及び乗
り心地の向上が図れるようになるという効果が得られ
る。
また、伸・圧両行程の減衰力レンジの切り換えが1つ
のスプールで行なえるので、構造が簡略化されると共
に、減圧緩衝器の基本長を短くすることができるという
効果が得られる。
さらに、伸側連通路と圧側連通路、及び伸側可変絞り
と圧側可変絞りとがそれぞれ独立しているので、伸行程
側と圧行程側とで、減衰力レンジの高低が逆になるよう
に設定する等、スプールが中立位置からストロークした
ときの減衰力レンジを伸側と圧側とで独立して設定する
ことができ、減衰力設定の自由度が高くなるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本考案第1実施例の減衰力可変型液圧緩衝器の
要部を示す断面図 A…上部室 B…下部室 C…第1受圧室 D…第2受圧室 I…第1圧側連通路 II…第2圧側連通路(圧側連通路) III…第1伸側連通路 IV…第2伸側連通路(伸側連通路) 1…シリンダ 2…ピストン(バルブボディ) 8…圧側減衰バルブ 9…伸側減衰バルブ 14d…第2チェック弁 15…コンスタントオリフィス(第1絞り) 16c…第1チェック弁 17…コンスタントオリフィス(第2絞り) 18…スプール 20…センタリングスプリング(付勢手段) 21…センタリングスプリング(付勢手段) 30…圧側可変絞り 31…伸側可変絞り

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体が充填された室内を第1の室と第2の
    室とに画成して設けられたバルブボディと、 両室を連通して並列に形成された伸側連通路,圧側連通
    路と、 前記伸側連通路にもしくは、該伸側連通路と独立して設
    けられた伸側減衰バルブ及び前記圧側連通路にもしく
    は、該圧側連通路と独立して設けられた圧側減衰バルブ
    と、 前記伸側連通路と圧側連通路の途中に伸側可変絞りと圧
    側可変絞りをそれぞれ形成し、かつ、摺動に基づき該可
    変絞りの絞り開度を変更可能に設けられたスプールと、 該スプールの両端受圧面側に形成され第1絞りを介して
    第1の室と連通する第1受圧室及び第2絞りを介して第
    2の室と連通する第2受圧室と、 前記第1絞りと並列に設けられ第1の室側から第1受圧
    室方向への流入を許容する第1チェック弁及び第2絞り
    と並列に設けられ第2の室側から第2受圧室方向への流
    入を許容する第2チェック弁と、 前記伸側・圧側両可変絞りの開度が大きくなるスプール
    中立位置にスプールを付勢する付勢手段と、 を備えていることを特徴とする減衰力可変型液圧緩衝
    器。
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JP2005237797A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Takeya Co Ltd 送信方法、通信システム、付属品、及び遊技設備

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